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【発明の名称】 手動バルブ
【発明者】 【氏名】大竹 正訓

【氏名】村上 新

【氏名】小島 真一

【氏名】長田 知恵

【要約】 【課題】油圧の供給を禁止すべき油圧アクチュエータへの油圧供給が手動バルブによる油路の切換えで機械的に確実に禁止されるようにする。

【解決手段】「D」レンジおよび「R」レンジで第1クラッチC1に油圧を出力するとともに、その間の「N」レンジで第1クラッチC1への油圧出力を禁止する場合に、「D」レンジで油圧を出力する第1出力ポート28aと「R」レンジで油圧を出力する第3出力ポート28dとを別々に設けた。また、第2出力ポート28bから出力された油圧が戻し油路90から戻しポート28cに戻され、「R」レンジでは、その戻しポート28cが第1油室92を介して第3出力ポート28dと連通させられて、その第3出力ポート28dから第1クラッチC1に油圧が出力されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、該移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、該弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへ油圧を出力し、該弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、該弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項2】 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、該移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、該弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに第2油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、該弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、該弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2油圧アクチュエータに油圧を出力する第2出力ポートと、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項3】 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、該移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、該弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータおよび第3油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに第2油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、該弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第3油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、該弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに前記第3油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止する、手動バルブであって、前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータおよび前記第3油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2油圧アクチュエータに油圧を出力する第2出力ポートと、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項4】 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、該移動方向に順番に設定された第2位置、第3位置、第4位置に位置決めされる弁体を有する一方、該弁体が前記第2位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、該弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、該弁体が前記第4位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、前記第2位置、前記第3位置、および前記第4位置の全部で前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する第2出力ポートと、前記第3位置のみで前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項5】 請求項2〜4の何れか1項に記載の手動バルブにおいて、前記第2出力ポートから出力された油圧が供給されるとともに、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートと連通させられる戻しポートを備えていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項6】 