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【発明の名称】 駆動装置
【発明者】 【氏名】水野 裕

【要約】 【課題】小型軽量で低コストであり、長期間に渡り精度の高いトルク検知が可能な駆動装置を提供する。

【解決手段】動力源1からの回転出力を負荷に伝達する駆動装置において、入力端と出力端との間の回転力伝達経路に互いに噛み合う少なくとも一対のドライブ歯車3とドリブン歯車4を配置し、ドライブ歯車3によるドリブン歯車4への回転力の伝達に伴い発生するスラスト力を荷重センサ21で検知し、この荷重センサ21により回転出力のトルク検知を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】動力源からの回転出力を負荷に伝達する駆動装置において、入力端と出力端との間の回転力伝達経路に互いに噛み合う少なくとも一対のドライブ歯車とドリブン歯車を配置し、前記ドライブ歯車によるドリブン歯車への回転力の伝達に伴い発生するスラスト力を荷重センサで検知し、この荷重センサにより回転出力のトルク検知を行なうことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】前記ドライブ歯車と前記ドリブン歯車を軸にそれぞれ支持させるとともに、前記ドライブ歯車と前記ドリブン歯車をはすば歯車、かさ歯車、あるいはウォームギアとしたことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】前記荷重センサは、磁歪式、静電容量式、あるいは圧電式センサからなることを特徴をする駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力源からの回転出力を負荷に伝達可能とするとともに、伝達経路途中の回転トルクを検知可能な駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の駆動装置において回転トルクの検知は、入力端と出力端との間の回転力伝達経路に遊星歯車機構を配置し、例えば、遊星歯車の支持部を入力側、リングギアを出力側として、発生するトルク反力を太陽歯車と一体のリンクを介してポテンショメータで検出するものや、あるいは伝達経路途中の駆動軸に歪みゲージを貼りつけ、歪みゲージと静止する検知手段の間の電気配線としてスリップリングを配置するものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、遊星歯車機構を利用したものでは、小型の移動用に用いるためには、大きさ、重さ、部品点数、コストの問題があった。
【0004】また、スリップリングを配置するものにおいては、摩擦熱によりあるいはスリップリングが変質して電気伝達特性が変化し正確なトルク検知が不能となったり、磨耗が生じてスリップリングの接触不良が生じて信号電気の伝達が不能となりトルク検知そのものが不能となったりする問題がある。
【0005】この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、小型軽量で低コストであり、長期間に渡り精度の高いトルク検知が可能な駆動装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】請求項1に記載の発明は、『動力源からの回転出力を負荷に伝達する駆動装置において、入力端と出力端との間の回転力伝達経路に互いに噛み合う少なくとも一対のドライブ歯車とドリブン歯車を配置し、前記ドライブ歯車によるドリブン歯車への回転力の伝達に伴い発生するスラスト力を荷重センサで検知し、この荷重センサにより回転出力のトルク検知を行なうことを特徴とする駆動装置。』である。
【0008】この請求項1に記載の発明によれば、ドライブ歯車によるドリブン歯車への回転力の伝達に伴い発生するスラスト力を荷重センサで検知し、2個の歯車でトルクが検出可能であるから、従来の方式に比べて、トルク検出のための部品点数が少なく、小型軽量で低コストである。
【0009】請求項2に記載の発明は、『前記ドライブ歯車と前記ドリブン歯車を軸にそれぞれ支持させるとともに、前記ドライブ歯車と前記ドリブン歯車をはすば歯車、かさ歯車、あるいはウォームギアとしたことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。』である。
【0010】この請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の発明と同様に長期に渡り正確なトルク検知が可能となるとともに、動力源から負荷までの動力伝達の途中ではすば歯車、かさ歯車、あるいはウォームギアを利用して回転方向を変換可能となり、動力源と負荷の間の相対位置の自由度が増大する。
【0011】請求項3に記載の発明は、『前記荷重センサは、磁歪式、静電容量式、あるいは圧電式センサからなることを特徴をする駆動装置。』である。
