| 【発明の名称】 |
電動車両用変速機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】大石 明文
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| 【要約】 |
【課題】騒音を抑制することができる電動車両用変速機構を提供する。
【解決手段】電動車両用変速機構において、第2速減大歯車69は、周囲に第2速減少歯車67に噛合する歯が形成されたリング状のギヤ部70と、このギヤ部70の内側でドライブ軸58に結合された中央部71とを有し、中央部71の外周面部及び前記ギヤ部70の内周面部には、それぞれ駆動伝達凸部70a,71aが形成され、両駆動伝達凸部70a,71aの側面部が互いに当接して駆動力を伝達するように形成されると共に、中央部71の外周面部及び前記ギヤ部70の内周面部には、それぞれ緩衝用凸部70b,71bが形成され、該中央部71側の緩衝用凸部71bとギヤ部70の緩衝用凸部70bとの間に弾性変形可能な緩衝部材72が介在された。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メイン軸に該メイン軸と一体となって回転する回転体が設けられ、該回転体にドック孔又はドック爪の一方が形成されると共に、前記メイン軸にメイン側減少歯車が回転、且つスライド自在に設けられ、該メイン側減少歯車に前記ドック孔又はドック爪の他方が形成される一方、ドライブ軸に、前記メイン側減少歯車に噛合するドライブ側減大歯車が設けられ、前記ドック爪が前記ドック孔に嵌合された状態で、前記両歯車を介してドライブ軸に駆動力が伝達されるようにした電動車両用変速機構において、前記ドライブ側減大歯車は、周囲に前記メイン側減少歯車に噛合する歯が形成されたリング状のギヤ部と、該ギヤ部の内側で前記ドライブ軸に結合された中央部とを有し、該中央部の外周面部及び前記ギヤ部の内周面部には、それぞれ駆動伝達凸部が形成され、該両駆動伝達凸部の側面部が互いに当接して駆動力を伝達するように形成されると共に、前記中央部の外周面部及び前記ギヤ部の内周面部には、それぞれ緩衝用凸部が形成され、該中央部側の緩衝用凸部とギヤ部の緩衝用凸部との間に弾性変形可能な緩衝部材が介在され、前記ギヤ部に駆動力が作用していない時には、前記中央部及び前記ギヤ部の両駆動伝達凸部の間には、隙間が形成されており、前記ギヤ部に駆動力が作用した時には、前記中央部側の緩衝用凸部とギヤ部の緩衝用凸部との間に介在された緩衝部材が弾性変形されて、前記中央部及び前記ギヤ部の両駆動伝達凸部の側面部が当接して、前記中央部側に駆動力が伝達されるように構成したことを特徴とする電動車両用変速機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電動車両の変速機構における騒音の発生を抑制する改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、この種の電動車両にあっては、駆動モータからの駆動力が変速機構を介して減速されて後輪に伝達されるようになっている。この減速機構は、例えば1速、2速の変速機能を有し、2速においては、ドック爪とドック孔とが嵌合されることにより、第2速減少歯車に駆動力が伝達され、この減少歯車からこの歯車が噛合する第2速減大歯車に駆動力が伝達されて後輪が回転されるようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のものにあっては、ドック爪とドック孔との嵌合状態では、嵌合を円滑に行わせるため、多少の遊びがあることから、2速走行状態において、加減速を行うと、後輪側又は駆動モータ側の回転速度が先行したり、遅れたりする。これにより、ドック爪がドック孔内で左右に振れてドック孔の左右の内壁に衝突する。この衝突により「コツコツ」という騒音が発生し、特に、エンジン車両に比較して静粛な電動車両においては耳障りなものとなっていた。 【0004】そこで、この発明は、騒音を抑制する電動車両用変速機構を提供することを課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、メイン軸に該メイン軸と一体となって回転する回転体が設けられ、該回転体にドック孔又はドック爪の一方が形成されると共に、前記メイン軸にメイン側減少歯車が回転、且つスライド自在に設けられ、該メイン側減少歯車に前記ドック孔又はドック爪の他方が形成される一方、ドライブ軸に、前記メイン側減少歯車に噛合するドライブ側減大歯車が設けられ、前記ドック爪が前記ドック孔に嵌合された状態で、前記両歯車を介してドライブ軸に駆動力が伝達されるようにした電動車両用変速機構において、前記ドライブ側減大歯車は、周囲に前記メイン側減少歯車に噛合する歯が形成されたリング状のギヤ部と、該ギヤ部の内側で前記ドライブ軸に結合された中央部とを有し、該中央部の外周面部及び前記ギヤ部の内周面部には、それぞれ駆動伝達凸部が形成され、該両駆動伝達凸部の側面部が互いに当接して駆動力を伝達するように形成されると共に、前記中央部の外周面部及び前記ギヤ部の内周面部には、それぞれ緩衝用凸部が形成され、該中央部側の緩衝用凸部とギヤ部の緩衝用凸部との間に弾性変形可能な緩衝部材が介在され、前記ギヤ部に駆動力が作用していない時には、前記中央部及び前記ギヤ部の両駆動伝達凸部の間には、隙間が形成されており、前記ギヤ部に駆動力が作用した時には、前記中央部側の緩衝用凸部とギヤ部の緩衝用凸部との間に介在された緩衝部材が弾性変形されて、前記中央部及び前記ギヤ部の両駆動伝達凸部の側面部が当接して、前記中央部側に駆動力が伝達されるように構成した電動車両用変速機構としたことを特徴としている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について説明する。 【0007】図1乃至図42には、この発明の実施の形態を示す。この発明の実施の形態では、発明箇所を含む電動車両であるスクータ型電動二輪車の略全体について説明する。 【0008】まず構成について説明すると、この実施の形態のスクータ型電動二輪車は、図1及び図4に示すように、車体フレーム11を有し、この車体フレーム11には、その前部にヘッドパイプ12が設けられ、このヘッドパイプ12から斜め後ろ下方に向かって1本のダウンチューブ13が延長されている。 【0009】そして、このダウンチューブ13の下端部13aには、左右チューブ14の前端部14aが溶接により固定され、この左右チューブ14が後方に向けて延長されている。この左右チューブ14は途中が2箇所折曲されて後ろ上がりに形成され、これら左右チューブ14の前側半分には、多数の孔15aが開設された「板状部材」としての前側受けプレート15が固定され、この前側受けプレート15の底部15b上には、後述するバッテリボックス18が載置され、このバッテリボックス18の下方が前側受けプレート15により覆われるようになっている。また、この前側受けプレート15の後ろ側には、第1クロスメンバ20が取り付けられると共に、左右チューブ14の後端部14bが後側受けプレート16で連結されている。 【0010】さらに、その左右チューブ14は、上部側が第2,第3クロスメンバ21,22にて連結されている。 