| 【発明の名称】 |
産業車両のインチング制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷口 浩之
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| 【要約】 |
【課題】インチング操作手段の操作量とクラッチの係合圧との対応関係の設定を簡単に変更できる産業車両のインチング制御装置を提供する。
【解決手段】インチングペダル24にポテンショメータよりなるインチングペダルセンサ26を設け、インチングペダルセンサ26はインチングペダル24の踏込み量に応じた検出信号を出力する。制御手段31は、CPU32、マップMを記憶したROM33などを備え、CPU32はインチングペダルセンサ26からの検出値からマップMを参照してインチングペダル24の踏込み量に対するクラッチ圧を求める。CPU32は前進クラッチ8又は後進クラッチ9が読み出されたクラッチ圧となるように前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力をトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御弁と、インチング操作手段の操作量を検出するインチング操作量検出手段と、前記インチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧を求めるために使用されるデータを記憶する記憶手段と、前記インチング操作量検出手段の検出信号に基づいて、前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記インチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧となるように前記制御弁を制御する制御手段とを備えた産業車両のインチング制御装置。 【請求項2】 車体の状態を検出する検出手段を備え、前記制御手段は前記インチング操作手段が操作された際に、前記検出手段の検出信号により車体の状態に応じたクラッチ係合圧とするように前記制御弁を制御する請求項1に記載の産業車両のインチング制御装置。 【請求項3】 前記検出手段は車両に設けられた荷役器具に積載した荷の重量を検出する荷重検出手段である請求項2に記載の産業車両のインチング制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータを備えた変速機を装備したフォークリフト等の産業車両のインチング制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、フォークリフトはインチング走行を行うためのインチング装置を装備している。インチング装置は荷役作業を行いながらフォークリフトの微速走行を行う際に、クラッチを半接続状態(半クラッチ状態)にするために使用される。 【0003】運転室の床に配設されたインチングペダルはワイヤを介してインチングバルブに接続されている。インチングバルブの開度はワイヤによってインチングペダルの踏込み量と機械的に連動している。インチングペダルはその踏込み量が所定値以降となるとブレーキペダルと連動する。インチングペダルを踏込み始めてから所定位置までのストロークではクラッチの係合圧が下がって半クラッチ状態になり、それ以上の踏込みストロークではクラッチが切れてブレーキ装置が作動する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のインチング装置では、インチングペダルとインチングバルブは機械的に接続されているので、インチングペダルの踏込み量に対するインチングバルブの開度を変更しようとすると部品交換が必要となり手間がかかる。 【0005】また、インチングバルブの開度とインチングペダルの踏込み量との関係はどのような外的負荷がフォークリフトに加わっても一定である。従って、例えばフォークリフトが荷を積載している場合とそうでない場合では、インチングペダルの踏込み量が同じであっても、インチングフィーリングが積荷の有無や荷重によって異なるという問題があった。 【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、インチング操作手段の操作量とクラッチの係合圧との対応関係の設定を簡単に変更できる産業車両のインチング制御装置を提供することにある。第2の目的は、第1の目的を達成するとともに積荷の有無などの車両の状態に拘わらずいつも同じインチングフィーリングを得ることができることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、エンジンの出力をトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御弁と、インチング操作手段の操作量を検出するインチング操作量検出手段と、前記インチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧を求めるために使用されるデータを記憶する記憶手段と、前記インチング操作量検出手段の検出信号に基づいて、前記記憶手段に記憶されたデータを用いて前記インチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧となるように前記制御弁を制御する制御手段とを備えた。 