| 【発明の名称】 |
トロイダル型無段変速機 |
| 【発明者】 |
【氏名】平野 弘之
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| 【要約】 |
【課題】球面軸受の脱落を確実に防止しながら、トロイダル型無段変速機の小型化を推進する。
【解決手段】トラニオン40の端部に形成された軸部42に配設された球面軸受60と、両端部に形成した貫通孔18aで軸部42と係合することでトラニオン40、40を連結するとともに、ケーシング14に固設されたアッパーリンクポストを介して中央部を揺動自在に支持されたアッパーリンク18と、一対のトラニオン40、40を相反する軸方向へそれぞれ駆動する油圧シリンダ30と、トラニオン軸部42の上端面41には、球面軸受60に当接可能なフランジ部52を一体的に形成したネジ50を締結する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力ディスク及び出力ディスクとの対向面に挟持されて傾転自在な一対のパワーローラと、ピボットシャフトを介して前記パワーローラをそれぞれ軸支するとともに、入出力ディスクの回転接線方向及び該接線回りに変位可能な一対のトラニオンと、トラニオンの端部に形成される軸部の外周位置に配設された球面軸受と、両端部に形成した貫通孔で前記軸部の球面軸受と係合することで対向配置されたトラニオンを連結するとともに、ケーシングに固設された支持部材を介して中央部を揺動自在に支持されたリンクと、前記一対のトラニオンを相反する軸方向へそれぞれ駆動するアクチュエータとを備えたトロイダル型無段変速機において、前記リンクの貫通孔から露出する前記軸部の端面には、球面軸受に当接可能なフランジを一体的に形成したネジを締結したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 【請求項2】 前記ネジは、トラニオンの回転軸に対してオフセットして配設されたことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。 【請求項3】 前記ネジは、トラニオンの回転軸よりも入出力ディスクの回転軸側にオフセットして配設されたことを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。 【請求項4】 前記フランジのうち軸部の端面と当接する面には、凸部を形成する一方、この凸部と対向する軸部の端面には、この凸部と係合可能な溝部を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載のトロイダル型無段変速機。 【請求項5】 前記凸部は、ネジの緩み方向で溝部に係止される楔状に形成される一方、前記溝部には、ネジの締結方向に向けてテーパー面を設けたことを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機。 【請求項6】 前記フランジは、外周から内周へ向けて徐々に肉厚を増大したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載のトロイダル型無段変速機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用されるトロイダル型無段変速機の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から車両の変速機として、トロイダル型の無段変速機が知られており、例えば、特開平10−205601号公報などがある。 【0003】これについて説明すると、図13に示すように、トロイド状の溝を対向面に形成して同軸上に軸支された一対の入出力ディスクに狭持、押圧される一対のパワーローラ20、20は、入出力ディスクの回転軸1Cを挟んで配設された一対のトラニオン90、90に基端を支持されたピボットシャフト24、24によって回転自在かつ揺動自在に支持され、トラニオン90、90はそれぞれ回転軸90c、90cの軸方向及び軸回りで変位可能に支持される。 【0004】そして、トラニオン90の下端に連結した油圧シリンダ30、30が、トラニオン90、90を軸方向へ駆動することで、パワーローラ20、20は回転軸90c回りに回動(傾転という)し、入力ディスクと出力ディスクの接触半径が変化して変速比が連続的に変更される。 【0005】対向配置されたトラニオン90、90は、その上部をアッパーリンク18によって、下部をロアリンク19によって相互に連結され、パワーローラ20、20に加わるスラスト力に抗して、アッパーリンク18、ロアリンク19はトラニオン90、90の回転軸90c、90c間の軸間距離を一定に保持し、また、トラニオン90、90の上部が入出力ディスクの回転軸1C方向へ撓むのを規制している。 