| 【発明の名称】 |
トルクコンバータのロックアップ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野武 久雄
【氏名】若原 龍雄
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| 【要約】 |
【課題】3回路式トルクコンバータのロックアップ制御圧を低くし得るようコンバータ圧を排除しても油量収支が悪化することのないようにする。
【解決手段】ロックアップ時、ソレノイド23への通電で回路33に信号圧PS が発生し、弁21,22のスプール21b,22b が押し下げられた位置となる。よって回路26の作動圧PT が回路27に導入され、一方でオリフィス27a を経て回路7よりコンバータ室6に供給され、他方でオリフィス28a を経て回路29よりオイルクーラ24に向かった後に、潤滑部25の潤滑に供される。また圧力PD を元圧として回路12に、PS に応じたロックアップ制御圧PL が出力され、これがピストン10を右行させてロッアップクラッチ9を締結し、トルクコンバータ1をロックアップ状態にする。そして室6からの戻り油を回路30および潤滑部25より排除するため、室6の圧力低下により室11のロックアップ制御圧PL が低下可能である。この際の排除油を潤滑部25の潤滑に有効利用するから油量収支の悪化は生じない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入出力要素間で流体伝動により動力伝達が行われるコンバータ室からロックアップクラッチピストンにより区画されたロックアップ制御室を具え、該ロックアップ制御室にロックアップ制御圧を供給することでロックアップクラッチピストンをストロークさせて前記入出力要素間をロックアップし得るようにしたトルクコンバータに用いられ、前記ロックアップ時はコンバータ室内の油圧を低下させてロックアップ制御圧を低下させ得るようにしたロックアップ制御装置において、前記コンバータ室内の油圧の低下に際し該室から排除したドレン油圧を潤滑部に導くよう構成したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。 【請求項2】 請求項1において、非ロックアップ時に前記コンバータ室から排除された作動油を通流させて作動油の冷却を行うオイルクーラの作動油流入側に、該流入側の圧力に応動して開弁することで作動油を前記潤滑部に供給するためのバイパス弁を接続したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。 【請求項3】 請求項2において、前記ロックアップ時には前記コンバータ室に向かう作動油の一部をオイルクーラに通流させて作動油の冷却を行い、前記バイパス弁を前記ロックアップが行われる温度域でのオイルクーラ入口側圧力では開弁することのないように構成したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の伝動系などに用いられるトルクコンバータのロックアップ制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】トルクコンバータは、入力要素(通常はポンプインペラ)によってかき回された作動油を介し出力要素(通常はタービンランナ)を駆動する流体伝動により(コンバータ状態で)動力伝達を行うことを主旨とするため、トルク増大機能およびトルク変動吸収機能を発揮する反面、入出力要素間における相対回転(トルクコンバータのスリップ)で伝動効率が悪くなる。 【0003】そこで今日では、上記のトルク増大機能およびトルク変動吸収機能が不要な運転域で入出力要素間をロックアップ(直結)して伝動効率を向上させ得るようにしたロックアップ式トルクコンバータが多用されている。この種トルクコンバータとしては種々の型式のものが提案されているが、本発明は特に、例えば特開平5−79560号公報に記載されているように、入出力要素間で流体伝動により動力伝達が行われるコンバータ室からロックアップクラッチピストンにより区画されたロックアップ制御室を具え、このロックアップ制御室にロックアップ制御圧を供給することでロックアップクラッチピストンをストロークさせて入出力要素間をロックアップし得るようにした、所謂トルクコンバータ入口回路と、トルクコンバータ出口回路と、ロックアップ制御回路とを有する3回路式ロックアップトルクコンバータを前提とする。