| 【発明の名称】 |
自動変速機のマニュアル変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】赤沼 正俊
【氏名】渡辺 充
【氏名】古閑 雅人
【氏名】滝沢 哲
【氏名】島中 茂樹
【氏名】田中 寛康
【氏名】高山 潤也
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| 【要約】 |
【課題】ステアリングスイッチがON固着される異常時にスイッチ操作でマニュアル変速モードに移行すると意図しない変速が起きるからこれをなくす。
【解決手段】t1 にマニュアル変速モードスイッチをONにした結果、マニュアル変速モードON信号Monが発生すると、(a)の通り3連照合による判定でt2 にマニュアル変速モードと判定する。ステアリングスイッチが故障でON固着されているから、ステアリングスイッチアップ信号Supはt1 に発生するところながら、制御系の関係でt1 から遅れたt3 に発生し、2連照合による判定でt4 にステアリングスイッチアップシフト操作があったと判定する。よってマニュアル変速モード判定(3連照合)がステアリングスイッチアップシフト判定(2連照合)より長時間を要するため、Supがt1 から遅れたt3 に発生しても、ステアリングスイッチアップシフト判定瞬時t4 がマニュアル変速モード判定瞬時t2 より遅くなることがなく、t4 に変速指令が出力されることがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転者がマニュアル変速に際して操作し得るようステアリングホイール自身またはその近辺に設置されたステアリングスイッチを具え、該ステアリングスイッチからの信号を有効にして該信号に基づくマニュアル変速を可能にする切り換えスイッチを有した自動変速機において、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時に前記ステアリングスイッチが前記操作状態である場合は、前記ステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止するよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項2】 請求項1において、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった状態が第1の所定時間継続した時に該切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定し、前記ステアリングスイッチから前記操作状態であることを示す信号が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続した時にマニュアル変速操作があったと判定し、前記切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定する以前に前記マニュアル変速操作があったと判定する時をもって、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時に前記ステアリングスイッチが前記操作状態であると判断するよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項3】 請求項1において、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった時は前記ステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止するよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記切り換えスイッチは、自動変速機を自動変速モードとマニュアル変速モードとの間でモード切り換えするモード切り換えスイッチとし、該スイッチが自動変速機を自動変速モードからマニュアル変速モードに切り換える時に前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか1項において、シフトレバーによる変速操作に応動することにより信号を発して該当するマニュアル変速を行わせるためのシフトレバースイッチを設け、前記切り換えスイッチを、この切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を有効から無効にするよう切り換えられた時は該シフトレバースイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせ、該切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられた時は該ステアリングスイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせるよう配置したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記切り換えスイッチを前記ステアリングスイッチの回路中に直列に挿入したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項7】 請求項4において、シフトレバーによる変速操作に応動することにより信号を発して該当するマニュアル変速を行わせるためのシフトレバースイッチを設け、自動変速機がマニュアル変速モードにされている時は該シフトレバースイッチからの信号および前記ステアリングスイッチからの信号の双方を有効にし、前記シフトレバースイッチがシフトレバーによる変速操作に応動したことを示すゲート信号と、該シフトレバースイッチまたは前記ステアリングスイッチからのアップシフト信号と、これらシフトレバースイッチまたはステアリングスイッチからのダウンシフト信号とを用いて、前記切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられる以前から前記アップシフト信号またはダウンシフト信号が存在していても前記ゲート信号が入力される場合は、該ゲート信号に該当するマニュアル変速を実行させるよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項において、前記ステアリングスイッチからの信号と前記シフトレバースイッチからの信号とが同時に出力された場合は、シフトレバースイッチからの信号に基づくマニュアル変速を行わせるよう構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれか1項において、前記ステアリングスイッチからアップシフト信号とダウンシフト信号とが同時に出力された場合は、マニュアル変速を禁止する構成したことを特徴とする自動変速機のマニュアル変速制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、 自動変速機のマニュアル変速を可能にするためステアリングホイール周りに設けたステアリングスイッチからの信号が故障や不正な操作で異常になった時における自動変速機のマニュアル変速制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】無段変速機を含む自動変速機は、マニュアル変速も可能なように構成して付加価値を高める傾向にある。