請求項2〜4の何れか1項に記載の手動バルブにおいて、前記弁体には、前記第3位置に該弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートに油圧を供給する連通穴が設けられていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項7】 請求項6に記載の手動バルブにおいて、前記弁体はスプールで、前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2出力ポートと元圧が供給される供給ポートとを連通させる第1油室と、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートと連通させられる第2油室とを形成するとともに、該第1油室および該第2油室を連通するように前記連通穴が設けられていることを特徴とする手動バルブ。
【請求項8】 請求項1〜4の何れか1項に記載の手動バルブにおいて、前記弁体は、互いに隣接して略平行に配設されるとともに一体的に連結され、前記手動操作に従って機械的に一体的に直線移動させられる一対のスプールであることを特徴とする手動バルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は手動バルブに係り、特に、中間位置で油圧出力を停止するとともに、その両側の位置で油圧を出力する手動バルブ、或いは連続する複数位置で所定の油圧アクチュエータに油圧を出力するとともに、その中の所定の中間位置だけで別の油圧アクチュエータに油圧を出力する手動バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特許第2689421号公報には、互いに異なる3つの前進変速段でそれぞれ係合される第1〜第3の油圧式係合装置と、その3つの前進変速段で常に係合される第4の油圧式係合装置とを有して、前進4速段を達成する自動変速機の油圧制御回路が記載されている。そして、第1の切換弁が配設された油路と他の油路の少なくとも1つとに油圧が供給されることが検出されると、その第1の切換弁を排出位置に切り替える。また、第2、第3、第4の油路の全てに油圧が供給されると、第2の切換弁が排出位置に切り替えられる。これによって、3つの油圧式係合装置が同時係合してインターロックすることを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、仮にオフフェール対策によって高ギヤ段(4速段)→低ギヤ段(2、1速段)が設定された場合には、急激なエンジンブレーキが発生するなどフェールセーフが必ずしも完全には達成できない。
【0004】一方、本出願人が先に出願した特願平10−253121号(未公知)には、図1に示すように(a) サンギヤにエンジンが連結されるとともにキャリアに電動モータが連結されたダブルピニオン型の遊星歯車装置と、(b) その遊星歯車装置のリングギヤをケースに連結するブレーキB1と、(c) 前記キャリアを出力部材に連結する第1クラッチC1と、(d) 前記リングギヤを前記出力部材に連結する第2クラッチC2と、を有するハイブリッド型の車両が記載されている。このようなハイブリッド型の車両においては、シフトレバーの操作位置に応じてクラッチC1、C2、およびブレーキB1の作動状態が切り換えられることにより、図4に示すような各種の走行モードが成立させられるが、例えば操作レンジがBおよびDの前進走行時にはインターロック等を防止する上でブレーキB1の係合を禁止し、動力伝達を遮断するNおよびPレンジでは駆動力の発生等を防止する上でクラッチC1、C2の係合を禁止し、後進走行のRレンジではインターロックを防止する上でクラッチC2の係合を禁止する必要があり、シフトレバー操作に従って機械的に切り換えられる手動バルブでそれ等の係合装置への油圧供給を禁止することが望ましい。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、油圧の供給を禁止すべき油圧アクチュエータへの油圧供給が手動バルブによる油路の切換えで機械的に禁止されるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、その移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、(b) その弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへ油圧を出力し、その弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、その弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、(c) 前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、(d) 前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする。
