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【発明の名称】 自動変速機用パワートレーン
【発明者】 【氏名】沈 烋 台

【要約】 【課題】部品点数の低減,組立性,加工性を向上させた自動変速機用パワートレーンを提供する。

【解決手段】アンダドライブ太陽ギヤの後方に第1の動力伝達部材で連結されて配置されるアンダドライブクラッチと、リバース太陽ギヤの後方に第2の動力伝達部材で連結されて配置されるリバースクラッチと、前記第2の動力伝達部材の回転を制限するよう変速機のハウジングに設けられた2速ブレーキと、ローンピニオンの後方で第3の動力伝達部材に連結配置されて変速機のハウジングに設けられるワンウエイクラッチと、前記第3の動力伝達部材から分岐されて変速機のハウジングに連設されるローリバースブレーキと、プラネタリキャリアと入力軸を可変連結するように設けられるオーバドライブクラッチと、アニュラスギヤと連結される部位に軸受を介して設けられるトランスファドライブギヤとから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンから回転動力を伝達されて回転する入力軸上にダブルピニオン遊星ギヤセットを組合わせて前進4速及び後進1速の変速段を具現できる自動変速機用パワートレーンにおいて、アンダドライブ太陽ギヤの後方に第1の動力伝達部材で連結されて配置されるアンダドライブクラッチと、リバース太陽ギヤの後方に第2の動力伝達部材で連結されて配置されるリバースクラッチと、前記第2の動力伝達部材の回転を制限するように変速機のハウジングに設けられた2速ブレーキと、ローンピニオンの後方で第3の動力伝達部材に連結配置されて変速機のハウジングに設けられるワンウエイクラッチと、前記第3の動力伝達部材から分岐されて変速機のハウジングに連設されるローリバースブレーキと、プラネタリキャリアと入力軸を可変連結するように設けられるオーバドライブクラッチと、アニュラスギヤと連結される部位に軸受を介して設けられるトランスファドライブギヤとを含んでなることを特徴とする自動変速機用パワートレーン。
【請求項2】 遊星ギヤセットとオイルポンプとの間に形成されつつ入力軸が貫通するように変速機のハウジングに延成された管部と、該管部の外周面にロッキングナットで組立てられる軸受部材と、該軸受部材にスナップリングで組立固定されるトランスファドライブギヤと、該トランスファドライブギヤに歯合されて動力を伝達されるようにスナップリングに設けられたトランスファドリブンギヤと、該トランスファドリブンギヤを設けつつディップドライブギヤを一側に短かい長さで配置して動力を伝達するように設けられるトランスファ軸とを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項3】 ロッキングナットは、管部の内周面の入力軸との間に組立てられて軸受部材の離脱を防止するようにフランジ部を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項4】 ロッキングナットと軸受部材との間にストッパプレートを管部に組立てて軸受部材の離脱を2重に防止するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項5】 遊星ギヤセットの前側の入力軸上に設けたオーバドライブクラッチリテーナと、プラネタリキャリアに一体に形成されたオーバドライブクラッチハーブと、該オーバドライブクラッチリテーナとエンドクラッチハーブとの間に設けられたクラッチリアクションプレートの一側に介されたクラッチディスクとクラッチプレートを油圧によって前進させて加圧するよう、支持プレートにガイドされるように支持して設けられるオーバドライブクラッチピストンとを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項6】 