| 【発明の名称】 |
トロイダル型無段変速機 |
| 【発明者】 |
【氏名】平野 弘之
【氏名】山田 一浩
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| 【要約】 |
【課題】2組の出力ディスクを一体的に形成して軸方向寸法の増大を防ぎながらも、CVTシャフトの2重構造を不要にする。
【解決手段】CVTシャフト1bの両端部にそれぞれ配設されて、軸方向へ変位可能な一対の入力ディスク21と、これら入力ディスク21とそれぞれ対向するキャビティを一体的に形成してパワーローラ20をそれぞれ挟持するとともに、外周に出力24ギアを備えてトルクの伝達を行う出力ディスク22と、入力トルクに応じた軸方向推力を入力ディスクに付与するローディングカム装置23と、一方の入力ディスク21に挟持されるパワーローラ20は、オフセットのないシャフト33で軸支し、他方の入力ディスク21に挟持されるパワーローラ20はオフセットを備えて揺動可能なピボットシャフト31で軸支する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力軸の両端部にそれぞれ配設された一対の入力ディスクと、これら入力ディスクの間で同軸的かつ相対回転自在に配設されるとともに、軸方向へ変位可能な出力ディスクと、前記入力ディスクと対向する出力ディスクの両側に形成された一対のキャビティを介して、対向した入力ディスクに挟持されるパワーローラと、前記パワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するトラニオンと、前記出力ディスクの外周に形成されてトルクの伝達を行う出力ギアと、入力トルクに応じた軸方向推力を前記入力ディスクにそれぞれ付与する押圧力発生手段とを備えたトロイダル型無段変速機において、前記一方の入力ディスクと出力ディスクの間に挟持されるパワーローラは、前記トラニオンの支持軸により軸支され、該支持軸は、トラニオン側軸部とパワーローラ側軸部とがオフセットした偏心軸で構成される一方、他方の入力ディスクと出力ディスクの間に挟持されるパワーローラは、トラニオンから突設した軸で軸支されたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 【請求項2】 前記押圧力発生手段側に近接した入力ディスクに挟持されるパワーローラは、トラニオンから突設した軸で軸支されることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用されるトロイダル型無段変速機の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から車両の変速機として、トロイダル型の無段変速機が知られており、例えば、特開平11−63139号公報などが知られている。 【0003】これは、2組のトロイダル変速部を同軸上に配置したダブルキャビティ式で構成されており、軸方向の両側にトロイド状の溝をそれぞれ形成するとともに、出力ディスクの外周に出力ギアを形成することで、2組の出力ディスクを一体的に形成し、この出力ディスクと2つの入力ディスクとの間で、それぞれパワーローラを挟持、押圧して駆動力の伝達を行っている。 【0004】これら入力ディスクはCVTシャフトの両端部に支持されており、一方の入力ディスクはCVTシャフトに結合されて軸方向の基準位置となっており、他方の入力ディスクは軸方向へ変位可能に支持されて、CVTシャフト内周を貫通した入力軸に連結されたローディングカムを介して、入力トルクに応じて軸方向推力が付与される。 【0005】そして、2つの入力ディスクの間に配設された出力ディスクは、CVTシャフトと相対回転自在かつ軸方向変位可能に支持されており、出力ディスクが軸方向へ変位することで、ローディングカム側の入力ディスクが付与した軸方向推力を、CVTシャフトに結合された入力ディスク側へ伝達し、2つのトロイダル変速部に加わる軸方向推力を均等に配分して、トルク伝達容量を確保しようとしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のトロイダル型無段変速機では、一対の入力ディスクのうちの一方を軸方向の基準位置としてケースに対して位置決めするため、ローディングカムのねじれによる軸方向相対移動を許容するように設ける必要があるCVTシャフトは内周に挿通した入力軸により相対回転自在に軸支される2重構造となってしまい、これにより外径が増大し、トロイダル型無段変速機が大型化するのに加え、CVTシャフトを2重構造とするために製造コストが増大するという問題があった。 