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしてこの種トルクコンバータの場合、ロックアップクラッチピストンがロックアップ制御室内のロックアップ制御圧を受けて入出力要素間をロックアップする時、コンバータ室内のコンバータ圧に抗して当該ロックアップを行う必要がある。このためロックアップ制御圧を決定するに際しては、要求されるロックアップクラッチの締結容量に対応した圧力に、コンバータ圧による抗力に対応した圧力を加算した値をもってロックアップ制御圧としなければ要求されるロックアップクラッチの締結容量が得られない。 【0005】従って、かかる高いロックアップ制御圧に耐え得るようトルクコンバータを設計する必要があると共に、作動油を供給するオイルポンプもそれだけ大容量のものであるを要し、コスト的に不利になるのを免れないし、オイルポンプの駆動負荷が大きくなるために燃費の点でも不利益を被る。この問題解決のためには、特開昭60−30864号公報に記載されている技術を流用して、ロックアップ時にトルクコンバータ出口回路をドレンポートに通じさせることによりコンバータ室内の圧力(コンバータ圧)を低下させ、その分、ロックアップ制御圧を低下させ得るようになすことが考えられる。 【0006】しかし、かように単純にトルクコンバータ出口回路をドレンポートに通じさせてコンバータ圧を低下させるだけでは、その分作動油の油量収支が悪化し、特に燃費節約のためにポンプを必要最小限の容量となるよう駆動制御する傾向にある昨今では油量不足の事態を生ずる懸念がある。 【0007】請求項1に記載の第1発明は、コンバータ圧を低下させるためにドレンした油圧を有効利用することで、上記油量収支の悪化に関する問題解決を実現したトルクコンバータのロックアップ制御装置を提案することを目的とする。 【0008】請求項2に記載の第2発明は、非ロックアップ時において作動油を冷却するためのオイルクーラに作動油が通流し得なくなるような低温環境のもとでも自動変速機の焼損を生ずることのないようにしたトルクコンバータのロックアップ制御装置を提案することを目的とする。 【0009】請求項3に記載の第3発明は、第2発明の目的を達成するために設けた対策でロックアップ時にコンバータ室内が圧力変化してロックアップクラッチの締結力変化によるショックを生じさせることのないようにしたトルクコンバータのロックアップ制御装置を提案することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先ず第1発明によるトルクコンバータのロックアップ制御装置は、入出力要素間で流体伝動により動力伝達が行われるコンバータ室からロックアップクラッチピストンにより区画されたロックアップ制御室を具え、該ロックアップ制御室にロックアップ制御圧を供給することでロックアップクラッチピストンをストロークさせて前記入出力要素間をロックアップし得るようにしたトルクコンバータに用いられ、前記ロックアップ時はコンバータ室内の油圧を低下させてロックアップ制御圧を低下させ得るようにしたロックアップ制御装置において、前記コンバータ室内の油圧の低下に際し該室から排除したドレン油圧を潤滑部に導くよう構成したことを特徴とするものである。 【0011】また第2発明によるトルクコンバータのロックアップ制御装置は、第1発明において、非ロックアップ時に前記コンバータ室から排除された作動油を通流させて作動油の冷却を行うオイルクーラの作動油流入側に、該流入側の圧力に応動して開弁することで作動油を前記潤滑部に供給するためのバイパス弁を接続したことを特徴とするものである。 【0012】更に第3発明によるトルクコンバータのロックアップ制御装置は、第2発明において、前記ロックアップ時には前記コンバータ室に向かう作動油の一部をオイルクーラに通流させて作動油の冷却を行い、前記バイパス弁を前記ロックアップが行われる温度域でのオイルクーラ入口側圧力では開弁することのないように構成したことを特徴とするものである。 