| 【発明の名称】 |
タンデムポンプユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】大橋 良太
【氏名】李沢 博則
|
| 【要約】 |
【課題】車輌への取付作業の簡略化及び部品点数削減によるコストの低廉化を図り得るタンデムポンプユニットを提供する。
【解決手段】第1,第2油圧ポンプ10a,10bを収容する共通ハウジング20と、各油圧ポンプをそれぞれ支持する第1,第2のセンターセクション30a,30bとを備え、前記共通ハウジングは、ポンプ軸の軸線方向両端側にそれぞれ形成された第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ挿入し得る第1及び第2開口20a,20bと、該第1及び第2開口間の中途部分に形成された軸受壁20cとを有し、前記第1及び第2センターセクションは、それぞれ、第1及び第2ポンプを支持した状態で、前記第1及び第2開口を閉塞するように、前記共通ハウジングに連結され、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結部分は、前記共通ハウジングの軸受壁によって支持される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに同軸上で直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、前記第1及び第2油圧ポンプを収容する共通のハウジングと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ支持する第1及び第2のセンターセクションとを備え、前記共通ハウジングは、前記ポンプ軸の軸線方向両端側にそれぞれ形成された第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ挿入し得る第1及び第2開口と、該第1及び第2開口間の中途部分に形成された軸受壁とを有し、前記第1及び第2センターセクションは、それぞれ、第1及び第2ポンプを支持した状態で、前記第1及び第2開口を閉塞するように、前記共通ハウジングに連結され、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結部分は、前記共通ハウジングの軸受壁によって支持されることを特徴とするタンデムポンプユニット。 【請求項2】 前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結部分に相対回転不能に外挿される連結継手を有していることを特徴とする請求項1に記載のタンデムポンプユニット。 【請求項3】 前記連結継手は、前記軸受壁に形成された軸受孔にベアリング部材を介して相対回転自在に支持されていることを特徴とする請求項2に記載のタンデムポンプユニット。 【請求項4】 前記第1及び第2ポンプは、クレイドルタイプの可動斜板を有する可変容積型アキシャルピストンポンプであり、前記軸受壁の第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと向き合う面に、該可動斜板の背面側の凸状円弧面を摺動自在に案内する案内面が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のタンデムポンプユニット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧モータを備えたポンプユニットに関する。 【0002】 【従来の技術】左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータをそれぞれ連結させてなる車輌において、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを備え、該第1及び第2油圧ポンプの吸入/吐出油量を操作することによって、前記第1及び第2油圧モータの出力を変化させ、これにより、左右の駆動車輪の回転速度及び回転方向をコントロールし得るように構成することは、例えば、米国特許第4920733号公報に記載されているように公知である。 【0003】しかしながら、前記米国特許公報に記載の車輌においては、前記第1油圧モータと共働する第1油圧ポンプと、前記第2油圧モータと共働する第2油圧ポンプとが分離されており、従って、第1及び第2油圧ポンプの車輌への取付作業や配管作業が煩雑である、各油圧ポンプ用のハウジングが必要となる等の種々の不都合があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられ、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインで接続される第1及び第2油圧ポンプを直列に連結してなるタンデムポンプユニットであって、車輌への取付作業の簡略化及び部品点数削減によるコストの低廉化を図り得るタンデムポンプユニットを提供することを一つの目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに同軸上で直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、前記第1及び第2油圧ポンプを収容する共通のハウジングと、前記第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ支持する第1及び第2のセンターセクションとを備え、前記共通ハウジングは、前記ポンプ軸の軸線方向両端側にそれぞれ形成された第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ挿入し得る第1及び第2開口と、該第1及び第2開口間の中途部分に形成された軸受壁とを有し、前記第1及び第2センターセクションは、それぞれ、第1及び第2ポンプを支持した状態で、前記第1及び第2開口を閉塞するように、前記共通ハウジングに連結され、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結部分は、前記共通ハウジングの軸受壁によって支持されるタンデムポンプユニットを提供する。 