| 【発明の名称】 |
産業車両の駆動力制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 和男
【氏名】谷口 浩之
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| 【要約】 |
【課題】トルクコンバータを使用しクラッチ操作を自動で行うようにしながら燃費を向上する。
【解決手段】トルクコンバータ11の入力軸16と出力軸17とを直結するための直結用クラッチ18を設ける。コントローラ50は、検出した車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を越えたときに直結用クラッチ18を切断状態から接続状態とする。又、アクセルペダル32がアクセル操作された状態で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満となるか、あるいは、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態で、検出したエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満となったときに直結用クラッチ18を接続状態から切断状態とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの駆動力が入力されるトルクコンバータと、前記トルクコンバータを介してエンジンの駆動力を入力し、クラッチ圧が変更されることで接続状態が調整される前進用クラッチ及び後進用クラッチのいずれか一方を介して前記駆動力を出力する変速機と、前記両クラッチのいずれか一方を接続するとともに他方を切断するために切換操作される方向切換操作部材の切換位置を検出する方向検出手段と、前記各クラッチ毎に設けられ、そのクラッチ圧を制御してクラッチの接続状態を完全接続状態と切断状態との間で調整するための第1電磁圧力制御弁と、前記切換位置に応じて前記各第1電磁圧力制御弁を制御し、前記クラッチ圧を制御して前記各クラッチを完全接続又は切断するクラッチ制御手段とを備えた産業車両の駆動力制御装置において、前記トルクコンバータに設けられ、クラッチ圧が変更されることで該トルクコンバータの入力軸と出力軸とを直結可能な直結用クラッチと、前記直結用クラッチのクラッチ圧を制御して、該直結用クラッチの接続状態を切断状態と完全接続状態との間で調整するための第2電磁圧力制御弁と、車両の走行状態が、前記直結用クラッチが完全接続した状態で前記エンジンがストールしない直結可能状態となったか否かを判断する走行状態判断手段と、前記走行状態が直結可能状態であると判断されたとき、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを切断状態から完全接続状態とするとともに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されたとき、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とするトルコン直結制御手段とを備えた産業車両の駆動力制御装置。 【請求項2】 請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、車速を検出する車速検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、アクセルペダルがアクセル操作されているか否かを検出するアクセル操作検出手段と、前記車速が予め設定された第1車速判定値を越えたときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判断するとともに、前記アクセルペダルがアクセル操作されている状態で、前記車速が予め設定された第2車速判定値未満となったとき、あるいは、前記アクセルペダルがアクセル操作されていない状態で前記エンジン回転数が予め設定されたエンジン回転数判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判定する走行状態判定手段とからなる産業車両の駆動力制御装置。 【請求項3】 請求項2に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、積載荷重を検出するための積載荷重検出手段を備え、前記走行状態判定手段は、前記車速が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定された前記第1判定値を越えたときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判断するとともに、前記アクセルペダルがアクセル操作されている状態で、前記車速が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定された第2車速判定値未満となったとき、あるいは、前記アクセルぺダルがアクセル操作されていない状態で、前記エンジン回転数が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定されたエンジン回転数判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断する産業車両の駆動力制御装置。 【請求項4】 請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、車速を検出する車速検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記トルクコンバータのトルコン出力軸回転速度を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記エンジン回転数及び前記トルコン出力軸回転速度から前記トルクコンバータの伝達特性データに基づいてトルコン伝達トルクを推定するとともに、該トルコン伝達トルクが予め設定されたトルコン伝達トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判定する走行状態判定手段とからなる産業車両の駆動力制御装置。 【請求項5】 請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、アクセルペダルのアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記アクセルペダルにて調整されるスロットル開度と、前記エンジン回転数とから前記エンジンのエンジン出力軸トルクを推定するとともに、推定した前記エンジン出力軸トルクが予め設定されたエンジン出力軸トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判定する走行状態判定手段とからなる産業車両の駆動力制御装置。 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記クラッチの接続状態を完全接続状態から半接続状態とするとともに車両に制動をかけるために操作されるインチング操作部材の操作の有無を検出するインチング操作検出手段を備え、前記トルコン直結制御手段は、前記直結用クラッチを完全接続状態としているときに、前記インチング操作部材の操作が検出されたときには、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とする産業車両の駆動力制御装置。 【請求項7】 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置において、エンジンによって駆動される油圧ポンプから供給される作動油を、油圧荷役機器に対して供給するために操作される荷役レバーの荷役操作量を検出する荷役操作量検出手段と、アクセル操作量検出手段が検出するアクセルペダルのアクセル操作量に対応するエンジンのアクセル目標スロットル開度を設定し、又、前記荷役操作量に対応するエンジンの荷役目標スロットル開度を設定するとともに、該アクセル目標スロットル開度及び荷役目標スロットル開度の内、いずれか大きい方のスロットル開度でエンジンを運転制御するエンジン運転制御手段とを備え、前記クラッチ制御手段は、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を越えるときには、車速がエンジン回転数に拘らずアクセル操作量に対応した車速となるように、前記切換位置に基づく前記各クラッチの接続状態を制御し、前記トルコン直結制御手段は、前記直結用クラッチを完全接続状態としているときに、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を超えたときには、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、前記第2電磁制御弁を制御して前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とする産業車両の駆動力制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの出力をトルクコンバータを介して変速機に入力するとともに、変速機内にそれぞれ設けられた前進用及び後進用クラッチを切換接続することで前後進するようにしたフォークリフト等の産業車両の駆動力制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】このような車両(トルコン車)には、特開平10−151974号公報にて開示されるものがある。この車両は、基本的にアクセルペダル、ブレーキペダル及び方向切換レバーの操作だけで運転することができ、クラッチペダル操作の車両のように、発進時あるいはスイッチバック時に、積み荷が崩れないよう車体に加わる加速度が急激に変化しないように微妙な操作を必要とするクラッチペダル操作が不要なので、運転操作性の向上を図ることができる。 【0003】このような車両は、エンジンの駆動力を、入力軸と出力軸との回転速度比が出力軸の負荷に応じて自動的に変化するトルクコンバータを介して変速機に入力することで、最終減速比を所定範囲で変更するとともに、発進時等に衝撃が発生しない走行を可能にしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、トルクコンバータには、入力軸側のポンプと、出力軸側のタービンとの間の滑りに対応した滑り損失があるので、トルコン車はクラッチペダル車に比較して燃費が悪い問題があった。 【0005】尚、上記の各問題は、フォークリフトに限らず、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速機に入力するその他の産業車両においても共通の問題である。 【0006】本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、クラッチペダルの操作が不要とし方向切換操作部材の切換操作によってクラッチの接断動作を自動で行うようにしながら、燃費を向上することができる産業車両の駆動力制御装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、エンジンの駆動力が入力されるトルクコンバータと、前記トルクコンバータを介してエンジンの駆動力を入力し、クラッチ圧が変更されることで接続状態が調整される前進用クラッチ及び後進用クラッチのいずれか一方を介して前記駆動力を出力する変速機と、前記両クラッチのいずれか一方を接続するとともに他方を切断するために切換操作される方向切換操作部材の切換位置を検出する方向検出手段と、前記各クラッチ毎に設けられ、そのクラッチ圧を制御してクラッチの接続状態を完全接続状態と切断状態との間で調整するための第1電磁圧力制御弁と、前記切換位置に応じて前記各第1電磁圧力制御弁を制御し、前記クラッチ圧を制御して前記各クラッチを完全接続又は切断するクラッチ制御手段とを備えた産業車両の駆動力制御装置において、前記トルクコンバータに設けられ、クラッチ圧が変更されることで該トルクコンバータの入力軸と出力軸とを直結可能な直結用クラッチと、前記直結用クラッチのクラッチ圧を制御して、該直結用クラッチの接続状態を切断状態と完全接続状態との間で調整するための第2電磁圧力制御弁と、車両の走行状態が、前記直結用クラッチが完全接続した状態で前記エンジンがストールしない直結可能状態となったか否かを判断する走行状態判断手段と、前記走行状態が直結可能状態であると判断されたとき、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを切断状態から完全接続状態とするとともに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されたとき、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とするトルコン直結制御手段とを備えた産業車両の駆動力制御装置である。 