| 【発明の名称】 |
自動変速機の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】甲田 譲二
【氏名】大野 一郎
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| 【要約】 |
【課題】前進時のセレクトショックの軽減効果を損なわずにセレクトラグを減少させて、しかも、中立位置から後進位置にセレクトする際のセレクトショックの悪化を防止することが出来る自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】セレクト位置を検出するマニュアルバルブ8と、マニュアルバルブ8でのセレクト位置が走行位置となった際に、フォワードクラッチ1を締結する発進用摩擦締結要素回路6と、締結の際の油圧の立ち上がりを制御可能なNDアキュームレータ12とを有する自動変速機の制御装置である。アキュームレータコントロールバルブ15は、マニュアルバルブ8で検出されたセレクト位置が、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、アキュームレータ背圧側ポート22をドレインポート24と連通させて、アキュムレータ供給圧の制御を中断状態に切り替える切り替え位置を構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シフトレバーを切り替えることで車両駆動状態を前進走行,停止,後進走行に切り替えるセレクト装置と、少なくとも前進,停止,後進セレクト位置を検出するセレクト位置検出手段と、該セレクト位置検出手段でのセレクト位置が前進走行位置となった際に締結される発進用摩擦締結要素と、該発進用摩擦締結要素が非締結から締結に切り替わる過程で、前記発進用摩擦締結要素への過渡油圧をアキュームレータ供給圧で制御可能な発進用摩擦締結要素アキュームレータと、前記セレクト位置検出手段でのセレクト位置が後進走行位置となった際に締結される後進用摩擦締結要素と、該後進用摩擦締結要素が非締結から締結に切り替わる過程で、前記発進用摩擦締結要素への過渡油圧をアキュームレータ供給圧で制御可能な後進用摩擦締結要素アキュームレータと、前記発進用摩擦締結要素アキュームレータ及び後進用摩擦要素アキュームレータへのアキュームレータ供給圧を共通油圧回路で制御することにより、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置、そして中立位置から前進位置に切り替えられた際に、過渡油圧を制御するアキュームレータ制御手段とを有してなる自動変速機の制御装置であって、前記アキュームレータ制御手段は、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、前記アキュームレータ供給圧の制御を中断状態に切り替えるように構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 【請求項2】前記アキュムレータ制御手段は、アキュムレータコントロールバルブを有すると共に、該アキュムレータコントロールバルブでは、前記アキュームレータ供給圧の制御の中断を、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより行うことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。 【請求項3】前記中断状態を保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動変速機の制御装置。 【請求項4】前記保持手段は、マニュアルバルブから導かれて、前記アキュームレータコントロールバルブ内に摺動可能に設けられたバルブ本体の側端面にRレンジ圧を付与するRレンジ圧付与回路を有することを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置。 【請求項5】前記後進用摩擦締結要素アキュームレータには、摺動可能なアキュームレータピストンを設け、該アキュームレータピストンを前記アキュームレータ供給圧が与えられる方向と対向する方向に付勢する付勢手段を有すると共に、該アキュームレータ供給圧が与えられる方向と同方向に前記後進用摩擦締結要素からの過渡油圧を与え、前記アキュームレータコントロールバルブでは、アキュームレータ供給圧側ポートをドレインポートと連通させることにより、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータへの供給圧を開放して、該アキュームレータピストンの制御を中断し、前記過渡油圧のみを前記付勢手段の付勢力に対向させて、前記後進用摩擦締結要素のセレクトショックを緩和可能とすることを特徴とする請求項2乃至4記載の自動変速機の制御装置。 