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【発明の名称】 アクチュエータ
【発明者】 【氏名】畑中 弘文

【要約】 【課題】アクチュエータ全体を大型化する事なく、ストッパリング27が所定の位置から外れるのを確実に防止する。

【解決手段】シリンダケース2の一部で、段部25近傍に設けた凹溝26に整合する部分に貫通孔28を形成し、この貫通孔28にスプリングピン29を圧入固定する。上記凹溝26には、欠円環状のストッパリング27を内嵌すると共に、このストッパリング27の不連続部分31と上記スプリングピン29の一部で上記凹溝26の底面から直径方向内方に突出する部分とを係合自在とし、上記ストッパリング27の円周方向に亙る縮小の制限及び回り止めを図る。更に、上記スプリングピン29の内部に設けた空気通路30を介して、第一の圧力室22aに圧縮空気を給排自在とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダケースと、このシリンダケースの内側に設けられ、大径側シリンダ部と小径側シリンダ部とを軸方向に亙って互いに直列に配置して成る外径側シリンダ孔と、上記大径側シリンダ部及び上記小径側シリンダ部に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌される大径側摺動部と小径側摺動部とこれらの連結部とを有する第一のピストンと、上記シリンダケースの一部に設けられた通孔を摺動自在とし、上記外径側シリンダ孔内に軸方向に亙り駆動自在としたロッドと、上記外径側シリンダ孔及び上記第一のピストンの大径側摺動部と小径側摺動部とこれらの連結部とによって形成される第一の圧力室と、上記外径側シリンダ孔の内側で上記大径側摺動部の位置よりも上記大径側シリンダ部側に存在する空間である第二の圧力室と、これら各第一、第二の圧力室に圧力流体を給排自在とした給排装置と、上記シリンダケースの一部で上記大径側シリンダ部と上記小径側シリンダ部との連続部分である段部の近傍に、上記大径側シリンダ部の直径よりも大きな直径の底面を有し、全周に亙り形成された凹溝と、この凹溝に直径方向外方に向いた弾力を付与された状態で内嵌され、上記大径側摺動部の上記小径側シリンダ部側の片面が上記段部に直接衝合するのを防止する欠円環状のストッパリングと、上記シリンダケースの一部で上記凹溝に整合する部分に形成されて、上記シリンダケースの外部と上記凹溝の底面とを連通させる貫通孔と、この貫通孔に圧入固定され、内部に軸方向全長に亙り貫通する空気通路を備えたスプリングピンとを備え、このスプリングピンの一部で上記凹溝の底面から直径方向内方に突出する部分と上記欠円環状のストッパリングの不連続部分とを係合自在として、このストッパリングの円周方向に亙る縮小の制限及び回り止めを図ると共に、上記スプリングピンに設けた上記空気通路を介して、上記第一の圧力室と上記給排装置とを通じさせているアクチュエータ。
【請求項2】 第一のピストンが、小径側シリンダ部の内側に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌される小径側摺動部と、この小径側摺動部と大径側摺動部とを連結する、上記小径側摺動部よりも外径が小さい連結部と、上記小径側シリンダ部側に軸方向一端を開口する状態で設けられた内径側シリンダ孔とを備え、ロッドの中間部には、上記内径側シリンダ孔に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌される第二のピストンと、上記第一のピストンの上記ロッドに対する軸方向移動を制限するエンドストッパとを、それぞれ固設した状態で備え、第一の圧力室を、上記外径側シリンダ孔の内周面と上記連結部の外周面との間で、上記大径側摺動部の片面と上記小径側摺動部の片面とにより塞がれた略円環状空間とし、上記内径側シリンダ孔の内側で上記第二のピストンにより軸方向一端を塞がれ、内部を上記第一の圧力室に通じさせた空間を第三の圧力室とし、上記小径側シリンダ部の端部の内側で、上記第一のピストンの小径側摺動部側端面及び上記第二のピストンの片面により軸方向他端を塞がれ、内部を給排装置に通じさせた空間を第四の圧力室とした、請求項1に記載したアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明に係るアクチュエータは、例えば自動車用の空圧式変速機操作装置を構成するシフト操作用アクチュエータ、又はセレクト操作用アクチュエータとして利用するものである。
