| 【発明の名称】 |
油圧モータ駆動式車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】横山 浩之
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| 【要約】 |
【課題】油圧モータの一定時間当りの回転数を検出して、油圧モータが許容回転数を越えて破損するのを防止し、上記検出に伴い、アクスルハウジングの特別な加工を不要にし得る油圧モータ駆動式車両を提供する。
【解決手段】複数の走行車輪7a,7bを回転駆動させる複数の油圧モータ8を有し、各油圧モータ8は、車軸14を収納するアクスルハウジング13に、取付け部材15を介して取付けられ、油圧モータ8からの回転駆動力を車軸14に伝達する動力伝達用回転軸16と油圧モータ8の出力軸17とがスリーブ18で連結され、スリーブ18の外周面に、複数の歯を有する検出用歯車体24が設けられ、取付け部材15に、回転する検出用歯車体24の歯の数を検出する近接スイッチ25が設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の走行車輪と、これら走行車輪を回転駆動させる複数の油圧モータとを有する油圧モータ駆動式車両において、上記複数の油圧モータは1台の油圧ポンプに接続され、上記各油圧モータは、各走行車輪の車軸を収納するアクスルハウジングに、取付け部材を介して取付けられ、各油圧モータからの回転駆動力を上記各車軸に伝達する動力伝達用回転軸と各油圧モータの出力軸とがスリーブで連結され、上記スリーブの外周面に、複数の凹凸状の歯を有する検出用歯車体が設けられ、上記各取付け部材に、回転する検出用歯車体の歯の数を検出する近接スイッチが設けられ、上記近接スイッチにより検出された歯の数に基づいて各油圧モータの一定時間当たりの回転数を求め、かつ、各油圧モータごとに求めた上記回転数のいずれかが許容回転数を越えた場合に油圧ポンプから各油圧モータへの作動油の供給を停止させる制御装置が具備されていることを特徴とする油圧モータ駆動式車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の走行車輪を複数の油圧モータで回転駆動させ、1台の油圧ポンプから上記複数の油圧モータへ作動油を供給する構成を有した油圧モータ駆動式車両に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の油圧モータ駆動式車両としては、例えば図9,図10に示すように、複数の走行車輪51a,51bと、これら走行車輪51a,51bを回転駆動させる複数の油圧モータ52とを有する車両53がある。上記各走行車輪51a,51bの車軸54はアクスルハウジング55の内部に収納されており、上記油圧モータ52は上記アクスルハウジング55に取付けられている。 【0003】また、各油圧モータ52からの回転駆動力を上記各車軸54に伝達する動力伝達用回転軸56の一端と各油圧モータ52の出力軸57とが円筒状のスリーブ58で連結されている。また、上記動力伝達用回転軸56の他端には、モータ側傘歯車59(ピニオン)が設けられている。このモータ側傘歯車59は、上記車軸54に設けられた車軸側傘歯車60(リングギヤ)に噛み合っている。また、一方の走行車輪51aの車軸54と他方の走行車輪51bの車軸54とは、差動装置61(ディファレンシャル)を介して接続されている。尚、上記差動装置61は複数の差動小歯車(図示せず)と差動大歯車(図示せず)とで構成されている。さらに、上記各油圧モータ52は、1台の油圧ポンプ62に接続され、油圧ポンプ62から供給される作動油によって回転駆動する。 【0004】これによると、油圧ポンプ62が駆動することによって、作動油が油圧ポンプ62から各油圧モータ52へ供給され、各油圧モータ52が回転駆動し、スリーブ58を介して動力伝達用回転軸56が回転し、モータ側傘歯車59と車軸側傘歯車60とを介して車軸54が回転し、以って各走行車輪51a,51bが回転駆動して車両53が走行する。 【0005】車両53の走行中、全ての走行車輪51a,51bが地面に接地している状態では、油圧ポンプ62から吐出した作動油は各油圧モータ52へ均等に供給されるが、いずれかの左右一組の走行車輪51a,51bが地面に生じた窪みの上方に浮き上がった場合、この浮き上がった走行車輪51a,51bが空転し、浮き上がった走行車輪51a,51bを回転駆動させている油圧モータ52の負荷が大幅に低減する。