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【発明の名称】 タンデムポンプユニット
【発明者】 【氏名】大橋 良太

【氏名】李沢 博則

【要約】 【課題】駆動車輪に連結された第1,第2油圧モータと共働する第1,第2油圧ポンプを有するタンデムポンプユニットにおいて、油補給用配管の簡略化を図る。

【解決手段】前記第1,第2油圧ポンプ10a,10bが直列接続されてなるタンデムポンプユニットにおいて、一端部が該ポンプユニットの外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインのそれぞれに連通し得るチャージライン33を備え、該チャージライン33を該ポンプユニット内に配置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、一端部が該ポンプユニットの外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインのそれぞれに連通し得るチャージラインを有し、該チャージラインは該ポンプユニット内に配されていることを特徴とするタンデムポンプユニット。
【請求項2】 前記第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれポンプ軸方向一方側及び他方側の側面で支持する共通のセンターセクションと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1及び第2ハウジングとを有し、前記センターセンターセクションには、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2ハウジングの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が該一方のハウジング内部に開口するように該一方のハウジング周壁部に形成された第1穿孔部と、一端部が該第1穿孔部の他端部に接続され且つ他端部が前記センターセクションに達するように該一方のハウジング内部に配されたパイプ部と、一端部が該パイプ部の他端部に接続され且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように前記センターセクションに形成された第2穿孔部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のタンデムポンプユニット。
【請求項3】 前記第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれポンプ軸方向一方側及び他方側の側面で支持する共通のセンターセクションと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1及び第2ハウジングとを有し、前記センターセンターセクションには、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2ハウジングの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が前記センターセクションに達するように該一方のハウジング周壁部に形成された第3穿孔部と、一端部が第3穿孔部の他端部に連通し且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように前記センターセクションに形成された第4穿孔部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のタンデムポンプユニット。
【請求項4】 前記センターセクションには、第1及び第2ハウジング内部を連通する油流通孔が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のタンデムポンプユニット。
【請求項5】 前記第1及び第2油圧ポンプを収容する共通のハウジングと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ支持する第1及び第2センターセクションとを有し、前記共通ハウジングは、ポンプ軸の軸線方向一方側及び他方側にそれぞれ第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを挿入可能な第1開口及び第2開口が形成され、該第1開口及び第2開口は、それぞれ、前記第1及び第2センターセクションによって液密に閉塞され、前記第1及び第2センターセクションには、それぞれ、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2センターセクションの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のタンデムポンプユニット。
【請求項6】 前記共通ハウジングは、ポンプ軸方向略中央部分に、第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結端部を支持する軸受部を有し、該軸受部によって、第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1ポンプ室及び第2ポンプ室に画されていることを特徴とする請求項5に記載のタンデムポンプユニット。
【請求項7】 前記共通ハウジングは、前記第1及び第2ポンプ室間に亘って油が流通し得るように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のタンデムポンプユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧モータを備えたポンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータをそれぞれ連結させてなる車輌において、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを備え、該第1及び第2油圧ポンプの吸入/吐出油量を操作することによって、前記第1及び第2油圧モータの出力を変化させ、これにより、左右の駆動車輪の回転速度及び回転方向をコントロールし得るように構成することは、例えば、米国特許第4920733号公報に記載されているように公知である。
