| 【発明の名称】 |
デファレンシャル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 泰彦
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| 【要約】 |
【課題】ヨ−モ−メントの制御機能を備えながら、軸方向にコンパクトにし、軽量にする。
【解決手段】エンジンの駆動力によって回転駆動されるデフケ−ス3の回転を出力軸49,51を介して車輪側に出力する差動機構5と、差動機構5と副軸7との間で、デフケ−ス3と出力軸51の間に配置された伝動機構9,11と、それぞれの吐出口が相手側の吸入口に接続され、副軸7上で伝動機構9,11を連結するポンプ/モ−タ13,15とを備え、伝動機構13の連結部材67を、ポンプ/モ−タ13の回転部材71に形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動されるデフケ−スと、デフケ−スの回転を一対の出力軸を介して車輪側に配分する差動機構と、差動機構に対する副軸と、これらの差動機構と副軸との間で、デフケ−スと一方の出力軸の間、あるいは、両出力軸の間に配置された一対の伝動機構と、それぞれの吐出口が相手側の吸入口に接続され、副軸上で両伝動機構を連結する一対のポンプ/モ−タとを備え、前記伝動機構を構成する連結部材が、ポンプ/モ−タの回転部材に形成され、あるいは、固定されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、伝動機構の連結部材が、ポンプ/モ−タの回転部材の外周に形成され、あるいは、固定されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 【請求項3】 請求項1,2の何れかに記載の発明であって、一方のポンプ/モ−タが一方の伝動機構に連結されると共に、他方のポンプ/モ−タが、副軸を介して他方の伝動機構に連結されることにより、両方のポンプ/モ−タが互いに近接して配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車体のヨ−モ−メント制御機能を備えたデファレンシャル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のデファレンシャル装置の構造としては、特開平11−63162号公報に図4のようなデファレンシャル装置201が記載されている。 【0003】このデファレンシャル装置201において、エンジンの駆動力は入力軸203からベベルギヤ205,207の噛み合いによってデフケ−ス209を回転させ、デフケ−ス209の回転はベベルギヤ式の差動機構211から車軸213,215を介して左右の車輪217,219に分配される。 【0004】各車軸213,215はそれぞれギヤ伝動機構221,223を介してカウンタ−シャフト225,227に連結されている。各カウンタ−シャフト225,227は容量の調整が可能な一対のポンプ/モ−タ229,231によって連結されている。 【0005】各ポンプ/モ−タ229,231は、油路233により、それぞれの吐出口から相手側の吸入口にオイルが流れるように接続されている。従って、両者の容量に差を与え、あるいは、両者の回転数に差が生じると、吐出量の多い方がポンプになると共に、少ない方がモ−タになり、このモ−タの駆動トルクによってモ−タ側の車輪が加速され、車体のヨ−モ−メントが制御される。 【0006】このヨ−モ−メント制御機能によって必要な方向のヨ−モ−メントを車体に与えれば、車両の直進安定性を向上させ、差動を制限し、旋回性を向上させることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の構造のデファレンシャル装置201では、ギヤ伝動機構221,223を構成するカウンタ−シャフト225,227側のギヤ235,237がポンプ/モ−タ229,231と別体になっているから、軸方向のコンパクト化と軽量化が不充分である。 【0008】デファレンシャル装置をコンパクトにすると、例えば、車軸管やサスンペション部材などとの干渉が防止される。また、軽量にすれば、これを収容するケ−シングもコンパクトで軽量にすることが可能になり、車載性が向上し、エンジンの燃費が向上する。 