【0007】第2発明は、(a) 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、その移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、(b) その弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに第2油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、その弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、その弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、(c) 前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、(d) 前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2油圧アクチュエータに油圧を出力する第2出力ポートと、(e) 前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする。
【0008】第3発明は、(a) 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、その移動方向に順番に設定された第1位置、第2位置、第3位置に位置決めされる弁体を有する一方、(b) その弁体が前記第1位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータおよび第3油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに第2油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止し、その弁体が前記第2位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第3油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、その弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに前記第3油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止する、手動バルブであって、(c) 前記第1位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータおよび前記第3油圧アクチュエータに油圧を出力する第1出力ポートと、(d) 前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2油圧アクチュエータに油圧を出力する第2出力ポートと、(e) 前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする。
【0009】第4発明は、(a) 手動操作に従って機械的に移動させられるとともに、その移動方向に順番に設定された第2位置、第3位置、第4位置に位置決めされる弁体を有する一方、(b) その弁体が前記第2位置へ移動させられることにより第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、その弁体が前記第3位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータおよび前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力し、その弁体が前記第4位置へ移動させられることにより前記第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止するとともに前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する、手動バルブであって、(c) 前記第2位置、前記第3位置、および前記第4位置の全部で前記第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する第2出力ポートと、(d) 前記第3位置のみで前記第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートと、を別々に備えていることを特徴とする。
【0010】第5発明は、第2発明〜第4発明の何れかの手動バルブにおいて、前記第2出力ポートから出力された油圧が供給されるとともに、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートと連通させられる戻しポートを備えていることを特徴とする。
【0011】第6発明は、第2発明〜第4発明の何れかの手動バルブにおいて、前記弁体には、前記第3位置にその弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートに油圧を供給する連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0012】第7発明は、第6発明の手動バルブにおいて、前記弁体はスプールで、前記第2位置および前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第2出力ポートと元圧が供給される供給ポートとを連通させる第1油室と、前記第3位置に前記弁体が位置決めされた状態において前記第3出力ポートと連通させられる第2油室とを形成するとともに、それ等の第1油室および第2油室を連通するように前記連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0013】第8発明は、第1発明〜第4発明の何れかの手動バルブにおいて、前記弁体は、互いに隣接して略平行に配設されるとともに一体的に連結され、前記手動操作に従って機械的に一体的に直線移動させられる一対のスプールであることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】第1発明では、第1位置および第3位置で第1油圧アクチュエータに油圧を出力するとともに、その間の第2位置で第1油圧アクチュエータへの油圧出力を禁止する場合に、第1位置で油圧を出力する第1出力ポートと第3位置で油圧を出力する第3出力ポートとが別々に設けられているため、第2位置で第1油圧アクチュエータへ油圧が出力されることが手動バルブによって機械的に確実に禁止される。