【0012】この請求項3に記載の発明によれば、トルク検知を低コストで高精度に行なうことができ、且つ荷重センサに回転は伝達されないので摩耗による荷重センサの検知可能寿命の低下が起きることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の駆動装置の一実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態の説明及び図面の記載に限定されない。
【0014】図1は回転力伝達経路にはすば歯車を配置した実施の形態の駆動装置の概略構成図である。
【0015】モータやエンジン等の駆動源1の出力が入力軸2に入力され、この入力回転力は、入力軸2に固着支持されるドライブ歯車3から、このドライブ歯車3に噛み合うドリブン歯車4に伝えられ、さらにこのドリブン歯車4を固着支持する出力軸5から継ぎ手8により接続されたドライブ軸6を介して負荷7に出力される。
【0016】ドライブ歯車3とドリブン歯車4は平行して噛み合うように配置され、それぞれはすば歯車であり、平歯歯車に比べてかみ合う歯車の割合が増えるため、かみ合いは円滑で歯車の寿命は長くギヤ音が小さく、回転力が伝達される時、それぞれスラスト力を発生する。出力軸5と継ぎ手8はスプライン係合やねじ係合され、出力軸5は継ぎ手8に対してスラスト方向に移動可能になっている。
【0017】入力軸2の両端部はベアリング10,11を介して固定部材12,13に支持され、ベアリング10,11は固定部材12,13に圧入されている。ベアリング10は深溝形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング11はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0018】出力軸5の両端部はベアリング14,15を介して固定部材12,13に支持され、ベアリング14,15は固定部材12,13に隙間バメされている。ベアリング14はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング15は深溝形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0019】ドリブン歯車4のスラスト力F1は出力軸5を回転自在に保持するベアリング14によっては支持されず、このベアリング14の内輪、転動ボール、外輪を経てスラスト伝達部材20に伝達され、さらにスラスト伝達部材20から荷重センサ21に伝えられて支持される。スラスト伝達部材20は固定部材12に隙間バメとなり、移動可能になっている。固定部材12はベアリング10のスラスト荷重及びラジアル荷重を支持する一方、ベアリング14のラジアル荷重のみを支持するケーシングである。
【0020】このようにベアリング14,15及びスラスト伝達部材20の外周は、ドリブン歯車4のスラスト力を下記する磁性体24に伝達するために、固定部材12,13に隙間バメとなっており、ベアリング14,15及びスラスト伝達部材20は、摺動抵抗による誤差を低下させるために面粗度を向上させている。また、摺動抵抗を小さくさせるために、摺動部材を介在させ、あるいは摺動部に表面処理をする等の手段を施すと更によい。
【0021】荷重センサ21は磁歪式、静電容量式、あるいは圧電式センサからなり、この実施の形態では、2つの検出部K1,K2を直列に配置し、これらを1つの非磁性材料からなるケース22とカバー23で覆って検出される。ここで、検出部K1はスラスト伝達部材20に当接する磁性体24とその周囲に配された検出コイル25及びこれらを収納する磁気シールドケース26を含んで構成され、同様に検出部K2は磁性体27とその周囲に配された検出コイル28及びこれらを収納する磁気シールドケース29を含んで構成される。磁性体27と磁気シールドケース26の間には、隙間があるため、磁性体24にかかるスラスト力が磁性体27にはかからない。
【0022】スラスト力F1は、磁性体24、磁気シールドケース26、磁気シールドケース29を経てカバー23、ケース22さらに固定部材12に伝達される。これら磁性体24及び磁性体27にそれぞれ作用するスラスト力F1は荷重センサ21により検出される。
【0023】この荷重センサ21の検出は、検出部K1、K2の各磁性体24、27には同じ荷重がそれぞれ作用するが、磁性体24にはスラスト力F1が作用するが磁性体27には作用しないため、検出部K1、K2におけるインダクタンス変化に差が生じ、このインダクタンス変化の差によって各検出コイル25、28に発生する電圧V1、V2も互いに異なる値を示す。
【0024】各検出コイル25、28に発生する電圧V1、V2は環境条件(温度や湿度)等の影響を受けるが、電圧V1、V2等の差(V1−V2)を差動出力△Vとして検出することによって環境条件等の影響を受けることなく荷重Pを高精度に検出することができる。
