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【発明の名称】 無段調速可能な変速機
【発明者】 【氏名】エルマール ローレンツ

【要約】 【課題】所要部品の個数を減少させ、ひいては製造を一層簡便にしかつより短時間で製造・組立を可能にする。

【解決手段】軸14に対して軸方向で定置に固着された円錐円盤11と軸方向に変位可能な円錐円盤12とから夫々成る第1円錐円盤対と第2円錐円盤対を装備し、しかも両円錐円盤対間のトルク伝達が巻掛け伝動節13によって行われ、かつ少なくとも一方の円錐円盤対10には調整ユニットの複数の環状室A,B,Cが設けられており、該環状室が、場合によっては圧力媒体の負荷によって、前記巻掛け伝動節13を圧着するため及び/又は変速機の変速比を調整するために使用される形式の、無段調速可能な変速機において、複数の環状室A,B,Cが、軸14と、軸方向に変位可能な円錐円盤12と、第1、第2並びに第3のリング状円板エレメント20,21,22とによって形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸に対して軸方向で固着された円錐円盤と軸方向に変位可能な円錐円盤とから夫々成る第1円錐円盤対と第2円錐円盤対を装備し、しかも両円錐円盤対間のトルク伝達が巻掛け伝動節によって行われ、かつ少なくとも一方の円錐円盤対には調整ユニットの複数の環状室が設けられており、該環状室が、場合によっては圧力媒体の負荷によって、前記巻掛け伝動節を圧着するため及び/又は変速機の変速比を調整するために使用される形式の、無段調速可能な変速機において、複数の環状室が、軸と、軸方向に変位可能な円錐円盤と、第1、第2並びに第3のリング状円板エレメントとによって形成されていることを特徴とする、無段調速可能な変速機。
【請求項2】 3つの環状室が形成される、請求項1記載の変速機。
【請求項3】 第1のリング状円板エレメントが、軸方向に変位可能な円錐円盤と捩れ不能に固着結合されており、第2のリング状円板エレメント及び第3のリング状円板エレメントが軸と捩れ不能に固着結合されており、しかも前記第2のリング状円板エレメントと前記第3のリング状円板エレメントとの間には1つの空間域が介在し、該空間域が、該空間域内へ侵入する第1のリング状円板エレメントによって2つの環状室に分割されることによって、前記3つの環状室が形成されている、請求項1又は2記載の変速機。
【請求項4】 第1の環状室が実質的に、軸と、軸方向に変位可能な円錐円盤と、第1のリング状円板エレメントと第2のリング状円板エレメントとによって画成される、請求項1から3までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項5】 第2の環状室が実質的に、第1のリング状円板エレメント及び第2のリング状円板エレメントによって画成される、請求項1から4までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項6】 第3の環状室が実質的に、第2のリング状円板エレメントと第1のリング状円板エレメントと第3のリング状円板エレメントとによって画成される、請求項1から5までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項7】 第1のリング状円板エレメントが、実質的に軸方向に延びる第1部分域と、実質的に半径方向に延びる第2部分域とを有し、しかも前記第1のリング状円板エレメントが、前記の軸方向に延びる第1部分域で、軸方向に変位可能な円錐円盤と結合されている、請求項3から6までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項8】 第2のリング状円板エレメントが、実質的に半径方向に延びる第1部分域と、実質的に軸方向に延びる第2部分域と、実質的に半径方向に延びる第3部分域とを有し、しかも前記第2のリング状円板エレメントが、前記の半径方向に延びる第3部分域で軸と結合されている、請求項3から6までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項9】 第3のリング状円板エレメントが、実質的に軸方向に延びる第1部分域と、実質的に半径方向に延びる第2部分域とを有し、しかも前記第3のリング状円板エレメントが、前記の半径方向に延びる第2部分域で軸と結合されている、請求項3から6までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項10】 第1のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域と、第2のリング状円板エレメントの半径方向に延びる第1部分域との間に、1つのパッキンが配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項11】 パッキンが、第2のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第1のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能である、請求項10記載の変速機。