このため、例えば第1位置、第2位置、および第3位置の全部で第1油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに、第2位置ではレノイドバルブなどで第1油圧アクチュエータへの油圧供給を阻止する場合に比較して、高い信頼性が得られる。
【0015】第2発明、第3発明は、実質的に第1発明の一実施態様で、第1発明と同様の作用効果が得られる。
【0016】第4発明では、第2位置、第3位置、および第4位置の全部で第2油圧アクチュエータへ油圧を出力するとともに、中間の第3位置のみで第1油圧アクチュエータに油圧を出力する場合に、第2位置、第3位置、および第4位置の全部で第2油圧アクチュエータへ油圧を出力する第2出力ポートと第3位置のみで第1油圧アクチュエータに油圧を出力する第3出力ポートとが別々に設けられているため、第2位置および第4位置で第1油圧アクチュエータへ油圧が出力されることが手動バルブによって機械的に確実に禁止される。このため、例えば第2出力ポートの出力油圧を第1油圧アクチュエータおよび第2油圧アクチュエータの両方へ導くとともに、第2位置および第4位置ではレノイドバルブなどで第1油圧アクチュエータへの油圧供給を阻止する場合に比較して、高い信頼性が得られる。
【0017】第5発明では、第2出力ポートから出力された油圧が戻しポートに戻され、第3位置では、その戻しポートへ供給された油圧に基づいて第3出力ポートから第1油圧アクチュエータに油圧が出力されるため、第3出力ポートに対して元圧を供給する供給ポートを別個に設ける場合に比較して、例えばスプール弁の場合には軸方向寸法を短縮できるなど、バルブをコンパクトに構成できる。
【0018】第6発明では、第3位置で第3出力ポートに油圧を供給する連通穴が弁体に設けられているため、第5発明と同様にバルブのコンパクト化を図ることができる。第7発明は、第6発明の一実施態様で、第1油室および第2油室を形成し、それ等を連通するように連通穴が設けられるため、軸方向寸法を一層短縮できる。なお、この第6発明、第7発明は、第5発明に比べて高い加工精度が必要でコスト高になるとともに、シール箇所が多くなる。また、貫通穴を形成する分だけ弁体が大きくなる。
【0019】第8発明は、互いに隣接して略平行に一対のスプールを設けて連動させるようにした場合で、バルブの軸方向寸法を最も短縮化できる。但し、上記第5発明〜第7発明に比較して部品点数が増加する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、シフトレバー等のシフト操作部材の操作に従って機械的に切り換えられる車両用の手動バルブに好適に適用され、例えば前記第1位置は前進走行を行うDレンジ等の前進位置で、第2位置は動力伝達を遮断するとともに充電などを行うNレンジ等のニュートラル位置で、第3位置は後進走行を行うRレンジ等の後進位置で、第4位置はPレンジ等のパーキング位置などである。また、油圧アクチュエータは、動力伝達状態(走行モードなど)を変更する油圧式摩擦係合装置などで、遊星歯車装置などの歯車式の合成分配装置の回転要素間や、回転要素と動力源との間、或いは回転要素と出力部材との間などに配設される油圧式の摩擦クラッチや、回転要素と位置固定のケースとの間に配設される油圧式の摩擦ブレーキなどである。
【0021】具体的には、例えば(a) サンギヤにエンジンが連結されるとともにキャリアにモータジェネレータが連結されたダブルピニオン型の遊星歯車装置と、(b) その遊星歯車装置のリングギヤをケースに連結する油圧式摩擦係合式の第1ブレーキB1と、(c) 前記キャリアを出力部材に連結する油圧式摩擦係合式の第1クラッチC1と、(d) 前記リングギヤを前記出力部材に連結する油圧式摩擦係合式の第2クラッチC2と、(e) 運転者によってシフトレバー等のシフト操作部材が操作されることにより、一直線上に設定された前進位置(第1位置)、ニュートラル位置(第2位置)、後進位置(第3位置)、およびパーキング位置(第4位置)へスプールが一直線に移動させられることにより、前記第1ブレーキB1およびクラッチC1、C2に対する油圧の供給状態を切り換える手動バルブと、を有するハイブリッド型の車両に好適に適用され、手動バルブは、前記前進位置ではクラッチC1およびC2へ油圧を出力するとともに第1ブレーキB1への油圧出力を禁止し、前記ニュートラル位置ではクラッチC1およびC2への油圧出力を禁止するとともに第1ブレーキB1へ油圧を出力し、後進位置では第1クラッチC1および第1ブレーキB1へ油圧を出力するとともに第2クラッチC2への油圧出力を禁止し、パーキング位置ではクラッチC1およびC2への油圧出力を禁止するとともに第1ブレーキB1へ油圧を出力するように構成される。第1クラッチC1は第1油圧アクチュエータで、第2クラッチC2は第3油圧アクチュエータで、第1ブレーキB1は第2油圧アクチュエータに相当する。
【0022】手動バルブとしては、スプールを有するスプール弁が適当であるが、ロータリ弁等の他のバルブを採用することもできる。