リバース太陽ギヤに連結される2速ブレーキハーブと変速機のハウジングとの間にブレーキ圧力プレートとブレーキディスクブレーキリアクションプレートを変速機のハウジングのリヤカバーに突設された2速ブレーキピストンによって加圧が行われるように設けられた2速ブレーキと、リバース太陽ギヤに連結されるリバースクラッチハーブと入力軸に連結されるリバースクラッチリテーナとの間に介されるクラッチプレートとクラッチディスクをクラッチリアクションプレート側へ加圧するリバースクラッチピストンを設けてなるリバースクラッチと、該リバースクラッチピストンとアンダドライブ太陽ギヤとの間に介設されてクラッチリアクションプレート側へクラッチディスクとクラッチプレートを加圧するアンダドライブクラッチピストンを設けてなるアンダドライブクラッチと、入力軸に連結されてアンダドライブクラッチピストンを支持するアンダドライブクラッチリターンスプリングを設けて、アンダドライブクラッチピストンの前進をガイドするアンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナとを備えられてなることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項7】 リバースクラッチピストンは、リバースクラッチリテーナの内側へ移動可能にスプライン結合されてリバースクラッチを作動させるように設けられてなることを特徴とする請求項6に記載の自動変速機用パワートレーン。
【請求項8】 リバースクラッチピストンは、アンダドライブクラッチのリテーナを作用するように設けられる請求項8に記載の自動変速機用パワートレーン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動変速機用パワートレーンに係り、より詳しくは、遊星ギヤセットの後方にアンダドライブクラッチとリバースクラッチとキックダウンブレーキを配置し、前方にオーバドライブクラッチとトランスファドライブギヤを配置してなる自動変速機用パワートレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来技術におけるパワートレーンを示す図である。自動変速機のパワートレーンは、遊星ギヤセット(2)の前方に、第1の動力伝達部材(4)にリバース太陽ギヤ(6)と連結されるフロントクラッチ(8)と、第2の動力伝達部材(10)にポワード太陽ギヤ(12)と連結されるリヤクラッチ(14)と、第1の動力伝達部材(4)の回転力を制御するキックダウンバンドブレーキ(16)と、ローンピニオン(17)と第3の動力伝達部材(18)に連結されるワンウエイクラッチ(20)を制御するように変速機のハウジング(22)に連結されるローリバースブレーキ(24)を配置し、後方にはアニュラスギヤ(26)に連設されてトランスファドリブンギヤ(28)と歯合するトランスファドライブギヤ(30)と、プラネタリキャリア(32)に連結されるエンドクラッチ部(34)とを配置してなる。
【0003】さらに、トランスファドリブンギヤ(28)には、トランスファ軸(36)とディップドライブギヤ(38)が連設されている。また、図7は従来の自動変速機のパワートレーンに適用される終減速ギヤ部を示す図である。終減速ギヤ部(44)から入力軸(40)を通じて入りこんだ入力が、遊星ギヤセット(2)などを経てトランスファドライブギヤ(30)に伝達され、この際に、伝達された動力は、トランスファ軸(36)に設けられて歯合されるトランスファドリブンギヤ(28)とディップドライブギヤ(38)を経て車輪に伝達するようになる。
【0004】前記トランスファドライブギヤ(30)は、ロッキングナット(46)で遊星ギヤセット(2)のアニュラスギヤ(26)と連結されつつアウトプットフランジ(48)に設けられている。前記トランスファドライブギヤ(30)は、変速機のハウジング(22)にボルト(52)で固定されるダブルアンギュラ軸受(54)で支持されて回転するようになっている。さらに、トランスファドライブギヤ(30)と歯合するトランスファドリブンギヤ(28)と、トランスファ軸(36)にロッキングナット(56)で固設されている。
【0005】図8は、従来技術のエンドクラッチ部を示す図であり、エンドクラッチ部(34)は、入力軸(40)上のエンドクラッチ軸(58)にエンドクラッチハーブ(ハブ;60)と、入力軸(40)上のエンドクラッチリテーナ(62)と、これらの間にクラッチリアクションプレート(64)及びクラッチプレート(66)とクラッチディスク(68)を配置しつつ、エンドクラッチリテーナ(62)の前面に設けられたエンドクラッチピストン(70)と、これを弾支するエンドクラッチリターンスプリング(72)とを含んで構成されている。
【0006】前記エンドクラッチ部(34)は、エンドクラッチリテーナ(62)に設けられた油孔(74)を通して油圧が加えられると、エンドクラッチピストン(70)がエンドクラッチリターンスプリング(72)の弾性力を克服しつつクラッチプレート(66)とクラッチディスク(68)を加圧してクラッチングさせる。