【0025】この実施の形態では、高精度であるために増幅率を大きく取ることが可能となり、磁性体24、27として汎用の材料を使用することができるため、一層のコストダウンを図ることができる。
【0026】また、一体化した1つの磁気シールドケース26内に磁性体24、27と検出コイル25、28を収納しても良く、この場合は、より軽量小型化でき、部品点数も少なくコスト低減が可能となる。
【0027】このように回転力はベアリング14により荷重センサ21には伝達されないので、荷重センサ21はスラスト力F1を長期に渡って安定して検出することができる。
【0028】また、入力軸22における回転力とスラス卜力F1の間にはヘリカル角に対応した所定の関係があるので、スラスト力F1を検知することにより駆動源1の出力回転力(トルク)を算出することができる。この算出されるトルクからさらに出力を算出し、駆動源1の制御を実施し、出力性能等を果たすことができる。
【0029】なお、ドライブ軸6を支持する不図示の軸受が、ドライブ軸6に作用するスラスト力を支持可能である場合には、ドリブン歯車4にドライブ歯車3から作用するスラスト力F1と、荷重センサ21で検知されるスラスト力F1’と、ドライブ軸6を支持する不図示の軸受からドライブ軸6に作用するスラスト反力F2の間には、F1’=F1−F2の関係がなり立つ。ドライブ軸6に作用するスラスト力は、出力軸5と継ぎ手8との係合、及び継ぎ手8とドライブ軸6との係合がそれぞれストレートスプラインによるものである場合には、ドリブン歯車4が荷重センサ21方向に移動しようとする動きに対する摩擦力に起因する。すなわち、ドリブン歯車4における出力回転力M(トルク)をオス及びメスのストレートスプラインの接触点までの半径(スプラインの基準ピッチ半径相当)で除して得られる旋回力の、接触点におけるオス及びメスのスプライン表面に立てた共通法線方向の分力に、摩擦係数を掛けたものが摩擦力となり、スラスト反力F2となる。すなわち、スラスト反力F2は出力回転力M(トルク)の関数であり、F2=f2(M)の関係がある。
【0030】はすば歯車に起因するスラスト力はドリブン歯車4に伝達される出力回転力M(トルク)も所定の関係にあり、F1=f1(M)が言えるので、F1’=F1−F2=f1(M)−f2(M)となり、M=g1(F1’)となる。すなわち、事前に実験的に関数f2を調べ、はすば歯車の捩じれ角から理論的に導かれる関数f1とから関数g1が得られ、この関数g1を不図示のコンピュータシステムに記憶させて置くことにより、スラスト力F1’の検出値からドリブン歯車4における出力回転力M、さらにドライブ歯車3側の出力回転力M’は容易に算出できる。
【0031】さらに、出力軸5と継ぎ手8との係合、及び継ぎ手8とドライブ軸6との係合がそれぞれヘリカルスプラインあるいはネジによるものである場合にも、ドライブ軸6を支持する不図示の軸受からドライブ軸6に作用するスラスト反力F2と、ドリブン歯車4における出力回転力Mとの間には捩じれ角に基づく所定の関係があるので、M=g2(F1′)が導かれ、ストレートスプライン係合の場合と同様にスラスト力F1’の検出値からドリブン歯車4における出力回転力M、さらにドライブ歯車3側の出力回転力M’は容易に算出できる。
【0032】ドライブ歯車3によるドリブン歯車4への回転力の伝達に伴い発生するスラスト力を荷重センサ21で検知し、2個の歯車でトルクが検出可能であるから、従来の方式に比べた、トルク検出のための部品点数が少なく、小型軽量で低コストである。また、スラスト荷重を荷重センサで押さえるため、回転力伝達経路のベアリング等にかかるスラスト力が極めて小さくなり、ベアリング等を小型軽量にでき、低コストで耐久性が向上する。
【0033】図2は回転力伝達経路にはすば歯車を配置した他の実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、ドライブ歯車3とドリブン歯車4が直交して噛み合うように配置される点で図1に示す実施の形態と異なるが、その他は同様に構成されるから同じ符号を付して説明を省略する。
【0034】図3は回転力伝達経路にかさ歯車を配置した実施の形態の駆動装置の概略構成図である。
【0035】この実施の形態のモータやエンジン等の駆動源101の出力が継ぎ手108を介して入力軸102に入力され、この入力回転力は、入力軸102に固着支持されるドライブ歯車103から、このドライブ歯車103に噛み合うドリブン歯車104に伝えられ、さらにこのドリブン歯車104を固着支持する出力軸105から負荷107に出力される。
【0036】ドライブ歯車103とドリブン歯車104は直交して噛み合うように配置され、それぞれかさ歯車であり、エンジン回転力が伝達される時、それぞれスラスト力を発生する。