【0023】第2発明、第3発明では、第1出力ポートから出力された油圧、および第3出力ポートから出力された油圧が共に第1油圧アクチュエータに供給されるため、一方の油圧が択一的に供給されるように他方への流出を阻止するシャトル弁或いは逆止弁を設けることが望ましい。なお、油圧の供給を禁止するものではないため、ソレノイド弁などで油路を切り換えるようにしても良い。
【0024】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明が適用されたハイブリッド駆動装置10を説明する概略構成図で、図2は変速機12を含む骨子図であり、このハイブリッド駆動装置10は、燃料の燃焼で動力を発生するエンジン14、電動モータおよびジェネレータとして用いられるモータジェネレータ16、およびダブルピニオン型の遊星歯車装置18を備えて構成されている。遊星歯車装置18のサンギヤ18sにはエンジン14が連結され、キャリア18cにはモータジェネレータ16が連結され、リングギヤ18rは第1ブレーキB1を介してケース20に連結されるようになっている。また、キャリア18cは第1クラッチC1を介して変速機12の入力軸22に連結され、リングギヤ18rは第2クラッチC2を介して入力軸22に連結されるようになっている。遊星歯車装置18は歯車式の合成分配装置に相当する。また、変速機12の入力軸22は出力部材に相当する。
【0025】上記クラッチC1、C2および第1ブレーキB1は、何れも油圧によって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路24から供給される作動油によって摩擦係合させられるようになっている。図3は、油圧制御回路24の要部を示す図で、電動ポンプを含む電動式油圧発生装置26で発生させられた元圧PCが、マニュアルバルブ28を介してシフトレバー30(図1参照)の操作レンジに応じて各クラッチC1、C2、ブレーキB1へ供給されるようになっている。シフトレバー30は、運転者によって操作されるシフト操作部材で、本実施例では「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのレンジに選択操作されるようになっており、マニュアルバルブ28のスプール29はケーブルやリンク等を介してシフトレバー30に連結され、そのシフトレバー30の操作に従って機械的に一直線方向へ移動させられることにより、油路を切り換えるようになっている。シフトレバー30は、例えば車両の前後方向へスライド乃至は回動操作されるもので、手前側すなわち車両後方側から前方へ向かって「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の各レンジが設定されている。
【0026】「B」レンジは、前進走行時に変速機12のダウンシフトなどにより比較的大きな動力源ブレーキが発生させられる操作レンジで、「D」レンジは前進走行する操作レンジであり、これ等の操作レンジでは第1出力ポート28aからクラッチC1およびC2へ元圧PCが供給される。第1クラッチC1へは、シャトル弁31を介して元圧PCが供給されるようになっている。「N」レンジは動力源からの動力伝達を遮断する操作レンジで、「R」レンジは後進走行する操作レンジで、「P」レンジは動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止する操作レンジであり、これ等の操作レンジでは第2出力ポート28bから第1ブレーキB1へ元圧PCが供給される。第2出力ポート28bから出力された元圧PCは、戻し油路90を経て戻しポート28cへも入力され、上記「R」レンジでは、その戻しポート28cから第3出力ポート28dを経てシャトル弁31から第1クラッチC1へ元圧PCが供給されるようになっている。スプール29は、「R」レンジでのみ戻しポート28cと第3出力ポート28dとを連通させる第1油室92と、「B」および「D」レンジで元圧PCが供給される供給ポート28xと第1出力ポート28aとを連通させ、「N」、「R」、および「P」レンジで供給ポート28xと第2出力ポート28bとを連通させる第2油室94とを形成するようになっている。なお、「EX」はドレーンポートである。
【0027】クラッチC1、C2、およびブレーキB1には、それぞれコントロール弁32、34、36が設けられ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるようになっている。クラッチC1の油圧PC1についてはON−OFF弁38によって調圧され、クラッチC2およびブレーキB1についてはリニアソレノイド弁40によって調圧されるようになっている。
【0028】そして、上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1の作動状態に応じて、図4に示す各走行モードが成立させられる。すなわち、「B」レンジまたは「D」レンジでは、「ETCモード」、「直結モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成立させられ、「ETCモード」では、第2クラッチC2を係合するとともに第1クラッチC1および第1ブレーキB1を開放した状態で、エンジン14およびモータジェネレータ16を共に作動させて車両を前進走行させる。「直結モード」では、クラッチC1、C2を係合するとともに第1ブレーキB1を開放した状態で、エンジン14を作動させて車両を前進走行させる。また、「モータ走行モード(前進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を作動させて車両を前進走行させる。「ETCモード」は電気トルコンモードでエンジン・モータ走行モードに相当し、「直結モード」はエンジン直結モードに相当する。