【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、2組の出力ディスクを一体的に形成して軸方向寸法の増大を防ぎながらも、CVTシャフトの2重構造を不要にして、トロイダル型無段変速機の小型化と製造コストの低減を推進することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、入力軸の両端部にそれぞれ配設された一対の入力ディスクと、これら入力ディスクの間で同軸的かつ相対回転自在に配設されるとともに、軸方向へ変位可能な出力ディスクと、前記入力ディスクと対向する出力ディスクの両側に形成された一対のキャビティを介して、対向した入力ディスクに挟持されるパワーローラと、前記パワーローラを傾転自在にそれぞれ支持するトラニオンと、前記出力ディスクの外周に形成されてトルクの伝達を行う出力ギアと、入力トルクに応じた軸方向推力を前記入力ディスクにそれぞれ付与する押圧力発生手段とを備えたトロイダル型無段変速機において、前記一方の入力ディスクと出力ディスクの間に挟持されるパワーローラは、前記トラニオンの支持軸により軸支され、該支持軸は、トラニオン側軸部とパワーローラ側軸部とがオフセットした偏心軸で構成される一方、他方の入力ディスクと出力ディスクの間に挟持されるパワーローラは、トラニオンから突設した軸で軸支される。 【0009】また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記押圧力発生手段側に近接した入力ディスクに挟持されるパワーローラは、トラニオンから突設した軸で軸支される。 【0010】 【発明の効果】第1の発明は、一対の入力ディスクと対向する出力ディスクの両側に設けたキャビティにより、2つのトロイダル変速部が形成され、パワーローラの傾転角に応じた変速比で出力ギアからトルクの伝達が行われ、一体に形成した出力ディスクの外周に出力ギアを設けることで、トロイダル型無段変速機の軸方向寸法を短縮する。 【0011】入出力ディスクを入力軸の軸方向へそれぞれ変位可能に支持し、一方のトロイダル変速部のパワーローラを、オフセットのない軸を介してトラニオンで支持することで、このパワーローラを入力軸の軸方向基準位置とすることができ、他方のトロイダル変速部のパワーローラを、オフセットを備えた偏心軸で揺動可能に支持することで、入出力ディスクの変位や変形などに追従させて、押圧力発生手段からの軸方向推力を各パワーローラへ均等に配分しながら、入力軸を単一の軸構造とすることができ、入力軸の外径の増大による変速機の大型化を抑制するとともに、構造を簡易にすることで製造コストの低減を図ることができる。 【0012】また、第2の発明は、押圧力発生手段側の入力ディスクに挟持されるパワーローラを、オフセットのない軸で支持して軸方向の基準位置とすれば、他方の入力ディスクにプリロードを付与する手段を設けた場合には、軸方向推力を円滑に配分することができ、各トロイダル変速部のトルク伝達容量を確保して、トロイダル型無段変速機の性能を向上させることができる。 【0013】 【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。 【0014】図1、図2は、2組のトロイダル変速部を備えたダブルキャビティのトロイダル型無段変速機を、変速比無限大無段変速機へ適用した一例を示す。 【0015】図1、図2に示すように、エンジンのクランクシャフト13に連結される変速比無限大無段変速機のユニット入力軸1aに、変速比を連続的に変更可能なトロイダル型無段変速機2と、ギア3a、カウンタギア3d及びギア3bから構成された一定変速機3(減速機)を並列的に配設するとともに、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸6側に配設し、これら出力軸4、3cを遊星歯車機構5で連結したもので、トロイダル型無段変速機2の無段変速機出力軸4は、遊星歯車機構5のサンギア5aに、一定変速機3の出力軸3cは動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結される。 【0016】無段変速機出力軸4は、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、ギア4aを介して無段変速機2の出力ギア24と連結されており、無段変速機出力軸4の一端を遊星歯車機構5のサンギア5aに結合し、他端を直結モードクラッチ10に結合する。 【0017】ギア3bと結合した一定変速機3の出力軸3cも、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結されており、遊星歯車機構5のリングギア5cは、変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸6に結合される。 