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【発明の名称】 2連ポンプユニット
【発明者】 【氏名】大橋 良太

【氏名】李沢 博則

【要約】 【課題】駆動源に連結された第1,第2油圧ポンプとの共働する第1,第2油圧ポンプを有する2連ポンプユニットであって、油圧モータ及び油圧ポンプ間の配管作業を簡略化し得る2連ポンプユニットを提供する。

【解決手段】前記第1及び第2ポンプ10a,10bは、共通のセンターセクション20を支持させ、該センターセクション20に、それぞれ、一端部が外方に開口して一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32a及び一対の第2吸入/吐出ポート32bを形成し且つ他端部が第1及び第2油圧ポンプに連通する一対の第1油路31a及び一対の第2油路31bを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられ、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインでそれぞれ接続された第1及び第2の油圧ポンプが共通のハウジング内に並列に収容されてなる2連ポンプユニットであって、前記第1及び第2ポンプは、共通のセンターセクションに支持されており、該センターセクションには、それぞれ、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されていることを特徴とする2連ポンプユニット。
【請求項2】 前記センターセクションには、前記第1及び第2油圧ラインに、圧油を供給する共通のチャージ油路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の2連ポンプユニット。
【請求項3】 前記第1及び第2吸入/吐出ポートは、前記センターセクションの同一側面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2連ポンプユニット。
【請求項4】 前記第1及び第2油圧ポンプのポンプ軸を連結する動力伝達機構が前記ハウジング内に備えられており、該ハウジングは、前記第1及び第2油圧ポンプと前記動力伝達機構との間に、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が貫通し得る仕切壁を有し、該仕切壁によってポンプ収容室と動力伝達機構収容室とに区画されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の2連ポンプユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるポンプユニットであって、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ共働する第1及び第2の油圧モータを備えたポンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータをそれぞれ連結させてなる車輌において、前記第1及び第2油圧モータとそれぞれ共働する第1及び第2の油圧ポンプを備え、該第1及び第2油圧ポンプの吸入/吐出油量を操作することによって、前記第1及び第2油圧モータの出力を変化させ、これにより、左右の駆動車輪の回転速度及び回転方向をコントロールし得るように構成することは、例えば、米国特許第4920733号公報に記載されているように公知である。
【0003】しかしながら、前記米国特許公報に記載の車輌においては、前記第1油圧モータと共働する第1油圧ポンプと、前記第2油圧モータと共働する第2油圧ポンプとが分離されており、従って、第1及び第2油圧ポンプと第1及び第2油圧モータとの間の配管作業やポンプユニットの組立作業が煩雑である等の種々の不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられ、前記第1及び第2油圧モータの各々と共働する第1及び第2油圧ポンプを有するポンプユニットであって、油圧モータ及び油圧ポンプ間の配管作業やポンプユニットの組立作業を簡略化し得るポンプユニットを提供することを一つの目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達成するために、左右の駆動車輪に第1及び第2の油圧モータがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられ、前記第1及び第2油圧モータの各々と一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインでそれぞれ接続された第1及び第2の油圧ポンプが共通のハウジング内に並列に収容されてなる2連ポンプユニットであって、前記第1及び第2ポンプは、共通のセンターセクションに支持されており、該センターセクションには、それぞれ、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートが形成されている2連ポンプユニットを提供する。
【0006】好ましくは、前記センターセクションに、前記第1及び第2油圧ラインの双方へ圧油を供給する共通のチャージ油路を形成することができる。
【0007】また、好ましくは、前記第1及び第2吸入/吐出ポートは、前記センターセクションの同一側面に形成されるものとすることができる。