【0013】 【発明の効果】第1発明におけるロックアップ制御装置は、トルクコンバータのロックアップ制御室にロックアップ制御圧を供給することでロックアップクラッチピストンをストロークさせてトルクコンバータ入出力要素間をロックアップする。そして当該ロックアップ時は、入出力要素間で流体伝動により動力伝達を行わせるコンバータ室内の油圧を低下させ、その分、ロックアップ制御圧を低下させ得るようにする。ところで第1発明においては、上記コンバータ室内の油圧の低下に際し該室から排除したドレン油圧を潤滑部に導くことで有効利用するから、当該ドレン油圧が原因で作動油の油量収支が悪化するような事態を回避することができる。 【0014】第2発明においては、非ロックアップ時に上記コンバータ室から排除された作動油を通流させて作動油の冷却を行うオイルクーラの作動油流入側に、該流入側の圧力に応動して開弁することで作動油を前記潤滑部に供給するためのバイパス弁を接続したため、非ロックアップ時に作動油を冷却するためのオイルクーラへ作動油が高粘度に起因して通流し得なくなるような低温環境のもとでも、バイパス弁が作動油を潤滑部に供給することで潤滑油量を所定通りに確保し得ることとなり、自動変速機の焼損を防止することができる。 【0015】第3発明においては、ロックアップ時にはコンバータ室に向かう作動油の一部をオイルクーラに通流させて作動油の冷却を行い、上記バイパス弁をロックアップが行われる温度域でのオイルクーラ入口側圧力では開弁することのないようにしたため、オイルクーラをロックアップ時においても作動油の冷却に供することができ、またこのロックアップ中において、第2発明の目的を達成するために設けたバイパス弁を閉弁状態に保つことができる。従って、ロックアップ中にバイパス弁が開閉してコンバータ室内の圧力変化によりロックアップクラッチの締結力を変化させるようなことがなく、これが原因でショックが発生するような事態を回避することができる。なお、バイパス弁をかように閉弁状態に保つ温度域が上記の通り、ロックアップが行われる温度域であるから、そして当該温度域では作動油がオイルクーラに通流し得なくなるほど高粘度になることがないから、第2発明の目的が達成されなくなることはない。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、自動変速機の伝動系に挿置したトルクコンバータに用いるよう構成した本発明の一実施の形態になるロックアップ制御装置で、1は3回路式ロックアップトルクコンバータを示す。このトルクコンバータ1はポンプインペラ(入力要素)1aと、これに対向配置したタービンランナ1b(出力要素)と、ステータ(反力要素)1cとの3要素を有し、ポンプインペラ1aを図の左側におけるエンジン(図示せず)のクランクシャフト2に結合し、タービンランナ1bを図の右側における自動変速機(図示せず)の入力軸3に結合し、ステータ1cを一方向クラッチ4を介しエンジンと逆方向へ回転不能にして中空固定軸5上に置くことにより反力要素として機能可能とする。 【0017】トルクコンバータ1の内部コンバータ室6にトルクコンバータ入口回路7から矢の方向に作動油を供給し、この作動油をトルクコンバータ出口回路8から矢の方向へ排除する。かくて、エンジン駆動されるポンプインペラ1aは内部作動油をかき廻し、これをタービンランナ1bに衝突させた後ステータ1cによる案内下でポンプインペラ1aに戻す。この間ステータ1cによる反力下でタービンランナ1bをトルク増大させつつ回転させることができ、トルクコンバータ1は流体伝動によるコンバータ状態での動力伝達を行うことができる。 【0018】トルクコンバータ1は更に、ポンプインペラ1aおよびタービンランナ1b間を直結(ロックアップ)可能とするためにロックアップクラッチ9を具え、これをロックアップクラッチピストン10の右行により締結する時上記のロックアップを行い得るものとする。ここで、ロックアップクラッチピストン10はコンバータ室6から区画されたロックアップ制御室11を画成するよう摺動自在に嵌合し、ロックアップ制御回路12から室11内へ矢の方向に供給されるロックアップ制御圧PL と、室6内のコンバータ圧PC との差圧に応じた図中右向きの力によりロックアップクラッチ9を締結して、トルクコンバータ入出力要素1a,1b間をロックアップし得るものとする。 