【0007】逆に、エンドクラッチ部(34)に加えられた油圧が解除されると、エンドクラッチリターンスプリング(72)によってエンドクラッチピストン(70)が後退してクラッチプレート(66)とクラッチディスク(68)を切り離して動力伝達を遮断するようにする。
【0008】図9は、従来の自動変速機のフロント及びリヤクラッチ断続制御部を示す図であり、フロント及びリヤクラッチ断続制御部(80)は、キックダウンバンドブレーキ(16)と、フロントクラッチ(8)と、リヤクラッチ(14)とで遊星ギヤセット(2)の前側に構成されて設けられている。前記キックダウンバンドブレーキ(16)は、キックダウンドラム(82)の外周面に設けられている。
【0009】リヤクラッチ(14)は、入力軸(40)に設けられたリヤクラッチリテーナ(84)とポワード太陽ギヤ(12)に連結されたリヤクラッチハーブ(86)との間にクラッチリアクションプレート(88)及びクラッチディスク(90)と、クラッチプレート(92)とを設けている。さらに、リヤクラッチリターンスプリングリテーナ(94)で支持されたリヤクラッチリターンスプリング(96)の弾性力を克服しつつ供給された油圧により前進してクラッチディスク(90)とクラッチプレート(92)を加圧して動力を断続するリヤクラッチピストン(98)で構成されている。
【0010】フロントクラッチ(8)は、リヤクラッチリテーナ(84)に形成されたフロントクラッチハーブ(100)とフロントクラッチリテーナ(102)との間に設けられたフロントクラッチリアクションプレート(104)と、クラッチディスク(106)と、クラッチプレート(108)及びフロントクラッチリターンスプリング(110)の弾性力を克服し、油圧で前進するフロントクラッチピストン(112)とを備えている。
【0011】上記のように構成されるフロント及びリヤクラッチ断続制御部(80)のリヤクラッチ(14)の作用は、リヤクラッチリテーナ(84)に形成された油孔(114)を通して圧力が伝達されると、リヤクラッチピストン(98)が弾性力を克服しつつ前進してクラッチディスク(90)とクラッチプレート(92)を加圧させて一体化することによって、動力伝達が行われる。また、油圧がフロントクラッチ(8)に作用すると、フロントクラッチピストン(112)によってクラッチディスク(106)とクラッチプレート(108)とが一体になってフロントクラッチリテーナ(102)に動力が伝達されるようになる。
【0012】伝達された動力は、キックダウンドラム(82)を通じてリバース太陽ギヤ(6)に伝達され、ローリバースブレーキ(116)によって固定されたプラニトキャリア(118)を反力要素としてローンピニオン(17)とアニュラスギヤ(26)などを経てトランスファドライブギヤに伝達される。
【0013】上記自動変速機パワートレーンの変速作動を見ると、〔1速時〕入力要素のリヤクラッチ(14)と反力要素であるワンウエイクラッチ(20)が作動して1速となる。入力軸(40)に入力された動力は、リヤクラッチ(14)を通じてポワード太陽ギヤ(12)に伝達され、ワンウエイクラッチ(20)によって固定されたプラネタリキャリア(32)を反力要素としてショットピニオン(42)とローンピニオン(17)とアニュラスギヤ(26)などを経てトランスファドライブギヤ(30)に動力が伝達される。
【0014】〔2速時〕入力要素のリヤクラッチ(14)と反力要素であるキックダウンバンドブレーキ(16)が作動して2速となる入力軸(40)に入力された動力は、リヤクラッチ(14)を経てポワード太陽ギヤ(12)に伝達され、キックダウンバンドブレーキ(16)によって固定されたリバース太陽ギヤ(6)を反力要素としてショットピニオン(42)とローンピニオン(17)とアニュラスギヤ(26)などを経てトランスファドライブギヤ(30)に伝達される。
【0015】〔3速時〕入力要素のリヤクラッチ(14)と反力要素であるフロントクラッチ(8)が作動して遊星ギヤセット(2)が一体に回転して3速となる。入力軸(40)に入力された動力は、リヤクラッチ(14)及びフロントクラッチ(8)に同時に伝達され、リヤクラッチ(14)に伝達された動力はポワード太陽ギヤ(12)に伝達され、フロントクラッチ(8)に伝達された動力はリバース太陽ギヤ(6)に伝達される。この際、遊星ギヤセット(2)がロックされて一体に回転するようになり、その動力はトランスファドライブギヤ(30)に伝達される。