【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、車体の状態を検出する検出手段を備え、前記制御手段は前記インチング操作手段が操作された際に、前記検出手段の検出信号により車体の状態に応じたクラッチ係合圧とするように前記制御弁を制御する。 【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記検出手段は車両に設けられた荷役器具に積載した荷の重量を検出する荷重検出手段である。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、変速機に備えられた油圧式の各クラッチの一方が係合することによってエンジンの出力が駆動輪に伝達され、車両は前進又は後進する。制御手段は記憶手段に記憶されたデータによりインチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧を読み出し、そのクラッチ係合圧となるように制御弁を制御する。 【0010】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、検出手段は車両の状態、例えばインチングフィーリングを変える原因となる外的負荷などを検出する。そして、制御手段は検出手段の検出信号に基いて、車両の状態に応じたクラッチ係合圧になるように制御弁を制御するので、車両の状態がどのようであってもインチングフィーリングはほぼ一定になる。 【0011】請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、制御手段は荷重検出手段の検出信号から決まる荷重を考慮してインチング操作手段の操作量に応じたクラッチ係合圧の値を割出す。よって、荷役器具上の荷の有無或いは荷重によらずインチングフィーリングはほぼ一定になる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明をトルクコンバータ車としてのフォークリフトに具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明する。 【0013】図1に示すように、エンジン1の出力軸1aはトルクコンバータ2を備えた変速機3に連結され、変速機3は差動装置4を介して駆動輪5を有する車軸6に連結されている。エンジン1にはエンジンスロットルアクチュエータ(以下、単にスロットルアクチュエータという)7が設けられ、スロットルアクチュエータ7の作動によってスロットル開度が調節されてエンジン1の回転数、即ちエンジン1の出力軸1aの回転数が調節される。 【0014】変速機3は入力軸(メインシャフト)3a及び出力軸(カウンタシャフト)3bを備え、入力軸3aに前進クラッチ8及び後進クラッチ9が設けられている。前進クラッチ8及び後進クラッチ9と出力軸3bとの間にはギヤ列(図示せず)がそれぞれ設けられ、各クラッチ8,9及び各ギヤ列を介して入力軸3aの回転が出力軸3bに伝達される。両クラッチ8,9には油圧式のクラッチ、この実施形態では湿式多板クラッチが使用され、受圧室8a,9a内の油圧力によって接続力が調節可能に、かつ受圧室8a,9a内の油圧力を高めると接続力が大きくなるように構成されている。前進クラッチ8及び後進クラッチ9は制御弁としての前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11を介して供給される油圧により受圧室8a,9a内の油圧力が制御される。前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11はソレノイドへの通電量に比例した開度となる比例ソレノイド弁で構成されている。 【0015】変速機3の出力軸3bには駐車ブレーキ12が設けられ、駐車ブレーキ12はディスク12aとブレーキパッド12bとを備えている。ブレーキパッド12bは図示しないばねのばね力によりディスク12aに圧接される方向に付勢されて制動のための係合圧(クラッチ圧)を発生させ、ブレーキ用バルブ13を介して受圧室12cに供給される油圧により制動状態が解除されるように構成されている。ブレーキ用バルブ13には電磁弁が使用されている。 【0016】図1ではトルクコンバータ2、変速機3及び各バルブ10,11,13が独立して図示されているが、これら各装置は一つのハウジング内に組み込まれて、オートマチックトランスミッションを構成している。そして、変速機3には図示しない油圧ポンプが組み込まれ、その油圧ポンプの吐出油が図示しない流路及び各バルブ10,11,13を介して各受圧室8a,9a,12cに供給可能に構成されている。前記油圧ポンプはエンジン1の回転時に変速機3に伝達される回転力により駆動されるようになっている。 【0017】変速機3の入力軸3aには歯車14が一体回動可能に設けられ、磁気ピックアップからなるタービン回転数センサ15により入力軸3aの回転数が検出される。タービン回転数センサ15は入力軸3aの回転数に比例したパルス信号を出力する。変速機3の出力軸3bには歯車16が一体回動可能に設けられ、磁気ピックアップからなる車速センサ17により出力軸3bの回転数が検出される。車速センサ17は出力軸3bの回転数に比例したパルス信号を出力する。 【0018】エンジン1により駆動される油圧ポンプ18の吐出側に、図示しない管路等を介して荷役器具としてのフォーク19を昇降させるリフトシリンダ20及びマスト21を傾動させるティルトシリンダ(図示せず)が接続されている。