【請求項6】前記後進用摩擦締結要素アキュームレータには、摺動可能なアキュームレータピストンを設け、前記アキュームレータ制御手段からの供給油圧と対向する方向に、前進段変速用摩擦締結要素の過渡油圧を与えて、該供給油圧をアキュームレータ背圧として使用することを特徴とする請求項1乃至5記載の自動変速機の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変速機の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の車両の自動変速機の制御装置としては、例えば、図8乃至図10に示すようなものが知られている(特開平1−1050510号公報等参照)。 【0003】このようなものでは、N−Dセレクトショック防止の為にフォワードクラッチ1用のNDアキュームレータ2が設けられている。 【0004】このNDアキュームレータ2は、主に、段付のアキュームレータピストン3を対応する段付シリンダ4内に摺動自在に収納すると共に、このアキュームレータピストン3をスプリング5によって大径側に付勢している。 【0005】前記アキュームレータピストン3には、その大径側端面3aに、発進用摩擦要素回路6の締結圧PFを作用させると共に、段付面3bには、前記スプリング5と同方向に作用するように、アキュームレータコントロールバルブ7から導かれるアキュームレータ供給圧PAがかかるように構成されている。 【0006】前記NDアキュームレータ2は、背圧PAが上昇するにつれて、前記締結圧PFが急激に立ち上がるアキュームレータ特性を発揮する。 【0007】このため、マニュアルバルブ8が、Nレンジに存在する状態からDレンジに切り替える際には、デューティソレノイド9の駆動を所定時間行うことにより、前記背圧PAを一時的に昇圧させる。 【0008】そして、この制御装置では、発進用摩擦要素回路6にプリチャージが行われて、前記締結圧PFを早期に上昇させ、セレクトショックの軽減効果を損なわずに図9中(b)に示すように変速機出力トルクTQ及び変速機入力回転数Nの立ち上がり特性(セレクトからトルク立ち上がりまでb=約0.34秒)を良好なものとすることが出来るものである。 【0009】特に、作動油の粘性が低くなる(極)低温時でも、前記発進用摩擦要素回路6への油圧のかかりを遅らせることなく、セレクト遅れを減少させることが出来る。 【0010】なお、図9中(a)には、比較のためプリチャージを行わない場合、アキュームレータピストン3のストローク等によって生じるタイムラグ等に影響された立ち上がり特性(セレクトからトルク立ち上がりまでa=約0.75秒)が、緩慢な様子を示す。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の車両の自動変速機の制御装置では、部品点数削減の為、4速締結用のオーバーランクラッチ10に用いられるアキュームレータを、N−Rセレクトショック防止の為に設けられたリバースクラッチ11用のNRアキュームレータ12と兼用している。 【0012】このNRアキュームレータ12は、主に、段付のアキュームレータピストン13を対応する段付シリンダ14内に摺動自在に収納すると共に、このアキュームレータピストン13がスプリング13fによって小径13c側に付勢されている。 【0013】前記アキュームレータピストン13には、その大径側端面13aに、前記スプリング13fと同方向に作用するように、オーバーランクラッチ10等の締結圧POを作用させると共に、段付面13bには、アキュームレータコントロールバルブ7から導かれるアキュームレータ供給圧PAがかかるように構成されている。また、前記小径13c側端面には、リバースクラッチ11と連通するリバースクラッチ回路13dが接続されている。 【0014】従って、3−4変速時と同様に、NレンジからRレンジに前記マニュアルバルブ8を切り替える際に、前記アキュームレータ供給圧PAが、前記段付面13bに作用して、前記アキュームレータピストン13を図8中右側位置に示すように、スプリング13fの付勢力に抗して押し下げて、段付シリンダ14の底面部に近接して、既に作動している状態(図10(b)中C部分)となる。 