この場合、自動変速機の選択レンジ(前進自動変速走行レンジや、後退走行レンジや、中立レンジなど)を決定するためのシフトレバーにマニュアル変速モード位置を設定し、このマニュアル変速モード位置で行うシフトレバーの変速操作に応動するシフトレバースイッチを設け、該シフトレバースイッチからの信号に基づき該当するマニュアル変速を行わせるよう構成するのが常套であるが、これとは別に、或いはこれに加えて、運転姿勢を崩さずにマニュアル変速を行えるようステアリングホイール自身やその近辺にステアリングスイッチを設け、該ステアリングスイッチからの信号に基づいてマニュアル変速を行わせるよう構成することも、特開平11−99840号公報等により提案されている。 【0003】勿論ステアリングスイッチからの信号は、自動変速機を自動変速モードとマニュアル変速モードとの間でモード切り換えするモード切り換えスイッチがマニュアル変速モードである時に有効として該当するマニュアル変速を行わせる。一方で、ステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を運転者の意思により可能としたり、その他に詳しくは後述するがステアリングスイッチの故障時におけるマニュアル変速不能を回避するためにステアリングスイッチの回路中に運転者が操作するメインスイッチを挿入することも考えられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし上記のごとくステアリングスイッチを設ける場合、これが故障したり運転者が不正な操作を行ってステアリングスイッチからマニュアル変速信号が出力され続ける間に、上記のモード切り換えスイッチやメインスイッチ等の切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を有効にする位置に切り換えられると、その時点で、詳しくは後述するが運転者の意図しない不意の変速が発生し、違和感を感じるという問題を生ずる。 【0005】請求項1に記載の第1発明は、上記モード切り換えスイッチやメインスイッチの切り換え時における不意の変速が発生することのないようにして上記の問題解決を実現することを目的とする。 【0006】請求項2に記載の第2発明は、上記第1発明の目的をソフト的な安価な対策により達成することを目的とする。 【0007】請求項3に記載の第3発明は、上記第1発明の目的を、同じくソフト的な対策ながら、更に簡単且つ安価に達成することを目的とする。 【0008】請求項4に記載の第4発明は、上記第1発明の目的を、同じくソフト的な対策ながら、モード切り換えスイッチからの信号に基づき達成することを目的とする。 【0009】請求項5に記載の第5発明は、シフトレバーによるマニュアル変速をも可能にした自動変速機において、これと、ステアリングスイッチによるマニュアル変速との棲み分けが良好になるようにすることを目的とする。 【0010】請求項6に記載の第6発明は、前記の切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効にする位置にされている間、ステアリングスイッチからの信号が絶対に制御に供されることのないようにして誤作動を確実に防止し得るようにすることを目的とする。 【0011】請求項7に記載の第7発明は、シフトレバースイッチからの信号がある場合ソフト的に、ステアリングスイッチからの信号に関係なくシフトレバースイッチから信号に基づくマニュアル変速が行われるようにして、前記したステアリングスイッチ信号の異常時に全くマニュアル変速ができなくなるという問題を解決することを目的とする。 【0012】請求項8に記載の第8発明は、ステアリングスイッチの場合運転者がこれを無意識に操作することがあるため、ステアリングスイッチからの信号と、意識して操作したシフトレバースイッチからの信号とが同時に発生する懸念があり、この時の対策を提案することを目的とする。 【0013】請求項9に記載の第9発明は、ステアリングスイッチのアップシフト操作とダウンシフト操作が同時に行われた場合における対策を提案することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記の目的のため第1発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、運転者がマニュアル変速に際して操作し得るようステアリングホイール自身またはその近辺に設置されたステアリングスイッチを具え、該ステアリングスイッチからの信号を有効にして該信号に基づくマニュアル変速を可能にする切り換えスイッチを有した自動変速機において、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時に前記ステアリングスイッチが前記操作状態である場合は、前記ステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止するよう構成したことを特徴とするものである。 【0015】第2発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、上記第1発明において、上記切り換えスイッチが上記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった状態が第1の所定時間継続した時に該切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定し、前記ステアリングスイッチから前記操作状態であることを示す信号が前記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続した時にマニュアル変速操作があったと判定し、前記切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定する以前に前記マニュアル変速操作があったと判定する時をもって、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時に前記ステアリングスイッチが前記操作状態であると判断するよう構成したことを特徴とするものである。 