| 【発明の名称】 |
エンジンの騒音低減装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】関 竜達
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| 【要約】 |
【課題】クランクプーリに穿設した作業用及び軽量化のための窓部を透過して外部に伝播されるタイミングカバー内の騒音の低減を図る。
【解決手段】クランクプーリ5の前面に遮音カバー19を装着し、クランクプーリ5に穿設されている作業用及び軽量化のための窓部5cを遮音カバー19に形成したフランジ部19bで閉塞する。窓部5cをフランジ部19bで閉塞することにより、窓部5cを透過するタイミングカバー内の騒音の伝播が阻止され、低騒音化を実現することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】タイミングカバーを貫通して突出されたクランク軸にクランクプーリが軸着され、上記クランクプーリに前面から背面方向へ貫通する窓部が穿設されているエンジンにおいて、上記クランクプーリの前面に、少なくとも上記窓部を閉塞する遮音カバーが装着されていることを特徴とするエンジンの騒音低減装置。 【請求項2】上記遮音カバーにて上記クランクプーリを上記クランク軸に固着する固定部材が覆われていることを特徴とする請求項1記載のエンジンの騒音低減装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クランクプーリに穿設されている窓部等を透過して外部へ伝播される騒音の低減を図るエンジンの騒音低減装置に関する。 【0002】 【従来の技術】周知のように、4サイクルエンジンでは、エンジン本体の一側に突出するクランク軸とカム軸とに軸着する両タイミングプーリ間をタイミングベルト或いはタイミングチェーン等のタイミング伝達部材で連設し、吸気弁と排気弁の開閉タイミングをクランク軸の回転に同期させている。 【0003】このタイミング伝達部材は、タイミングカバー内に収容されて騒音の低減が図られている。 【0004】又、クランク軸のタイミングカバーから突出する軸端に軸着されているクランクプーリと、エアコンコンプレッサ、パワステポンプ、オルタネータ等の補機類に軸着されている従動プーリとをベルトで連設し、クランク軸からの駆動力により補機類を回転駆動させるようにしている。 【0005】更に、クランクプーリには、クランクプーリを組み立てる際、或いは保守点検の際の作業性を考慮し、更には、軽量化を目的とした肉抜きのために、前面から背面方向へ貫通する窓部が所定間隔ごとに穿設されている場合が多い。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば特開平9−210181号公報に開示されているように、タイミングカバー内に挿通されているクランク軸に軸着されているクランクスプロケットとカム軸に軸着されているカムスプロケットとをタイミングチェーンで連設した場合、クランクスプロケットの歯数が比較的少なく、且つ、巻掛け角が比較的大きいため、タイミングチェーンがクランクスプロケットに巻き付く際の屈曲率が比較的大きくなるため、クランクスプロケットにタイミングチェーンが巻き付く際の噛合音が大きく、外部に漏れやすい。 【0007】タイミングカバー内で発生するクランクスプロケットとタイミングチェーンとの噛合音は、その前方に対峙するクランクプーリの方向へ放射される。このためクランクプーリに前方から背面方向へ貫通する窓部が穿設されていると、この窓部を通して、クランクスプロケットとタイミングチェーンとの噛合音が外部へ伝播され易くなる。従って、クランクプーリに対する窓部の穿設位置、及び面積が制限されてしまい、組み立て作業性が悪くなるばかりでなく、クランクプーリの軽量化に支障を来すことになる。 【0008】本発明は、上記事情に鑑み、クランクプーリに窓部を穿設しても、この窓部を通してタイミングカバー内の騒音が外部に透過し難く、低騒音化、及び軽量化を実現することのできるエンジンの騒音低減装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明による第1のエンジンの騒音低減装置は、タイミングカバーを貫通して突出されたクランク軸にクランクプーリが軸着され、上記クランクプーリに前面から背面方向へ貫通する窓部が穿設されているエンジンにおいて、上記クランクプーリの前面に、少なくとも上記窓部を閉塞する遮音カバーが装着されていることを特徴とする。