【0015】このような状態では、図10中(b)に示すように、図10中(a)に示すプリチャージが行われていない場合の前記変速機出力トルクTQ値(約13kgm)に比して、アキューム棚が無くなる分、大きなTQ値(約14.4kgm)が発生して、N−Rレンジ切り替え時のセレクトショックを悪化させてしまうといった問題があった。 【0016】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、前進時のセレクトショックの軽減効果を損なわずにセレクトラグを減少させて、しかも、中立位置から後進位置にセレクトする際のセレクトショックの悪化を防止することが出来る自動変速機の制御装置を提供することにある。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、シフトレバーを切り替えることで車両駆動状態を前進走行,停止,後進走行に切り替えるセレクト装置と、少なくとも前進,停止,後進セレクト位置を検出するセレクト位置検出手段と、該セレクト位置検出手段でのセレクト位置が前進走行位置となった際に締結される発進用摩擦締結要素と、該発進用摩擦締結要素が非締結から締結に切り替わる過程で、前記発進用摩擦締結要素への過渡油圧をアキュームレータ供給圧で制御可能な発進用摩擦締結要素アキュームレータと、前記セレクト位置検出手段でのセレクト位置が後進走行位置となった際に締結される後進用摩擦締結要素と、該後進用摩擦締結要素が非締結から締結に切り替わる過程で、前記発進用摩擦締結要素への過渡油圧をアキュームレータ供給圧で制御可能な後進用摩擦締結要素アキュームレータと、前記発進用摩擦締結要素アキュームレータ及び後進用摩擦要素アキュームレータへのアキュームレータ供給圧を共通油圧回路で制御することにより、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置、そして中立位置から前進位置に切り替えられた際に、過渡油圧を制御するアキュームレータ制御手段とを有してなる自動変速機の制御装置であって、前記アキュームレータ制御手段は、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、前記アキュームレータ供給圧の制御を中断状態に切り替えるように構成されている自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0018】このように構成された請求項1記載のものでは、前記アキュームレータ制御手段によって、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、前記アキュームレータ供給圧の制御が中断状態に切り替えられる。 【0019】また、請求項2に記載されたものでは、前記アキュムレータ制御手段は、アキュムレータコントロールバルブを有すると共に、該アキュムレータコントロールバルブでは、前記アキュームレータ供給圧の制御の中断を、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより行う請求項1記載の自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0020】このように構成された請求項2記載のものでは、前記セレクト位置検出手段が、前記セレクト装置のシフトレバーが中立位置にある状態を検出すると、前記アキュームレータコントロールバルブでは、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより前記アキュームレータ供給圧の制御の中断が行われ、前記アキュームレータ供給圧が調圧される。 【0021】例えば、プリチャージを行って、中立位置から前進位置にシフトレバーが切り替えられた際のセレクトラグを低減させていても、このように、前記セレクト位置検出手段が、該シフトレバーが中立位置から後進位置に切り替えられたことを検出すると、前記中立位置にあった状態でのアキュームレータ供給圧に関わらず、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより、アキュームレータ供給圧の制御の中断が行なわれる。 【0022】このため、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータにプリチャージが行われていても、シフトレバーの切り替えと共に、該プリチャージが中断され、棚が立っている状態となり、中立位置から後進位置にセレクトする際のセレクトショックの悪化が防止される。 