【請求項12】 第1のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域と、第3のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域との間に、1つのパッキンが配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項13】 パッキンが、第1のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第3のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能である、請求項12記載の変速機。
【請求項14】 パッキンが、第3のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第1のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能である、請求項12記載の変速機。
【請求項15】 第2のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第2部分域と、第1のリング状円板エレメントの半径方向に延びる第2部分域との間に、1つのパッキンが配置されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項16】 パッキンが、第1のリング状円板エレメントの第2部分域の受容部内に収容されており、かつ第2のリング状円板エレメントの第2部分域の円筒面に対して変位可能である、請求項15記載の変速機。
【請求項17】 2つの環状室が流体連通路によって互いに連通されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の変速機。
【請求項18】 流体連通路が、1つのリング状円板エレメント内に形成された孔状の開口である、請求項17記載の変速機。
【請求項19】 第2の環状室が、1つのリング状円板エレメント内に形成されたポートを介して通気可能である、請求項1記載の変速機。
【請求項20】 少なくとも1つの環状室が、流体連通路を介して流体によって受圧可能である、請求項1から19までのいずれか1項記載の変速機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車用の例えば円錐円盤巻掛け式変速機のような無段調速可能な変速機に関する。特に本発明は、軸に対して軸方向で固着された円錐円盤と軸方向に変位可能な円錐円盤とから夫々成る第1円錐円盤対と第2円錐円盤対を装備し、しかも両円錐円盤対間のトルク伝達が巻掛け伝動節によって行われ、かつ少なくとも一方の円錐円盤対には調整ユニットの複数の環状室が設けられており、該環状室が、場合によっては圧力媒体の負荷によって、前記巻掛け伝動節を圧着するため及び/又は変速機の変速比を調整するために使用される形式の、無段調速可能な変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】前記形式の変速機は例えばドイツ連邦共和国特許第4133724号明細書に基づいて公知になっている。またこのような変速機は、同一出願人の出願によるドイツ連邦共和国特許出願公開第19544644号明細書に基づいて公知になっている。従って当該ドイツ連邦共和国特許出願公開第19544644号の内容は完全に、本発明の出願明細書及び図面に属している。
【0003】前掲ドイツ連邦共和国特許第4133724号明細書に記載の変速機では前記環状室は多数の構成部分によって形成される。両外位の環状室は油圧作動のために1つの孔によって連通されており、中位の環状室は通気されている。当該ドイツ連邦共和国特許第4133724号明細書に記載の構成は、部品経費を高めることを意味し、従って例えば組立時の製作費も高めることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、明細書冒頭に述べた形式の変速機を改良して、所要部品の個数を減少させ、ひいては製造を一層簡便にしかつより短時間で製造・組立を可能にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の構成手段は、複数の環状室が、軸と、軸方向に変位可能な円錐円盤と、第1、第2並びに第3のリング状円板エレメントとによって形成されている点にある。