このため、油圧ポンプ62から吐出した作動油の大部分が上記浮き上がった走行車輪51a,51bの油圧モータ52のみに集中して供給されてしまう。したがって、浮き上がった走行車輪51a,51bの油圧モータ52の単位時間当たりの回転数(回転速度)が許容回転数(許容回転速度)を越えてしまい、油圧モータ52が破損する恐れがあった。 【0006】このような不具合の対策として、複数のロータリーエンコーダ64を用いて各油圧モータ52の回転数を検出し、各油圧モータ52ごとに検出された単位時間当たりの回転数のいずれかが許容回転数を越えた場合、油圧ポンプ62から各油圧モータ52への作動油の供給を停止させることが行われている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に、ロータリーエンコーダ64は電動式モータの出力軸(回転軸)の延長上に容易に取付けることが可能であるが、上記のような油圧モータ52では、油圧モータ52の内部を作動油が流れるため、油圧モータ52の構造上、ロータリーエンコーダ64を油圧モータ52の出力軸57(回転軸)の延長上に取付けることは困難であった。 【0008】このような事情により、図10に示すように、アクスルハウジング55の一部を特別に加工(穴あけ加工等)して、ロータリーエンコーダ64をアクスルハウジング55に取付けていた。そして、ロータリーエンコーダ64のシャフトに検出用傘歯車65を設け、この検出用傘歯車65を車軸側傘歯車60に噛み合わせている。 【0009】しかしながら上記のような従来形式では、ロータリーエンコーダ64を取付けるためにアクスルハウジング55を特別に加工する必要があり、また、検出用傘歯車65を車軸側傘歯車60に噛み合わせる必要があるため、設計に手間がかかった。さらに、上記検出用傘歯車65はアクスルハウジング55の内部に挿入されているため、アクスルハウジング55が大型化してしまうといった問題があった。また、モータ側傘歯車59と検出用傘歯車65とがそれぞれ車軸側傘歯車60に噛み合っているため、モータ側傘歯車59から車軸側傘歯車60に伝達される回転駆動力の一部が検出用傘歯車65を回転させるために消費されてしまい、したがって、回転駆動力の伝達にロスが生じるといった問題もあった。 【0010】本発明は、各油圧モータの回転数(回転速度)を検出して、油圧モータが許容回転数(許容回転速度)を越えた場合、油圧モータの破損を防止することができ、さらに、油圧モータの回転数検出に伴うアクスルハウジングの特別な加工を不要にし、アクスルハウジングの大型化を抑制するとともに、回転駆動力の伝達ロスを低減し得る油圧モータ駆動式車両を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、複数の走行車輪と、これら走行車輪を回転駆動させる複数の油圧モータとを有する油圧モータ駆動式車両において、上記複数の油圧モータは1台の油圧ポンプに接続され、上記各油圧モータは、各走行車輪の車軸を収納するアクスルハウジングに、取付け部材を介して取付けられ、各油圧モータからの回転駆動力を上記各車軸に伝達する動力伝達用回転軸と各油圧モータの出力軸とがスリーブで連結され、上記スリーブの外周面に、複数の凹凸状の歯を有する検出用歯車体が設けられ、上記各取付け部材に、回転する検出用歯車体の歯の数を検出する近接スイッチが設けられ、上記近接スイッチにより検出された歯の数に基づいて各油圧モータの一定時間当たりの回転数を求め、かつ、各油圧モータごとに求めた上記回転数のいずれかが許容回転数を越えた場合に油圧ポンプから各油圧モータへの作動油の供給を停止させる制御装置が具備されているものである。 【0012】これによると、油圧ポンプが駆動することによって、作動油が油圧ポンプから各油圧モータへ供給され、各油圧モータの出力軸が回転駆動し、スリーブを介して動力伝達用回転軸が回転して油圧モータからの回転駆動力が車軸に伝達され、車軸が回転することによって各走行車輪が回転駆動して車両が走行する。この際、上記各油圧モータの出力軸と一体にスリーブが回転するため、スリーブと共に検出用歯車体も回転し、回転する検出用歯車体の歯の数が近接スイッチで検出される。そして、制御装置が、上記各近接スイッチにより検出された歯の数に基づいて、各油圧モータの一定時間当たりの回転数(回転速度)を求める。 