| 【発明の名称】 |
トロイダル型無段変速機 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 宏史
【氏名】後藤 伸夫
【氏名】今西 尚
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| 【要約】 |
【課題】パワーローラ8の内周面と枢支軸部26の外周面との転がり疲れ寿命を確保して耐久性向上を図ると共に、変位軸7の傾斜を抑えて、変速動作の安定化を図る。
【解決手段】枢支軸部26の周囲にパワーローラ8を支持する為の第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を、トラニオン6に支持軸部25を支持する為の第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間よりも大きくする。上記第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を大きくする事で、ニードル32、32の転動面と上記パワーローラ8の内周面及び枢支軸部26の外周面との当接部の面圧上昇を抑え、上記耐久性向上を図る。又、上記第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間を小さくする事で、上記変位軸7の傾斜を抑え、変速動作の安定化を図る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内側面同士を互いに対向させた第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの中間部に、上記各枢軸の軸方向に対し直角方向に形成した円孔と、互いに平行で互いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成り、このうちの支持軸部を上記円孔の内側に第一のラジアルニードル軸受により回転自在に支持した変位軸と、これら各変位軸のうちで上記各トラニオンの内側面から突出した枢支軸部の周囲に、第二のラジアルニードル軸受により回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間に設けられ、これら各パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト玉軸受とを備え、上記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上記各パワーローラの周面は球面状の凸面であり、これら各周面と上記各内側面とが互いに当接しているトロイダル型無段変速機に於いて、上記第二のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を、上記第一のラジアルニードル軸受のラジアル隙間よりも大きくした事を特徴とするトロイダル型無段変速機。 【請求項2】 各変位軸を構成する支持軸部及び枢支軸部の外径が15〜25mmであり、第一のラジアルニードル軸受のラジアル隙間が9〜31μmであり、第二のラジアルニードル軸受のラジアル隙間が29〜64μmである、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機用の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用するトロイダル型無段変速機の耐久性向上と変速動作の安定性向上とを図るものである。 【0002】 【従来の技術】自動車用変速機として、図4〜5に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6を設けている。 【0003】即ち、これら各トラニオン6、6は、それぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、互いに同心に設けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成した上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させている。 【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。上記カム板10の片側面(図4〜5の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図4〜5の右側面)にも、同様の形状を有する被駆動側カム面14を形成している。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。 【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、駆動側カム面13が複数個のローラ12、12を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。 【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記これら各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。 【0007】又、図6〜7は、実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル軸受16、16を介して回転自在に支持している。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図6の左端部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止している。そして、このカム板10とローラ12、12とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側ディスク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成している。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期して回転する様にしている。 【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)に亙る変位自在に支持している。即ち、上記各トラニオン6、6の両端部に固設した枢軸5、5の外周面と上記各支持板20、20の両端部に形成した円孔21、21の内周面との間に、ラジアルニードル軸受22、22を設けている。