【0006】変速機には3つの環状室が形成されているのが有利である。また第1のリング状円板エレメントが、軸方向に変位可能な円錐円盤と捩れ不能に固着結合、例えば溶接又はかしめ締結されており、第2のリング状円板エレメント及び第3のリング状円板エレメントが軸と捩れ不能に固着結合、例えばプレス嵌め又は溶接されており、しかも前記第2のリング状円板エレメントと前記第3のリング状円板エレメントとの間には1つの空間域が介在し、該空間域が、該空間域内へ侵入する第1のリング状円板エレメントによって2つの環状室に分割されることによって、変速機の前記3つの環状室が形成されているのが有利である。
【0007】変速機は、第1の環状室が実質的に、軸と、軸方向に変位可能な円錐円盤と、第1のリング状円板エレメントと第2のリング状円板エレメントとによって画成されるように構成されているのが特に有利である。
【0008】また第2の環状室は実質的に、第1のリング状円板エレメント及び第2のリング状円板エレメントによって画成されるのが有利である。
【0009】更にまた第3の環状室は実質的に、第2のリング状円板エレメントと第1のリング状円板エレメントと第3のリング状円板エレメントとによって画成されるのが有利である。
【0010】前記の構成と相俟って、第1のリング状円板エレメントは、少なくとも2つの部分域に分けられ、つまり実質的に軸方向に延びる円筒形の第1部分域と、実質的に半径方向に延びる第2部分域とを有し、しかも前記第1のリング状円板エレメントは、前記の軸方向に延びる円筒形の第1部分域で、軸方向に変位可能な円錐円盤と結合されているのが有利である。この結合部は有利には、溶接継手又は形状嵌合式継手である。実質的に半径方向に延びる第2部分域は、半径方向成分を有しかつ場合によっては軸方向成分を有するように形成することもできる。このことは、該第2部分域が断面図で見れば回転軸線に対して実質的に直立しているか、又は該回転軸線に対して角度を形成することを意味している。
【0011】前記形式の変速機では更に、第2のリング状円板エレメントは複数の部分域に分けられ、つまり実質的に半径方向に延びる第1部分域と、実質的に軸方向に延びる第2部分域と、実質的に半径方向に延びる第3部分域とを有し、しかも前記第2のリング状円板エレメントは、前記の半径方向に延びる第3部分域で軸と結合されているのが有利である。この結合部は、溶接継手又はプレス嵌め継手又は形状嵌合式継手であることができる。
【0012】更にまた第3のリング状円板エレメントは、複数の部分域に分けられ、つまり実質的に軸方向に延びる第1部分域と、実質的に半径方向に延びる第2部分域とを有し、しかも前記第3のリング状円板エレメントは、前記の半径方向に延びる第2部分域で軸と結合されているのが有利である。この結合部は溶接継手又はプレス嵌め継手又は形状嵌合式継手であることができる。
【0013】前記複数の環状室を封隙するために、リング状円板エレメントの部分に形成された受容部内に収容されて円筒面に接触するパッキンが必要になる。この場合、第1のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域と、第2のリング状円板エレメントの半径方向に延びる第1部分域との間に、1つのパッキンが配置されているのが有利である。その場合該パッキンは、第2のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第1のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能であるのが有利である。
【0014】また第1のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域と、第3のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第1部分域との間に、1つのパッキンが配置されているのが有利である。その場合該パッキンは、第1のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第3のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能であるのが特に有利である。また該パッキンが、第3のリング状円板エレメントの受容部内に収容されており、かつ第1のリング状円板エレメントの第1部分域の円筒面に対して変位可能であるのが同じく有利である。