【0002】
【従来の技術】バスやトラック等の中、大型自動車に於いて、変速ギヤを切り換えるべく変速用レバーを操作する場合、変速装置が大きいので、運転者は比較的大きな力を必要とする。この様に比較的大きな力を必要とする変速操作を長時間行っていると運転者に多大な負担がかかる。この為、近年の中、大型自動車では変速ギヤを備えた変速機の上側に空圧式変速機操作装置を搭載し、この空圧式変速機操作装置により上記変速機を操作して、運転者が変速用レバーを操作する為に要する力を軽減する様にしている。
【0003】この様な空圧式変速機操作装置は、それぞれが複合シリンダ型アクチュエータである、セレクト操作用アクチュエータとシフト操作用アクチュエータとを組み合わせて構成する。そして、運転者の変速要求に基づいて上記空圧式変速機操作装置を作動させ、上記変速機を構成する変速機切替手段を作動させて、所望の変速ギヤを選択する。上記空圧式変速機操作装置を構成するセレクト操作用アクチュエータ又はシフト操作用アクチュエータとして、例えば先に、次に述べる様な、アクチュエータが開示されている。
【0004】このアクチュエータは、シリンダケースと、このシリンダケースの内側に設けた、大径側シリンダ部と小径側シリンダ部とを軸方向に亙って互いに直列に配置して成る外径側シリンダ孔と、この外径側シリンダ孔の内側に設けた第一のピストンとを備えている。このうちの第一のピストンは、上記大径側シリンダ部に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌する大径側摺動部と、上記小径側シリンダ部に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌する小径側摺動部とを、それぞれ軸方向両側に有する。又、この第一のピストンの一部で、上記大径側摺動部と小径側摺動部との間部分を、この小径側摺動部よりも外形が小さい連結部としている。又、上記第一のピストンの一部には、上記小径側シリンダ部側に軸方向一端を開口させた内径側シリンダ孔を設けている。
【0005】又、上記シリンダケース内には、このシリンダケースの一部に設けた通孔を摺動自在とし、上記外径側シリンダ孔内に軸方向に亙り駆動自在としたロッドを設けている。そして、このロッドの中間部に、上記内径側シリンダ孔に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌する第二のピストンと、上記第一のピストンの上記ロッドに対する軸方向移動を制限するエンドストッパとを、それぞれ固設した状態で設けている。そして、上記外径側シリンダ孔の内周面と上記連結部の外周面との間で、上記大径側摺動部の片面と上記小径側摺動部の片面とにより塞がれた略円環状空間を第一の圧力室とし、上記外径側シリンダ孔の内側で、上記大径側摺動部に関して上記大径側シリンダ部側に存在する空間を第二の圧力室としている。又、上記内径側シリンダ孔の内側で上記第二のピストンにより軸方向一端を塞がれ、内部を上記第一の圧力室に通じさせた空間を第三の圧力室とし、上記小径側シリンダ部の端部の内側で、上記第一のピストンの小径側摺動部側端面及び上記第二のピストンの片面により軸方向他端を塞がれた空間を第四の圧力室としている。
【0006】上記各第一、第二、第四の圧力室は、それぞれ給排装置に通じさせる事により、これら各圧力室に圧縮空気を給排自在としている。又、上記シリンダケースの一部で上記大径側シリンダ部と上記小径側シリンダ部との連続部分である段部の近傍には、上記大径側シリンダ部の直径よりも大きな直径の底面を有する凹溝を、全周に亙り形成している。そして、この凹溝に直径方向外方に向いた弾力を付与した状態で円環状のストッパリングを内嵌している。このストッパリングは、内部損失の大きな非金属材から成り、上記大径側摺動部の上記小径側シリンダ部側の片面が上記段部に直接衝合するのを防止する。
【0007】上述の様に構成する先に開示されたアクチュエータは、2個のアクチュエータをそれぞれセレクト操作用、シフト操作用として組み合わせる事により、後退1段前進5段の変速ギヤ、又は後退1段前進7段の変速ギヤを変速させる変速機操作装置を構成する事ができる。即ち、上述の様に構成するアクチュエータは、第一のピストンのストローク量に対する第二のピストンのストローク量の比を変更する事により、3段位置決め自在な構造と、4段位置決め自在な構造とに変更する事ができる。そして、3段位置決め自在な2個のアクチュエータを組み合わせる事により、後退1段前進5段の変速ギヤを変速させる変速機操作装置を構成し、3段位置決め自在なアクチュエータと4段位置決め自在なアクチュエータとを組み合わせる事により、後退1段前進7段の変速ギヤを変速させる変速機操作装置を構成する事ができる。
