| 【発明の名称】 |
液圧制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 繁
【氏名】杉内 仁
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| 【要約】 |
【課題】液圧回路のバラツキに起因した電気信号と出力圧との間におけるずれがあっても、これを少ないメモリ容量で補償し得るようにする。
【解決手段】(a)のごとく、ソレノイド駆動電流Iを異ならせながら順次出力圧PO を実測する。かかる実測が所定回数(図では3回)行われた時、(a)の実測データに最も近似した(b)に示すようなソレノイド駆動電流Iと信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係を持つソレノイドのテーブルマップを基本マップとして選択し、(a)および(b)から、最小二乗法により(c)のごとくにPSOL とPO との関係PO =a・PSOL +bを求め、補償用の係数aおよびオフセットbを算出する。aおよびbをPO とPSOL との関係として液圧制御装置の製作時に格納しておき、信号圧PSOL の算出に供する。aおよびbを用いて出力圧要求値P* に対応した信号圧PSOL を求め、(b)の基本マップをもとに、信号圧PSOL を発生させるためのソレノイド駆動電流Iを求めて出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気信号により信号圧を作り出し、該信号圧により出力圧を制御するに際し、液圧制御装置の製作時に、前記電気信号ごとの出力圧を実測して求めた出力圧実測値と、前記電気信号に応動して前記信号圧を発生する信号圧発生要素に係わる電気信号および信号圧間の基本マップとから、信号圧および出力圧の関係を求めてコントローラ内に格納しておき、該格納しておいた信号圧および出力圧の関係をもとに出力圧要求値に対する信号圧を求め、この信号圧から前記基本マップをもとに前記電気信号を求めて前記信号圧発生要素に供給することを特徴とする液圧制御方法。 【請求項2】 請求項1において、前記信号圧発生要素が自動変速機のソレノイドであり、前記出力圧が自動変速機の変速を司る摩擦要素の締結圧であることを特徴とする液圧制御方法。 【請求項3】 請求項1または2において、前記信号圧および出力圧の関係を一次関数として近似計算し、近似された一次関数の係数および定数をコントローラ内に格納しておくことを特徴とする液圧制御方法。 【請求項4】 請求項3において、前記近似計算として最小二乗法を用いることを特徴とする液圧制御方法。 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記コントローラは自動変速機本体に一体に取り付けられた機電一体のコントローラであることを特徴とする液圧制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号により信号圧を作り出し、この信号圧により出力圧を制御する液圧制御方法、特に自動変速機において有用な液圧制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動変速機は複数のクラッチやブレーキ等の摩擦要素を選択的に締結させて変速を行うが、この際、摩擦要素の締結圧が適切でないと変速ショックを生じたり、変速の応答遅れを生ずる。そこで例えば特開平8−270777号公報に記載されているように、摩擦要素の締結を司るライン圧を過渡制御することが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし自動変速機の変速制御油圧回路は、電気信号によりソレノイドを駆動して電気信号に応じた信号圧を作り出し、この信号圧により出力圧である摩擦要素の締結圧や、摩擦要素の締結を司るライン圧を制御して変速に資するため、回路抵抗のバラツキや個体差によりソレノイドの駆動電気信号と出力圧との間における関係が高精度に決まらず、従って狙い通りの作用効果を正確に奏し得ないのが実情であった。 【0004】この問題解決のためには、電気信号ごとの出力圧実測値のデータを全てコントローラ内に格納しておき、このデータベースに基づき出力圧要求値に対応する電気信号を求めてソレノイドに指令することが考えられるが、この場合、上記のデータベースを格納しておくための膨大なメモリ容量が必要となり、コスト的にも実際的でない。 【0005】請求項1に記載の第1発明は、回路抵抗のバラツキや個体差に起因したソレノイドの駆動電気信号と出力圧との間における関係のずれを、上記のように膨大なメモリ容量が必要な対策とは別の方法で補償し得るようにして上記の問題解決を実現した液圧制御方法を提案することを目的とする。 【0006】請求項2に記載の第2発明は、自動変速機の変速制御装置において上記の問題解決を実現することを目的とする。 【0007】請求項3に記載の第3発明は、メモリ容量の更なる低下を可能にした液圧制御方法を提案することを目的とする。 【0008】請求項4に記載の第4発明は、第3発明を一層簡素に実現することを目的とする。 