| 【発明の名称】 |
歯車装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】関 一成
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| 【要約】 |
【課題】周方向相対変位可能に組み合わされた複数の歯車2,3,4を位相がずれた状態となるよう弾性復帰させる弾性手段を備えた歯車装置1において、歯車2,3,4がスプリングとの干渉や擦れ合い等によって摩耗したり破損したりすることがなく、もってその耐久性を向上させることが可能な歯車装置1を提供する。
【解決手段】弾性手段が、複数の歯車2,3,4によって囲まれるようにこれらの歯車2,3,4の間に所要数が等配状に形成された装着溝5に装着されたゴム状弾性体6によって構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 周方向相対変位可能に組み合わされた複数の歯車(2)(3)(4)を位相がずれた状態となるように弾性復帰させる弾性手段を備えた歯車装置(1)において、前記弾性手段が、前記複数の歯車(2)(3)(4)によって囲まれるようにこれらの歯車(2)(3)(4)の間に所要数が等配状に形成された装着溝(5)に装着されたゴム状弾性体(6)よりなることを特徴とする歯車装置。 【請求項2】 ボス部(2a)の外周側に位相を合わせた状態で設けられた第一および第二歯車(2)(3)と、前記両歯車(2)(3)の間に位相をずらした状態で周方向相対変位可能に組み合わされた第三歯車(4)と、前記第一および第二歯車(2)(3)の双方または何れか一方と前記第三歯車(4)とによって囲まれるようにこれらの歯車(2)(3)(4)の間に所要数が等配状に形成された装着溝(5)と、前記装着溝(5)に装着されたゴム状弾性体(6)とを有することを特徴とする歯車装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、伝動装置の一種である歯車装置に係り、特にバックラッシュの低減機能ないし解消機能を備えた歯車装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、図3および図4に示す歯車装置51が知られており、以下のように構成されている。 【0003】すなわち先ず、内周にボス部52aを一体成形した第一歯車52が設けられており、この第一歯車52のボス部52aの外周側に第二歯車53が歯52b,53aの位相をずらした状態で周方向相対変位可能に組み合わされており、この第二歯車53が第一歯車52から外れることがないように、皿バネ54が第二歯車53を第一歯車52に押し付けており、皿バネ54が同じく第一歯車52から外れることがないように、第一歯車52のボス部52aの内周側に圧入されたブッシュ55がそのフランジ部55aにおいて皿バネ54を支持している。もしくは、ボス部52aの外周側にC形止め輪溝を設けて皿バネ54をC形止め輪で支持している(図示せず)。 【0004】また、両歯車52,53の間に、これらの歯車52,53によって囲まれるようにして弾性体装着空間である装着溝56が所要数等配状に設けられており(図では四等配)、この装着溝56にそれぞれコイル状を呈する金属製のスプリング57が各歯車52,53における周方向に向けて装着されている。 【0005】上記構成の歯車装置51は、その第一および第二歯車52,53に対して相手歯車(図示せず)を噛み合わせたときに、両歯車52,53の歯52b,53aがスプリング57の弾性により相手歯車の歯を挟み込むことによってバックラッシュを低減ないし解消するように構成されているが、以下のような不都合を有している。 【0006】すなわち先ず第一に、相手歯車の歯を挟み込むべく第一および第二歯車52,53を周方向に弾性復帰させる弾性手段が金属製のスプリング57によって構成されているために、このスプリング57を装着する装着溝56におけるスプリング57との干渉部56aや座部56bが剛材接触により摩耗することがあり、このように干渉部56aや座部56bが摩耗すると、スプリング57のバネ特性が変わってしまうことになる。また、スプリング57が装着溝56内でガタつくことになり、摩耗の進行過程ではスプリング57と座部56bとが擦れて大きな異音が発生することもある。 【0007】また、上記したように弾性手段がスプリング57によって構成されている場合には、周方向に作用する弾性負荷により装着溝56の内壁角部56cに応力集中が発生し易く、このように応力集中が発生すると、その発生部分において歯車52,53が破損することがある。 