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【発明の名称】 推動伝動装置
【発明者】 【氏名】ハラルト ブルカルト

【要約】 【課題】推動伝動装置を有する、可変の負荷によって負荷される伝動的な結合において、制限された駆動出力および大量生産に適した伝動装置的な手間であると同時に、伝動される推動部材の充分に短い操作を得られるようにする。

【解決手段】推動伝動装置であって、モータに伝動的に結合された第1の推動部材と、第2の推動部材とを有しており、該第2の推動部材には可変の負荷が作用し、前記第2の推動部材は第1の推動部材に楔伝動的に結合している形式のものにおいて、楔伝動的な結合が、前記可変の負荷に関してモータが比例的ではないトルクで負荷されるように行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 推動伝動装置であって、モータに伝動的に結合された第1の推動部材と、第2の推動部材とを有しており、該第2の推動部材には可変の負荷が作用し、前記第2の推動部材は第1の推動部材に楔伝動的に結合している形式のものにおいて、楔伝動的な結合が、前記可変の負荷に関してモータが比例的ではないトルクで負荷されるように行われることを特徴とする推動伝動装置。
【請求項2】 推動部材(1,2)の、伝動的に協働する楔面(3,4)が推動方向で湾曲されるように形成されている、請求項1記載の推動伝動装置。
【請求項3】 推動部材(1,2)が扁平なプレート状の構成部分として形成されていて、前記推動部材(1,2)を直角に制限する端面のそれぞれ1つが湾曲されるように成形されている、請求項1記載の推動伝動装置。
【請求項4】 推動部材(1,2)の楔面(3,4)が円筒状に形成されている、請求項1記載の推動伝動装置。
【請求項5】 駆動する推動部材(1)の楔面(3)に、駆動される推動部材(2)に設けられた、有利には円筒状のピンが配属されている、請求項3記載の推動伝動装置【請求項6】 駆動する推動部材(21)が推動方向で段付けされて形成されていて、段の端面が付加的な楔面(23)として成形されていて、少なくとも2つの別個に支承された駆動される推動部材(13,20)が設けられている、請求項3記載の推動伝動装置。
【請求項7】 駆動される推動部材(13,20)の一方が、データカード(14)を収容するために形成されたキャリッジ(13)として形成されていて、他方の駆動される推動部材が、扁平なスライダ(20)として形成されていて、キャリッジ(13)に摺動可能に支承されている、請求項6記載の推動伝動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推動伝動装置であって、モータに伝動的に結合された第1の推動部材と、第2の推動部材とを有しており、該第2の推動部材には可変の負荷が作用し、前記第2の推動部材は第1の推動部材に楔伝動的(Keilgetrieblich)に結合している形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】推動伝動装置は一般的に有利には、場合によっては空間的な理由で、または機能的な理由で直接的かつ直線的な力の流れの変向が所望されているところで使用可能である。さらに推動伝動装置により、行程を減少させかつ力を増幅させる方向での伝動機能が得られ、特に駆動される推動部材の推動運動とそのロック後に例えば、駆動する推動部材を出発位置に戻すことができる飛躍機能と相まって、伝動可能な結合の遮断を行えるという利点が得られる。
【0003】典型的な使用例は例えばデータカードユニットである。データカードユニットでは、データカードに関して読取・書込位置にあるデータカードキャリヤが、データカードを取り出す際には、ばね力に抗して取り出し位置に摺動されなければならず、この位置でデータカードキャリヤはロックされる。データカードを挿入する際には、このような形式のコンセプトではデータカードキャリヤはロック解除され、ばねによって読取・書込位置に案内される。即ち、データカードキャリヤはこの読取・書込位置でばねの作用下でストッパに当接している。
【0004】当該データカードユニットが例えば商用車で、挿入されるデータカードの正確な位置決めもしくはコンタクトを確実にし、運転による振動によって位置変更される危険性を排除するために使用されているならば、データカードキャリヤは読取・書込位置において比較的大きな当接力下に置かれなければならない。即ち、データカードを推動伝動装置によって動かすモータは比較的大きな初期負荷と、データカードキャリヤの摺動とともに増加する付加的な搬送負荷とをかけられている。さらにデータカードの排出は比較的短時間で行われなければならないので、相応の出力のモータが使用されなければならない。しかしながらこれが車両の計器盤の範囲であるならば特にこれによりかかる高いコストは、望ましくないものである。即ち、トルクに関して適当なモータは使用できない。さらに種々の電圧減少に基づき車両バッテリの充分な電圧は使用できず、電力の取り込みは安全性の理由および法的取り決めから制限されている。
