| 【発明の名称】 |
送りねじ |
| 【発明者】 |
【氏名】米川 泉
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| 【要約】 |
【課題】ナットの寸法精度と剛性を向上させる。
【解決手段】滑りねじ方式のねじ軸1と、このねじ軸1に螺合したナット2とから成り、ねじ軸1はステンレス鋼又は炭素鋼から転造加工し、ナット2は成形時の寸法安定性に優れたPPS(ポリフェニレンサルファイド)材料を素材として使用し、成形時にウィスカを混合する。PPS材料の機械的特性として、線膨張係数は2×10-5/K以下、好ましくは1.7〜1.8×10-5/K以下とし、曲げ強度は200MPa以上とし、引張強度は160MPa以上とする。成形時におけるナット2の縦方向と横方向の収縮率が均等となり、寸法精度と剛性が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鋼製のねじ軸と合成樹脂製のナットとから成る滑りねじ方式の送りねじにおいて、前記ナットの材料の線膨張係数を2×10-5/K以下としたことを特徴とする送りねじ。 【請求項2】 前記ナットの材料の曲げ強度を200MPa以上としたことを特徴とする請求項1に記載の送りねじ。 【請求項3】 前記ナットの材料の引張強度を160MPa以上としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の送りねじ。 【請求項4】 前記ナットの材料をPPS(ポリフェニレンサルファイド)としたことを特徴とする請求項1に記載の送りねじ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種の機械装置に装着して使用する直動駆動装置の送りねじに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の送りねじは、ねじ軸をナットに螺合により組み合わせた構成とされており、ねじ軸はステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム合金等の金属材料を基に転造により加工され、ナットはアルミニウム、亜鉛等の金属材料からダイカストにより成形されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ねじ軸とナットが摺動するため、摺動部位に摩耗や騒音が発生し、ナットはダイカスト製品であるため製造コストが高くなる。このような問題に対処するため、近年ではナットを合成樹脂材料から成形することもあるが、この場合にはコストが低減する反面で、長期間使用した際に上述と同様な問題が発生する。 【0004】そして、例えばナットをポリアセタール、ポリエチレン等の合成樹脂材料から射出成形した場合には、成形時におけるこれらの合成樹脂材料の収縮率が大きいため、製品の形状によって縦方向と横方向の収縮率に差が発生し、ナットの寸法精度に影響を及ぼす。従って、このような寸法精度の劣るナットを使用した場合には、ナットがねじ軸の接触荷重を1個所で受けることになり、ナットの面圧(応力)が増大し、摩耗が更に進行し易くなる。 【0005】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、ナットの寸法精度と剛性を向上させた送りねじを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る送りねじは、鋼製のねじ軸と合成樹脂製のナットとから成る滑りねじ方式の送りねじにおいて、前記ナットの材料の線膨張係数を2×10-5/K以下としたことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は実施例の斜視図であり、本発明に係る送りねじは、滑りねじ方式のねじ軸1をナット2に螺合した構成とされている。ねじ軸1はステンレス鋼、炭素鋼等の金属材料から転造加工されており、ナット2は合成樹脂材料から射出成形されている。 【0008】ここで、ナット2の材料には成形時の寸法安定性に優れたPPS(ポリフェニレンサルファイド)材料が素材として使用されている。そして、成形時にはPPS材料にウィスカ(高強度繊維原料)が混合され、PPS材料はウィスカにより強化されている。このPPS材料の機械的特性として、線膨張係数は2×10-5/K以下、好ましくは1.7〜1.8×10-5/K以下とされ、曲げ強度は200MPa以上とされ、引張強度は160MPa以上とされている。このように、実施例では線膨張係数が2×10-5/K以下のPPS材料にウィスカを混合してナット2を成形するので、成形時のPPS材料の縦方向と横方向の収縮率が均等となり、ナット2の寸法精度と剛性が向上する。従って、ナット2がねじ軸1の接触荷重を1個所で受けることはなく、長時間使用してもねじ軸1とナット2の摺動部に摩耗や騒音が発生することも少ない。また、PPS材料の曲げ強度が200MPa以上、かつ引張強度が160MPa以上であるので、ナット2は従来のダイカスト製のナットの代替部品として採用できる。因みに、ガラス繊維で強化したPET(ポリエチレンテレフタレート)材料の線膨張係数は2.5×10-5/Kであり、曲げ強度は180MPaであって、引張強度は118MPaであるので、PET材料の寸法安定性はPPS材料の寸法安定性よりも劣る。従って、PET材料はナット2の材料としては好ましくない。 【0009】なお、実施例ではねじ軸1の材料にステンレス鋼又は炭素鋼を使用したが、それに限定するものではなく、例えば機械構造用鋼(S45C等)も同様に使用できる。 【0010】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る送りねじは、ナットの材料を寸法安定性に優れた合成樹脂材料としたので、成形時の縦方向と横方向の収縮率が均等となり、ナットの寸法精度と剛性が向上する。また、ナットの材料をウィスカにより強化し、ナットの材料の線膨張係数を2×10-5/K以下としているので、ナットの寸法精度と剛性は更に向上する。従って、ねじ軸とナットの摺動部における摺動抵抗と騒音が低下し、位置決め精度が向上する。また、ナットの材料の曲げ強度を200MPa以上とし、かつ引張強度を160MPa以上とすれば、合成樹脂製のナットを従来のダイカスト製のナットの代替部品として使用でき、製造コストが低減する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000170853 【氏名又は名称】黒田精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月14日(1999.10.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075948 【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−116102(P2001−116102A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−292901 |
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