【0037】入力軸102はベアリング110を介して固定部材112に支持され、ベアリング110は深溝形ラジアル玉軸受が用いられている。ベアリング110は固定部材112に隙間バメされている。出力軸105の両端部はベアリング114を介して固定部材113に支持され、ベアリング114はスラスト力を押さえるためアンキュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。ベアリング114は固定部材112に圧入されている。
【0038】この実施の形態では、荷重センサ121が駆動側に配置され、駆動トルクが直接検出でき、入力軸102がスラスト方向に自由に動ける状態で固定されている。ドライブ歯車103のスラスト力F1は入力軸102を経てスラスト伝達部材120に伝達され、さらにスラスト伝達部材120から荷重センサ121に伝えられる。スラスト伝達部材120は、球状部材で構成され、球面部が入力軸102及び磁性体124の先端の球面凹部とそれぞれ当接している。この球面凹部の球面の極率半径は、スラスト伝達部材120の方が小さいため、接触抵抗が小さく、入力軸102の回転時に荷重センサ121に荷重以外の力がかからないようになっている。
【0039】荷重センサ121は1つの検出部K1を有し、非磁性材料からなるケース122とカバー123で覆って検出される。検出部K1はスラスト伝達部材120に当接する磁性体124とその周囲に配された検出コイル125及びこれらを収納する磁気シールドケース126を含んで構成される。
【0040】スラスト力F1は、磁性体124、磁気シールドケース126を経てカバー123、ケース122さらに固定部材112に伝達される。これら磁性体124にそれぞれ作用するスラスト力F1は荷重センサ121により検出される。
【0041】図4は回転力伝達経路にかさ歯車を配置した他の実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、モータやエンジン等の駆動源101の出力が入力軸102に入力され、この入力回転力は、入力軸102に固着支持されるドライブ歯車103から、このドライブ歯車103に噛み合うドリブン歯車104に伝えられ、さらにこのドリブン歯車104を固着支持する出力軸105から負荷107に出力される。
【0042】ドライブ歯車103とドリブン歯車104は平行して噛み合うように配置され、それぞれかさ歯車であり、エンジン回転力が伝達される時、それぞれスラスト力を発生する。
【0043】入力軸102はベアリング150を介して固定部材151に支持され、ベアリング150はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0044】出力軸105の両端部はベアリング160、161を介して固定部材151、112に支持され、ベアリング160、161は深溝形ラジアル玉軸受が用いられている。ベアリング160、161は固定部材151、112に隙間バメされ、スラスト方向に自由に動ける状態で固定されている。
【0045】この実施の形態では、荷重センサ21が被駆動側に配置され、荷重センサ21により駆動トルクが直接検出できる。このように被駆動側に荷重センサ21を配置した場合は、駆動トルクにギヤの伝達効率を掛け合わせたものが検出できる。
【0046】図5は回転力伝達経路にウォームギアを配置した実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、荷重センサ21が図1の実施の形態と同様に構成され、その他は同様に構成される部材は同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】この実施の形態では、モータやエンジン等の駆動源201の出力が継ぎ手250を介して入力軸202に入力され、この入力回転力は、入力軸202に固着支持されるドライブ歯車203から、このドライブ歯車203に噛み合うドリブン歯車204に伝えられ、さらにこのドリブン歯車204を固着支持する出力軸205から負荷に出力される。
【0048】ドライブ歯車203とドリブン歯車204は直交して噛み合うように配置され、それぞれはウォームギヤであり、回転力が伝達される時、それぞれスラスト力を発生する。入力軸202と継ぎ手250はスプライン係合され、入力軸202は継ぎ手250に対してスラスト方向に移動可能になっている。
【0049】入力軸202の両端部はベアリング210,211を介して固定部材212,213に支持され、ベアリング210,211は固定部材212,213に圧入されている。ベアリング210は深溝形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング211はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0050】ドライブ歯車203のスラスト力F1は入力軸202、ベアリング211の内輪、転動ボール、外輪を経てスラスト伝達部材20に伝達され、さらにスラスト伝達部材20から荷重センサ21に伝えられて支持される。
