| 【発明の名称】 |
緩衝装置付きシリンダ機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】野澤 卓平
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| 【要約】 |
【課題】非常時にピストンが暴走してもシリンダヘッドやシリンダボトム付近では衝撃や騒音が減少でき、ゴムクッションの負担が減少できる緩衝装置付きシリンダ機構を提供する。
【解決手段】シリンダ1内に設置されたピストン2と、ピストン2と螺合関係にあるモータシャフト5,8 と、モータシャフト5,8 に回転を伝える駆動体4とを備え、駆動体4によりモータシャフト5,8 が回転することでピストン2を進退動させるシリンダ機構において、ピストン2は中空形状に形成されるとともに前記中空形状内に液体あるいは気体である流体7が充填されたとき、ピストン2が進退動すると、前記中空形状の進行側および後退側において流体7がモータシャフト先端の流体抵抗板13に近づくに従って流体7の流体抵抗力が大きくなることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ内を軸方向摺動自在に設置されたピストンと、このピストンと螺合関係にあり回転自在なモータシャフトと、このモータシャフトに回転を伝える駆動体とを備え、前記駆動体によりモータシャフトが回転することで螺合関係にある前記ピストンを進退動させるシリンダ機構において、前記ピストンは中空形状に形成されるとともに前記中空形状のうち進行側および後退側の断面積が前記中空形状の中間側の断面積より小さく形成され、前記モータシャフトは前記ピストンと螺合し、前記モータシャフトの先端部が前記ピストンの中空形状内にあり、前記先端部に流体抵抗板が固定され、前記流体抵抗板は前記ピストンの進退動の際、その外形が前記中空形状の進行側および後退側の内周面と接触しない形状に形成され、前記中空形状内に液体あるいは気体である流体が充填されたとき、前記ピストンが進退動すると、前記中空形状の進行側および後退側において前記流体が前記モータシャフト先端の流体抵抗板に近づくに従って前記流体の流体抵抗力が大きくなることを特徴とする緩衝装置付きシリンダ機構。 【請求項2】 前記流体抵抗板に孔を穿設し、この孔の面積の大きさにより前記流体抵抗力を調節する請求項1記載の緩衝装置付きシリンダ機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内に設置されたピストンと、このピストンと螺合関係にあるモータシャフトとを備え、モータシャフトを正回転あるいは逆回転させることによりピストンを進退動させるシリンダ機構に関し、特にシリンダ内に緩衝装置を設けた緩衝装置付きシリンダ機構に関する。 【0002】 【従来の技術】シリンダ内に軸方向移動自在に設置されたピストンと、このピストンと螺合関係にあるモータシャフトとを備え、駆動体によりモータシャフトを正回転あるいは逆回転させることによりピストンを進退動(あるいは上下動)させるシリンダ機構がある。 【0003】例えば、図4に示すシリンダ機構は、シリンダ1と、このシリンダ1内を軸方向に摺動可能なピストン20及びロッド3と、このピストン20に上下動を与える駆動体(モータ等)4およびモータシャフト5とを備えている。 【0004】シリンダ1は円筒形状を有し、両端部をシリンダヘッド1aとシリンダボトム1bによって塞がれている。シリンダ1の内壁1cはピストン20の胴部21が摺動可能なように平滑に仕上げられている。シリンダ1の側壁1dにはオイルタンク7が設けられており、シリンダ1内とオイルタンク6は連通し、オイルタンク6からシリンダ1内へオイル7が移動可能になっている。 【0005】シリンダヘッド1aはロッド3が進退動できるロッド穴1eをその中央部に有している。シリンダボトム1bは駆動体4の回転軸(モータシャフト)5が回転自在に軸封されるシャフト穴1fをその中央部に有している。 【0006】モータシャフト5はその先端側にボールねじ8が設けられている。ピストン20は円筒形状の先端部22と後端部23とが塞がれた形状を有し円筒内部にオイル7が収容可能になっている。そして、先端部22にはロッド3が延出しており、後端部23にはモータシャフト5のボールねじ8と螺合するボールねじナット部9を有している。 【0007】かかるシリンダ機構において、駆動体4によりモータシャフト5およびボールねじ8が正回転(時計回り)すると、ボールねじナット部9を介してピストン20がシリンダ1内を後退動(上昇動)する。