| 【発明の名称】 |
トランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】江連 宜伸
【氏名】高屋 真人
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| 【要約】 |
【課題】部品点数および組付工数の増加を回避しながら、リバースアイドルシャフトの軸端部をコンパクトに支持してミッションケースの小型化を図る。
【解決手段】ミッションケース11に形成した シャフト支持孔13eの壁面の一部を切り欠くことにより、該シャフト支持孔13eに180°以上の中心角を有するシャフト支持面13fと180°未満の中心角を有する開口部13gとを形成する。シャフト支持孔13eにリバースアイドルシャフトSrを挿入すると、シャフト支持面13fでリバースアイドルシャフトSrの軸端部外周面の一部が支持され、開口部13gを通してリバースアイドルシャフトSrの軸端部外周面の残部がミッションケース11の内部空間に露出するので、ミッションケース11の内部に収納したメインシャフトSmやカウンタシャフトをリバースアイドルシャフトSrにできるだけ接近させ、トランスミッションの小型化を図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミッションケース(11)に形成したシャフト支持孔(13e)にリバースアイドルシャフト(Sr)の軸端部を挿入して支持するトランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造において、シャフト支持孔(13e)の壁面の一部を切り欠くことにより、該シャフト支持孔(13e)に180°以上の中心角を有するシャフト支持面(13f)と180°未満の中心角を有する開口部(13g)とを形成し、前記シャフト支持面(13f)でリバースアイドルシャフト(Sr)の軸端部外周面の一部を支持するとともに、前記開口部(13g)を通してリバースアイドルシャフト(Sr)の軸端部外周面の残部をミッションケース(11)の内部空間に露出させたことを特徴とするトランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ミッションケースに形成したシャフト支持孔にリバースアイドルシャフトの軸端部を挿入して支持するトランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車用のトランスミッションは、メインシャフトに設けたドライブギヤとカウンタシャフトに設けたドリブンギヤとを選択的に噛合させて複数の前進変速段を選択的に確立するとともに、リバースアイドルシャフトに設けたリバースアイドルギヤを、メインシャフトに設けたリバースドライブギヤとカウンタシャフトに設けたリバースドリブンギヤとに同時に噛合させて後進変速段を確立するようになっている。従来、リバースアイドルシャフトのミッションケースへの支持は、ミッションケースに形成した一対のシャフト支持孔にリバースアイドルシャフトの両端部を挿入することにより行われていた。 【0003】図14はリバースアイドルシャフトの支持構造の従来例を示すもので、リバースアイドルギヤ01を回転自在に支持するリバースアイドルシャフト02の両端部は、ミッションケース03の一対のシャフト支持孔04,05に挿入されて支持される。トランスミッションを小型化するには、リバースアイドルシャフト02を他のミッションシャフト(例えば、メインシャフト06)にできるだけ接近させることが望ましい。しかしながら、上記構造によってリバースアイドルシャフト02の軸端部をミッションケース03に支持すると、前記シャフト支持孔05を形成するためにミッションケース03の内壁面07が内側に突出してしまうため、メインシャフト06に支持したギヤ08や同期機構09がミッションケース03の内壁面07と干渉するのを回避するのは、ミッションケース03の内壁面07を機械加工して凹部010を形成する必要があり、これが加工コスト増加の要因となっていた。 【0004】これを回避するために、リバースアイドルシャフトの軸端部をシャフト支持部材に支持し、このシャフト支持部材をミッションケースの内壁面にボルトで固定するものが、特公昭63−27212号公報により公知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで上記特公昭63−27212号公報に記載されたものは、リバースアイドルシャフトの軸端部をミッションケースに支持するのにシャフト支持部材およびボルトが必要であり、そのために部品点数および組付工数が増加する問題がある。 