これら各ラジアルニードル軸受22、22を構成する外輪23、23の外周面は球状凸面として、上記各円孔21、21に、揺動並びに軸方向に亙る変位自在に内嵌している。 【0009】この様にして、上記1対の支持板20、20同士の間に、揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持した、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円孔24、24部分に、変位軸7、7を支持している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部25、25と枢支軸部26、26とを、それぞれ有する。このうちの各支持軸部25、25を上記各円孔24、24の内側に、削り加工で造った軌道輪を持つソリッド型の第一のラジアルニードル軸受27、27により、回動自在に支持している。 【0010】又、上記各枢支軸部26、26の周囲にパワーローラ8、8を、第二のラジアルニードル軸受30、30により、回転自在に支持している。尚、これら各第二のラジアルニードル軸受30、30は、高速で回転する上記各パワーローラ8を支持する為、高い運転速度を要求される。この為、保持器31により円周方向に隣り合うニードル32、32の転動面同士が擦れ合う事を防止する、保持器付のものを使用している。 【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、これら各変位軸7、7の各枢支軸部26、26が各支持軸部25、25に対し偏心している方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図7で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向としている。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大きな荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図6の左右方向、図7の表裏方向)に変位する傾向となった場合でも、各部に無理な力を加える事なく、この変位を吸収できる。 【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸受33、33とスラストニードル軸受34、34とを、スラスト荷重の作用方向(図6、7の上下方向)に関して互いに直列に設けている。このうちのスラスト玉軸受33、33は、上記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容するものである。又、上記各スラストニードル軸受34、34は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラスト玉軸受33、33を構成する外輪35、35に加わるスラスト荷重を支承しつつ、前記各枢支軸部26、26及び上記外輪35、35が、前記支持軸部25、25を中心に揺動する事を許容する。 【0013】更に、上記各トラニオン6、6の一端部(図7の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36を結合し、これら各駆動ロッド36、36の中間部外周面に駆動ピストン37、37を固設している。そして、これら各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリンダ38、38内に油密に嵌装している。 【0014】上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン37、37を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン37、37の変位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図7の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、前記支持板20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図4〜5に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。 【0015】上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機で、前記各変位軸7、7の支持軸部25をトラニオン6、6に対し支持する為の第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間は、外径が20mm前後の軸を支持する為に使用する一般的なソリッド型のラジアルニードル軸受の場合と同様に、20〜42μm程度としていた。即ち、前記円孔24に前記外輪レース28(後述の図1参照)を内嵌固定した状態でのこの外輪レース28の内径を、前記各ニードル29、29をこれら各ニードル29、29の転動面と上記各支持軸部25の外周面とを当接させた状態に配置した場合に於ける、上記各ニードル29、29の最小外接円の直径よりも20〜42μm程度大きくしていた。 【0016】これに対して、上記各変位軸7、7の枢支軸部26に上記各パワーローラ8、8を支持する為の第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間は、外径が20mm前後の軸を支持する為に使用する一般的な軌道輪を持たない保持器付のラジアルニードル軸受の場合と同様に、7〜21μm程度としていた。即ち、上記各パワーローラ8、8の内径を、前記各ニードル32、32をこれら各ニードル32、32の転動面と上記各枢支軸部26の外周面とを当接させた状態に配置した場合に於ける、これら各ニードル32、32の最小外接円の直径よりも7〜21μm程度大きくしていた。何れにしても、ソリッド型である上記各第一のラジアルニードル軸受27、27のラジアル隙間を、軌道輪を持たない保持器付である上記各第二のラジアルニードル軸受30、30のラジアル隙間よりも大きくしていた。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】上述の様に、各第一のラジアルニードル軸受27、27のラジアル隙間を各第二のラジアルニードル軸受30、30のラジアル隙間よりも大きくすると、トロイダル型無段変速機の耐久性確保と変速動作の安定性確保とを図る事が難しい。