【0016】〔4速時〕入力要素のエンドクラッチ部(34)と反力要素であるキックダウンバンドブレーキ(16)が作動して4速となる。入力軸(40)に入力された動力は、エンドクラッチ部(34)を経てプラネタリキャリア(32)に伝達され、キックダウンバンドブレーキ(16)によって固定されたリバース太陽ギヤ(6)を反力要素としてローンピニオン(17)とアニュラスギヤ(26)などを経てトランスファドライブギヤ(30)に伝達される。
【0017】〔後進時〕入力要素のフロントクラッチ(8)と反力要素であるローリバースブレーキ(24)によって固定されたプラネタリキャリア(32)を反力要素としてローンピニオン(17)とアニュラスギヤ(26)などを経てトランスファドライブギヤ(30)に伝達される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かような従来技術は、トランスファドライブギヤを遊星ギヤセットの後方に配置することにより、トランスファ軸の長さが大となる短所があり、このために、重量の増大と価格のコストアップ要因となる不利な問題点がある。また、ディスクタイプと対比する場合、バンドタイプなる2速ブレーキの制御の側面に不利な問題点がある。
【0019】また、エンドクラッチハーブとプラネタリキャリアをエンドクラッチ軸で連結することから、部品点数,重量及び価格のコストアップという側面からも不利な問題点がある。また、クラッチリテーナ類の加工方法(焼結後の加工)が強さ及び加工性の側面で不利な問題点がある。また、トランスファドライブギヤの外径部に軸受を嵌入し、ボルトを利用して変速機のハウジングに固定することから、加工性と組立性に劣り、構造が複雑になることから、重量の増加と価格のコストアップという側面で不利になるという問題点がある。
【0020】また、エンドクラッチハーブとプラネタリキャリアとをエンドクラッチ軸で連結する構造が複雑となり、重量の増加と価格のコストアップ及び組立性の側面で不利な問題点がある。また、エンドクラッチピストンをスプリングの力だけでリターンさせることによって、制御安定性に不利な問題点がある。また、エンドクラッチリテーナの加工方法(焼結)の強さ、加工性の側面で不利な問題点がある。また、リヤクラッチリテーナとフロントクラッチリテーナとが切離されていることから、重量の増加及び価格のコストアップの側面で不利な問題点がある。さらに、フロントクラッチには、リヤクラッチで制御均衡機能をするリヤクラッチリターンスプリングリテーナのごときリテーナを適用していないことから、制御の安定に不利な問題点がある。
【0021】
【発明の目的】この発明は上記様々な問題点を解決するためになされたものであつて、その目的は、遊星ギヤセットの前方にトランスファドライブギヤとオーバドライブクラッチを配置し、後方にはアンダドライブクラッチとリバースクラッチ2速ブレーキとローリバースブレーキとワンウエイクラッチとを配置することにより、部品の削除と重量低減を図った自動変速機用パワートレーンを提供することにある。
【0022】また、この発明の他の目的は、トランスファ軸の長さを短縮できるようにトランスファドライブギヤなどの配置を改善して、部品点数の低減,組立性,加工性を向上せしめた自動変速機用パワートレーンを提供することにある。また、この発明の他の目的は、エンドクラッチハーブ及び軸をプラネタリキャリアと一体化したオーバドライブクラッチを遊星ギヤセットの前方に配置して構造を簡単ならしめるとともに、重量の低減及び原価を節減させた構造でクラッチリテーナの加工方法の変更によって加工性及び強さを向上せしめた自動変速機用パワートレーンを提供することにある。
【0023】また、この発明の他の目的は、リヤクラッチ及びフロントクラッチリテーナを一体化して共有されるようにしたリバースクラッチリテーナを採用して遊星ギヤセットの後側に配置することにより、構造を単純ならしめてリヤ及びフロントクラッチのすべてにアンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナの作用が及ぶようにして、制御の安定性を向上せしめ、2速ブレーキをディスク形式に変更してリバースクラッチなどの制御を容易ならしめる自動変速機用パワートレーンを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成するためになされたこの発明は、エンジンから回転動力を伝達されて回転する入力軸上にダブルピニオン遊星ギヤセットを組合わせて前進4速及び後進1速の変速段を具現できる自動変速機用パワートレーンにおいて、アンダドライブ太陽ギヤの後方に第1の動力伝達部材で連結されて配置