【0029】図5は、上記前進モードにおける遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、「S」はサンギヤ18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア18cを表しているとともに、それ等の間隔はギヤ比ρ(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)によって定まる。具体的には、「S」と「C」の間隔を1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、本実施例ではρが0.6程度である。また、(a) のETCモードにおけるトルク比は、エンジントルクTe:CVT入力軸トルクTin:モータトルクTm=ρ:1:1−ρであり、モータトルクTmはエンジントルクTeより小さくて済むとともに、定常状態ではそれ等のモータトルクTmおよびエンジントルクTeを加算したトルクがCVT入力軸トルクTinになる。CVTは無段変速機の意味であり、本実施例では変速機12としてベルト式無段変速機が設けられている。
【0030】図4に戻って、「N」レンジまたは「P」レンジでは、「ニュートラル」または「充電・Eng始動モード」の何れかが成立させられ、「ニュートラル」ではクラッチC1、C2および第1ブレーキB1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」では、クラッチC1、C2を開放するとともに第1ブレーキB1を係合し、モータジェネレータ16を逆回転させてエンジン14を始動したり、エンジン14により遊星歯車装置18を介してモータジェネレータ16を回転駆動するとともにモータジェネレータ16を回生制御して発電し、バッテリ42(図1参照)を充電したりする。
【0031】「R」レンジでは、「モータ走行モード(後進)」または「フリクション走行モード」が成立させられ、「モータ走行モード(後進)」では、第1クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレータ16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c更には入力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させる。「フリクション走行モード」は、上記「モータ走行モード(後進)」での後進走行時にアシスト要求が出た場合に実行されるもので、エンジン14を始動してサンギヤ18sを正方向へ回転させるとともに、そのサンギヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回転させられている状態で、第1ブレーキB1をスリップ係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限することにより、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて後進走行をアシストするものである。
【0032】前記変速機12はベルト式無段変速機で、その出力軸44からカウンタ歯車46を経て差動装置48のリングギヤ50に動力が伝達され、その差動装置48により左右の駆動輪52に動力が分配される。
【0033】本実施例のハイブリッド駆動装置10は、図1に示すHVECU60によって制御されるようになっている。HVECU60は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行することにより、電子スロットルECU62、エンジンECU64、M/GECU66、T/MECU68、前記油圧制御回路24のON−OFF弁38、リニアソレノイド弁40、エンジン14のスタータ70などを制御する。電子スロットルECU62はエンジン14の電子スロットル弁72を開閉制御するもので、エンジンECU64はエンジン14の燃料噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期などによりエンジン出力を制御するもので、M/GECU66はインバータ74を介してモータジェネレータ16の力行トルクや回生制動トルク等を制御するもので、T/MECU68は変速機12の変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout )やベルト張力などを制御するものである。前記油圧制御回路24は、変速機12の変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えている。スタータ70は電動モータで、モータ軸に設けられたピニオンをエンジン14のフライホイール等に設けられたリングギヤに噛み合わせてエンジン14をクランキングするものである。
【0034】上記HVECU60には、アクセル操作量センサ76からアクセル操作部材としてのアクセルペダル78の操作量θacを表す信号が供給されるとともに、シフトポジションセンサ80からシフトレバー30の操作レンジ(シフトポジション)を表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ82、モータ回転速度センサ84、入力軸回転速度センサ86、出力軸回転速度センサ88から、それぞれエンジン回転速度(回転数)Ne、モータ回転速度(回転数)Nm、入力軸回転速度(入力軸22の回転速度)Nin、出力軸回転速度(出力軸44の回転速度)Nout を表す信号がそれぞれ供給される。出力軸回転速度Nout は車速Vに対応する。この他、バッテリ42の蓄電量SOCなど、運転状態を表す種々の信号が供給されるようになっている。蓄電量SOCは単にバッテリ電圧であっても良いが、充放電量を逐次積算して求めるようにしても良い。バッテリ42は蓄電装置に相当する。