【0011】そして、上記ヘッドパイプ12には、フロントフォーク23が操向自在に支承され、このフロントフォーク23の下端部には、前車軸により前輪24が支承されている。また、このフロントフォーク23の上端部には、T字形のハンドル25が取り付けられている。 【0012】一方、前記左右チューブ14には、ブラケット26を介してピボット軸27が架設され、このピボット軸27を介して走行用駆動部品である動力ユニット29が上下揺動自在に枢支されている。この動力ユニット29の後端部に後輪30が支承されている。また、上記左右チューブ14の後端部の後側受けプレート16と動力ユニット29の後部との間にリヤクッション31が配設されている。 【0013】その動力ユニット29は、三相交流の駆動モータ34と、この駆動モータ34の動力を前記後輪30に伝える動力伝達機構36とを有している。 【0014】この駆動モータ34は、図5に示すように、軸心が車幅方向に沿うモータ本体ケース34aを有し、このモータ本体ケース34aに一端部側が中間プレート37に液密状態で取り付けられ、このモータ本体ケース34aの他端部側にはモータカバー34bが取り付けられている。そして、これらケース34a等に左右一対の軸受け34c,34dによって出力軸34eが支承され、モータ本体ケース34aにステータ34fが取り付けられ、上記出力軸34eにロータ34gが取り付けられている。そして、上記ステータ34fに与えられる交流の駆動電流により、上記ロータ34gが回転し、これに伴い上記出力軸34eが回転させられるようになっている。 【0015】また、動力伝達機構36は、駆動モータ34の駆動力を後輪30に伝達するように構成されて伝動室39内に配設されている。この伝動室39を形成する伝動ケース40は、アルミ製で、前記中間プレート37に伝動ケースカバー41がネジ止めされて構成されている。 【0016】そして、図5乃至図7に示すように、この中間プレート37を貫通して駆動モータ34の出力軸34eの先端部が上記伝動ケース40の伝動室39前部内に突出されると共に、この中間プレート37の隔壁部37cに導出開口37aが形成され、この導出開口37aから駆動モータ34側のステータ34fの「配線」である電線ケーブル34hが伝動室39内側に導出されている。具体的には、その導出開口37aには、ベース部材43と挟持板44とが中間プレート37を挟持するようにネジ45止めされて配設され、このベース部材43のターミナル46に3本の電線ケーブル34hの端部が接続され、そのターミナル46と導通するように伝動室39内側の3本の延長ケーブル47の端部がナット48により接続されている。そして、これら延長ケーブル47が伝動ケースカバー41内を通って引出し口37bに嵌合されたシール部材49の3つの各挿通孔49aから外部に延長されている(図6及び図7参照)。 【0017】また、前記モータ本体ケース34aには、図8に示すように、外周部に挿通路34iが形成され、この挿通路34iにロータリエンコーダ34jから延長されたケーブル34kが挿通され、このケーブル34kが前記隔壁部37cに形成された挿通口37dを介して伝動室39内に導かれている。 【0018】そして、このケーブル34kと、後述する変速用モータ51のケーブル51aとが、図7に示すように、伝動室39内を通り、これら両ケーブル34k,51aが前記シール部材49の比較的大きめの挿通孔49bから外部に延長されている。 【0019】さらに、これらケーブル47,34k,51a等が、前記動力伝達機構36の駆動モータ34側のプーリ53や伝動ベルト54に接触しないように、前記導出開口37a近傍から前記シール部材49近傍に跨るように仕切り板55が取り付けられている(図5及び図6参照)。 【0020】このように、駆動モータ34の電線ケーブル34hを伝動室39内に導き、この伝動室39の側部から外部に延長するようにしているため、駆動モータ34の電線ケーブル34hが出力軸34e側、つまり、車両中央寄りを配索されていることから、従来と比べ、電線ケーブル34hが邪魔に成らず、又、車両転倒による損傷も防止される。また、駆動モータ34の外側に別体のカバーが必要とならないため、モータ自体の小型化を図ることができると共に、部品点数、取付工数の削減を図ることができる。 【0021】また、そのように仕切り板55を配設することにより、ケーブル47等が動力伝達機構36に接触することを防止でき、ケーブル47等の損傷を防止できる。 【0022】さらに、伝動ケースカバー41を取り外すことにより、電線ケーブル34hのターミナル46の整備等を簡単に行うことができる。 【0023】ところで、前記伝動ケース40の後部側には、ドライブ軸58が支承され、このドライブ軸58に前記出力軸34eからの駆動力が動力伝達機構36を介して伝達されるように構成されている。 【0024】この動力伝達機構36は、図5及び図6に示すように、上記出力軸34eのプーリ53とプライマリ軸59とに伝動ベルト54が架け渡されて駆動力が伝達されるように構成され、このプライマリ軸59からの駆動力が変速機構を介して前記ドライブ軸58に伝達されるように構成されている。なお、図6中符号60は、伝動ベルト54に所定の張力を付与するためのアイドラプーリ60である。 【0025】その変速機構は、図5に示すように、オイル室62内に設けられ、プライマリ軸59に形成されたプライマリドライブギヤ63がメイン軸64に固定された「回転体」としての伝達ギヤ65に噛合され、このメイン軸64に第1速減少歯車66が形成されると共に、このメイン軸64には「メイン側減少歯車」としての第2速減少歯車67が回転自在に設けられている。この第2速減少歯車67は、メイン軸64上を軸方向にスライド自在に設けられて、所定方向にスライドされることにより、この第2速減少歯車67に形成されたドック爪67aが、前記伝達ギヤ65に形成されたドック孔65aに嵌合されて、この第2速減少歯車67が前記伝達ギヤ65と一体に回転されるように構成されている。なお、この第2速減少歯車67をスライドさせる機構は後述する。 【0026】そして、この第2速減少歯車67と噛み合う第2速減大歯車69がドライブ軸58側に設けられている。この第2速減大歯車69は、図9に示すように、周囲に前記第2速減少歯車67に噛合する歯が形成されたリング状のギヤ部70と、このギヤ部70の内側で前記ドライブ軸58にスプライン結合された中央部71とを有している。この中央部71の外周面部及びギヤ部70の内周面部には、それぞれ駆動伝達凸部70a,71aが形成され、これら両駆動伝達凸部70a,71aの側面部が互いに当接して駆動力を伝達するように形成されている。また、前記中央部71の外周面部及び前記ギヤ部70の内周面部には、それぞれ緩衝用凸部70b,71bが形成されている。なお、ここでは、中央部71側の駆動伝達凸部71aと緩衝用凸部71bとは共通の凸部となっている。 【0027】その中央部71側の緩衝用凸部71bとギヤ部70の緩衝用凸部70bとの間に弾性変形可能な緩衝部材72が介在されている。この緩衝部材72は、ゴム製で円形に形成されている。 【0028】そして、そのギヤ部70に駆動力が作用していない時には、中央部71及びギヤ部70の両駆動伝達凸部71a,70aの間には、隙間cが形成されており、ギヤ部70に駆動力が作用した時には、中央部71側の緩衝用凸部71bとギヤ部70の緩衝用凸部70bとの間に介在された緩衝部材72が弾性変形されて、中央部71及びギヤ部70の両駆動伝達凸部71a,71bの側面部が当接して、中央部71側に駆動力が伝達されるように構成されている。 