【0006】このアッパーリンク18は、その中央部をアッパーリンクポスト17によって揺動自在に支持されるとともに、ケーシング114の内周上部側に固設されたポストベース116に連結され、揺動可能に支持される。 【0007】一方、アッパーリンク18の両端部に設けた貫通孔18a、18bには、トラニオン90、90の上部から突設した軸部92、92が挿通され、これら軸部92の外周に設けた球面軸受60を介してトラニオン90とアッパーリンク18が連結される。 【0008】そして、トラニオン90、90はアッパーリンクポスト17を中心に揺動するアッパーリンク18によって相反する軸方向に変位するとともに、球面軸受60によって回転軸90c回りの回動が許容される。 【0009】このため、トラニオン90、90に形成した軸部92の上端側には、球面軸受60の脱落を防止すべく、スペーサ93とスナップリング94が設けられる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ところで、トラニオン90は、油圧シリンダ30によって軸方向へ駆動されるため、軸部92の上端面と対向するケーシング114内周またはポストベース116下面との間に、油圧シリンダ30のストローク以上の間隙L1’を確保する必要がある。 【0011】しかしながら、上記従来のトロイダル型無段変速機では、トラニオン90の上部に突設した軸部92には、球面軸受60が脱落するのを防止するスペーサ93と、このスペーサ93を保持するスナップリング94を軸部92外周に装着するため、アッパーリンク18の上面よりもケーシング114の上方(図13の上方)へ向けて突出する必要があり。 【0012】このため、入出力ディスクの回転軸1Cからケーシング114内周までの高さH’は、上記ストロークよりもやや大きい間隙L1’に加えて、軸部92がアッパーリンク18から突出した分だけ増大することになって、変速機が大型化して車両への搭載性が低下するという問題があった。 【0013】また、上記従来例に示したトロイダル型無段変速機を、特開昭63−219956号公報などに開示される変速比無限大無段変速機に適用した場合では、図14に示すように、第1軸となるトロイダル型無段変速機の入出力ディスクの回転軸1Cと、動力循環モードクラッチ9や直結モードクラッチを備えた第2軸の軸線6Cの距離Lcが、トラニオン90の上端面と動力循環モードクラッチ9などの第2軸側の部材との間隙L1’の大きさに応じて設定される。 【0014】このため、アッパーリンク18の上面から軸部92が突出する高さが大きいほど軸間距離Lc’が増大し、変速機の大型化を招いて車両への搭載性を低下させるという問題があった。 【0015】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、球面軸受の脱落を確実に防止しながら、トロイダル型無段変速機の小型化を推進することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、入力ディスク及び出力ディスクとの対向面に挟持されて傾転自在な一対のパワーローラと、ピボットシャフトを介して前記パワーローラをそれぞれ軸支するとともに、入出力ディスクの回転接線方向及び該接線回りに変位可能な一対のトラニオンと、トラニオンの端部に形成される軸部の外周位置に配設された球面軸受と、両端部に形成した貫通孔で前記軸部の球面軸受と係合することで対向配置されたトラニオンを連結するとともに、ケーシングに固設された支持部材を介して中央部を揺動自在に支持されたリンクと、前記一対のトラニオンを相反する軸方向へそれぞれ駆動するアクチュエータとを備えたトロイダル型無段変速機において、前記リンクの貫通孔から露出する前記軸部の端面には、球面軸受に当接可能なフランジを一体的に形成したネジを締結する。 【0017】また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記ネジは、トラニオンの回転軸に対してオフセットして配設される。 【0018】また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記ネジは、トラニオンの回転軸よりも入出力ディスクの回転軸側にオフセットして配設される。 【0019】また、第4の発明は、前記第1ないし第3の発明のいずれかひとつにおいて、前記フランジのうち軸部の端面と当接する面には、凸部を形成する一方、この凸部と対向する軸部の端面には、この凸部と係合可能な溝部を形成する。 【0020】また、第5の発明は、前記第4の発明において、前記凸部は、ネジの緩み方向で溝部に係止される楔状に形成される一方、前記溝部には、ネジの締結方向に向けてテーパー面を設ける。 【0021】また、第6の発明は、前記第1ないし第5の発明のいずれかひとつにおいて、前記フランジは、外周から内周へ向けて徐々に肉厚を増大する。 