【0035】そして、かかるHVECU60は、基本的に図6に示す各機能を備えていて、前記図4の走行モードを実施するようになっている。図6のETCモード制御手段100は「ETCモード」を実施するもので、直結モード制御手段102は「直結モード」を実施するもので、モータ前進手段104は「モータ走行モード(前進)」を実施するもので、充電制御手段106は「充電・Eng始動モード」を実施するもので、モータ後進手段108は「モータ走行モード(後進)」を実施するもので、エンジンアシスト後進手段110は「フリクション走行モード」を実施するものであり、ETCモード制御手段100および直結モード制御手段102はエンジン前進手段112を構成している。また、モード判定手段114は、アクセル操作量θacや車速V(出力軸回転速度Nout )、蓄電量SOC、シフトレバー30のシフトポジション等に基づいて走行モードを判定し、その判定した走行モードで運転が行われるように上記各手段を切り換える。
【0036】ここで、前記マニュアルバルブ28は手動バルブに相当するもので、本実施例ではスプール弁であり、弁体としてのスプール29はシフトレバー30の操作に従って機械的に軸方向へ直線移動させられ、「B」および「D」レンジの時のスプール29の位置すなわち前進位置は第1位置で、「N」レンジの時のスプール29の位置すなわちニュートラル位置は第2位置で、「R」レンジの時のスプール29の位置すなわち後進位置は第3位置で、「P」レンジの時のスプール29の位置すなわちパーキング位置は第4位置である。また、図7は、上記各レンジにおける油圧の供給状態を示す概略図で、第1位置である「B」および「D」レンジではクラッチC1およびC2へ油圧を出力するとともに第1ブレーキB1への油圧出力が禁止され、第2位置である「N」レンジでは第1ブレーキB1へ油圧を出力するとともにクラッチC1およびC2への油圧出力が禁止され、第3位置である「R」レンジでは第1クラッチC1および第1ブレーキB1へ油圧を出力するとともに第2クラッチC2への油圧出力が禁止され、第4位置である「P」レンジでは第1ブレーキB1へ油圧を出力するとともにクラッチC1およびC2への油圧出力が禁止される。第1クラッチC1は第1油圧アクチュエータで、第1ブレーキB1は第2油圧アクチュエータで、第2クラッチC2は第3油圧アクチュエータに相当する。
【0037】このように「B」および「D」の前進走行時には、第1ブレーキB1への油圧供給がマニュアルバルブ28によって機械的に阻止されるため、第1ブレーキB1の係合によるインターロック等が確実に防止される。動力伝達を遮断する「N」および「P」レンジでは、クラッチC1およびC2への油圧供給がマニュアルバルブ28によって機械的に阻止されるため、それ等が係合してエンジン14やモータジェネレータ16の出力が伝達され、駆動力が発生することが確実に防止される。また、後進走行のRレンジでは、第2クラッチC2への油圧供給がマニュアルバルブ28によって機械的に阻止されるため、第2クラッチC2の係合によるインターロック等が確実に防止される。
【0038】すなわち、本実施例のマニュアルバルブ28は、「D」レンジおよび「R」レンジで第1クラッチC1に油圧を出力するとともに、その間の「N」レンジで第1クラッチC1への油圧出力を禁止する場合に、「D」レンジで油圧を出力する第1出力ポート28aと「R」レンジで油圧を出力する第3出力ポート28dとが別々に設けられているため、「N」レンジで第1クラッチC1へ油圧が出力されることがマニュアルバルブ28によって機械的に確実に阻止されるのである。このため、例えば「D」、「N」、および「R」レンジの全部で第1クラッチC1ヘ油圧を出力するとともに、「N」レンジではON−OFF弁38によりコントロール弁32を切り換えて第1クラッチC1への油圧供給を遮断してその第1クラッチC1を開放する場合に比較して、高い信頼性が得られる。
【0039】また、「N」、「R」、および「P」レンジの全部で第1ブレーキB1へ油圧を出力するとともに、中間の「R」レンジでのみ第1クラッチC1に油圧を出力する場合に、「N」、「R」、および「P」レンジの全部で第1ブレーキB1へ油圧を出力する第2出力ポート28bと「R」レンジのみで第1クラッチC1に油圧を出力する第3出力ポート28dとが別々に設けられているため、「N」および「P」レンジで第1クラッチC1へ油圧が出力されることがマニュアルバルブ28によって機械的に確実に阻止されるのである。このため、例えば第2出力ポート28bの出力油圧を第1クラッチC1および第1ブレーキB1の両方へ導くとともに、「N」および「P」レンジではON−OFF弁38によりコントロール弁32を切り換えて第1クラッチC1への油圧供給を遮断してその第1クラッチC1を開放する場合に比較して、高い信頼性が得られる。
【0040】また、本実施例では第2出力ポート28bから出力された油圧が戻し油路90から戻しポート28cに戻され、「R」レンジでは、その戻しポート28cが第1油室92を介して第3出力ポート28dと連通させられて、その第3出力ポート28dから第1クラッチC1に油圧が出力されるため、第3出力ポート28dに対して元圧PCを供給する供給ポートを別個に設ける場合に比較して、マニュアルバルブ28の軸方向寸法を短縮してコンパクトに構成できる。