【0005】勿論、モータの所要トルクは、モータと駆動する推動部材との間に高い減速比を有する伝動装置を設ける、及び/又は推動伝動装置の楔角度を比較的扁平に形成することで減じられる。このような場合、データカードの取り出しのための待ち時間は耐え難いものである。このために伝動装置の拡大により、所要スペースが比較的大きくなり、コストがより高くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は、推動伝動装置を有する、可変の負荷によって負荷される伝動的な結合において、制限された駆動出力および大量生産に適した伝動装置的な手間であると同時に、伝動される推動部材の充分に短い操作を得られるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明の構成では、楔伝動的な結合が、前記可変の負荷に関してモータが比例的ではないトルクで負荷されるように行われるようにした。
【0008】有利な実施例は、推動部材の、伝動的に協働する楔面が推動方向で湾曲されるように形成されていることにより得られる。
【0009】本発明の別の有利な構成は請求項2以下に記載されている。
【0010】
【発明の効果】両推動部材の間に可変の楔角度を設けることにより得られる本発明の利点は特に、前記の課題が付加的な技術的な手間なしに、即ち付加的な構成部分なしに解決され、駆動モータの所要トルクのためには実質的には、基本負荷もしくは初期負荷のみを考慮にいれればよいことにある。協動する両楔面の適当なカーブ形状により、負荷上昇が直線的ではない場合でもトルクは補償され、場合によっては駆動モータのために一定の所要トルクが得られる。本発明の手段は当然、一定の負荷が種々異なる速度で運動されていて、この場合、駆動モータの所要トルクがほぼ一定に保たれなければならない場合のためにも使用可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】図1の作用スケッチから明らかであるように、矢印方向Xで摺動可能に支承された推動部材1は、矢印方向Yで摺動可能に支承された推動部材2と一種の楔伝動装置を形成するように結合されている。符号FAは推動部材1に作用する駆動力を示している。推動部材1と推動部材2との楔伝動的な結合により得られる行程力FHは、ばね行程に応じて変化する、推動部材2に作用する引張ばねの力FZに抗して作用する。駆動力FA、ひいては駆動モータの所要トルクがほぼ一定であるように、推動部材1,2の、伝動的に作用結合する楔面3,4が湾曲されるように形成されていることにより補償調整が行われている。最も簡単のものでは、湾曲のために円弧を設けることができる。この場合、設けられる曲率半径r1とr2の長さと、それぞれの中心点(図示せず)の位置とは所定の範囲内で自由に選択可能であるが、計算によって、駆動モータの可変のトルク負荷軽減のために最適化することもできる。重要であるのは図1に示したように、楔角度が変化可能であって、例えば出発位置の45°から、被駆動構成部分の終端位置もしくは係止位置の20°まで減じられることである。以下に記載する実施例では、この被駆動構成部分は、データカードキャリヤとして形成されたキャリッジを成している。
【0013】図2の概略図では符号5で、ケーシング、例えばタコグラフの前壁が示されている。このケーシング内にはデータカードユニット6が配置されている。符号7ではこのケーシングの側壁が、符号8では底面が示されている。この前壁5には通常は少なくとも種々のキー(そのうち1つはデータカードの出力信号を生ぜしめるために用いられる)とLCディスプレイが配置されているが、これらは本発明の本質ではないので図示されていない。この前壁5にはさらに、データカードユニット6へ接近するための前側の入口としてのスリット9が設けられている。データカードユニット6は2つのガイド側壁10,11を有しており、これらのガイド側壁10,11は装置のプリント配線板12に適当に固定されているか、またはこのプリント配線板12に直接に一体成形されている。またデータカードユニット6はガイド側壁10,11内に摺動可能に支承されたキャリッジ13を有しており、このキャリッジ13はデータカードキャリヤとして形成されている。図2にはさらに符号14でデータカードが図示されている。このデータカード14には適正な挿入位置および挿入方向を示す指示矢印15とコンタクトエリア16とが設けられている。データカード14に対応するコンタクトセットはプリント配線板12に固定されているが、図2ではプリント配線板12が切り欠かれているので見えなくなっている。定置に取り付けられたピン17もしくは別の適当なエレメントには、引張ばね18の端部が懸吊されている。この引張ばね18はキャリッジ13を図2に示した読取・書込位置に搬送するために働く。この位置ではキャリッジ13が突出している。即ち、キャリッジ13に一体成形された舌片19と、キャリッジ13上に摺動可能に支承されたスライダ20とが、キャリッジ13に対して横方向に案内される推動部材21の運動経路内に突入している。適当に支承された推動部材21は歯列22を有しており、この歯列22を介して伝動チェーン(図示せず)を介在させ駆動モータに結合されている。符号23,24によって、推動部材21に湾曲されて形成された2つの楔面が示されている。推動部材21がキャリッジ13の方向に運動されると舌片19とスライダ20とに成形された楔面25,26が前記楔面23,24と協動する。舌片19に対して対称的にキャリッジ13に形成された舌片27により、推動部材21を、図2に示したのとは逆の方向からも制御することができるように、データカードユニット6を組み込むことができる。