【0023】また、請求項3に記載されたものでは、前記アキュームレータ背圧側ポートをドレインポートと連通させる切り替え位置に保持する保持手段を設けた請求項1記載の自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0024】このように構成された請求項3記載のものでは、前記保持手段が、アキュームレータ背圧側ポートをドレインポートと連通させる切り替え位置を保持するので、例えば、中立位置で、発進用に用いられるNDアキュームレータの背圧を上昇させても、Rレンジ選択状態では、NRアキュームレータの背圧が該ドレインポートへ抜かれて、棚を持たせることが出来る。 【0025】更に、請求項4に記載されたものでは、前記保持手段は、マニュアルバルブから導かれて、前記アキュームレータコントロールバルブ内に摺動可能に設けられたバルブ本体の側端面にRレンジ圧を付与するRレンジ圧付与回路を有する請求項2記載の自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0026】このように構成された請求項4記載のものでは、Rレンジ圧が前記Rレンジ圧付与回路によって、前記アキュームレータコントロールバルブのバルブ本体の側端面に付与されて、該バルブ本体をアキュームレータ背圧側ポートとドレインポートとが連通する切り替え位置に位置させる。 【0027】このため、中立位置から前進状態に切り替える際には、NDアキュームレータの背圧を所望の圧まで上昇させて、プリチャージを行い、セレクトラグを減少させて、しかも、中立位置から後進位置にセレクトする際には、NRアキュームレータの背圧を該ドレインポートへ抜いてセレクトショックの悪化を防止することが出来る。 【0028】また、請求項5に記載されたものでは、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータには、摺動可能なアキュームレータピストンを設け、該アキュームレータピストンを前記アキュームレータ供給圧が与えられる方向と対向する方向に付勢する付勢手段を有すると共に、該アキュームレータ供給圧が与えられる方向と同方向に前記後進用摩擦締結要素からの過渡油圧を与え、前記アキュームレータコントロールバルブでは、アキュームレータ供給圧側ポートをドレインポートと連通させることにより、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータへの供給圧を開放して、該アキュームレータピストンの制御を中断し、前記過渡油圧のみを前記付勢手段の付勢力に対向させて、前記後進用摩擦締結要素のセレクトショックを緩和可能とする請求項2乃至4記載の自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0029】このように構成された請求項5記載のものでは、前記アキュームレータピストンの制御を中断し、前記過渡油圧のみを前記付勢手段の付勢力に対向させるようにしているので、ストロークを充分に確保できて、柵を持たせることが出来る。 【0030】また、請求項6に記載されたものでは、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータには、摺動可能なアキュームレータピストンを設け、前記アキュームレータ制御手段からの供給油圧と対向する方向に、前進段変速用摩擦締結要素の過渡油圧を与えて、該供給油圧をアキュームレータ背圧として使用する請求項1乃至5記載の自動変速機の制御装置を特徴としている。 【0031】このように構成された請求項6記載のものでは、前記アキュームレータ制御手段からの供給油圧と対向する方向に、前進段変速用摩擦締結要素の過渡油圧を与えることにより、前進段変速時のアキューム背圧として、前記供給油圧を使用することが出来、セレクトショックの軽減効果を損なわずセレクトラグを減少させて、前進用摩擦締結要素アキュームレータと、後進用摩擦締結要素アキュームレータとを兼用させて部品点数の増大を抑制することが出来る。 【0032】 【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。 【0033】図1乃至図8は、この発明の実施の形態1を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。 【0034】まず、構成を説明すると、この実施の形態1の自動変速機の制御装置では、N−Dセレクトショック防止の為に、セレクト位置が走行位置になって発進用摩擦締結要素としてフォワードクラッチ1が締結する際、このフォワードクラッチ1への過渡油圧を制御可能な発進用摩擦締結要素アキュムレータとしてのNDアキュームレータ2が設けられている。 