【0008】また、上記歯車装置51には、回転トルクの伝達作用に直接寄与しない皿バネ54やブッシュ55等の付属部品が備えられているために、部品仕様に無駄があると言わざるを得ず、その製造や組立てに多くの手間や時間がかかるとともにコスト的にも不利である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑み、歯車がスプリングとの干渉や擦れ合い等によって摩耗したり破損したりすることがなく、もってその耐久性を向上させることが可能な歯車装置を提供することを目的とし、またこれに加えて、部品仕様に無駄のない歯車装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1による歯車装置は、周方向相対変位可能に組み合わされた複数の歯車を位相がずれた状態となるように弾性復帰させる弾性手段を備えた歯車装置において、前記弾性手段が、前記複数の歯車によって囲まれるようにこれらの歯車の間に所要数が等配状に形成された装着溝に装着されたゴム状弾性体よりなることを特徴とするものである。 【0011】また、本発明の請求項2による歯車装置は、ボス部の外周側に位相を合わせた状態で設けられた第一および第二歯車と、前記両歯車の間に位相をずらした状態で周方向相対変位可能に組み合わされた第三歯車と、前記第一および第二歯車の双方または何れか一方と前記第三歯車とによって囲まれるようにこれらの歯車の間に所要数が等配状に形成された装着溝と、前記装着溝に装着されたゴム状弾性体とを有することを特徴とするものである。 【0012】上記構成を備えた本発明の請求項1による歯車装置は、バックラッシュを低減ないし解消すべく歯の位相を異ならせるとともに相対変位可能に組み合わされた複数の歯車を周方向に弾性付勢してなる歯車装置において、弾性手段を装着溝に装着される所要数のゴム状弾性体によって構成したものであって、このように弾性手段が装着溝に装着される所要数のゴム状弾性体によって構成されると、その比較的柔らかな材質特性によって、金属または樹脂製の歯車が摩耗もしくは破損したり、大きな異音が発生したりするのを防止することが可能となる。本発明において、並設される歯車の設置数は複数であって、二枚の場合が含まれ、また三枚以上の場合が含まれる。また歯車装置には、平歯、ハス歯またはウオームホイル等、各種の歯車が含まれる。 【0013】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2による歯車装置によれば、ボス部の外周に第一および第二歯車が設けられ、両歯車の間に第三歯車が設けられ、更に所要数のゴム状弾性体が設けられるだけの部品構成とすることができるために、上記従来技術における皿バネやブッシュ等の付属部品を不要とすることが可能となる。ボス部はこれを第一および第二歯車の何れか一方に一体成形するのが部品の製作および組立ての都合上好適であるが、歯車に対して別体に成形するようにしても良い。 【0014】 【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。 【0015】図1は、本発明の実施例に係る歯車装置1の一部切欠した正面を示しており、その右半分は図2におけるC−C線断面図となっている。また図2はこの歯車装置1の断面図であって、図1におけるD−O−D線断面図である。 【0016】当該実施例に係る歯車装置1は、ウォームホイル等として用いるもので、以下のように構成されている。 【0017】すなわち先ず、第一駆動力伝達歯車として、内周に円筒状のボス部2aを一体成形した第一歯車2が設けられており、この第一歯車2のボス部2aの外周側に第二駆動力伝達歯車として第二歯車3が嵌合または圧入等の手段によって固定されるとともに、この両歯車2,3の間に位相歯車として第三歯車4が設けられている。第一および第二歯車2,3は、その歯2b,3aの位相を互いに合致させるよう設定されており、これに対して第三歯車4は、第一および第二歯車2,3に対してその歯4aの位相をずらした状態となるように設定され、かつ第一および第二歯車2,3に対して周方向相対変位可能に組み合わされている。 【0018】また、これらの第一ないし第三歯車2,3,4に囲まれるようにして、これらの歯車2,3,4の間に弾性体装着空間としての装着溝5が所要数等配状に設けられており(図では四等配)、この装着溝5にそれぞれ弾性手段として円柱形ないしブロック状を呈するゴム状弾性体(ゴム状弾性部材とも称する)6がその中心軸線を各歯車2,3,4における周方向に向けて装着されている。ゴム状弾性体6は、装着溝5の内壁における軸方向端面である干渉部5aおよび外面および内面である座部5bに対して常時接触している。 【0019】上記構成を備えた歯車装置1の第一ないし第三歯車2,3,4に対して相手歯車(図示せず)を噛み合わせると、第一および第二歯車2,3の歯2b,3aと第三歯車4の歯4aとの間に相手歯車の歯を挟むべく第三歯車4が第一および第二歯車2,3に対して周方向一方に相対変位するが、このように第三歯車4が第一および第二歯車2,3に対して周方向に相対変位すると、装着溝5に装着された所要数のゴム状弾性体6がそれぞれ装着溝5内で周方向に弾性圧縮されて、第三歯車4を元の周方向位置に復帰させようとする。