【0016】第3発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、上記第1発明において、前記切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった時は前記ステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止するよう構成したことを特徴とするものである。 【0017】第4発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記切り換えスイッチは、自動変速機を自動変速モードとマニュアル変速モードとの間でモード切り換えするモード切り換えスイッチとし、該スイッチが自動変速機を自動変速モードからマニュアル変速モードに切り換える時に前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう構成したことを特徴とするものである。 【0018】第5発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、シフトレバーによる変速操作に応動することにより信号を発して該当するマニュアル変速を行わせるためのシフトレバースイッチを設け、前記切り換えスイッチを、この切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を有効から無効にするよう切り換えられた時は該シフトレバースイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせ、該切り換えスイッチが前記ステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられた時は該ステアリングスイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせるよう配置したことを特徴とするものである。 【0019】第6発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記切り換えスイッチを前記ステアリングスイッチの回路中に直列に挿入したことを特徴とするものである。 【0020】第7発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、上記第4発明において、シフトレバーによる変速操作に応動することにより信号を発して該当するマニュアル変速を行わせるためのシフトレバースイッチを設け、自動変速機がマニュアル変速モードにされている時は該シフトレバースイッチからの信号および前記ステアリングスイッチからの信号の双方を有効にし、前記シフトレバースイッチがシフトレバーによる変速操作に応動したことを示すゲート信号と、該シフトレバースイッチまたは前記ステアリングスイッチからのアップシフト信号と、これらシフトレバースイッチまたはステアリングスイッチからのダウンシフト信号とを用いて、前記切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられる以前から前記アップシフト信号またはダウンシフト信号が存在していても前記ゲート信号が入力される場合は、該ゲート信号に該当するマニュアル変速を実行させるよう構成したことを特徴とするものである。 【0021】第8発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記ステアリングスイッチからの信号と前記シフトレバースイッチからの信号とが同時に出力された場合は、シフトレバースイッチからの信号に基づくマニュアル変速を行わせるよう構成したことを特徴とするものである。 【0022】第9発明による自動変速機のマニュアル変速制御装置は、第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記ステアリングスイッチからアップシフト信号とダウンシフト信号とが同時に出力された場合は、マニュアル変速を禁止する構成したことを特徴とするものである。 【0023】 【発明の効果】第1発明においては、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を有効にする切り換え位置にある間、自動変速機を該ステアリングスイッチからの信号に基づきマニュアル変速させることができる。ところで切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時にステアリングスイッチがマニュアル変速を可能にする操作状態である場合は、上記したステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止する。 【0024】従って、ステアリングスイッチが故障したり運転者がステアリングスイッチを無意識に操作し続けてステアリングスイッチからマニュアル変速信号が出力され続ける間に、上記の切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を有効にする位置に切り換えられても、ステアリングスイッチからの信号に基づくが運転者の意図しない不意の変速が発生する違和感を回避することができる。 【0025】第2発明においては一方で、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった状態が第1の所定時間継続した時に当該切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定する。他方で、ステアリングスイッチから上記操作状態であることを示す信号が上記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間継続した時にマニュアル変速操作があったと判定する。 