【0009】請求項5に記載の第5発明は、自動変速機において前記の問題解決を一層簡素に実現することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】第1発明による液圧制御方法は、電気信号により信号圧を作り出し、該信号圧により出力圧を制御するに際し、液圧制御装置の製作時に、前記電気信号ごとの出力圧を実測して求めた出力圧実測値と、前記電気信号に応動して前記信号圧を発生する信号圧発生要素に係わる電気信号および信号圧間の基本マップとから、信号圧および出力圧の関係を求めてコントローラ内に格納しておき、該格納しておいた信号圧および出力圧の関係をもとに出力圧要求値に対する信号圧を求め、この信号圧から前記基本マップをもとに前記電気信号を求めて前記信号圧発生要素に供給することを特徴とするものである。 【0011】第2発明による液圧制御方法は、第1発明において、信号圧発生要素が自動変速機のソレノイドであり、出力圧が自動変速機の変速を司る摩擦要素の締結圧であることを特徴とするものである。 【0012】第3発明による液圧制御方法は、第1発明または第2発明において、前記信号圧および出力圧の関係を一次関数として近似計算し、近似された一次関数の係数および定数をコントローラ内に格納しておくことを特徴とするものである。 【0013】第4発明による液圧制御方法は、第3発明において、上記近似計算として最小二乗法を用いることを特徴とするものである。 【0014】第5発明による液圧制御方法は、上記第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記コントローラは自動変速機本体に一体に取り付けられた機電一体のコントローラであることを特徴とするものである。 【0015】 【発明の効果】第1発明においては、液圧制御装置の製作時に、電気信号ごとの出力圧を実測して求め、この出力圧実測値と、電気信号に応動して信号圧を発生する信号圧発生要素に係わる電気信号および信号圧間の基本マップとから、信号圧および出力圧の関係を求めてコントローラ内に格納しておく。そして当該格納しておいた信号圧および出力圧の関係をもとに出力圧要求値に対する信号圧を求め、この信号圧から上記基本マップをもとに電気信号を求めて信号圧発生要素に供給する。信号圧発生要素はこの電気信号に応じた信号圧を作り出し、液圧制御装置は該信号圧により出力圧を出力圧要求値に制御することができる。 【0016】ところで第1発明によれば、液圧制御装置の製作時に、出力圧実測値と、電気信号および信号圧間の基本マップとから、信号圧および出力圧の関係を求めてコントローラ内に格納しておき、この関係をもとに出力圧要求値に対する信号圧を求めるとともに、この信号圧から上記基本マップをもとに電気信号を求めて信号圧発生要素に供給するから、回路抵抗のバラツキや個体差に起因した信号圧発生要素への電気信号と出力圧との間における関係のずれを補償して、出力圧を正確に出力圧要求値に制御することができる。しかも、コントローラ内に格納しておくのは信号圧および出力圧の関係だけであるから、膨大なメモリ容量が必要でなく小さなメモリ容量で安価に上記の補償を実現することができる。 【0017】第2発明においては、信号圧発生要素が自動変速機のソレノイドであり、出力圧が自動変速機の変速を司る摩擦要素の締結圧であるから、自動変速機の変速制御装置において、回路抵抗のバラツキや個体差に起因したソレノイドへの電気信号と摩擦要素の締結圧との間における関係のずれを補償することができ、摩擦要素の締結圧を正確に要求値に制御し得るとともに、当該作用効果を小さなメモリ容量で安価に達成することがでできる。 【0018】第3発明においては、信号圧および出力圧の関係を一次関数として近似計算し、近似された一次関数の係数および定数をコントローラ内に格納しておくことから、上記と同じ作用効果を達成し得るとともに、メモリ容量の更なる低下が可能になる。 【0019】第4発明においては、第3発明における近似計算に際して最小二乗法を用いるから、第3発明と同じ作用効果を奏し得る他に、近似計算を一層簡単に行うことができてコスト上有利である。 【0020】第5発明においては、前記コントローラが自動変速機本体に一体に取り付けられた機電一体のコントローラであるから、自動変速機を車両に搭載する前の単体の状態で信号圧および出力圧の関係をコントローラに格納することができ、自動変速機において前記の作用効果を一層簡素に達成することができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態になる液圧制御方法を実施するのに用いる自動変速機の液圧制御装置である。11は出力圧(クラッチ締結圧)要求値演算部で、これには液圧制御のための情報を入力する。出力圧(クラッチ締結圧)要求値演算部11は当該入力情報をもとに、変速機入力トルク等に応じた出力圧(クラッチ締結圧)要求値P* を算出する。 