【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、車速を検出する車速検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、アクセルペダルがアクセル操作されているか否かを検出するアクセル操作検出手段と、前記車速が予め設定された第1車速判定値を越えたときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判断するとともに、前記アクセルペダルがアクセル操作されている状態で、前記車速が予め設定された第2車速判定値未満となったとき、あるいは、前記アクセルペダルがアクセル操作されていない状態で前記エンジン回転数が予め設定されたエンジン回転数判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判定する走行状態判定手段とからなる。 【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、積載荷重を検出するための積載荷重検出手段を備え、前記走行状態判定手段は、前記車速が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定された前記第1判定値を越えたときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判断するとともに、前記アクセルペダルがアクセル操作されている状態で、前記車速が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定された第2車速判定値未満となったとき、あるいは、前記アクセルぺダルがアクセル操作されていない状態で、前記エンジン回転数が、前記積載荷重が大きいほど大きくなるように予め設定されたエンジン回転数判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断する。 【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、車速を検出する車速検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記トルクコンバータのトルコン出力軸回転速度を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記エンジン回転数及び前記トルコン出力軸回転速度から前記トルクコンバータの伝達特性データに基づいてトルコン伝達トルクを推定するとともに、該トルコン伝達トルクが予め設定されたトルコン伝達トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判定する走行状態判定手段とからなる。 【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、アクセルペダルのアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記アクセルペダルにて調整されるスロットル開度と、前記エンジン回転数とから前記エンジンのエンジン出力軸トルクを推定するとともに、推定した前記エンジン出力軸トルクが予め設定されたエンジン出力軸トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判定する走行状態判定手段とからなる。 【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記クラッチの接続状態を完全接続状態から半接続状態とするとともに車両に制動をかけるために操作されるインチング操作部材の操作の有無を検出するインチング操作検出手段を備え、前記トルコン直結制御手段は、前記直結用クラッチを完全接続状態としているときに、前記インチング操作部材の操作が検出されたときには、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、前記第2電磁圧力制御弁を制御して、前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とする。 【0013】請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置において、エンジンによって駆動される油圧ポンプから供給される作動油を、油圧荷役機器に対して供給するために操作される荷役レバーの荷役操作量を検出する荷役操作量検出手段と、アクセル操作量検出手段が検出するアクセルペダルのアクセル操作量に対応するエンジンのアクセル目標スロットル開度を設定し、又、前記荷役操作量に対応するエンジンの荷役目標スロットル開度を設定するとともに、該アクセル目標スロットル開度及び荷役目標スロットル開度の内、いずれか大きい方のスロットル開度でエンジンを運転制御するエンジン運転制御手段とを備え、前記クラッチ制御手段は、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を越えるときには、車速がエンジン回転数に拘らずアクセル操作量に対応した車速となるように、前記切換位置に基づく前記各クラッチの接続状態を制御し、前記トルコン直結制御手段は、前記直結用クラッチを完全接続状態としているときに、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を超えたときには、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、前記第2電磁制御弁を制御して前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とする。 【0014】(作用)請求項1に記載の発明によれば、エンジンの駆動力はトルクコンバータを介して変速機に入力され、方向切換操作部材の切換操作によって接続された前進用クラッチあるいは後進用クラッチのいずれか一方を介して変速機から出力される。方向切換操作部材を切換操作すると、各クラッチ毎に設けられた第1電磁圧力制御弁が制御され、各クラッチのクラッチ圧が変更されて接続状態が切断状態と完全接続状態との間で調整される。直結用クラッチが完全接続した状態でエンジンに加わる負荷によってエンジンがストールしない走行状態である直結可能状態となると、直結用クラッチが完全接続される。そして、エンジンの駆動力がトルクコンバータを介さずに変速機から出力される。即ち、直結可能状態は、走行時にトルクコンバータの入力軸に加わる駆動力に対する出力軸に加わる負荷のトルク比が1に近く、その回転速度比が1に近づいた状態である。この走行状態では、出力軸に加わる負荷が急激に増大しない限り、トルクコンバータの直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない。又、直結用クラッチが完全接続した状態でエンジンに加わる負荷によってエンジンがストールするような走行状態となると直結用クラッチが切断される。そして、エンジンの駆動力がトルクコンバータを介して変速機から出力される。従って、直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態では、エンジンの駆動力がトルクコンバータを介さずに変速機に入力される。 【0015】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、車速が相対的に高い所定の車速を越える走行状態では、トルクコンバータのトルク比及び回転速度比が1に近い状態であり、又、トルクコンバータの出力軸に加わる負荷が急激に増大する可能性が低い。又、エンジンのスロットル開度が「0」でないときに車速が相対的に低い所定の車速未満となる走行状態では、トルクコンバータの入力軸トルクに対して出力軸トルクが増大し、トルク比が増大し回転速度比が減少する状態となる。又、スロットル開度が「0」のときにエンジン回転数が所定のエンジン回転数未満となる走行状態では、エンジンの駆動力が減少してトルクコンバータの入力軸に加わる駆動力が減少し、トルク比が増大し回転速度比が減少する状態となる。 【0016】その結果、トルクコンバータの直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態となったことが、車速が所定の第1車速判定値を超えたことで判断される。又、直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態でなくなったことが、アクセルペダルがアクセル操作された状態で車速が所定の第2車速判定値未満となったことか、あるいは、アクセル操作されていない状態でエンジン回転数がエンジン回転数判定値未満となったことによって判断される。従って、検出値である車速及びエンジン回転数に基づいて直結用クラッチが制御される。 【0017】請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、積載荷重の増大に伴い車両の重量が相対的に大きくなった状態では、トルクコンバータのトルク比及び回転速度比が1に近い状態となるときの車速が相対的に高くなる。又、積載荷重の増大に伴い車両の重量が相対的に大きくなった状態では、アクセルペダルがアクセル操作されている状態でトルク比が増大し回転速度比が減少する状態となるときの車速が相対的に高くなる。又、アクセル操作がされていない状態でエンジンの駆動力が減少してトルクコンバータの入力軸に加わる駆動力が減少し、トルク比が増大し回転速度比が減少する状態となるときのエンジン回転数が相対的に高くなる。 【0018】その結果、そのときの積載荷重において、トルクコンバータの直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態となったことが、車速が積載荷重に応じて設定される所定の第1車速判定値を超えたことで判断される。又、そのときの積載荷重において、直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態でなくなったことが、アクセルペダルがアクセル操作された状態で車速が積載荷重に応じて設定される所定の第2車速未満となったことか、あるいは、アクセル操作されない状態でエンジン回転数が積載荷重に応じて設定されるエンジン回転数判定値未満となったことによって判断される。従って、直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態が積載荷重に応じて判断されるので、直結用クラッチが接続される走行状態が積載荷重に応じてより広い範囲に拡大する。 【0019】請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、トルクコンバータのトルコン伝達トルクが所定のトルコン伝達トルク未満となる走行状態では、トルクコンバータのトルク比及び回転速度比が1に近づく。その結果、トルクコンバータの直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態となったことが、エンジン回転数と出力軸回転速度とからトルクコンバータの伝達特性を用いて推定したトルコン伝達トルクが予め設定したトルコン伝達トルク判定値未満となったことで判断される。車両走行中のトルコン伝達トルクは、車速が同じであっても、トルクコンバータの出力軸に加わる負荷の大きさに応じてエンジンの駆動力が大きいほど大きくなる。そこで、直結用クラッチが接続した状態でエンジンがストールしない走行状態を車速だけに基づいて判断する場合には、その車速において最も大きくなるときのトルコン伝達トルクにおいてもエンジンがストールしない車速とする必要がある。