【0009】そこで、この発明は、ヨ−モ−メントの制御機能を備えながら、軸方向にコンパクトで軽量に構成されたデファレンシャル装置の提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動されるデフケ−スと、デフケ−スの回転を一対の出力軸を介して車輪側に配分する差動機構と、差動機構に対する副軸と、これらの差動機構と副軸との間で、デフケ−スと一方の出力軸の間、あるいは、両出力軸の間に配置された一対の伝動機構と、それぞれの吐出口が相手側の吸入口に接続され、副軸上で両伝動機構を連結する一対のポンプ/モ−タとを備え、前記伝動機構を構成する連結部材が、ポンプ/モ−タの回転部材に形成され、あるいは、固定されていることを特徴とする。 【0011】デフケ−スを回転させるエンジンの駆動力は、差動機構から出力軸を介してそれぞれの車軸に伝達される。 【0012】両ポンプ/モ−タの容量を同一に調整した場合、回転数に差が生じると、吐出量の多い方がポンプになり、その吐出圧を受けて吐出量の少ない方がモ−タになる。 【0013】しかも、両ポンプ/モ−タの容量に差を与えると、容量の大きい方がポンプになり、その吐出圧を受けて容量の小さい方がモ−タになる。 【0014】更に、両ポンプ/モ−タの回転数差に応じて容量の差を調整すれば、それぞれのポンプ機能とモ−タ機能を自由に制御することができる。 【0015】このポンプ機能とモ−タ機能により、下記のように、車輪間で駆動力が移動し、あるいは、車輪間で駆動力を移動させることによって、車体のヨ−モ−メントを制御することが可能であり、このヨ−モ−メント制御機能によって必要な方向のヨ−モ−メントを車体に与えれば、車両の直進安定性を向上させ、差動を制限し、旋回性を向上させることができる。 【0016】「両伝動機構(両ポンプ/モ−タ)をデフケ−スと一方の出力軸の間に配置した場合」車両の直進走行中は、両ポンプ/モ−タが等速回転するから、それぞれの容量が等しくなるように調整しておけば、駆動力の移動が停止し、直進走行性が保たれる。 【0017】しかも、直進走行中に、路面ηなどの影響によって車体が回頭し、一方の出力軸側車輪が外輪になった場合は、高速回転する外輪側のポンプ/モ−タに大きな吐出圧が生じてポンプになると共に、低速回転するデフケ−ス側のポンプ/モ−タがモ−タになり、その駆動トルクによってデフケ−スが加速され、その加速分が差動機構を介して他方の出力軸側に伝達され、内輪が加速されて回頭運動が収束し、直進性が高く保たれる。 【0018】また、他方の出力軸側車輪が外輪になると、差動機構を介して伝達される差動回転により一方の出力軸側ポンプ/モ−タが低速回転側になり、これより高速回転するデフケ−ス側のポンプ/モ−タがポンプになる。そのポンプ圧を受けて低速回転側のポンプ/モ−タがモ−タになり、内輪が加速されて回頭運動が収束し、直進性が高く保たれる。 【0019】このように、車体が蛇行する路面状態や操舵条件では、蛇行と反対方向のヨ−モ−メントが車体に与られるから、蛇行が迅速に収束し、直進性と安定性が向上する。 【0020】更に、悪路などで、一方の出力軸側車輪が空転すると、この高速回転側のポンプ/モ−タがポンプになり、このポンプ仕事が差動制限力になって車輪の空転が制限されると共に、低速回転するデフケ−ス側のポンプ/モ−タがモ−タになってデフケ−スが加速され、その駆動トルクが差動機構を介して両出力軸側車輪に伝達され、走行性が高く保たれる。 【0021】しかも、他方の出力軸側車輪が空転した場合は、差動機構で反転し更に伝動機構を介して伝達される差動回転により一方の出力軸側車輪のポンプ/モ−タが低速回転側になり、これより高速回転するデフケ−ス側のポンプ/モ−タがポンプになる。このポンプ仕事が差動制限力になって他方の出力軸側車輪の空転が制限されると共に、そのポンプ圧を受けて低速回転側ポンプ/モ−タがモ−タになり、路面をグリップしている一方の出力軸側車輪が加速され、走行性が高く保たれる。 【0022】こうして、悪路脱出性や走破性が大きく向上する。 【0023】また、両方のポンプ/モ−タに容量差を与えれば、上記のように高速回転側車輪から低速回転側車輪の方向にではなく、低速回転側車輪から高速回転側車輪に駆動力を移動させることができる。 【0024】そこで、旋回走行するときは、外輪側のトルクが大きくなるように、ポンプ/モ−タの容量を調整し、車体に旋回を促すヨ−モ−メントを与えれば、車両の旋回性が大きく向上する。 