【0019】かかるロックアップの制御を行うための油圧回路を次に説明するに、21はトルクコンバータ制御弁、22はロックアップ制御弁、23はロックアップソレノイド、24はオイルクーラ、25は自動変速機の潤滑部をそれぞれ示す。トルクコンバータ制御弁21は、トルクコンバータ1のコンバータ室6に対する作動油通流制御と、オイルクーラ24および潤滑部25への作動油通流制御とを司るもので、ばね21aにより図示の常態位置に弾支されたスプール21bを具える。このスプール21bは、室21cに信号圧PS が供給される時、ばね21aに抗して図示位置から押し下げられた作動位置になる。 【0020】トルクコンバータ制御弁21は、スプール21bが図示の常態位置にある時、トルクコンバータ作動圧PT が供給されている入力回路26をトルクコンバータ入口回路7に通じさせ、並列回路27,28間を相互に連通させ、トルクコンバータ出口回路8をオイルクーラ24の入口部からのオイルクーラ回路29に通じさせるものとする。なお、並列回路27,28内にはそれぞれオリフィス27a,28aを挿置し、回路28は回路27に対して、オリフィス27aよりもトルクコンバータ制御弁21に近い箇所で接続し、回路27はトルクコンバータ入口回路7に接続する。 【0021】トルクコンバータ制御弁21は、スプール21bが図示位置から押し下げられた作動位置にある時、入力回路26を回路27に通じさせ、回路28をオイルクーラ回路29に通じさせ、トルクコンバータ出口回路8を潤滑部25からの潤滑回路30に通じさせるものとする。なお潤滑回路30にはオイルクーラ24の出口部を接続し、オイルクーラ回路29からオイルクーラ24に通流した後の作動油が潤滑部25に供給されるようになす。 【0022】ここで、オイルクーラ回路29および潤滑回路30間にはバイパス弁31を介挿し、これを前者の回路29から後者の回路30への油流を許可し、逆方向への油流を阻止する逆止弁とする。かかる逆止型式のバイパス弁31は、低温時に作動油が高粘度故にオイルクーラ24に通流し難くなってオイルクーラ24の入口側圧力が設定値(開弁圧)以上になった時に開かれ、オイルクーラ24内で行き止まりになっている作動油を潤滑部25に向かわせた後にオイルパンに戻し得るようにする。かくて、低温時に作動油がオイルクーラ24に通流し難くなって潤滑部25への通油量が減少することに伴う自動変速機の焼損を防止することができる。 【0023】ここでバイパス弁31の開弁圧は以下のごとくに決定する。作動油が高粘度故にオイルクーラ24に通流し難くなって上記自動変速機の焼損に関する問題を生ずるのは低温時であり、従って、この問題を生じない常温時はバイパス弁31を常閉させておいても上記の作用効果は達成される。それにもかかわらず常温時もバイパス弁31を開き得るようにしておく場合、当該常温時において行われる前記のロックアップ作用中にバイパス弁31が開閉し得ることとなり、ロックアップ作用中にバイパス弁31が開閉すると、回路29を経てコンバータ室6 の内圧(コンバータ圧)PC が変化してロックアップクラッチ9の締結力変化によりショックが生ずる。 【0024】この問題解決のためにバイパス弁31は、ロックアップが行われる温度域で決して開かれることのないよう構成する。これがため、バイパス弁31の開弁圧を決定する内蔵ばねのセット荷重は、ロックアップが行われる温度域でオイルクーラ24の入口側に発生する圧力によっては決してバイパス弁31が開かれることのないような荷重とする。 【0025】ロックアップ制御弁22は、ロックアップ制御室11内にロックアップ制御圧PL を供給してトルクコンバータ1のロックアップを行うか否かのロックアップ制御と、ロックアップ制御中におけるロックアップ制御圧PL の制御とを司るもので、ばね22aによって図示の常態位置に弾支されたスプール22bを具える。このスプール22bは、室22cに信号圧PS を供給される時、ばね22aに抗して図示位置から押し下げられた作動位置になる。 【0026】ロックアップ制御弁22は、スプール22bが図示の常態位置にある時、ロックアップ制御回路12をドレンポート22dに通じさせてロックアップ制御圧PL を消失させ、ロックアップクラッチ9の解放によりトルクコンバータ1を非ロックアップ状態(コンバータ状態)にする。