| 【発明の名称】 |
作業車の走行変速構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】前沢 清繁
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| 【要約】 |
【課題】走行用の無段変速装置を備えた作業車の走行変速構造において、無段変速装置を所望の変速位置に保持可能な保持機構を備えた機種と、保持機構を備えない機種とを生産する場合に、作業車の生産性を向上させる。
【解決手段】変速ペダル13及び無段変速装置7を第1連係機構16を介して連係する。所望の変速位置に保持可能な保持機構、保持機構を操作する変速レバー26、保持機構及び変速ペダル13を機械的に連係する第2連係機構34,36を備えて、変速レバー26を操作することにより保持機構及び第2連係機構34,36を介して、変速ペダル13を所望の変速位置に操作及び保持可能に構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用の無段変速装置を備えて、変速ペダル及び前記無段変速装置を第1連係機構を介して連係し、前記変速ペダルを踏み操作することにより前記第1連係機構を介して、前記無段変速装置を変速操作自在に構成すると共に、所望の変速位置に保持可能な保持機構と、前記保持機構を操作する変速レバーと、前記保持機構及び前記変速ペダルを機械的に連係する第2連係機構とを備えて、前記変速レバーを操作することにより前記保持機構及び第2連係機構を介して、前記変速ペダルを所望の変速位置に操作及び保持可能に構成してある作業車の走行変速構造。 【請求項2】 走行用の無段変速装置を備えて、変速ペダル及び前記無段変速装置を第1連係機構を介して連係し、前記変速ペダルを踏み操作することにより前記第1連係機構を介して、前記無段変速装置を変速操作自在に構成すると共に、所望の変速位置に保持可能な保持機構と、前記保持機構を操作する変速レバーと、前記保持機構及び前記変速ペダルを機械的に連係する第2連係機構と、前記保持機構によって保持された変速位置よりも高速側への前記変速ペダルの踏み操作を許す融通機構とを備えて、前記変速レバーを操作することにより前記保持機構及び第2連係機構を介して、前記変速ペダルを所望の変速位置に操作及び保持可能、且つ所望の変速位置から高速側への前記変速ペダルの踏み操作可能に構成してある作業車の走行変速構造。 【請求項3】 前記保持機構、変速レバー及び第2連係機構を支持部材に備えて、前記支持部材を機体に取付自在に構成し、前記第2連係機構を前記変速ペダルに連係自在に構成してある請求項1又は2記載の作業車の走行変速構造。 【請求項4】 右側及び左側の機体フレームの間に前記無段変速装置を配置して、前記右側の機体フレームの横外側に前記変速ペダルを配置し、前記右側の機体フレームを通して前記第1連係機構を配置すると共に、前記右側の機体フレームの横外側において前記保持機構及び前記変速ペダルを、前記第2連係機構を介して連係してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の作業車の走行変速構造。 【請求項5】 前記無段変速装置を前進側及び後進側に無段変速自在に構成して、前記変速ペダルを前方に延びる前進側ペダル部及び後方に延びる後進側ペダル部を備えて構成し、前記前進側ペダル部を踏み操作すると前記無段変速装置が前進側の高速側に変速操作され、前記後進側ペダル部を踏み操作すると前記無段変速装置が後進側の高速側に変速操作されるように、前記変速ペダル及び前記無段変速装置を前記第1連係機構を介して連係すると共に、前記保持機構を前記変速ペダルの後側に配置し、前記保持機構及び前記後進側ペダル部を前記第2連係機構を介して連係してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の作業車の走行変速構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、静油圧式やベルト式等の無段変速装置を走行用として備えた作業車の走行変速構造に関する。 【0002】 【従来の技術】作業車の一例である農用トラクタでは、走行用として静油圧式の無段変速装置を備えたものがあり、変速ペダル及び無段変速装置を連係機構(例えば連係ロッド等により変速ペダル及び無段変速装置を連係する機械的な連係機構、変速ペダルの操作位置に基づいて無段変速装置を電動モータや油圧アクチュエータによって変速操作する電気的や油圧的な連係機構等)を介して連係して、変速ペダルを踏み操作することにより連係機構を介して、無段変速装置を変速操作するように構成されている。 【0003】農用トラクタにモーアを装備して芝刈り作業を行う場合、一定速度で走行しながら芝刈り作業を行うことが多いので、無段変速装置を所望の変速位置に保持可能な保持機構及び保持機構を操作する変速レバーを備えた農用トラクタがある。