この理由に就いて、図2〜3により説明する。 【0018】トロイダル型無段変速機の運転時に各パワーローラ8は、押圧装置9(図4〜6参照)が発生する大きなスラスト荷重に基づき、入力側ディスク2と出力側ディスク4とにより、図2に矢印イ、イで示す様に、直径方向反対側2個所位置で強く挟持される。この為、上記各パワーローラ8の断面形状は、同図に実線で示した自由状態での円形から、同図に鎖線で誇張して示した楕円形に、弾性変形する。そして、上記各第二のラジアルニードル軸受30の外輪軌道である、上記各パワーローラ8の内周面と、同じく内輪軌道である各変位軸7の枢支軸部26の外周面との間隔は、上記楕円形の短径部分で小さく、同じく長径部分で大きくなる。この結果、上記各第二のラジアルニードル軸受30を構成するニードル32、32の転動面と上記各パワーローラ8の内周面及び枢支軸部26の外周面との当接部の面圧が、上記短径部分で大きくなる。従来のトロイダル型無段変速機の場合には、上記各第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を、7〜21μm程度と小さくしていた為、上記短径部分に於ける上記当接部の面圧が高くなり、上記各パワーローラ8の内周面及び枢支軸部26の外周面の転がり疲れ寿命の確保が難しかった。 【0019】又、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8から上記各変位軸7には、支持軸部25を中心として傾斜させる方向のモーメントが加わる。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時に上記各パワーローラ8には入力側ディスク2(図4〜6参照)から、例えば図2の矢印α方向の力Fが加わる。又、これら各パワーローラ8から出力側ディスク4(図4〜6参照)に回転力を伝達する事の反作用としてこれら各パワーローラ8に、図2の矢印β方向の力Fが加わる。この結果、上記各パワーローラ8から上記各変位軸7には、2Fなる力が、支持軸部25を中心として傾斜させる方向のモーメントとして加わる。そして、このモーメントにより上記各変位軸7が、図3に誇張して示す様に傾斜し、この変位軸7を構成する枢支軸部26の周囲に配置している上記各パワーローラ8が、枢軸5、5の軸方向に亙り僅かに変位する。 【0020】例えば、上記支持軸部25を支承する為の第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間が50μmであると仮定した場合、上記変位軸7が凡そ0.16度傾斜し、上記各パワーローラ8が上記枢軸5、5の軸方向に0.14mm程度変位する。これら各パワーローラ8は、これら各枢軸5、5の軸方向に亙り0.1mm程度変位した場合でも変速動作を開始する為、上述の様に変位軸7が傾斜する事は、変速動作の不安定化の要因となる為、好ましくない。本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて、発明したものである。 【0021】 【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、回転軸と、この回転軸の周囲にそれぞれ回転自在に支持され、それぞれの内側面同士を互いに対向させた第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオンと、これら各トラニオンの中間部に、上記各枢軸の軸方向に対し直角方向に形成した円孔と、互いに平行で互いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成り、このうちの支持軸部を上記円孔の内側に第一のラジアルニードル軸受により回転自在に支持した変位軸と、これら各変位軸のうちで上記各トラニオンの内側面から突出した枢支軸部の周囲に、第二のラジアルニードル軸受により回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラと上記各トラニオンの内側面との間に設けられ、これら各パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト玉軸受とを備える。そして、上記第一、第二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上記各パワーローラの周面は球面状の凸面であり、これら各周面と上記各内側面とが互いに当接している。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記第二のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を、上記第一のラジアルニードル軸受のラジアル隙間よりも大きくしている。この為に、例えば、上記各変位軸を構成する支持軸部及び枢支軸部の外径が15〜25mmである場合に、第一のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を9〜31μmとし、第二のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を29〜64μmとする。 【0022】 【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機用は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同様の作用に基づき、入力側ディスクと出力側ディスクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの傾斜角度を変える事により、これら両ディスク同士の間の回転速度比を変える。特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、第一のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を小さくする事により、変位軸が傾斜する事を防止して、変速動作の安定化を図れる。又、第二のラジアルニードル軸受のラジアル隙間を大きくする事により、この第二のラジアルニードル軸受を構成するニードルの転動面と、各パワーローラの内周面及び枢支軸部の外周面との当接部の面圧の上昇を抑え、これら各周面の転がり疲れ寿命の確保を図れる。 【0023】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、トロイダル型無段変速機の耐久性向上と変速動作の安定性向上とを図るべく、第一、第二のラジアルニードル軸受27、30のラジアル隙間を規制した点にある。