【0008】また、前記第1及び第2油圧ポンプのポンプ軸を連結する動力伝達機構が前記ハウジング内に備えられており、該ハウジングは、前記第1及び第2油圧ポンプと前記動力伝達機構との間に、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が貫通し得る仕切壁を有し、該仕切壁によってポンプ収容室と動力伝達機構収容室とに区画されているものとすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、本発明に係るポンプユニットの好ましい第1の実施の形態につき、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係るポンプユニット1が適用される車輌の油圧回路図であり、図2は前記ポンプユニット付近の縦断正面図である。また、図3〜図5は、それぞれ、図2におけるA−A線、B−B線及びC−C線断面図である。
【0010】図1〜図3に示すように、前記ポンプユニット1は、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなる車輌に用いられるものであって、前記第1及び第2油圧モータ120a,120bとそれぞれ第1及び第2の一対の油圧ライン140a,140bで接続される第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bと、これらの油圧ポンプ10a,10bを収容する共通のハウジング20とを有している。なお、左右の駆動車輪130a,130bに第1及び第2の油圧モータ120a,120bがそれぞれ連結されてなるとは、各油圧モータがそれぞれ各駆動車輪に直結される場合に加えて、各油圧モータが適宜の動力伝達機構を介して各駆動車輪に作動的に接続される態様も含まれる。また、図1において、符号100は駆動源、符号110は冷却ファンであり、符号150は油タンクである。
【0011】図2、図3及び図5に示されるように、前記第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bは、それぞれ、可変容積型アキシャルピストンポンプとされており、前記ハウジング20内において互いに車輌幅方向に平行に配置された垂直方向に延びる第1ポンプ軸11a及び第2ポンプ軸11bと、該ポンプ軸の回転に伴って往復運動を行う第1ピストンユニット12a及び第2ピストンユニット12bと、該ピストンユニットを往復動自在に支持する第1シリンダブロック13a及び第2シリンダブロック13bと、傾斜角によって、前記ピストンユニットのストローク長を規制し、該ピストンユニットの吸入/吐出油量を変化させる第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bと、該可動斜板の傾斜角を操作する第1制御軸15a及び第2制御軸15bとを有している。なお、本実施の形態においては、ポンプユニット1を、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが垂直方向に延びるように配置されてなる垂直型(vertical type)としたが、本発明は斯かる形態に限られるものではなく、第1及び第2ポンプ軸11a,11bが水平方向に延びるように配置されてなる水平型(horizontal type)とすることも当然に可能である。
【0012】図2によく示すされるように、本実施の形態においては、前記第1及び第2可動斜板14a,14bとして、クレイドルタイプの可動斜板を用いている。
【0013】図2及び図5に示されるように、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bは、それぞれ、内方端部がハウジング20内に突入されて、アーム16a,16bを介して、第1可動斜板14a及び第2可動斜板14bに接続されている。そして、第1制御軸15a及び第2制御軸15bの外方端部は、車輌の幅方向に沿って、互いに離間する方向に延びている。第1制御軸15a及び第2制御軸15bをこのように構成することによって、該ポンプユニット1をプッシュプル形式の操作レバーを有する車体に設置する場合に、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bの回転軸心を前記操作レバーの回動支点と平行に配置でき、従って、第1制御軸15a及び第2制御軸15bと前記操作レバーとを接続するリンク機構の構造を簡略化させることができる。
【0014】さらに、好ましくは、図2に示すように、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bを、車輌長手方向に関し、略同位置に位置するようにすることができる。このように構成することによって、前記第1制御軸15a及び第2制御軸15bと前記操作レバーとの車輌長手方向位置を合わせることができ、前記リンク機構の構造をより簡略化させることができる。
【0015】前記ポンプユニット1は、さらに、前記第1及び第2油圧ポンプ10a,10bを支持する共通のセンターセクション30と、前記ハウジング20に収容され、前記第1及び第2油圧ポンプ軸11a,11bを作動的に連結する動力伝達機構40とを備えている。