リフトシリンダ20にはフォーク19の積載荷重を検出する荷重検出手段としての圧力センサ22が設けられている。圧力センサ22はリフトシリンダ20の内部の油圧を検出し、フォーク19の積載荷重に対応した検出信号を出力する。 【0019】運転室の床にはアクセルペダル23と、インチング操作手段としてのインチングペダル24と、ブレーキペダル25とが設けられている。インチングペダル24は荷役作業を行いながらフォークリフトの微速走行を行う際に、クラッチを半接続状態(半クラッチ状態)にするために使用するものである。そして、ブレーキペダル25を操作する(踏み込む)ときは、ブレーキペダル25はインチングペダル24と独立して作動するが、インチングペダル24を操作する(踏み込む)ときは、途中からインチングペダル24とブレーキペダル25とが連動可能に構成されている。 【0020】インチングペダル24にはインチング操作量検出手段としてのインチングペダルセンサ26が設けられ、インチングペダル24の踏込み量(ペダルストローク)はインチングペダルセンサ26によって検出される。インチングペダルセンサ26はポテンショメータよりなり、インチングペダル24のペダルストロークに対応した電流値を出力する。 【0021】運転室の前部にはシフトレバー(前後進レバー)27及び荷役レバー28が設けられている。シフトレバー27の位置を検出するシフトスイッチ29は、シフトレバー27が前進位置F、後進位置R、中立位置(ニュートラル位置)Nのいずれかにあるかを検知し、各位置に対応する信号を出力する。荷役レバー28には荷役レバーセンサ30が設けられ、荷役レバーセンサ30は荷役レバー28の操作量に応じた検出信号を出力する。 【0022】次に、アクチュエータや各クラッチを制御するための電気的構成を説明する。制御手段としての制御装置31は、中央処理装置(以下、CPUという)32、記憶手段としての読出し専用メモリ(ROM)33、読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)34、入力インターフェイス35及び出力インターフェイス36を備えている。ROM33には所定の制御プログラムや制御プログラムを実行する際に必要な各種データ等が記憶されている。RAM34にはCPU32の演算結果が一時記憶される。CPU32はROM33に記憶された制御プログラムに基いて作動する。 【0023】エンジン回転数センサ15、車速センサ17は、入力インターフェイス35を介してCPU32に接続されている。インチングペダルセンサ26、荷役レバーセンサ30及び圧力センサ22は図示しないA/D変換器及び入力インターフェイス35を介してCPU32に接続されている。 【0024】CPU32は出力インターフェイス36及び図示しない駆動回路を介してスロットルアクチュエータ7、前進クラッチバルブ10、後進クラッチバルブ11及びブレーキ用バルブ13にそれぞれ接続されている。 【0025】ROM33にはインチングペダル24のペダルストロークに対するクラッチ係合圧(以下、クラッチ圧という)の関係を示す図2のマップMが記憶されている。図2のマップMはシフトレバー27が前進位置にある場合のマップMであって、F線は前進クラッチ8のクラッチ圧であり、R線は後進クラッチ9のクラッチ圧である。図2に示すように、ペダルストロークがゼロの状態から所定のストロークまではインチング領域となり、それ以上のストロークではブレーキ領域となる。ブレーキ領域では前進クラッチ8及び後進クラッチ9が同時係合されることにより制動力を得るようになっている。マップMは荷重に応じて複数記憶され、圧力センサ22からの検出信号に対応したマップMが適宜使用される。なお、図2では荷重ごとの複数のマップを便宜上同一マップグラフの上に描いている。 【0026】インチングペダルセンサ26はインチングペダル24の遊びが無くなってからの踏込み量を検出し、インチングペダル24の踏込み量が検出されていない状態では前進クラッチ8は完全係合されたクラッチ圧Pc(図2参照)となる。フォーク19に荷が載置されていない空荷(ノーロード)の場合、インチング領域における前進クラッチ8のクラッチ圧は破線で示すマップ線Foに基づいて決まり、最大積載荷重(フルロード)の場合には実線で示すマップ線Fnに基づいて決まる。ノーロードとフルロードの各マップ線FoとFn間にはフォークにかかる荷重が大きいほどインチングペダル24の踏込み量に対するクラッチ圧の設定が大きくなるように複数のマップ線Fk(k=1,2…n-1)(同図では一点鎖線で示す一本のみ描いている)が設定されている。また、クラッチ圧とCPU32が指令する指令電流値との関係は、電流値が上がるとクラッチ圧が低くなるマイナス比例となっている。なお、ROM33にはシフトレバーが後進位置にある場合のマップMも記憶されているが、インチング領域で係合するのが後進クラッチになるだけのことなので、図2においてFo…FnがRo…Rn線となるようにR線がF線に置き換わる。また、マップMに代えてインチングペダル24のペダルストロークとクラッチ圧との関係式を記憶してもよい。 【0027】ROM33にはブレーキ領域においてインチングペダル24のストロークに対して決まるクラッチ圧を荷重Wに応じて補正するための補正係数α(W)が記憶されている。補正係数α(W)は荷重Wの値が大きいほど大きくなる値に設定されている。