その他の部分の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同様である為、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分並びに先に説明しなかった部分を中心に説明する。 【0024】鉄系合金等の如き大きな剛性を有する金属に鍛造加工並びに切削加工を施す等により一体成形したトラニオン6の中間部には、次述する変位軸7を支持する為の円孔24を形成している。そして、この円孔24内に、変位軸7を構成する支持軸部25を、第一のラジアルニードル軸受27により、回動自在に支持している。この第一のラジアルニードル軸受27は、削り加工により造られて両端部に内向フランジ状の鍔部を形成した円筒状の外輪レース28と、この外輪レース28の内径側に収納したニードル29、29とから成る、ソリッド型のものである。このうちの外輪レース28の自由状態での外径は、上記円孔24の内径と同じかこの内径よりも僅かに大きくしている。従って、上記外輪レース28は上記円孔24に、嵌め合い代0若しくは軽い締り嵌めで内嵌している。この様な第一のラジアルニードル軸受27により上記支持軸部25を上記円孔24内に回転自在に支持した状態で、上記変位軸7を構成する枢支軸部26は、上記トラニオン6の内側面から突出する。 【0025】この様に上記トラニオン6の内側面から突出した枢支軸部26の周囲にはパワーローラ8を、第二のラジアルニードル軸受30により、回転自在に支持している。そして、このパワーローラ8の外側面と上記トラニオン6の中間部内側面との間にスラスト玉軸受33とスラストニードル軸受34とを、スラスト荷重の作用方向(図1の上下方向)に関して互いに直列に設けている。この構成により上記パワーローラ8を上記トラニオン6の内側面部分に、上記枢支軸部26を中心とする回転、並びに上記支持軸部25を中心とする揺動変位自在に支持している。 【0026】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を、上記第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間よりも大きくしている。この為に、上記各変位軸7を構成する支持軸部25及び枢支軸部26の外径が15〜25mmである場合に、第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間を9〜31μmとし、第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間が29〜64μmとする。尚、第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間の上限値(31μm)は、変速動作を安定化すべく、上記パワーローラ8の、枢軸5、5の軸方向の変位を0.1mm以下に抑えるべく規制する。又、下限値(9μm)は、組み付け作業の面倒を避ける面から規制する。一方、第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間の下限値(29μm)は、この第二のラジアルニードル軸受30を構成するニードル32、32の転動面と相手軌道面との当接部の面圧を過度に上昇させない面から規制する。又、上限値(64μm)は、上記第二のラジアルニードル軸受30の設置部分のがたつき防止の面から規制する。 【0027】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機用の場合には、上記第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間を小さくする事により、上記各変位軸7が上記支持軸部25を中心に傾斜する事を防止して、変速動作の安定化を図れる。即ち、上記第一のラジアルニードル軸受27のラジアル隙間が小さい分、上記支持軸部25が前記円孔24内で傾斜しにくい。この為、上記各変位軸7の傾斜を僅少に抑えて、これら各変位軸7の枢支軸部26の周囲に支持した上記各パワーローラ8の、前記各枢軸5、5の軸方向に亙る変位量を僅少に抑え、上記変速動作の安定化を図れる。 【0028】又、上記第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を大きくする事により、この第二のラジアルニードル軸受30を構成するニードル32、32の転動面と、外輪軌道である上記各パワーローラ8の内周面及び内輪軌道である上記枢支軸部26の外周面との当接部の面圧の上昇を抑え、これら各周面の転がり疲れ寿命の確保を図れる。即ち、上記第二のラジアルニードル軸受30のラジアル隙間を大きくしている為、前述の図2に示す様に、上記パワーローラ8が、その断面形状が楕円形になる様に弾性変形した場合でも、この楕円形の小径部分での、上記各パワーローラ8の内周面と上記枢支軸部26の外周面との間隔を確保できる。この為、上述の様に、当接部の面圧の上昇を抑え、これら各周面の転がり疲れ寿命の確保を図れる。 【0029】尚、前記トラニオン6の内側面部分に上記パワーローラ8を、図1に示す様に組み付けてパワーローラユニットを構成した状態で、このパワーローラ8に直径方向の力を加え、前記スラスト玉軸受33のがたつき量を測定する。そして、このがたつき量が0若しくは規定値以下のパワーローラユニットのみを、他の部材と組み合わせてトロイダル型無段変速機とする。この理由は、上記スラスト玉軸受33のがたつき量が大きいと、上記パワーローラ8が前記枢軸5、5の軸方向に変位して、安定した変速動作を行なえなくなる為である。 【0030】 【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作用する為、トロイダル型無段変速機の耐久性向上と変速動作の安定性向上とを図って、トロイダル型無段変速機の実用性向上に寄与できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087457 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−116098(P2001−116098A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296190 |
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