【0008】更に、この様なアクチュエータには内部損失の大きな非金属製のストッパリングを設けている為、上記第一のピストンを構成する大径側摺動部の小径側シリンダ部側の片面が、この小径側シリンダ部と大径側シリンダ部との連続部分に存在する段部に直接衝合するのを防止する事ができる。即ち、上記ストッパリングがなければ、それぞれがアルミニウム合金等の金属製である、上記第一のピストンの一部とシリンダケースの一部とが、互いに強く直接に衝合して、衝撃力が緩和されない。この様に衝撃力が緩和されないと、アクチュエータに異音(金属音)が発生すると共に、このアクチュエータ全体の耐久性の低下を招く。
【0009】又、アクチュエータとしては、上述した様な3段位置決め、又は4段位置決めを自在とした構造に限らず、2段位置決めを自在とした構造も従来から知られている。この様なアクチュエータは、例えば、上述した先に開示されたアクチュエータに於いて、第一のピストンを大径側摺動部のみを有するものとし、ロッドの中間部にこの第一のピストンを結合固定する事により、このロッドを外径側シリンダ孔の軸方向に亙り駆動自在とする。そして、この外径側シリンダ孔の内側で、上記第一のピストンの軸方向両側に存在する空間を、それぞれ第一、第二の圧力室として、給排装置によりこれら各圧力室内に圧縮空気を給排自在とする。この様な2段位置決めを自在としたアクチュエータの場合にも、前述の先に開示されたアクチュエータと同様に、凹溝に直径方向外方に向いた弾力を付与された状態でストッパリングを内嵌し、このストッパリングにより、上記大径側摺動部の上記小径側シリンダ部側の片面が上記段部に直接衝合するのを防止する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述及び上述した従来のアクチュエータの場合、ストッパリングにより、第一のピストンの大径側摺動部の片面が、大径側シリンダ部と小径側シリンダ部との連続部に存在する段部に直接衝合するのを防止していた。但し、上記ストッパリングは、アクチュエータの長期間に亙る使用により、自身の弾力が低下して、上記凹溝内で円周方向に亙り縮小し、回転する事により、所定の位置から外れる可能性がある。この様に上記ストッパリングが所定の位置から外れると、上述した様に、アクチュエータに異音が発生すると共に、このアクチュエータ全体の耐久性の低下を招く為、好ましくない。本発明のアクチュエータは、上述の様な事情に鑑みて、アクチュエータ全体を大型化する事なく、ストッパリングが所定の位置から外れるのを確実に防止して、信頼性の向上を有効に図るべく考えたものである。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明のアクチュエータは、シリンダケースと、このシリンダケースの内側に設けられ、大径側シリンダ部と小径側シリンダ部とを軸方向に亙って互いに直列に配置して成る外径側シリンダ孔と、上記大径側シリンダ部及び上記小径側シリンダ部に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌される大径側摺動部と小径側摺動部とこれらの連結部とを有する第一のピストンと、上記シリンダケースの一部に設けられた通孔を摺動自在とし、上記外径側シリンダ孔内を軸方向に亙り駆動自在としたロッドと、上記外径側シリンダ孔及び上記第一のピストンの大径側摺動部と小径側摺動部とこれらの連結部とによって形成される第一の圧力室と、上記外径側シリンダ孔の内側で上記大径側摺動部の位置よりも上記大径側シリンダ部側に存在する空間である第二の圧力室と、これら各第一、第二の圧力室に圧力流体を給排自在とした給排装置と、上記シリンダケースの一部で上記大径側シリンダ部と上記小径側シリンダ部との連続部分である段部の近傍に、上記大径側シリンダ部の直径よりも大きな直径の底面を有し、全周に亙り形成された凹溝と、この凹溝に直径方向外方に向いた弾力を付与された状態で内嵌され、上記大径側摺動部の上記小径側シリンダ部側の片面が上記段部に直接衝合するのを防止する欠円環状のストッパリングと、上記シリンダケースの一部で上記凹溝に整合する部分に形成されて、上記シリンダケースの外部と上記凹溝の底面とを連通させる貫通孔と、この貫通孔に圧入固定され、内部に軸方向全長に亙り貫通する空気通路を備えたスプリングピンとを備える。