そして、ピストン20がそのまま上昇動を続けた場合はシリンダボトム1b側内壁に設けられた後方クッション11に当接してピストン20は停止する。また、逆回転(反時計回り)すると、ピストン20がシリンダ1内を前進動(下降動)する。そして、ピストン20がそのまま下降動を続けた場合はシリンダ1内のシリンダヘッド1a側に設けられた前方クッション10に当接してピストン20は停止する。そして、前方クッション10および後方クッション11にはゴムやスプリングやショックアブソーバ等が使用されている。 【0008】なお、ピストン20は駆動体4の回転数を制御することで所望の位置へ移動制御される。また、前方クッション10および後方クッション11はピストン20が暴走した場合の非常用のものであり、通常はピストン20が前方クッション10および後方クッション11の位置まで移動制御されることはない。 【0009】オイル7はシリンダ機構の作動油の役割を果たすものである。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のシリンダ機構は非常時にピストン20が暴走した場合、前方クッション10および後方クッション11に当接(衝突)させて停止させる構造なので、衝突時に機械的衝撃、騒音、クッション10,11の破損等の問題が発生する。例えば、クッション10,11が破損したり、機械的衝撃によりシリンダヘッド1aやシリンダボトム1bが破損した場合はシリンダ機構自体が使用できなくなるといった問題が生じる。また、騒音が発生すれば、商品としての価値が著しく低下してしまう。 【0011】以上から本発明は、前記問題点に鑑み創案されたものであり、非常時にピストンが暴走してもシリンダヘッドやシリンダボトム付近では衝撃や騒音が減少でき、ゴムクッションの負担が減少できる緩衝装置付きシリンダ機構を提供することを技術的課題とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】前記課題を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。すなわち、本発明の緩衝装置付きシリンダ機構は、シリンダ内を軸方向摺動自在に設置されたピストンと、このピストンと螺合関係にあり回転自在なモータシャフトと、このモータシャフトに回転を伝える駆動体とを備え、前記駆動体によりモータシャフトが回転することで螺合関係にある前記ピストンを進退動させるシリンダ機構において、前記ピストンは中空形状に形成されるとともに前記中空形状のうち進行側および後退側の断面積が前記中空形状の中間側の断面積より小さく形成され、前記モータシャフトは前記ピストンと螺合し、前記モータシャフトの先端部が前記ピストンの中空形状内にあり、前記先端部に流体抵抗板が固定され、前記流体抵抗板は前記ピストンの進退動の際、その外形が前記中空形状の進行側および後退側の内周面と接触しない形状に形成され、前記中空形状内に液体あるいは気体である流体が充填されたとき、前記ピストンが進退動すると、前記中空形状の進行側および後退側において前記流体が前記モータシャフト先端の流体抵抗板に近づくに従って前記流体の流体抵抗力が大きくなることを特徴とする。 【0013】この構成により、ピストンの中空内部両端の断面積が小さくなる部位が流体抵抗板に向かって進むと、進行方向に対し流体抵抗板の流体抵抗が強くなるので、流体の抵抗によってショックダンパと同じ様な働きをもたせることができ、シリンダヘッドあるいはシリンダボトムに達する前にピストンを減速させることができるので、前方あるいは後方クッションへの衝撃を減らすことができ、騒音および機械的負担の減少を図ることができる。 【0014】本発明の緩衝装置付きシリンダ機構は、前記流体抵抗板に孔を穿設し、この孔の面積の大きさにより前記流体抵抗力を調節する構成のもの例示できる。この例示によれば、孔明けにより流体抵抗板の抵抗面積を変えることでピストンの減速速度を調節することが可能となる。 【0015】なお、シリンダ機構の潤滑油としてオイルやグリースを使用することが考えられるが、潤滑用にオイルを用いた装置の場合は、オイルが流体の役目を果たしてオイルの抵抗によりピストンを減速させ、潤滑用にグリースを用いた装置の場合は、気体(空気)が流体の役目を果たして空気の抵抗によりピストンを減速させる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係る緩衝装置付きシリンダ機構を図1に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態では、流体として液体(オイル)を用いた場合で説明する。 