【0006】好ましくは、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸の連結部分に相対回転不能に外挿される連結継手を有するものとすることができる。 【0007】また、前記連結継手は、前記軸受壁に形成された軸受孔にベアリング部材を介して相対回転自在に支持されるものとすることができる。 【0008】また、前記第1及び第2ポンプが、クレイドルタイプの可動斜板を有する可変容積型アキシャルピストンポンプである場合、前記軸受壁の第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと向き合う面に、該可動斜板の背面側の凸状円弧面を摺動自在に案内する案内面を形成することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るポンプユニットの好ましい一実施の形態につき、図1〜図6を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係るポンプユニット1が適用される車輌の油圧回路図であり、図2は前記ポンプユニット1付近の縦断側面図である。また、図3は図2におけるA−A線断面図である。 【0010】図1〜図3に示すように、前記ポンプユニット1は、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるものであって、前記第1及び第2油圧モータ120a,120bとそれぞれ第1及び第2の一対の油圧ライン140a,140bで接続される第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを有し、該第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bのポンプ軸11a,11bが互いに同軸上で直列連結されてなるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧ポンプ10a,10bを収容する共通のハウジング20と、前記第1及び第2油圧ポンプ10a,10bをそれぞれ支持する第1及び第2のセンターセクション30a,30bとを備えている。 【0011】なお、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなるとは、各油圧モータがそれぞれ各駆動車輪に直結される場合に加えて、各油圧モータが適宜の動力伝達機構を介して各駆動車輪に作動的に接続される態様も含まれる。 【0012】又、本実施の形態においては、ポンプユニット1を、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが垂直方向に延びるように配置されてなる垂直型(vertical type)としたが、本発明は斯かる形態に限られるものではなく、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが水平方向に延びるように配置されてなる水平型(horizontaltype)とすることも当然に可能である。又、図1において、符号100は駆動源、符号110は冷却ファン、符号150は油タンクである。 【0013】図2及び図3に示されるように、前記共通ハウジング20は、前記ポンプ軸の軸方向両端側にそれぞれ形成された,第1及び第2油圧ポンプ10a,10bをそれぞれ挿入し得る第1及び第2開口20a,20bと、該第1及び第2開口20a,20b間の中途部分に形成された軸受壁20cとを有している。 【0014】前記第1及び第2開口20a,20bは、それぞれ、前記第1センターセクション30a及び第2センターセクション30bによって、液密に閉塞されるようになっている。このように、前記ハウジング20は、前記軸受壁20cと第1センターセクション20aとによって画される第1油圧ポンプ収容室と、前記軸受壁20cと第2センターセクションとによって画される第2油圧ポンプ収容室とを有すると共に、油タンク150としても兼用し得るようになっている。 【0015】図4に、図3におけるB−B線断面図を示す。図2〜図4に示されるように、前記第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bは可変容積型アキシャルピストンポンプとされており、それぞれ、互いに同軸上に配され軸線回り相対回転不能に連結された第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bと、該ポンプ軸の回転に伴って往復運動を行う第1ピストンユニット12a及び第2ピストンユニット12bと、該ピストンユニットを往復動自在に支持する第1シリンダブロック13a及び第2シリンダブロック13bと、傾斜角によって、前記ピストンユニットのストローク長を規制し、該ピストンユニットの吸入/吐出油量を変化させる第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bと、該可動斜板の傾斜角を操作する第1制御軸15a及び第2制御軸15bとを有している。 