【0022】 【発明の効果】第1の発明は、変速の際には、対向するトラニオンがそれぞれ逆向きの軸方向(入出力ディスクの回転接線方向)へ変位するとともにパワーローラが傾転し、軸部の球面軸受を介してリンクと連結されたトラニオンは、一体的に形成されたフランジで球面軸受の軸方向変位を規制するネジによって、トラニオンの軸部から球面軸受が脱落するのを防止できる。 【0023】フランジと一体的に形成されたネジを、リンクの貫通孔から露出した軸部の端面に締結するようにしたため、前記従来例のように、スペーサやスナップリングを組み付けるため、軸部をリンク上面から突出させる必要がなくなり、ケーシングの高さを低減して車両への搭載性を向上できるとともに、上記トロイダル型無段変速機により変速比無限大無段変速機を構成すれば、トラニオンの軸部の突出量が低減されるため、隣り合う軸との軸間距離を縮小することができ、変速機の小型軽量化を推進することができる。 【0024】また、第2の発明は、トラニオンは、パワーローラの傾転によって軸周りに回動し、リンクとともに回転する球面軸受と、ネジのフランジとの間には滑りが生じて、トラニオンの回転方向によっては、ネジを緩める方向にトルクが加わる場合があるが、ネジの締結位置を、トラニオンの回転軸に対してオフセットすることで、ネジに加わる緩み方向のトルクを低減でき、トラニオンがリンクと相対回転することによってネジ及び球面軸受が脱落するのを防止することができる。 【0025】また、第3の発明は、ネジの締結位置を、トラニオンの回転軸よりも入出力ディスクの回転軸側にオフセットすることで、ネジに加わる緩み方向のトルクを低減するとともに、ネジを螺合するネジ穴を変速機の内側に設定し、トラニオンは、ピボットシャフト側から軸部に繋がる途中の肉厚を十分確保することが可能となって、軸部の端面にネジを締結しながらも剛性を低下させることなく、大きなスラスト力に対抗する強度を容易に確保することができる。 【0026】また、第4の発明は、ネジのフランジのうち、軸部の端面と当接する面には、凸部を形成し、軸部の端面には凸部と係合可能な溝部を形成することで、ネジの締結後には、フランジの凸部が溝部に係止されてネジの緩みを防止することができる。 【0027】また、第5の発明は、フランジに設けた凸部は、ネジの緩み方向で溝部に係止される楔状に形成される一方、軸部端面に形成した溝部には、ネジの締結方向に向けたテーパー面を設けることで、締結時には楔状の凸部がテーパー面に沿って摺動しながら円滑な締結作業を行うことができ、ネジに緩み方向の外力が加わると、凸部が溝部に係止されて緩みを防止することができる。 【0028】また、第6の発明は、ネジのフランジは、外周から内周へ向けて徐々に肉厚を増大するように形成され、ネジ中心部の強度を確保しながら、フランジ周縁の肉厚の増大を防いで、フランジとケーシング内周の間隙が増大するのを防ぐことが期できる。 【0029】 【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。 【0030】図1〜図3は、ダブルキャビティのトロイダル型無段変速機を用いてトロイダル型無段変速機を構成した一例を示す。 【0031】図1に示すように、エンジンのクランクシャフト13に連結されるトロイダル型無段変速機のユニット入力軸1aには、ギア3a及びギア3bから構成された一定変速機3(減速機)が配設されるとともに、このユニット入力軸1aには、トロイダル型無段変速機2の入力軸となるCVTシャフト1bが同軸的に連結されて、トロイダル型無段変速機2と一定変速機3は、並列的に連結される。 【0032】そして、トロイダル型無段変速機2の出力軸4と、一定変速機3の出力軸3cをユニット出力軸6側に配設するとともに、これら出力軸4、3cは遊星歯車機構5で連結される。 【0033】トロイダル型無段変速機2の出力軸4に設けたスプロケット4aは、CVTシャフト1bと同軸的に配設された出力スプロケット2a及びチェーン11を介して連結されており、無段変速機構出力軸4の一端を遊星歯車機構5のサンギア5aに結合し、他端を直結モードクラッチ10に結合する。 【0034】ギア3bと結合した一定変速機構3の出力軸3cも、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結されており、遊星歯車機構5のリングギア5cは、トロイダル型無段変速機の出力軸であるユニット出力軸6に結合される。 【0035】ユニット出力軸6の図中右側には、変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7がディファレンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシャルギア8に連結した駆動軸は、無段変速機構2の変速比RATIOと運転モードに応じたユニット変速比(ユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数=総変速比)で駆動力が伝達される。 