【0035】このNDアキュームレータ2では、主に、段付のアキュームレータピストン3が対応する段付シリンダ4内に摺動自在に収納されると共に、このアキュームレータピストン3がスプリング5によって大径側に付勢されている。 【0036】前記アキュームレータピストン3には、その大径側端面3aに、ハイクラッチ6b等と共に発進用摩擦要素を構成する発進用摩擦要素回路6の締結圧PFを作用させると共に、段付面3bには、前記スプリング5と同方向に作用するように、アキュームレータコントロールバルブ7から導かれてアキュームレータ供給圧PAをかける背圧供給回路13eが接続されている。 【0037】前記NDアキュームレータ2は、背圧PAが上昇するにつれて、前記締結圧PFが急激に立ち上がるアキュームレータ特性を得るため、セレクト位置を検出するセレクト位置検出手段としてのマニュアルバルブ8が、Nレンジに存在する状態からDレンジに切り替えられる際には、デューティソレノイド9の駆動を所定時間行うことにより、前記背圧PAを一時的に昇圧させる構成としている。このマニュアルバルブ8は、図示省略のシフトレバーを切り替えることで車両駆動状態を前進走行,停止,後進走行に切り替えるセレクト装置としてのシフトセレクト装置と連結されている。 【0038】また、この実施の形態1では、4速締結用のオーバーランクラッチ10に用いられるアキュームレータを、N−Rセレクトショック防止の為に設けられたリバースクラッチ11用のNRアキュームレータ12と兼用して部品点数の増大を抑制している。 【0039】このNRアキュームレータ12では、主に、段付のアキュームレータピストン13が対応する段付シリンダ14内に摺動自在に収納されると共に、このアキュームレータピストン13を小径13c側に付勢する付勢手段としてのスプリング13fが設けられている。この実施の形態1では、このスプリング13fの弾性力は、前記NDアキュームレータ2のスプリング5の弾性力よりも大きくなるように設定されている。 【0040】前記アキュームレータピストン13には、その大径側端面13aに、前記スプリング13fと同方向に作用するように、オーバーランクラッチ10等の締結圧POを作用させると共に、段付面13bには、アキュームレータコントロールバルブ7から、共通油圧回路としての背圧供給回路13eを介して導かれてアキュームレータ供給圧PAがかかるように構成されている。 【0041】そして、このアキュームレータピストン13の小径13c側端面には、前記リバースクラッチ11と連通するリバースクラッチ回路13dが接続されている。 【0042】また、アキュムレータ制御手段としての前記アキュームレータコントロールバルブ15は、略円筒状のスリーブ16内を摺動可能に設けられてなるバルブ本体17を有している。このバルブ本体17の一側端面17aには、デューティソレノイド18と接続されてスロットル圧Pthを供給するライン圧回路19が臨むように、前記スリーブ16に臨ませたライン圧ポート20及びスロットルポート21が設けられている。 【0043】更に、このスリーブ16には、このスロットルポート21側から並設されて、前記背圧供給回路13eに接続されたアキュームレータ背圧側ポート22及び背圧フィードバックポート23が形成されている。 【0044】これらのアキュームレータ背圧側ポート22及び背圧フィードバックポート23の間には、ドレインポート24が形成されている。また、アキュームレータ背圧側ポート22を挟んでドレインポート23の反対側には、前記NDアキュームレータ2及びNRアキュームレータ12にライン圧を供給するライン回路25が接続されて、ライン圧供給ポート26が形成されている。 【0045】そして、前記バルブ本体17が、スリーブ16内で摺動して位置を変えることにより、図2に示すように、前記アキュームレータ背圧側ポート22を前記ドレインポート24に連通させて、前記アキュームレータ供給圧の制御を中断状態に切り替えたり、図4に示すように、前記アキュームレータ背圧側ポート22を閉じて、前記背圧供給回路13eを閉塞したり、或いは、図5に示すように、前記アキュームレータ背圧側ポート22をライン圧供給ポート26に連通させたり出来るように、構成されている。 【0046】更に、この実施の形態1では、前記バルブ本体17の他側端面17bが、スリーブ16の一側端部に形成された保持手段としてのRレンジ圧作用室27内に臨ませられている。このRレンジ圧作用室27には、前記マニュアルバルブ8からRレンジ圧を供給するRレンジ圧付与回路28が接続されてRレンジ圧ポート29が臨ませられている。 