【0016】前記動力伝達機構40を備えることにより、駆動源と第1又は第2ポンプ軸11a,11bの何れか一方(本実施の形態においては、第1ポンプ軸11a)とを接続するだけで、双方のポンプ軸11a,11bを同時に駆動させることができ、これにより、駆動源から該ポンプユニット1への伝動構造を簡略化させることができる。本実施の形態においては、前記動力伝達機構40として、第1ポンプ軸11aの下方側に相対回転不能に支持される第1歯車40aと、前記第2ポンプ軸11bの下方側に相対回転不能に支持され且つ前記第1歯車40aと噛合する第2歯車40bとを備えてなる歯車伝動装置を用いている。なお、該歯車伝動装置に代えて、チェーンやベルト等適宜の動力伝達機構を用いることも可能である。
【0017】前記ハウジング20は、図2及び図3に示されるように、第1及び第2油圧ポンプ10a,10bを収容する第1ハウジング21と、前記動力伝達機構40を収容する第2ハウジング25とを有している。
【0018】前記第1ハウジング21は、前記ポンプ軸11a,11bの長手方向一方側(本実施の形態においては下方側であり、以下、下方側という)に配され、前記第1及び第2ポンプ軸11a,11bが挿通可能な第1側壁部22と、該第1側壁部22の周縁部から前記ポンプ軸11a,11bの長手方向他方側(本実施の形態においては、上方側であり、以下、上方側という)に延びる周壁部23とを有する箱形とされており、上方側の端面には、第1油圧ポンプ10a及び第2油圧ポンプ10bが挿入可能な開口が形成されている。そして、該第1ハウジング21の前記開口は、前記センターセクション30によって液密に閉塞されている。即ち、本実施の形態においては、センターセクション30が第1ハウジング21の一部を構成するようになっている。なお、前記第1及び第2制御軸15a,15bの外方端部は、それぞれ、前記第1ハウジング21の周壁部23から車輌幅方向に沿って且つ互いに離間する方向に突出している。
【0019】前記第2ハウジング25は、下方側に配され、第1ポンプ軸11aの下方側端部が挿通可能な軸受孔及び第2ポンプ軸11bの下方側端部を軸受支持する軸受部が形成された下方側壁26と、該下方側壁26の周縁部から上方に延在した周壁部27とを有する箱形とされており、上方側の端面には、前記動力伝達機構40が挿入可能な開口が形成されている。
【0020】該第2ハウジング25は、前記開口が前記第1ハウジング21の第1側壁部22によって液密に閉塞されるように、前記第1ハウジング21に連結されており、前記第1ハウジング21の第1側壁22との共働下に前記動力伝達機構40の収容空間を形成するようになっている。
【0021】前記ハウジング20は前述のように構成されており、第1ハウジング21の第1側壁部22がハウジング収容空間を油圧ポンプ収容室と動力伝達機構収容室とに画する仕切壁として機能している。このように、油圧ポンプ収容室と動力伝達機構収容室とを仕切壁によって画することにより、前記動力伝達機構40で発生する鉄粉等の異物が油圧ポンプ収容室に入り込み、ピストンユニット12a,12bやシリンダブロック13a,13bを損傷させることを有効に防止できる。さらに、仕切壁22を貫通する第1及び第2ポンプ軸11a,11bの外周面にシールリングを設置しておけば、前記異物の侵入を確実に阻止することができる。
【0022】なお、前記ハウジング20における各軸11a,15a,15bの挿通部分は適宜のシール手段によって液密にシールされており、該ハウジング20を油タンク150として兼用し得るようになっている。
【0023】さらに、好ましくは、仕切壁として機能する前記第1側壁部22に油圧ポンプ収容室と動力伝達機構収容室とを連通する油流通孔22aを形成し、該油流通孔22aに異物等の混入を防止するフィルタ22bを設けることができる。このように、油流通孔22aを形成しておけば、動力伝達機構用の潤滑油を別途供給することなく、ハウジング内の貯留油で動力伝達機構40を潤滑することができ、低コスト化及びメンテナンス性向上を図ることができる。
【0024】さらに、本実施の形態においては、前述のように、前記第1及び第2可動斜板14a,14bをクレイドルタイプとしているので、図3に示すように、前記仕切壁22の油圧ポンプ10a,10bと向き合う面に、前記可動斜板14a,14bにおけるピストンユニット12a,12bとは離間する側(背面側)の凸状円弧面16に対応する凹状円弧面22cを形成しておけば、該凹状円弧面22cによって可動斜板14a,14bの凸状円弧面16を摺動自在に案内することができ、該可動斜板14a,14bの安定した位置設定を行うことができる。なお、図3においては、仕切壁22のうち第1可動斜板14aに対応する部分だけが示されているが、当然に、仕切壁22のうち第2可動斜板14bに対応する部分にも前記凹状円弧面22cを形成される。
【0025】なお、本実施の形態においては、第1ハウジング21の第1側壁部22を仕切壁として用いたが、これに代えて、前記作用を果たす限りにおいて種々の形態が適用可能である。例えば、ハウジングを単純な単一の箱形とし、該単一の箱形の中途部分に仕切壁を別途、取り付けるように構成することも可能である。
【0026】次に、センターセクション30について説明する。センターセクション30には、図4に示すように、第1ピストンユニットに連通する第1油圧ポンプ用の一対の第1油路31aが形成されている。該一対の第1油路31aは、それぞれ、一端部がセンターセクション30の外方に開口しており、第1油圧モータとの間の一対の第1油圧ライン140aとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32aを形成している(図1参照)。