【0025】「両伝動機構(両ポンプ/モ−タ)を両出力軸の間に配置した場合」車両の直進走行中は、両ポンプ/モ−タが等速回転するから、それぞれの容量が等しくなるように調整しておけば、駆動力の移動が停止して、直進走行性が保たれる。 【0026】しかも、直進走行中に、路面ηなどの影響によって車体が回頭すると、高速回転する外輪側のポンプ/モ−タに大きな吐出圧が生じてポンプになり、低速回転する内輪側のポンプ/モ−タがモ−タになって内輪が加速され、回頭運動が収束し、直進性が高く保たれる。 【0027】このように、車体が蛇行する路面状態や操舵条件では、蛇行と反対方向のヨ−モ−メントが車体に与られるから、蛇行が迅速に収束し、直進性と安定性とが向上する。 【0028】更に、悪路などで一方の車輪が空転すると、空転側のポンプ/モ−タが高速回転してポンプになり、グリップしている車輪側のポンプ/モ−タが低速回転してモ−タになり、グリップ側車輪に駆動力が送られると共に、このポンプ仕事による差動制限力によって車輪の空転が制限され、走行性が高く保たれる。 【0029】こうして、悪路脱出性や走破性が大きく向上する。 【0030】また、旋回走行するときは、ポンプ/モ−タの容量を調整して外輪側のトルクを大きくし、車体に旋回を促すヨ−モ−メントを与えれば、車両の旋回性が大きく向上する。 【0031】これに加えて、本発明のデファレンシャル装置は、伝動機構を構成する連結部材(例えば、ギヤ)を、ポンプ/モ−タの回転部材(例えば、ポンプ/モ−タの回転ケ−ス)に形成し、あるいは、固定したから、軸方向にそれだけコンパクトになると共に、ポンプの回転部材とギヤとを一体にしたことによって軽量化される。 【0032】このコンパクト化と軽量化により、周辺部材との干渉が防止されると共に、このデファレンシャル装置を収容するケ−シングもコンパクトで軽量になるから、車載性が向上し、エンジンの燃費が向上する。 【0033】請求項2の発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置であって、伝動機構の連結部材が、ポンプ/モ−タの回転部材の外周に形成され、あるいは、固定されていることを特徴とし、請求項1と同等の効果を得る。 【0034】しかも、ポンプ/モ−タの回転部材の外周に伝動機構の連結部材を配置したこの構成は、コンパクト化効果と軽量化効果が最も大きい。 【0035】請求項3の発明は、請求項1,2記載のデファレンシャル装置であって、一方のポンプ/モ−タが一方の伝動機構に連結されると共に、他方のポンプ/モ−タが、副軸を介して他方の伝動機構に連結されることにより、両方のポンプ/モ−タが互いに近接して配置されていることを特徴とし、請求項1,2と同等の効果を得る。 【0036】これに加えて、副軸を介してポンプ/モ−タを伝動機構に連結したことにより、両方のポンプ/モ−タを近接して配置することが可能になり、周辺部材との干渉防止効果が更に向上する。 【0037】しかも、両ポンプ/モ−タを近接配置したから、これらを接続する油路が短くなり、引回しが容易になる。 【0038】更に、油路を短くしたことにより、流路抵抗によるポンプ/モ−タのロスが軽減され、ヨ−モ−メント制御機能とエンジンの燃費が向上する。 【0039】 【発明の実施の形態】図1と図2によって本発明の第1実施形態(リヤデフ1:デファレンシャル装置)の説明をする。 【0040】このリヤデフ1は請求項1,2,3の特徴を備えている。図1はリヤデフ1を示すスケルトン機構図であり、図2はリヤデフ1の要部断面図である。なお、左右の方向はリヤデフ1を用いた車両及び図1,2での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されていない。 【0041】図1に示したように、リヤデフ1は、デフケ−ス3、ベベルギヤ式の差動機構5、カウンタ−シャフト7(副軸)、ギヤ伝動機構9,11、ポンプ/モ−タ13,15、アクチュエ−タ、コントロ−ラなどから構成されている。 【0042】リヤデフ1はデフキャリヤ17の内部に収容されており、デフケ−ス3はアンギュラ−コンタクトベアリング19,19によってデフキャリヤ17の左側壁21と中間壁23に支承されている。 【0043】デフケ−ス3にはリングギヤ25が固定されており、リングギヤ25はドライブピニオンギヤ27と噛み合っている。ドライブピニオンギヤ27はドライブピニオンシャフト29の後端に形成されており、アンギュラ−コンタクトベアリング31とボ−ルベアリング33によってデフキャリヤ17の筒状部35に支承されている。 