【0047】このRレンジ圧作用室27には、前記Rレンジ圧ポート29のスリーブ反対側側面に、半グルーブ27aが形成されると共に、このRレンジ圧ポート29に近接されてサイドフォース逃げ部27bが形成されている。 【0048】また、このアキュームレータコントロールバルブ15には、バルブ本体17の一側端面17a側から、他側端面17b方向に向けてRレンジの対向圧を付勢力によって付与する対向スプリング17cが、スプリング受け部材17d及びプランジャ17eを介して、前記一側端面17aに当接されて収容されている。 【0049】そして、前記マニュアルバルブ8が、中立位置にある状態で、図3に示すように、前記アキュームレータコントロールバルブ15の前記アキュームレータ背圧側ポート22が、ドレインポート24と連通させられる切り替え位置となるように、このRレンジ圧付与回路28にRレンジ圧が供給され、前記スロットルポート21からバルブ本体17の一側端面17aに作用するスロットル圧Pthとバランスさせるように構成されている。 【0050】次に、この実施の形態1の作用について説明する。 【0051】この実施の形態1の自動変速機の制御装置では、前記マニュアルバルブ8が、中立位置にある状態では、前記ライン圧回路19からライン圧ポート20内へ供給されるスロットル圧Pthは低く、比較的、Rレンジ圧作用室27内の圧力が高い。このため、図3に示すように、前記バルブ本体17が図3中左側に摺動移動された状態となり、前記アキュームレータコントロールバルブ15が、前記アキュームレータ背圧側ポート22と、ドレインポート24とを連通させる切り替え位置を構成する。 【0052】このため、前記NRアキュームレータ12の背圧は、図1中に示す背圧供給回路13eを介してドレインポート24から抜かれて、中立位置から後進位置に前記マニュアルシフト8のセレクト位置が切り替えられても、棚が立っている状態となり、セレクトショックを軽減させることが出来る。 【0053】例えば、図7中に示すように、中立位置から後進位置にセレクト位置を切り替えた際のトルク変動幅TQdは、約13.1kgmであり、図10中(a)に示したプリチャージを行わない従来のトルク変動幅TQd=13.0kgmと殆ど変わらない。この際、この実施の形態1では、NRアキュームレータ12のスプリング13fの弾性力が、前記NDアキュームレータ2のスプリング5の弾性力よりも大きくなるように設定されているので、早い時期に前記リバースクラッチ11を締結させることが出来る。 【0054】また、中立位置から後進位置にセレクト位置が切り替えられても、前記Rレンジ圧付与回路28が、前記マニュアルバルブ8から供給されるRレンジ圧を前記Rレンジ圧作用室27に作用させて、前記スロットル圧Pthに対向させている。 【0055】このため、前記アキュームレータコントロールバルブ15の前記バルブ本体17は、図2に示すように切り替え位置をアキュームレータ背圧側ポート22とドレインポート24と連通させる位置に、強制的に保持されるので、例えば、中立位置で、発進用に用いられるNDアキュームレータ2の背圧が上昇していても、Rレンジ選択状態では、前記NRアキュームレータ12のスプリング13fの付勢力により、段付き面13bによって押圧されて吐き出された段付きシリンダ内の油は、背圧供給回路13e、アキュームレータ背圧側ポート22及びドレインポート24を通って完全に排出されて、図1中左側位置に示すように、このNRアキュームレータ12の小径側13cを上面部に近接或いは当接させ、NRアキュームレータ12の背圧がこのドレインポート24へ確実に抜かれ、アキュムレータ供給圧の制御が、前記NDアキュームレータ2及びNRアキュムレータ12の両方で中断された状態となる。 【0056】従って、前記NRアキュムレータ12では、前記リバースクラッチ11のリバースクラッチ回路13d側から見たストロークを充分に確保できて、棚を持たせることが出来る。 【0057】このため、Rレンジ選択状態への切り替えによって発生するシフトショックへの影響を考慮する必要が無くなり、前進発進時には、NDアキュームレータ2の背圧を、所望の値に保持して、発進用摩擦要素回路6にプリチャージを行わせ、前記締結圧PFを早期に上昇させ、立ち上がり特性を良好なものとすることが出来る。 【0058】例えば、前記デューティソレノイド18を制御して、スロットル圧Pthを一時的に上昇させると、前記ライン圧回路19からライン圧ポート20或いはスロットルポート21内へ供給されるスロットル圧Pthが高く、比較的Rレンジ圧作用室27内にRレンジポート29を介して供給されるRレンジ圧付与回路28内の圧力を低くすることが出来る。