【0014】念のためにさらに述べると、キャリッジ13にはガイドウエブ28,29,30,31が一体成形されていて、これらのガイドウエブ28,29,30,31はガイド側壁10,11に形成された溝32,33に係合する。この場合、溝32,33はガイド側壁10,11に一貫して設けられてはおらず、引張ばね18の作用下にあるキャリッジ13にはガイド側壁10,11でストッパが配属されている。符号34,35によって、ガイド側壁10に設けられた切欠が示されている。この切欠は、キャリッジ13を挿入・取出位置にロックするために働く。この場合、これらの切欠34,35はキャリッジ13に支承された第2のスライダ36(図3参照)に形成されたフィンガ37,38と協動する。
【0015】図2に示した、データカード14が読取・書込位置に位置している作用位置では、フィンガ37,38が側方でデータカード14に係合し、このデータカードを反対側の、キャリッジ13に形成された、データカード14に対応する、フレーム39の壁に保持する。このような場合にはスライダ20と36とが、キャリッジ13のフレーム39の面40(図3)に同一平面で位置するように形成されて、キャリッジ13にH型の角柱ガイド(Prismenfuehrung)によって支承されるようになっている。スライダ13が挿入・取出位置に位置していて、T字型に形成されたスライダ36のフィンガ37,38が切欠34,35に作用結合する場合には、スライダ20に形成された1つの突起41しかフレーム39には係合しない。この突起41はフレーム39の面40に対して平行に、縁部で形成されていて、図示されていない抑えを有している。即ち、データカード14をデータカードユニット6に挿入する際には、スライダ20が突起41を介して、引張ばねの作用に抗して摺動され、この場合、スライダ20とスライダ36との間に設けられた、スライダ20,36の2つの安定位置を生ぜしめる飛躍切換機構(Kippsprungwerk)が作動される。飛躍切換機構は、スライダ20に形成され、いわゆる思案点(Kippunkt)を有する滑子案内43と、スライダ36に固定され、滑子案内43にキー伝動的に作用結合されるピン44と、圧縮ばね45とから成っている。この圧縮ばね45は一方ではスライダ36に係合し、他方ではキャリッジ13に支持されている。この場合、圧縮ばね45の力が引張ばね42の力よりも著しく大きく選択されている。
【0016】矢印方向Qでデータカード14を挿入する際に飛躍切換機構の思案点が越えられると、データカード14の側方での係合と同時に、圧縮ばね45の作用下でキャリッジ13のロック解除が行われ、一方の端部がキャリッジに不動に設けられたポスト46に懸吊されている引張ばね18の作用下でキャリッジ13が読取・書込位置に搬送される。逆の場合、即ちデータカード14を取り出す場合には、このことは例えばキー操作により作動されなければならず、推動部材21が矢印方向Pにモータによって動かされ、この場合まず最初にキャリッジ13が、楔面24と26とがすべり結合することにより、所定の位置に摺動される。この所定の位置ではフィンガ37,38が切欠34,35に向かい合って位置している。推動部材21をさらに移動させると、楔面23,25が伝動的に結合され、これによりスライダ20がキャリッジ13が静止している状態で、飛躍切換機構の思案点にまで摺動される。次いで、圧縮ばね45の成分と引張ばね42とがスライダ20をストッパ47にまで案内する。この場合、滑子案内43は、フィンガ37,38が切欠34,35に係合しているように形成されている。有利には推動部材21は図3に示されたように、駆動モータの回転方向制御のためのスイッチを操作するために運動される。これにより推動部材21は、次いでデータカード14の新たな挿入と、キャリッジ13の読取・書込位置への摺動を可能にする出発位置に戻される。
【出願人】 【識別番号】390009416
【氏名又は名称】マンネスマン ファウ デー オー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mannesmann VDO AG
【住所又は居所原語表記】Kruppstrabe 105,Frankfurt am Main,BRD
【出願日】 平成12年9月13日(2000.9.13)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−124168(P2001−124168A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願2000−278529(P2000−278529)