【0018】ユニット出力軸6の図中左側の端部近傍には、変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7は、カウンタギア15を介してディファレンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシャルギア8に結合した駆動軸11には、所定の総減速比で駆動力が伝達される。 【0019】この変速比無限大無段変速機では、動力循環モードクラッチ9を解放する一方、直結モードクラッチ10を締結してトロイダル型無段変速機2の変速比に応じて駆動力を伝達する直結モードと、動力循環モードクラッチ9を締結する一方、直結モードクラッチ10を解放することにより、トロイダル型無段変速機2と一定変速機3の変速比の差に応じて、変速比無限大無段変速機全体のユニット変速比(ユニット入力軸1aとユニット出力軸6の変速比)を負の値(後進)から正の値(前進)まで無限大(停止状態)を含んでほぼ連続的に制御を行う動力循環モードとを選択的に使用することができる。 【0020】トロイダル型無段変速機2は、図1、図2に示すように、CVTシャフト1b(入力軸)上に同軸的に配置した2組の入力ディスク21と1つの出力ディスク22で、パワーローラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビティのハーフトロイダル型で構成され、ユニット入力軸1aと連結するローディングカム装置23側に第1トロイダル変速部2Aが配置され、出力ディスク22を挟んだ反対側に第2トロイダル変速部2Bが配置される。 【0021】なお、出力ディスク22は、前記従来例と同様に、軸方向の両側にトロイド状の溝で構成されたキャビティ22A、22Bを一体的に形成するとともに、外周に出力ギア24を結合したもので、内周はCVTシャフト1bに挿通されるとともに、ニードルベアリング25を介して相対回転自在かつ軸方向へ変位可能に軸支される。 【0022】そして、第1及び第2トロイダル変速部2A、2Bの入力ディスク21、21は同軸上で対向して配置され、これら入力ディスク21、21の間には、出力ディスク22がCVTシャフト1bに対して相対回転自在かつ軸方向変位可能に支持される。なお、入力ディスク21、21とCVTシャフト1bは、ボールスプライン27等によって連結されて、軸方向変位を許容する一方、回転方向で結合している。 【0023】また、図2に示すように、ユニット入力軸1a、CVTシャフト1bは、同軸的に配設されるとともに、トロイダル型無段変速機2のローディングカム装置23(押圧力発生手段)を介して、回転方向で結合しており、ユニット入力軸1aはエンジンのクランクシャフト13に結合されるとともに、一定変速機3のギア3aを形成している。 【0024】ローディングカム装置23は、図2に示すように、回転方向でユニット入力軸1aと係合したカムディスク23bと、第1トロイダル変速部2Aの入力ディスク21の背面と、このカムディスク23bとの間に介装された複数のカムローラ23aから構成されており、カムディスク23bは、スラスト荷重を支持可能なアンギュラボールベアリング26等を介してCVTシャフト1bと相対回転可能に支持される。 【0025】そして、ローディングカム装置23は、ユニット入力軸1aからのトルクに応じてカムディスク23bが回動すると、カムローラ23も回動して軸方向へ押圧力を生じ、第1トロイダル変速部2Aの入力ディスク21を、出力ディスク22側へ押圧する。 【0026】ここで、CVTシャフト1bは、アンギュラボールベアリング26を介してカムディスク23bと軸方向で係合しているため、カムローラ23aが発生した軸方向推力の反力により、図2の左側へ変位し、CVTシャフト1bの右側端部に設けたロックナット16、皿バネ17を介して第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21を出力ディスク22へ向けて押圧する。 【0027】こうして、一対の入力ディスク21、21を、CVTシャフト1bを介して軸方向へ変位に支持しておくことで、ローディングカム装置23からの入力トルクに応じた軸方向推力を分配することができる。 【0028】なお、第2トロイダル変速部2B側のCVTシャフト1bの端部に設けた皿バネ17は、無負荷時にパワーローラ20を挟持、押圧するためのプリロードを第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21へ付与するものである。 【0029】次に、上記入出力ディスク21、22に挟持、押圧されるパワーローラ20は、第1トロイダル変速部2Aでは、図3に示すように、トラニオン32から突設したオフセットのないシャフト33を介して軸支される一方、第2トロイダル変速部2Bでは、図4に示すように、所定量ΔLだけオフセットしたピボットシャフト31に軸支されており、さらに、このピボットシャフト31は、基端をトラニオン30で揺動可能に支持される。 