【0003】しかしながら、前記米国特許公報に記載の車輌においては、前記第1油圧モータと共働する第1油圧ポンプと、前記第2油圧モータと共働する第2油圧ポンプとが分離されており、従って、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインに油を補給する油補給用の配管構造が複雑になる等の種々の不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられ、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインで接続される第1及び第2油圧ポンプを有するポンプユニットであって、前記一対の油圧ライン及び一対の第2油圧ラインへの油補給用配管を簡略化し得るポンプユニットを提供することを一つの目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、一端部が該ポンプユニットの外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインのそれぞれに連通し得るチャージラインを有し、該チャージラインは該ポンプユニット内に配されているタンデムポンプユニットを提供する。
【0006】一の態様においては、前記第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれポンプ軸方向一方側及び他方側の側面で支持する共通のセンターセクションと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1及び第2ハウジングとを有し、前記センターセンターセクションには、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2ハウジングの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が該一方のハウジング内部に開口するように該一方のハウジング周壁部に形成された第1穿孔部と、一端部が該第1穿孔部の他端部に接続され且つ他端部が前記センターセクションに達するように該一方のハウジング内部に配されたパイプ部と、一端部が該パイプ部の他端部に接続され且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように前記センターセクションに形成された第2穿孔部とを有するものとすることができる。
【0007】他の態様においては、前記第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれポンプ軸方向一方側及び他方側の側面で支持する共通のセンターセクションと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1及び第2ハウジングとを有し、前記センターセンターセクションには、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2ハウジングの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が前記センターセクションに達するように該一方のハウジング周壁部に形成された第3穿孔部と、一端部が第3穿孔部の他端部に連通し且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように前記センターセクションに形成された第4穿孔部とを有するものとすることができる。
【0008】また、前記センターセクションには、第1及び第2ハウジング内部を連通する油流通孔を形成することができる。
【0009】また、さらに他の態様においては、前記第1及び第2油圧ポンプを収容する共通のハウジングと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ支持する第1及び第2センターセクションとを有し、前記共通ハウジングは、ポンプ軸の軸線方向一方側及び他方側にそれぞれ第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを挿入可能な第1開口及び第2開口が形成され、該第1開口及び第2開口は、それぞれ、前記第1及び第2センターセクションによって液密に閉塞され、前記第1及び第2センターセクションには、それぞれ、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとのそれぞれの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されており、前記チャージラインは、一端部が前記第1及び第2センターセクションの何れか一方において外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1吸入/吐出ポート及び前記一対の第2吸入/吐出ポートのそれぞれに連通するように構成されたものとすることができる。
【0010】好ましくは、前記共通ハウジングは、ポンプ軸方向略中央部分に、第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結端部を支持する軸受部を有し、該軸受部によって、第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ収容する第1ポンプ室及び第2ポンプ室に画されるものとすることができる。