このため、図5に示すように、前記バルブ本体17が図中右側に摺動移動された状態となり、前記アキュームレータコントロールバルブ15が、前記アキュームレータ背圧側ポート22と、ライン回路25とを連通させるバルブ位置に前記バルブ本体17を摺動移動させる。 【0059】このため、前記NRアキュームレータ12内のアキュームレータピストン3の段付面3bに、高圧となったライン圧PLを印可して、図1中右側に示すように大径側端面3aを段付シリンダ4の底面部近傍まで移動させることが出来る。 【0060】従って、前記発進用摩擦要素回路6を介して、フォワードクラッチ1等の各発進用摩擦要素に更に容易にプリチャージが行えて、図9中(b)に示すように変速機出力トルクTQ及び変速機入力回転数Nの立ち上がり特性を良好なものとすることが出来る。 【0061】そして、前進発進後、図4に示すように、前記マニュアルバルブ8から供給されるRレンジ圧Prを前記Rレンジ圧作用室27に作用させて、前記スロットル圧Pthに対向させてバランスが保たれることにより、前記アキュームレータコントロールバルブ15では、アキュームレータ背圧側ポート22が、前記バルブ本体17によって閉塞される位置に保持される。このため、フォワードクラッチ1等の前進摩擦要素を有する前進摩擦要素回路6に供給されるクラッチ締結圧PFが欠損する虞が無く、所望のクラッチ締結圧PFが得られる。 【0062】上述してきたように、この実施の形態1の自動変速機の制御装置では、Rレンジ圧が前記Rレンジ圧付与回路28によって、前記アキュームレータコントロールバルブ15のバルブ本体17の他側端面17bに付与されて、このバルブ本体17をアキュームレータ背圧側ポート22とドレインポート24とが連通する切り替え位置に位置させる。 【0063】特に、後進位置では、前記NRアキュームレータ12の背圧が、前記ドレインポート24から抜かれて、前記アキュームレータピストン13を、図1中左側部分に示すように、小径部13cを段付シリンダ14の上面部に当接させた状態として、前記リバースクラッチ11と接続されるリバースクラッチ回路13d内の圧を受け止めるのに十分なストロークを確保出来る。 【0064】従って、この制御装置では、NRアキュームレータ12の背圧側と接続されたNDアキュームレータ2に中立状態で、スロットル圧Pthの上昇に伴う背圧を与え、発進用摩擦要素回路6にプリチャージを行わせて、特に作動油の粘性が低くなる(極)低温時でも、前記発進用摩擦要素回路6への油圧のかかりを遅らせることなく、前記締結圧PFを早期に上昇させ、セレクトショックの軽減効果を損なわずに図9中(b)に示すように変速機出力トルクTQ及び変速機入力回転数Nの立ち上がり特性(セレクトからトルク立ち上がりまでb=約0.34秒)を良好なものとすることが出来る。 【0065】しかも、この実施の形態1の自動変速機の制御装置では、既存のNRアキュームレータ12を用いて、前記オーバーランクラッチ10のセレクトショックを低減させる3−4速アキュームレータを兼用させることが出来る。すなわち、3−4速切り替え時には、スロットル圧Pthが比較的高圧であり、背圧側供給回路13eにライン圧PLが供給されている図5に示す状態或いは図4に示す調圧状態を構成している。 【0066】このため、前記NRアキュームレータ12は、図1中右側位置に示すように前記スプリング13の付勢力に抗して、底面部に前記大径側端面13aを近接或いは当接させた状態となり、前記オーバーランクラッチ10に接続されるオーバーランクラッチ回路10a側の圧油を受け止めるストロークが、充分確保されて棚を形成することが出来る。 【0067】従って、部品点数の増大を抑制して、構成の複雑化を減少させることが出来る。 【0068】以上、この発明の実施の形態1を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態1に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。 【0069】例えば、前記実施の形態1では、保持手段として、前記Rレンジ圧付与回路28を用いることによって、前記アキュームレータコントロールバルブ15のバルブ本体17の一側端面17aにRレンジ圧を付与するように構成しているが、特にこれに限らず、例えば、前記デューティソレノイド18を制御して、中立状態からRレンジ選択状態へ移行する際、このバルブ本体17をアキュームレータ背圧側ポート22とドレインポート24とが連通する切り替え位置に位置させるようにスロットル圧Pthを調圧する等、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、前記アキュームレータコントロールバルブ15が、前記アキュームレータ背圧側ポート22をドレインポート24と連通させる切り替え位置とするものであるならば、どのような構成であってもよい。 