【0016】前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bは、それぞれ、内方端部が第1ハウジング21及び第2ハウジング22内に突入されてトラニオンタイプに構成された第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bの傾転中心上に接続され、外方端部がポンプ軸11a,11bと直交する左右方向に互いに離間するように第1及び第2ハウジング21,22から外方へ延びている。第1制御軸15a及び第2制御軸15bをこのように配置させることによって、該ポンプユニット1をプッシュプル形式の操作レバーを有する車輌に設置する場合に、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bの回転軸心を前記操作レバーの回動支点と平行に配置でき、従って、第1制御軸15a及び第2制御軸15bと前記操作レバーとを接続するリンク機構の構造を簡略化させることができる。 【0017】図5に図4におけるC−C線断面図を示す。図2,図3及び図5に示されるように、前記第1センターセクション30aは、共通ハウジング20と向き合う面(本実施の形態においては上面)に第1油圧ポンプ10aを支持した状態で、前記共通ハウジング20の第1開口20aを閉塞するように、該共通ハウジング20に連結されている。前記第1油圧ポンプ10aの第1ポンプ軸11aは、伝動方向前端部(本実施の形態においては下端部)が前記第1センターセクション30aからさらに下方に延在しており、該延在部において駆動源100からの駆動力をベルト伝動装置等の適宜の動力伝達機構を介して入力すると共に、冷却ファン110を駆動し得るようになっている(図1等参照)。 【0018】他方、前記第2センターセクション30bは、図2,図3及び図5に示されるように、共通ハウジング20と向き合う面(本実施の形態においては下面)に第2油圧ポンプ10bを支持した状態で、前記共通ハウジング20の第2開口20bを閉塞するように、該共通ハウジング20に連結されている。前記第2油圧ポンプ10bの第2ポンプ軸11bは、伝動方向後端部(本実施の形態においては上端部)が前記第2センターセクション30bからさらに上方に延在しており、該延在部において後述するチャージポンプ50を駆動し得るようになっている。 【0019】前記第1ポンプ軸11aの伝動方向後端部(上端部)と前記第2ポンプ軸11bの伝動方向前端部(下端部)とは軸線回り相対回転不能に連結されており、該連結部分が前記共通ハウジング20の軸受壁20cに軸受支持されている。本実施の形態においては、前記第1ポンプ軸11aの上端部と第2ポンプ軸11bの下端部とに相対回転不能に外挿される連結継手16を備え、該連結継手16を前記軸受壁20cに形成した軸受孔20dにベアリング部材17を介して支持させ、これによって、第1ポンプ軸の上端部と第2ポンプ軸の下端部とを軸受壁において軸線回り相対回転不能に連結させている。なお、本実施の形態においては、ベアリング部材17として2個のボールベアリングを用い、該2個のボールベアリングを並置しているが、1個のボールベアリングだけで連結継手16を支持することも可能である。 【0020】図6及び図7に、それぞれ、図3におけるD−D線及びE−E線断面図を示す。図1及び図7に示すように、前記第1センターセクション30aには、一端部が第1ピストンユニット12aの吸入/吐出口に連通するようにポンプ軸方向一方面(上面)に開口し且つ他端部が他面において外方に開口する第1油圧ポンプ用の一対の第1油路31aが形成されている。該一対の第1油路31aの他端開口は、第1油圧モータ120aとの間の一対の第1油圧ライン140aの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32aを形成している。なお、前記第1センターセクション30aの四隅には、該第1センターセクションを車輌のシャーシに固定し得るように、取付ボスが一体的に形成されている(図7参照)。 【0021】他方、第2センターセクション30bには、図1及び図6に示すように、一端部が第2ピストンユニット12bの吸入/吐出口に連通するようにポンプ軸方向他方面(下面)に開口し且つ他端部が他面において外方に開口する第2油圧ポンプ用の一対の第2油路31bが形成されている。該一対の第2油路31bの他端開口は、第2油圧モータ120bとの間の一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第2吸入/吐出ポート32bを形成している。 【0022】さらに、前記第2センターセクションには、一端部が該第2センターセクション30bの上面に開口してチャージ用吸入ポート34を形成し且つ他端部が前記一対の第2油路31bに連通すると共に前記第2油圧ポンプ室収容空間に開口するように分岐された第1穿孔部33aが形成されている。前記チャージ用吸入ポート34は、前記第2センターセクション30bの上面に設置された前記チャージポンプ50の吐出口51に連通されており、該チャージポンプ50から圧油を直接に受け入れるようになっている。 【0023】そして、前記第1穿孔部33aの前記他端開口には、図5に示すように、パイプ部33bの一端部が接続されている。