| 【発明の名称】 |
歯車減速機付電動機 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 英二
【氏名】小峰 瑞雄
【氏名】越前 安司
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| 【要約】 |
【課題】小型で高い減速比を実現し、減速機出力軸の負荷トルクが保持できる信頼性の高い歯車減速機付電動機を小型で安価に提供することを目的とする。
【解決手段】電動機の出力軸に設けた太陽歯車1と、太陽歯車1と噛み合う同一平面内に設けた複数個の遊星歯車2と、遊星歯車2と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車5a、5bと、複数個の遊星歯車2を連結するキャリア3a、3bとを備え、キャリア3a、3bに嵌合固着した遊星歯車用軸4に支承されて回転する遊星歯車2の中心孔径と遊星歯車用軸4の軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、内歯車5aは電動機側に固定、回転する内歯車5bを出力軸6に連結した歯車減速機付電動機である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機の出力軸に設けた太陽歯車と、前記太陽歯車と噛み合う同一平面内に設けた複数個の遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車と、前記複数個の遊星歯車を連結するキャリアとを備え、前記キャリアに嵌合固着した遊星歯車用軸に支承されて回転する前記遊星歯車の中心孔径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、前記内歯車の一方は電動機側に固定、回転する他方を減速機の出力軸に連結した歯車減速機付電動機。 【請求項2】 電動機の出力軸に設けた太陽歯車と、前記太陽歯車と噛み合う同一平面内に設けた1個の遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車と、前記遊星歯車の端部にキャリアとを備え、前記キャリアの一部を軸受の外輪に固定し、前記軸受の内輪を減速機の出力軸に取り付け、前記キャリアに嵌合固着した遊星歯車用軸に支承されて回転する前記遊星歯車の中心孔径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、前記内歯車の一方は電動機側に固定、回転する他方を減速機の出力軸に連結した歯車減速機付電動機。 【請求項3】 少なくとも一つの遊星歯車の中心孔部は遊星歯車の中心孔を歯車バックラッシュより大きく偏心した包絡線で形成した長円孔である請求項1または2記載の歯車減速機付電動機。 【請求項4】 少なくとも一つの遊星歯車用軸断面を楕円形に構成し、前記楕円軸に装着する遊星歯車の中心孔径を前記楕円軸の大きい直径に歯車バックラッシュ以上のクリアランスを加えた寸法とした請求項1または2記載の歯車減速機付電動機。 【請求項5】 キャリアの内周部を軸受の外輪に固定し、前記軸受の内輪を減速機の出力軸に取り付けた請求項1、3、4のいずれか1項に記載の歯車減速機付電動機。 【請求項6】 停止時に減速機出力軸を保持する必要がある用途に用いた請求項1から5のいずれか1項に記載の歯車減速機付電動機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、昇降機などの駆動および停止保持用に使用される歯車減速機付電動機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、産業用の歯車減速機付電動機はコンベアなどの駆動用だけでなく様々な用途が増えてきている。 【0003】たとえば、昇降機など重力方向に負荷が作用する歯車減速機付電動機は、途中で動作を停止する時、減速機の出力軸を保持する必要があり、このため電動機の軸を保持する電磁ブレーキが新たに必要となる。 【0004】また、高い減速比が求められる歯車減速機は軸方向に大きくなるため、歯車減速機付電動機の小型化、軽量化、低価格化、高信頼性の要望が強くなっている。 【0005】以下、従来の歯車減速機付電動機の構造について図面を参照して説明する。 【0006】図4において、歯車減速機付電動機は電動機の一方に中間減速機と減速機で構成される歯車減速機と、他方に電磁ブレーキを備えている。 【0007】電動機は安価な誘導電動機で、フレーム13に嵌合固着され巻線を備えた固定子14、電動機軸16を圧入固着した回転子15、ブラケット17、電動機軸16を回転自在に支承する玉軸受23、24で構成されている。高減速比を得るための中間減速機18の1段歯車は電動機軸16の小歯車と噛み合い、出力側小歯車は減速機20の1段歯車と噛み合い、減速機20は出力軸22を備え、それぞれ中間ギヤケース19とギヤケース21に収納され歯車減速機を構成している。電磁ブレーキは電動機軸16に嵌合固着されブレーキハブ25、ブレーキライニング26、アーマチャア27、電磁ブレーキのコイル28で構成され、フレーム13にネジにより固定している。 【0008】次にこの動作について説明すると、誘導電動機の固定子14および電磁ブレーキのコイル28に通電することにより、まずアーマチュア27がバネに抗してブレーキライニング26から離脱し電動機軸16を拘束から解く。