【0026】そして、切り換えスイッチの状態切り換えがあったと判定する以前にマニュアル変速操作があったと判定する時をもって、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わる時にステアリングスイッチが前記操作状態である場合であると判断し、第1発明におけるステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速の禁止を実行する。従って第2発明は、第1発明の目的をソフト的な安価な対策により達成することができる。 【0027】第3発明においては、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換わった時はステアリングスイッチからの信号に基づくマニュアル変速を禁止する。従って第3発明は、上記第1発明の目的を同じくソフト的な対策ながら、第2発明よりも更に簡単且つ安価に達成することができる。 【0028】第4発明においては、自動変速機を自動変速モードとマニュアル変速モードとの間でモード切り換えするモード切り換えスイッチを上記切り換えスイッチとし、このスイッチが自動変速機を自動変速モードからマニュアル変速モードに切り換える時にステアリングスイッチからの信号を無効から有効にする。従って第4発明は、第1発明の目的を、同じくソフト的な対策ながら、モード切り換えスイッチからの信号に基づき達成することができる。 【0029】第5発明においては、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を有効から無効にするよう切り換えられた時、シフトレバーによる変速操作に応動するシフトレバースイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせ、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられた時、該ステアリングスイッチからの信号を有効として該信号に基づくマニュアル変速を行わせる。従って第5発明は、シフトレバーによるマニュアル変速をも可能にした自動変速機において、これと、ステアリングスイッチによるマニュアル変速との棲み分けを良好なものにし得る。 【0030】第6発明においては、切り換えスイッチをステアリングスイッチの回路中に直列に挿入したから、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効にする位置にされている間、ステアリングスイッチからの信号が絶対に制御に供されることがなく、誤作動を確実に防止することできる。 【0031】第7発明においては、自動変速機がマニュアル変速モードにされている時はシフトレバースイッチからの信号およびステアリングスイッチからの信号の双方を有効にして、基本的にはこれら信号に基づくマニュアル変速を行うことができるが、シフトレバースイッチがシフトレバーによる変速操作に応動したことを示すゲート信号と、シフトレバースイッチまたはステアリングスイッチからのアップシフト信号と、これらシフトレバースイッチまたはステアリングスイッチからのダウンシフト信号とを用いて、切り換えスイッチがステアリングスイッチからの信号を無効から有効にするよう切り換えられる以前からアップシフト信号またはダウンシフト信号が存在していてもゲート信号が入力される場合は、このゲート信号に該当するマニュアル変速を実行させる。従って第7発明は、シフトレバースイッチからの信号がある場合ソフト的に、ステアリングスイッチからの信号に関係なくシフトレバースイッチから信号に基づくマニュアル変速を行わせることができ、ステアリングスイッチ信号の前記異常時に全くマニュアル変速ができなくなってしまうという問題を解決することができる。 【0032】第8発明においては、ステアリングスイッチからの信号とシフトレバースイッチからの信号とが同時に出力された場合は、シフトレバースイッチからの信号に基づくマニュアル変速を行わせる。従って、運転者が無意識に操作することがあるステアリングスイッチからの信号と、意識して操作したシフトレバースイッチからの信号とが同時に発生する場合に、意識して操作したシフトレバースイッチからの信号に基づくマニュアル変速を行わせることができる。 【0033】第9発明においては、ステアリングスイッチからアップシフト信号とダウンシフト信号とが同時に出力された場合マニュアル変速を禁止するから、ステアリングスイッチのアップシフト操作とダウンシフト操作が同時に行われた場合に意図しない変速が発生するのを防止することができる。 【0034】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一実施の形態になるマニュアル変速制御装置を示し、図1はその電子制御系、図2はその制御プログラムを示す。先ず図1の電子制御系を説明するに、1は変速機コントローラで、その入力端に関連してマニュアル変速モードスイッチ2、シフトレバーアップシフトスイッチ3、シフトレバーダウンシフトスイッチ4、ステアリングアップシフトスイッチ5、およびステアリングダウンシフトスイッチ6を設ける。なお、変速機コントローラ1の出力端における信号系を本発明と関係ないため図示を省略した。 【0035】マニュアル変速モードスイッチ2は本発明における切り換えスイッチを構成するもので、運転者が自動変速モードを希望するかマニュアル変速モードを希望するかに応じて操作するよう運転席周辺に設置し、当該マニュアル変速モードスイッチ2は自動変速モードを選択している間は図示の自動変速モード位置に保ち、マニュアル変速モードを選択している間は図示の切り換え位置とは逆側のマニュアル変速モード位置に保つものとする。シフトレバーアップシフトスイッチ3およびシフトレバーダウンシフトスイッチ4はそれぞれ、自動変速機の選択レンジ(前進自動変速走行レンジや、後退走行レンジや、中立レンジなど)を決定するためのシフトレバーを運転者がマニュアル変速モード位置でアップシフト操作若しくはダウンシフト操作する時、当該操作に応動して図示の常態位置から反対側のシフト位置に切り換わって一段階だけ対応する変速位置へ変速させるが、運転者が操作が止めると自動的に図示の常態位置へ自己復帰するものとする。 【0036】ステアリングアップシフトスイッチ5およびステアリングダウンシフトスイッチ6はそれぞれ、運転者がマニュアル変速に際して操作し得るようステアリングホイール自身またはその近辺に設置して設け、常態で図示のごとく開いており、マニュアル変速に際して操作する(押す)度に閉じるものとする。 【0037】図示の如くマニュアル変速モードスイッチ2、シフトレバーアップシフトスイッチ3およびシフトレバーダウンシフトスイッチ4は順次直列に接続し、この直列回路に対し、ステアリングアップシフトスイッチ5およびステアリングダウンシフトスイッチ6の相互並列回路を直列接続して、変速機コントローラ1に対し図示の如くに相関させる。