しかし、トルコン伝達トルクに基づいて走行状態が直結可能状態であるか否かを判断することにより、車速に基づいて走行状態を判断するときよりもより低い車速においてトルク比及び回転速度比が1に近づいた走行状態が直結可能状態と判断される。従って、直結用クラッチを接続した状態でエンジンがストールしない直結可能状態に移行するときの走行状態が、車速だけで判断するときの走行状態よりもより低い車速領域に拡大する。 【0020】請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、エンジン出力軸トルクが所定のトルク値未満となる走行状態では、トルクコンバータのトルク比及び回転速度比が1から離れようとする。その結果、直結用クラッチを接続してもエンジンがストールしない走行状態でなくなることが、スロットル開度とエンジン回転数とから推定したエンジン出力軸トルクが予め設定したエンジン出力軸トルク判定値未満となったことによって判断される。エンジン出力軸トルクは、車速が同じであっても、トルクコンバータの出力軸に加わる負荷の大きさに応じてエンジン回転数が低いほど小さくなる。そこで、直結用クラッチが接続した状態でエンジンがストールしない走行状態を車速だけに基づいて判断する場合には、その車速において最も小さくなるときのエンジン出力軸トルクにおいてもエンジンがストールしない車速とする必要がある。しかし、エンジン出力軸トルクに基づいて走行状態が直結可能状態であるか否かを判断することにより、車速に基づいて判断するときよりもより低い車速での走行状態まで直結可能状態として判断される。従って、直結用クラッチを接続した状態でエンジンがストールしない直結可能状態から脱するときの走行状態が、車速だけで判断するときの走行状態よりもより低い車速領域に拡大する。 【0021】請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、車両の走行状態がエンジンがストールしない走行状態であっても、インチング操作が行なわれたときは、直結用クラッチが切断され、駆動力がトルクコンバータを介して変速機に入力される。従って、走行状態が直結可能状態であっても、インチング時には直結用クラッチが切断されエンジンの駆動力がトルクコンバータを介して出力される。 【0022】請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、荷役レバーの荷役操作量に対応するエンジンの荷役目標スロットル開度がアクセルペダルのアクセル操作量に対応するアクセル目標スロットル開度を超える状態では、エンジンが荷役操作量に対応する荷役目標スロットル開度で運転され、油圧荷役機器に対し荷役レバーの荷役操作量に応じた流量で作動油が供給されるとともに、エンジン回転数に関係なく車速がアクセル操作量に応じた車速に制御される。そして、直結用クラッチが完全接続状態となっているときに、荷役目標スロットル開度がアクセル目標スロットル開度を超えたときには、走行状態が直結可能状態であっても、直結用クラッチが切断状態とされる。その結果、車速に関係なく荷役レバーの荷役操作量に応じてエンジン回転数が制御される走行中の荷役作業時には、直結されていないトルクコンバータを介してエンジンの駆動力が変速機に入力される。 【0023】 【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発明をフォークリフトの駆動力制御装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図6に従って説明する。 【0024】図1は、産業車両としてのフォークリフトに設けた駆動力制御装置の模式構成図である。エンジン10の出力は、トルクコンバータ11を介して変速機12に入力され、変速機12の出力が差動装置13を介して駆動輪としての左右前輪14に伝達されている。 【0025】エンジン10には、そのスロットル開度THを調整するためのスロットルアクチュエータ15が設けられている。エンジン10には、そのクランク軸の回転数をエンジン回転数Neとして検出する磁気センサ26が設けられている。 【0026】トルクコンバータ11は、エンジン10の出力軸に連結されるポンプ側の入力軸16と、タービン側の出力軸17とを直結するための直結用クラッチ18を備えている。直結用クラッチ18は、その受圧室18aに供給される作動油のクラッチ圧Ptcが「0」のときに切断状態となって入力軸16をポンプ及びタービンを介して出力軸17に連結し、クラッチ圧Ptcが最大クラッチ圧Ptc100 のときに完全接続状態となって入力軸16を出力軸17にポンプ及びタービンを介さず直接連結する。トルクコンバータ11には、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを調整するための第2電磁圧力制御弁としての電磁開閉弁(以下、単に電磁弁という)21が設けられている。 【0027】変速機12は、トルクコンバータ11の出力軸17に連結される入力軸19と、差動装置13に連結される出力軸20との間に、図示しない前進用及び後進用の減速ギヤ列と、油圧で接続操作される前進用クラッチ22及び後進用クラッチ23とを備えている。 【0028】前進用クラッチ22は、接続状態で、入力軸19と出力軸20とを前進用ギヤ列で接続する。又、後進用クラッチ23は、接続状態で、入力軸19と出力軸20とを後進用ギヤ列で接続する。前進用クラッチ22及び後進用クラッチ23は湿式多板型であって、各受圧室22a,23aに供給される作動油のクラッチ圧に応じた接続状態で接続する。前進用クラッチ22のクラッチ圧Pfcl 、及び、後進用クラッチ23のクラッチ圧Prcl は、共に「0」から所定の最大クラッチ圧Pfcl100,Prcl100までの間で制御される。そして、各クラッチ22,23は、クラッチ圧Pfcl 、Prcl が「0」のときには、エンジン10からの駆動力を伝達しない切断状態となり、クラッチ圧Pfcl 、Prcl が最大クラッチ圧Pfcl100,Prcl100のときには、エンジン10からの駆動力を制限しない状態で伝達する完全接続状態となる。又、各クラッチ22,23は、クラッチ圧Pfcl ,Prcl が「0」から最大クラッチ圧Pfcl100,Prcl100の間にある状態では、エンジン10からの駆動力をクラッチ圧Pfcl ,Prcl に応じて制限して伝達する半接続状態となる。変速機12のハウジングには、各クラッチ22,23毎に、受圧室22a,23aのクラッチ圧Pfcl ,Prcl を調整するための第1電磁圧力制御弁としての電磁比例圧力制御弁(以下、単に電磁弁という)24,25が設けられている。 【0029】尚、各電磁弁21,24,25には、変速機12のハウジング内に設けられエンジン10によって駆動される油圧ポンプ43から作動油が供給される。変速機12には、入力軸19に固定されたギヤ27のトルコン出力軸回転速度Ntに応じた数の歯の通過を検出する磁気センサ28が設けられている。又、変速機12には、出力軸20に固定されたギヤ29の変速機出力軸回転速度Ndに応じた数の歯の通過を検出する磁気センサ30が設けられている。 【0030】左右前輪14には、図示しないブレーキペダルによって操作される図示しない方向制御弁によって給排される油圧によって制御され、フォークリフトを減速又は停止させるための油圧ブレーキ31が設けられている。 【0031】図示しない運転席には、エンジン10のスロットル開度THを変更するためのアクセルペダル32が設けられている。アクセルペダル32には、そのアクセル操作がされていないときのアクセルアイドル状態Acc-idle と、アクセル操作がされているときのアクセル操作量Accを検出するためのアクセル操作検出手段及びアクセル操作量検出手段としてのポテンショメータ33が設けられている。 【0032】又、運転席には、シフト位置Psに応じて完全接続状態となっている進行側のクラッチ22,23の接続状態を完全接続状態から半接続状態とするとともにブレーキペダルを連動させるインチング操作部材としてのインチングペダル34が設けられている。インチングペダル34には、インチング操作のためのアクセル操作がされていないインチングアイドル状態Inch-idleを検出するためのインチング検出スイッチ35が設けられている。 【0033】又、運転席には、両クラッチ22,23のいずれか一方を完全接続状態とするために中立位置から前進位置あるいは後進位置に切換操作される方向切換操作部材としてのシフトレバー36が設けられている。シフトレバー36には、その切換位置としてのシフト位置Psを検出する方向検出手段としてのシフト位置スイッチ37が設けられている。 【0034】又、機台の前部に設けられたマスト38は、油圧ポンプ43から供給される作動油によって作動するリフトシリンダ39と、リフトシリンダ39の伸縮動作によって上下動するインナマスト40及びフォーク41を備えている。リフトシリンダ39には、フォーク41に積載された積載荷重としての積み荷の荷重Wに対応する作動油圧を検出する積載荷重検出手段としての圧力センサ42が設けられている。 【0035】運転席には、リフトシリンダ39に対する作動油の給排を操作するための荷役レバーとしてのリフトレバー44が設けられている。リフトレバー44は、油圧ポンプ43から供給される作動油のリフトシリンダ39への供給と、リフトシリンダ39からの作動油の排出を制御するための図示しないオイルコントロールバルブを操作する。オイルコントロールバルブは、油圧ポンプ43から供給されている作動油をリフトレバー44の上昇側操作量θLuに応じた流量でリフトシリンダ39に供給し、又、リフトレバー44の下降側操作量に応じた流量でリフトシリンダ39から作動油を排出させる。リフトレバー44には、荷役操作量としての上昇側操作量θLuを検出するための荷役操作量検出手段としてのポテンショメータ45が設けられている。 【0036】機台内には、エンジン10、各クラッチ22,23、直結用クラッチ18の制御を行うためのコントローラ50が設けられている。コントローラ50には、その入力側に磁気センサ26,28,30、ポテンショメータ33、インチング検出スイッチ35、シフト位置スイッチ37、圧力センサ42及びポテンショメータ45がそれぞれ電気的に接続されている。又、その出力側にスロットルアクチュエータ15、各電磁弁21及び電磁弁24,25がそれぞれ電気的に接続されている。 【0037】次に、上記のように構成されたフォークリフトの駆動力制御装置の電気的構成を説明する。図2は、クラッチ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 【0038】磁気センサ26は、エンジン10のエンジン回転数Neに比例する周期のエンジンパルス信号Peをコントローラ50に出力する。磁気センサ28は、トルクコンバータ11の出力軸17のトルコン出力軸回転速度Ntに比例する周期のトルコン出力軸パルス信号Ptをコントローラ50に出力する。磁気センサ30は、変速機出力軸回転速度Ndに比例する周期の変速機出力軸パルス信号Pdをコントローラ50に出力する。ポテンショメータ33は、アクセルペダル32のアクセルアイドル状態Acc-idle に対応するアクセルアイドル信号Sacc と、アクセル操作量Accに比例する電圧信号からなるアクセル信号Vacをコントローラ50に出力する。インチング検出スイッチ35は、インチングペダル34がアクセル操作されていないインチングアイドル状態Inch-idleに対応するインチングアイドル信号Sinchをコントローラ50に出力する。シフト位置スイッチ37は、シフトレバー36のシフト位置Psに対応したシフト位置信号Spをコントローラ50に出力する。圧力センサ42は、積み荷の荷重Wに対応した圧力信号Swをコントローラ50に出力する。ポテンショメータ45は、リフトレバー44の上昇側操作量θLuに対応した荷役操作信号SLfをコントローラ50に出力する。 【0039】コントローラ50は、A/D変換器51,52,60、マイクロコンピュータ(以下、単にマイコンという)53及び駆動回路54等を備える。A/D変換器51は、ポテンショメータ33が出力するアクセル信号Vacをデジタルのアクセル信号Dacに変換してマイコン53に出力する。A/D変換器52は、圧力センサ42が出力する圧力信号Swをデジタルの圧力信号Dwに変換してマイコン53に出力する。A/D変換器60は、ポテンショメータ45が出力する荷役操作信号SLfをデジタルの荷役操作信号DLfに変換してマイコン53に出力する。 