【0044】また、ドライブピニオンシャフト29はこの筒状部35から前方に突き出しており、フランジ37を介してプロペラシャフト側に連結されている。ドライブピニオンシャフト29と筒状部35との間にはシ−ル39が配置され、オイル漏れを防止している。 【0045】プロペラシャフトはトランスミッションを介してエンジンに連結されており、エンジンの駆動力はドライブピニオンギヤ27とリングギヤ25とを介してデフケ−ス3を回転駆動する。 【0046】差動機構5は、デフケ−ス3に固定されたピニオンシャフト41と、各ピニオンシャフト41上に回転自在に支承されたピニオンギヤ43と、左右からピニオンギヤ43と噛み合ったサイドギヤ45,47から構成されている。 【0047】各サイドギヤ45,47には、それぞれ車軸49,51(出力軸)がスプライン連結されており、スナップリング52で位置決めされている。各車軸49,51はデフキャリヤ17から左右に突き出しており、左右の後輪側に連結されている。 【0048】デフケ−ス3を回転させるエンジンの駆動力は、ピニオンシャフト41からピニオンギヤ43を介してサイドギヤ45,47に分配され、車軸49,51を介して左右の後輪に伝達される。 【0049】つまり、車両が悪路などを走行中に、後輪間に駆動抵抗差が生じると、エンジンの駆動力はピニオンギヤ43の自転によって左右の後輪に差動分配される。 【0050】カウンタ−シャフト7は、差動機構5と平行に配置されており、ボ−ルベアリング53,53によってデフキャリヤ17の左側壁21と中間壁23に支承されている。また、カウンタ−シャフト7はデフキャリヤ17の右側壁55を貫通しており、その右端部をメタルベアリング57によってポンプ/モ−タ15のケ−シング59に支承されている。 【0051】ギヤ伝動機構9は、互いに噛み合ったギヤ61,63から構成されている。ギヤ61はデフケ−ス3にボルトで固定され、ギヤ63はカウンタ−シャフト7に溶接されている。 【0052】ギヤ伝動機構11は、互いに噛み合ったギヤ65,67から構成されている。ギヤ65は右車軸51(一方の出力軸)にスプライン連結された中空軸69に形成され、ギヤ67(連結部材)はポンプ/モ−タ13のシリンダブロック71(回転部材)の外周に形成されている。中空軸69の左端部はメタルベアリング72によってデフケ−ス3に支承されており、右端部はボ−ルベアリング73によって右側壁55に支承されている。 【0053】ギヤ61,65の歯数は同一であり、ギヤ63,67の歯数は同一である。また、ギヤ61,65の歯数はギヤ63,67の歯数より大きくしてあり、ギヤ伝動機構9,11に同一の増速比を与えている。 【0054】左側壁21にはリング75が螺着されており、アンギュラ−コンタクトベアリング19のアウタ−レ−ス76を押圧し、センタリングしている。 【0055】一方、右側壁55にはリング75が螺着されており、ボ−ルベアリング73を軸方向に位置決めしている。 【0056】車軸49,51と各リング75との間にはそれぞれシ−ル77が配置され、オイル漏れを防止している。 【0057】デフキャリヤ17の中間壁23にはOリング79,79を介してリング81が螺着されており、アンギュラ−コンタクトベアリング19のアウタ−レ−ス83を押圧し、センタリングしている。 【0058】デフキャリヤ17の左側壁21と中間壁23との間には隔室85が形成されており、中間壁23と右側壁55との間には隔室87が形成されている。 【0059】デフケ−ス3(差動機構5)とギヤ伝動機構9などは隔室85に収容され、ポンプ/モ−タ13,15とギヤ伝動機構11などは隔室87に収容されている。隔室85,87には異なった潤滑オイルが封入されている。 【0060】リング81と中空軸69との間にはシ−ル89,89が配置されており、隔室85,87のオイルが互いに混ざり合うことを防止している。また、リング81にはシ−ル89,89の間に形成された空間91に連通する圧抜き路93が設けられ、シ−ル89,89のポンプ作用によって空間91に溜まる圧力を逃がし、シ−ル性を高く保っている。 【0061】ポンプ/モ−タ13,15は斜板式のアキシャルピストンポンプである。 【0062】ポンプ/モ−タ13は、シリンダブロック71、シュ−リング95、シリンダ97、ピストン99、コイルスプリング101などから構成されている。 