マニュアル変速モードスイッチ2は、運転者が自動変速モードを選択して図示の自動変速モード位置にされている間、マニュアル変速モードOFF信号MOFFを変速機コントローラ1に入力し、運転者がマニュアル変速モードを選択して逆側のマニュアル変速モード位置にされている間、変速機コントローラ1へのマニュアル変速モードOFF信号MOFF を消失させるものとする。 【0038】なお、マニュアル変速モードスイッチ2がマニュアル変速モード位置にされている間、シフトレバーアップシフトスイッチ3およびシフトレバーダウンシフトスイッチ4が操作されていなければ、これらシフトレバースイッチ3,4が図示の常態位置にあるため、マニュアル変速モードON信号Monが変速機コントローラ1に入力される。しかして、シフトレバースイッチ3,4の一方が操作されて図示の常態位置とは逆のシフト位置にされる時、変速機コントローラ1へのマニュアル変速モードON信号Monは消失されるものとする。勿論、自動変速モードではマニュアル変速モードスイッチ2が図示の自動変速モード位置にされているため、変速機コントローラ1へマニュアル変速モードON信号Monが入力されることはない。 【0039】また、シフトレバーアップシフトスイッチ3は操作される度にシフトレバースイッチアップ信号Lupを変速機コントローラ1に入力し、シフトレバーダウンシフトスイッチ4が操作される度にシフトレバースイッチダウン信号Ldownを変速機コントローラ1に入力するものとする。 【0040】マニュアル変速モードスイッチ2がマニュアル変速モード位置にされている間、シフトレバースイッチ3,4がともに操作されていなければ、ステアリングスイッチ5,6はそれぞれ、操作される度にステアリングスイッチアップ信号Supおよびステアリングスイッチダウンシフト信号Sdownを変速機コントローラ1に入力するものとする。 【0041】上記においては、マニュアル変速モードスイッチ2がマニュアル変速モード位置にされている間、シフトレバースイッチ3,4の一方が操作されると、これらが図示の常態位置とは逆のシフト位置にされて変速機コントローラ1にシフトレバースイッチアップ信号Lupまたはシフトレバースイッチダウン信号Ldownを入力する結果、対応するマニュアル変速を行わせることができる。またシフトレバースイッチ3,4の代わりにステアリングスイッチ5,6が操作される(押される)時も、変速機コントローラ1はステアリングスイッチアップ信号Supまたはステアリングスイッチダウンシフト信号Sdownを受けて対応するマニュアル変速を行わせることができる。 【0042】ところで、ステアリングスイッチ5または6が故障や不正操作によりON状態のままにされる場合、以下に説明するような問題が生ずる。図3(b)は、一定の制御周期ΔTC ごとに信号の読み込みおよび判定を行う場合において、ステアリングアップシフトスイッチ5が故障や不正な操作により操作状態に固定された場合における各入力信号、判定結果、および変速動作の波形図である。瞬時t1 に運転者がマニュアル変速モードスイッチ2を自動変速モード位置からマニュアル変速モード位置に切り換えた結果、マニュアル変速モードON信号Monが発生する場合、コントローラ1は2連照合によるマニュアル変速モード判定で瞬時t2 にマニュアル変速モードであると判定する。 【0043】一方で、ステアリングアップシフトスイッチ5が故障などで操作状態に固定されていることから、ステアリングスイッチアップ信号Supは本来ならモード切り換え瞬時t1 に発生するところながら、実際は制御系の関係で瞬時t1 から遅れた例えば瞬時t3 に発生し、コントローラ1は2連照合によるステアリングスイッチアップシフト判定で瞬時t4 にステアリングスイッチ5によるアップシフト操作があったと判定する。ところでコントローラ1は、マニュアル変速モード判定瞬時t2 よりも後の瞬時t4 にステアリングスイッチ5によるアップシフト操作があったと判定するから、当該瞬時t4 に自動変速機をアップシフトさせる変速動作を指令する。 【0044】しかるに上記ステアリングスイッチアップ信号Supは、ステアリングアップシフトスイッチ5が故障や不正な操作により操作状態に固定されていたため、運転者によるマニュアル変速モードスイッチ2の自動変速モード位置からマニュアル変速モード位置への切り換えに呼応して発生したもので、決して運転者の操作に起因するものでない。従って運転者は、図3(b)の瞬時t4 における自動変速機のアップシフトを、自分の操作とは関係ないものであるとして違和感に感ずる。 【0045】本実施の形態においては、コントローラ1が図2に示すような自動変速機の変速制御を行う構成にすることで上記の問題を解消する。基本的は、図3(b)の場合につき説明すると、マニュアル変速モードON信号Monよりもステアリングスイッチアップ信号Supが遅れて入力されても、マニュアル変速モード判定より後にステアリングスイッチアップシフト判定がなされることのないよう、マニュアル変速モードの判定を2連照合よりも長時間を要する3連以上の照合方式とすることで上記の不用意な変速を回避するようになしたものである。 【0046】これがため先ずステップ11において、マニュアル変速モードON信号Monが何回連続して入力されたかをチェックする。0回ならマニュアル変速モードではないこと確実であるから、ステップ12において自動変速機モードの変速制御を実行する。マニュアル変速モードON信号Monが3回連続して入力されるまでは、ステップ13をスキップしてマニュアル変速モード判定をONせず、マニュアル変速モードON信号Monが3回連続して入力された時に初めてステップ13でマニュアル変速モード判定をONすることにより、3連照合によるマニュアル変速モード判定を行う。 【0047】ステップ14ではステアリングスイッチ信号(ステアリングスイッチアップ信号Supまたはステアリングスイッチダウンシフト信号Sdown)が何回連続して入力されたかをチェックする。0回ならステアリングスイッチ5,6によるマニュアル変速指令がないことから、ステップ15においてマニュアル変速モードでの現在の変速比を保つ定常制御を行い、制御をステップ11に戻して上記のループを繰り返す。