【0015】更にまた第2のリング状円板エレメントの軸方向に延びる第2部分域と、第1のリング状円板エレメントの半径方向に延びる第2部分域との間に、1つのパッキンが配置されているのが有利である。その場合該パッキンは、第1のリング状円板エレメントの第2部分域の受容部内に収容されており、かつ第2のリング状円板エレメントの第2部分域の円筒面に対して変位可能であるのが有利である。
【0016】2つの環状室が流体連通路によって互いに連通されているのが有利である。また前記流体連通路は、1つのリング状円板エレメント内に形成された孔のような開口であるのが有利である。
【0017】また第2の環状室は、1つのリング状円板エレメント内に形成されたポートを介して通気可能であるのが有利である。
【0018】少なくとも1つの環状室を、流体連通路を介して流体によって受圧可能にするのが特に有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0020】図1には、車両の駆動列内に配置された円錐円盤巻掛け変速機のような、無段変速可能な変速機1(CVT)の構成が概略的に図示されている。車両は駆動エンジン102、変速機103及び後置の駆動軸104を有し、該駆動軸は少なくとも1つの車輪105を駆動することができる。
【0021】前記変速機103は、始動エレメント106として摩擦クラッチのような始動クラッチ又は流体式のトルクコンバータを有している。更に前記変速機103は、後進を制御するために回転方向を逆転するためのリバースギヤ装置を有しているが、該リバースギヤ装置はここでは図示を省かれており、或いは前記始動クラッチ内に組込むこともできる。
【0022】変速機103は、無段調速可能な円錐円盤巻掛け変速機として構成されており、その場合該変速機の第1軸及び第2軸には、軸に定置に固着されていて軸方向に変位不能な円錐円盤110,112及び軸方向に変位可能な円錐円盤111,113が夫々配置されている。両円錐円盤対110,111と112,113との間には、例えばチェーン又はベルトのような巻掛け伝動節115が配置されており、該巻掛け伝動節は、両円錐円盤対間にトルクを伝達するために設けられている。
【0023】巻掛け伝動節の圧着のため及び変速比調整のために作動ユニット120が設けられており、該作動ユニットは、例えば油圧式調整子のような圧力媒体作動式のアクチュエータ121,122によって、軸方向に変位可能な円錐円盤の位置及び該円錐円盤に対する力を制御する。前記アクチュエータは、図示の実施例では、ピストン/シリンダユニットを有する油圧式アクチュエータとして構成されており、かつ対応する各円錐円盤を、圧力媒体で負荷して制御する。更に制御のために、コンピュータユニットとデータメモリを装備した集中的な制御ユニット125が設けられており、該制御ユニットは、入力信号に基づいて制御信号を発生し、該制御信号によってアクチュエータが制御される。
【0024】入力信号としては、次の車両信号の少なくとも個々の信号、すなわち例えばエンジン回転数、車両速度、変速機入力回転数、変速機出力回転数、アクセルペダル作動、アクセルペダルのアイドリング運転位置、絞り弁位置、エンジン・トルク、ギヤ変速比、ブレーキ作動等などが供用される。
【0025】例えばアイドリングスイッチ130によって、アクセルペダル135が作動されているか否かが検出され、或いは車輪回転数センサ131によって車両速度が測定される。これらのセンサ信号は制御ユニットへ伝送される。
【0026】駆動エンジン102はエンジン制御のための制御器150を有しており、該制御器は変速機の制御ユニットと信号接続140している。
【0027】図2には、巻掛け伝動節13の圧着作用及び/又は変速機の変速比を制御するための油圧式の調整ユニット99を備えた1つの円錐円盤対10が図示されている。図2の上半部と下半部では、円錐円盤が夫々別の軸方向位置で示され、従って別の変速比で図示されている。
【0028】駆動側又は出力側の第2円錐円盤対は、事情に応じて、図2に示した円錐円盤対10と同様に構成することができる。円錐円盤対10は1本の軸14を有している。該軸14によって円錐円盤対10は、殊にギヤケース内の軸受部に設けた軸受98を介して支承されている。
【0029】円錐円盤対10は、軸14に関して軸方向で定置に固着された円錐円盤11と、軸方向で変位可能な円錐円盤12とから成っている。