これによって、変速レバーにより保持機構を操作し、保持機構により無段変速装置を所望の変速位置に保持しておくことによって、変速ペダルを踏み操作していなくても一定速度での走行が行える。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】走行用の無段変速装置を備えた農用トラクタ等の作業車では、前述のような保持機構を備えた機種と、保持機構を備えない機種とを生産することがある。保持機構を備えた機種の場合、保持機構及び無段変速装置を機械的に連係して、保持機構により無段変速装置を所望の変速位置に保持可能に構成する必要がある。 【0005】従って、保持機構を備えた機種を生産する場合に、保持機構を備えない機種の構造(例えば変速ペダル及び無段変速装置を連係する連係機構等)に変更を施して、保持機構及び無段変速装置を機械的に連係するように構成すれば、保持機構を備えた機種と保持機構を備えない機種とを生産する際に、生産性の低下を招くことがある。本発明は、走行用の無段変速装置を備えた作業車の走行変速構造において、無段変速装置を所望の変速位置に保持可能な保持機構を備えた機種と、保持機構を備えない機種とを生産する場合、作業車の生産性を向上させることを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】[I]走行用の無段変速装置を備えた作業車において、変速ペダル及び無段変速装置を第1連係機構を介して連係し、変速ペダルを踏み操作することにより第1連係機構を介して、無段変速装置を変速操作自在に構成していたとする。請求項1の特徴によると、このような作業車において所望の変速位置に保持可能な保持機構及び保持機構を操作する変速レバーを備える場合、保持機構及び変速レバーを機体に備えてから、保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して機械的に連係する。これによって、変速レバーを操作することにより保持機構及び第2連係機構を介して、変速ペダルを所望の変速位置に操作し保持することができるのであり、変速ペダル及び第1連係機構を介して無段変速装置を所望の変速位置に操作し保持することができる。 【0007】以上のように請求項1の特徴によると、保持機構を備えない機種の機体に保持機構及び変速レバーを備えた場合、保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して連係するだけでよく、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構等に特に改造を施す必要なしに、保持機構を備えた機種を得ることができる。これにより請求項1の特徴によると、保持機構を備えた機種と保持機構を備えない機種とを生産する場合、保持機構を備えない機種はそのまま生産してやればよく、保持機構を備えた機種は保持機構を備えない機種の機体に保持機構及び変速レバーを備え、保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して連係することによって得ることができる。 【0008】[II]請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項2の特徴によると、保持機構を備えた機種において、保持機構によって保持された変速位置よりも高速側への変速ペダルの踏み操作を許す融通機構を備えている。これにより、保持機構を備えた機種において保持機構により変速ペダル(無段変速装置)を所望の変速位置に保持して走行している状態で、所望の変速位置から一時的に高速で走行したい場合、所望の変速位置から変速ペダルを高速側に踏み操作して一時的に高速で走行することができる。 【0009】[III]請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項3の特徴によると、保持機構、変速レバー及び第2連係機構が支持部材に備えられて、保持機構、変速レバー及び第2連係機構が支持部材によって一つのユニット状に構成されている。これによって、保持機構を備えた機種を得る場合、支持部材を機体に取り付けることにより、保持機構、変速レバー及び第2連係機構を機体に備えることができるのであり、保持機構、変速レバー及び第2連係機構の各々を別々に機体に取り付けるようなことを行う必要がない。 【0010】[IV]請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。農用トラクタ等の作業車では、請求項4の特徴のように右側及び左側の機体フレームの間に無段変速装置を配置して、右側の機体フレームの横外側に変速ペダルを配置し、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構を、右側の機体フレームを通して配置したようなものがある。 