【0029】また、図6に示すように、前記第1速減少歯車66と噛み合う第1速減大歯車74が、中間回転体75の周囲に配設され、この中間回転体75が前記ドライブ軸58にスプライン結合され、この中間回転体75の周囲には、複数のラッチ爪75aが図6中反時計回りに付勢されている。そして、これらラッチ爪75aの先端部が係止するラッチ溝74aが第1速減大歯車74の内周面部に形成されている。 【0030】これにより、例えばドック爪67aがドック孔65aに嵌合されていない状態では、メイン軸64の第1速減少歯車66から第1速減大歯車74、ラッチ爪75a、中間回転体75を介してドライブ軸58に駆動力が伝達されるようになっている。 【0031】一方、ドック爪67aがドック孔65aに嵌合されると、第2速減少歯車67から第2速減大歯車69を介してドライブ軸58に駆動力が伝達される。この場合には、前記第1速側も噛み合っているが、第2速減大歯車69の回転の方が、第1速減大歯車74の回転より速くなり、ドライブ軸58は、第1速減大歯車74より先行して回転する。この場合には、図6に示すように、中間回転体75のラッチ爪75aが、ラッチ溝74aを順次乗り越えることにより、ドライブ軸58と第1速減大歯車74との回転差を許容するようにしている。 【0032】また、前記第2速減少歯車67をスライドさせる機構は、以下のように構成されている。 【0033】すなわち、図6及び図10に示すように、この第2速減少歯車67の係合溝部67bに、シフトフォーク76の二股に分かれたフォーク部76aの先端部が係合されて、このシフトフォーク76がガイドバー78にスライド自在に設けられ、このシフトフォーク76がスライドされることにより、前記第2速減少歯車67がスライドされるように構成されている。 【0034】また、そのシフトフォーク76には、従動凸部76bが形成され、この従動凸部76bがシフトカム77のカム溝77aに移動可能に挿入されている。このカム溝77aは、展開すると図11に示すように形成されており、シフトカム77の全周に渡って連続して環状に蛇行して形成され、このシフトカム77が変速用モータ51の駆動力により回転させられることにより、シフトフォーク76がガイドバー78上をスライドするように構成されている。 【0035】そのシフトカム77はカム軸80に固定されており、このカム軸80は複数の減速歯車81乃至90を介して変速用モータ51の出力軸51bに連結されている。これらの内の歯車81,82,83には略扇形の凹部81a,82a,83aが形成され、これら凹部81a,82a,83aにカム軸80及び減速軸92に貫通されたピン93が配置されている。これらピン93を介して各歯車81,82,83とカム軸80及び減速軸92との間の駆動力の伝達が行われるようになっているが、ピン93がその略扇形の凹部81a,82a,83a内を多少移動することにより、各歯車81,82,83とカム軸80及び減速軸92との間に多少の遊びが設けられている。 【0036】また、そのカム軸80の端部には、図10に示すように、90°間隔でN・Sに着磁された磁性円盤94が設けられて回転されるように構成されると共に、この磁性円盤94の近傍に設けられた基板95には、第1センサ96及び第2センサ97が設けられている。これらセンサ96,97は、ホールICと称されるもので、N極が通過するときに出力が1となり、S極が通過するときに出力が0となるように構成されている。 【0037】さらに、前記シフトカム77には、計4本のダウェルピン98が設けられ、これらの2本のダウェルピン98の間に、ストッパレバー99の先端部に設けられたローラ99aが挿入されてカム軸80の回転が停止されるように構成されている。このストッパレバー99は、ボルト100を中心に回動され、図6中時計回りに、スプリング101にて付勢されている。そのロックがかかる位置は、前記ドック爪67a及びドック孔65aが確実に嵌合される位置、又は、前記ドック爪67a及びドック孔65aが確実に離脱される位置である。 【0038】次に、第1速から第2速に変速される場合について説明する。 【0039】駆動モータ34の回転数が所定値、例えば6000回転になると、モータコントローラ102により、前記変速用モータ51が駆動されて、複数の歯車81…を介してカム軸80が回転されて第2速減少歯車67のドック爪67aが前進すると共に、磁性円盤94が回転される。 【0040】そして、第1センサ96により、その回転する磁性円盤94の磁極の変化が検知されると、モータ電流指令値が回生側まで減少し、メイン軸64側の回転が減速される。この場合には、ドライブ軸58側の回転がメイン軸64側の回転より速くなっても、上記のようにラッチ爪75aがラッチ溝74aを乗り越えることにより、ドライブ軸58側の回転にブレーキがかかることはない。 【0041】このようにメイン軸64側の伝達ギヤ65の回転が減速されることにより、ドック爪67aがドック孔65aに嵌合されるときに衝撃が緩和されることとなる。 【0042】そして、ドック爪67aのドック孔65aへの嵌合が完了した状態で、今度は、第2センサ97により磁極の変化が検知されて、モータコントローラ102により、変速用モータ51の駆動が停止される。この状態で、シフトカム77に設けられた2本のダウェルピン98の間に、ストッパレバー99の先端部に設けられたローラ99aが挿入されてカム軸80の回転が停止されることとなる。 【0043】そして、2速で走行中の場合において、加減速を行うと、ドック爪67aとドック孔65aとの予め遊びがあることから、従来では、「コツコツ」という衝突音が発生していたが、この発明によれば、中央部71及びギヤ部70の両駆動伝達凸部70a,71aの間に隙間cを設定し、これら両凸部70a,71aの側面部が当接するまでの間に緩衝部材72で衝撃を吸収することにより、衝突音の発生を抑制することができる。 【0044】一方、前記車体フレーム11の左右チューブ14の間には、バッテリアッセンブリ103が配設されている。 【0045】このバッテリアッセンブリ103は、図1,図2及び図4等に示すように、バッテリボックス18内にバッテリユニット104が収納されており、前記前側受けプレート15と後側受けプレート16とにダンパー105,106を介して弾性的に支持されている。なお、左右チューブ14自体を、バッテリボックス18の下部と側部を連続して覆う板状のアルミ等の鋳造フレームとすることもできる。 【0046】そのバッテリユニット104は、4つのバッテリモジュール108から構成されている。 【0047】これら各バッテリモジュール108は、ここでは、1.2VのNi−Cd,Ni−MHあるいはリチウムイオン電池である小型円筒型電池107が30本、略上下方向に沿って縦置きに、互いに当接された状態で接触するように配列されている。このバッテリモジュール108は、幅方向の列数が3列に設定されている。 【0048】そして、各バッテリモジュール108は、30本の小型円筒型電池107の内、10本を一組として一つのブロック109が構成され、1つのバッテリモジュール108では3つのブロック109を有している。