【0040】本実施の形態では、マイコン53が、トルコン直結制御手段、走行状態判定手段及びエンジン運転制御手段である。又、ギヤ29、磁気センサ30及びマイコン53が車速検出手段を構成し、磁気センサ26及びマイコン53がエンジン回転数検出手段を構成する。そして、車速検出手段、エンジン回転数検出手段、スロットル操作検出手段及びマイコン53が走行状態判断手段を構成する。又、マイコン53及び駆動回路54がクラッチ制御手段を構成する。 【0041】マイコン53は、中央処理装置(以下、CPU)55、読み出し専用メモリ(ROM)56、読み出し及び書き換え可能なメモリ(RAM)57、入力インターフェース58及び出力インターフェース59等を備える。 【0042】CPU55は、磁気センサ26が出力するエンジンパルス信号Peを、エンジン回転数Neを検出するための信号として入力インターフェース58を介して読み込む。CPU55は、磁気センサ28,30が出力するパルス信号Pt,Pdを、トルクコンバータ11の出力軸17のトルコン出力軸回転速度Nt、変速機出力軸回転速度Ndを検出するための信号としてそれぞれ入力インターフェース58を介して読み込む。CPU55は、シフト位置スイッチ37が出力するシフト位置信号Spを、シフトレバー36が切換操作されているシフト位置Psの検出信号としてそれぞれ入力インターフェース58を介して読み込む。又、CPU55は、ポテンショメータ33が直接出力するアクセルアイドル信号Sacc をアクセルアイドル状態Acc-idle の検出信号として、又、A/D変換器51を介して出力するアクセル信号Dacをアクセル操作量Accの検出信号としてそれぞれ入力インターフェース58を介して読み込む。又、CPU55は、インチング検出スイッチ35が出力するインチングアイドル信号Sinchをインチングアイドル状態Inch-idleの検出信号として入力インターフェース58を介して読み込む。又、CPU55は、圧力センサ42がA/D変換器52を介して出力する圧力信号Dwを、積み荷の荷重Wの検出信号として入力インターフェース58を介して読み込む。さらに、CPU55は、ポテンショメータ45がA/D変換器60を介して出力する荷役操作信号DLfを、リフトレバー44の上昇側操作量θLuの検出値として入力インターフェース58を介して読み込む。 【0043】又、CPU55は、出力インターフェース59を介して、スロットルアクチュエータ15を所定のスロットル開度THとするための制御信号を駆動回路54に出力し、この制御信号に基づいて駆動回路54が所定範囲内のスロットル駆動電流Iegをスロットルアクチュエータ15に出力する。CPU55は、電磁弁21に供給するクラッチ圧Ptcを指令するための制御信号を駆動回路54に出力し、この制御信号に基づき駆動回路54はクラッチ駆動電流Itcを「0」又は最大駆動電流Itc100 で電磁弁21に出力する。又、CPU55は、電磁弁24に供給するクラッチ圧Pfcl を指令するための制御信号を駆動回路54に出力し、この制御信号に基づき駆動回路54はクラッチ駆動電流Ifcl を「0」から最大駆動電流Ifcl100の範囲で電磁弁24に出力する。CPU55は、電磁弁25に制御するクラッチ圧Prcl を指令するための制御信号を駆動回路54に出力し、この制御信号に基づき駆動回路54はクラッチ駆動電流Ircl を「0」から最大駆動電流Ircl100の範囲で電磁弁25に出力する。 【0044】スロットルアクチュエータ15は、所定範囲のスロットル駆動電流Iegに応じて、スロットル開度THを「0」から最大開度TH100 の範囲で制御する。電磁弁21は、「0」又は最大駆動電流Itc100 までのクラッチ駆動電流Itcに対して、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを「0」又は最大クラッチ圧Ptc100に調整する。電磁弁24は、「0」から最大駆動電流Ifcl100までのクラッチ駆動電流Ifcl に対して、前進用クラッチ22のクラッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfcl100から「0」まで調整する。電磁弁25は、「0」から最大駆動電流Ircl100までのクラッチ駆動電流Ircl に対して、後進用クラッチ23のクラッチ圧Prcl を最大クラッチ圧Prcl100から「0」まで調整する。 【0045】ROM56には、CPU55が実行するスロットル制御処理、発進クラッチ制御処理及びトルコン直結制御の各制御プログラムが記憶されている。又、ROM56には、スロットル制御処理で使用する演算式Ieg=k1・Dac(k1は定数)と、発進クラッチ制御処理で使用する初期クラッチ圧Pfcl 0,Prcl 0を得るための初期駆動電流Ifcl 0,Ircl 0、及び、トルコン入力軸回転速度Npとトルコン出力軸回転速度Ntとの許容判定値ΔN0がそれぞれ記憶されている。又、ROM56には、トルコン直結制御処理で使用する第1車速判定値V1 0(W)を演算するための演算式V1 0(W)=k2・W(k2は定数)、第2車速判定値V2 0(W)を演算するための演算式V2 0(W)=k3・W(k3は定数)、エンジン回転数判定値Ne0(W)を演算するための演算式Ne0(W)=k4・W(k4は定数)がそれぞれ記憶されている。 【0046】(1) スロットル制御処理CPU55は、スロットル制御処理として、ROM56に記憶されている演算式Ieg=k1・Dacを使用してアクセル信号Dacに対応するスロットル駆動電流Iegを求め、そのスロットル駆動電流Iegをスロットルアクチュエータ15に出力して、そのスロットル開度THをアクセル操作量Accに対応するアクセル目標スロットル開度THAcc に制御する。 【0047】又、CPU55は、スロットル制御処理として、ROM56に記憶されている演算式を使用して、リフトレバー44の上昇側操作量θLuに対応するエンジン10の荷役目標スロットル開度THLiftを設定する。そして、CPU55は、アクセル目標スロットル開度THAcc 及び荷役目標スロットル開度THLiftの内、いずれか大きい方のスロットル開度THでエンジン10を運転制御する。 【0048】(2) 発進クラッチ制御処理CPU55は、発進クラッチ制御処理として、シフト位置信号Spからそのときのシフト位置Psを判断し、シフト位置Psが中立位置のときには、各電磁弁24,25に供給するクラッチ駆動電流Ifcl ,Ircl を最大駆動電流Ifcl100,Ircl100として、前進用及び後進用クラッチ22,23の各クラッチ圧Pfcl,Prcl を「0」とする。 【0049】CPU55は、発進クラッチ制御処理として、シフト位置Psが中立位置から前進位置に切り換わると、電磁弁24に供給するクラッチ駆動電流Ifcl を最大駆動電流Ifcl100から所定の初期駆動電流Ifcl 0として、前進用クラッチ22のクラッチ圧Pfcl を「0」から所定の初期クラッチ圧Pfcl 0とする。 【0050】初期クラッチ圧Pfcl 0は、車両が停止状態において、前進用クラッチ22のクラッチ圧Pfcl を「0」から急激に初期クラッチ圧Pfcl 0まで上げたときに、前進用クラッチ22を介して左右前輪14に伝達される駆動力によって車両が少し動き出すクラッチ圧Pfcl であって、かつ、車体に加わる加速度が急激に変化することがないクラッチ圧Pfcl である。 【0051】CPU55は、発進クラッチ制御処理として、クラッチ駆動電流Ifcl を最大駆動電流Ifcl100から初期駆動電流Ifcl 0とした後、クラッチ駆動電流Ifclを初期駆動電流Ifcl 0のままで維持し、クラッチ圧Pfcl を「0」から初期クラッチ圧Pfcl 0としたままで維持する。 【0052】次に、CPU55は、発進クラッチ制御処理として、入力軸回転速度Npとトルコン出力軸回転速度Ntとから、その回転速度差ΔNが予め設定されている許容判定値ΔN0未満となったことを検出する。そして、CPU55は、回転速度差ΔNが許容判定値ΔN0未満となった時点から、それまで初期駆動電流Ifcl0に維持していたクラッチ駆動電流Ifcl を「0」として、初期クラッチ圧Pfcl 0に維持していたクラッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfcl100とする。 【0053】同様に、CPU55は、発進クラッチ制御処理として、シフト位置Psが中立位置から後進位置に切り換わると、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Ircl を、最大駆動電流Ircl100から初期駆動電流Ircl 0とした後、その初期駆動電流Ircl 0を維持する。このことにより、CPU55は、クラッチ圧Prcl 0を「0」から初期クラッチ圧Prcl 0とした後、その初期クラッチ圧Prcl 0に維持する。そして、CPU55は、トルコン入力軸回転速度Npとトルコン出力軸回転速度Ntの回転速度差ΔNが許容判定値ΔN0未満となったときに、クラッチ駆動電流Ircl を初期駆動電流Ircl 0から「0」とし、クラッチ圧Prclを初期クラッチ圧Prcl 0から最大クラッチ圧Prcl100とする。 【0054】(3) トルコン直結制御処理CPU55は、トルコン直結制御処理として、変速機出力軸パルス信号Pdから変速機出力軸回転速度Ndさらに車速Vを演算する。又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、圧力信号Dwから積み荷の荷重Wを演算する。そして、演算式V1(W)=k2・Wから第1車速判定値V1(0)、演算式V2(W)=k3・Wから第2車速判定値V2 0(W)、演算式Ne0(W)=k4・Wからエンジン回転数判定値Ne0(W)をそれぞれ演算する。 【0055】CPU55は、トルコン直結制御処理として、車速Vが第1車速判定値V1 0(W)(例えば、15km/h)を超えたときに、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを「0」から最大駆動電流Itc100 として、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを「0」から最大クラッチ圧Ptc100 とする。 【0056】車速Vが相対的に高い所定の車速Vを越える走行状態では、トルクコンバータ11のトルク比及び回転速度比が1に近い状態であり、又、トルクコンバータ11の出力軸17に加わる負荷が急激に増大する可能性が低い。 【0057】そして、第1車速判定値V1 0(W)は、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態となったことを判断できる値に設定されている。エンジン10が円滑に運転される走行状態とは、エンジン10がストールしないのは勿論、アクセルペダル32のアクセル操作量Accの増大率に対するエンジン回転数Neの増大率が、シフト位置Psが中立位置のときのエンジン回転数Neの増大率に比較して極度に低下しない状態である。CPU55は、車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を越えたときに、車両の走行状態が、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態であると判断する。 【0058】又、積み荷の荷重Wの増大に伴い車両の重量が相対的に大きくなった状態では、トルクコンバータ11のトルク比及び回転速度比が1に近い状態となるときの車速Vが相対的に高くなる。又、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態でトルク比が1から増大しようとし回転速度比が1から小さくなろうとするときの車速Vが相対的に高くなる。又、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でエンジン10の駆動力が減少してトルクコンバータ11の入力軸16に加わる駆動力が減少し、トルク比が増大しようとし回転速度比が減少しようとするときのエンジン回転数Neが相対的に高くなる。 【0059】そして、第1車速判定値V1 0(W)は、そのときの積み荷の荷重Wにおいて、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態となったことを判断することができる値に設定されている。