【0011】このような作業車において請求項4の特徴のように、右側の機体フレームの横外側において保持機構及び変速ペダルを、第2連係機構を介して連係するように構成することによって、保持機構を備えない機種の機体に保持機構及び変速レバーを備えた場合、右側の機体フレームの横外側において、保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して容易に連係することができ、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構等に特に改造を施す必要なしに、保持機構を備えた機種を得ることができる。 【0012】[V]請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。農用トラクタ等の作業車では請求項5の特徴のように、無段変速装置を前進側及び後進側に無段変速自在に構成して、変速ペダルを前方に延びる前進側ペダル部及び後方に延びる後進側ペダル部を備えて構成し、前進側ペダル部を踏み操作すると無段変速装置が前進側の高速側に変速操作され、後進側ペダル部を踏み操作すると無段変速装置が後進側の高速側に変速操作されるように、変速ペダル及び無段変速装置を第1連係機構を介して連係するように構成したものがある。 【0013】このような作業車において請求項5の特徴のように、保持機構を変速ペダル(後進側ペダル部)の後側に配置し、保持機構及び後進側ペダル部を第2連係機構を介して連係するように構成すると、保持機構が後進側ペダル部に近い位置に配置されることになるので、第2連係機構による保持機構及び後進側ペダル部の連係が容易に行え、第2連係機構も短いもので良くなる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1に、作業車の一例である農用トラクタが示されており、機体の前部に左右一対の前輪1、エンジン4及びクラッチ6が配置され、機体の後部に左右一対の後輪2及びミッションケース9が配置されて、クラッチ6とミッションケース9とが、縦壁状の右側及び左側の機体フレーム3を介して連結されている。右側及び左側の機体フレーム3に、天井板(図示せず)及び底板(図示せず)が連結されて、右側及び左側のフレーム3が断面四角状の筒状に形成されており、右側及び左側の機体フレーム3の上部に運転部5が形成されている。 【0015】図1及び図2に示すように、ミッションケース9の前端に、前進側F及び後進側Rに変速自在な静油圧式の無段変速装置7が連結されて、無段変速装置7が右側及び左側の機体フレーム3の間に位置しており、右側及び左側の機体フレーム3の間に配置された伝動軸8により、クラッチ6の動力が無段変速装置7に伝達されるように構成されている。 【0016】次に、無段変速装置7を前進側F及び後進側Rに変速操作する変速ペダル13の構成について説明する。図1及び図2に示すように、右側の機体フレーム3の横外側に支持軸11が固定され、ボス部材13aが支持軸11に回転自在に外嵌されており、前進側ペダル部13fがボス部材13aに固定されて機体の前方に延出され、後進側ペダル部13rがボス部材13aに固定されて機体の後方に延出されて、支持軸11周りに揺動自在な変速ペダル13(ボス部材13a、前進側及び後進側ペダル部13f,13r)が構成されている。 【0017】図2,3,4に示すように、右側及び左側の機体フレーム3の間において、無段変速装置7のトラニオン軸12に操作アーム19が固定されており、操作アーム19の操作軸22が、右側の機体フレーム3の開孔3aから横外側に突出している。図2,3,4に示すように、ボス部材13aに操作アーム14が固定されて、操作アーム14に連係ロッド16が接続されており、連係ロッド16の端部に防振ゴム15が取り付けられ、防振ゴム15に外嵌されたボス部材18の連結部18aが操作軸22に接続されている。 【0018】図3及び図2に示すように、右側及び左側の機体フレーム3の間において、無段変速装置7の横軸芯P1周りにアーム21が揺動自在に支持され、アーム21にローラー21aが備えられている。操作アーム19のV字状のカム部19aにローラー21aが押圧されるように、バネ20によってアーム21が図3の紙面反時計方向に付勢されている。図2に示すように、右側の機体フレーム3の横外側の横軸芯P2周りに揺動自在にブラケット17が支持され、ブラケット17と操作アーム14とに亘ってダンパー23が接続されている。前進側ペダル部13fの踏み操作の限度を決めるストッパー24、及び後進側ペダル部13rの踏み操作の限度を決めるストッパー25が、右側の機体フレーム3の横外側に固定されている。 【0019】以上の構造によって、前進側ペダル部13fを踏み操作することにより、連係ロッド16を介して無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの高速側に変速操作され、後進側ペダル部13rを踏み操作することによって、連係ロッド16を介して無段変速装置7(トラニオン軸12)が後進側Rの高速側に変速操作される。