したがって、その結果として第一および第二歯車2,3の歯2b,3aと第三歯車4の歯4aとがその間に相手歯車の歯を挟み込む状態が実現され、これによりバックラッシュが低減ないし解消される。 【0020】上記歯車装置1は、以下の作用効果を奏するものである。 【0021】すなわち先ず第一に、周方向相対変位可能に組み合わされた第一および第二歯車2,3と第三歯車4とを歯2b,3a,4aの位相が互いにずれた状態となるよう弾性復帰させる弾性手段が、従来のように金属製のスプリングではなく、装着溝5に装着された所要数のゴム状弾性体6によって構成されているために、このゴム状弾性体6の比較的柔らかな材質特性によって、金属または樹脂製の各歯車2,3,4が摩耗もしくは破損したり、大きな異音が発生したりするのを防止することができる。したがって、各歯車2,3,4の耐久性を向上させることができ、また、異音の発生を抑えて静粛性に優れた歯車装置1を提供することができる。 【0022】また、第一ないし第三歯車2,3,4に対して所要数の円柱形ないしブロック状のゴム状弾性体6を加えるだけの部品構成とされているために、上記従来技術における皿バネやブッシュ等の付属部品を一切不要とすることができる。したがって、部品仕様に無駄がなく、製造や組立てが容易で、コスト的にも有利な歯車装置1を提供することができる。 【0023】また、第一および第二歯車2,3に対して歯4aの位相をずらせた第三歯車4が両歯車2,3の間であって軸方向中央に配置されているために、伝達トルクが第一および第二歯車2,3の各歯2b,3aの歯面に均一に伝えられる。したがって、歯面2b,3aに偏摩耗が発生するのを抑えることができ、また歯打ち音を低減させることができる。 【0024】更にまた、第一歯車2と第三歯車4の間および第二歯車3と第三歯車4の間にそれぞれ軸方向間隙による空間7が設定されれば、この空間7にオイルが溜まることによって潤滑効果を大きくすることができる。したがって、各歯2b,3a,4aの歯面に摩耗が発生するのを一層抑えることができる。 【0025】 【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。 【0026】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1による歯車装置においては、周方向相対変位可能に組み合わされた複数の歯車を位相がずれた状態となるように弾性復帰させる弾性手段が、従来のように金属製のスプリングではなく、装着溝に装着された所要数のゴム状弾性体によって構成されているために、このゴム状弾性体の比較的柔らかな材質特性によって、各歯車が摩耗もしくは破損したり、大きな異音が発生したりするのを防止することができる。したがって、耐久性に優れ、また異音の発生を抑えて静粛性に優れた歯車装置を提供することができる。 【0027】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2による歯車装置においては、ボス部の外周に第一および第二歯車が設けられ、両歯車の間に第三歯車が設けられ、更に所要数のゴム状弾性体が加えられるだけの部品構成とすることができるために、上記従来技術における皿バネやブッシュ等の付属部品を不要とすることができる。したがって、部品仕様に無駄がなく、製造や組立てが容易で、コスト的にも有利な歯車装置を提供することができる。 【0028】また、第一および第二歯車に対して位相をずらせた第三歯車が第一および第二歯車の間であって軸方向中央に配置されているために、伝達トルクが各歯の歯面に対して均一に伝えられる。したがって、歯面に偏摩耗が発生するのを抑えることができ、また歯打ち音を低減させることができる。 【0029】更にまた、第一歯車と第三歯車の間および第二歯車と第三歯車の間にそれぞれ軸方向間隙による空間を設定すれば、この空間にオイルが溜まることによって潤滑効果を大きくすることができる。したがって、各歯の歯面に摩耗が発生するのをより良く抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月15日(1999.10.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071205 【弁理士】 【氏名又は名称】野本 陽一
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| 【公開番号】 |
特開2001−116113(P2001−116113A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−293284 |
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