【0036】トロイダル型無段変速機2は、図1、図2に示すように、2組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーローラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビティのハーフトロイダル型で構成される。 【0037】出力ディスク22、22の間には出力歯車2aが介装され、この出力歯車2aがチェーン11を介して、ユニット入力軸1a、CVTシャフト1bと平行して配置されたユニット出力軸6の無段変速機出力軸4に形成したギア4aと連結する。 【0038】また、図1に示すように、ユニット入力軸1aとCVTシャフト1bは、同軸的に配設されるとともに、トロイダル型無段変速機2のローディングカム装置23を介して、回転方向で結合しており、一定変速機3のギア3aを形成したユニット入力軸1aは、エンジンのクランクシャフト13に結合され、また、CVTシャフト1bは2組の入力ディスク21、21に連結されて、ユニット入力軸1aからの入力トルクに応じてローディングカム装置23が発生した軸方向の押圧力によって、パワーローラ20、20が入出力ディスクに挟持、押圧されてトルクの伝達を行う。 【0039】このトロイダル型無段変速機では、動力循環モードクラッチ9を解放する一方、直結モードクラッチ10を締結してトロイダル型無段変速機2の変速比に応じて駆動力を伝達する直結モードと、動力循環モードクラッチ9を締結する一方、直結モードクラッチ10を解放することにより、トロイダル型無段変速機2と一定変速機3の変速比の差に応じて、トロイダル型無段変速機全体のユニット変速比(ユニット入力軸1aとユニット出力軸6の変速比)を負の値から正の値まで無限大を含んでほぼ連続的に制御を行う動力循環モードとを選択的に使用することができる。 【0040】ここで、図2、図3において、パワーローラ20、20は、入出力ディスクの回転軸1Cを挟んで配設された一対のトラニオン40、40によって、回転自在かつ揺動自在に支持され、トラニオン40、40は、それぞれ回転軸40C、40Cの軸方向(=入出力ディスクの回転接線方向)及び軸回り(=入出力ディスクの回転接線回り)で変位可能に支持される。 【0041】そして、トラニオン40、40の下端にそれぞれ連結した油圧シリンダ30、30(アクチュエータ)が、トラニオン40、40を軸方向へ駆動することで、パワーローラ20、20は回転軸40C回りに回動し、入力ディスク21と出力ディスク22の接触半径が変化して変速比が連続的に変更される。 【0042】対向配置されたトラニオン40、40は、その上部をアッパーリンク18によって、同じく下部をロアリンク19によって相互に連結され、パワーローラ20、20に加わるスラスト力に抗して、アッパーリンク18とロアリンク19はトラニオン40、40の回転軸40C、40C間の軸間距離を一定に保持し、また、トラニオン40、40の上部が入出力ディスクの回転軸1C方向へ撓むのを規制する。 【0043】このアッパーリンク18は、中央部に貫通孔18bを形成し、この貫通孔18b内へ挿通したアッパーリンクポスト17(支持部材)によって揺動自在に支持されるとともに、ケーシング14の内周上部側に固設されたポストベース16に連結されて、揺動可能に支持される。なお、アッパーリンクポスト17には、図2、図3の紙面の貫通方向にピン(図示せず)が突設され、このピンがアッパーリンク18の貫通孔18bを挿通することで、アッパーリンク18はアッパーリンクポスト17で揺動可能に支持される。 【0044】一方、アッパーリンク18の両端部に形成した貫通孔18a、18bには、トラニオン40、40の上部から図中上方へ突設した軸部42、42が挿通され、さらに、これら軸部42の外周に設けた球面軸受60を介してトラニオン40、40とアッパーリンク18が連結される。 【0045】そして、トラニオン40、40は、アッパーリンクポスト17を中心に揺動可能なアッパーリンク18によって相反する軸方向へ変位するとともに、球面軸受60によって回転軸40C回りの回動が許容される。 【0046】トラニオン40に形成した軸部42の上端面41には、球面軸受60の脱落を防止するため、肉厚の薄いフランジ部52を一体的に形成したネジ50が締結される。 【0047】図3に示すように、軸部42の上端面41には、トラニオン40の回転軸40Cよりも入出力ディスクの回転軸1C側へ、所定量だけオフセットした位置50Cにネジ穴43が形成され、このネジ穴43にはネジ50に突設されたネジ部51が締結される。 【0048】このネジ50は、円板状のフランジ部52の中心部からネジ部51を突設したもので、フランジ部52が上端面41と当接するとともに、球面軸受60の端面と当接可能に形成され、球面軸受60が軸方向へ変位するのを防いで軸部42からの脱落を防止する。 