【0030】円錐円盤対10には複数の環状室A,B,Cが設けられており、該環状室は、必要に応じて圧力媒体の負荷によって巻掛け伝動節を圧着するため及び/又は変速比を調整するために使用される。前記環状室A,B,Cは、軸方向に変位可能な円錐円盤に境を接する円錐円盤側に配置されている。
【0031】前記環状室の少なくとも1つは、軸方向に変位可能な円錐円盤を圧力媒体によって制御できるようにするために、流体密に構成されている。また前記環状室のうちの1つ(中位)の環状室Bをポート41,41aによって通気可能に構成するのが有利である。これによって、環状室A及びCを圧力媒体で負荷可能にし、かつ環状室Bを通気可能にすることが有利に達成される。
【0032】前記環状室A,B,Cは、軸14及び軸方向に変位可能な円錐円盤12並びに第1のリング状円板エレメント20、第2のリング状円板エレメント21及び第3のリング状円板エレメント22によって形成されている。前記リング状円板エレメント20,21,22は、例えば深絞りもしくは押抜きによって成形されるような、板金部分として製作されているのが有利である。該リング状円板エレメントは順送り工具で有利に製作することができる。
【0033】環状室A,B,Cは次のように形成されている。すなわち、第1のリング状円板エレメント20が、軸方向に変位可能な円錐円盤12と捩れ不能にかつ該円錐円盤に軸方向で不動に固着結合されており、かつ第2のリング状円板エレメント21及び第3のリング状円板エレメント22が軸14と捩れ不能にかつ該軸に軸方向で不動に固着結合されている。第2及び第3のリング状円板エレメント21,22は、両者間に1つの空間域(B+C)を形成するように構成され、前記空間域は、該空間域内へ侵入する第1のリング状円板エレメント20によって2つの環状室B,Cに分割される。このために第2及び第3のリング状円板エレメント21,22は、第1のリング状円板エレメント20を通す環状ギャップ97を形成するように成形されている。
【0034】第1の環状室Aは実質的に、軸14と軸方向に変位可能な円錐円盤12と第1及び第2のリング状円板エレメント20,21とによって画成される。この第1の環状室Aは、円錐円盤対の回転軸線を中心とする1つの環状空間である。第2の環状室Bは実質的に、第1のリング状円板エレメント20と第2のリング状円板エレメント21とによって画成される。第3の環状室Cは実質的に、第2のリング状円板エレメント21と第1のリング状円板エレメント20と第3のリング状円板エレメント22とによって画成される。場合によっては第2のリング状円板エレメント21と第3のリング状円板エレメント22との間の半径方向内寄りにスペーサを配置しておくことも可能である。更に有利な実施例では、第2と第3のリング状円板エレメント21,22を半径方向内寄りで隣接配置しておくのが効果的である。
【0035】有利には第1のリング状円板エレメント20は、実質的に軸方向に延びる第1部分域20aと、実質的に半径方向に延びる第2部分域20bとを有するように構成されており、しかも第1のリング状円板エレメント20は、軸方向に延びる第1部分域20aで、軸方向に変位可能な円錐円盤12と結合されている。この結合部42は溶接継手又は形状嵌合式継手の形で形成することができる。軸方向に延びる第1部分域20aは、第1のリング状円板エレメント20と第2のリング状円板エレメント21との間でパッキン30を軸方向に摺動可能に接触させるための円筒壁として働く。第1のリング状円板エレメント20の、少なくとも実質的に半径方向に延びる第2部分域20bは、半径方向成分以外に軸方向成分も有することができるので、この第2部分域20bは回転軸線に対して斜めに延びることができる。
【0036】第2のリング状円板エレメント21は、実質的に半径方向に延びる第1部分的21aと、実質的に軸方向に延びる第2部分域21bと、実質的に半径方向に延びる第3部分域21cとを有するように形成されており、しかも第2のリング状円板エレメント21は、半径方向に延びる第3部分域21cで軸14と結合されている。第2のリング状円板エレメント21と軸14との間の結合は例えば溶接又はプレス嵌めによって行うことができる。軸方向に延びる第2部分域21bは、第1のリング状円板エレメント20と第2のリング状円板エレメント21との間でパッキン34を摺動可能に接触させるための円筒壁として働く。第2のリング状円板エレメント21の、少なくとも実質的に半径方向に延びる両部分域、つつまり第1部分域21aと第3部分域21cは、半径方向成分以外に軸方向成分も有することができるので、この両部分域は回転軸線に対して斜めに延びることができる。しかし、図2で符号21cで図示したように半径方向に延びることも可能である。