該パイプ部33bは、第2油圧ポンプ収容室,軸受壁22c及び第1油圧ポンプ収容室を貫通して、他端部が前記第1センターセクション30aに達するように該ポンプユニット内に配されている。なお、前記軸受壁22cに、第2油圧ポンプ収容室と第1油圧ポンプ収容室とを連通する油流通孔22fを形成しておき、該連通孔22fにパイプ部33bを挿通させることによって、該パイプ部33bを軸受壁22cに対し貫通させることができる(図4及び図5参照)。 【0024】そして、前記第1センターセクション30aには、一端部が該パイプ部33bの他端部に接続され且つ他端部が前記一対の第1油路31aのそれぞれに連通する第2穿孔部33cが形成されている。 【0025】このように、前記第1穿孔部33a,パイプ部33b及び第2穿孔部33cは、適宜の油供給手段(本実施の形態においてはチャージポンプ)から供給される油を、前記一対の第1油路31a及び前記一対の第2油路31bを介して、前記一対の第1油圧ライン140a及び前記一対の第2油圧ライン140bに補給する共通のチャージライン33を構成するものである(図1参照)。なお、前記パイプ部33bに代えて、ハウジング及びセンターセクションに穿孔部を形成することも可能である。 【0026】前述のように、本実施の形態においては、前記チャージライン33がポンプユニット1内に形成されており、これにより、以下の効果を得ることができる。即ち、チャージポンプ等の油供給手段から前記チャージ用吸入ポート34に油を供給するだけで、前記一対の第1吸入/吐出ポート32a及び前記一対の第2吸入/吐出ポート32bを介して、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bに油を補給することができるので、油補給用の配管構造を簡略化させることができ、これにより、部品点数削減及び組立効率向上によるコストの低廉化を図ることができる。 【0027】さらに、チャージライン33がポンプユニット1内に配されているので、該チャージライン33が外部部材と接触して破損する恐れがなく、該チャージライン33から外部へ油が漏れ出す危険性を有効に防止できる。斯かる油の漏れ出しを防止できる点は、芝刈り機等の芝生上を走行する車輌に使用される場合に、特に、有効である。 【0028】なお、前記チャージポンプ50の吐出口51は、前述のように、前記チャージ用吸入口34に連通していると共に、さらに、チャージリリーフ弁52が介装された調圧ライン53にも連通されている(図1及び図5等参照)。これにより、該チャージリリーフ弁52によって、前記チャージライン33の油圧を設定できるように構成されている(図1参照)。前記調圧ライン53の後流端は、第2センターセクション30bに形成されたドレンポート35を介して、油タンク150として兼用されるハウジング20内に連通している(図1及び図5等参照)。なお、図2における符号55はチャージポンプの吸入口である。また、符号56は該吸入口に連通された吸入ポートであり、油タンク150に接続される。 【0029】また、前記チャージライン33の一部を構成する第1穿孔部33aの後端部は、図1,図5及び図6に示すように、一対の第1油路31bの各々とそれぞれチェック弁61c,61dを介して連通されている。同様に、前記チャージライン33の一部を構成する第2穿孔部33cの後端部は、図1,図5及び図7に示すように、一対の第1油路31aの各々とそれぞれチェック弁61a,61bを介して連通されている。前記チェック弁61a,61b,61c,61dは、チャージライン33から一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bの双方の低圧側に圧油が供給され、且つ、その逆には圧油が流出しないようにする為のものである。 【0030】一対の第1油路31aの少なくとも何れか一方とチャージライン33との間、及び一対の第2油路31bの少なくとも何れか一方とチャージライン33との間には、絞り弁を備えたバイパスライン62a,62bが形成されている(図1,図6及び図7参照)。 【0031】該バイパスライン62a,62bは、油圧ポンプ10a,10bの中立状態を安定して確保するためのものである。即ち、油圧ポンプ10a,10bの可動斜板14a,14bが中立位置から少しでも傾斜すると、一対の第1油圧ライン140aの間及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に圧力差が生じ、これによって、油圧モータ130a,130bが回転する。従って、製造誤差等によって前記可動斜板14a,14bの中立位置が設定位置から少しでもずれていると、使用者の意に反して油圧モータ130a,130bが回転することになる。これに対し、前述のように、バイパスライン62a,62bを設けていると、該パイパスライン62a,62bを介して油圧ライン140a,140bから圧油がリークするので、可動斜板14a,14bが中立位置にあるべき場合において製造誤差等によって傾斜する場合であっても、一対の第1油圧ライン140aの間、及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に生じる圧力差を有効に抑え、油圧モータ120a,120bの意に反した回転を有効に防止することができる。 【0032】なお、バイパスライン62a,62bによる一対の油圧ライン140a,140bからの圧油のリークは、油圧ポンプ10a,10bと油圧モータ120a,120bとの間の伝動効率の点からは好ましくない為、該バイパスラインは、チャージライン33と一対の第1油路31aの一方及び一対の第2油路31bの一方との間にのみ設けるのが好ましい。 