このような構成では、クランクプーリに穿設されている窓部を遮音カバーにて閉塞したので、この窓部から外部にタイミングカバー内の騒音が透過し難くなる。 【0010】又、第2のエンジンの騒音低減装置は、第1のエンジンの騒音低減装置において、上記遮音カバーにて上記クランクプーリを上記クランク軸に固着する固定部材が覆われていることを特徴とする。このような構成では、遮音カバーによりクランクプーリに穿設された窓部と、このクランクプーリをクランク軸に固定する締結部材とを共に覆うようにしたので、タイミングカバーからの騒音が一層透過され難くなる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1にクランクプーリと遮音カバーとの斜視図、図2にエンジンの前部に設けられているタイミングカバーの正面図、図3に図2のIII−III断面図を示す。 【0012】本実施の形態で採用するエンジンは水平対向型であり、エンジン本体1の前部にタイミングカバー2が固設され、このタイミングカバー2内の中央やや上部に、エンジン本体1から延出するクランク軸3の軸端部が挿通されている。 【0013】図3に示すように、タイミングカバー2内に挿通されたクランク軸3の軸端部にはクランクスプロケット4が軸装されていると共に、その前部にクランクプーリ5が軸装され、このクランクスプロケット4とクランクプーリ5とがキー6を介して位置決めされ、固定部材の一例であるセンタボルト7を介してクランク軸3に固着されている。 【0014】クランクプーリ5は、タイミングカバー2の前方に配設されており、クランクプーリ5の軸中心に突設されたボス5aとタイミングカバー2との間にオイルシール8が介装されている。 【0015】図2に示すように、タイミングカバー2内には、エンジン本体1の左右バンク(LH,RH)に設けられているシリンダヘッド(図示せず)から延出する吸気カム軸9及び排気カム軸10に各々軸着されている吸気カムスプロケット11、及び排気カムスプロケット12が配設され、更に、クランクスプロケット4の下方に第1のアイドラスプロケット13aが配設され、又、クランクスプロケット4とLHバンク側の吸気カムスプロケット11との間に第2のアイドラスプロケット13bが配設されている。又、第1のアイドラスプロケット13aとLH側排気カムスプロケット12との間に、ウォータポンプ15を駆動するポンプスプロケット14が配設されている。 【0016】クランクスプロケット4、LHバンク側の両カムスプロケット11,12、両アイドラスプロケット13a,13b、及びポンプスプロケット14に、LHタイミングチェーン16が巻回され、このLHタイミングチェーン16によりクランク軸3からの駆動力が、両カムスプロケット11,12、ポンプスプロケット14に伝達される。 【0017】又、第1のアイドラスプロケット13aと、RHバンク側の両カムスプロケット11,12とにRHタイミングチェーン17が巻回され、LHタイミングチェーン16により回転駆動される第1のアイドラスプロケット13aを介して、RHバンク側の両カムスプロケット11,12にクランク軸3の駆動力が伝達される。 【0018】このクランクプーリ5と、図示しないエアコンコンプレッサ、パワステポンプ、オルタネータ等の補機類に軸装されている従動プーリとがVベルトを介して連設され、クランク軸3からの駆動力により補機類が回転駆動される。 【0019】又、クランクプーリ5には、高速回転時のクランク軸3のねじれ振動を低減するゴムダンパ18が介装されており、その内径側の、ボス5aが突設されているホイール部5bに、前面方向から背面方向へ貫通する窓部5cが複数(本実施の形態では、4カ所、回転軸を中心として等間隔の位置に)穿設されている。この窓部5cは、組み立ての際、或いは保守点検の際に工具等を差し込んで作業をし易くするため、及び軽量化のための肉抜きを目的として穿設されている。 【0020】更に、ホイール部5bの前面に遮音カバー19が当接されている。この遮音カバー19は、その中心にホイール部5bをクランク軸3の軸端に螺着させるセンタボルト7を覆う凹部19aが形成され、その周囲に窓部5c全体を覆うフランジ部19bが形成されており、このフランジ部19bがホイール部5bにボルト締めされている。 【0021】次に、上記構成による本実施の形態の作用について説明する。