ロックアップ制御弁22は、スプール22bが図示位置から押し下げられた作動位置にある時ロックアップ制御回路12を、自動変速機が前進走行(D)レンジにされている時に発生するDレンジ圧PD を供給されるDレンジ圧回路32に通じさせ、このDレンジ圧PD を元圧としてロックアップ制御回路12にロックアップ制御圧PL を出力することでトルクコンバータ1をロックアップク状態にするものとする。 【0027】ロックアップ制御弁22のスプール22bには更に、段差部22e,22fにそれぞれ、トルクコンバータ入口回路7内のトルクコンバータ入口圧およびトルクコンバータ出口回路8内のトルクコンバータ出口圧を図中下向きに作用させると共に、プラグ22gを介し逆向きにロックアップ制御圧PL をフィードバックして作用させる。段差部22e,22fに作用するトルクコンバータ入口圧およびトルクコンバータ出口圧だけでスプール22bがばね22aに抗しストロークされることはないが、これら圧力はフィードバックされるロックアップ制御圧PL とにより、元圧であるDレンジ圧PD が変化しても出力圧であるロックアップ制御圧PL と、室6内におけるコンバータ圧PC との間の差圧(ロックアップクラッチ9の締結力)を室22cへの信号圧PS に応じた値に正確に制御する作用をなす。なおこの作用についての詳細は、本発明と関係ないため本明細書では説明を省略した。 【0028】信号圧PS はロックアップソレノイド23により制御することとする。このロックアップソレノイド23はリニヤソレノイドとし、一定のパイロット圧PP を元圧として供給電流に比例した信号圧PS を回路33に出力し、この信号圧回路33をトルクコンバータ制御弁21の室21cおよびロックアップ制御弁22の室22cに接続する。ここでロックアップソレノイド23への供給電流は、ロックアップクラッチ9の要求される締結容量が得られるような力でロックアップクラッチピストン10をコンバータ圧PC に抗してロックアップクラッチ9に対し押圧するのに必要なロックアップ制御圧PL に対応させて決定する。 【0029】上記実施の形態になるロックアップ制御装置の作用を次に説明する。トルクコンバータ1をロックアップすべきでない運転中は、ロックアップソレノイド23が電流を供給されず、信号圧PS を回路33に出力しない。よって、トルクコンバータ制御弁21のスプール21bが図示の常態位置にあって、入力回路26内のトルクコンバータ作動圧PT をトルクコンバータ入口回路7からトルクコンバータ1のコンバータ室6に供給し、トルクコンバータ出口回路8をオイルクーラ回路29に通じさせてコンバータ室6からの戻り油をオイルクーラ24により冷却した後、潤滑部25の潤滑に供してオイルパンに流下させる。 【0030】ロックアップすべきでない運転中のため信号圧PS が発生しない時は、ロックアップ制御弁22のスプール22bも図示の常態位置にあって、ロックアップ制御回路12がドレンポート22dに連通され、ロックアップ制御圧PL が消失されている。従って、ピストン10がロックアップクラッチ9を締結しないため、ロックアップクラッチ9の解放によりトルクコンバータ1はロックアップされないコンバータ状態で動力伝達を行う。 【0031】トルクコンバータ1をロックアップすべき運転中は、ロックアップソレノイド23が電流を供給されて回路33へ、電流値に比例した信号圧PS を出力するため、トルクコンバータ制御弁21のスプール21bが図示の常態位置から押し下げられた作動位置となり、ロックアップ制御弁22のスプール22bも図示の常態位置から押し下げられた作動位置となる。 【0032】トルクコンバータ制御弁21のスプール21bが上記のように作動位置になることで、入力回路26が回路27に通じ、回路28がオイルクーラ回路29に通じ、トルクコンバータ出口回路8が潤滑回路30に通じる。よって入力回路26のトルクコンバータ作動圧PT が回路27に導入され、回路27へのトルクコンバータ作動圧PT は一方でオリフィス27aを経てトルクコンバータ入口回路7よりトルクコンバータ1のコンバータ室6に供給され、他方でオリフィス28aを経て回路29よりオイルクーラ24に向かい、ここで冷却された後に、潤滑部25の潤滑に供されてオイルパンに流下される。