ステアリングスイッチ信号(ステアリングスイッチアップ信号Supまたはステアリングスイッチダウンシフト信号Sdown)が2回連続して入力されるまでは、ステップ16をスキップしてステアリングスイッチシフト判定をONせず、ステアリングスイッチ信号Sup,Sdownが2回連続して入力された時に初めてステップ16でステアリングスイッチ5,6によるシフト操作があったと判定してステアリングスイッチシフト判定をONすることにより、2連照合によるステアリングスイッチシフト判定を行う。 【0048】ステップ17では、マニュアル変速モード判定がON状態である間に(マニュアル変速モード判定がONになった後に)ステアリングスイッチシフト判定がOFFからONに切り換わったか否かをチェックし、マニュアル変速モードであると判定した後にステアリングスイッチ5,6によるシフト操作があったと判定する場合に限り、ステップ18で対応するマニュアルアップシフトまたはマニュアルダウンシフトを実行する。それ以外では、つまりマニュアル変速モード判定と同時に、またはこれより先にステアリングスイッチ5,6によるシフト操作があったと判定する場合は、ステップ15に制御を進めてマニュアルアップシフトまたはマニュアルダウンシフトを禁止し、これによりステアリングスイッチ5,6の故障時や異常操作時にマニュアル変速モードへの切り換えに伴う不用意なマニュアル変速が発生するのを防止することができる。 【0049】上記のような制御によれば更に、図3(b)の場合と同じ条件での動作波形を示す図3(a)により説明すると、ステアリングスイッチアップ信号Supがモード切り換え瞬時t1 から遅れた例えば瞬時t3 に発生することがあっても、以下のようにステアリングスイッチ5,6の故障時や異常操作時にマニュアル変速モードへの切り換えに伴う不用意なマニュアル変速が発生するのを防止することができる。 【0050】図3(a)の瞬時t1 に運転者がマニュアル変速モードスイッチ2を自動変速モード位置からマニュアル変速モード位置に切り換えた結果、マニュアル変速モードON信号Monが発生する場合、コントローラ1は図3(b)の場合よりも1連多い3連照合によるマニュアル変速モード判定で瞬時t2 にマニュアル変速モードであると判定する。 【0051】一方で、ステアリングアップシフトスイッチ5が故障などで操作状態に固定されていることから、ステアリングスイッチアップ信号Supは本来ならモード切り換え瞬時t1 に発生するところながら、実際は制御系の関係で瞬時t1 から遅れた例えば瞬時t3 に発生し、コントローラ1は図3(b)の場合と同じ2連照合によるステアリングスイッチアップシフト判定で瞬時t4 にステアリングスイッチ5によるアップシフト操作があったと判定する。 【0052】ところでマニュアル変速モード判定を、2連照合によるステアリングスイッチアップシフト判定よりも長時間を要する3連照合により行うため、ステアリングスイッチアップ信号Supがモード切り換え瞬時t1 から遅れた例えば瞬時t3 に発生することがあっても、図3(a)に示すようにステアリングスイッチアップシフト判定瞬時t4 がマニュアル変速モード判定瞬時t2 と同じになるか、当該瞬時t2 よりも前になり、少なくともマニュアル変速モード判定瞬時t2 より遅くなることがない。コントローラ1は、かかるマニュアル変速モード判定瞬時t2 とステアリングスイッチアップシフト判定瞬時t4 との前後関係を受けて、マニュアル変速モード判定瞬時t4 に自動変速機をアップシフトさせる変速動作を指令することがなく、実質上ステアリングアップシフトスイッチ5が故障などで操作状態に固定されていることに起因してマニュアル変速モードスイッチ2を自動変速モード位置からマニュアル変速モード位置に切り換えた時に不用意なマニュアルアップシフトが行われる不快感を解消することができる。 【0053】なお図1の構成においては、ステアリングスイッチ5,6が故障や異常操作でON(操作)状態に固着されている場合、以下に説明する問題を生ずる。つまりコントローラ1は、運転者がマニュアル変速モードでシフトレバースイッチ3,4を操作する時にステアリングスイッチ5,6をも操作すると、意図しないステアリングスイッチ5,6によるマニュアル変速が行われる虞があることから、これを防止するためにシフトレバースイッチ3,4からの信号とステアリングスイッチ5,6からの信号とが同時に変化した時は変速を禁止するロジックを有している。 【0054】ところで、ステアリングスイッチ5,6がON固着されている時にマニュアル変速モードスイッチ2をマニュアル変速モード位置にした状態で、シフトレバースイッチ3または4を操作した場合も、シフトレバースイッチ3,4からの信号とステアリングスイッチ5,6からの信号とが同時に変化し、従ってこの場合シフトレバースイッチ3または4によるマニュアル変速が不可能になり、勿論ステアリングスイッチ5,6によるマニュアル変速も当該スイッチのON固着により不可能である。このことは、マニュアル変速が全く不可能になることを意味し、これを防止するために図4に示す如くシフトレバースイッチ4とステアリングスイッチ5,6との間の回路中に運転者が操作するメインスイッチ7を挿入する。なおこのメインスイッチ7は、マニュアル変速モードスイッチ2と共に本発明における切り換えスイッチを構成し、ステアリングスイッチ5,6からの信号に基づくマニュアル変速を運転者の意思により可能とする意味合いをも持つ。 【0055】ステアリングスイッチ5,6がON固着されている時にマニュアル変速モードスイッチ2をマニュアル変速モード位置にした状態では、メインスイッチ7をOFFにしておくことで、ステアリングスイッチ5,6からの信号が変化しないようになし得て、シフトレバースイッチ3または4の操作によるマニュアル変速を可能にすることができる。 【0056】しかして、かかるメインスイッチ7を設ける場合、ステアリングスイッチ5,6がON固着してシフトレバースイッチ3または4によるマニュアル変速が不可能になった時、運転者が慌ててメインスイッチ7を繰り返しON,OFFを繰り返すと、その度にON固着しているステアリングスイッチ5,6側のステアリングスイッチアップ信号Supまたはステアリングスイッチダウン信号Sdownが変化して対応する不所望な変速が発生する。ステアリングアップシフトスイッチ5が故障などで操作状態に固定されている(ON固着されている)場合を示す図7(b)により付言すると、瞬時t1 にマニュアル変速モードスイッチ2をマニュアル変速モード位置にしたことでマニュアル変速モードOFF信号MOFF が消失すると同時にマニュアル変速モードON信号Monが発生し、その後の瞬時t2 にメインスイッチ7をONに切り換えたことでメインスイッチ信号が発生した場合、ON固着しているステアリングスイッチ5からのステアリングスイッチアップ信号Supが変化して不所望なアップシフトが発生する。 