【0011】また、前記共通ハウジングは、前記第1及び第2ポンプ室間に亘って油が流通し得るように構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、本発明に係るポンプユニットの好ましい第1の実施の形態につき、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係るポンプユニット1が適用される車輌の油圧回路図であり、図2は前記ポンプユニット付近の縦断側面図である。また、図3〜図5は、それぞれ、図2におけるA−A線、B−B線及びC−C線断面図である。
【0013】図1及び図2に示すように、前記ポンプユニット1は、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるものであって、前記第1及び第2油圧モータ120a,120bとそれぞれ第1及び第2の一対の油圧ライン140a,140bで接続される第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを有し、該第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bのポンプ軸11a,11bが互いに同軸上で軸線回り相対回転不能に連結されている。なお、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなるとは、各油圧モータがそれぞれ各駆動車輪に直結される場合に加えて、各油圧モータが適宜の動力伝達機構を介して各駆動車輪に作動的に接続される態様も含まれる。
【0014】又、本実施の形態においては、ポンプユニット1を、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが垂直方向に延びるように配置されてなる垂直型(vertical type)としたが、本発明は斯かる形態に限られるものではなく、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが水平方向に延びるように配置されてなる水平型(horizontaltype)とすることも当然に可能である。又、図1において、符号100は駆動源、符号110は冷却ファン、符号150は油タンクである。
【0015】図2に示されるように、前記ポンプユニット1は、さらに、前記第1油圧ポンプ10aをポンプ軸方向一方側の側面(本実施の形態においては下面)で支持し且つ前記第2油圧ポンプをポンプ軸方向他方側の側面(本実施の形態においては上面)で支持する共通のセンターセクション30と、前記第1及び第2油圧ポンプ10a,10bをそれぞれ収容する第1ハウジング21及び第2ハウジング22とを有している。
【0016】図2に示されるように、前記第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bは可変容積型アキシャルピストンポンプとされており、それぞれ、互いに同軸上に配され軸線回り相対回転不能に連結された第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bと、該ポンプ軸の回転に伴って往復運動を行う第1ピストンユニット12a及び第2ピストンユニット12bと、該ピストンユニットを往復動自在に支持する第1シリンダブロック13a及び第2シリンダブロック13bと、傾斜角によって、前記ピストンユニットのストローク長を規制し、該ピストンユニットの吸入/吐出油量を変化させる第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bと、該可動斜板の傾斜角を操作する第1制御軸15a及び第2制御軸15bとを有している。
【0017】図2及び図4に示されるように、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bは、それぞれ、内方端部が第1ハウジング21及び第2ハウジング22内に突入されて第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bに接続され、外方端部がポンプ軸11a,11bと直交する左右方向に互いに離間するように第1及び第2ハウジング21,22から外方へ延びている。第1制御軸15a及び第2制御軸15bをこのように配置させることによって、該ポンプユニット1をプッシュプル形式の操作レバーを有する車輌に設置する場合に、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bの回転軸心を前記操作レバーの回動支点と平行に配置でき、従って、第1制御軸15a及び第2制御軸15bと前記操作レバーとを接続するリンク機構の構造を簡略化させることができる。
【0018】図2及び図5に示されるように、前記センターセクション30には、一端部が第1ピストンユニット12aの吸入/吐出口に連通するように該第1ピストンユニットと向き合う面(下面)に開口し且つ他端部が外方に開口する第1油圧ポンプ用の一対の第1油路31aが形成されている。該一対の第1油路31aの他端開口は、第1油圧モータ120aとの間の一対の第1油圧ライン140aとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32aを形成している(図1及び図5参照)。
【0019】同様に、センターセクション30には、一端部が第2ピストンユニット12bの吸入/吐出口に連通するように該第2ピストンユニットと向き合う面(上面)に開口し且つ他端部が外方に開口する第2油圧ポンプ用の一対の第2油路31bが形成されている。該一対の第2油路31bの他端開口は、第2油圧モータ120bとの間の一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第2吸入/吐出ポート32bを形成している(図1参照)。