CPU55は、車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を越えたときに、車両の走行状態が、そのときの積み荷の荷重Wにおいて直結用クラッチ18を接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態であると判断する。 【0060】又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、アクセルアイドル信号Sacc が入力されていない状態で、車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満となったとき、あるいは、アクセルアイドル信号Sacc が入力されている状態で、エンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満となったときには、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 から「0」として、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを最大クラッチ圧Ptc100 から「0」とする。 【0061】アクセルペダル32がアクセル操作されスロットル開度THが「0」でないときに車速Vが相対的に低い所定の車速V未満となる走行状態では、トルクコンバータ11の出力軸17に加わる負荷が増大し、トルク比が1から増大しようとし回転速度比が1から小さくなろうとする。又、アクセルペダル32がアクセル操作されておらずスロットル開度THが「0」のときにエンジン回転数Neが所定のエンジン回転数Ne未満となる走行状態では、エンジン10の駆動力が減少してトルクコンバータ11の入力軸16に加わる駆動力が減少し、トルク比が増大しようとし回転速度比が減少しようとする。 【0062】そして、第2車速判定値V2 0(W)は、アクセルペダル32がアクセル操作された状態でトルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続されているときに、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であることを判断できる値に設定されている。CPU55は、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満となったときに、車両の走行状態が、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続した状態では、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であると判断する。 【0063】又、エンジン回転数判定値Ne0は、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でトルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続されているときに、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であることが判断できる値に設定されている。CPU55は、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満となったとき、車両の走行状態が、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続した状態では、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であると判断する。 【0064】又、積み荷の荷重Wの増大に伴い車両の重量が相対的に大きくなった状態では、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態でトルク比が1から増大しようとし回転速度比が1から小さくなろうとするときの車速Vが相対的に高くなる。又、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でエンジン10の駆動力が減少してトルクコンバータ11の入力軸16に加わる駆動力が減少し、トルク比が増大しようとし回転速度比が減少しようとするときのエンジン回転数Neが相対的に高くなる。 【0065】そして、第2車速判定値V2 0(W)は、そのときの積み荷の荷重Wにおいて、アクセルペダル32がアクセル操作された状態でトルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続されているときに、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であることを判断できる値に設定されている。 【0066】又、エンジン回転数判定値Ne0は、そのときの積み荷の荷重Wにおいて、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でトルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続されているときに、エンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であることを判断できる値に設定されている。 【0067】又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を越えた場合であっても、インチングアイドル信号Sinchが入力されなくなったときには、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 から「0」とし、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを最大クラッチ圧Ptc100 から「0」とする。 【0068】車速Vが一旦第1車速判定値V1 0(W)を越えたことで直結用クラッチ18が完全接続状態となった後、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満とならず、又、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満とならない状態では、直結用クラッチ18が完全接続状態のままとなる。このとき、作業者がアクセルペダル32がアクセル操作したままの状態でインチングペダル34をアクセル操作してインチング作業を行おうとすると、エンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満とならないことから、直結用クラッチ18が完全接続状態のままとなる。その結果、インチングペダル34のアクセル操作に連動してブレーキペダルがアクセル操作され、油圧ブレーキ31が作動して車両に制動がかかっているにも拘らず、直結用クラッチ18が完全接続状態であることからエンジン10がストールする。CPU55は、一旦車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を越えた後、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満とならず、又、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満とならない状態であっても、インチングアイドル信号Sinchが入力されなくなったときには、インチング作業を行う状態であるとして直結用クラッチ18を完全接続状態から切断状態とする。 【0069】又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、直結用クラッチ18を完全接続状態としているときに、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えたときには、走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、電磁弁21を制御して直結用クラッチ18を完全接続状態から切断状態に切り換える。 【0070】直結用クラッチ18が完全接続された状態で、オペレータが走行中にフォーク41を上昇操作させるためにリフトレバー44を上昇操作すると、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越える。そして、エンジン10のスロットル開度THが荷役目標スロットル開度THLiftに制御され、エンジン回転数Neが上昇する。このとき、直結用クラッチ18が完全接続状態であると、エンジン10の駆動力が直接変速機12さらに左右前輪14に伝達される。その結果、リフトレバー44が急激に上昇操作されると、左右前輪14に伝達される駆動力が急激に上昇して車両に衝撃が発生したり、あるいは、エンジン10に加わる負荷が急激に増大してエンジンストールが発生する場合がある。CPU55は、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えたときに、走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、電磁弁21を制御して直結用クラッチ18を完全接続状態から切断状態に切り換えることで、走行中にリフトレバー44が上昇操作されても車両に衝撃が発生したり、エンジンストールが発生しないようにする。 【0071】(4) 走行中荷役制御処理又、CPU55は、走行中荷役制御処理として、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えるときには、車速Vがエンジン回転数Neに拘らずアクセル操作量Accに対応する車速Vとなるように、シフト位置Psに基づいて接続されていない方のクラッチ22又は23を、切断状態から半接続状態にしてその接続状態を制御する。 【0072】荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えるときには、エンジン10のスロットル開度THが荷役目標スロットル開度THLiftに制御されるので、アクセルペダル32のアクセル操作量Accに関係なくエンジン回転数Neが上昇する。CPU55は、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えるときに、車速Vがエンジン回転数Neに拘らずアクセル操作量Accに対応する車速Vとなるように、シフト位置Psに基づいて接続されていない方のクラッチ22又は23を、切断状態から半接続状態にしてその接続状態を制御することで、走行中にリフトレバー44を上昇操作したときにも車速Vがアクセルペダル32のアクセル操作量Accに対応する大きさとなるようにする。 【0073】次に、以上のように構成されたフォークリフトの駆動力制御装置の作用について説明する。エンジン10を始動した後、シフトレバー36を中立位置から前進位置に切換操作すると、CPU55は発進クラッチ制御処理を実行することで前進用クラッチ22を切断状態から完全接続状態とする。又、CPU55は、スロットル制御処理を実行することで、アクセル操作量Accに対応する目標スロットル開度TH(Acc)にスロットルアクチュエータ15のスロットル開度THを制御する。 【0074】CPU55は、所定時間(例えば10mmsec)経過毎に実行するトルコン直結制御処理において、トルクコンバータ11の直結用クラッチ18の接続状態を制御する。以下、CPU55が実行するトルコン直結制御処理につき、図3,4に示すフローチャートに従って詳述する。 【0075】トルコン直結制御処理において、CPU55は、先ずステップ(以下、単にSと表記する)10で、変速機出力軸パルス信号Pdから変速機出力軸回転速度Ndさら車速Vを演算し、又、圧力信号Dwから積み荷の荷重Wを演算する。 【0076】次に、CPU55は、S11で、各演算式を使用して荷重Wから第1車速判定値V1 0(W)、第2車速判定値V2 0(W)及びエンジン回転数判定値Ne0を演算する。 【0077】次に、CPU55は、S12で、車速Vが第1車速判定値V1 0(W)を超えているか否かを判断する。CPU55は、S12で車速Vが第1車速判定値V10(W)を越えているときには、S13でロックフラグf−lockを「1」とした後にS14を実行する。 