【0037】第3のリング状円板エレメント22は、実質的に軸方向に延びる第1部分的22aと、実質的に半径方向に延びる第2部分域22bとを有し、しかも第3のリング状円板エレメント22は、半径方向に延びる第2部分域22bで軸14と結合されている。この第3のリング状円板エレメント22と軸14との間の結合は、例えば溶接又はプレス嵌めによって行うことができる。軸方向に延びる第1部分域22aは、第1のリング状円板エレメント20と第3のリング状円板エレメント22との間でパッキン32を軸方向に摺動可能に接触させるための円筒壁として働く。第3のリング状円板エレメント22の、少なくとも実質的に半径方向に延びる第2部分域22bは、半径方向成分以外に軸方向成分も有することができるので、この第2部分域22bは回転軸線に対して斜めに延びることができる。しかし又、この第2部分域22bは、図2に示したように半径方向内寄りでは純半径方向に延び、かつ半径方向外寄りでは付加的な軸方向成分を得ることもできる。
【0038】第1のリング状円板エレメント20の軸方向に延びる第1部分域20aと、第2のリング状円板エレメント21の半径方向に延びる第1部分域21aとの間のパッキン30は、第2のリング状円板エレメント21に設けた受容部31内に配置されているのが有利である。その場合、第2のリング状円板エレメント21の半径方向外寄り域に形成した受容部31内に前記パッキン30を収容するのが、より効果的である。その場合該パッキン30は、第2のリング状円板エレメント21の受容部31に収容された状態で、第1のリング状円板エレメント20の第1部分域20aの円筒面に対して変位可能である。
【0039】パッキン32は、第1のリング状円板エレメント20の軸方向に延びる第1部分域20aと、第3のリング状円板エレメント22の軸方向に延びる第1部分域22aとの間に配置されている。該パッキン32は、第1のリング状円板エレメント20に周溝として形成された受容部33内に収容されており、かつ第3のリング状円板エレメント22の第1部分域22aの円筒面に対して変位可能である。また第3のリング状円板エレメント22の軸方向に延びる第1部分域22aの半径方向内側に形成された受容部37内にパッキン36を収容することも可能である。
【0040】パッキン34は、第2のリング状円板エレメント21の軸方向に延びる第2部分域21bと、第1のリング状円板エレメント20の半径方向に延びる第2部分域20bとの間に配置されている。その場合前記パッキン34は、第1のリング状円板エレメント20の第2部分域20の受容部35内に収容されており、かつ第2のリング状円板エレメント21の第2部分域21bの円筒面に対して変位可能に配置されている。
【0041】2つの環状室AとCは、流体交換のために、孔のような流体連通路40によって互いに接続されている。該流体連通路は、第2のリング状円板エレメント21内に孔又はポートとして穿設されているのが特に有利である。
【0042】図示のように1実施例では、第2の環状室Bは1つのリング状円板エレメント内に形成されたポート41又は41aを介して通気可能にするのが有利である。
【0043】接続された環状室A,Cへの圧力媒体供給は、流体連通路50,51,52によって行われ、これによって前記環状室は同一の流体によって圧力媒体を負荷される。流体連通路は、軸14内では孔52並びに通路51として、また変位可能な円錐円盤12内では通路50として形成されている。
【0044】図示のように受圧可能な圧力室を配置することによって、ただ1つの圧力室に対比して構造体積上の利点が得られる。それというのは両環状室(圧力室)A,Cの圧力が、変位可能な円錐円盤に対して加算的に作用するからである。等しい力の場合、単一室式解決手段に対比して半径方向の体積を削減することが可能である。
【0045】本発明は図示の実施例のみに限定されるのではなく、独立請求項に記載の構成手段に、各従属請求項に記載した構成手段を単独或いは複数組合せることによって種々異なる態様で実施することが可能である。
【出願人】 【識別番号】390009070
【氏名又は名称】ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】LUK LAMELLEN UND KUPPLUNGSBAU GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【出願日】 平成12年8月30日(2000.8.30)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−82563(P2001−82563A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願2000−261545(P2000−261545)