【0020】このように、共通のセンターセクション30に、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32a及び一対の第2吸入/吐出ポート32bを全て形成することによって、油圧ポンプ10a,10b及び油圧モータ120a,120b間の配管接続作業の容易化を図ることができる。好ましくは、前記吸入/吐出ポート32a,32bをセンターセクション30の同一側面に形成することができ、これにより、前記配管接続作業のさらなる容易化を図ることができる。
【0021】また、前記センターセクション30には、図2に示すように、第1ポンプ軸11aの伝動方向後端部(本実施の形態においては上端部)及び第2ポンプ軸11bの伝動方向前端部(本実施の形態においては下端部)を軸受支持する軸受部37が形成されており、これにより、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの安定した支持が可能となっている。
【0022】本実施の形態においては、第1ポンプ軸11aの上端部及び第2ポンプ軸11bの下端部に相対回転不能に外挿される連結部材16を備え、該連結部材16を前記軸受部37によって相対回転自在に支持している。
【0023】なお、第1ポンプ軸11aは、下端部が第1ハウジング21を貫通して下方に延在しており、該下方延在部において駆動源からの駆動力を入力し得るようになっている。また、第2ポンプ軸11bは、上端部が第2ハウジング22を貫通して上方に延在しており、該上方延在部に後述するチャージポンプ50及び冷却ファン110を駆動している。
【0024】前記第1ハウジング21は、ポンプ軸方向一方側(上方側)に第1油圧ポンプ10aが挿通可能な開口を有するケーシング形状とされており、前記開口がセンターセクション30の下面で液密に閉塞されるように該センターセクション30に連結されている。
【0025】前記第2ハウジング22は、ポンプ軸方向他方側(下方側)に第2油圧ポンプ10bが挿通可能な開口を有するケーシング形状とされており、前記開口がセンターセクション30の上面で液密に閉塞されるように該センターセクション30に連結されている。
【0026】このように、本実施の形態においては、センターセクション30の下面と第1ハウジング21とによって第1ポンプ室収容空間が画され、センターセクション30の上面と第2ハウジング22とによって第2ポンプ室収容空間が画されている。好ましくは、図5に示すように、前記センターセクション30に、第1及び第2ポンプ室収容空間を連通する油流通孔36を形成することができる。斯かる油流通孔36を形成することによって、第1及び第2ポンプ室収容空間の双方を油タンクとして兼用することができる。
【0027】さらに、前記ポンプユニット1には、一端部が該ユニットの外方に開口してチャージ用吸入ポート34を形成し且つ他端部が前記一対の第1油路及び前記一対の第2油路のそれぞれに連通する共通のチャージライン33が、該ポンプユニット内に配されるように備えられている。
【0028】本実施の形態においては、前記チャージライン33は、一端部が第2ハウジング22の上面に開口して前記チャージ用吸入ポート34を形成し且つ他端部が第2油圧ポンプ室収容空間に開口するように該第2ハウジング22の周壁部に形成された第1穿孔部33aと、一端部が該第1穿孔部33aの他端部に接続され且つ他端部が前記センターセクション30に達するように該第2油圧ポンプ収容空間内に配されたパイプ部33bと、一端部が該パイプ部33bの他端部に接続され且つ他端部が前記一対の第1油路31a及び前記一対の第2油路31bのそれぞれに連通するように前記センターセクション30に形成された第2穿孔部33cとを有している。
【0029】このように共通のチャージライン33をポンプユニット1内に形成することにより、以下の効果を得ることができる。即ち、チャージポンプ等の油供給手段から前記チャージ用吸入ポート34に油を供給するだけで、前記一対の第1吸入/吐出ポート32a及び前記一対の第2吸入/吐出ポート32bを介して、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bに油を補給することができるので、油補給用の配管構造を簡略化させることができ、これにより、部品点数削減及び組立効率向上によるコストの低廉化を図ることができる。
【0030】さらに、チャージライン33がポンプユニット1内に配されているので、該チャージライン33が外部部材と干渉又は走行中の地上物と接触して破損する恐れがなく、該チャージライン33から外部へ油が漏れ出す危険性を有効に防止できる。斯かる油の漏れ出しを防止できる点は、芝刈り機等の芝生上を走行する車輌に使用される場合に、特に、有効である。
【0031】本実施の形態においては、前記第2油圧ポンプの第2ポンプ軸の上端部を第2ハウジングからさらに上方へ延在させ、該延在部にチャージポンプ50を設けている。そして、該チャージポンプ50の吐出口を前記チャージ用吸入ポート34に連通させている。前記チャージポンプの吐出口51は、チャージリリーフ弁52が介装された調圧ライン53にも連通しており、前記チャージリリーフ弁52によって、前記チャージライン33の油圧を設定できるように構成されている(図1参照)。前記調圧ライン53の後流端は、第2ハウジングの周壁部に形成されたドレンポート35を介して、油タンク150として兼用されるハウジング内に連通している。なお、図2における符号55はチャージポンプの吸入口である。また、符号56は該吸入口に連通された吸入ポートであり、油タンク150に接続される。
【0032】なお、前記チャージライン33の後端部は、図1及び図5に示すように、一対の第1油路31a及び一対の第2油路31bの各々とそれぞれチェック弁61a,61b,61c,61dを介して連通されており、該チャージライン33から一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bの双方の低圧側に圧油が供給され、且つ、その逆には圧油が流出しないように構成されている。
【0033】一対の第1油路31aの少なくとも何れか一方とチャージラインとの間、及び一対の第2油路31bの少なくとも何れか一方とチャージラインとの間には、絞り弁を備えたバイパスライン62a,62bが形成されている(図1及び図5参照)。