【0057】図5および図6は、上記の問題解決を実現するようにした更に他の実施の形態で、本実施の形態においては先ず図5に示すように、メインスイッチ7がONにされた時に発生するメインスイッチ信号をコントローラ1に入力するメインスイッチ信号入力回路8を設ける。そしてコントローラ1は、図6に示す制御プログラムを実行して所定の変速制御を行う。 【0058】先ずステップ21において、マニュアル変速モードON信号Monが有るか否かによりマニュアル変速モードが選択されているか否かを判定し、マニュアル変速モードON信号Monが無ければマニュアル変速モードが選択されていないから、ステップ22において自動変速機モードの変速制御を実行する。マニュアル変速モードON信号Monが有る場合、マニュアル変速モードが選択されているから、制御をステップ23〜31に進めて本実施の形態が狙いとするステアリングスイッチ5,6によるマニュアル変速制御を実行する。 【0059】ステップ23,24においては、ステアリングスイッチアップ信号SupがOFFからONに変化したか否かを、またステアリングスイッチダウン信号SdownがOFFからONに変化したか否かをチェックする。両信号Sup,SdownがともにOFF→ON変化していない場合、ステアリングスイッチ5,6によるマニュアル変速指令がないからステップ28において現在の変速比を保つ定常制御を行う。 【0060】ステップ24でステアリングスイッチダウン信号SdownがOFFからONに変化したと判定し、ステップ25でステアリングスイッチアップ信号SupがOFF状態であると判定し、ステップ26でメインスイッチ信号からメインスイッチ7がOFF→ON変化したと判定する時は、ステアリングダウンシフトスイッチ6がON固着している状態でメインスイッチ7をOFF→ON切り換えしたとして制御をステップ28に進めることにより、ステップ27におけるステアリングスイッチダウン信号SdownのOFF→ON変化に対応したダウンシフトを禁止する。なお、ステップ25でステアリングスイッチアップ信号SupがOFF状態ないと判定する場合、制御の都合上ステップ28で変速比を保つ定常制御を行い、ステップ26でメインスイッチ7がOFF→ON変化しなかったと判定する場合、ステアリングスイッチダウン信号SdownのOFF→ON変化がステアリングダウンシフトスイッチ6の操作に基づくものであるからステップ27で当該操作に対応したマニュアルダウンシフトを実行する。 【0061】ステップ23においてステアリングスイッチアップ信号SupがOFFからONに変化したと判定する場合は、ステップ29でステアリングスイッチダウン信号SdownがOFF状態であると判定し、且つステップ30でメインスイッチ信号からメインスイッチ7がOFF→ON変化したと判定する時に、ステアリングアップシフトスイッチ5がON固着している状態でメインスイッチ7をOFF→ON切り換えしたとして制御をステップ28に進めることにより、ステップ31におけるステアリングスイッチアップ信号SupのOFF→ON変化に対応したアップシフトを禁止する。なお、ステップ29でステアリングスイッチダウン信号SdownがOFF状態でないと判定する場合、制御の都合上ステップ28で変速比を保つ定常制御を行い、ステップ30でメインスイッチ7がOFF→ON変化しなかったと判定する場合、ステアリングスイッチアップ信号SupのOFF→ONに変化がステアリングアップシフトスイッチ5の操作に基づくものであるからステップ31で当該操作に対応したマニュアルアップシフトを実行する。 【0062】以上の制御によれば、図7(b)の場合と同じ条件での動作波形を示す図7(a)に基づいて付言すると、瞬時t1 にマニュアル変速モードスイッチ2をマニュアル変速モード位置にしたことでマニュアル変速モードOFF信号MOFF が消失すると同時にマニュアル変速モードON信号Monが発生し、その後の瞬時t2にメインスイッチ7をONに切り換えたことでメインスイッチ信号が発生した場合、ON固着しているステアリングスイッチ5からのステアリングスイッチアップ信号Supが変化するが、ステアリングスイッチアップ信号SupのOFF→ON変化(ステップ23)とメインスイッチ信号の発生(ステップ30)とが同時である場合(図7の瞬時t2 )、変速(ステップ31)を禁止する(ステップ28)から、図7(a)に示すように運転者の意図しない不所望なアップシフトが発生しないようにすることができる。 【0063】ところで、図4に示すようにメインスイッチ7を設けた場合、前記したごとくステアリングスイッチ5,6のON固着時に正常なシフトレバースイッチ3,4によるマニュアル変速さえできないといった事態になるのを、メインスイッチ7のOFFにより回避することができるが、この場合運転者にとっては、シフトレバースイッチ3,4を操作したけどマニュアル変速ができず、ステアリングスイッチ5,6の異常と気づいてメインスイッチ7をOFFし、再度シフトレバースイッチ3,4を操作する必要があり、緊急なエンジンブレーキ等の必要からマニュアル変速モードに移行した時などはパニック状態になりかねない。 【0064】この問題に鑑みメインスイッチ7の新設による対策は完全でない。そこで本願発明者等は、メインスイッチ7を設けない図1に示す制御システムのままでも、ステアリングスイッチ5,6のON固着時におけるマニュアル変速不能をソフト的に解消する対策をここに提案する。以下にその概要を説明するに、自動変速機がマニュアル変速モードにされている時基本的にシフトレバースイッチ3,4からの信号およびステアリングスイッチ5,6からの信号の双方を有効にして、これら信号に基づくマニュアル変速を行うことができるようにしておくが、シフトレバースイッチ3,4からの信号がある場合ソフト的に、ステアリングスイッチ5,6からの信号に関係なくシフトレバースイッチ3,4から信号に基づくマニュアル変速を行わせるようにして、ステアリングスイッチ信号の異常時にシフトレバースイッチ3,4から信号に基づくマニュアル変速さえ不能になるといった事態が発生するのを回避可能にする。 【0065】詳しくは本実施の形態では図8に示すように、図1に示す入力信号MOFF ,Mon,Lup,Ldown,Sup,Sdownの組み合わせ(−は無関係)に基づきマニュアル変速モード判定信号MANU、アップシフト判定信号US、ダウンシフト判定信号DS、ゲート信号GATEのON,OFFを図示のごとくに決定して判定を行うこととする。