されるアンダドライブクラッチと、リバース太陽ギヤの後方に第2の動力伝達部材で連結されて配置されるリバースクラッチと、前記第2の動力伝達部材の回転を制限するように変速機のハウジングに設けられた2速ブレーキと、ローンピニオンの後方で第3の動力伝達部材に連結配置されて変速機のハウジングに設けられるワンウエイクラッチと、前記第3の動力伝達部材から分岐されて変速機のハウジングに連設されるローリバースブレーキと、プラネタリキャリアと入力軸を可変連結するように設けられるオーバドライブクラッチと、アニュラスギヤと連結される部位に軸受を介して設けられるトランスファドライブギヤとを含んでなることを特徴とする。
【0025】また、遊星ギヤセットとオイルポンプとの間に形成されつつ入力軸が貫通するように変速機のハウジングに延成された管部と、該管部の外周面にロッキングナットで組立てられる軸受部材と、該軸受部材にスナップリングで組立固定されるトランスファドライブギヤと、該トランスファドライブギヤに歯合されて動力を伝達されるようスナップリングに設けられたトランスファドリブンギヤと、該トランスファドリブンギヤを設けつつディップドライブギヤを一側に短かい長さで配置して動力を伝達するように設けられるトランスファ軸とを含んでなることを特徴とする。
【0026】また、遊星ギヤセットの前側の入力軸上に設けたオーバドライブクラッチリテーナと、プラネタリキャリアに一体に形成されたオーバドライブクラッチハーブと、該オーバドライブクラッチリテーナとエンドクラッチハーブとの間に設けられたクラッチリアクションプレートの一側に介されたクラッチディスクとクラッチプレートを油圧によって前進させて加圧するよう、支持プレートにガイドされるように支持して設けられるオーバドライブクラッチピストンとを含んでなることを特徴とする。
【0027】また、リバース太陽ギヤに連結される2速ブレーキハーブと変速機のハウジングとの間にブレーキ圧力プレートとブレーキディスクブレーキリアクションプレートを変速機のハウジングのリヤカバーに突設された2速ブレーキピストンによって加圧が行われるように設けられた2速ブレーキと、リバース太陽ギヤに連結されるリバースクラッチハーブと入力軸に連結されるリバースクラッチリテーナとの間に介されるクラッチプレートとクラッチディスクをクラッチリアクションプレート側へ加圧するリバースクラッチピストンを設けてなるリバースクラッチと、該リバースクラッチピストンとアンダドライブ太陽ギヤとの間に介設されてクラッチリアクションプレート側へクラッチディスクとクラッチプレートを加圧するアンダドライブクラッチピストンを設けてなるアンダドライブクラッチと、入力軸に連結されてアンダドライブクラッチピストンを支持するアンダドライブクラッチリターンスプリングを設けて、アンダドライブクラッチピストンの前進をガイドするアンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナとを備えられてなることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい構成及び作用について添付図に沿つて詳述する。図1はこの発明に従う自動変速機用パワートレーンを示す構成図であり、図2はこの発明に従う終減速ギヤ部を示す図である。また、図3は、この発明に従う自動変速機用パワートレーンのオーバドライブクラッチ部を示す図,図4はこの発明に従うアンダドライブクラッチ断続制御部を示す図である。さらに、図5はこの発明に従うパワートレーンの変速段別摩擦要素作動表を示す図である。
【0029】自動変速機用パワートレーン(150)は、エンジンから回転動力を伝達されて回転する入力軸(152)上にダブルピニオン遊星ギヤセット(154)を組合わせて前進4速及び後進1速の変速段を具現できるパワートレーンである。前記ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)のアンダドライブ太陽ギヤ(156)には第1の動力伝達部材(158)が連結され、後方にはアンダドライブクラッチ(160)を配置している。さらに、リバース太陽ギヤ(162)には第2の動力伝達部材(164)が連結され、後方にはリバースクラッチ(166)を配置している。