【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、部品点数および組付工数の増加を回避しながら、リバースアイドルシャフトの軸端部をコンパクトに支持してミッションケースの小型化を図ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ミッションケースに形成したシャフト支持孔にリバースアイドルシャフトの軸端部を挿入して支持するトランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造において、シャフト支持孔の壁面の一部を切り欠くことにより、該シャフト支持孔に180°以上の中心角を有するシャフト支持面と180°未満の中心角を有する開口部とを形成し、前記シャフト支持面でリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の一部を支持するとともに、前記開口部を通してリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の残部をミッションケースの内部空間に露出させたことを特徴とするトランスミッションのリバースアイドルシャフト支持構造が提案される。 【0008】上記構成によれば、リバースアイドルシャフトを支持すべくミッションケースに形成したシャフト支持孔の壁面の一部を切り欠き、該シャフト支持孔に180°以上の中心角を有するシャフト支持面と180°未満の中心角を有する開口部とを形成したので、シャフト支持面でリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の一部を支持すると、開口部を通してリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の残部がミッションケースの内部空間に露出する。従って、ミッションケースの内部に収納したメインシャフトやカウンタシャフトを、それらに支持したギヤや同期機構がミッションケースのシャフト支持孔近傍の内壁面と干渉するのを回避しながらリバースアイドルシャフトに接近させることができ、これによりトランスミッションの小型化を図ることができる。しかもリバースアイドルシャフトをミッションケースに支持するのに特別の部材を必要としないので、部品点数や組付工数の増加を回避することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 【0010】図1〜図13は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用マニュアルトランスミッションの縦断面図、図2はチェンジレバーのチェンジパターンを示す図、図3は車両用マニュアルトランスミッションの要部横断面図、図4は図3の要部拡大図(3速−4速セレクト位置)、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4に対応する作用説明図(5速−リバースセレクト位置)、図7は図4に対応する作用説明図(1速−2速セレクト位置)、図8は図3の8方向矢視図、図9は図8の9−9線断面図、図10は図8の要部拡大図(ニュートラル位置)、図11は図10に対応する作用説明図(リバース位置)、図12は図10に対応する作用説明図(5速位置)、図13は図10の13−13線矢視図である。 【0011】図1に示すように、前進5速、後進1速の車両用マニュアルトランスミッションMのミッションケース11は、車体前後方向に延びる割り面で分割された左ケース半体12および右ケース半体13からなり、左ケース半体12のエンジンE側の側面に形成されたクラッチ室14に変速用クラッチCが収納される。変速用クラッチCを介してエンジンEに接続されたメインシャフトSmの左右両端部は、左ケース半体12および右ケース半体13にそれぞれボールベアリング15,16で支持され、またメインシャフトSmと平行に配置されたカウンタシャフトScの左右両端部は、左ケース半体12および右ケース半体13にそれぞれローラベアリング17およびボールベアリング18,18で支持される。カウンタシャフトScの出力を左右の車軸19,19に配分するディファレンシャルギヤDが、左右一対のボールベアリング20,21を介して左ケース半体12および右ケース半体13にそれぞれ支持される。 【0012】クラッチ室14に収納された変速用クラッチCは、エンジンEのクランクシャフトの右端に接続されたクラッチホーイル22と、メインシャフトSmの左端にダンパ23を介して接続されたクラッチディスク24とを備え、常時はダイヤフラムスプリング25の弾発力でプレッシャプレート26とクラッチホイール22との間にクラッチディスク24のフェーシング27を挟圧することにより係合しており、変速時にレリーズフォーク28でレリーズベアリング29を左方向に押圧することにより係合が解除される。 【0013】メインシャフトSmにはメイン1速ギヤ31およびメイン2速ギヤ32が固設され、メイン3速ギヤ33、メイン4速ギヤ34およびメイン5速ギヤ35が相対回転自在に支持される。