【0030】なお、オフセットのないシャフト33、33は、ニードルベアリング36、36を介してトラニオン32、32に軸支され、また、オフセットを備えたピボットシャフト31、31は、ニードルベアリング37、37を介してトラニオン30、30で揺動可能に支持される。 【0031】まず、第1トロイダル変速部2Aについて説明すると、図3に示すように、パワーローラ20、20は、CVTシャフト1bを挟んで対向配置されるとともに、シャフト33、33を介してトラニオン32、32にそれぞれ軸支される。 【0032】パワーローラ20を軸支するシャフト33は、その軸線が、パワーローラ20の回転軸線20Cが一致しており、第1トロイダル変速部2Aの入出力ディスク21、22の変形等に関わらず、CVTシャフト1bの軸方向位置を維持して、トルクの伝達を行う。 【0033】そして、トラニオン32、32はそれぞれ下端に設けたロッド32A、32Aの軸方向及び軸回りで変位可能にシリンダボディ34、アッパーリンク40及びロアリンク50で支持され、中央部を揺動自在に支持されたアッパーリンク40及びロアリンク50によって、対向するトラニオン32、32は、相互に逆の軸方向へ変位する。 【0034】ロッド32A,32Aにそれぞれ結合した油圧シリンダ35、35が、トラニオン32、32を軸方向へ駆動することで、パワーローラ20、20はロッド32A、32Aの軸回り(すなわち、トラニオン32の軸回り)に回動(傾転という)し、入力ディスク21と出力ディスク22との接触半径を変化することで変速比が連続的に変更される。 【0035】それぞれ対向配置されたトラニオン32、32は、その上端をアッパーリンク40によって、下端をロアリンク50によってそれぞれ相互に連結されており、入出力ディスク21、22で挟持、押圧されたパワーローラ20、20に加わるスラスト力に抗して、アッパーリンク40、ロアリンク50はトラニオン32、32間の軸間距離をほぼ一定に保持しながら、トラニオン32、32の軸方向変位を同期させるとともに、軸回り変位を許容する。 【0036】このため、トラニオン32とアッパーリンク40及びロアリンク50の間には球面継ぎ手60が介装される。 【0037】一方、第2トロイダル変速部2Bは、図4に示すように、パワーローラ20、20を軸支するピボットシャフト31、31が、所定量ΔLのオフセットを備えており、トラニオン30で基端を揺動可能に支持された他は、第1トロイダル変速部2Aと同様に構成される。 【0038】ピボットシャフト31は、トラニオン30に支持された基端側の揺動軸31Cに対して、先端側のパワーローラ20の回転軸20Cとの間に、トラニオン30の軸方向へΔLのオフセットが設けられており、対向するトラニオン30、30のピボットシャフト31、31では、ピボットシャフト31のオフセット方向は逆になる。 【0039】パワーローラ20は、入出力ディスク21、22が弾性変形した場合などでも、ピボットシャフト31の揺動により、CVTシャフト1bの軸方向に沿って追従しながら、トルクの伝達を行うことができる。 【0040】そして、トラニオン30、30はそれぞれ下端に設けたロッド30A、30Aの軸方向及び軸回りで変位可能にシリンダボディ34、アッパーリンク40及びロアリンク50で支持され、中央部を揺動自在に支持されたアッパーリンク40及びロアリンク50によって、対向するトラニオン30、30は、相互に逆の軸方向へ変位する。 【0041】ロッド30A、30Aにそれぞれ結合した油圧シリンダ35、35が、トラニオン32、32を軸方向へ駆動することで、パワーローラ20、20はロッド32A、32Aの軸回りに傾転し、入力ディスク21と出力ディスク22との接触半径を変化することで変速比が連続的に変更される。 【0042】第1トロイダル変速部2Aと同様に、第2トロイダル変速部2Bのトラニオン30、20も、その上端をアッパーリンク40によって、下端をロアリンク50によってそれぞれ相互に連結されており、入出力ディスク21、22で挟持、押圧されたパワーローラ20、20に加わるスラスト力に抗して、アッパーリンク40、ロアリンク50はトラニオン32、32間の軸間距離をほぼ一定に保持しながら、トラニオン32、32の軸方向変位を同期させるとともに、軸回り変位を許容する。 【0043】アッパーリンク40は、図3、図5〜図8に示すように、第1トロイダル変速部2Aにおいて、中央に設けた貫通孔40Aを介して連結したアッパーリンクポスト41Aにより、揺動自在に支持されるとともに、両端部に設けた貫通孔40C及び球面継手60を介して対向する各トラニオン32、32と揺動自在に連結して、かつトラニオン32の回動を許容する。 【0044】アッパーリンクポスト41Aは、揺動軸となるピン43を介して予め中央の貫通孔40Aに組み付けられる。 