そして、各ブロック109では、各電池107が直列に接続され、3つのブロック109が並列に接続され、4つのバッテリモジュール108が直列に接続されている。 【0049】このバッテリアッセンブリ103は、駆動モータ34の前方で、且つ、フートボード111の下方から、前記駆動モータ34の上方又は上後方で、且つ、シート112下方まで連続させて、車両前後方向に設置されており、前記駆動モータ34の前方にて後部上方に向かって屈曲されている。 【0050】そして、前記左右チューブ14が、前記バッテリアッセンブリ103の左右の側面に沿って前後方向に延びている(図1及び図22参照)。 【0051】また、「板状部材」としての前記前側受けプレート15は、前記フートボード111下方で、且つ、前記バッテリアッセンブリ103の下面を覆うように前記左右チューブ14に取り付けられている。 【0052】このように、バッテリアッセンブリ103を駆動モータ34の前方で、且つ、フートボード111の下方から、前記駆動モータ34の上方又は上後方で、且つシート112下方まで連続させて、車両前後方向に設置したため、適正なフートボード111の高さと充分なシート下収納空間および足置板下部の地上高を同時に確保できる。 【0053】また、駆動モータ34の前方にてバッテリアッセンブリ103を後部上方に向かって屈曲させたため、後輪30上方に充分な空間を確保できる。 【0054】さらに、バッテリアッセンブリ103の左右の側面に沿って前後方向に延びる左右チューブ14を配設したため、適正なフートボード111の高さと充分なシート112下収納空間およびフートボード111下部の地上高を同時に確保できる。 【0055】さらにまた、フートボード111下方で、且つ、バッテリアッセンブリ103の下面を覆う前側受けプレート15を左右チューブ14に取り付けたため、バッテリアッセンブリ103を保護することができる。 【0056】また、バッテリボックス18は、上部が開放された箱形のボックス本体18aと、このボックス本体18aの開口を覆う蓋体18bとから構成されている。このボックス本体18aは、前後方向の略中央部から後方は、斜め上方に持ち上がるように傾斜すると共に、その前後方向の中央部には車両前後方向に仕切る前後仕切り部18cが形成されると共に、車幅方向の中央部には左右方向に仕切る左右仕切り部18dが形成されている。これでボックス本体18a内が4つのスペースに仕切られている。そして、これら4つのスペースに、前記4つのバッテリモジュール108が互いに間隙を持って配設され、この配設状態で、各モジュール108の周囲と、ボックス本体18aの外周壁との間には間隙が設けられている。また、この各バッテリモジュール108上面と蓋体18b、各バッテリモジュール108底面とボックス本体18a底面部との間には、図16及び図17等に示すように、シール部材113が配設されている。これにより、バッテリボックス18内に後述するように導入された冷却風が、図13中矢印に示すように、前記各バッテリモジュール108の側部の周囲を流れるように流路18eが形成されている。 【0057】そして、このバッテリボックス18の中央部(4つのモジュール108の中央部)には、図14に示すように、バッテリ冷却ファン114が配設されると共に、このバッテリ冷却ファン114により、蓋体18bの車両前後方向中央部で、車幅方向両端部に形成された一対の導入口18fからバッテリボックス18内に外気が導入されるようになっている。導入された外気は、各モジュール108の周囲の流路18eを図13中矢印に示すように通過して、各電池107を冷却しながらバッテリ冷却ファン114に吸い込まれ、ボックス本体18aの底面部に形成された排気口18gから外部に排気されるようになっている。 【0058】このように、バッテリボックス18内にバッテリ冷却ファン114により冷却風が導入され、この冷却風をバッテリモジュール108の側部の周囲を流れるように流路18eを形成したため、防水性・防塵性を確保すると共に、十分な冷却効果を得ることができる。また、その流路18eが駆動モータ34の停止状態において断熱機能を発揮することにより、保温性を確保できる。 【0059】また、バッテリモジュール108の幅方向の列数を3列とすることにより、バッテリモジュール108内の円筒型電池107の温度バラ付きを極力抑えることができ、電池寿命を延ばすことができる。 【0060】さらに、バッテリモジュール108は4つ、間隔をおいて搭載され、冷却風を導入するバッテリ冷却ファン114を4つのバッテリモジュール108の略中央部に配置したため、複数のバッテリモジュール108に均等に冷却風を通気することができ、電池107の温度バラ付きを抑えて電池寿命を延ばすことができると共に充電効率の均一化が図れる。また、バッテリ冷却ファン114とバッテリモジュール108との位置が接近しているため、圧力損失が減少し、ファン能力が十分に発揮でき、冷却性能が向上し、電池温度の上昇を抑制することが可能となり、電池寿命を延ばすことができる。 【0061】さらにまた、バッテリボックス18内へ冷却風を導入する導入口18fを、前記バッテリボックス18の上面で、車両前後方向の略中央部、かつ、車幅方向両端部に設けたため、この点においても、複数のバッテリモジュール108に均等に冷却風を通気することができ、電池の温度バラ付きを抑えて電池寿命を延ばすことができると共に充電効率の均一化が図れる。 【0062】しかも、バッテリモジュール108をフートボード111の下部に配置した場合でも、バッテリモジュール108の上下に流路を設けていないため、高さを最小限にすることが可能となり、このフートボード111を薄くでき、エンジンスクータ並の最適な乗車ポジションを達成できる。 【0063】なお、その冷却風の導入口18fから通気ダクトを車両上方部方向に延長して配置すれば、その導入口18fからの水の浸入防止効果を一層向上させることができる。 【0064】また、バッテリモジュール108が長尺形状の小型円筒型電池107を複数個隣接して配置することにより構成されているため、この配置を適宜選択することにより、冷却風の流路18eを自由に構成することができ、冷却性能を確保するための最適な構造を達成できる。 【0065】一方、前記バッテリボックス18の排気口18gは、図14に示すように、駆動モータ34及びモータコントローラ102等の発熱部品の方向に向けて配置され、この排気口18gからの排気風にてそれら発熱部品34,102が冷却されるように構成されている。 【0066】このモータコントローラ102は、図14及び図24に示すように、平面視において、四角形状を呈すると共に、コントローラ本体102aの車両前後方向に沿う断面が略四角形状を呈しており、前面,後面及び底面に車両前後方向に沿う冷却用フィン102bが所定間隔で設けられている。 【0067】そして、前記排気口18gがその後面側の冷却用フィン102bの方向に向き、前記排気風がその冷却用フィン102bに送風されるように設定されている。 【0068】また、このモータコントローラ102は、冷却用フィン102bを含む全体形状が、側方から見ると前方が先細り形状の略三角形状を呈している。そして、この先端部側が、図1に示すように、前記前側受けプレート15内に挿入されると共に、このモータコントローラ102は、前記駆動モータ34の前方で、且つ、その下面が、前記フートボード111の下方の車両下面(前側受けプレート15下面)と略連続されて設置されている。 