一方、カウンタシャフトScには前記メイン1速ギヤ31およびメイン2速ギヤ32にそれぞれ噛合するカウンタ1速ギヤ36およびカウンタ2速ギヤ37が相対回転自在に支持され、前記メイン3速ギヤ33、メイン4速ギヤ34およびメイン5速ギヤ35にそれぞれ噛合するカウンタ3速ギヤ38、カウンタ4速ギヤ39およびカウンタ5速ギヤ40が固設される。 【0014】左ケース半体12および右ケース半体13にリバースアイドルシャフトSrの左右両端部が支持されており、このリバースアイドルシャフトSrに左右摺動自在に支持したリバースアイドルギヤ41は、メインシャフトSmに固設したメインリバースギヤ42に噛合可能であり、かつカウンタシャフトScに相対回転自在に支持したカウンタリバースギヤ43に噛合可能である。 【0015】1速−2速シフトフォーク44で1速−2速同期機構S1のスリーブ45を左動させることにより、カウンタ1速ギヤ36がカウンタシャフトScに結合されて1速変速段が確立し、1速−2速シフトフォーク44で1速−2速同期機構S1のスリーブ45を右動させることにより、カウンタ2速ギヤ37がカウンタシャフトScに結合されて2速変速段が確立する。3速−4速シフトフォーク46で3速−4速同期機構S2のスリーブ47を左動させることにより、メイン3速ギヤ33がメインシャフトSmに結合されて3速変速段が確立し、3速−4速シフトフォーク46で3速−4速同期機構S2のスリーブ47を右動させることにより、メイン4速ギヤ34がメインシャフトSmに結合されて4速変速段が確立する。 【0016】5速シフトフォーク48で5速同期機構S3のスリーブ49を左動させることにより、メイン5速ギヤ35がメインシャフトSmに結合されて5速変速段が確立する。5速シフトフォーク48で5速同期機構S3のスリーブ49を右動させると、リバースアイドルギヤ41を回転自在に保持するリバースシフトフォーク50が前記5速シフトフォーク48に連動して左動し、リバースアイドルギヤ41がメインリバースギヤ42と、1速−2速同期機構S1のスリーブ45に設けた前記カウンタリバースギヤ43とに噛合してリバース変速段が確立する。 【0017】前記1速−2速同期機構S1、3速−4速同期機構S2および5速同期機構S3は周知のもので、スリーブ45,47,49の左右動に伴うブロッキングリングおよびシンクロコーンの摩擦力によって同期作用を行うものである。 【0018】このようにして1速〜5速変速段あるいはリバース変速段が確立すると、カウンタシャフトScの回転がファイナルドライブギヤ51およびファイナルドリブンギヤ52を経てディファレンシャルギヤDに伝達され、左右の車軸19,19が駆動される。 【0019】次に、1速〜5速変速段およびリバース変速段を確立するためのチェンジ装置の構造を図2〜図12により説明する。 【0020】図2はチェンジ装置のチェンジレバーLの操作パターンを示すもので、P1が1速−2速セレクト位置、P2が3速−4速セレクト位置(ニュートラル位置)、P3が5速−リバースセレクト位置であり、また1速−2速セレクト位置P1の両側に配置される■および■がそれぞれ1速位置および2速位置、3速−4速セレクト位置P2の両側に配置される■および■がそれぞれ3速位置および4速位置、5速−リバースセレクト位置P3の両側に配置される■およびRがそれぞれ5速位置およびリバース位置である。図中矢印SEがチェンジレバーLのセレクト操作方向を表し、図中矢印SIがチェンジレバーLのシフト操作方向を表している。 【0021】図3〜図5に示すように、ミッションケース11の右ケース半体13の上部に皿状の凹部13aが形成されており、この凹部13aの開口を覆うように6本のボルト56…でカバー部材57を結合することにより、カバー部材57および凹部13a間のブリーザチャンバ58が区画される。カバー部材57の中央に形成したガイド孔57aおよび右ケース半体13の内部に形成したガイド孔13bにシフトセレクトシャフト59が回転自在かつ長手方向摺動自在に支持される。 【0022】カバー部材57からシール部材60を介して外部に延びるシフトセレクトシャフト59の上端に切欠59aが形成されており、この切欠59aにセレクトレバー61が係合する。セレクトレバー61はチェンジレバーLのセレクト操作(図2における矢印SE方向の操作)に連動して上下に揺動し、シフトセレクトシャフト59を図4に示す3速−4速セレクト位置と、3速−4速セレクト位置から上方に移動した5速−リバースセレクト位置(図6参照)と、3速−4速セレクト位置から下方に移動した1速−2速セレクト位置(図7参照)との間を移動可能である。 【0023】シフトセレクトシャフト59の切欠59aの下方にシフトレバー62が固定されており、このシフトレバー62はチェンジレバーLのシフト操作(図2における矢印SI方向の操作)に連動して左右に回転する。