【0030】また、前記第2の動力伝達部材(164)の回転を制限するように2速ブレーキ(168)を変速機のハウジング(170)に連設させている。前記ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)のローンピニオン(172)の後方で第3の動力伝達部材(174)で回転を制限するように変速機のハウジング(170)に設けられるワンウエイクラッチ(176)と、前記第3の動力伝達部材(174)から分岐されて変速機のハウジング(170)にローリバースブレーキ(178)を連設させている。
【0031】前記ローンピニオン(172)とショットピニオン(180)とを連結して前方へ配置されるプラネタリキャリア(182)に入力軸(152)との可変連結されるように、オーバドライブクラッチ(184)を設けている。前記ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)のアニュラスギヤ(186)に連結される前方に軸受(188)を内周面に介してトランスファドライブギヤ(190)を含んで構成されている。
【0032】前記トランスファドライブギヤ(190)は前方に配置され、これに歯合されるトランスファドリブンギヤ(192)とトランスファ軸(194)とディップドライブギヤ(196)とを連結配置している。終減速ギヤ部(198)は、ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)とオイルポンプ(図示なし)との間に形成されつつ入力軸(152)が貫通するように、変速機のハウジング(170)に管部(200)を延成している。
【0033】前記管部(200)の内周面の入力軸(152)との間に組立てられたロッキングナット(201)によって離脱が防止されるよう、管部(200)の外周面に軸受部材(202)を組立てている。前記ロッキングナット(201)は、軸受部材(202)の離脱を防止するように、フランジ部(204)を形成している。
【0034】前記軸受部材(202)の外周面にスナップリング(206)を介してトランスファドライブギヤ(190)を固設している。また、軸受部材(202)は、ロッキングナット(201)のフランジ部(204)側に位置されるように、管部(200)に組立てられたストッパプレート(208)によって離脱防止されている。
【0035】前記トランスファドライブギヤ(190)に歯合されて動力を伝達されるようにトランスファドリブンギヤ(192)を設けている。前記トランスファドリブンギヤ(192)を設けつつディップドライブギヤ(196)を通じて車輪に動力を伝達するトランスファ軸(194)を短かい長さに形成して配置している。さらに、自動変速機用パワートレーンのオーバドライブクラッチ(184)は、ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)の前側の入力軸(152)上にオーバドライブクラッチリテーナ(210)を設けている。さらに、ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)のプラネタリキャリア(182)に一体にオーバドライブクラッチハーブ(212)を形成している。
【0036】前記オーバドライブクラッチリテーナ(210)とオーバドライブクラッチハーブ(212)との間に設けられたクラッチリアクションプレート(214)の一側に介されたクラッチディスク(216)とクラッチプレート(218)とを油圧によって前進させて加圧するよう、支持プレート(220)を形成してガイドされるように支設されるオーバドライブクラッチピストン(222)を含んで構成されている。
【0037】かようなオーバドライブクラッチピストン(222)は、オーバドライブクラッチリテーナ(210)に設けられたオイル通路(224)を通してオイルが供給されると、オーバドライブクラッチピストン(222)がオーバドライブクラッチリターンスプリングリテーナ(226)に支持されたオーバドライブクラッチリターンスプリング(228)の弾性力を克服して支持プレート(220)にガイドされて前進することにより、クラッチディスク(216)とクラッチプレート(218)を加圧して動力伝達をするようにする。
【0038】さらに、オーバドライブクラッチ(184)は、オーバドライブクラッチハーブ(212)とエンドクラッチ軸(230)とをプラネタリキャリア(182)と一体化することによって、構造を簡単ならしめるようになる。また、自動変速機のアンダドライブクラッチ断続制御部(232)は、2速ブレーキ(168)と、リバースクラッチ(166)と、アンダドライブクラッチ(160)とから構成されている。2速ブレーキ(168)は、リバース太陽ギヤ(162)に連結される2速ブレーキハーブ(234)と変速機のハウジング(170)との間にブレーキ圧力プレート(236)とブレーキディスク(238)とブレーキリアクションプレート(240)を変速機のハウジング(170)のリヤカバー(242)に突設された2速ブレーキピストン(244)によって加圧が行われるように設けられている。