【0034】該バイパスライン62a,62bは、油圧ポンプ10a,10bの中立状態を安定して確保するためのものである。即ち、油圧ポンプ10a,10bの可動斜板14a,14bが中立位置から少しでも傾斜すると、一対の第1油圧ライン140aの間及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に圧力差が生じ、これによって、油圧モータ130a,130bが回転する。従って、製造誤差等によって前記可動斜板14a,14bの中立位置が設定位置から少しでもずれていると、使用者の意に反して油圧モータ130a,130bが回転することになる。これに対し、前述のように、バイパスライン62a,62bを設けていると、該パイパスライン62a,62bを介して油圧ライン140a,140bから圧油がリークするので、可動斜板14a,14bが中立位置にあるべき場合において製造誤差等によって傾斜する場合であっても、一対の第1油圧ライン140aの間、及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に生じる圧力差を有効に抑え、油圧モータ120a,120bの意に反した回転を有効に防止することができる。
【0035】なお、バイパスライン62a,62bによる一対の油圧ライン140a,140bからの圧油のリークは、油圧ポンプ10a,10bと油圧モータ120a,120bとの間の伝動効率の点からは好ましくない為、該バイパスラインは、チャージライン33と一対の第1油路31aの一方及び一対の第2油路31bの一方との間にのみ設けるのが好ましい。
【0036】さらに、好ましくは、図5に示すように、前記チェック弁61a,61b,61c,61dにそれぞれ開放手段63を設け、緊急時には、一対の第1油路31間、並びに、一対の第2油路31b間を強制的に連通させ得るようにすることができる。斯かる開放手段63を設けることによって、駆動源100や油圧ポンプ10a,10bの故障時等において人力等で車輌を強制的に動かす(車輪を強制的に回転させる)必要がある場合において、容易に車輌を動かすことが可能となる。即ち、一対の第1油路31a及び/又は一対の第2油路31bが閉じた状態で油圧モータ120a,120bが連結された車輪を強制的に回転させると、該油圧モータ120a,120bの回転によって、一対の第1油圧ライン31a間、及び一対の第2油圧ライン31b間に圧力差が生じ、車輌を移動(車輪を回転)させることが困難となる。これに対し、前記開放手段を設けておくと、全てのチェック弁61a,61b,61c,61dを強制的に機械的に開放させて、前記一対の第1油路31a間及び一対の第2油路31b間を連通させることができるので、車輌の強制的な移動を容易に行うことが可能となる。なお、図5に示すように、全ての開放手段63をセンターセクション30の同一面側に配置しておくことによって、該開放手段63も連動連係されるリンク機構を容易に構成することができる。
【0037】また、本実施の形態においては、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bへの油供給部材として、チャージポンプ50を備え、強制的に前記チャージ用吸入ポート34に圧油を供給するように構成したが、チャージポンプを備えることなく、チャージ用吸入ポート34を油タンクに接続しておき、一対の油圧ラインの低圧側ラインの油圧が所定値より下がった場合に自然に油が吸引されるように構成することも可能である。
【0038】さらに、本実施の形態においては、図2に示すように、前記チャージライン33を、第2ハウジング22の周壁部に形成した第1穿孔部33aと、第2油圧ポンプ収容室に配したパイプ部33bと、センターセクションに形成した第2穿孔部33cとからなるように構成したが、本発明は斯かる形態に限られるものではない。例えば、図6及び図7に示すように、チャージライン33を、パイプ部33bを用いることなく、第2ハウジング22に形成した第3穿孔部33dと、センターセクション30に形成した第24孔部33eとからなるように構成することも可能である。
【0039】実施の形態2.以下、本発明に係るポンプユニットの好ましい第2の実施の形態につき、図8〜図10を参照しつつ、説明する。図8は本実施の形態に係るポンプユニット1′の縦断側面図であり、図9及び図10はそれぞれ図8におけるE−E線及びF−F線断面図である。なお、前記実施の形態1におけると同一部材又は相当部材には、同一符号又は同一符号にダッシュを付してその説明を省略する。
【0040】図8に示されるように、前記ポンプユニット1′は、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを収容する共通のハウジング20と、該第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bをそれぞれ支持する第1センターセクション30a及び第2センターセクション30bとを備えている。
【0041】前記共通ハウジング20は、ポンプ軸11a,11bの軸線方向一方側(本実施の形態においては下方側)及び他方側(本実施の形態においては上方側)にそれぞれ第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを挿入可能な第1開口20a及び第2開口20bが形成されている。
【0042】さらに、該共通ハウジング20には、ポンプ軸方向略中央部分に、仕切壁20cが形成されており、該仕切壁20cによって、第1ポンプ室収容空間及び第2ポンプ室収容空間に区画されている。該仕切壁20cは、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの連結部分を軸受支持する軸受部を有している。具体的には、前記実施の形態1におけると同様に、第1ポンプ軸11aの伝動方向後端部(上端部)及び第2ポンプ軸11bの伝動方向前端部(下端部)に相対回転不能に外挿される連結部材16を備え、該連結部材16を前記仕切壁に形成した軸受孔20dに相対回転自在に支持させている。なお、前記仕切壁20cには、第1油圧ポンプ収容室と第2油圧ポンプ収容室とを連通する油流通路20eを形成することができる。斯かる油流通路20eを形成しておくことによって、ハウジング全体を油タンクとして使用することができる。