【0049】フランジ部52の外径は、図3において、ネジ穴43の軸線50Cから球面軸受60の内周以上、球面軸受60の外周未満に設定されて、軸部42と同軸的に配置された球面軸受60の端面の一部と当接して脱落を防止しながら、揺動するアッパーリンク18の貫通孔18aと干渉するのを防止する。 【0050】そして、ネジ50のネジ部51には、組み付け時に使用する孔部53が形成され、例えば、孔部53にネジを形成した場合には、孔部53に組み付け用のネジを螺合して、ネジ部51をネジ穴43に締結する。あるいは、孔部53を6角穴などで構成した場合には、レンチを孔部53に差し込んで、ネジ部51をネジ穴43に締結する。 【0051】以上のように構成されて、次に作用について説明する。 【0052】トラニオン40の軸部42の外周に配設された球面軸受60は、上端面41に締結されたネジ50のフランジ部52のうち、一部が球面軸受60の端面と当接することで、軸部42から球面軸受60が脱落するのを防止できる。 【0053】そして、フランジ部52の外径は、球面軸受60の外周未満に設定されるため、ネジ50とアッパーリンク18は干渉することがなく、アッパーリンク18とトラニオン40の円滑な運動を確保できる。 【0054】トラニオン40の軸部42は、図2、図3において、その上端面41をアッパーリンク18の上面より突出する必要がなくなって、図2に示すように、トロイダル型無段変速機2と隣り合うユニット出力軸6の部材(例えば、動力循環モードクラッチ9)の最大外径を9’で示すと、この最大外径9’とネジ50のフランジ部52の間隙L1は、前記従来例の図14に示した間隙L1’と同様に油圧シリンダ30のストロークよりもやや大きい値に設定されるが、トロイダル型無段変速機2の回転軸1Cとユニット出力軸6の回転軸6Cの軸間距離Lcは、前記従来例の図14に示した軸間距離Lc’よりも、軸部42の上端面41がアッパーリンク18上面から突出しない分だけ縮小することができる。 【0055】ここで、図1において、ユニット入力軸1a及びCVTシャフト1bの回転軸1Cと、ユニット出力軸6の回転軸6Cの軸間距離Lcを短縮すると、この軸間距離Lcを短縮すれば一定変速機3のギア3a、3bの外径を縮小することができる。 【0056】さらに、ギア3bの外周はディファレンシャルギア8に近接しているため、ギア3bの外径を縮小できれば、変速機出力ギア7とファイナルギア12の外径も縮小でき、ユニット出力軸6の回転軸6Cと、ディファレンシャルギア8に結合される駆動軸の回転軸8Cの軸間距離Ldも短縮できる。 【0057】こうして、本発明を適用したトロイダル型無段変速機2で、変速比無限大無段変速機を構成した場合には、ユニット入力軸1aから駆動軸までの2つの軸間距離を縮小して、変速機の小型軽量化を図ることができる。 【0058】さらに、トラニオン40は、パワーローラ20の傾転によって回転軸40c周りに回動し、アッパーリンク18とともに回転する球面軸受60と、ネジ50のフランジ部52との間には滑りが生じて、ネジ50には回転方向のトルクが加わる場合がある。 【0059】そして、トラニオン40とアッパーリンク18の相対回転の方向によっては、軸部42に締結されたネジ50を緩める方向にトルクが加わる。 【0060】そこで、ネジ50を設ける位置(ネジ穴43の軸線50C)を、トラニオン40の軸部42の回転軸40cに対してオフセットすることで、ネジ50に加わる緩み方向のトルクを低減でき、トラニオン40がアッパーリンク18と相対回転することによってネジ50及び球面軸受60が脱落するのを抑制することができる。 【0061】加えて、トラニオン40は、入出力ディスク21、22で挟持、押圧されたパワーローラ20から大きなスラスト力が加わるため、強度を確保する必要があるが、ネジ50を締結するネジ穴43の軸線50Cをトラニオン40の回転軸40cより内側、換言すればトラニオン40の回転軸40cよりも、入出力ディスクの回転軸1C側にオフセットしたため、図3において、トラニオン40は、ピボットシャフト24側から軸部42に繋がる途中の肉厚Tを十分確保することが可能となって、軸部42の上端面41にネジ穴43を形成しながらも剛性を低下させることなく、大きなスラスト力に対抗する強度を容易に確保することができるのである。 【0062】また、前記従来例では、スペーサとスナップリングによって球面軸受60を保持した一例を示したが、図示はしないが、6角ボルトなどによってスペーサを締結した場合に比して、本発明による円板状のフランジ部52を備えたネジ50の方が、軸部42の上端面から突出する量を低減して、軸間距離Lcを縮小することができるのである。 