【0069】上記のように、バッテリモジュール108を冷却した排気風を排気口18gから、駆動モータ34及びモータコントローラ102等の発熱部品の方向に向けて送風することにより、それら発熱部品が冷却されるため、発熱部品である駆動モータ34やモータコントローラ102を新たな冷却用装置を設置することなく、効率よく冷却することができると共に、レイアウトの自由度を向上させることができ、且つ、重量増加を招くこともない。 【0070】また、モータコントローラ102に冷却用フィン102bを設けることにより、モータコントローラ102の冷却性能を一層向上させることができる。 【0071】さらに、冷却用フィン102bの一部を車両外部方向に向けて設置して、走行時に走行風により強制的に冷却されるように構成したため、走行風を利用することで、モータコントローラ102の冷却性能をより一層向上させることができる。 【0072】しかも、モータコントローラ102は、下面が、前記フートボード111の下方の車両下面(前側受けプレート15下面)と略連続されて設置されているため、温度が高くなるモータコントローラ102が車体下方にそれ程突出しないため熱害を軽減できると共に、走行風を下方に突出した冷却用フィン102bが受けることにより冷却性も向上させることができる。 【0073】また、このバッテリボックス18内には、図13,図14,図16及び図34に示すように、「バッテリ用電装品」としてのメインリレー116と、DC/DCコンバータ117と、電流センサ118と、バッテリユニット104を監視するバッテリ側制御装置119(以下「ECU1」という)とが内蔵され、このバッテリボックス18は図19又は図20に示すような防水構造とされている。 【0074】この防水構造は、図19に示すように、ボックス本体18aの上部周縁部と、蓋体18bの周縁部との間に防水パッキン18hが介在され、それら周縁部のフランジ部がストッパ18iで挟持されて防水性が確保されるように構成されている。このストッパ18iは、図13に示すように、周囲に8箇所配設されている。また、図20に示すように、防水パッキン18iをボックス本体18a上部周縁部の外側壁と蓋体18b周縁部の内側壁との間に配設することもできる。 【0075】また、図13及び図16に示すように、第1のバッテリモジュール108と第2のバッテリモジュール108との接続は、ヒューズ120を介して行われると共に、各モジュール108からの電圧温度信号がECU1に入力されて、充電/放電の管理が行われるようになっている。 【0076】さらに、図34に示すように、第1のバッテリモジュール108とパワーアッセンブリ130との間には、前記メインリレー116及び電流センサ118が直列接続され、この電流センサ118からの信号がECU1に送られてバッテリ電流を検出してバッテリ容量が計算されるようになっている。 【0077】そのECU1は、高電圧ラインに接続されており、常時通電状態にあると共に、このECU1により、充電/放電時には、DC/DCコンバータ117を起動するように設定されている。また、パワーアッセンブリ130は、図示しないスロットルセンサからの信号に応じて駆動モータ34を駆動するように構成されている。なお、制御については詳細は後述する。 【0078】そして、ボックス本体18aの底面部からは図21に示すように高電圧ラインa及び制御信号用の多芯ケーブルbが外部に延長されている。 【0079】上記のように、バッテリボックス18全体を防水構造とし、この中にバッテリ用電装品であるDC/DCコンバータ117等の高電圧部分を配置することで、この高電圧部分の防水必要箇所を少なくし、コスト低減を図ることができる。 【0080】また、高電圧ラインのバッテリ用電装品を互いに近い距離に配置することができ、高圧大電流が流れるラインが短くなり、配線材料の抵抗分による損失を低減し、車両の効率を向上させることができる。 【0081】さらに、バッテリボックス18内に各種バッテリ用電装品を集中配置することにより、あらかじめ一つのユニットとして、バッテリ周りの配線ができるため、作業性が向上し、コストの低下・信頼性の向上が図れる。 【0082】さらにまた、バッテリ周りの配線の接続に、防水コネクタを使う必要が無くなり、省スペースでコストダウンを図ることができる。 【0083】しかも、バッテリボックス18内に、バッテリモジュール108間の電気的接続を行うヒューズ120を内蔵させることにより、新たに防水性のヒューズホルダーを設けることが不要となり、コストの低下を図ることができる。 【0084】また、バッテリボックス18の蓋体18bを開けることで、容易にヒューズ120の交換ができるため、メンテナンス性が向上すると共に、高圧大電流が流れるヒューズ120とバッテリモジュール108との距離が最短になるため、配線抵抗による損失が減り、車両としての効率アップを図ることができる。 【0085】なお、そのバッテリボックス18に、図25及び図26に示すように、充電装置140を内蔵する充電装置収納部18kを形成することもできる。この場合には、充電装置140は、新気が吸気用ダクト141から内蔵されたファンにより吸入されて排気ダクト142から外部に排気されるようになっている。なお、図25の(b)に示すようにファン144は外付けとすることもできる。符号18mは水抜き孔である。 【0086】このようにすれば、充電装置140とバッテリモジュール108の間、充電装置140とECU1の間の接続部分も、ボックス18の中に納めることで、上記の効果をより向上させることができる。 【0087】なお、図26の(b),(c)に示すように、充電装置140の冷却用フィン143を上方に露出させることにより、冷却効果を向上させることもできる。 【0088】一方、この車両の外観(カバー)構造は、図1及び図28に示すように、運転者の脚部前方で、車両前面にフロントカバー150が設けられると共に、このフロントカバー150の後ろ側にレッグシールド151が配設され、更に、このフロントカバー150の下側にロアパネル152が配設されている。 【0089】このフロントカバー150は、フロントカバー本体153と、この本体153の上側前面に配置される前面カバー154とから構成されている。 【0090】そのフロントカバー本体153には、図29及び図30に示すように、凹所153a,153bが形成され、これら凹所153a,153bに前照灯155及び方向指示灯156が配設されている。これらには例えばLEDを使用している。そして、これらの前面を覆うように前記前面カバー154が複数の取付部をビス止め等することにより配設されている。 【0091】この前面カバー154は、透明パネルから成り、前記前照灯155又は方向指示灯156の前方部位154a,154b以外の部位において、外側又は内側に塗装が施されることにより、当該前方部位154a,154bが透明又は半透明に形成されている。 【0092】これによれば、前面カバー154の一部(前方部位154a,154b)で、前照灯155又は方向指示灯156のレンズ面を形成したため、カバーとレンズが別体のものと比較すると、パネル面より車両内部への水や埃の侵入を少なくすることができると共に、廉価な構造にでき、且つ、車両前面の外観に滑らかな一体感を持たせることができ、外観品質を向上させることができる。 