【0078】又、CPU55は、S12で車速Vが第1車速判定値V1 0(W)以下であったときには、次にS14でロックフラグf−lockが「1」であるか否かを判断する。 【0079】CPU55は、S14でロックフラグf−lockが「1」であったときには、S15で、アクセルアイドル信号Sacc-idleからアクセルペダル32がアクセルアイドル状態Acc-idle であるか否かを判断する。 【0080】CPU55は、S15でアクセルペダル32がアクセルアイドル状態Acc-idle であったときには、S16で、エンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満であるか否かを判断する。CPU55は、S16でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満であったときには、S17で、ロックフラグf−lockを「0」とした後、S20を実行する。又、CPU55は、S16でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0以上であったときにはS20を実行する。 【0081】CPU55は、S15でアクセルペダル32がアクセルアイドル状態Acc-idle でなかったときには、S18で、車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満であるか否かを判断する。CPU55は、S18で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満であったときには、S19で、ロックフラグf−lockを「0」とした後にS20を実行する。又、CPU55は、S18で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)以上であったときには、そのままS20を実行する。 【0082】又、CPU55は、S14でロックフラグf−lockが「0」であったときには、次にS20を実行する。CPU55は、S20において、後述する走行荷役制御処理で設定した走行中リフトフラグf−Liftが「1」であるか否かを判断する。CPU55は、S20で走行中リフトフラグf−Liftが「1」であったときには、S21で、ロックフラグf−lockを「0」とする。 【0083】CPU55は、S21の次に実行するS22において、インチングアイドル信号Sinchからインチングペダル34がインチングアイドル状態Iinch-idle でないか否かを判断する。CPU55は、S22でインチングペダル34がインチングアイドル状態Iinch-idle でなかったときには、S23で、ロックフラグf−lockを「0」とした後にS24を実行する。又、CPU55は、S22でインチングペダル34がインチングアイドル状態Iinch-idle であったときには、そのままS24を実行する。 【0084】又、CPU55は、S20で走行中リフトフラグf−Liftが「0」であったときにも、そのままS24を実行する。次に、CPU55は、S24で、ロックフラグf−lockが「1」であるか否かを判断する。CPU55は、S24でロックフラグf−lockが「1」であったときには、S25でクラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 として処理を終了する。一方、CPU55は、S24でロックフラグf−lockが「1」でなかったときには、S26でクラッチ駆動電流Itcを「0」として処理を終了する。 【0085】尚、CPU55は、シフト位置Psが後進位置に切換操作されたことに基づいて車両が後進している場合にも、同様のトルコン直結制御処理を実行する。又、CPU55は、トルコン直結制御処理と共に所定時間経過毎に実行する走行中荷役制御処理において、走行中の荷役作業時におけるエンジン回転数Neと、両クラッチ22,23の接続状態と、直結用クラッチ18の接続状態とを制御する。以下、CPU55が実行する走行中荷役制御処理を、図5,6に示すフローチャートに従って詳述する。 【0086】CPU55は、走行中荷役制御処理において、先ずS60で、アクセル操作量Accからアクセル目標スロットル開度THAcc を演算し、又、上昇側操作量θLuから荷役目標スロットル開度THLiftを演算する。 【0087】次に、CPU55は、S61で、シフト位置Psが中立位置であるか否かを判断する。CPU55は、S61でシフト位置Psが中立位置でなかったときには、S62で、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えているか否かを判断する。 【0088】CPU55は、S62で荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えていたときには、S63で、リフトフラグf−Liftを「1」とするとともに、S64で、スロットル開度THを荷役目標スロットル開度THLiftとする。 【0089】一方、CPU55は、S62で荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc 以下であったときには、S65で、リフトフラグf−Liftを「0」とするとともに、S66で、スロットル開度THをアクセル目標スロットル開度THAcc とする。 【0090】CPU55は、次に実行するS67においてシフト位置Psが前進位置であるか否かを判断し、前進位置であったときには、S68で、アクセル操作量Accに対応する車速Vとなるように、後進用クラッチ23を切断状態から半接続状態としてその接続状態を制御する。 【0091】又、CPU55は、S67でシフト位置Psが前進位置でなかったときには、S70で、アクセル操作量Accに対応する車速Vとなるように、前進用クラッチ22を切断状態から半接続状態としてその接続状態を制御する。 【0092】尚、CPU55は、S61でシフト位置Psが中立位置でなかったときには、S70で、荷役目標スロットル開度THLiftとアクセル目標スロットル開度THAcc の内、いずれか大きい方をスロットル開度THとする。 【0093】従って、以上詳述した本実施の形態のフォークリフトの駆動力制御装置によれば、以下に記載の各作用及び効果がある。 (1) フォークリフトのトルクコンバータ11の内部に直結用クラッチ18を設け、車速Vが予め設定した第1車速判定値V1 0(W)を越えたときに直結用クラッチ18を完全接続する。そして、アクセルペダル32がアクセル操作されている状態で車速Vが第2車速判定値V2 0(W)未満となったとき、あるいは、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満となったときに、直結用クラッチ18を切断する。 【0094】従って、直結用クラッチ18を接続してもエンジン10の円滑な運転が損なわれない走行状態では、エンジン10の駆動力がトルクコンバータ11での損失なく変速機12から出力される。その結果、トルクコンバータ11を使用してクラッチペダルの操作を不要としシフトレバー36の切換操作によってクラッチ22,23の接続動作を自動で行うようにしながら燃費を向上することができる。 【0095】(2) トルクコンバータ11の直結用クラッチ18を完全接続状態とすることにより、エンジン10が円滑に運転される範囲で燃費を向上することができる走行状態になったことが、車速Vが所定の第1車速判定値V1 0(W)を越えたことで判断される。又、エンジン10が円滑に運転される範囲で燃費を向上することができる走行状態でなくなったことが、アクセルペダル32がアクセル操作された状態で車速Vが所定の第2車速判定値V2 0(W)未満となったことか、あるいは、アクセルペダル32がアクセル操作されない状態でエンジン回転数Neがエンジン回転数判定値Ne0未満となったことによって判断される。 【0096】従って、検出値である車速V及びエンジン回転数Neに基づいて直接に直結用クラッチ18を制御でき、検出値から制御に使用する新たな値を演算する演算処理が不要なのて、制御内容が複雑化しない。 【0097】(3) エンジン10が円滑に運転される範囲で燃費を向上することができる走行状態となったことを、車速Vが、積み荷の荷重Wが大きくなるほど大きな値に設定する第1車速判定値V1 0(W)を越えたことで判断する。又、エンジン10が円滑に運転される範囲で燃費を向上することができる走行状態でなくなったことを、アクセルペダル32がアクセル操作された状態で、車速Vが、積み荷の荷重Wが大きくなるほど大きな値に設定する第2車速判定値V2 0(W)未満となったことか、あるいは、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態で、エンジン回転数Neが、積み荷の荷重Wが大きくなるほど大きな値に設定するエンジン回転数判定値Ne0(W)未満となったことで判断する。 【0098】従って、エンジン10が円滑に運転される走行状態が積み荷の荷重Wに基づいて判断されるので、直結用クラッチ18が接続される走行状態が荷重Wに応じてより広い範囲に拡大する。その結果、車両の自重に対する積み荷の荷重Wの最大値の比が乗用車に比較して大きく、エンジン10に加わる負荷の変動が大きなフォークリフトにおいて、積み荷の荷重Wに応じて燃費をより一層向上することができる。 【0099】(4) 直結用クラッチ18が接続される走行状態であっても、インチングペダル34がアクセル操作されてインチング操作が行なわれたときは、直結用クラッチ18が切断され、駆動力がトルクコンバータ11を介して変速機12に入力される。 【0100】従って、直結用クラッチ18を接続する走行状態であっても、インチング時には直結用クラッチ18が切断されエンジン10の駆動力がトルクコンバータ11を介して出力される。その結果、トルクコンバータ11の直結によって燃費を向上することができる上に、インチング操作時にはトルクコンバータ11が直結されないようにして低い回転速度比で大きな駆動力を出力することができる。 【0101】(5) リフトレバー44の上昇側操作量θLuに対応する荷役目標スロットル開度THLiftがアクセルペダル32のアクセル操作量Accに対応するアクセル目標スロットル開度THAcc を超える状態では、エンジン10が上昇側操作量θLuに対応するスロットル開度THで運転され、リフトシリンダ39に対しリフトレバー44の上昇側操作量θLuに応じた流量で作動油が供給されるとともに、エンジン回転数Neに関係なく車速Vがアクセル操作量Accに対応した車速Vに制御される。そして、直結用クラッチ18が完全接続状態となっているときに、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を超えたときには、走行状態が直結可能状態であっても、直結用クラッチ18が切断状態とされる。その結果、車速Vに関係なくリフトレバー44の上昇側操作量θLuに応じてエンジン回転数Neが制御される走行中の荷役作業時には、直結されていないトルクコンバータ11を介してエンジン10の駆動力が変速機12に入力される。 【0102】従って、走行中の荷役作業時には、リフトレバー44の上昇側操作量θLuに応じたエンジン回転数Neでエンジン10を運転でき、又、アクセルペダル32だけで車速Vを調整することができるとともに、エンジン回転数Neの上昇時に車体に衝撃が発生したり、エンジンストールが発生しないようにすることができる。 【0103】(第2の実施の形態)次に、本発明をフォークリフトの駆動力制御装置に具体化した第2の実施の形態を図7〜図12に従って説明する。尚、本実施の形態は、前記第1の実施の形態における圧力センサ42を廃止したこと、コントローラ50のマイクロコンピュータ53が実行するトルコン直結制御処理の内容のみが第1の実施の形態と異なる。従って、第1の実施の形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、トルコン直結制御処理のみについて詳述する。 【0104】図7は、駆動力制御装置の模式構成図である。本実施の形態の駆動力制御装置は、積み荷の荷重Wを検出するための圧力センサ42を備えていない。 【0105】図8は、駆動力制御装置の電気的構成を示すブロック図である。本実施の形態では、ギヤ27、磁気センサ28及びマイコン53が出力軸回転速度検出手段を構成する。そして、出力軸回転速度検出手段と、前記第1の実施の形態と同じ車速検出手段、エンジン回転数検出手段及び走行状態判定手段とが走行状態判断手段を構成する。