そして、このスプリングピンの一部で上記凹溝の底面から直径方向内方に突出する部分と上記欠円環状のストッパリングの不連続部分とを係合自在として、このストッパリングの円周方向に亙る縮小の制限及び回り止めを図ると共に、上記スプリングピンに設けた上記空気通路を介して、上記第一の圧力室と上記給排装置とを通じさせている。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明のアクチュエータの場合、外径側シリンダ孔の段部の近傍に、大径側シリンダ部の直径よりも大きな直径の底面を有し、全周に亙り凹溝を形成し、この凹溝に直径方向外方に向いた弾力を付与した状態で欠円環状のストッパリングを内嵌している。そして、このストッパリングの不連続部分と、シリンダケースの外部と上記凹溝の底面とを連通させる貫通孔に圧入固定したスプリングピンの一部とを係合自在として、このストッパリングの円周方向に亙る縮小の制限及び回り止めを図っている。従って、このストッパリングが、アクチュエータの長期間に亙る使用により、上記凹溝内で円周方向に亙り縮小し、回転して、所定の位置から外れる事を確実に防止して、アクチュエータの信頼性の向上を図れる。
【0013】更に、本発明の場合、上記スプリングピンの内部に軸方向全長に亙り貫通する空気通路を設けており、この空気通路を介して、第一の圧力室と給排装置とを通じさせている。従って、この様に第一の圧力室と給排装置とを通じさせる空気通路を、上記シリンダケースの一部で、上記ストッパリングを配置した部分から軸方向に外れた部分に形成する必要がなく、アクチュエータ全体を大型化せずに済む。この結果、本発明のアクチュエータは、アクチュエータ全体を大型化する事なく、ストッパリングが所定の位置から外れるのを確実に防止して、信頼性の向上を有効に図る事ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜7は、請求項1及び請求項2に対応する、本発明の実施の形態の1例を、3段位置決め自在な構造と、4段位置決め自在な構造とに変更を自在としたアクチュエータに就いて示すものである。このアクチュエータ1は、アルミニウム合金等の金属製であるシリンダケース2と、このシリンダケース2の内側に設けた外径側シリンダ孔3と、この外径側シリンダ孔3の内側に、密に、且つ軸方向に亙る摺動自在に内嵌した第一のピストン4と、この第一のピストン4の内側に設けた内径側シリンダ孔5と、ロッド6と、このロッド6の中間部にそれぞれ固設した状態で設けたエンドストッパ7と、第二のピストン8とから成る。このうちの上記シリンダケース2は、本体9と、蓋体10とから成る。そして、この蓋体10により、上記本体9の一部内側に形成し、軸方向一端(図1の左端)側を開口させた上記外径側シリンダ孔3の開口端部を、密に塞いでいる。又、上記外径側シリンダ孔3は、上記蓋体10側から順に、大径側シリンダ部11と小径側シリンダ部12とを軸方向に亙って互いに同心に直列に配置して成る。
【0015】又、上記第一のピストン4は、上記大径側シリンダ部11の内側に、密に、且つ摺動自在に内嵌する大径側摺動部13と、上記小径側シリンダ部12の内側に、密に、且つ摺動自在に内嵌する小径側摺動部14とをそれぞれ有する。そして、これら大径側摺動部13と小径側摺動部14との間部分を、これら両部13、14を連結する、小径側摺動部14よりも外径が小さい連結部15としている。そして、上記第一のピストン4の一部に、上記小径側シリンダ部12側に軸方向一端(図1の右端)を開口させた上記内径側シリンダ孔5を設けている。