【0051】このように駆動側で荷重センサ21によりスラスト力F1を検出すれば、ウォームギヤにより大きなスラスト力が発生しているため検出が容易である。また、スラストベアリングが不用となり、小型、軽量、低コストである。
【0052】図6は回転力伝達経路にウォームギアを配置した他の実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、図1と同じ構成の部材は同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態の駆動装置は、ドライブ歯車203とドリブン歯車204が直交して噛み合うように配置され、ドリブン歯車204のスラスト力F1は出力軸205、ベアリング14の内輪、転動ボール、外輪を経てスラスト伝達部材20に伝達され、さらにスラスト伝達部材20から荷重センサ21に伝えられて支持される。このようにこの実施の形態では、ドライブ歯車203とドリブン歯車204にウォームギヤにより大きなスラスト力が発生しているため検出が容易であり、またスラストベアリングが不用となり、小型、軽量、低コストである。
【0053】図7は回転力伝達経路にはすば歯車を配置した他の実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、モータやエンジン等の駆動源301の出力が継ぎ手350を介して入力軸302に入力され、この入力回転力は、入力軸302に固着支持されるドライブ歯車303から、このドライブ歯車303に噛み合うドリブン歯車304に伝えられ、さらにこのドリブン歯車304を固着支持する出力軸305から負荷7に出力される。
【0054】ドライブ歯車303とドリブン歯車304は平行して噛み合うように配置され、それぞれはすば歯車であり、平歯歯車に比べてかみ合う歯車の割合が増えるため、かみ合いは円滑で歯車の寿命は長くギヤ音が小さく、回転力が伝達される時、それぞれスラスト力を発生する。入力軸302と継ぎ手350はスプライン係合され、入力軸302は継ぎ手350に対してスラスト方向に移動可能になっている。
【0055】入力軸302の両端部はベアリング310,311を介して固定部材12,13に支持され、ベアリング310,311は深溝形ラジアル玉軸受が用いられ、固定部材12,13に隙間バメされてスラスト方向に自由に移動できるようになっている。
【0056】出力軸305の両端部はベアリング314,315を介して固定部材12,13に支持され、ベアリング314,315は固定部材12,13に圧入されている。ベアリング314は深溝形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング315はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0057】この実施の形態では、荷重センサ21が駆動側に配置され、駆動トルクが直接検出でき、ドライブ歯車303のスラスト力F1は入力軸302を経てスラスト伝達部材120に伝達され、さらにスラスト伝達部材120から荷重センサ121に直接伝えられ、構造が簡単である。
【0058】図8は回転力伝達経路にはすば歯車を配置した他の実施の形態の駆動装置の概略構成図である。この実施の形態の駆動装置は、荷重センサ221以外は図1と同様に構成されるから同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】荷重センサ221の磁性体224が出力軸5と一体に形成され、荷重センサ221は、磁性体224とその周囲に配された検出コイル225及びこれらを収納する磁気シールドケース226を含んで構成される。スラスト力F1は、出力軸5から磁性体224に伝達され、この磁性体224に作用するスラスト力F1は荷重センサ221により検出される。
【0060】この実施の形態では、荷重センサ221を出力軸5と一体化し、出力軸5にかかるスラスト荷重を非接触で検出するため、部品点数が少なく、簡単な構造で低コスト、小型軽量である。このように荷重センサ221は、非接触検出のため、感度の低下が問題となる場合には、出力軸5を中空化又は小径化して応力を増加させたり、出力軸5の表面に溝加工またはメッキ等の処理を施すことにより、検出感度を向上させると良い。
【0061】図9及び図10はこの発明の駆動装置を電動ハイブリッド自転車に適用した実施の形態を示している。図9(a)は電動ハイブリッド自転車500に搭載される駆動装置501の駆動源1がペダル軸近傍にある場合であり、図9(b)は駆動源1が後輪軸近傍にある場合を示しており、二輪車に乗っている者がペダル570を踏み、このペダル570の踏力による回転出力とモータやエンジンの回転合成出力が減速されて出力され、この出力によりチェーン516を介して後輪560を回転させる。駆動源1は、回転力伝達経路に配置される荷重センサのトルク情報に基づいて制御されるようになっている。