チェンジレバーLが1速−2速セレクト位置P1、3速−4速セレクト位置P2あるいは5速−リバースセレクト位置P3にあるとき、シフトセレクトシャフト59はニュートラル位置にあり、チェンジレバーLが1速位置■、3速位置■あるいは5速位置■に操作されると、シフトセレクトシャフト59のニュートラル位置から左方向に回転し、チェンジレバーLが2速位置■、4速位置■あるいはリバース位置Rに操作されると、シフトセレクトシャフト59はニュートラル位置から右方向に回転する。シフトセレクトシャフト59はディテント機構63(図8参照)によって前記3つの回転位置に節度をもって停止可能である。 【0024】右ケース半体13の内部に延びるシフトセレクトシャフト59にシフトアーム64が固定ピン65で固定されるとともに、そのシフトアーム64を上下から挟むようにインターロックプレート66が相対回転自在に支持される。インターロックプレート66は上下一対のロック爪66a,66bを備えており、これら一対のロック爪66a,66bは前記シフトアーム64の先端に形成した駆動部64aの上下にそれぞれ臨んでいる。またインターロックプレート66はシフトセレクトシャフト59に直交する方向に延びるガイド溝66cを備えており、右ケース半体13に固定した回り止めピン67が前記ガイド溝66cに係合する。 【0025】従って、シフトセレクトシャフト59が上下動するとシフトアーム64およびインターロックプレート66は一体で昇降するが、シフトセレクトシャフト59が回転するとシフトアーム64は該シフトセレクトシャフト59と一体で回転するのに対し、インターロックプレート66はガイド溝66cと回り止めピン67との係合によって回転を規制される。 【0026】シフトセレクトシャフト59は、その長手方向の略中央に形成した段状の第1ストッパ面59bを介して下半部が小径になっており、そのシフトセレクトシャフト59の小径の下半部に摺動自在に嵌合する第1スプリングシート68の内周部上面が前記第1ストッパ面59bに下側から係合するとともに、第1スプリングシート68の外周部上面がカバー部材57の下面の第1支持面57bに当接する。また前記第1スプリングシート68の下方に配置されてシフトセレクトシャフト59に摺動自在に嵌合する円板状の第2スプリングシート69は、その内周部下面が前記インターロックプレート66の上面に形成した第2ストッパ面66dに係合する。右ケース半体13の凹部13aの底壁に略十字型の開口13cが形成されており、この開口13cの縁に形成した4ヵ所の段状の第2支持面13d…に第2スプリングシート69の外周部下面が支持される。そして第1スプリングシート68の下面と第2スプリングシート69の上面との間にセレクトスプリング70の上下両端部が支持される。 【0027】而して、シフトセレクトシャフト59が図4に示した3速−4速セレクト位置にあるとき、シフトセレクトシャフト59に摺動自在に支持されてセレクトスプリング70で相互に離反する方向に付勢された第1スプリングシート68の内周部上面および第2スプリングシート69の内周部下面は、それぞれシフトセレクトシャフト59の第1ストッパ面59aおよびインターロックプレート66の上面に形成した第2ストッパ面66dに弾発的に当接し、かつ第1スプリングシート68の外周部上面および第2スプリングシート69の外周部下面は、それぞれカバー部材57の第1支持面57bおよび凹部13aの第2支持面13d…に当接して支持され、これによりシフトセレクトシャフト59が前記3速−4速セレクト位置に安定的に停止する。 【0028】この状態からシフトセレクトシャフト59が5速−リバースセレクト位置(図6参照)に向けて上動すると、シフトセレクトシャフト59と一体のインターロックプレート66の第2ストッパ面66dに押圧された第2スプリングシート69は、カバー部材57の第1支持面57bに係止された第1スプリングシート68を原位置に残したまま上昇するため、セレクトスプリング70が圧縮されてシフトセレクトシャフト59を3速−4速セレクト位置に復帰させる付勢力が発生する。 【0029】逆に、シフトセレクトシャフト59が3速−4速セレクト位置から1速−2速セレクト位置(図7参照)に向けて下動すると、シフトセレクトシャフト59の第1ストッパ面59bに押圧された第1スプリングシート68は、開口13cの第2支持面13d…に係止された第2スプリングシート69を原位置に残したまま下降するため、セレクトスプリング70が圧縮されてシフトセレクトシャフト59を3速−4速セレクト位置に復帰させる付勢力が発生する。 【0030】以上のように、1個のセレクトスプリング70でシフトセレクトシャフト59をニュートラル位置である3速−4速セレクト位置に付勢してセンタリングすることができるので、シフトセレクトシャフト59を2本のスプリングでそれぞれ上方および下方に付勢する場合に比べて、部品点数およびコストを削減することができる。