【0013】このようにして各油圧モータごとに求められた上記回転数(回転速度)のうち、少なくともいずれか1台の油圧モータの回転数が許容回転数を越えた場合、制御装置は、油圧ポンプから各油圧モータへの作動油の供給を停止させる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図7,図8に示すように、1は船殻等の大型の被運搬物2を運搬するための油圧モータ駆動式の車両であり、車両本体3の上部に荷台4が設けられ、また、車両本体3の前後両端には運転室5が設けられている。さらに、車両本体3の下方には、複数の屈曲自在な取付アーム体6を介して、複数の走行車輪7a,7bと、これら走行車輪7a,7bを回転駆動させる複数の油圧モータ8とが設けられている。 【0015】図5に示すように、上記取付アーム体6は、互いに回動自在に連結された上部アーム9と下部アーム10とで「く」形状に形成されている。上記上部アーム9の上端は、車両本体3に左右方向へ回転自在に設けられている旋回座11に取付けられている。また、上記上部アーム9と下部アーム10との間には、これら両アーム9,10の角度を拡縮して上記荷台4の高さを調節するシリンダ装置12(サスペンションシリンダ)が設けられている。 【0016】上記各下部アーム10の下端にはそれぞれアクスルハウジング13が設けられており、図1,図2に示すように、各アクスルハウジング13には、回動自在な車軸14が挿入されている。上記走行車輪7a,7bは各車軸14の端部に一対ずつ複数組設けられている。また、上記各油圧モータ8は、取付け部材15を介して、各アクスルハウジング13に取付けられている。 【0017】上記取付け部材15は円環状に形成され、一端面がボルト,ナット等(図示せず)を介して油圧モータ8に連結され、他端面がボルト,ナット等(図示せず)を介してアクスルハウジング13に連結されている。また、各油圧モータ8の回転駆動力は動力伝達用回転軸16を介して各車軸14に伝達される。すなわち、上記動力伝達用回転軸16の一端と油圧モータ8の出力軸17とが円筒状のスリーブ18で連結されている。また、上記動力伝達用回転軸16の他端には、モータ側傘歯車19(ピニオン)が設けられている。このモータ側傘歯車19は、上記車軸14に設けられた車軸側傘歯車20(リングギヤ)に噛み合っている。また、一方の走行車輪7aの車軸14と他方の走行車輪7bの車軸14とは、カーブ走行時に一対の走行車輪7a,7bの回転速度に差をつけるための差動装置21(ディファレンシャル)を介して接続されている。尚、上記差動装置21は複数の差動小歯車(図示せず)と差動大歯車(図示せず)とで構成されている。 【0018】上記スリーブ18は取付け部材15内に挿通されており、図3に示すように、上記スリーブ18の外周面には、複数の凹凸状の歯23を有する検出用歯車体24が外嵌されて一体に取付けられている。尚、上記歯23はスリーブ18の全周にわたり形成されている。また、上記取付け部材15には、回転する検出用歯車体24の歯23の数を検出する近接スイッチ25が設けられている。さらに、図4,図8に示すように、車両本体3には、各油圧モータ8へ作動油を供給する油圧ポンプ26と、制御装置27とが備えられている。尚、1台の油圧ポンプ26に対して複数台の油圧モータ8が並列に接続されている。 【0019】また、上記制御装置27は車両制御部28と油圧ポンプ制御部29とで構成されており、上記車両制御部28は、上記各近接スイッチ25により検出された歯23の数に基づいて各油圧モータ8の一定時間当たりの回転数(回転速度)を求め、かつ、各油圧モータ8ごとに求めた上記回転数(回転速度)のいずれかが許容回転数(許容回転速度)を越えた場合に油圧ポンプ制御部29へ制御信号を出力する。この制御信号によって、油圧ポンプ制御部29は、油圧ポンプ26を制御して、油圧ポンプ26から各油圧モータ8への作動油の供給を停止させる。 【0020】尚、上記車両制御部28としてはプログラマブルコントローラが用いられ、車両制御部28は、電源ユニット,CPUユニット,入力ユニット,出力ユニット,パルス入力ユニット等の各種機能を有する複数のユニットを組み合わせて構成されるシーケンサーに相当する。そして、上記各近接スイッチ25からの信号は直接に上記パルス入力ユニットで読み込め、一定時間内の信号の入力回数がカウントされる。 【0021】以下に、上記構成における作用を説明する。油圧ポンプ26が駆動することによって、作動油が油圧ポンプ26から各油圧モータ8へ供給され、各油圧モータ8の出力軸17が回転駆動し、スリーブ18を介して動力伝達用回転軸16が回転して油圧モータ8からの回転駆動力が車軸14に伝達され、車軸14が回転することによって各走行車輪7a,7bが回転駆動して車両1が走行する。 