【0016】又、前記ロッド6は、上記本体9の一部と蓋体10の一部とにそれぞれ設けた通孔16a、16bを、軸方向に亙り摺動自在としており、このロッド6を上記外径側シリンダ孔3内に軸方向に亙り駆動自在としている。そして、このロッド6の中間部に、上記第二のピストン8と、上記エンドストッパ7とを、それぞれ固設した状態で設けている。このうちの第二のピストン8は、上記ロッド6の中間部で所定位置に外嵌すると共に、この第二のピストン8の軸方向両側を同じく上記ロッド6の中間部に外嵌したストッパ17a、17bにより挟持する事で、上記第二のピストン8を上記ロッド6の中間部の所定位置に固定している。そして、上記ロッド6の中間部で、上記第一のピストン4に関して上記大径側シリンダ部11側に存在する部分に、上記エンドストッパ7を外嵌固定し、このエンドストッパ7の一端面(図1の右端面)を、上記第一のピストン4の他端面(図1の左端面)に突き当て自在としている。これにより、上記第一のピストン4の上記ロッド6に対する軸方向移動が制限される。又、上記ロッド6の両端部で上記本体9及び蓋体10からそれぞれ突出した部分には、それぞれが伸縮自在なカバー18、18を被着している。又、上記ロッド6の一端部(図1の右端部)で上記カバー18から突出した部分には、係止部19を設けて、この係止部19を図示しない変速機切り替え手段に連結自在としている。
【0017】更に、上記第一のピストン4の軸方向両側部分には、ポリアセタール、ゴム等の内部損失の大きな非金属材から成る衝撃吸収部材20a、20bを、それぞれ設けて、上記エンドストッパ7及び第二のピストン8が、上記第一のピストン4の軸方向両側部分に直接に衝合するのを防止している。
【0018】又、上記大径側シリンダ部11の内側で他端部(図1の左端部)にも、上記葢体10の一部に係止する状態で衝撃吸収部材20cを設けて、上記第一のピストン4が上記蓋体10の一部に直接衝合するのを防止している。
【0019】そして、上記外径側シリンダ孔3の内周面と上記連結部15の外周面との間で、上記大径側摺動部13の片面と上記小径側摺動部14の片面とにより塞がれた略円環状空間を第一の圧力室22aとし、上記外径側シリンダ孔3の内側で、上記大径側摺動部13の位置よりも上記大径側シリンダ部11側に存在する空間を第二の圧力室22bとしている。又、上記内径側シリンダ孔5の内側で上記第二のピストン8により軸方向一端(図1の右端)を塞がれた空間を第三の圧力室22cとしている。この第三の圧力室22cと上記第一の圧力室22aとは、上記第一のピストン4の一部に設けた通孔23により通じさせている。又、上記小径側シリンダ部12の端部の内側で、上記第一のピストン4の小径側摺動部14側端面及び上記第二のピストン8の片面により軸方向他端を塞がれた空間を、第四の圧力室22dとしている。そして、上記第一、第二、第四の圧力室22a、22b、22dを、第一、第二、第三の電磁弁24a、24b、24cを介して、図示しない圧縮空気源に接続自在としている。即ち、上記各電磁弁24a、24b、24cのon−offにより、上記各第一、第二、第四の圧力室22a、22b、22dを上記圧縮空気源に通じさせるか、或は大気に開放するかを選択する事により、これら各第一、第二、第四の圧力室22a、22b、22dに圧縮空気を給排自在としており、上記の各圧力室22a〜22d、各電磁弁24a、24b、24c及び圧縮空気源により給排装置が構成される。
【0020】上述の様に構成する本例のアクチュエータ1は、3段位置決め自在な構造と、4段位置決め自在な構造とに容易に変更する事ができる。即ち、アクチュエータ1を3段位置決め自在な構造とする場合には、図1に示す様に、内径側シリンダ孔5の内側に設ける衝撃吸収部材20bの軸方向長さL20b を、上記第一のピストン4の最大ストロークL4と上記第二のピストン8の最大ストロークL 8とが互いに等しく(L4 =L8 )なる様に規制する。
【0021】この様に衝撃吸収部材20bの軸方向長さL20b を規制したアクチュエータ1は、次の様に作用して3段位置決めを自在とする。先ず、上記ロッド6を図4(A)に示す位置から図4(B)に示す位置まで移動させる場合、第一の電磁弁24aと第三の電磁弁24cとをonとし(第一と第三、及び第四の圧力室22a、22c及び22dを圧縮空気源に通じさせ)、第二の電磁弁24bをoffにする(第二の圧力室22bを大気に開放した状態とする)。これにより、第一の圧力室22a及び第三の圧力室22cが容積を拡大する傾向となる。但し、上記第三の圧力室22cの容積の拡大は、上記ロッド6に設けたエンドストッパ7により制限される。そして、上記第三の圧力室22cの容積を最大限に拡大した状態のまま、第一のピストン4は、図4で左方向に移動し、これに伴って上記ロッド6も図4(B)に示す位置まで移動する。そして、このロッド6が図4(B)に示す位置に移動した状態で上記第一の電磁弁24a及び第三の電磁弁24cをoffにする。これに伴い、第一、第三の圧力室22a、22c及び第四の圧力室22dの圧縮空気が排出されるが、上記第二の圧力室22bは大気圧である為、上記第一、第三及び第四の圧力室22a、22c及び22dが第二の圧力室22bより低圧になる事はなく、従ってロッド6の位置ずれが生じる様な事はない。