しかもシフトセレクトシャフト59に2本のスプリング支持すると該シフトセレクトシャフト59が必然的に長くなるが、それを1本にすることによりシフトセレクトシャフト59の全長を短縮することができる。 【0031】右ケース半体13の凹部13aとカバー部材57とによって区画されたブリーザチャンバ58の内部空間は、開口13cの内周と第2スプリングシート69の外周との間に形成された4個の通孔71…によってミッションケース11の内部空間に連通するとともに、カバー部材57と一体のブリーザパイプ72の先端に設けたブリーザチューブ73を介してミッションケース11の外部空間に連通する。 【0032】カバー部材57にシフトセレクトシャフト59、第1スプリングシート68、第2スプリングシート69、セレクトスプリング70、シフトアーム64、固定ピン65およびインターロックプレート66を予め組み付けてサブアセンブリAを構成しておき、このサブアセンブリAを右ケース半体13の凹部13aから開口13cに挿入して組み付けることにより、組付作業性を著しく高めることができる。 【0033】また右ケース半体13の凹部13aとカバー部材57とによってブリーザチャンバ58を区画し、このブリーザチャンバ58の内部に第1スプリングシート68、第2スプリングシート69およびセレクトスプリング70を収納したので、共通の空間をブリーザチャンバ58を形成する空間と、第1スプリングシート68、第2スプリングシート69およびセレクトスプリング70を収納する空間とに兼用し、ミッションケース11の大型化や部品点数の増加を回避することが可能になる。しかもブリーザチャンバ58とミッションケース11の内部空間とが、開口13cの内周と第2スプリングシート69の外周との間に形成された4個の通孔71…によって連通しており、かつ前記通孔71…の下方にはシフトアーム64およびインターロックプレート66が隣接して位置するため、そのラビリンス効果でブリーザチャンバ58へのオイルの浸入を効果的に阻止することができる。 【0034】図4および図8に示すように、前記1速−2速シフトフォーク44を備えた1速−2速シフトロッド76の両端部と、前記3速−4速シフトフォーク46を備えた3速−4速シフトロッド77の両端部と、前記5速シフトフォーク48を備えた5速−リバースシフトロッド78の両端部とが、左ケース半体12および右ケース半体13にそれぞれ摺動自在に支持される。1速−2速シフトロッド76、3速−4速シフトロッド77および5速−リバースシフトロッド78には、それぞれ1速−2速シフトピース79、3速−4速シフトピース80および5速−リバースシフトピース81が固定されており、それら3個のシフトピース79,80,81の先端部にそれぞれ形成した切欠79a,80a,81aは、シフトアーム64の先端に設けた駆動部64aに選択的に係合し得るように上下に整列する。 【0035】而して、シフトセレクトシャフト59が図4に示す3速−4速セレクト位置にあるとき,シフトアーム64の駆動部64aが3速−4速シフトピース80の切欠80aに係合するため、シフトセレクトシャフト59の回動によって3速−4速シフトピース80と共に3速−4速シフトロッド77をニュートラル位置から3速位置あるいは4速位置に駆動することができる。このとき、インターロックプレート66の下側のロック爪66bが1速−2速シフトピース79の切欠79aに係合し、インターロックプレート66の上側のロック爪66aが5速−リバースシフトピース81の切欠81aに係合することにより、1速−2速シフトピース79および5速−リバースシフトピース81の誤作動を防止する。 【0036】図7に示すように、シフトセレクトシャフト59を前記3速−4速セレクト位置の下方の1速−2速セレクト位置に移動させると、そのシフトアーム64の駆動部64aが1速−2速シフトピース79の切欠79aに係合するため、シフトセレクトシャフト59の回動によって1速−2速シフトピース79と共に1速−2速シフトロッド76をニュートラル位置から1速位置あるいは2速位置に駆動することができる。このとき、インターロックプレート66の上側のロック爪66aが5速−リバースシフトピース81の切欠81aおよび3速−4速シフトピース80の切欠80aに係合することにより、5速−リバースシフトピース81および3速−4速シフトピース80の誤作動を防止する。 【0037】図6に示すように、シフトセレクトシャフト59を前記3速−4速セレクト位置の上方の5速−リバースセレクト位置に移動させると、そのシフトアーム64の駆動部64aが5速−リバースシフトピース81の切欠81aに係合するため、シフトセレクトシャフト59の回動によって5速−リバースシフトピース81と共に5速−リバースシフトロッド78をニュートラル位置から5速位置あるいはリバース位置に駆動することができる。このとき、インターロックプレート66の下側のロック爪66bが1速−2速シフトピース79の切欠79aおよび3速−4速シフトピース80の切欠80aに係合することにより、1速−2速シフトピース79および3速−4速シフトピース80の誤作動を防止する。 