又、スロットル操作量検出手段としてのポテンショメータ33、第1の実施の形態と同じエンジン回転数検出手段及び走行状態判定手段が走行状態判断手段を構成する。 【0106】マイクロコンピュータ53のROM56には、CPU55が実行するトルコン直結制御処理の制御プログラムが記憶されている。又、ROM56には、トルコン直結制御処理で使用する車速判定値V0、回転速度比eを演算するための演算式e=Nt/Ne、トルコン入力軸トルクTpを演算するための演算式Tp=C(e)・Np・Np、トルコン伝達トルクTtを演算するための演算式Tt=τ(e)・Tp、マップM、トルコン伝達トルク判定値Tt0、エンジン出力軸トルク判定値Te0がそれぞれ記憶されている。 【0107】CPU55は、第1の実施の形態におけるトルコン直結制御処理の代りに、以下に詳述するトルコン直結制御処理を実行する。 (3) トルコン直結制御処理CPU55は、トルコン直結制御処理として、エンジンパルス信号Peからエンジン回転数Neを求め、又、トルコン出力軸パルス信号Ptからトルコン出力軸回転速度Ntを求める。そして、CPU55は、エンジン回転数Neとトルコン出力軸回転速度Ntとから演算式e=Nt/Neを使用してトルクコンバータ11の回転速度比eを演算する。 【0108】次に、CPU55は、トルコン直結制御処理として、マップを使用して回転速度比eに対応するトルクコンバータ11の容量係数C(e)及びトルク比τ(e)を求める。このマップは、トルクコンバータ11のトルク伝達特性のマップであって、入力軸16の入力軸回転速度Npに対する出力軸17のトルコン出力軸回転速度Ntの比である回転速度比eに対する、容量係数C(e)とトルク比τ(e)の変化が示されている。 【0109】CPU55は、トルコン直結制御処理として、求めた容量係数C(e)から演算式Tp=C(e)・Np・Np(但し、Np=Neである)を使用して入力軸16のトルコン入力軸トルクTpを演算する。 【0110】次に、CPU55は、トルコン直結制御処理として、トルコン入力軸トルクTpとトルク比τ(e)とから演算式Tt=τ(e)・Tpを使用して、トルクコンバータ11の出力軸17のトルコン伝達トルクTtを演算する。 【0111】CPU55は、トルコン直結制御処理として、変速機出力軸パルス信号Pdから演算した車速Vが、予め設定されている車速判定値V0を越えたか否かを逐次判断する。そして、CPU55は、車速Vが車速判定値V0を越えたときには、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを「0」から最大駆動電流Itc100として、直結用クラッチ18に供給するクラッチ圧Ptcを「0」から最大クラッチ圧Ptc100 とする。 【0112】車速判定値V0は、前記第1の実施の形態における第1車速判定値V1 0(W)の所定の積み荷の荷重Wのときの値であり、積み荷の荷重Wを考慮しない状態で直結用クラッチ18を完全接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態となったことを判断できる値に設定されている。CPU55は、車速Vが車速判定値V0を越えたときに、車両の走行状態が、直結用クラッチ18を接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態であると判断する。 【0113】又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、車速Vが車速判定値V0以下であるときに、演算したトルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満であったときにも、直結用クラッチ18に供給するクラッチ圧Ptcを「0」から最大クラッチ圧Ptc100 とする。 【0114】トルクコンバータ11のトルコン伝達トルクTtが、所定の値未満となる走行状態では、トルク比τ(e)及び回転速度比eが1に近づく。そして、トルコン伝達トルク判定値Tt0は、直結用クラッチ18を接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態となったことを判断することができる値に設定されている。 【0115】トルコン伝達トルクTtは、車速Vが同じであっても、トルクコンバータ11の出力軸17に加わる負荷の大きさに応じてエンジン10の駆動力が大きくなるほど大きくなる。そこで、直結用クラッチ18が接続した状態でエンジン10が円滑に運転される走行状態を車速Vだけに基づいて判断する場合には、その車速Vにおいて最も大きくなるときのトルコン伝達トルクTtにおいてもエンジン10が円滑に運転される車速Vとする必要がある。しかし、トルコン伝達トルクTtに基づいて走行状態が直結用クラッチ18を接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態であるか否かを判断することにより、車速Vに基づいて走行状態を判断するときよりもより低い車速においてトルク比τ(e)及び回転速度比eが1に近づいた走行状態が直結用クラッチ18を接続できる走行状態であると判断される。CPU55は、車速Vが車速判定値V0以下であっても、トルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満であるときには、直結用クラッチ18を完全接続してもエンジン10が円滑に運転される走行状態であると判断する。 【0116】又、CPU55は、トルコン直結制御処理として、アクセル操作量Accに対応するスロットル開度THとエンジン回転数NeとからマップMを使用してエンジン出力軸トルクTeを推定する。CPU55は、推定したエンジン出力軸トルクTeが予め設定したエンジン出力軸トルクTe0未満となったか否かを判断する。そして、CPU55は、エンジン出力軸トルクTeがエンジン出力軸トルクTe0未満であったときには、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 から「0」として、直結用クラッチ18に供給するクラッチ圧Ptcを最大クラッチ圧Ptc100 から「0」とする。 【0117】エンジン出力軸トルクTeが、所定の値未満となる走行状態では、トルクコンバータ11のトルク比τ(e)及び回転速度比eが1から離れようとする。そして、エンジン出力軸トルク判定値Te0は、直結用クラッチ18を接続しているとエンジン10が円滑に運転される走行状態でなくなることを判断することができる値に設定されている。 【0118】エンジン出力軸トルクTeは、車速Vが同じであっても、トルクコンバータ11の出力軸17に加わる負荷の大きさに応じてエンジン回転数Neが低いほど小さくなる。そこで、直結用クラッチ18が接続した状態でエンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態を車速Vだけに基づいて判断する場合には、その車速Vにおいて最も小さくなるときのエンジン出力軸トルクTeにおいてもエンジン10が円滑に運転される車速Vとする必要がある。しかし、エンジン出力軸トルクTeに基づいて走行状態が直結可能状態であるか否かを判断することにより、車速Vに基づいて判断するときよりもより低い車速Vにおいてトルク比τ(e)及び回転速度比eが1から離れようとする走行状態まで直結可能状態として判断される。CPU55は、推定したエンジン出力軸トルクTeがエンジン出力軸トルク判定値Te0未満となったときに、直結用クラッチ18を完全接続した状態でfエンジン10が円滑に運転されなくなる走行状態であると判断する。 【0119】又、CPU55は、車速Vが車速判定値V0を越えた場合か、あるいは、トルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満となった場合であっても、第1の実施の形態のトルコン直結制御処理と同様に、インチングアイドル状態Inch-idleでなくなったときには、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 から「0」とし、直結用クラッチ18のクラッチ圧Ptcを最大クラッチ圧Ptc100 から「0」とする。 【0120】次に、以上のように構成されたフォークリフトの駆動力制御装置の作用について説明する。CPU55が実行するトルコン直結制御処理を図11,12に示すフローチャートに従って説明する。 【0121】トルコン直結制御処理において、CPU55は、S40で、エンジンパルス信号Peからエンジン回転数Neを求め、又、トルコン出力軸パルス信号Ptからトルコン出力軸回転速度Ntを求める。 【0122】次に、CPU55は、S41で、エンジン回転数Ne及びトルコン出力軸回転速度Ntから演算式e=Nt/Neを使用して回転速度比eを演算する。次に、CPU55は、S42で、トルクコンバータ11の伝達特性のマップを使用して回転速度比eから容量係数C(e)及びトルク比τ(e)を求める。次に、CPUは、S43で、エンジン回転数Ne=トルコン入力軸回転速度Npと、容量係数C(e)とから演算式Tp=C(e)・Np・Npを使用してトルコン入力軸トルクTpを演算する。次に、CPUは、S44で、トルコン入力軸トルクTpとトルク比τ(e)とから演算式Tt=τ(e)・Tpを使用してトルコン伝達トルクTtを演算する。 【0123】CPUは、S45で、車速Vが車速判定値V0を越えているか否かを判断する。CPUは、S45で車速Vが車速判定値V0を越えているときには、S46で、ロックフラグf−lockを「1」とした後、S49を実行する。 【0124】一方、CPUは、S45で車速Vが車速判定値V0以下であったときには、S47で、トルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満であるか否かを判断する。CPUは、S47でトルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満であったときには、S48で、ロックフラグf−lockを「1」とした後、S49を実行する。又、CPUは、S47でトルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0以上であったときには、S49を実行する。 【0125】CPUは、S49で、アクセル操作量Accに対応するスロットル開度THと、エンジン回転数Neとから、マップMを使用して、エンジン出力軸トルクTeを推定する。そして、CPUは、S50で、推定したエンジン出力軸トルクTeが、エンジン出力軸トルク判定値Te0未満であるか否かを判断する。CPUは、S50でエンジン出力軸トルクTeがエンジン出力軸トルク判定値Te0未満であったときには、S51でロックフラグf−lockを「0」とした後、S52を実行する。又、CPUは、S50でエンジン出力軸トルクTeがエンジン出力軸トルク判定値Te0以上であったときには、そのままS52を実行する。 【0126】CPUは、S52で、インチングアイドル信号Sinchからインチングアイドル状態Inch-idleでないか否かを判断する。CPU55は、S52でインチングペダル34がインチングアイドル状態Iinch-idle でなかったときには、S53で、ロックフラグf−lockを「0」とした後S54を実行する。又、CPU55は、S52でインチングペダル34がインチングアイドル状態Iinch-idle であったときには、そのままS54を実行する。 【0127】CPUは、S54で、ロックフラグf−lockが「1」であるか否かを判断する。CPUは、S54でロックフラグf−lockが「1」であったときには、S55で、クラッチ駆動電流Itcを最大駆動電流Itc100 とした後、処理を終了する。又、CPUは、S54でロックフラグf−lockが「0」であったときには、S56で、クラッチ駆動電流Itcを「0」とした後、処理を終了する。 【0128】従って、以上詳述した本実施の形態の駆動力制御装置によれば、以下に記載の作用及び効果がある。 (6) エンジン回転数Ne及びトルコン出力軸回転速度Ntからトルクコンバータ11の伝達特性のマップを使用してトルコン伝達トルクTtを推定する。そして、車速Vが車速判定値V0を超えたときに加えて、車速Vが車速判定値V0以下であっても、推定したトルコン伝達トルクTtがトルコン伝達トルク判定値Tt0未満であったときには直結用クラッチ18を接続するようにした。 