【0027】同様に、センターセクション30には、第2ピストンユニットに連通する第2油圧ポンプ用の一対の第2油路31bが形成されており、該一対の第2油路31bの一端部が一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第2吸入/吐出ポート32bを形成している(図1参照)。
【0028】このように、共通のセンターセクション30に、一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート32a及び一対の第2吸入/吐出ポート32bを全て形成することによって、油圧ポンプ10a,10b及び油圧モータ120a,120b間の配管接続作業の容易化を図ることができる。好ましくは、図4に示すように、前記吸入/吐出ポート32a,32bをセンターセクション30の同一側面に形成することができ、これにより、前記配管接続作業のさらなる容易化を図ることができる。
【0029】前記センターセクション30には、さらに、前記一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bに圧油を供給する共通のチャージ用油路33が形成されている。該チャージ用油路33の一端部はセンターセクション30の外方に開口し、チャージ用吸入ポート34を形成している。本実施の形態においては、図2に示すように、前記第1ポンプ軸11aの上方側端部をセンターセクション30からさらに上方へ延在させ、該延在部にチャージポンプ50を支持させ、該チャージポンプ50の吐出口51と前記チャージ用吸入ポート34とを接続させている。前記チャージポンプの吐出口51は、チャージリリーフ弁52が介装されたドレンライン53にも連通しており、前記チャージリリーフ弁52によって、前記チャージ用油路33の油圧を設定できるように構成されている(図1参照)。前記ドレンライン53の後流端は、センターセクション30に形成したドレンポート35を介して、油タンク150として兼用されるハウジング20内に連通している。なお、図2及び図3における符号55はチャージポンプの吸入口であり、符号56は該吸入口に連通された吸入ポートであり、油タンク150に適宜の配管を介して接続される。
【0030】一方、前記チャージ用油路33の他端部は、図4に示すように、一対の第1油路31a及び一対の第2油路31bの各々とチェック弁61a,61b,61c,61dを介して連通されており、共通のチャージ用油路33から一対の第1油圧ライン140a及び一対の第2油圧ライン140bの双方の低圧側に圧油が供給され、且つ、その逆には圧油が流出しないように構成されている。
【0031】一対の第1油路31aの少なくとも何れか一方とチャージ用油路33との間、及び一対の第2油路31bの少なくとも何れか一方とチャージ用油路33と間には、絞り弁を備えたバイパスライン62a,62bが形成されている(図1及び図4参照)。
【0032】該バイパスライン62a,62bは、油圧ポンプ10a,10bの中立状態を安定して確保するためのものである。即ち、油圧ポンプ10a,10bの可動斜板14a,14bが中立位置から少しでも傾斜すると、一対の第1油圧ライン140aの間及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に圧力差が生じ、これによって、油圧モータ130a,130bが回転する。従って、製造誤差等によって前記可動斜板14a,14bの中立位置が設定位置から少しでもずれていると、使用者の意に反して油圧モータ130a,130bが回転することになる。これに対し、前述のように、バイパスライン62a,62bを設けていると、該パイパスライン62a,62bを介して油圧ライン140a,140bから圧油がリークするので、可動斜板14a,14bが中立位置にあるべき場合において製造誤差等によって傾斜する場合であっても、一対の第1油圧ライン140aの間、及び/又は一対の第2油圧ライン140bの間に生じる圧力差を有効に抑え、油圧モータ120a,120bの意に反した回転を有効に防止することができる。
【0033】なお、バイパスライン62a,62bによる一対の油圧ライン140a,140bからの圧油のリークは、油圧ポンプ10a,10bと油圧モータ120a,120bとの間の伝動効率の点からは好ましくない為、該バイパスラインは、チャージ用油路33と一対の第1油路31aの一方及び一対の第2油路31bの一方との間にのみ設けるのが好ましい。
【0034】さらに、好ましくは、図4に示すように、前記チェック弁61a,61b,61c,61dにそれぞれ開放手段62を設け、緊急時には、一対の第1油路31間、並びに、一対の第2油路31b間を強制的に連通させ得るようにすることができる。斯かる開放手段62を設けることによって、駆動源100や油圧ポンプ10a,10bの故障時等において人力等で車輌を強制的に動かす(車輪を強制的に回転させる)必要がある場合において、容易に車輌を動かすことが可能となる。即ち、一対の第1油路31a及び/又は一対の第2油路31bが閉じた状態で油圧モータ120a,120bが連結された車輪を強制的に回転させると、該油圧モータ120a,120bの回転によって、一対の第1油圧ライン31a間、及び一対の第2油圧ライン31b間に圧力差が生じ、車輌を移動(車輪を回転)させることが困難となる。これに対し、前記開放手段を設けておくと、全てのチェック弁61a,61b,61c,61dを強制的に機械的に開放させて、前記一対の第1油路31a間及び一対の第2油路31b間を連通させることができるので、車輌の強制的な移動を容易に行うことが可能となる。なお、図4に示すように、全ての開放手段63をセンターセクション30の同一面側に配置しておくことによって、該開放手段63も連結されるリンク機構を容易に構成することができる。