【0038】図8に示すように、1速−2速シフトロッド76を1速−2速セレクト位置と、1速位置と、2速位置とに対応して節度良く停止させるために、ディテント機構82が設けられる。また3速−4速シフトロッド77を3速−4速セレクト位置と、3速位置と、4速位置とに対応して節度良く停止させるために、ディテント機構83が設けられる。 【0039】図8〜図10に示すように、右ケース半体13の内面にブラケット85が2本のボルト86,86で固定されており、このブラケット85に支点ピン87を介して前記リバースシフトフォーク50が揺動自在に支持される。支点ピン87を挟んでリバースシフトフォーク50の一端側には前記リバースアイドルギヤ41の両側面を挟む切欠50aが形成され、また他端側にはリバースシフト用従動カム面a、ニュートラル復帰用従動カム面bおよびニュートラル保持用従動カム面cが連続して形成される。一方、5速−リバースシフトピース81に一体に形成された駆動カム部88の先端に、前記リバースシフト用従動カム面aに当接可能なリバースシフト用駆動カム面dと、前記ニュートラル復帰用従動カム面bおよびニュートラル保持用従動カム面cに当接可能なニュートラル復帰用駆動カム面eとが連続して形成される。 【0040】リバースシフトフォーク50を支持するブラケット85から一体に延びる腕部85aの先端に、5速−リバースシフトロッド78を5速−リバースセレクト位置と、5速位置と、リバース位置とに対応して節度良く停止させるためのディテント機構84が設けられる。図9に示すように、ディテント機構84は、ディテントスプリング84aで付勢されたディテントボール84bを備えており、このディテントボール84bは5速−リバースシフトピース81に形成した3個の凹部81b〜81d(図10〜図12参照)に選択的に係合可能である。 【0041】而して、図10に示すように5速リバースシフトピース81がニュートラル位置にあるとき、5速リバースシフトピース81の駆動カム部88のリバースシフト用駆動カム面dおよびニュートラル復帰用駆動カム面eが、リバースシフトフォーク50のリバースシフト用従動カム面aおよびニュートラル保持用従動カム面cにそれぞれ当接し、かつリバースアイドルギヤ41はリバースアイドルシャフトSr上の右端のニュートラル位置にあって右ケース半体13の端面13iに当接している。従って、リバースアイドルギヤ41が右ケース半体13の端面13iから離れるように左方向に移動しようとしても、駆動カム部88のニュートラル復帰用駆動カム面eとリバースシフトフォーク50のニュートラル保持用従動カム面cとの当接によってリバースアイドルギヤ41の左方向への移動が阻止される。 【0042】図12に示すように、5速変速段を確立すべく5速−リバースシフトロッド78がニュートラル位置から5速位置に向けて左動すると、5速−リバースシフトロッド78に設けた5速シフトフォーク48によってメイン5速ギヤ35がメインシャフトSmに結合されて5速変速段が確立する(図1参照)。このとき、5速−リバースシフトロッド78と一体で作動する駆動カム部88のニュートラル復帰用駆動カム面eはリバースシフトフォーク50のニュートラル保持用従動カム面cに沿って滑るように移動し、リバースシフトフォーク50はニュートラル位置に停止したままとなる。この場合も、リバースアイドルギヤ41が右ケース半体13の端面13iから離れるように左方向に移動しようとしても、駆動カム部88のニュートラル復帰用駆動カム面eとリバースシフトフォーク50のニュートラル保持用従動カム面cとの当接によってリバースアイドルギヤ41の左方向への移動が阻止される。 【0043】5速変速段の確立を解除すべく5速−リバースシフトロッド78が5速位置(図11参照)からニュートラル位置(図10参照)に向けて右動しても、駆動カム部88のニュートラル復帰用駆動カム面eがリバースシフトフォーク50のニュートラル保持用従動カム面cに沿って滑るように移動するため、リバースシフトフォーク50はニュートラル位置に停止したままとなる。 【0044】図11に示すように、リバース変速段を確立すべく5速−リバースシフトロッド78がニュートラル位置からリバース位置に向けて右動すると、5速−リバースシフトロッド78に設けた5速シフトフォーク48は右方向に空動する(図1参照)。これと同時に、5速−リバースシフトロッド78と一体で作動する駆動カム部88のリバースシフト用駆動カム面dがリバースシフトフォーク50のリバースシフト用従動カム面aを押圧し、リバースシフトフォーク50を反時計方向に揺動させる。その結果、リバースシフトフォーク50がリバースアイドルギヤ41をリバースアイドルシャフトSrに沿って左方向に摺動させ、リバースアイドルギヤ41がメインリバースギヤ42およびカウンタリバースギヤ43に噛合してリバース変速段が確立する。 