【0039】リバースクラッチ(166)は、リバース太陽ギヤ(162)に連結されるリバースクラッチハーブ(246)と入力軸(152)とに連結されるリバースクラッチリテーナ(248)との間に介されるクラッチプレート(250R)とクラッチディスク(252R)をクラッチリアクションプレート(254R)側へ加圧するリバースクラッチピストン(256)を設けている。
【0040】アンダドライブクラッチ(160)は、リバースクラッチピストン(256)とアンダドライブ太陽ギヤ(156)とに連結されたアンダドライブクラッチハーブ(258)との間に介して設けられてクラッチリアクションプレート(254)側へクラッチディスク(252)とクラッチプレート(250)を加圧するアンダドライブクラッチピストン(260)を設けている。
【0041】さらに、アンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナ(262)は、入力軸(152)に連結され、アンダドライブクラッチピストン(260)を支持するアンダドライブクラッチリターンスプリング(264)を設けてアンダドライブクラッチピストン(260)の前進をガイドするようになっている。上記のように構成されるこの発明の作用は、油圧がアンダドライブクラッチ(160)に作用すると、アンダドライブクラッチピストン(260)によってクラッチプレート(250)とクラッチリアクションプレート(254)とクラッチディスク(252)とが一体となって、動力をアンダドライブクラッチハーブ(258)に伝達する。
【0042】また、油圧がアンダドライブクラッチ(160)及びリバースクラッチ(166)に同時に作用すると、アンダドライブクラッチピストン(260)及びリバースクラッチピストン(256)によってクラッチプレート(250,250R)とクラッチリアクションプレート(254,254R)とクラッチディスク(252,252R)とが一体となって動力をアンダドライブクラッチハーブ(258)及びリバースクラッチハーブ(246)に伝達するようになる。
【0043】また、油圧がリバースクラッチ(166)だけに作用すると、リバースクラッチピストン(256)によってクラッチプレート(250R)とクラッチリアクションプレート(254R)とクラッチディスク(252R)とが一体となって動力をリバースクラッチハーブ(246)に伝達するようになる。
【0044】つまり、アンダドライブクラッチ(160)及びリバースクラッチ(166)にアンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナ(262)によってリバースクラッチピストン(256)とアンダドライブクラッチピストン(260)の移動をガイドするようになることで、制御の安定性を図るとともに、2速ブレーキ(168)をディスクタイプにすることによって制御を容易ならしめることになる。
【0045】さらに、アンダドライブクラッチ(160)は、リバースクラッチピストン(256)をリテーナ兼リバースクラッチがピストンの機能をするようにすることによって、構造の単純化を図られるようになる。また、アンダドライブクラッチ及びリバースクラッチのハーブを溶接して一体化した。
【0046】上記のように構成されるこの発明の作用について説明すると、〔1速時〕入力要素のアンダドライブクラッチ(160)と反力要素であるウエイクラッチ(176)が作動して1速となる。入力軸(152)に入力された動力は、アンダドライブクラッチ(160)を経てアンダドライブ太陽ギヤ(156)に伝達され、ワンウエイクラッチ(176)によって固定されたプラネタリキャリア(182)を反力要素としてショットピニオン(180)とローンピニオン(172)とアニュラスギヤ(186)などを経てトランスファドライブギヤ(190)に伝達される。
【0047】〔2速時〕入力要素のアンダドライブクラッチ(160)と反力要素である2速ブレーキ(168)が作動して2速となる。入力軸(152)に入力された動力は、アンダドライブクラッチ(160)を経てアンダドライブ太陽ギヤ(156)に伝達され、2速ブレーキ(168)によって固定されたリバース太陽ギヤ(162)を反力要素としてショットピニオン(180)とローンピニオン(172)とアニュラスギヤ(186)などを経てトランスファドライブギヤ(190)に伝達される。