エンジンの起動によりクランク軸3が回転すると、このクランク軸3の軸端部に軸着されてタイミングカバー2に収容されているクランクスプロケット4が回転し、このクランクスプロケット4に、LHタイミングチェーン16を介して連設するLHバンク側の吸気カムスプロケット11、排気カムスプロケット12、ポンプスプロケット14、及び第1、第2の各アイドラスプロケット13a,13bが、クランク軸3に対して同期回転される。 【0022】同時に、第1のアイドラスプロケット13aに、RHタイミングチェーン17を介して連設するRHバンク側の吸気カムスプロケット11、及び排気カムスプロケット12が、第1のアイドラスプロケット13a、LHタイミングチェーン16を介してクランク軸3と同期回転される。 【0023】一方、タイミングカバー2の前面に突出されたクランク軸3の軸端部に軸着されているクランクプーリ5が回転し、このクランクプーリ5に、図示しないVベルトを介して連設するエアコンコンプレッサ、パワステポンプ、オルタネータ等の補機類が回転駆動される。 【0024】タイミングカバー2内では、各タイミングチェーン16,17と各スプロケット11,12,13a,13b,14との噛合音が発生するが、各タイミングチェーン16,17及び各スプロケット11,12,13a,13b,14はタイミングカバー2内に収容されているため、タイミングカバー2内で発生する噛合音が大きな騒音として外部へ漏れることはない。 【0025】しかし、クランクスプロケット4の歯数は比較的少なく、しかも、巻掛け角が比較的大きいため、このクランクプーリ4に対してLHタイミングチェーン16は高い屈曲率で巻回されることになり、他のスプロケットとタイミングチェーンとの噛合音に比し、比較的高いレベルの噛合音が発生する。 【0026】このクランクスプロケット4とLHタイミングチェーン16との噛合音は、その前面に対峙されているタイミングカバー2を経て、エンジン前方へ伝播される。 【0027】クランクスプロケット4の前方には、タイミングカバー2を挟んでクランクプーリ5が対峙されており、LHタイミングチェーン16がクランクスプロケット4に巻回する際の噛合音が、クランクプーリ5に穿設されている窓部5cを透過して外部へ伝播しようとするが、この窓部5cの前面が遮音カバー19により閉塞されているため、外部への噛合音の伝播が阻止され、低騒音化が実現される。 【0028】又、遮音カバー19は、クランクプーリ5をクランク軸3の軸端に固着するセンタボルト7をも覆っているため、このセンタボルト7を介して伝播される噛合音も、低減される。 【0029】このように、本実施の形態で、クランクプーリ5のホイール部5bの前面に遮音カバー19を装着し、この遮音カバー19に形成したフランジ部19bにより、ホイール部5bに穿設した窓部5cを閉塞したので、この窓部5cを透過して外部へ伝播しようとする噛合音がフランジ部19bにより阻止され、低騒音化が実現される。 【0030】又、この場合、窓部は丸孔に限らず、例えば図6に示すように、ホイール部5bに、遮音カバー19をねじ止めするためのリム部5dを残し、他の部位を大きな窓部5c’としても、この窓部5c’が、遮音カバー19に形成されたフランジ部19bにて閉塞されるため、この窓部5c’からの噛合音の伝播は有効に阻止される。窓部5c’を大きく形成することで、作業性の向上、及び一層の軽量化を実現することができる。 【0031】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、クランクプーリに穿設されている窓部を遮音カバーにて閉塞したので、クランクプーリに窓部を穿設しても、タイミングカバー内の騒音が、窓部を透過して外部へ伝播し難くなり、低騒音化が実現できる。 【0032】請求項2記載の発明によれば、遮音カバーによりクランクプーリに穿設された窓部と共に、クランクプーリをクランク軸に固定する固定部材を覆うようにしたので、この固定部材を通して伝播されるタイミングカバー内の騒音も低減され、より一層の低騒音化が実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2001−116117(P2001−116117A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296970 |
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