CPU32は各センサ15,17,22,26,30の出力信号を入力するとともに、ROM33に記憶された各種制御プログラムに従って動作し、スロットルアクチュエータ7及び各バルブ10,11,13への制御指令信号を出力する。 【0028】次に前記のように構成されたインチング装置の作用を説明する。フォークリフトが微速走行(この場合、前進とする)しているときに荷役作業を行う荷役走行では、微速状態を保つためにインチングペダル24を操作して前進クラッチ8を半クラッチ状態にする。このときCPU32はインチングペダルセンサ26からの検出信号に基づいてインチングペダル24の踏込みストロークがインチング領域にあるのかブレーキ領域にあるのかを検出する。CPU32は圧力センサ22からの検出信号に基づき荷重Wを認識する。そして、インチング領域にあるときは、CPU32は荷重Wに対応するマップ線を有するマップデータをROM33より読み出す。例えばノーロードであればマップ線Foが採用され、フルロードであればマップ線Fnが採用される。ノーロードとフルロード間の荷重Wであればマップ線F1,F2,…,Fn-1のうちいずれかが採用される。そして、CPU32はインチングペダルセンサ26からの検出信号に基づいて決まるインチングペダルストロークから、先に読み出したマップ線を参照し、クラッチ圧を高める。 【0029】そして、CPU32はクラッチ圧に応じた電流値を指令する。その結果、前進クラッチバルブ10が油圧制御されて、マップ線から決まるインチングペダル24の踏込みストロークに応じた値に前進クラッチ8のクラッチ圧が制御される。このとき、CPU32は後進クラッチ9のクラッチ圧がゼロとなるように後進クラッチバルブ11を制御する。その結果、フォーク19上に積荷の有無や荷重の大きさに関わらずインチングフィーリングはほぼ一定となる。 【0030】インチングペダル24を踏み込んでいくと所定の位置でインチング領域からブレーキ領域に切換わりブレーキ装置が作動する。まず、インチング領域では、インチングペダル24を踏み込んでいくに連れて前進クラッチ8のクラッチ圧は減少し、インチング領域からブレーキ領域に変わる切換え点で前進クラッチ8が完全に切れた状態となる。この切換え点以降がブレーキ装置が作動するブレーキ領域であり、このブレーキ領域では、CPU32はマップMを参照して、インチングペダルセンサ26からの検出信号に基づき決まるインチングペダルストロークに応じたクラッチ8,9の各クラッチ圧を求める。このとき、前進クラッチ8及び後進クラッチ9はインチングペダルストロークに応じたFR同時係合圧となる。CPU32は前進クラッチ8及び後進クラッチ9のクラッチ圧を前後共に同じ値で上昇させるように前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11を制御する。このような前進クラッチ8及び後進クラッチ9の同時係合はブレーキとして機能する。 【0031】このとき、CPU32はマップMにより読み出された前進クラッチ及び後進クラッチの同時係合クラッチ圧に補正係数α(W)を乗じて荷重に応じたクラッチ圧となるように補正を行う。クラッチ圧の補正をすることにより同時係合クラッチ圧は荷重が大きいほど大きくなり、その結果、積荷の有無や荷重の大きさに関わらず、ブレーキフィーリングもほぼ一定となる。なお、後進する場合も、前後が逆になるだけで同様に作動する。 【0032】従って、この実施の形態では以下のような効果を得ることができる。 (1)インチングペダル24を踏んだときのペダルストロークと各クラッチ圧との関係はROM33に記憶されたマップMによって決まるので、ROM33に記憶させるマップMのデータを変更するだけで異なる設定に簡単に変更できる。 【0033】(2)マップMから読み出されるインチングペダル24のペダルストロークに対するクラッチ圧は荷重に応じたクラッチ圧となっている。その結果、荷の有無や荷重の違いに関わらず、いつでもほぼ一定のインチングフィーリングを得ることができる。 【0034】(3)前進クラッチ8と後進クラッチ9とを同時係合させることによってブレーキ装置としての機能を持たせたので、例えばドラムブレーキ等の常用ブレーキを廃止でき、フォークリフトの構造を簡単にできる。 【0035】(4) ブレーキ領域での前進クラッチ8及び後進クラッチ9の同時係合クラッチ圧を荷重Wに応じて補正するので、ブレーキフィーリングをほぼ一定にすることができる。 【0036】なお、実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更してもよい。 ○ 車体の状態を検出する検出手段は荷重を検出する圧力センサ22に限定されず、荷重以外の外的負荷、例えば走行抵抗や駆動輪5の空気圧などを間接的に検出するセンサであってよい。要するに、インチングフィーリングを変える起因となる車両の状態を検出するものであればよい。 【0037】○ インチングペダル24のペダルストロークに対するクラッチ圧はインチング領域において荷重Wを考慮した値としたが、荷重Wを考慮しなくてもよい。また、ブレーキ領域においても荷重による補正を行ったが、補正をしなくてもよい。 【0038】○ インチングペダル24とブレーキペダル25とを連動可能な構成とすることに限定されない。例えば、インチングペダル24を操作したときに作動するブレーキ装置は両クラッチ8,9の同時係合によるブレーキとし、ブレーキペダル25を操作したときには常用ブレーキが作動する構成であってよい。 