【0022】次に、上記ロッド6を図4(B)に示す位置から図4(C)に示す位置にまで移動させる場合、上記第一の電磁弁24aと第二の電磁弁24bとをoffし(第一、第三、第二の圧力室22a、22c、22bを大気に開放し)、上記第三の電磁弁24cのみをonする(第四の圧力室22dを圧縮空気源に通じさせる)。これにより、第四の圧力室22dが容積を拡大する傾向となる。そして、上記ロッド6は図4(C)に示す位置まで移動する。そして、このロッド6が、図4(C)に示す位置に移動した状態で上記第三の電磁弁24cをoffする。これに伴い、上記第四の圧力室22dから圧縮空気が排出されるが、上記第一〜第三の圧力室22a、22b、22cは大気圧である為、第四の圧力室22dが上記上記第一〜第三の圧力室22a、22b、22cよりも低圧になる事がなく、上記ロッド6の位置ずれが生じる様な事はない。次に、上記ロッド6を図4(C)から図4(B)に示す位置まで移動させる場合には、上記第二の電磁弁24b、第三の電磁弁24cをoffとして、第一の電磁弁24aのみをonにする。そして、ロッド6が図4(B)の位置まで移動した状態で第一の電磁弁24aをoffにする。次に、上記ロッド6を図4(B)から図4(A)に示す位置に移動させる場合は、第三の電磁弁24cのみをoffとし、第一の電磁弁24a、第二の電磁弁24bをonにする。そして、上記ロッド6が図4(A)の位置まで移動した状態で第一の電磁弁24a及び第二の電磁弁24bをoffにする。又、図5は、上記3段位置決め自在なアクチュエータに於ける第一、第二、第三の電磁弁24a、24b、24cの作動パターンを表したものである。
【0023】一方、アクチュエータ1を4段位置決め自在な構造とする場合には、上記衝撃吸収部材20bの軸方向長さL20b を、上記第一のピストン4の最大ストロークL4 の半分と上記第二のピストン8の最大ストロークL8 が互いに等しく(L 4/2=L8 )なる様に規制する。そして、上記第一〜第三の各電磁弁24a、24b、24cのon・offに基づいて、上記第一、第二、第四の各圧力室22a、22b、22dに圧縮空気を給排する事により、このアクチュエータ1を4段位置決め自在にできる。そして、上記4段位置決め自在なアクチュエータのロッド6の位置及び第一、第二、第三の電磁弁24a、24b、24cの作動パターンは、図6、図7に示す様になる。
【0024】上述した様に、アクチュエータ1を、3段位置決め自在な構造と、4段位置決め自在な構造とに変更する為には、衝撃吸収部材20bの軸方向長さL20b を変更するのみで良い。従って、3段位置決め自在なアクチュエータと4段位置決め自在なアクチュエータとの部品を1部品を除いて共通化を図る事ができると共に、3段位置決め及び4段位置決めを自在としたアクチュエータを利用した、前述の後退1段前進7段の変速ギヤを変速させる変速機操作装置全体の生産コストの低廉化を図れる。
【0025】更に、本例のアクチュエータ1の場合、第一〜第三の各電磁弁24a、24b、24cのon・offに基づいて、第一、第二、第四の各圧力室22a、22b、22dの間に圧力降下の差が生じても、確実にロッド6を位置決めして、所謂ドリフトの発生を防止する事ができる。
【0026】特に、本発明のアクチュエータの場合、前記大径側シリンダ部11と小径側シリンダ部12の連続部分である段部25の近傍に、上記大径側シリンダ部11の直径よりも大きな直径の底面を有する凹溝26を、全周に亙り形成している。そして、この凹溝26に直径方向外方に向いた弾力を付与した状態で欠円環状のストッパリング27を内嵌している。このストッパリング27は、ポリアセタール、ゴム等の内部損失の大きな非金属材から成る。又、このストッパリング27の自由状態での外径は、上記凹溝26の底面の直径D26よりも大きくしている。更に、上記ストッパリング27の軸方向長さは、上記第一のピストン4を構成する大径側摺動部13が上記段部25に向かって移動する際に、上記第一のピストン4を構成する小径側摺動部14の軸方向片面と上記小径側シリンダ部12の端面とが直接衝合するのを防止するのに十分な長さとしている。尚、本例の場合、上記凹溝26は、上記大径側シリンダ部11のバニシ仕上げ加工作業の為に必然的に必要とされる逃げ溝(リセッシング溝)をそのまま利用すれば良く、上記ストッパリング27を内嵌する為に新たな加工作業を必要とする事はない。従って、本例の場合、上記凹溝26を形成する為にアクチュエータの生産コストが嵩む事はない。上記ストッパリング27の存在により、上記第一のピストン4を構成する大径側摺動部13が上記段部25に直接衝合するのを防止して、アクチュエータ1の異音の発生を防止すると共に、耐久性の向上を図る事ができる。