一方、固定子14に通電する回転子15は誘導回転するので電動機軸16が回転し中間減速機18および減速機20を介して出力軸22が回転する。出力軸22が回転すると出力軸22に付いているスプロケットなどを介して機器を回転駆動する。 【0009】たとえば、昇降機の場合、電動機の回転方向により昇降機の負荷を上下方向に移動させる。昇降機を途中で停止する場合には、固定子14と電磁ブレーキのコイルの通電をOFFにすることにより、電磁ブレーキの電磁力がなくなり、バネ(図示せず)力によりアーマチュア27がブレーキライニング26を押さえてブレーキが作動し電動機軸16が停止する。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、狭い機器内に上記従来の歯車減速機付電動機を用いると、安価な誘導電動機は固定子巻線の軸方向寸法が大きく、また高い減速比を得るための中間減速機があるため、全長方向が長くなり機器の小型化ができにくいと言う問題があった。さらに昇降機などの用途に歯車減速機付電動機を用いると、重力方向の負荷トルクを保持するために電磁ブレーキが不可欠となり、高価になると言う問題があった。 【0011】本発明は上記課題を解決するもので、小型で高い減速比を実現し、減速機出力軸の負荷トルクが保持できる信頼性の高い歯車減速機付電動機を小型で安価に提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明は、電動機の出力軸に設けた太陽歯車と、前記太陽歯車と噛み合う同一平面内に設けた複数個の遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車と、前記複数個の遊星歯車を連結するキャリアとを備え、前記キャリアに嵌合固着した遊星歯車用軸に支承されて回転する前記遊星歯車の中心孔径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、前記内歯車の一方は電動機側に固定、回転する他方を減速機の出力軸に連結した歯車減速機付電動機である。 【0013】 【発明の実施の形態】この課題を解決するために本発明は、電動機の出力軸に設けた太陽歯車と、前記太陽歯車と噛み合う同一平面内に設けた複数個の遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車と、前記複数個の遊星歯車を連結するキャリアとを備え、前記キャリアに嵌合固着した遊星歯車用軸に支承されて回転する前記遊星歯車の中心孔径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、前記内歯車の一方は電動機側に固定、回転する他方を減速機の出力軸に連結した歯車減速機付電動機である。 【0014】また、電動機の出力軸に設けた太陽歯車と、前記太陽歯車と噛み合う同一平面内に設けた1個の遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う異なる平面に設けた歯数の異なる2ケの内歯車と、前記遊星歯車の端部にキャリアとを備え、前記キャリアの一部を軸受の外輪に固定し、前記軸受の内輪を減速機の出力軸に取り付け、前記キャリアに嵌合固着した遊星歯車用軸に支承されて回転する前記遊星歯車の内径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きくし、前記内歯車の一方は電動機側に固定、回転する他方を減速機の出力軸に連結した歯車減速機付電動機である。 【0015】また、少なくとも一つの遊星歯車の中心孔部は遊星歯車の中心孔を歯車バックラッシュより大きく偏心した包絡線で形成した長円孔である請求項1または2記載の歯車減速機付電動機である。 【0016】また、少なくとも一つの遊星歯車用軸断面を楕円形に構成し、前記楕円軸に装着する遊星歯車の中心孔径を前記楕円軸の大きい直径に歯車バックラッシュ以上のクリアランスを加えた寸法とした請求項1または2記載の歯車減速機付電動機である。 【0017】また、キャリアの内周部を軸受の外輪に固定し、前記軸受の内輪を減速機の出力軸に取り付けた請求項1、3、4のいずれか1項に記載の歯車減速機付電動機である。 【0018】さらに、停止時に減速機出力軸を保持する必要がある用途に用いた請求項1から5のいずれか1項に記載の歯車減速機付電動機である。 【0019】このように、遊星歯車の内径と遊星歯車用軸径とのクリアランスを歯車バックラッシュより大きく設定したので、電動機が停止すると減速機の出力軸に掛かった負荷トルクにより、遊星歯車は歯車バックラッシュより大きく設定したクリアランス分だけ移動して太陽歯車、内歯車の歯部が噛み合い停止させることができる。 【0020】また、遊星歯車の中心孔と遊星歯車用軸の関係を長円孔と丸軸または丸孔と楕円軸としても同様に遊星歯車は歯車バックラッシュより大きく設定したクリアランス分だけ移動して噛み合い停止させることができる。 【0021】また、キャリアの内周部を軸受の外輪に固定し、軸受の内輪を減速機の出力軸に取り付けるので、遊星歯車は出力軸を中心に安定に回転でき、停止時にも遊星歯車が軸方向に動くのを防止できる。 【0022】さらに、停止時に減速機出力軸を保持する必要がある用途に用いれば、歯車減速機の出力軸に掛かった重力方向の負荷トルクを、遊星歯車、太陽歯車、内歯車のそれぞれの歯部が噛み合い、電磁ブレーキがなくても保持することができる。 【0023】 【実施例】以下、本発明の歯車減速機付電動機について図を参照しながら説明する。 