【0093】また、前面カバー154の外側又は内側に塗装を施すことにより、前照灯155又は方向指示灯156の前方部位154a,154bを透明又は半透明としたため、これら灯火器155,156の輪郭が明確に表現でき、且つ、前面カバー154には好みの色やその色の濃さを表現することができる。 【0094】一方、図27に示すように、ハンドルカバー160は、ハンドルカバー上部161とハンドルカバー下部162とに上下に2分割されている。 【0095】そして、このハンドルカバー上部161には、図41に示すような、計器板163が配設されている。この計器板163は、左側にスピードメータ表示部164、中央部に液晶表示部165、右側にターン表示等の表示部166及びモード167、セットボタン168が設けられている。 【0096】また、図31に示すように、前記レッグシールド151の後ろ側には、前述のフートボード111が配設され、このフートボード111の下側にアンダーカバー170が配置されている。このフートボード111は、バッテリアッセンブリ103の上方に配置され、シート112の周囲を覆うサイドカバー部111aが一体に形成され、このサイドカバー部111aの上部には、ヘルメット等を収納する収納ボックス171が収納される開口が形成され、この開口周縁部111bがシート112を支持する座部となっている。この開口周縁部111bの前部には、シート112の前端部を回動自在に支持するヒンジ部172が設けられると共に、開口周縁部111bの後部には、シート112の後端部をロックするロック装置173が設けられ、このシート112により、収納ボックス171が開閉され、これらフートボード111,収納ボックス171,シート112が一体で着脱可能となっている。なお、シート112の後方には、略コ字状のスタンディングバー174が配設されている。 【0097】このように、フートボード111,収納ボックス171,シート112が一体で着脱可能となっているため、バッテリアッセンブリ103の脱着性の向上、整備性の向上を図ることができる。 【0098】さらに、図32に示すように車両後部には、後尾灯180及び方向指示灯181が設けられ、これら1枚のレンズ182で覆われている。 【0099】次に、かかる電動スクータの制御ユニットについて説明する。 【0100】この制御ユニットは、図33に示すように、前記バッテリアッセンブリ103,メータアッセンブリ190,パワーアッセンブリ130が多重バス200に接続されると共に、充電装置140及び故障診断装置210も多重バス200に接続されている。 【0101】そのバッテリアッセンブリ103は、「電装品」としてのバッテリユニット104に、バッテリ側多重伝送装置119aを有するマスターの前記バッテリ側制御装置119(ECU1)がメインスイッチ211を介して接続されると共に、このECU1にはバッテリユニット104から各種バッテリ情報が入力されるようになっている。また、このECU1からの信号により、DC/DCコンバータ117が起動・停止されるように構成されていると共に、ECU1のバッテリ側多重伝送装置119aが多重バス200に接続されている。 【0102】そして、詳細は後述するが、このECU1はメインスイッチ211をONすることにより起動し、メインスイッチ211をOFFしても、暫く、電圧をバックアップし、作動を維持することができるように構成されていると共に、バッテリユニット104の電圧、電流、温度の各種情報をモニタし、バッテリユニット104の充電状況、放電状況を管理するように構成されている。 【0103】また、メータアッセンブリ190は、メータ側多重伝送装置191aを有するスレーブのメータ側制御装置191(以下「ECU2」という)にスピードセンサ192,スロットル193,ハンドルスイッチ194,スピードメータ195,LCD165(液晶表示部),LED196が接続されると共に、このECU2が前記DC/DCコンバータ117に接続されると共に、このECU2のメータ側多重電送装置191aが多重バス200に接続されている。 【0104】さらに、パワーアッセンブリ130は、モータ駆動回路131がパワーラインを介して前記バッテリユニット104,DC/DCコンバータ117に接続されると共に、このモータ駆動回路131がモータ電流検出センサ132を介して駆動モータ34に接続されている。また、このモータ駆動回路131には、パワー側多重伝送装置133aを有するスレーブのパワー側制御装置133(以下「ECU3」という)が接続され、このECU3は、制御電源ラインを介してDC/DCコンバータ117,ECU2,モータ電流検出センサ132,ロータリエンコーダ34jに接続されると共に、このECU3のパワー側多重伝送装置133aが多重バス200に接続されている。 【0105】そして、詳細は後述するが、そのECU2,3はDC/DCコンバータ117がONされることにより起動し、ECU2は、スロットル193、ハンドル廻りの各種スイッチ情報、前輪24に取り付けられたスピードセンサ192の信号を入力し、その情報を多重バス200上へ送出する。また、ECU2は、ECU1から送られる情報に応じて、LCD165上に、バッテリ残量、充電時間、走行時の電力消費量等を表示すると共に、ECU3は、ECU2からのスロットル情報、ECU1からのバッテリ残存情報に応じて駆動モータ34を制御し、車両を走行させるように構成されている。さらに、ECU1からのバッテリ情報に応じて、充電装置140側では充電制御を行うことも可能であり、充電装置140側は、単なるAC/DCコンバータ117とし、全ての充電制御をECU1にて行うこともできる。 【0106】これにより各多重伝送装置119a,133a,191a間で多重伝送が行われるように構成されている。 【0107】さらにまた、前記充電装置140は、充電ラインを介してバッテリユニット104に接続され、充電側多重伝送装置140aが、多重バス200に接続されている。 【0108】そして、かかるメータアッセンブリ190は、メータ内部又はメータ近傍に配置され、ハンドル廻りスイッチからの信号がメータ側制御装置191(ECU2)に入力されて処理されるように構成され、この処理情報が当該制御装置191の多重伝送装置191aを介して、前記他の制御装置119,133に伝送可能とされている。 【0109】さらに、多重バス200には、故障診断装置210の診断側多重伝送装置210aが接続され、この多重バス200上に、各種故障の情報を流し、その信号を故障診断装置210でモニタすることで、車両の故障状況を検出することができるように構成されている。 【0110】次に、電動スクータの動作開始時について説明する。 【0111】まず、図36に示すように、ステップS1で、ECU1側のメインスイッチ211がONされると、ステップS2で、マイコン基本設定が初期化され、ステップS3で、DC/DCコンバータ117がONされる。 【0112】このDC/DCコンバータ117からの信号が、ECU2,3に入力されて、これらが起動し、それぞれステップS4,S5にてマイコン基本設定が初期化され、次いで、ECU2,3から起動信号がECU1に送信されて、ECU1にてステップS8で受信処理される。