【0035】また、本実施の形態においては、チャージポンプ50を備え、強制的に前記チャージ用吸入ポート34に圧油を供給するように構成したが、チャージポンプを備えることなく、チャージ用吸入ポート34を油タンクに接続しておき、一対の油圧ラインの低圧側ラインの油圧が所定値より下がった場合に自然に油が吸引されるように構成することも可能である。
【0036】実施の形態2.以下、本発明に係るポンプユニットの好ましい第2の実施の形態につき、図6〜図9を参照しつつ、説明する。なお、前記実施の形態1におけると同一部材又は相当部材には、同一符号又は同一符号にダッシュを付してその説明を省略する。
【0037】図6及び図7は、それぞれ、本実施の形態に係るポンプユニットの縦断側面図及び縦断正面図である。また、図8及び図9は、それぞれ、図6におけるD−D線断面図及びE−E線断面図である。
【0038】図6及び図7に示すように、本実施の形態に係るポンプユニット1′は、第1油圧ポンプ10a′及び第2油圧ポンプ10b′が車輌長手方向に沿って並列されていると共に、該第1及び第2油圧ポンプ10a′,10b′の可動斜板14a′,14b′がトラニオンタイプとされている。
【0039】図7及び図9に示すように、本実施の形態においても、第1制御軸15a及び第2制御軸15bは、車輌幅方向に沿って且つ互いに離間する方向に延びている。
【0040】また、図8に示すように、一対の第1吸入/吐出ポート32a及び一対の第2吸入/吐出ポート32bは共に、センターセクション30′の一側面に形成されている。さらに、チャージ用吸入ポート34及びこれに連通するチャージ用油路33を介して、一対の第1油路31a及び一対の第2油路31bに圧油を供給し得るようになっている。
【0041】なお、本実施の形態に係るポンプユニット1′は、第1油圧ポンプ10a′及び第2油圧ポンプ10b′を車輌長手方向に沿って並列させた為、図9に示すように、第1制御軸15a及び第2制御軸15bの車輌長手方向位置が異なっているが、アーム等適宜の連結部材を用いることによって、第1制御軸15a及び第2制御軸15bの車輌長手方向位置を容易に合わせることができる。
【0042】斯かるポンプユニットにおいても、前記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る2連ポンプユニットによれば、左右の駆動車輪に連結された第1及び第2油圧モータのそれぞれに一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインを介して接続された第1及び第2の油圧ポンプを共通のハウジング内に並列に収容すると共に、前記第1及び第2ポンプを共通のセンターセクションに支持させ、且つ、該センターセクションには、それぞれ、前記一対の第1油圧ライン及び一対の第2油圧ラインとの接続口となる一対の第1吸入/吐出ポート及び一対の第2吸入/吐出ポートを形成するようにしたので、前記第1及び第2油圧モータとの配管接続を共通のセンターセクションを介して行うことができ、配管作業効率を向上させることができる。また、第1及び第2油圧ポンプが共通のハウジングに収容されているので、一度の取付作業で第1及び第2油圧ポンプの車体への設置を行うことができる。
【0044】また、前記センターセクションに、前記第1及び第2油圧ラインへ圧油を供給する共通のチャージ油路を形成するようにすれば、第1及び第2油圧ポンプが別々に車体に設置されていた場合に比して、チャージラインの本数を削減することができ、これにより、コストの低廉化を図ることができる。
【0045】また、前記第1及び第2吸入/吐出ポートを、前記センターセクションの同一側面に形成すれば、前記第1及び第2油圧モータとの配管接続作業効率を向上させることができる。
【0046】また、前記第1及び第2油圧ポンプのポンプ軸を互いに連結する動力伝達機構を前記ハウジング内に備え、該ハウジングは、前記第1及び第2油圧ポンプと前記動力伝達機構との間に、前記第1及び第2油圧ポンプの各ポンプ軸が貫通し得る仕切壁を有し、該仕切壁によってポンプ収容室と動力伝達機構収容室とに区画されるようにすれば、駆動源から該ポンプユニットへの単一の伝動経路によって、第1及び第2油圧ポンプのポンプ軸を同時に駆動させることができ、駆動源からポンプユニットへの伝動機構を簡略させることができる。さらに、前記仕切壁によって、前記効果を得つつ、動力伝達機構によって生じる鉄粉等の異物の油圧ポンプへの混入を有効に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
【出願日】 平成11年10月18日(1999.10.18)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外2名)
【公開番号】 特開2001−116104(P2001−116104A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−295833