【0045】そして、アッパーリンクポスト41Aはボルト44を介して、ケーシング14の内周に結合されたアッパーリンク支持部材42に締結される。なお、ボルト44の頭部は、6角レンチやトルクスレンチ等と係合可能な孔部を備えるとともに、円形断面などで構成される。なお、第2トロイダル変速部2Bでは、アッパーリンクポスト41Bが、アッパーリンク40の貫通孔40Bと係合する他は、第1トロイダル変速部2Aと同様である。 【0046】一方、ロアリンク50は、第1トロイダル変速部2Aでは、中央に設けた貫通孔50Aが、ロアリンクポスト51Aと係合して揺動自在に支持され、ロアリンク50の両端部に設けた貫通孔50Cを介してトラニオン32、32と連結し、トラニオン32、32の相反する軸方向変位に応じて、ロアリンクポスト51Aを中心に揺動するとともに、球面継ぎ手60を介してトラニオン32、32の軸回りの変位を許容する。 【0047】ロアリンクポスト51Aは、揺動軸となるピン53を介して予めロアリンク50の中央に形成された貫通孔50Aに組み付けられ、ロアリンクポスト51Aはボルト54を介して、シリンダボディ34に突設されたロアリンク支持部52へ締結され、シリンダボディ34を介してケーシング14に支持される。 【0048】なお、第2トロイダル変速部2Bでは、ロアリンクポスト51Bが、ロアリンク50の中央に形成した貫通孔50Bと係合する他は、第1トロイダル変速部2Aと同様である。 【0049】ここで、アッパーリンク40は、図5〜図8にも示すように、第1及び第2トロイダル変速部2A、2Bのトラニオン30、32を連結して、各トラニオン30、32の軸方向変位を同期させながら、各トラニオン30、32の回動を許容するのである。なお、ロアリンク50も同様に各トラニオン30、32の軸方向変位を同期させながら、各トラニオン30、32の回動を許容するもので、アッパーリンク40と同様に構成されるため、以下、アッパーリンク40のみについて説明し、ロアリンク50の説明を省略する。 【0050】図5に示すように、第1及び第2トロイダル変速部2A、2Bのアッパーリンクポスト41A、41Bと係合する貫通孔40A、40Bは、図2に示したCVTシャフト1bの軸線1cと平行な軸線1c’上にその中心を配設され、この貫通孔40A、40Bを挟んだ図中上下の端部上下には、トラニオン30、32と球面継ぎ手60を介して連結する4つの貫通孔40Cがそれぞれ形成される。 【0051】なお、貫通孔40A、40Bの間には、出力ディスク22及び出力ギア24との干渉を回避する孔部45が形成される。 【0052】そして、図8に示すように、各貫通孔40A、40Bとアッパーリンクポスト41A、41Bの間隙は、第1トロイダル変速部2Aのアッパーリンクポスト41Aと貫通孔40Aの間隙δ1を、アッパーリンク40が揺動可能な微小な値に設定する一方、第2トロイダル変速部と貫通孔40Bの間隙δ2は、アッパーリンクポスト41BがCVTシャフト1bの軸方向へ相対変位可能な値に設定される。 【0053】なお、ロアリンク50も同様に構成され、さらに、油圧シリンダ35のピストンに配設されるシールも径方向に変形可能に形成されて、第2トロイダル変速部2Bのトラニオン30、30は、アッパーリンクポスト41Bとアッパーリンク40の間隙δ2を大きく設定することで、アッパーリンクポスト41B及びロアリンクポスト51Bへのアッパーリンク40及びロアリンク50の組み付け誤差を吸収可能とし、各パワーローラ20に無理な力が作用するのを防止することができる。 【0054】以上のように構成されて、次に作用について説明する。 【0055】ユニット入力軸1aにトルクが加わると、ローディングカム装置23が作動して、上記したように、CVTシャフト1bの両端部に設けた一対の入力ディスク21、21が中央の出力ディスク22へ向けて変位することで、各トロイダル変速部2A、2Bのパワーローラ20、20が挟持、押圧され、パワーローラ20の傾転角に応じた変速比で出力ディスク22が駆動され、出力ギア24からギア4aを介してユニット出力軸6側へ動力が伝達される。 【0056】このとき、第1トロイダル変速部2Aのパワーローラ20は、オフセットのないシャフト33で軸支されているため、CVTシャフト1bの軸方向の基準位置となる一方、第2トロイダル変速部2Bのパワーローラ20は、オフセットしたピボットシャフト31回りに揺動可能に支持されているため、各入出力ディスク21、22の変形などによる軸方向の変位に追従することができる。 【0057】つまり、ローディングカム装置23が入力トルクに応じて発生した軸方向推力は、カムローラ23aを介して第1トロイダル変速部2Aの入力ディスク21を出力ディスク22へ向けて押圧する一方、カムローラ23aからの反力によりカムディスク23b、CVTシャフト1b、ロックナット16、皿バネ17を介して第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21が出力ディスク22へ向けて押圧される。