そして、ステップS9で各ECU2,3が起動したか否か判断され、NOの時はステップS8に戻り、YESの時はステップS10で処理開始信号がECU2,3に送信された後、処理続行されて、ステップS11,S12にて信号処理され、ステップステップS13,S14にて処理開始信号が受信されたか否か判断されて、NOの時はそれぞれステップS11,S12に戻る。YESの時は、それぞれ処理が続行される。 【0113】次に、動作停止時について説明する。 【0114】まず、処理続行中の状態から、メインスイッチ211がOFF状態とされると、ステップS21で、電源OFF予告信号が、ECU2,3に送られて、ステップS22,S23で受信処理され、ステップS24,S25で電源OFF予告があったか否か判断されて、NOの時は、ステップS26,S27で通常処理に戻り、YESの時は、ステップS28,S29で制御電源の切断対応準備に入る。 【0115】準備が完了すると、ステップS30,S31で、準備完了信号がECU1に送られ、動作が停止される。ECU1では、その準備完了信号がステップS32にて受信処理され、ステップS33で、準備完了信号の受信、つまり、回答があったか否か判断される。NOの時は、ステップ32に戻り、YESの時は、ステップ34で、DC/DCコンバータ117がOFF状態とされ、ステップS35で、動作停止準備が行われた後、動作が停止される。 【0116】このように、各制御装置119,133,191(ECU1,2,3)間で多重伝送を可能とすることにより、各制御装置119,133,191(ECU1,2,3)間のハーネスを減少させ、カプラを小さくすることができ、特に、スペース的な制約が多い二輪車のレイアウトの自由度を向上させることができる。 【0117】また、メータアッセンブリ190は、メータ内部又はメータ近傍に配置され、ハンドル廻りスイッチからの信号がメータ側制御装置191(ECU2)に入力されて処理されるように構成され、この処理情報が当該ECU2の多重伝送装置191aを介して、前記他のECU1,2に伝送可能とされているため、ハンドル廻りのスイッチ類と、車体フレーム11側に設置されたECU1,3との間のハーネスを削減でき、ハンドル25の回動操作を軽くすることができる。 【0118】さらに、マスターのECU1のみで、その他のスレーブのECU2,3の起動/停止を管理することができるため、車両全体の制御システムの起動/停止を管理することが容易になる。 【0119】さらにまた、電源が投入され、多重伝送が可能になった状態で、マスターのECU1に対してスレーブのECU2,3から起動信号を送信するようにしたため、マスターのECU1が、スレーブのECU2,3の起動を把握することにより、車両システム全体が確実に起動できる。 【0120】また、メインスイッチ211がOFFされた場合に、マスターのECU1は、DC/DCコンバータ117をOFFする予告信号をスレーブのECU2,3に対して送信し、スレーブ側は、その予告信号を受信したら、電源OFFに備える準備をし、準備が完了したら、マスターに対し、準備完了信号を送信し、マスター側は、準備完了信号を受信したら、DC/DCコンバータ117をOFFする。従って、各ECU1,2,3が作動中に突然電源を切られることにより、記憶すべきデータを消失したり、本来想定していない作動を引き起こすような状態に陥ることを避け、確実にシステム全体の電源をOFFすることができる。 【0121】一方、前記計器板163の液晶表示部165には、図42に示すように、発信可能を示すスタート表示、標準表示である燃料表示、走行診断表示a,b、リフレッシュ表示、充電表示、エンディング表示が行われるように構成されている。 【0122】以下、その走行診断表示a,bについて説明する。 【0123】すなわち、この走行診断表示a,bは、円形マーク220が基準線222に対してどの位置にあるかにより、走行状態を判断でき、基準線222より下方寄りにあるときは無駄な走りが多く、上方寄りにあるときには無駄な走りが少ないことが認識でき、又、傘マーク221は円形マーク220がどちら(上又は下)に移行しつつあるのか表示するため、円形マーク220の移行する側に表示されるようになっている。さらに、後何キロ走行、又は何時間できるか、今何キロ走行したかの表示も成されるようになっている。 【0124】つまり、バッテリアッセンブリ103のECU1には、電動車両の走行距離を検出する走行距離検出手段と、前記走行距離を走行するのに要した消費エネルギー量を算出するエネルギー算出手段と、走行距離及び消費エネルギー量から電力消費率を計算する電力消費率計算手段とが設けられる一方、この電力消費率がメータアッセンブリ190の「表示手段」としての液晶表示部165(LCD)に表示されるように構成されている。 【0125】また、予め定めた一定期間における平均の電力消費率を計算する平均電力消費率計算手段と、この平均電力消費率計算手段で計算する期間に比べ、短い期間の電力消費率を計算する瞬時電力消費率計算手段とを有し、この平均電力消費率計算手段で計算した平均電力消費率およびまたは瞬時電力消費率計算手段で計算した瞬時電力消費率を「電力消費率表示手段」としての液晶表示部165(LCD)に表示されるように構成されている。 【0126】さらに、前記表示内容を選択する「電力消費率表示切替手段」としての表示切替スイッチ223を有し、この表示切替スイッチ223に応答して平均電力消費率と瞬時電力消費率の表示が切り替えられることも可能となっている。 【0127】さらにまた、前記平均電力消費率を、予め定めた規定の電力消費率よりも多いか少ないかで表示する液晶表示部165を備えている。 【0128】しかも、前記瞬時電力消費率計算手段で計算した結果に基づき、前記平均電力消費率が、多くなる傾向か、少なくなる傾向かを表示する電力消費傾向表示手段(液晶表示部165)を備えている。 【0129】また、前記瞬時電力消費率計算手段で計算した結果に基づき、車両の走行可能時間を計算する走行可能時間計算手段と、該走行可能時間計算手段で計算した走行可能時間を表示する走行可能時間表示手段を備えている。 【0130】さらに、前記瞬時電力消費率計算手段で計算した結果に基づき、車両の走行可能距離を計算する走行可能距離計算手段と、該走行可能距離計算手段で計算した走行可能距離を表示する走行可能距離表示手段を備えている。 【0131】以下、図38,図39,図40に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。 【0132】まず、図38に示す電費(電力消費率)計算ルーチンについて説明する。このルーチンは、ECU1により、10ms毎に繰り返される。以下の説明では電力消費率を電費と略す。 【0133】最初に、ステップS51,S52,S53にて、各センサ192等から、バッテリ電圧、バッテリ電流、回転パルスが読み込まれる。なお、スピードセンサ192は、前輪24の回転に応じたパルス信号を出力し、ここでは、1回転で4パルス出力する。 【0134】ステップS54,S55で、この回転パルスの値に基づいて、走行距離が計算されると共に、現在速度が計算される。 【0135】ステップS59では、消費電力(バッテリ電圧×バッテリ電流)を求め、ステップS56〜S58では、過去3回(10ms前,20ms前,20ms前)の処理で求めた消費電力を呼び出している。そして、ステップS60で、それら4回の消費電力を加算したものを4で割ることにより、瞬時消費電力を算出する。