この場合、前進側及び後進側ペダル部13f,13rの急激な踏み操作がダンパー23によって緩和され、アーム21によって無段変速装置7(トラニオン軸12)及び変速ペダル13が中立位置Nに付勢されており、無段変速装置7(トラニオン軸12)の振動が、防振ゴム15によって変速ペダル13に伝達されない。 【0020】次に、変速レバー26により変速ペダル13及び無段変速装置7を前進側Fの所望の変速位置に保持する構造について説明する。図6及び図7に示すように、側面視長方形状で平板状の支持部材27が備えられており、支持部材27に固定された支持ロッド27aに支持板28が固定されている。支持部材27のボス部27bにカムボス部材29が後述するように所定角度の範囲で回転自在に支持され、支持板28のボス部28aに操作軸30の端部が回転自在に支持されており、操作軸30の反対側の端部がカムボス部材29に回転自在に支持されている。 【0021】支持部材27に固定された支持アーム27cの横軸芯P4周りに、連係アーム34が揺動自在に支持され、長孔44aを備えたブラケット44が連係アーム34の先端に固定されており、操作軸30に操作アーム35が相対回転自在に外嵌され、操作アーム35と連係アーム34とに亘って連係ロッド36が接続されている。後述するように、後進側ペダル部13rに固定されたブラケット13bのピン13cが、ブラケット44の長孔44aに挿入されて、連係アーム34と後進側ペダル部13rとが連係される。 【0022】正面視L字状に形成された支持部材31が操作軸30に外嵌されスプリングピン32によって固定されており、側面視コ字状の操作アーム33が支持部材31の上端部の前後軸芯P3周りに揺動自在に支持され、支持部材31に変速レバー26が固定されている。ピン37aを備えたリング部材37が操作軸30にスライド自在に外嵌され、操作アーム33のピン33aがリング部材37に係合している。変速レバー26及び操作アーム33を図7の紙面反時計方向(ピン37aが操作アーム35から離間する方向)に付勢するバネ39が備えられており、変速レバー26をレバーガイド38(図9参照)の中立位置N側に付勢するバネ43が、支持板28と操作アーム33とに亘って接続されている。 【0023】図6,7,9に示す状態は、レバーガイド38の中立位置Nに変速レバー26を操作している状態であり、ピン37aが操作アーム35から図7の紙面右方に離間している。この状態から変速レバー26をレバーガイド38に沿って中立位置Nから前進変速経路38aに操作すると、操作アーム33によりリング部材37及びピン37aが図7の紙面左方にスライド操作され、ピン37aが操作アーム35に下側から接当する状態となる。この状態から変速レバー26を前進変速経路38aに沿って操作すると、変速レバー26により操作軸30及びピン37aが一体で回転操作される状態となり、ピン37aにより操作アーム35が操作軸30と一体で回転操作される状態となる。 【0024】図7に示すように、操作軸30における図7の紙面左側の部分にスプライン部が形成されて、操作軸30のスプライン部に複数の第1摩擦板41が、操作軸30と一体回転するように外嵌されている。第1摩擦板41の間に複数の第2摩擦板42が操作軸30に対して相対回転自在に外嵌され、カムボス部材29に固定されたカム板29aのピン29bに、第2摩擦板42の一端が係合して、第2摩擦板42がカム板29aに固定された状態となっており、カム板29aを押圧するバネ40が備えられている。 【0025】図6,7,8に示すように、支持部材27の横軸芯P5周りにボス部材45が回転自在に支持され、ボス部材45の第1アーム45aがカム板29aに係合している。カム板29aが図8に示す位置から紙面反時計方向に回転するのを止めるストッパー46が、支持部材27に備えられており、後述するようにボス部材45の第2アーム45bとサイドブレーキペダル10とが連係されること、及びストッパー46によって、カム板29aが、図6及び図7に示す位置に固定された状態となる。 【0026】図2及び図10(イ)に示すように、右側の機体フレーム3の横外側に支持軸47が固定され、一対のボス部材48が支持軸47に回転自在に並べて外嵌されており、右及び左のボス部材48の各々に右及び左のサイドブレーキペダル10が固定されている。右及び左の後輪2を各々独立に制動する右及び左のサイドブレーキ(図示せず)が備えられて、右のサイドブレーキペダル10と右のサイドブレーキとが機械的に連係され、左のサイドブレーキペダル10と左のサイドブレーキとが機械的に連係されており、右及び左のサイドブレーキペダル10を戻し側に付勢するバネ54が備えられている。 【0027】図10(イ)に示すように、右側の機体フレーム3の横軸芯P6周りに操作アーム49が揺動自在に支持され、図6及び図7に示すようにボス部材45の第2アーム45bと操作アーム49とに亘って、連係ロッド50が接続されている。