【0033】さらに、好ましくは、図6及び図7によく示されるように、前記チェック弁61a,61b,61c,61dにそれぞれ開放手段63を設け、緊急時には、一対の第1油路31間、並びに、一対の第2油路31b間を強制的に連通させ得るようにすることができる。斯かる開放手段63を設けることによって、駆動源100や油圧ポンプ10a,10bの故障時等において人力等で車輌を強制的に動かす(車輪を強制的に回転させる)必要がある場合において、容易に車輌を動かすことが可能となる。即ち、一対の第1油路31a及び/又は一対の第2油路31bが閉じた状態で油圧モータ120a,120bが連結された車輪を強制的に回転させると、該油圧モータ120a,120bの回転によって、一対の第1油圧ライン31a間、及び一対の第2油圧ライン31b間に圧力差が生じ、車輌を移動(車輪を回転)させることが困難となる。これに対し、前記開放手段を設けておくと、全てのチェック弁61a,61b,61c,61dを強制的に機械的に開放させて、前記一対の第1油路31a間及び一対の第2油路31b間を連通させることができるので、車輌の強制的な移動を容易に行うことが可能となる。 【0034】なお、図4に示すように、全ての開放手段63をセンターセクション30の同一面側に配置しておくことによって、該開放手段63に連動連係されるリンク機構を容易に構成することができる。 【0035】また、本実施の形態においては、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bへの油供給部材として、チャージポンプ50を備え、強制的に前記チャージ用吸入ポート34に圧油を供給するように構成したが、チャージポンプを備えることなく、チャージ用吸入ポート34を油タンクに接続しておき、一対の油圧ラインの低圧側ラインの油圧が所定値より下がった場合に自然に油が吸引されるように構成することも可能である。 【0036】このように、本実施の形態に係るタンデムポンプユニット1においては、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを共通のハウジング20に収容するように構成したので、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bの各々に専用のハウジングが必要であった従来に比して、部品点数削減によるコストの低廉化を図ることができる。 【0037】さらに、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bが収容された単一の共通ハウジング20を車輌に取り付けるだけで、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bの双方を車輌に設置することができるので、車輌の組立作業効率も向上させることができる。 【0038】また、前記共通ハウジング20を、ポンプ軸方向一方側及び他方側にそれぞれ第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを挿入可能な第1及び第2開口20a,20bを有すると共に、該第1及び第2開口20a,20b間に第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの連結部分を軸受支持する軸受壁20cを有するものとし、さらに、前記第1開口20a及び第2開口20bをそれぞれ第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bを各々支持した第1センターセクション30a及び第2センターセクション30bで閉塞し得るように構成したので、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bをそれぞれ第1センターセクション30a及び第2センターセクション30bに支持させてから、該第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bをそれぞれポンプ軸一方側及び他方側から前記共通ハウジング20内に収容させることができる。従って、タンデムポンプユニットの組立効率を向上させることができる。また、ケーシング20を車輌に取り付けままで、何れか一方又は双方の油圧ポンプを容易に取り外すことができる。従って、メンテナンス時等における作業効率も向上し得る。 【0039】さらに、第1センターセクション30a及び第2センターセクション30bを共通ハウジング20の両端部に配し、第1油圧ポンプ10aと第2油圧ポンプ10bとの間にはセンターセクションが位置しないように構成しているので、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの連結部分における設計の自由度を向上させることができる。即ち、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとの間にセンターセクションが配されていると、該センターセクションに形成された油路に干渉しないように、第1ポンプ軸と第2ポンプ軸とを連結させる必要があり、これによって、設計の自由度が損なわれ、場合によってはポンプユニット自体の大型化を招く恐れがあるが、本実施の形態においては斯かる不都合が生じない。 【0040】なお、本実施の形態においては、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bの可動斜板をトラニオンタイプとしたが、当然ながら、本発明はクレイドルタイプの可動斜板にも適用可能である。