【0022】12は信号圧(ソレノイド圧)演算部を示し、後で詳述するように求めておいた出力圧(クラッチ締結圧)PO と信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係をもとに、出力圧(クラッチ締結圧)要求値P* に対応した信号圧(ソレノイド圧)PSOL を求める。13はソレノイド駆動電流(電気信号)演算部で、ソレノイド駆動電流(電気信号)Iと信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係を示す基本マップをもとに、信号圧(ソレノイド圧)PSOL を発生させるためのソレノイド駆動電流(電気信号)Iを求める。出力圧(クラッチ締結圧)要求値演算部11、信号圧(ソレノイド圧)演算部12、およびソレノイド駆動電流(電気信号)演算部13は、自動変速機本体に一体に取り付けられた機電一体のコントローラを構成する。 【0023】電流(電気信号)Iはソレノイド駆動回路14を介して、信号圧発生要素であるソレノイド15に供給され、ソレノイド15は電流(電気信号)Iに応動して対応する信号圧(ソレノイド圧)PSOL を作り出す。液圧制御装置はさらに、信号圧(ソレノイド圧)PSOL により出力圧(クラッチ締結圧)PO を要求値P* になるよう制御する。 【0024】信号圧(ソレノイド圧)演算部12における出力圧(クラッチ締結圧)PO と信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係は、液圧制御装置の製作時に図2のごとき手順により求め、機電一体のコントローラに格納しておく。図2の手順は、出力圧(クラッチ締結圧)PO の測定準備が完了したところで開始し、先ずステップ21,22において、ソレノイド駆動電流(電気信号)Iを異ならせながら順次出力し、電流値ごとの出力圧(クラッチ締結圧)PO を図3(a)のごとくに実測する。 【0025】ステップ23でかかる実測が所定のn回(図3では便宜上3回として示した)だけ行われたと判定すると、ステップ24で、図3(a)の実測データに最も近似した例えば図3(b)に示すようなソレノイド駆動電流(電気信号)Iと信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係を持つソレノイド(駆動特性はソレノイド製作時に予め判っている)のテーブルマップを基本マップとして選択し、これら図3(a)の実測データおよび図3(b)の基本マップから、例えば最小二乗法により図3(c)のごとくに信号圧(ソレノイド圧)PSOL と出力圧(クラッチ締結圧)PO との関係を、例えばPO =a・PSOL +bのような一次関数として近似計算し、かように近似された一次関数における係数aおよび定数bをそれぞれ、補償用の係数aおよびオフセットbとする。そしてステップ25で、補償用の係数aおよびオフセットbを信号圧(ソレノイド圧)演算部12における出力圧(クラッチ締結圧)PO と信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係として液圧制御装置の製作時に機電一体のコントローラ内に格納しておき、演算部12で行う信号圧(ソレノイド圧)PSOL の算出に供する。 【0026】かように液圧制御装置の製作時に求めて格納しておいた補償用の係数aおよびオフセットb、つまり図3(c)に示すクラッチ締結圧PO とソレノイド圧PSOL との関係を用い、信号圧(ソレノイド圧)演算部12で出力圧(クラッチ締結圧)要求値P* に対応した信号圧(ソレノイド圧)PSOL を求め、次にソレノイド駆動電流(電気信号)演算部13で、図3(b)に示すソレノイド駆動電流(電気信号)Iと信号圧(ソレノイド圧)PSOL との関係を示す基本マップをもとに、信号圧(ソレノイド圧)PSOL を発生させるためのソレノイド駆動電流(電気信号)Iを求める場合、図3(c)に示すクラッチ締結圧PO とソレノイド圧PSOL との関係が、回路抵抗のバラツキや個体差に起因したソレノイド15への電気信号Iと出力圧POとの間における関係のずれを補償していることから、出力圧PO を正確に出力圧要求値P* に制御することができる。しかも、コントローラ内に格納しておくのは信号圧PSOL および出力圧PO の関係だけであるから、膨大なメモリ容量が必要でなく小さなメモリ容量で安価に上記の補償を実現することができる。 【0027】更に本実施の形態においては、信号圧PSOL および出力圧PO の図3(c)に示す関係を最小二乗法により求めて両者間の補償係数aおよび補償オフセットbを機電一体のコントローラ内に格納しておくことから、メモリ容量の更なる低下が可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059258 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116130(P2001−116130A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295308 |
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