【0027】更に、本発明の場合、図2に示す様に、前記シリンダケース2の一部で上記凹溝26に整合する部分に、上記シリンダケース2の外部と上記凹溝26の底面とを連通させる貫通孔28を形成している。そして、この貫通孔28の外側端部と前記第一の電磁弁24aとを通じさせている。そして、この貫通孔28に、スプリングピン29を圧入固定すると共に、このスプリングピン29の一部を上記凹溝26の底面からこの凹溝26の直径方向内方に向け突出させている。このスプリングピン29は、所定の弾力を有する金属製の板材を円筒状、或は欠円筒状に丸め形成する事で、直径方向外方に向いた弾力を有するものである。この様に丸め形成した状態で上記スプリングピン29は、内部に軸方向全長に亙り貫通する空気通路30を形成している。この為、上述の様に上記スプリングピン29を上記貫通孔28に圧入固定した状態で、上記第一の圧力室22aと上記第一の電磁弁24aとを、上記空気通路30を介して通じさせる事ができる。
【0028】更に、この様に上記スプリングピン29を上記貫通孔28に圧入固定した状態で、上記スプリングピン29の上記凹溝26の底面から直径方向内方に突出する部分と、上記ストッパリング27の不連続部分31とを係合自在としている。そして、この様に係合自在とする事により、上記ストッパリング27の弾力が低下して円周方向に亙り縮小する傾向となった場合でも、このストッパリング27の不連続部分31の縮小が上記スプリングピン29により制限され、上記ストッパリング27の回り止めを図れる様にしている。即ち、このストッパリング27が円周方向に亙り縮小し、回転する傾向となった場合でも、上記スプリングピン29の存在により、上記ストッパリング27の外径が上記大径側シリンダ部11の内径D11よりも小さくならず、このストッパリング27が上記凹溝26から外れない様にしている。
【0029】上述の様に構成する本発明のアクチュエータの場合、ストッパリング27の不連続部分と、シリンダケース2の外部と上記凹溝26の底面とを連通させる貫通孔28に圧入固定した、スプリングピン29の一部とを係合自在とする事により、上記ストッパリング27の円周方向に亙る縮小の制限及び回り止めを図っている。従って、本発明のアクチュエータは、ストッパリング27が、アクチュエータ1の長期間に亙る使用により、上記凹溝26内で円周方向に亙り縮小し、回転して、所定の位置から外れる事を確実に防止して、アクチュエータ1の信頼性の向上を図る事ができる。
【0030】更に、上記スプリングピン29は内部に軸方向全長に亙り貫通する空気通路30を設けており、この空気通路30を介して上記スプリングピン29の両端側にそれぞれ存在する、第一の圧力室22aと給排装置とを通じさせる事ができる。従って、第一の圧力室22aと給排装置とを通じさせる空気通路を、上記シリンダケース2の一部で、上記ストッパリング27を配置した部分から軸方向に外れた部分に形成する必要がなく、アクチュエータ全体を大型化せずに済む。この結果、本発明のアクチュエータは、アクチュエータ全体を大型化する事なく、ストッパリングが所定の位置から外れるのを確実に防止して、信頼性の向上を有効に図る事ができる。
【0031】
【発明の効果】本発明のアクチュエータは、以上に述べた通り構成され作用する為、アクチュエータ全体を大型化する事なく、異音の発生を防止し、耐久性の向上を図る為のストッパリングが所定の位置から外れるのを確実に防止して、信頼性の向上を有効に図る事ができる。
【出願人】 【識別番号】000177276
【氏名又は名称】三輪精機株式会社
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】 【識別番号】100087457
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82598(P2001−82598A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−262480