【0045】この状態で、リバースアイドルギヤ41の左端面は左ケース半体12の端面12bに当接し、そこからリバースアイドルギヤ41が右方向に移動しようとしても、駆動カム部88のリバースシフト用駆動カム面dとリバースフォーク50のリバースシフト用従動カム面aとの当接により、リバースアイドルギヤ41の右方向への移動が阻止される。 【0046】リバース変速段の確立を解除すべく5速−リバースシフトロッド78がリバース位置(図12参照)からニュートラル位置(図10参照)に向けて左動すると、駆動カム部88のニュートラル復帰用駆動カム面eがリバースシフトフォーク50のニュートラル復帰用従動カム面bを押圧するため、リバースシフトフォーク50が時計方向に揺動する。その結果、リバースシフトフォーク50がリバースアイドルギヤ41をリバースアイドルシャフトSrに沿って右方向に摺動させ、リバースアイドルギヤ41がメインリバースギヤ42およびカウンタリバースギヤ43から離反してリバース変速段の確立が解除される。 【0047】図10および図13から明らかなように、リバースアイドルシャフトSrは、その左端が左ケース半体12に形成したシャフト支持孔12aに嵌合して保持され、その右端が右ケース半体13に形成したシャフト支持孔13eに嵌合して保持される。右ケース半体13のシャフト支持孔13eの内壁面は円周方向に閉じておらず、その一部が切欠を介してメインシャフトSmに対向する方向に開放している。即ち、リバースアイドルシャフトSrを支持するシャフト支持孔13eのシャフト支持面13fは約250°の円周角を有する優弧からなり、リバースアイドルシャフトSrの外周面の一部は約110°の円周角を有する劣弧からなる開口部13gを通して右ケース半体13の内部空間に露出する。このようにシャフト支持孔13eの内壁面の一部を切り欠いても、そのシャフト支持孔13eのシャフト支持面13fが180°以上の中心角を有していれば、リバースアイドルシャフトSrがシャフト支持孔13eから脱落する虞はない。 【0048】図8に鎖線で示すように、前記シャフト支持孔13eを閉じた袋状に形成すると、右ケース半体13の内壁面13hがミッションケース11の内側に突出するため、その内壁面13hがメインシャフトSmに設けたギヤと干渉する虞があり、これを回避すべくリバースアイドルシャフトSrとメインシャフトSmとの距離を増加させると、ミッションケース11が大型化してしまう問題がある。しかしながら、本実施例の如くリバースアイドルシャフトSrのシャフト支持孔13eの一部を切り欠くことにより、リバースアイドルシャフトSrを支持するための特別の部材を設けたり、特別の加工を施したりすることなく、リバースアイドルシャフトSrをメインシャフトSmにできるだけ接近させてミッションケース11の小型化を図ることができる。 【0049】以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。 【0050】例えば、実施例ではマニュアルトランスミッションMを例示したが、本発明はオートマチックトランスミッションに対しても適用することができる。 【0051】 【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明によれば、リバースアイドルシャフトを支持すべくミッションケースに形成したシャフト支持孔の壁面の一部を切り欠き、該シャフト支持孔に180°以上の中心角を有するシャフト支持面と180°未満の中心角を有する開口部とを形成したので、シャフト支持面でリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の一部を支持すると、開口部を通してリバースアイドルシャフトの軸端部外周面の残部がミッションケースの内部空間に露出する。従って、ミッションケースの内部に収納したメインシャフトやカウンタシャフトを、それらに支持したギヤや同期機構がミッションケースのシャフト支持孔近傍の内壁面と干渉するのを回避しながらリバースアイドルシャフトに接近させることができ、これによりトランスミッションの小型化を図ることができる。しかもリバースアイドルシャフトをミッションケースに支持するのに特別の部材を必要としないので、部品点数や組付工数の増加を回避することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071870 【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116119(P2001−116119A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295421 |
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