【0022】この際、図3に示すように、上記各油圧モータ8の出力軸17と一体にスリーブ18が回転するため、スリーブ18と共に検出用歯車体24も回転し、近接スイッチ25の前方を通過する歯23の数に応じて近接スイッチ25がオン・オフすることによって、通過した歯23の数だけ信号が各近接スイッチ25から出力されて車両制御部28に入力される。そして、車両制御部28は、入力された信号の数に基づいて、各油圧モータ8の一定時間当たりの回転数(回転速度)を求める。 【0023】このようにして各油圧モータ8ごとに求められた回転数(回転速度)のうち、少なくともいずれか1台の油圧モータ8の回転数が許容回転数(許容回転速度)を越えた場合、上記車両制御部28は油圧ポンプ制御部29へ制御信号を出力し、この制御信号によって、油圧ポンプ制御部29が油圧ポンプ26を制御して油圧ポンプ26から各油圧モータ8への作動油の供給を停止させる。 【0024】これにより、図7に示すように、いずれかの走行車輪7a,7bが地面に生じた窪み30の上方へ浮き上がるなどして空転し、いずれかの油圧モータ8が許容回転数を越えて過回転した場合でも、直ちに、許容回転数の超過が検出されて、各油圧モータ8への作動油の供給が停止されるため、油圧モータ8の破損が防止される。 【0025】また、油圧モータ8の回転数の検出には、従来のようなロータリーエンコーダ64(図10参照)ではなく、近接スイッチ25を用いたことによって、ロータリーエンコーダ64を取付けるためにアクスルハウジング13を特別に加工する必要は無い。さらに、従来のように検出用傘歯車65(図10参照)をアクスルハウジング13内に挿入する必要も無いため、アクスルハウジング13の大型化を抑制することができる。また、図1に示すように、検出用歯車体24は、車軸側傘歯車20やモータ側傘歯車19に噛み合ってはおらず、これら傘歯車19,20から離間しているため、モータ側傘歯車19から車軸側傘歯車20に伝達される回転駆動力の伝達ロスを低減することができる。 【0026】また、上記実施の形態において、車両制御部28にはパルス入力ユニットが付属しているため、各近接スイッチ25からの信号を直接に車両制御部28で読み込める。これにより、変換器を個別に設けて、各近接スイッチ25からのパルス信号を、車両制御部28で読み込める信号に変換する必要はない。尚、近接スイッチ25の代わりに電磁ピックアップを用いた場合は、電磁ピックアップからの信号を直接に車両制御部28で読み込むことはできず、上記のような変換器を各電磁ピックアップ毎に対応させて個別に設ける必要があり、コストがアップしてしまう。 【0027】上記実施の形態では、船殻等の大型の被運搬物2を運搬するための車両1を挙げたが、土砂等を運搬する油圧モータ駆動式のホイールローダやコンテナ等を運搬する油圧モータ駆動式のフォークリフト等にも適応される。 【0028】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、いずれかの走行車輪が浮き上がるなどしていずれかの油圧モータが許容回転数を越えて過回転した場合でも、直ちに、許容回転数の超過が検出されて、各油圧モータへの作動油の供給が停止されるため、油圧モータの破損が防止される。 【0029】また、油圧モータの回転数の検出には、従来のようなロータリーエンコーダではなく、近接スイッチを用いたことによって、ロータリーエンコーダを取付けるためにアクスルハウジングを特別に加工する必要は無い。さらに、従来のように検出用傘歯車をアクスルハウジング内に挿入する必要も無いため、アクスルハウジングの大型化を抑制することができる。また、検出用歯車体は、スリーブの外周面に設けられてスリーブと一体に回転するだけであり、車軸や動力伝達用回転軸に設けられた他の歯車とは噛み合っていないため、回転駆動力の伝達ロスを低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003241 【氏名又は名称】ティー・シー・エム株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月14日(1999.10.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−108095(P2001−108095A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−291729 |
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