そして、コンバータ室6からの戻り油は潤滑回路30を経て潤滑部25の潤滑に供された後オイルパンに流下される。 【0033】またロックアップ制御弁22は、スプール22bが上記の通り作動位置になることで、Dレンジ圧回路32からのDレンジ圧PD を元圧としてロックアップ制御回路12に、信号圧PS に応じた、つまりロックアップソレノイド23への通電量に比例したロックアップ制御圧PL を出力する。このロックアップ制御圧PL はロックアップクラッチピストン10を右行させてロックアップクラッチ9を、ロックアップ制御圧PL に応じた力で締結させ、トルクコンバータ1をロックアップ状態にすることができる。 【0034】このロックアップに際しロックアップ制御圧PL は、ロックアップクラッチ9の要求締結容量が得られるような力でロックアップクラッチピストン10をコンバータ圧PC に抗してロックアップクラッチ9に対し押圧するのに必要な圧力値に決定し、当該ロックアップ制御圧PL に対応させてロックアップソレノイド23への供給電流を決定する。ところで本実施の形態においては当該ロックアップ時に上記のごとく、コンバータ室6から回路8への戻り油を、回路抵抗の大きなオイルクーラ24に通すことなく潤滑回路30および潤滑部25を順次経てオイルパンに排除するため、コンバータ室6内のコンバータ圧PC を低下させることができ、その分ロックアップ制御圧PL を低く決定してもロックアップクラッチ9の要求締結容量を達成し得る。かようにロックアップ制御圧PL を低くし得ることで、これに耐え得るよう設計する必要のあるトルクコンバータ1の強度を低く抑えることができるとともに、作動油を供給するオイルポンプもそれだけ小容量のものでよくなり、コスト的に有利であるし、オイルポンプの駆動負荷も小さくて燃費の点でも大いに有利である。 【0035】しかも、この目的のためにコンバータ室6から回路8への戻り油をオイルパンに排除するに際し、排除油を潤滑回路30を経て潤滑部25に導き、当該潤滑部25の潤滑に有効利用した後にオイルパンに排除するため、当該排除油が原因で作動油の油量収支が悪化するような事態を回避することができる。 【0036】またオイルクーラ回路29および潤滑回路30間に、前者の回路29から後者の回路30への油流を許可し、逆方向への油流を阻止するバイパス弁31を介挿したから、低温時に作動油が高粘度故にオイルクーラ24に通流し難くなってオイルクーラ24の入口側圧力が開弁圧以上になった時にバイパス弁31が開いて、オイルクーラ24内で行き止まりになっている作動油を潤滑部25に向かわせた後にオイルパンに戻すことができる。これがため、低温時に作動油がオイルクーラ24に通流し難くなって潤滑部25への通油量が減少する傾向になっても、バイパス弁31が開いて潤滑油量を所定通りに補償することができ、自動変速機が潤滑不足により焼損するのを防止することができる。 【0037】更に、バイパス弁31の開弁圧を前記した通りに定め、バイパス弁31をロックアップが行われる温度域でのオイルクーラ入口側圧力(オイルクーラ回路29内の圧力)では開弁することのないよう構成したため、ロックアップ中にバイパス弁31を閉弁状態に保つことができる。従って、ロックアップ中にバイパス弁が開閉してコンバータ室6内の圧力変化によりロックアップクラッチ9の締結力を変化させるようなことがなく、これが原因でショックが発生するような事態を回避することができる。なお、バイパス弁31をかように閉弁状態に保つ温度域が上記の通り、ロックアップが行われる温度域であるから、そして当該温度域では作動油がオイルクーラ24に通流し得なくなるほど高粘度になることがないから、バイパス弁31を設けたことの前記作用効果が達成されなくなることはない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059258 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116137(P2001−116137A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295441 |
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