【0070】 【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、前記アキュームレータ制御手段によって、前記セレクト位置検出手段で検出されたセレクト位置が、中立位置から後進位置に切り替えられた際に、前記アキュームレータ供給圧の制御が中断状態に切り替えられる。 【0071】また、請求項2に記載されたものでは、前記セレクト位置検出手段が、前記セレクト装置のシフトレバーが中立位置にある状態を検出すると、前記アキュームレータコントロールバルブでは、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより前記アキュームレータ供給圧の制御の中断が行われ、前記アキュームレータ供給圧が調圧される。 【0072】例えば、プリチャージを行って、中立位置から前進位置にシフトレバーが切り替えられた際のセレクトラグを低減させていても、このように、前記セレクト位置検出手段が、該シフトレバーが中立位置から後進位置に切り替えられたことを検出すると、前記中立位置にあった状態でのアキュームレータ供給圧に関わらず、アキュムレータ供給側ポートをドレインポートと連通させることにより、アキュームレータ供給圧の制御の中断が行なわれる。 【0073】このため、前記後進用摩擦締結要素アキュームレータにプリチャージが行われていても、シフトレバーの切り替えと共に、該プリチャージが中断され、棚が立っている状態となり、中立位置から後進位置にセレクトする際のセレクトショックの悪化が防止される。 【0074】また、請求項3に記載されたものでは、前記保持手段が、アキュームレータ背圧側ポートをドレインポートと連通させる切り替え位置を保持するので、例えば、中立位置で、発進用に用いられるNDアキュームレータの背圧を上昇させても、Rレンジ選択状態では、NRアキュームレータの背圧が該ドレインポートへ抜かれて、棚を持たせることが出来る。 【0075】更に、請求項4に記載されたものでは、Rレンジ圧が前記Rレンジ圧付与回路によって、前記アキュームレータコントロールバルブのバルブ本体の側端面に付与されて、該バルブ本体をアキュームレータ背圧側ポートとドレインポートとが連通する切り替え位置に位置させる。 【0076】このため、中立位置から前進状態に切り替える際には、NDアキュームレータの背圧を所望の圧まで上昇させて、プリチャージを行い、セレクトラグを減少させて、しかも、中立位置から後進位置にセレクトする際には、NRアキュームレータの背圧を該ドレインポートへ抜いてセレクトショックの悪化を防止することが出来る。 【0077】また、請求項5に記載されたものでは、前記アキュームレータピストンの制御を中断し、前記過渡油圧のみを前記付勢手段の付勢力に対向させるようにしているので、ストロークを充分に確保できて、棚を持たせることが出来る。 【0078】また、請求項6に記載されたものでは、前記アキュームレータ制御手段からの供給油圧と対向する方向に、前進段変速用摩擦締結要素の過渡油圧を与えることにより、前進段変速時のアキューム背圧として、前記供給油圧を使用することが出来、セレクトショックの軽減効果を損なわずセレクトラグを減少させて、前進用摩擦締結要素アキュームレータと、後進用摩擦締結要素アキュームレータとを兼用させて部品点数の増大を抑制することが出来る、という実用上有益な効果を発揮し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231350 【氏名又は名称】ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月13日(1999.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082670 【弁理士】 【氏名又は名称】西脇 民雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−82596(P2001−82596A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−259391 |
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