【0062】図10は図9(b)の1例を示したものであり、駆動装置の駆動源にモータの場合の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態では、チェーン516を介してスプロケット515に伝えられた回転力は、入力軸605に固着支持されるドライブ歯車604からこのドライブ歯車604にかみ合うドリブン歯車603に伝えられ、さらにこのドリブン歯車603を固着支持する出力軸602から同軸に固定された平歯車514に伝えられる。さらに、歯車513、ワンウェイクラッチ512を介して、モータ510と同軸に固定された後輪590に伝達される。
【0063】ドライブ歯車604とドリブン歯車603は平行して噛み合うように配置され、それぞれはすば歯車であり、それぞれスラスト力を発生する。入力軸605の両端部はベアリング611,610を介してフレーム部材612,613に支持され、ベアリング614,615はフレーム部材612,613に隙間バメされている。ベアリング614はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング615は深溝形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0064】歯車513と平歯車514の歯車の噛み合い部は、出力軸602が移動を許容するしてスラスト力を検出するように平歯車514が用いられているが、出力軸602の移動を許容するものであればこれに限定されない。
【0065】また、入力軸605の両端部はベアリング610,611を介して固定部材612,613に支持され、ベアリング610,611はフレーム部材612,613に圧入されている。ベアリング610は深溝形ラジアル玉軸受が用いられ、ベアリング611はスラスト力を押えるためにアンギュラ形ラジアル玉軸受が用いられている。
【0066】ドリブン歯車603のスラスト力F1は出力軸602を回転自在に保持するベアリング614によっては支持されず、このベアリング614の内輪、転動ボール、外輪を経てスラスト伝達部材20に伝達され、さらにスラスト伝達部材20から荷重センサ21に伝えられて支持される。スラスト伝達部材20は固定部材12に隙間バメとなり、移動可能になっている。荷重センサ21は図1の実施の形態のものと同様に構成されるから説明を省略する。この荷重センサ21からのトルク情報に基づき図示しないコントローラによりモータ510が制御される。
【0067】図11はハイブリッド式の駆動装置の概略構成図である。この発明の駆動装置の一つであるハイブリッド式の駆動装置は、ハイブリッド自動車、自動二輪車、自転車等の電動車両に搭載され、駆動源としてエンジン700とモータ701とが用いられ、図1と同様な構成のものは同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】モータ701のモータ軸709には歯車710が固定され、この歯車710は歯車711と噛み合っている。歯車711の回転力は、ワンウェイクラッチ712を介してドライブ軸713に伝達される。ドライブ軸713には平歯車714が固定され、この平歯車714は出力軸5に固定された歯車715と噛み合っている。エンジン700の回転によるスラスト力F1がトルク情報として荷重センサ21で検出され、エンジン700及びモータ701は、荷重センサ21からのトルク情報に基づき図示しないコントローラにより制御される。
【0069】
【発明の効果】前記したように、請求項1に記載の発明では、ドライブ歯車によるドリブン歯車への回転力の伝達に伴いドリブン歯車にスラスト力を発生させ、このスラスト力を支持する荷重センサを配置し、2個の歯車でトルクが検出可能であり、従来の方式に比べて、トルク検出のための部品点数が少なく、小型軽量で低コストである。
【0070】請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明と同様に長期に渡り正確なトルク検知が可能となるとともに、動力源から負荷までの動力伝達の途中ではすば歯車、かさ歯車、あるいはウォームギアを利用して回転方向を変換可能となり、動力源と負荷の間の相対位置の自由度が増大する。
【0071】請求項3に記載の発明では、トルク検知を低コストで高精度に行なうことができ、且つ荷重センサに回転は伝達されないので摩耗による荷重センサの検知可能寿命の低下が起きることがない。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成11年10月25日(1999.10.25)
【代理人】 【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
【公開番号】 特開2001−124153(P2001−124153A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−302565