図10(イ)に示すように、右及び左のボス部材48の各々に、長さの異なるアーム48aが備えられており、操作アーム49に接続されたリンク51と、右のボス部材48のアーム48a及び左のボス部材48のアーム48aとが、一対のリンク52及びピン53によって接続されている。 【0028】以上の構造により図1,6,7に示すように、変速レバー26、操作軸30、カム板29a、バネ40、第1及び第2摩擦板41,42、連係アーム34及び連係ロッド36等が支持部材27に支持されて、一つのユニットに構成されている。これにより、変速レバー26により変速ペダル13及び無段変速装置7を前進側Fの所望の変速位置に保持する機構を備えない機種を生産する場合には、前述のユニットは機体に備えず、レバーガイド38を備えないのであり、図10(イ)に示す操作アーム49、連係ロッド50、リンク51,52及びピン53は備えない(図10(イ)に示すボス部材48においては、アーム48aを備えないボス部材48に変更することもある)。 【0029】次に変速レバー26により変速ペダル13及び無段変速装置7を前進側Fの所望の変速位置に保持する機構を備えた機種を生産する場合には、図1,6,7に示すように、変速ペダル13の後側にユニットを配置して、ボルト55によって支持部材27を機体に固定し、レバーガイド38を備えて、後進側ペダル部13rのブラケット13bのピン13cをブラケット44の長孔44aに挿入して、連係アーム34と後進側ペダル部13rとを連係する。図10(イ)に示すように、操作アーム49、連係ロッド50、リンク51,52及びピン53を備え、図6及び図7に示すようにボス部材45の第2アーム45bに連係ロッド50を接続する。 【0030】図6,7,9に示す状態は、レバーガイド38の中立位置Nに変速レバー26を操作している状態であり、バネ40の付勢力で第1及び第2摩擦板41,42が押圧されて、変速レバー26が中立位置Nに摩擦力で保持されており、操作アーム33によりリング部材37及びピン37aが図7の紙面右方にスライド操作され、ピン37aが操作アーム35から離間している状態である。 【0031】この状態で前進側ペダル部13fを踏み操作すると、無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの高速側に変速操作されるのであり、後進側ペダル部13rにより連係アーム34が横軸芯P4周りに上方に揺動操作され、連係ロッド36により操作アーム35が、操作軸30周りに図6の紙面時計方向に回転操作される。後進側ペダル部13rを踏み操作すると、無段変速装置7(トラニオン軸12)が後進側Rの高速側に変速操作されるのであり、後進側ペダル部13rにより連係アーム34が横軸芯P4周りに下方に揺動操作され、連係ロッド36により操作アーム35が、操作軸30周りに図6の紙面反時計方向に回転操作される。 【0032】次に、変速レバー26をバネ39の付勢力に抗してレバーガイド38の中立位置Nから前進変速経路38aの高速側に操作すると、操作アーム33によりリング部材37及びピン37aが図7の紙面左方にスライド操作され、ピン37aが操作アーム35に下側から接当する状態となる。この状態でもバネ40の付勢力で第1及び第2摩擦板41,42が押圧されて、変速レバー26に摩擦力が掛かっているので、摩擦力に抗して変速レバー26をレバーガイド38の前進変速経路38aの高速側に操作すると、変速レバー26により操作軸30及びピン37aが一体で図6の紙面時計方向に回転操作される状態となり、ピン37aにより操作アーム35が操作軸30と一体で図6の紙面時計方向に回転操作される。これによって、連係ロッド36により連係アーム34が横軸芯P4周りに上方に揺動操作され、後進側ペダル部13rが上方に揺動操作されて、前進側ペダル部13fが踏み操作された場合と同様に、変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの高速側に変速操作される。 【0033】逆に摩擦力に抗して変速レバー26をレバーガイド38の前進変速経路38aの低速側(中立位置N側)に操作すると、ピン37aが図6の紙面反時計方向に回転操作される状態となり、操作アーム35から離れようとする。この場合、図3に示すアーム21によって無段変速装置7(トラニオン軸12)及び変速ペダル13が中立位置Nに付勢されているので、摩擦力に抗して変速レバー26をレバーガイド38の前進変速経路38aの低速側(中立位置N側)に操作しても、ピン37aに追従するように、変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの低速側に変速操作される。 【0034】変速レバー26により変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)を前進側Fの高速側及び低速側に変速操作した後、所望の変速位置で変速レバー26から手を離しても、バネ40、第1及び第2摩擦板41,42に基づく摩擦力によって、変速レバー26が所望の変速位置に保持される。