図8及び図9は、クレイドルタイプの可動斜板を有する油圧ポンプを備えてなる本発明に係るタンデムポンプユニットの縦断正面図及び縦断側面図である。 【0041】図9に示すように、クレイドルタイプの可動斜板を有する油圧ポンプの場合には、軸受壁20c′の油圧ポンプ10a′,10b′と向き合う面に、該クレイドルタイプの可動斜板におけるピストンユニット12a,12bとは離間する側(背面側)の凸状円弧面18に対応する凹状円弧面20eを形成することができ、これにより、可動斜板14a,14bの凸状円弧面18を安定して案内することができる。従って、該可動斜板14a,14bの安定した位置設定を行うことができる。 【0042】さらに、本実施の形態においては、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの連結部分に相対回転不能に外挿された連結継手16の外周面と、軸受壁20cに形成した軸受孔20d内周面との間に、ベアリング部材17を介装し、これによって、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの連結部分を軸線回り相対回転不能に連結しつつ軸受支持し得るように構成したが、図10に示すように、第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bの外周面と前記軸受孔20dとの間にそれぞれベアリング部材17を介装することも可能である。 【0043】また、本実施の形態においては、前記軸受壁20cをハウジング20に一体成形されるものとしたが、これに代えて、ハウジング20に別途、取り付けるものとすることも可能である。 【0044】 【発明の効果】本発明に係るタンデムポンプユニットによれば、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるタンデムポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続される第1及び第2の油圧ポンプを一体的に有し、該第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が互いに同軸上で直列連結されてなるタンデムポンプユニットにおいて、第1及び第2油圧ポンプを収容する共通のハウジングと、第1及び第2油圧ポンプをそれぞれ支持する第1及び第2センターセクションとを備えるようにしたので、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの各々に専用のハウジングが必要であった従来に比して、部品点数削減によるコストの低廉化を図ることができる。さらに、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプが収容された単一の共通ハウジングを車輌に取り付けるだけ、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの双方を車輌に設置することができるので、車輌の組立作業効率も向上させることができる。 【0045】また、前記共通ハウジングは、ポンプ軸方向一方側及び他方側にそれぞれ第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを挿入可能な第1及び第2開口を有すると共に、該第1及び第2開口間に第1ポンプ軸及び第2ポンプ軸の連結部分を軸受支持する軸受部を有するものとし、さらに、前記第1開口及び第2開口をそれぞれ第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを各々支持した第1センターセクション及び第2センターセクションで閉塞し得るように構成したので、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれ第1センターセクション及び第2センターセクションに支持させてから、該第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプをそれぞれポンプ軸一方側及び他方側から前記共通ハウジング内に収容させることができる。従って、タンデムポンプユニットの組立効率を向上させることができる。また、ケーシングを車輌に取り付けままで、何れか一方又は双方の油圧ポンプを容易に取り外すことができる。従って、メンテナンス時等における作業効率も向上し得る。 【0046】さらに、第1センターセクション及び第2センターセクションを共通ハウジングの両端部に配し、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとの間にはセンターセクションが位置しないように構成しているので、第1ポンプ軸及び第2ポンプ軸の連結部分における設計の自由度を向上させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000125853 【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
|
| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−116106(P2001−116106A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295992 |
|