【0017】緩衝装置付きシリンダ機構は、シリンダ1と、このシリンダ1内を軸方向に摺動可能なピストン2及びロッド3と、このピストン2に進退動(図1では下降/上昇動)を与える駆動体(モータ等)4およびモータシャフト5とを備えている。 【0018】シリンダ1は円筒形状を有し、その両端部をシリンダヘッド1aとシリンダボトム1bによって塞がれている。シリンダ1の内周壁1cはピストン2の胴部2aが摺動可能なように平滑に仕上げられている。シリンダ1の側壁1dにはオイルタンク6が設けられており、このオイルタンク6は抵抗力作動用流体としてのオイル7が貯溜されている。このオイルタンク6はシリンダ1内部と連通する連通路6aを有している。なお、オイル7はシリンダ機構の作動油(潤滑油)の役割と、後述する流体抵抗の役割を果たすものであり、オイルタンク6の連通路6aからシリンダ1内に供給される。 【0019】シリンダヘッド1aはロッド穴1eをその中央部に有している。このロッド穴1eはピストン2先端から延設されたロッド3が上下動できる穴であって、オイル7がシリンダ1内部から漏れないようにシール部材(図示せず)が介在し、ロッド穴1eとロッド3との間は液封されている。そして、シリンダヘッド1a側の内壁にはゴム製の前方クッション10が設けられている。 【0020】シリンダボトム1bはシャフト穴1fをその中央部に有している。このシャフト穴1fは駆動体4の回転軸(モータシャフト)5を回転自在に軸封する穴であって、オイル7がシリンダ1内部から漏れないようにシール部材(図示せず)が介在し、シャフト穴1fとモータシャフト5との間は液封されている。そして、シリンダボトム1b側の内壁にはゴム製の後方クッション11が設けられている。 【0021】なお、ピストン2は駆動体4の回転数が制御されることで所望の位置へ移動制御されるのであるが、通常はピストン2が前方クッション10および後方クッション11の位置まで移動制御されることはない。従って、前方クッション10および後方クッション11はあくまでもピストン2が暴走した場合の非常用のものとして設置されている。 【0022】モータシャフト5はその先端から所定距離の間にかけてボールねじ8が設けられている。ピストン2は円筒形状を有し、その両端部が先端部2bと後端部2cによって塞がれている。両端部により塞がった円筒内部12はその先端内周面12aおよび後端内周面12bが筒中間部分の内周面と異なる断面形状になっており、先端内周面12aおよび後端内周面12bは端部に行くにしたがって先細り形状となるテーパ面を形成している。そして、円筒内部12はオイル7が収容可能になっている。 【0023】先端部2bはロッド3が先端中央部より延設されている。また、後端部2cはモータシャフト5のボールねじ8とボール(図示せず)を介して螺合するボールねじナット部9を有している。このボールねじナット部9はボールねじ8と螺合する。その際、ボールねじ8の先端部分はボールねじナット部9より常時円筒内部12側にある。なお、ボールねじ8とボールねじナット部9との螺合の隙間を介してシリンダ1内のオイル7がピストン2の円筒内部12に供給される。 【0024】円筒内部12側にあるボールねじ8の先端部分には、流体抵抗板(ダンパプレート)13が設けられている。このダンパプレート13は円板形状を有し、その外径は円筒内部12の内周径よりやや小さい径であって、そのプレート面をボールねじ8の軸線と直交するように固設されている。 【0025】次に、この実施の形態の動作を説明する。かかる緩衝装置付きシリンダ機構において、駆動体4によりモータシャフト5およびボールねじ8が正回転(時計回り)すると、図2に示すように、ボールねじナット部9を介してピストン2がシリンダ1内を後退動(上昇動)する。すなわち、ピストン2はボールねじ8が正回転すると、シリンダ1の内壁1cに沿って軸方向に上昇動し、先端部2bに延設されたロッド3もピストン2に同期して上昇動する。なお、ダンパプレート13はボールねじ8と共に正回転するのみであるが、ピストン2の上昇動により円筒内部12のオイル7も相対移動するので、上方へ移動するオイル7がダンパプレート13を押圧することでオイル抵抗(流体抵抗、流体圧力)が生じる。