【0129】従って、直結用クラッチ18が接続された状態でエンジン10が円滑に運転される走行状態に移行するときの走行状態が、車速Vだけで判断するときの走行状態よりもより低い車速領域に拡大する。その結果、より低い車速領域から燃費を向上する走行状態に入ることができる。 【0130】(7) 直結用クラッチ18が接続されている状態で、スロットル開度TH及びエンジン回転数Neからエンジン10の固有のマップMを使用してエンジン出力軸トルクTeを推定する。そして、推定したエンジン出力軸トルクTeがエンジン出力軸トルク判定値Te0未満であったときに直結用クラッチ18を切断するようにした。 【0131】従って、直結用クラッチ18が接続された状態でエンジン10が円滑に運転される走行状態から脱するときの走行状態が、車速Vだけで判断するときの走行状態よりも低い車速領域に拡大する。その結果、より低い車速領域まで燃費を向上する走行状態を維持することができる。 【0132】以下、本発明を具体化した上記各実施の形態以外の実施の形態を別例として列挙する。 ○ 直結用クラッチ18を接続した状態でエンジン10が円滑に運転される車両の走行状態を直結可能状態とする代りに、直結用クラッチ18を接続した状態でエンジン10がストールしない走行状態を直結可能状態としてもよい。この場合には、エンジン10をストールさせない走行状態の範囲で燃費を向上することができる。 【0133】○ 走行状態が、直結用クラッチ18を接続した状態でエンジン10がストールしない直結可能状態となったことを、検出した車速Vが予め設定した第1車速判定値V1 0(W)を越えたことか、あるいは、検出したエンジン回転数Neとトルコン出力軸回転速度Ntとから推定したトルコン伝達トルクTtが予め設定したトルコン伝達トルク判定値Tt0未満となったことで判断してもよい。この場合、両条件のいずれか一方が成立した時点で直結用クラッチ18が接続されるので、エンジン10がストールしない走行状態を車速Vに基づいて判断する場合よりもより広い車速範囲での走行状態で燃費が向上する。 【0134】○ リフトレバー44の上昇操作量θLuに基づいてエンジン10のスロットル開度THを制御する場合に限らず、ティルトレバーの操作量に基づいてスロットル開度THを制御するようにし、ティルトレバーの操作量に対応する荷役目標スロットル開度THLiftが、アクセル目標スロットル開度THAcc を越えるときに、車速Vがアクセル操作量Accに対応する車速Vとなるように、切断状態のクラッチを半接続状態としてその接続状態を制御する構成とする。そして、直結用クラッチ18を完全接続状態としているときに、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えたときには、直結用クラッチ18を切断するようにしてもよい。この場合には、走行中にマスト38を傾斜させるときに、ティルトレバーの荷役操作量に応じたエンジン回転数Neでエンジン10を運転でき、又、アクセルペダルのアクセル操作だけで車速Vを調整することができるとともに、エンジン回転数Neの上昇時に車体に衝撃が発生したり、エンジンストールが発生しないようにすることができる。 【0135】○ 直結用クラッチ18が完全接続されているときに、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えたときには、進行方向側のクラッチを完全接続状態から半接続状態としその接続状態を制御することによって、車速Vをエンジン回転数Neに関係なくアクセル操作量Accに対応した車速Vに制御する構成であってもよい。この場合にも、走行中に油圧荷役機器を制御するときに、荷役レバーの荷役操作量に応じたエンジン回転数Neでエンジン10を運転でき、又、アクセルペダルのアクセル操作だけで車速Vを調整することができるとともに、エンジン回転数Neの上昇時に車体に衝撃が発生したり、エンジンストールが発生しないようにすることができる。 【0136】○ 直結用クラッチ18が完全接続されているときに、荷役目標スロットル開度THLiftがアクセル目標スロットル開度THAcc を越えたときには、前進用及び後進用クラッチ22,23とは別に変速機12内に設けた駐車用クラッチブレーキを制御して車両を制動することによって、車速Vをエンジン回転数Neに関係なくアクセル操作量Accに対応した車速Vに制御する構成であってもよい。この場合にも、走行中に油圧荷役機器を制御するときに、荷役レバーの荷役操作量に応じたエンジン回転数Neでエンジン10を運転でき、又、アクセルペダルのアクセル操作だけで車速Vを調整することができるとともに、エンジン回転数Neの上昇時に車体に衝撃が発生したり、エンジンストールが発生しないようにすることができる。 【0137】○ 走行状態が、直結用クラッチ18を接続した状態でエンジン10がストールしない直結可能状態でなくなったことを、アクセルペダル32がアクセル操作された状態で検出した車速Vが予め設定した第2車速判定値V2 0(W)未満となったこと、あるいは、アクセルペダル32がアクセル操作されていない状態で、エンジン回転数Neがエンジン回転数Ne未満となったこと、若しくは、スロットル開度THとエンジン回転数Neとから推定したエンジン出力軸トルクTeが予め設定されたエンジン出力軸トルク判定値Te0未満となったことで判断してもよい。この場合には、各条件のいずれか一つが成立した時点で直結用クラッチ18が切断されるので、直結用クラッチ18が接続された状態でエンジン10がストールする状態が確実に回避される。 【0138】○ 駆動力制御装置を設ける産業車両は、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速機に入力し、変速機内のクラッチの接続切換によって駆動輪の回転方向を切り換える産業車両であれば、フォークリフトに限らず、その他例えば、トラクタショベル、ショベルローダ等であってもよい。 【0139】以下、特許請求の範囲に記載した各発明の外に前述した各実施の形態又は各別例から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置を備えた産業車両。このような構成によれば、クラッチ操作を不要とした上にエンジンをストールさせることなく燃費を向上することができる。 【0140】(2) 請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、車速を検出する車速検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジンのスロットル開度を調整するためのスロットル操作部材のスロットル操作の有無を検出するスロットル操作検出手段と、エンジンのスロットル開度を調整するためのスロットル操作部材のスロットル操作量を検出するためのスロットル操作量検出手段と、前記トルクコンバータのトルコン出力軸回転速度を検出する出力軸回転速度検出手段と、前記車速が予め設定された第1車速判定値を越えたとき、あるいは、前記エンジン回転数とトルコン出力軸回転速度とから推定したトルコン出力軸トルクが予め設定したトルコン伝達トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態となったと判断するとともに、前記スロットル操作がされている状態で、前記車速が予め設定された第2車速判定値未満となったとき、あるいは、前記スロットル操作がされていない状態で前記エンジン回転数が予め設定された回転数判定値未満となったとき、若しくは、前記スロットル開度と前記エンジン回転数とから推定したエンジン出力軸トルクが予め設定されたエンジン出力軸トルク判定値未満となったときに、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判定する走行状態判定手段とからなる産業車両の駆動力制御装置。 【0141】このような構成によれば、エンジンがストールしない走行状態を車速に基づいて判断する場合よりもより広い車速範囲での走行状態で燃費が向上する。又、直結用クラッチが接続された状態でエンジンがストールする状態が確実に回避される。 【0142】(3) 請求項1に記載の産業車両の駆動力制御装置において、前記走行状態判断手段は、前記直結用クラッチを完全接続した状態で前記エンジンが円滑に運転される車両の走行状態を前記直結可能状態と判断する。このような構成によれば、エンジンの円滑な運転性を損なうことなく燃費を向上することができる。 【0143】(4) 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の産業車両の駆動力制御装置において、エンジンによって駆動される油圧ポンプから供給される作動油を、油圧荷役機器に対して操作量に応じた流量で供給するために操作される荷役レバーの荷役操作量を検出する荷役操作量検出手段と、アクセルペダルのアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記アクセル操作量に対応するエンジンのアクセル目標スロットル開度を設定し、又、前記荷役操作量に対応するエンジンの荷役目標スロットル開度を設定するとともに、該アクセル目標スロットル開度及び荷役目標スロットル開度の内、いずれか大きい方のスロットル開度でエンジンを運転制御するエンジン運転制御手段とを備え、前記クラッチ制御手段は、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を越えるときには、車速がエンジン回転数に拘らずアクセル操作量に対応した車速となるように、前記変速機内に設けられた駐車用クラッチブレーキを制御し、前記トルコン直結制御手段は、前記直結用クラッチを完全接続状態としているときに、前記荷役目標スロットル開度が前記アクセル目標スロットル開度を超えたときには、前記走行状態が直結可能状態でなくなったと判断されなくても、前記第2電磁制御弁を制御して前記直結用クラッチを完全接続状態から切断状態とする。 【0144】このような構成によっても、走行中に油圧荷役機器を制御するときに、荷役レバーの荷役操作量に応じたエンジン回転数でエンジンを運転でき、又、アクセルペダルのアクセル操作だけで車速を調整することができるとともに、エンジン回転数の上昇時に車体に衝撃が発生しないようにすることができる。 【0145】 【発明の効果】請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、トルクコンバータを使用してクラッチ操作を不要とし方向切換操作部材の切換操作によってクラッチの接断動作を自動で行うようにしながら、燃費を向上することができる。 【0146】請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、検出値に基づいて直接に直結用クラッチを制御でき、検出値から制御に使用する新たな値を演算する演算処理が不要なので、制御内容が複雑化しない。 【0147】請求項3に記載の発明によれば、積載荷重に応じてより一層燃費を向上することができる。請求項4に記載の発明によれば、車速で判断する場合よりもより低い車速領域から燃費を向上することができる。 【0148】請求項5に記載の発明によれば、車速又はエンジン回転数で判断する場合よりもより低い車速領域まで燃費を向上することができる。請求項6に記載の発明によれば、トルクコンバータの直結によって燃費を向上することができる上に、インチング操作時にはトルクコンバータが直結されないようにして低い回転速度比で大きな駆動力を出力することができる。 【0149】請求項7に記載の発明によれば、走行中の荷役作業時には、荷役レバーの操作量に応じた回転数でエンジンを運転でき、又、アクセルペダルだけで車速を調整することができるとともに、エンジン回転数の上昇時に車体に衝撃が発生したり、エンジストールが発生しないようにすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003218 【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116136(P2001−116136A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−294793 |
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