【0041】図8のマニュアルバルブ120は、シフトレバー30の操作レンジとして「B」レンジが無い場合のもので、その分だけ軸方向寸法が短い点が異なるだけで、前記マニュアルバルブ28と実質的に同じであり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0042】図9のマニュアルバルブ122は、互いに隣接して略平行に配設されるとともに連結機構124を介して軸方向の相対移動不能に機械的に連結され、前記シフトレバー30のシフト操作に従って機械的に軸方向へ略一体的に直線移動させられる一対のスプール126、128を備えており、図11に示すように、前記マニュアルバルブ28の代わりに前記油圧制御回路24に配設されて使用される。一方のスプール126は、供給ポート126xに供給された元圧PCを、「B」および「D」レンジでは第1出力ポート126aから第2クラッチC2に出力し、「N」、「R」、および「P」レンジでは第2出力ポート126bから第1ブレーキB1に出力するように切り換える。また、スプール128は、供給ポート128xに供給された元圧PCを、「B」および「D」レンジでは第1出力ポート128aから第1クラッチC1に出力し、「R」レンジでは第3出力ポート128dから第1クラッチC1に出力するように切り換える。スプール126は、「B」および「D」レンジで第1出力ポート126aと供給ポート126xとを連通させ、「N」、「R」、および「P」レンジで第2出力ポート126bと供給ポート126xとを連通させる油室127を形成している一方、スプール128は、「B」および「D」レンジで第1出力ポート128aと供給ポート128xとを連通させ、「R」レンジのみで第3出力ポート128dと供給ポート128xとを連通させる油室129を形成するようになっている。
【0043】このようなマニュアルバルブ122においても、前記マニュアルバルブ28の場合と同様の作用効果が得られる。また、マニュアルバルブ28に比較して、部品点数が増加するものの軸方向寸法を更に短縮することができる。なお、第1出力ポート126aおよび128aの何れか一方を用いて、クラッチC1およびC2の両方に油圧を供給することにより、他方の出力ポートを省略することが可能である。
【0044】図10のマニュアルバルブ130は、シフトレバー30の操作レンジとして「B」レンジが無い場合のもので、その分だけ軸方向寸法が短い点が異なるだけで、前記マニュアルバルブ122と実質的に同じであり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0045】図12のマニュアルバルブ132は、図14に示すように、前記マニュアルバルブ28の代わりに前記油圧制御回路24に配設されて使用されるもので、前記シフトレバー30のシフト操作に従って機械的に軸方向へ直線移動させられるスプール134を備えている。スプール134は、供給ポート132xに供給された元圧PCを、「B」および「D」レンジでは第1出力ポート132aからクラッチC1およびC2に出力し、「N」、「R」、および「P」レンジでは第2出力ポート132bから第1ブレーキB1に出力し、「R」レンジでは第3出力ポート132dから第1クラッチC1に出力するように切り換える。また、このスプール134は、「N」、「R」、および「P」レンジにスプール134が位置決めされた状態において第2出力ポート132bと供給ポート132xとを連通させる第1油室136と、「R」レンジにスプール134が位置決めされた状態においてのみ第3出力ポート132dと連通させられる第2油室138とを形成するとともに、それらの第1油室136および第2油室138を連通するように連通穴140が軸方向に設けられている。この連通穴140は、スプール134の一端部(図12における上端)から設けられたもので、その開口部は埋設部材142によって閉塞されている。なお、第1油室136は、「B」および「D」レンジにスプール134が位置決めされた状態において第1出力ポート132aと供給ポート132xとを連通させるようになっている。
【0046】このようなマニュアルバルブ132においても、前記マニュアルバルブ28の場合と同様の作用効果が得られる。また、第1油室136および第2油室138を形成するとともに、それ等を連通する連通穴140を設けて、「R」レンジでは、第1油室136から貫通穴140を経て第2油室138に供給された油圧が第3出力ポート132dから第1クラッチC1に出力されるため、第3出力ポート132dに対して元圧PCを供給する供給ポートを別個に設ける場合に比較して、マニュアルバルブ132の軸方向寸法を短縮してコンパクトに構成できる。なお、前記マニュアルバルブ28に比べて高い加工精度が必要でコスト高になるとともに、シール箇所が多くなって軸方向寸法が多少長くなる。また、貫通穴140を形成する分だけスプール134の径寸法が大きくなる。
【0047】図13のマニュアルバルブ144は、シフトレバー30の操作レンジとして「B」レンジが無い場合のもので、その分だけ軸方向寸法が短い点が異なるだけで、前記マニュアルバルブ132と実質的に同じであり、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0048】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
【公開番号】 特開2001−108081(P2001−108081A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−288147