そして、ピストン2の上昇動が進み、先端内周面12aがダンパプレート13の位置までくると、筒中間部分より断面積が小さくなった分だけダンパプレート13にかかる流体圧力が大きくなるのでピストン2の先端部2bが近づくにしたがってピストン2及びロッド3の上昇動の勢いを減衰させることができクッション(ショックダンパ)の役目を果たす。そして、ピストン2が暴走しそのまま上昇動を続けた場合であってもシリンダボトム1b側に設けられた後方クッション11に当接する時にはピストン2の上昇動の勢いがほぼ減衰状態となっているので後方クッション11やシリンダボトム1bを破損したりすることはない。 【0026】また、モータシャフト5およびボールねじ8が逆回転(反時計回り)すると、図3に示すように、ボールねじナット部9を介してピストン2がシリンダ1内を前進動(下降動)する。すなわち、ピストン2はボールねじ8が逆回転すると、シリンダ1の内壁1cに沿って軸方向に下降動し、ロッド3もピストン2に同期して下降動する。なお、ダンパプレート13はボールねじ8と共に逆回転するのみであるが、ピストン2の下降動により円筒内部12のオイル7も相対移動するので、下方へ移動するオイル7がダンパプレート13を押圧することでオイル抵抗(流体圧力)が生じる。そして、ピストン2の下降動が進み、後端内周面12bがダンパプレート13の位置までくると、筒中間部分より断面積が小さくなった分だけダンパプレート13にかかる流体圧力が大きくなるのでピストン2の後端部2cが近づくにしたがってピストン2及びロッド3の下降動の勢いを減衰させることができクッション(ショックダンパ)の役目を果たす。そして、ピストン2が暴走しそのまま下降動を続けた場合であってもシリンダヘッド1a側に設けられた前方クッション10に当接する時にはピストン2の下降動の勢いがほぼ減衰状態となっているので前方クッション10やシリンダヘッド1aを破損したりすることはない。 【0027】この実施の形態によれば、ピストン2の円筒内部12を段付にし円筒内部12の両端に行くにしたがって先細り形状となるテーパ面を形成したので、ピストン2がシリンダ1の両端のいずれかに近づくに従ってダンパプレート13に対するオイル抵抗が大きくなって、ピストン2の進退動の勢いを減衰させることができクッション(ショックダンパ)の役目を果たすことができる。 【0028】なお、この実施の形態では、ダンパプレート13を円板形状としてのみ説明したが、別の実施の形態としてダンパプレートの円板面に複数の孔を明けて円板面積を少なくし、円板面積を調整する構成にしてもよい。この別の実施の形態によれば、孔明けによりダンパプレートの円板面積を調整することによって、オイル抵抗力を調節することが可能となる。 【0029】また、この実施の形態では、流体としてオイルを使用し、オイルを潤滑用に用いると共にオイルの抵抗によりクッションの役割を果たさせたが、流体はオイルに限定されるものではなく、グリースを潤滑用に用いた装置の場合は、気体(空気)をオイル代わりに使用して空気の抵抗によりクッション(ショックダンパ)の役割を果たさせる。 【0030】さらに、この実施の形態では、ピストンとモータシャフトをボールねじによる螺合関係として説明したが、この螺合関係はボールねじに限定されるものではない。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、ピストンの中空形状のうち進行側および後退側の断面積が両端に行くにしたがって先細りとなる形状としたので、ピストンがシリンダの両端のいずれかに近づくに従って流体抵抗板に対する流体抵抗が大きくなって、ピストンの進退動の勢いを減衰させることができクッション(ショックダンパ)の役目を果たすことができる。結果として、シリンダヘッドあるいはシリンダボトムに達する前にピストンを減速させることができるので、前方あるいは後方クッションへの衝撃を減らすことができ、騒音および機械的負担の減少を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599061224 【氏名又は名称】協栄工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116101(P2001−116101A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−297118 |
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