【0024】図1において、1は電動機軸に設けた太陽歯車、2は複数の遊星歯車、3a、3bはキャリア、4は遊星歯車用軸、5a、5bは歯数の異なる内歯車、6は出力軸、7a、7b、7cは玉軸受、8はギヤカバーである。9はブラケット、10はフレーム、11は固定子、12は回転子である。 【0025】2個の遊星歯車2は太陽歯車1とインプット側の内歯車5aとアウトプット側の内歯車5bに噛み合っている。遊星歯車2はキャリア3aとキャリア3bに嵌合固着された遊星歯車用軸4にて回転支承され、少なくとも1つの遊星歯車2の中心孔径は遊星歯車用軸4の軸径より歯車バックラッシュ分以上に大きく設定している。また、キャリア3bの内周部は玉軸受7cの外輪に固定され、玉軸受7cの内輪は出力軸6に固定されている。さらに内歯車5aはブラケット9に嵌合固定され、内歯車5bは出力軸6に一体的に固定されており、それぞれの歯車の歯数は2枚だけ異なるように設定している(遊星歯車が2つの場合)。そしてギヤカバー8に取り付けられた玉軸受7a、7bにより出力軸6は回転支承され、遊星歯車減速機を構成している。 【0026】また、電動機はブラケット9、フレーム10に嵌合固着された固定子11、電動機軸を備えた回転子12、電動機軸を回転自在に支承する軸受とで構成されており、さらにフレーム10とギヤカバー8をネジにより組み立てることで歯車減速機付電動機となる。 【0027】次に歯車減速機付電動機の動作について説明すると、まず誘導電動機を回転させるため固定子11の巻線に通電すると回転子12は誘導回転する。すなわち、電動機軸に設けた太陽歯車1が回転し、太陽歯車1と噛み合っている遊星歯車2は自転しながら固定された内歯車5aに沿って公転する。同時に遊星歯車2と噛み合った内歯車5bは回転し、内歯車5bと一体の出力軸6が回転し昇降機等を駆動する。 【0028】次に停止動作について説明すると、出力軸6の負荷トルクはアウトプット側の内歯車5bの歯部に伝達される。さらに内歯車5bの歯部の伝達力は遊星歯車2の歯部に反作用力として働く。この時少なくとも1つの遊星歯車2の中心孔径と遊星歯車用軸径のクリアランスをバックラッシュより大きくしたことにより、この遊星歯車2は遊星歯車用軸4と同心回転からずれて偏心し、太陽歯車1の歯部と内歯車5a、5bの歯部にバックラッシユなしで同時に接触し回転力より摩擦力が大きくなり、出力軸6の負荷トルクを保持することができる。 【0029】さらに停止状態から誘導電動機を再駆動する場合、出力軸の負荷トルクに対して減速比率よりも少し大きなトルクでもって起動させることができる。 【0030】なお、図示はしないが、遊星歯車が1つの場合には、2つの内歯車の歯数差を1つに設定、遊星歯車が3つの場合には、2つの内歯車の歯数差を3つに設定すれば同様に実施できる(遊星歯車の数と同じ歯数差にする)。また、1つの遊星歯車の場合には、キャリア3bを玉軸受7cの外輪に固定、内輪を出力軸に固定する必要がある。また複数の遊星歯車の場合には、玉軸受7cを省略しても実施できるが、軸方向の挙動に対して配慮が必要である。 【0031】さらに、少なくとも1つの遊星歯車の中心孔部と遊星歯車用軸の関係を理解しやすいように寸法を誇張して図示すると、図2に示すように遊星歯車2の中心孔部を歯車バックラッシュより大きく偏心した包絡線で形成した長円孔2aとしてもよく、また、図3に示すように遊星歯車用軸断面を楕円形に構成し、楕円軸4aに対応する遊星歯車の中心孔部を楕円の大きい直径に歯車バックラッシュ以上のクリアランスを加えた円孔2bにしてもよい。 【0032】いずれの停止動作時にも、遊星歯車が歯車バックラッシュ以上偏心させるので上記と同じ動作により出力軸の負荷トルクを保持することができる。 【0033】このように、遊星歯車の中心孔部と遊星歯車用軸のクリアランスを歯車バックラッシュより大きくしたことにより、太陽歯車、遊星歯車、内歯車の各歯が接触して接触力が回転力に打ち勝って出力軸のトルクを電磁ブレーキなしで保持することができる。 【0034】 【発明の効果】上記の実施例から明らかなように請求項1記載の発明によれば、遊星歯車減速機により中間減速機がなくても高い減速比が得られ、さらに、停止動作時に電磁ブレーキがなくても出力軸の負荷トルクを保持することができる。 【0035】また、請求項2記載の発明によれば、1つの遊星歯車でも構成できるのでより安価に提供することができる。 【0036】また、請求項5記載の発明によれば、遊星歯車の軸方向の挙動を安定させることができるので歯車減速機の信頼性を高めることができる。 【0037】さらに、請求項6記載の発明によれば、特に停止時に減速機出力軸を保持する電磁ブレーキが必要な用途に用いれば、電磁ブレーキを不要にできるので安価に提供できる。 【0038】このように、高い減速比を実現した信頼性の高い歯車減速機付電動機を小型で安価に提供できる。また、電磁ブレーキがなくても出力軸に負荷トルクが掛かった状態の歯車減速機付電動機の出力軸を保持できるので、各種機器の小型化と低価格の要望に応えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月22日(1999.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124156(P2001−124156A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−300961 |
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