瞬時値であっても、1サイクル(10ms)の値だけでは、ノイズの影響等による誤差が発生し易いため、4回の平均値を取っている。 【0136】次いで、ステップS61で、k0×走行距離を瞬時消費電力で割って瞬時電費を求める。ここで、k0は、1/10msの意味とマイコン内データの単位を合わせる意味がある。 【0137】ステップS62で、その瞬時電費を前回までの積算電費に加算して積算電費を算出する。この積算電費は、電源投入直後は0である。 【0138】ステップS63で、積算カウンタをカウントアップする。この積算カウンタの値は、電源投入直後は0である。 【0139】ステップS64で、その積算電費を積算カウンタで割ってk1を掛けることにより、平均電費を算出する。電源投入後からの平均値を算出する。 【0140】ステップS65で、前回の消費エネルギーに前記瞬時消費電力を足して消費エネルギーを算出する。電源投入直後の消費エネルギーは0である。 【0141】ステップS66で、バッテリの初期エネルギーから消費エネルギーを引くことにより残存エネルギーを算出する。この初期エネルギーは、搭載されるバッテリによって決まる。 【0142】ステップS67で、その残存エネルギーを瞬時消費電力で割ってk2を掛けることにより、その残存エネルギーでの走行可能時間を算出する。 【0143】ステップS68で、現在速度に走行可能時間を掛けてk3を掛けることにより、その残存エネルギーでの走行可能距離を算出する。 【0144】なお、上記k0〜k3は、マイコン内データ内の扱う1ビットあたりの重みを揃えるための係数である。 【0145】次に、上記ルーチンで求められた計算結果等に基づき表示処理するルーチンについて、図39及び図40に基づいて説明する。なお、この表示処理ルーチンは10ms毎に繰り返される。 【0146】まず、予め電費のレベルを1から7まで段階的に小さくなるように定めておき、ステップS70で、上記ルーチンで求められた平均電費がレベル1以上か否か判断され、レベル1以上の時は、ステップS71で「位置が1」であると判断される。レベル1より小さいときはステップS72に進み、平均電費がレベル2以上か否か判断され、レベル2以上であるときは、ステップS73で「位置が2」であると判断される。レベル2より小さいときは、ステップS74に進む。そして、上記と同様にしてステップS74,S76,S78,S80において、平均電費がレベル3,4,5,6と比較されて、ステップS75,S77,S79,S81,S82において「位置が3,4,5,6又は7」であると判断される。 【0147】そして、図40に示すステップS83で、瞬時電費と平均電費が比較され、瞬時電費が平均電費より小さい時は、ステップS84で「減少傾向」と判断され、瞬時電費と平均電費とが同じ時は、ステップS85で「増減なし」と判断され、又、瞬時電費が平均電費より大きい時は、ステップS86で「増加傾向」と判断される。 【0148】次いで、ステップS87では、前記で求められた「位置」情報に応じて平均電費レベルを表示する。つまり、図42のa,bに示すように、予め定めた規定の電力消費率が基準線222として表示されると共に、円形マーク220がその「位置」情報に応じて所定の位置に表示される。 【0149】ここでは、その円形マーク220の表示される位置を7段階に分けて、「位置が4」の時は、その円形マーク220の中心が、前記基準線222上にくるように表示され、「位置が3,2,1」の時は、その基準線222より上側に、又、「位置が5,6,7」の時は、その基準線222より下側に表示される。 【0150】これにより、運転者は、電力消費率の数値でなく、その円形マーク220の位置を見ることにより、バッテリ残量だけでは体感できないバッテリエネルギーの消費状態を把握でき、無駄なエネルギー消費をしないように気を付けることができる。しかも、基準線222に対する円形マーク220の位置で電費を認識できるため、一層視覚的にわかり易い表示とすることができる。 【0151】また、ステップS88では、前記で求められた「傾向」情報に応じて瞬時電費レベルを表示する。つまり、図42に示すように、電費の増減の傾向を傘マーク221で、円形マーク220の上又は下に表示する。上の場合は「増加傾向」、下の場合は「減少傾向」を示す。この傾向を認識することで、無駄なエネルギーの消費をしないように一層気を付けることができる。 【0152】なお、表示切替えスイッチ223を設け、これを操作することにより、瞬時電費の表示位置を前記の平均電費のようにして求め、その平均電費レベル表示の替わりに瞬時電費レベルを表示するようにすることもできる。この場合には、傘マーク22は表示されない。 【0153】さらに、ステップS89では、上述の計算ルーチンで推定した走行可能距離を液晶表示部165に表示する(図42のa参照)。ここでは、例えば「あと 12.3km」と表示されている。この表示を表示切替えスイッチ223を設け、これを操作することにより、上記で算出された走行可能時間に切り替えるようにすることもできる(図42のb参照)。ここでは、例えば「あと 2時間10分」と表示されている。 【0154】このように、電力消費率を表示することで、バッテリ残量だけでは体感できないバッテリエネルギーの消費状態を把握でき、無駄なエネルギーを消費しないように気を付けることができる。 【0155】また、平均電費値は、刻々と変化する走行条件に左右されないため、大枠の値を表示することにより、予め定めた一定期間の電力消費率を統括的に振り返ることができる。 【0156】瞬時電費値は、走行条件が変化した場合に、その変化をすぐに知らせ、操縦者がその表示に応じて対応を取ることができる。 【0157】また、平均電費値と瞬時電費値を切り替えて表示させることで、同時に表示されて表示が分かりにくくなるのを防止することができる。 【0158】さらに、走行可能時間を算出することで、後どれくらい走れるかの目安を与え、バッテリ容量が0になることへの不安を解消できる。また、瞬時電力から走行可能時間を算出することで、走行条件が変化した場合に、走行可能時間も更新され、精度良く表示することができる。 【0159】さらにまた、走行可能距離を算出・表示することで、「時間」ではなく、より実感しやすい「距離」で表示することができる。 【0160】 【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載された発明によれば、減大歯車の回転体の外周面部及びギヤ部の両駆動伝達凸部の間に隙間を設定し、これら両凸部の側面部が当接するまでの間に緩衝部材で衝撃を吸収することにより、衝突音の発生を抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010076 【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104776 【弁理士】 【氏名又は名称】佐野 弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−116090(P2001−116090A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−297057 |
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