【0043】前記第1センターセクション30aは、上面側において第1油圧ポンプ10aを支持すると共に、前記ハウジングの第1開口20aを閉塞するように該ハウジング20に連結されている。第1油圧ポンプ10aの第1ポンプ軸11aは、伝動方向前端部(下端部)が前記第1センターセクション30aを貫通して下方に延在しており、該下方延在部から動力を入力し得るようになっている。
【0044】他方、前記第2センターセクション30bは、下面側において第2油圧ポンプ10bを支持すると共に、前記ハウジング20の第2開口20bを閉塞するように該ハウジング20に連結されている。第2油圧ポンプ10bの第2ポンプ軸11bは、伝動方向後端部(上端部)が前記第2センターセクション30bを貫通して上方に延在しており、該上方延在部にチャージポンプ50及び冷却ファン110が駆動されている。
【0045】前記第1センターセクション30aには、図1及び図10に示すように、一端部が第1ピストンユニット12aの吸入/吐出口に連通するように該第ピストンユニットと向き合う面(上面)に開口し且つ他端部が外方に開口する第1油圧ポンプ用の一対の第1油路31aが形成されている。該一対の第1油路31aの他端開口は、第1油圧モータ120aとの間の一対の第1油圧ライン140aとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32aを形成している。
【0046】同様に、前記第2センターセクション20bには、図1及び図9に示すように、一端部が第2ピストンユニット12bの吸入/吐出口に連通するように該第2ピストンユニットと向き合う面(下面)に開口し且つ他端部が外方に開口する第2油圧ポンプ用の一対の第1油路31bが形成されている。該一対の第2油路31bの他端開口は、第2油圧モータ120bとの間の一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第2吸入/吐出ポート32bを形成している。
【0047】前記実施の形態1におけると同様に、本実施の形態に係るポンプユニット1′には、一端部が該ユニットの外方に開口してチャージ用吸入ポート34を形成し且つ他端部が前記一対の第1油路及び前記一対の第2油路のそれぞれに連通する共通のチャージライン33′が、該ポンプユニット内に配されるように備えられている。
【0048】該チャージライン33′は、図8〜図10に示されるように、一端部が第2センターセクションの上面に開口して前記チャージ用吸入ポート34を形成し且つ他端部が前記チェック弁61c,61dを介して前記一対の第2油路31bに連通すると共に第2油圧ポンプ収容室に開口するように該第2センターセクションに形成された第1穿孔部33a′と、一端部が該第1穿孔部33a′の他端部に接続され且つ他端部が第2油圧ポンプ収容室,仕切壁20c及び第1油圧ポンプ収容室を貫通して第1センターセクション30aに達するように配されたパイプ部33b′と、一端部が該パイプ部33b′の他端部に接続され且つ他端部が前記チェック弁61a,61bを介して前記一対の第1油路31aに連通するように前記第1センターセクション30aに形成された第2穿孔部33c′とを有している。
【0049】このように構成された本実施の形態に係るポンプユニットにおいても、前記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
【0050】なお、前記パイプ部33b′に代えて、一端部が前記第1穿孔部33a′の他端部に接続され且つ他端部が前記第2穿孔部33c′の一端部に接続されるように共通ハウジング20の周壁部に流通孔を穿孔することも可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るタンデムポンプユニットによれば、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、一端部が該ポンプユニットの外方に開口し且つ他端部が前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインに連通するチャージラインを有し、該チャージラインを該ポンプユニット内に配するように構成したので、チャージポンプ等の油供給部材を前記チャージラインの一端開口に接続するだけで、一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインの双方に油を補給することができ、油補給用配管を簡略化させることができる。従って、部品点数削減及び組立効率向上によるコストの低廉化を図れると共に、メンテナンス時における作業効率も向上させることができる。
【0052】さらに、前記チャージラインがポンプユニット内に配されているので、該チャージラインが外部部材と接触して破損等することを有効に防止でき、該チャージラインからの油の漏れ出しを防止できる。斯かる点は、芝刈り機等の芝生上を走行することを想定されている車輌に用いられる場合に、特に有効である。
【出願人】 【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
【出願日】 平成11年10月18日(1999.10.18)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外2名)
【公開番号】 特開2001−116107(P2001−116107A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−295994