これにより、図3に示すアーム21によって無段変速装置7(トラニオン軸12)及び変速ペダル13が中立位置Nに付勢される作用及びピン37aによって、変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)も前進側Fの所望の変速位置に保持される。レバーガイド38に後進変速経路は備えられておらず、変速レバー26により変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)を後進側Rに変速操作することはできない。 【0035】この状態で一時的に高速で走行した場合、前進側ペダル部13fを踏み操作することが可能であり、前進側ペダル部13fを踏み操作すると、操作アーム35が図6の紙面時計方向に回転操作されピン37aから離れることになるので、前進側ペダル部13fの踏み操作が支障なく行える。前進側ペダル部13fから足を離すと、図3に示すアーム21によって無段変速装置7(トラニオン軸12)及び変速ペダル13が中立位置Nに付勢される作用により、操作アーム35がピン37aに接当する位置まで戻り、変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの所望の変速位置に保持された状態に戻る。 【0036】図6,7,8に示すように、カム板29aにボス部材45の第1アーム45aが係合し、ボス部材45の第2アーム45bが図10(イ)に示すようにサイドブレーキペダル10に連係ロッド50を介して連係されている点、カム板29aにストッパー46が作用している点により、前述のように摩擦力に抗して変速レバー26を操作しても、カム板29aが連れて回転することはなく、変速レバー26への摩擦力が安定して作用する。 【0037】前述のように変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの所望の変速位置に保持された状態において、右及び左のサイドブレーキペダル10の両方を踏み操作したとする。このように右及び左のサイドブレーキペダル10の両方を踏み操作すると、図10(イ)から図10(ロ)に示すように、一対のリンク52及びピン53が紙面右方に移動する状態となって、リンク51により操作アーム49が揺動操作され、連係ロッド50が操作アーム49側に引き操作されて、ボス部材45及び第1アーム45aが図6の紙面反時計方向に回転操作され、カム板29aが図6の紙面時計方向に所定角度だけ回転操作される。 【0038】図7及び図8に示すように、カムボス部材29に長孔29cが斜めに形成されて、ボス部27bのピン56がカムボス部材29の長孔29cに挿入されているので、前述のようにカム板29aが図6の紙面時計方向に所定角度だけ回転操作されると、ボス部27bのピン56とカムボス部材29の長孔29cとのカム作用により、バネ40に抗してカム板29aが、第1及び第2摩擦板41,42から図7の紙面左方に離間して、変速レバー26を所望の変速位置に保持する摩擦力が消える。これにより、図6に示すバネ43の付勢力によって変速レバー26がレバーガイド38の中立位置Nに戻るのであり、図3に示すアーム21によって無段変速装置7(トラニオン軸12)及び変速ペダル13が中立位置Nに付勢される作用により、変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が中立位置Nに戻る。 【0039】変速ペダル13及び無段変速装置7(トラニオン軸12)が前進側Fの所望の変速位置に保持された状態において、右又は左のサイドブレーキペダル10の一方を踏み操作したとする。この場合、右のサイドブレーキペダル10を踏み操作すると、図10(イ)から図11(イ)に示すように、右のボス部材48及びアーム48aのみが紙面時計方向に回転して、リンク51及び一対のリンク52がピン53周りに上向きに折れ曲がるような状態になるだけで、操作アーム49が揺動操作されることはない。左のサイドブレーキペダル10を踏み操作すると、図10(イ)から図11(ロ)に示すように、左のボス部材48及びアーム48aのみが紙面時計方向に回転して、リンク51及び一対のリンク52がピン53周りに下向きに折れ曲がるような状態になるだけで、操作アーム49が揺動操作されることはない。これにより、右又は左のサイドブレーキペダル10の一方を踏み操作した場合には、変速レバー26を所望の変速位置に保持する摩擦力が消えることはなく、所望の変速位置に変速レバー26は残る。 【0040】[発明の実施の別形態]図2及び図4に示す構成において右側の機体フレーム3の開孔3aを廃止し、連係ロッド16、ダンパー23及び操作アーム14を、右側及び左側の機体フレーム3の間に配置し、右側の機体フレーム3の横外側に配置された変速ペダル13と、右側及び左側の機体フレーム3の間に配置された操作アーム14とを、右側の機体フレーム3を回転自在な状態で貫通した連動軸(図示せず)によって、連結するように構成してもよい。 