【0048】〔3速時〕入力要素のアンダドライブクラッチ(160)と反力要素であるオーバドライブクラッチ(184)が作動されてダブルピニオン遊星ギヤセット(154)が一体に回転して3速となる。入力軸(152)に入力された動力は、アンダドライブクラッチ(160)及びオーバドライブクラッチ(184)に同時に伝達され、アンダドライブクラッチ(160)に伝達された動力はアンダドライブ太陽ギヤ(156)に伝達され、オーバドライブクラッチ(184)に伝達された動力はリバース太陽ギヤ(162)に伝達される。この際、ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)がロックされて一体に回転するようになり、その動力は、トランスファドライブギヤ(190)に伝達される。
【0049】〔4速時〕入力要素のオーバドライブクラッチ(184)と反力要素である2速ブレーキ(168)が作動して4速となる。入力軸(152)に入力された動力は、オーバドライブクラッチ(184)を経てプラネタリキャリア(182)に伝達され、2速ブレーキ(168)によって固定されたリバース太陽ギヤ(162)を反力要素としてローンピニオン(172)とアニュラスギヤ(186)などを経てトランスファドライブギヤ(190)に伝達される。
【0050】〔後進時〕入力要素のリバースクラッチ(166)と反力要素であるローリバースブレーキ(178)が作動して後進となる。入力軸(152)に入力された動力は、リバースクラッチ(166)を経てリバース太陽ギヤ(162)に伝達され、ローリバースブレーキ(178)によって固定されたプラネタリキャリア(182)を反力要素としてローンピニオン(172)とアニュラスギヤ(186)などを経てトランスファドライブギヤ(190)に伝達される。
【0051】勿論、上記のごとき変速過程での速度は、ダブルピニオン遊星ギヤセット(154)を形成するそれぞれのギヤの歯数に応じて決定され、図からはその回転状態を可視的に見ることはできない。もちろん、レバー解析方法によっては可視的にはっきり理解できるが、かようなパワートレーンのレバー解析法は、当業者であれば十分に理解可能なことから、それにたいしての説明は割愛する。要するに、遊星ギヤセットの前後方に配置される摩擦要素の再配置とトランスファドライブギヤを前側に配置することによって、リバース及びオーバドライブクラッチと2速ブレーキなどの構造をコンパクト化できるということである。
【0052】
【発明の効果】上述のようにこの発明によれば、トランスファドライブギヤを遊星ギヤセットの前方に配置し、アンダドライブクラッチとリバースクラッチ2速ブレーキとワンウエイクラッチローリバースブレーキなどを後方に配置することにより、変速機のコンパクト化が図られ、これにより、重量低減及び原価節減となる。また、軸受にトランスファドライブギヤをスナップリングを利用して組立てることにより、軸受固定用ボルトが削除されて部品点数が低減され、組立性と加工性が高まる。また、トランスファドライブギヤの内径部に軸受を介することによって、構造が単純化される。さらに、トランスファ軸の縮小によって変速機の重量低減が図られるのはもとより、原価節減となる。
【0053】さらにまた、オーバドライブクラッチハーブとオーバドライブクラッチ軸をプラネタリキャリアと一体化することにより、部品点数が減少するとともに構造が単純化され、これによって軽量化及びコストダウンが図られる。また、リテーナの加工方法も変更できることから、加工性及び強度を向上せしうるようになる。つまるところ、アンダドライブクラッチリターンスプリングリテーナの適用及び2速ブレーキのディスクタイプを適用することにより、制御の安定性が容易になるため、構造の単純化,組立性の向上,軽量化及びコストダウンなどが図られる等の優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【出願日】 平成11年12月10日(1999.12.10)
【代理人】 【識別番号】100093399
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬谷 徹 (外1名)
【公開番号】 特開2001−124158(P2001−124158A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−352435