【0039】○ インチングペダル24を踏込んだときのブレーキ領域におけるブレーキ装置は両クラッチ8,9の同時係合によるものに限定されず、ドラムブレーキ等の常用ブレーキでもよい。少なくとも、インチング領域においてペダルストロークに対するクラッチ圧をマップMから荷重を考慮した値に求められれば、インチングフィーリングを荷の有無や荷重の違いに拘わらずほぼ一定にすることができる。 【0040】○ ブレーキ装置は前進クラッチ8及び後進クラッチ9が同時係合するブレーキ装置に限定されない。例えば、変速機3に装備された駐車ブレーキ12が作動するものでもよい。ブレーキペダル25に設けられたブレーキスイッチ25aが所定時間以上入力されると、駐車ブレーキ12によりブレーキが作動した状態を保持する。このようにすると、駐車レバーが不要になるとともに、ブレーキペダル25から足が離れても駐車ブレーキ12が効くので、ブレーキペダル25と踏み続ける必要もなくなる。 【0041】○ 検出手段は荷重検出手段に限定されない。例えば、エンジン回転数センサ15と車速センサ17の各検出値によりクラッチ8,9の滑りを検出し、その検出値からクラッチ圧を推定することで目標クラッチ圧を割出す。そして、目標クラッチ圧となるようにCPU32がクラッチバルブを制御するものでもよい。 【0042】○ 記憶手段はROM33に限定されない。例えば、EEPROMやバックアップ電池を備えたRAMであってよい。このようにすると、データの書替えが簡単にできる。 【0043】○ マップMは直線に限らず、曲線状であってよい。 ○ インチングペダル操作量検出手段はインチングペダルセンサ26としてのポテンショメータに限定されず、インチングペダル24のペダルストロークが検出可能なセンサであればよい。 【0044】○ インチングペダル24は踏込み開始から所定位置までがインチング領域であり、それ以降はブレーキ領域となることに限定されない。即ち、ブレーキ領域がなく、インチングペダル24を最大限踏み込んだ状態ではクラッチ8,9が完全に切れる構造でもよい。 【0045】○ インチングペダルストロークとクラッチ圧との関係を示すマップMにおいて、ノーロードのときクラッチ圧を高めに、フルロードのときクラッチ圧を低めに設定してもよい。 【0046】○ クラッチ圧と指令電流値との関係はマイナス比例でなく、電流値が上がるとクラッチ圧が高くなるプラス比例でもよい。 ○ 荷役器具はフォーク19に限定されず、ロールクランプ用などのアタッチメントであってよい。 【0047】○ 例えば、運転席等に図5に示すような設定変更ボリューム(又は、スイッチ)50を設け、そのボリューム50によりペダルストロークに対するクラッチ圧の設定を変更するものでもよい。このようにすると、運転者の好みに応じてインチングフィーリングを変更することができる。なお、設定操作手段は設定変更ボリュームにより構成されている。 【0048】前記実施形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)請求項1において、前記記憶手段に記憶された前記データには前記インチング操作手段の操作量に対するクラッチ係合圧の設定データが複数設定されるとともに、その複数のうち1つのデータを選択可能なデータ選択手段(22,50)を備え、前記制御手段は該データ選択手段の検出値に応じた設定データを選択し、該設定データに基づいて前記制御弁を制御する。この場合、複数の設定データにより妥当或いは好みのインチングフィーリングを得ることができる。なお、データ選択手段は請求項2に記載の検出手段を含む概念である。 【0049】(2)前記技術的思想(1)において、前記データ選択手段は、インチング操作手段の操作量に対するクラッチ係合圧を複数段階の中かから手動で設定する設定操作手段(50)である。この場合は、例えば運転者の好みのインチングフィーリングを得ることができる。 【0050】(3)請求項3において、制御手段は前記荷重検出手段の検出信号に応じて、荷重が増大するに連れてクラッチ係合圧を低くするように制御する。 【0051】 【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、インチング装置は電子制御され、インチングペダルの踏込み量に対するクラッチ圧の値を記憶手段のデータを変更することで簡単に変更できる。 【0052】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、車両の状態に応じてインチング操作手段の操作量に対するクラッチ係合圧が変わるので、どのような車両状態であってもインチングフィーリングをほぼ一定にできる。 【0053】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、荷役器具に積荷の荷重に応じてインチング操作手段の操作量に対するクラッチ係合圧が変化するので、荷の有無や荷重の違いに関わらずインチングフィーリングをほぼ一定にできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003218 【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116133(P2001−116133A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−294786 |
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