ここでマニュアル変速モード判定信号MANUは、マニュアル変速モードスイッチ2が自動変速位置からマニュアル変速モード位置に切り換えられてステアリングスイッチ5,6からの信号を無効から有効にするようになったことを示す信号であり、アップシフト判定信号USは、シフトレバースイッチ3またはステアリングスイッチ5からのアップシフト信号があったことを示す信号であり、ダウンシフト判定信号DSは、シフトレバースイッチ4またはステアリングスイッチ6からのダウンシフト信号があったことを示す信号であり、ゲート信号GATEは、シフトレバースイッチ3,4がシフトレバーによる変速操作に応動したことを示す信号である。 【0066】そして、前回と今回におけるマニュアル変速モード判定信号MANU、アップシフト判定信号US、ダウンシフト判定信号DS、ゲート信号GATEのON,OFFから、図9に示すようにダウンシフトすべきか、アップシフトすべきか、変速比を保持する定常状態にすべきかを判定する。 【0067】かかる判定結果に基づくマニュアル変速を、図10に示すごとくステアリングアップシフトスイッチ5がON固着している状態で、マニュアル変速モードスイッチ2の操作によりマニュアル(M)変速モード以外からマニュアル(M)変速モードへ切り換えられ、且つ、シフトスイッチ3によるマニュアルアップシフトが指令された場合につき以下に説明する。マニュアル変速モードスイッチ2の操作によるマニュアル変速モードへの切り換えが前記3連照合により検出される結果、瞬時t1 にマニュアル変速モードOFF信号MOFF が消失し、瞬時t2 にマニュアル変速モードON信号Monが発生する。マニュアル変速モードスイッチ2の操作によるマニュアル変速モードへの切り換えが検出される瞬時t1 に、ステアリングスイッチ5のON固着に起因してステアリングスイッチアップ信号Supが発生する。 【0068】その後瞬時t3 に、シフトレバーによるマニュアルアップシフトが指令されてシフトレバーアップシフトスイッチ3の操作によりシフトレバースイッチアップ信号Lupが発生すると、ON固着しているステアリングスイッチ5からのステアリングスイッチアップ信号Supが消失する。更にシフトレバーアップシフトスイッチ3の操作でマニュアル変速モードON信号Monが、3連照合による遅れを持った瞬時t4 に消失すると同時に、ゲート信号GATEがONに切り換わり、アップシフトを実行させることができる。その後瞬時t5 に、シフトレバーによるマニュアルアップシフト指令が解除されてシフトレバーアップシフトスイッチ3の操作解除によりシフトレバースイッチアップ信号Lupが消失すると、ON固着しているステアリングスイッチ5からのステアリングスイッチアップ信号Supが消失する。更にシフトレバーアップシフトスイッチ3の操作解除でマニュアル変速モードON信号Monが、3連照合による遅れを持った瞬時t6 に再度発生すると同時に、ゲート信号GATEがOFFに切り換わり、上記アップシフトにより得られた変速比を保持することができる。 【0069】なお図11は、ステアリングアップシフトスイッチ5がON固着しており、且つ、マニュアル(M)変速モードが選択されている状態で、シフトスイッチ4によるマニュアルダウンシフトが指令された場合における各信号の動作波形を示し、また図12は、ステアリングアップシフトスイッチ5,6の双方がON固着している状態で、マニュアル変速モードスイッチ2の操作によりマニュアル(M)変速モード以外からマニュアル(M)変速モードへ切り換えられ、且つ、シフトスイッチ3によるマニュアルアップシフトが指令された場合における各信号の動作波形を示し、更に図13は、ステアリングアップシフトスイッチ5,6の双方がON固着しており、且つ、マニュアル(M)変速モードが選択されている状態で、シフトスイッチ4によるマニュアルダウンシフトが指令された場合における各信号の動作波形を示す。 【0070】本実施の形態においては図10〜図13から明らかなように、マニュアル変速モードスイッチ2がマニュアル変速モード位置にされてステアリングスイッチ5,6からの信号を無効から有効にするよう切り換えられる以前よりアップシフト信号USまたはダウンシフト信号DSが存在していてもゲート信号GATEが入力される場合は,当該ゲート信号に対応するマニュアル変速、つまりシフトレバースイッチ3,4によるマニュアル変速を実行させることとなる。従って、シフトレバースイッチ3,4からの信号がある場合ソフト的に、ステアリングスイッチ5,6からの信号Sup,Sdownに関係なくシフトレバースイッチ3,4から信号に基づくマニュアル変速を行わせることができ、ステアリングスイッチ信号Sup,Sdownの前記異常時に全くマニュアル変速ができなくなってしまうという問題を解決することができるしかも、この作用効果は運転者による異常時操作を全く必要とすることなしに達成されることから、緊急なエンジンブレーキが必要な時にステアリングスイッチ信号Sup,Sdownの上記異常が発生しても運転者をパニック状態にさせることがない。 【0071】なお本発明においては、上記各実施の形態に以下の構成を付加することもできる。つまり、ステアリングスイッチ5,6からの信号Sup,Sdownとシフトレバースイッチ3,4からの信号Lup,Ldownとが同時に出力された場合は、シフトレバースイッチからの信号Lup,Ldownに基づくマニュアル変速を行わせるようにする。本実施の形態では、運転者が無意識に操作することがあるステアリングスイッチ5,6からの信号Sup,Sdownと、意識して操作したシフトレバースイッチ3,4からの信号Lup,Ldownとが同時に発生する場合に、意識して操作したシフトレバースイッチ3,4からの信号Lup,Ldownに基づくマニュアル変速を行わせることができる。 【0072】本発明の他の実施の形態においては、ステアリングスイッチ5,6からアップシフト信号Supとダウンシフト信号Sdownとが同時に出力された場合マニュアル変速を禁止することとする。この場合、ステアリングスイッチ5,6のアップシフト操作とダウンシフト操作が同時に行われた場合に意図しない変速が発生するのを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059258 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116139(P2001−116139A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295654 |
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