なお、皿バネ17は、ローディングカム装置23からの軸方向推力によって、押し潰されることになる。 【0058】そして、第2トロイダル変速部2Bの入力ディスク21が、ピボットシャフト31で揺動可能に支持されたパワーローラ20を出力ディスク22との間で挟持、押圧し、第2トロイダル変速部2Bからの軸方向推力により、出力ディスク22はカムローラ23aに押圧された入力ディスク21との間で、第1トロイダル変速部2Aのパワーローラ20を挟持、押圧する。 【0059】入出力ディスク21、22をCVTシャフト1bの軸方向へそれぞれ変位可能に支持した場合では、一方のトロイダル変速部のパワーローラ20を、オフセットのないシャフト33で軸支して、CVTシャフト1bの軸方向基準位置とし、他方のトロイダル変速部のパワーローラ20を、オフセットを備えたピボットシャフト31で揺動可能に支持することで、入出力ディスク21、22の変位に追従させて、ローディングカム装置23からの軸方向推力を各パワーローラ20へ均等に配分することができ、CVTシャフト1bを単一の軸構造とすることができる。 【0060】なお、アッパーリンクポスト41Bは、例えば、ボルト44を挿通する開口部をCVTシャフト1bの軸方向へ長穴状とすることで、軸方向位置が調整可能となり、また、ロアリンクポスト51Bは、ボルト54を挿通するシリンダボディ34の貫通孔を、CVTシャフト1bの軸方向へ長穴状とすることで、軸方向位置が調整可能となり、トラニオン30、30の軸方向位置を容易に調整することができ、各トロイダル変速部のパワーローラ20に加わる軸方向推力を等しく配分して、トルク伝達容量を確保または維持することができる。 【0061】こうして、第1及び第2トロイダル変速部2A、2Bの出力ディスクを一体的に形成した出力ディスク22を、CVTシャフト1bで相対回転自在に支持してトロイダル型無段変速機2の軸方向寸法を短縮しながら、入出力ディスク21、22をCVTシャフト1bの軸方向へそれぞれ変位可能に支持した場合では、一方のトロイダル変速部のパワーローラ20を、オフセットのないシャフト33で軸支して、CVTシャフト1bの軸方向基準位置とし、他方のトロイダル変速部のパワーローラ20を、オフセットを備えたピボットシャフト31(偏心軸)で揺動可能に支持することで、入出力ディスク21、22の変位や変形などに追従させて、ローディングカム装置23からの軸方向推力を各パワーローラ20へ均等に配分することができ、CVTシャフト1bを単一の軸構造とすることができる。 【0062】なお、上記実施形態では、オフセットのないシャフト33をローディングカム装置23側の第1トロイダル変速部2Aに設けたが、このシャフト33を第2トロイダル変速部2Bに設ける一方、オフセットを備えたピボットシャフト31を第1トロイダル変速部2Aに設けてもよい。 【0063】しかし、第2トロイダル変速部2Bには、CVTシャフト1bの端部にプリロードを付与する皿バネ17が配設されているため、オフセットのないシャフト33を配置すると、第1トロイダル変速部2Aへのプリロードは、ロックナット16、CVTシャフト1b、カムディスク23b、カムローラ23a、入力ディスク21となるため、フリクションによる損失が増大する。 【0064】これに対して、オフセットを備えたピボットシャフト31を第2トロイダル変速部2Bに配置すると、第1トロイダル変速部2Aへのプリロードは、入力ディスク21、パワーローラ20、出力ディスク22を介して第1トロイダル変速部2Aへ伝達されることになり、フリクションによる損失を抑制でき、軸方向推力の配分を向上させることができ、各トロイダル変速部のトルク伝達容量を等しくして、変速機全体でのトルク伝達容量を向上することができる。 【0065】また、上記実施形態では、オフセットのないシャフト33をニードルベアリング36で、トラニオン32に軸支するようにしたが、シャフト33をトラニオン32に一体的かつ回転不能に設けても良く、この場合、トラニオン32に対するパワーローラ20の倒れが少なくなり、変速制御精度を向上させることができる。 【0066】また、上記実施形態では、変速比無限大無段変速機に採用したトロイダル型無段変速機の一例について述べたが、通常の自動変速機に採用されるトロイダル型無段変速機に適用した場合でも、上記と同様の作用、効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116099(P2001−116099A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296793 |
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