【0063】図4〜図9は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態のネジ50に緩み止め機構を付加したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。 【0064】まず、図4〜図6において、ネジ50のフランジ部52には、ネジ部51を突設した側の面、すなわち、軸部42の上端面41と当接する面に、円周方向に所定の間隔で多数の凸部54が突設される。 【0065】そして、この凸部54には、図6に示すように、ネジ50の締結方向に向けて傾斜したテーパー面54aが形成されて、楔状の断面となる。 【0066】一方、図7〜図9に示すように、ネジ50が締結される軸部42の上端面41には、フランジ部52に設けた凸部54とそれぞれ対向する位置に、溝部44が円周方向に所定の間隔で形成される。 【0067】そして、図9に示すように、溝部44には、ネジ50の締結方向にテーパー部44aを備える一方、ネジ50の緩み方向に切り立った壁面44bが形成される。 【0068】軸部42に球面軸受60を挿通した後、ネジ50を軸部42に開口したネジ穴43に螺合させていくと、フランジ部52の凸部54が上端面41に摺接する。 【0069】さらに、ねじ込むと凸部54が溝部44に出入りしながら上端面41上を摺動し、このとき、凸部54のテーパー面54aが溝部44のテーパー部44aを乗り越えながら、順次溝部44を通過して円滑に締結作業を行うことができる。 【0070】ネジ50が締結されて、フランジ部52が上端面41に当接すると、各凸部54は溝部44に入った状態で、球面軸受60を保持する。 【0071】この締結状態では、ネジ50の緩み方向に外力が加わると、楔状断面の凸部54が溝部44の壁面44bに引っかかってネジ50の緩みを阻止する。 【0072】変速が行われると、トラニオン40が傾転するとともに、アッパーリンク18が揺動して、球面軸受60の端面がネジ50のフランジ部52に摺接し、ネジ50の緩み方向にトルクが加わっても、フランジ部52に設けた楔状断面の凸部54が、軸部42の上端面41に形成した溝部44の壁面44bに係止されて、ネジ50の緩みを阻止し、球面軸受60が軸部42脱落するのを確実に防止することができる。 【0073】図10、図11は、第3の実施形態を示し、前記第1実施形態のネジ50のフランジ部52上面にテーパーを設けたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。 【0074】フランジ部52には、外周から内周へ向けて肉厚が増大するテーパー部52aが形成されて、周縁からネジ部51へ向かうほどフランジ部52の強度は増大し、軸力の加わる中心部の強度を確保しながら、図10に示すように、フランジ部52周縁の肉厚の増大を防いで、フランジ部52とユニット出力軸6側の部材9’との間隙L1を維持することができる。 【0075】図12は、第4の実施形態を示し、前記第1実施形態のトロイダル型無段変速機を、前記従来例の図13に示した通常の自動変速機に採用した場合の一例である。 【0076】対向するトラニオン40、40を連結するアッパーリンク18は、軸部42の外周に挿通した球面軸受60を介して連結され、軸部42の上端面41に締結したネジ50のフランジ部52が、球面軸受60の脱落を防止する。 【0077】このトロイダル型無段変速機は、FR方式等で採用されるケーシング214に収装され、アッパーリンク18を揺動自在に支持するアッパーリンクポスト17は、ケーシング214の内周上面に固設したポストベース116で支持される。 【0078】そして、トラニオン40の上部に形成された軸部42の上端面41と、最も近接した位置で対向するケーシング214の内周側は、ポストベース116の下面となり、油圧シリンダ30の駆動により軸方向に変位するトラニオン40は、上端面41とポストベース116下面との間隙L1を、油圧シリンダ30のストロークよりもやや大きい値に設定する。 【0079】アッパーリンク18の上面から突出する部材は、ネジ50がフランジ部52の肉厚に応じて突出するだけであるため、前記従来例の図13に示したトロイダル型無段変速機に比して、入出力ディスクの回転軸1Cからケーシング214の内周面までの高さHを縮小でき、変速機の全高を低減することで車両への搭載性を向上するとともに、車両の最低地上高を容易に確保することが可能となるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月8日(1999.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−82565(P2001−82565A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−254045 |
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