【0041】図1及び図2に示す構成において縦壁状の右側及び左側の機体フレーム3を廃止し、複数本の角パイプ状のフレームを右側に上下に所定間隔を置いて配置し、複数本の角パイプ状のフレームを左側に上下に所定間隔を置いて配置して、右側及び左側の機体フレーム3を構成してもよい。このように構成すると、右側の機体フレーム3において、上側のフレームと下側のフレームとの間を通して、連係ロッド16等が配置されることになる。静油圧式の無段変速装置7に代えてベルト式の無段変速装置(図示せず)を備えてもよく、静油圧式の無段変速装置7やベルト式の無段変速装置を、機体の前部に配置してもよい。 【0042】 【発明の効果】請求項1の特徴によると、変速ペダル及び無段変速装置を第1連係機構を介して連係し、変速ペダルを踏み操作することにより第1連係機構を介して、無段変速装置を変速操作自在に構成した作業車の走行変速構造において、無段変速装置を所望の変速位置に保持可能な保持機構を備えた機種と、保持機構を備えない機種とを生産する場合、保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して連係することにより、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構等に特に改造を施す必要なしに、保持機構を備えた機種を得ることができるようになって、作業車の生産性を向上させることができた。 【0043】請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項2の特徴によると、保持機構を備えた機種において保持機構により変速ペダル(無段変速装置)を所望の変速位置に保持して走行している状態で、変速ペダルを高速側に踏み操作することにより、所望の変速位置から一時的に高速で走行することができるようになって、保持機構を備えた機種の作業性を良いものにすることができた。 【0044】請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴によると、保持機構を備えた機種の場合、保持機構、変速レバー及び第2連係機構を、支持部材によって一つのユニット状に構成することにより、保持機構、変速レバー及び第2連係機構を機体に容易に取り付けることができるようになり、作業車の生産性を向上させることができた。 【0045】請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜3の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項4の特徴によると、右側及び左側の機体フレームの間に無段変速装置を配置して、右側の機体フレームの横外側に変速ペダルを配置し、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構を、右側の機体フレームを通して配置した作業車において、右側の機体フレームの横外側で保持機構及び変速ペダルを第2連係機構を介して連係することにより、変速ペダル及び無段変速装置を連係する第1連係機構等に特に改造を施す必要なしに、保持機構を備えた機種を得ることができるようになって、作業車の生産性を向上させることができた。 【0046】請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜4の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項5の特徴によると、無段変速装置を前進側及び後進側に無段変速自在に構成して、変速ペダルを前方に延びる前進側ペダル部及び後方に延びる後進側ペダル部を備えて構成し、変速ペダル及び無段変速装置を第1連係機構を介して連係した作業車において、保持機構を変速ペダル(後進側ペダル部)の後側に配置し、保持機構及び後進側ペダル部を第2連係機構を介して連係することにより、保持機構が後進側ペダル部に近い位置に配置されることになるので、第2連係機構による保持機構及び後進側ペダル部の連係が容易に行え、第2連係機構も短いもので良くなって、作業車の生産性を向上させることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月16日(1999.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−82597(P2001−82597A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−262042 |
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