【0063】シリンダブロック71はカウンタ−シャフト7と同軸に、回転自在に配置されている。前記シュ−リング95はデフキャリヤ17の中間壁23に取り付けられており、傾斜角が固定されている。 【0064】このように、ポンプ/モ−タ13は容量固定型である。 【0065】シリンダ97は複数個がシリンダブロック71上で周方向等間隔に配置されており、それぞれは軸方向に形成されている。また、ピストン99は各シリンダ97に係合しており、コイルスプリング101は各シリンダ97の内部に配置され、シリンダ97をシュ−リング95に押圧している。 【0066】ポンプ/モ−タ15はケ−シング59に収容されており、シリンダブロック103、シュ−リング105、ホルダ107、シリンダ109、ピストン111、コイルスプリング113などから構成されている。 【0067】シリンダブロック103はカウンタ−シャフト7にスプライン連結されている。前記シュ−リング105はホルダ107に取り付けられており、ホルダ107(シュ−リング105)の傾斜方向は、ポンプ/モ−タ13のシュ−リング95の傾斜方向に対して位相が180°異なっている。 【0068】コントロ−ラは、アクチュエ−タを介してホルダ107(シュ−リング105)の傾斜角を調整する。シュ−リング105の傾斜角を調整すると、ピストン111のストロ−クが変化し、容量が調整される。 【0069】このように、ポンプ/モ−タ15は容量可変型である。 【0070】シリンダ109は複数個がシリンダブロック103上に周方向等間隔に配置されており、それぞれは軸方向に形成されている。ピストン111は各シリンダ109に係合しており、コイルスプリング113は各シリンダ109の内部に配置され、シリンダ109をシュ−リング105に押圧している。 【0071】また、ポンプ/モ−タ15はカウンタ−シャフト7を介してギヤ伝動機構9に連結されており、こうすることによって両方のポンプ/モ−タ13,15を近接配置している。 【0072】各シリンダ97,109には油路115,117がそれぞれ設けられており、これらは右側壁55に設けられた油路119を介して互いに連通している。各シリンダ97,109と各油路115,117,119は閉回路を形成しており、その内部には作動オイルが封入されている。 【0073】上記のように、シュ−リング95とシュ−リング105の傾斜方向に180°の位相差を与えたから、一方の吐出行程と他方の吸入行程が同期する。 【0074】デフケ−ス3の回転はギヤ伝動機構9からカウンタ−シャフト7を介してシリンダブロック103を回転させ、ポンプ/モ−タ15を駆動する。右車軸51の回転はギヤ伝動機構11を介してシリンダブロック71を回転させ、ポンプ/モ−タ13を駆動する。 【0075】両ポンプ/モ−タ13,15の容量を同一にした場合、回転数に差が生じると、吐出量の多い方がポンプになり、その吐出圧を受けて吐出量の少ない方がモ−タになる。 【0076】また、ポンプ/モ−タ15の容量を調整し、両ポンプ/モ−タ13,15の容量に差を与えると、容量の大きい方がポンプになり、その吐出圧を受けて容量の小さい方がモ−タになる。 【0077】更に、両ポンプ/モ−タ13,15の回転数差に応じて容量の差を調整すれば、それぞれのポンプ機能とモ−タ機能を自由に制御することができる。 【0078】このポンプ機能とモ−タ機能により、下記のように、後輪の間で駆動力が移動し、あるいは、駆動力を後輪の間で移動させるとによって、車体のヨ−モ−メントを制御することが可能であり、このヨ−モ−メント制御機能によって、下記のように、直進安定性を安定させ、差動を制限し、車両の旋回性を向上させることができる。 【0079】車両の直進走行中は、両ポンプ/モ−タ13,15が等速回転するから、それぞれの容量が等しくなるように調整しておけば、左右の後輪間で駆動力が移動するとはなく、直進走行性が保たれる。 【0080】しかも、直進走行中に、路面ηなどの影響によって車体が回頭すると、例えば、右後輪が外輪側になった場合、高速回転する車軸51側のポンプ/モ−タ13に大きな吐出圧が生じてポンプになり、低速回転するデフケ−ス3側のポンプ/モ−タ15がモ−タになる。このモ−タの駆動トルクがカウンタ−シャフト7とギヤ伝動機構9を介してデフケ−ス3に伝達され、更に、差動機構5から内輪側の左後輪に伝達されてこれを加速するから、回頭運動が収束し、直進性が高く保たれる。 【0081】一方、左後輪が外輪側になると、差動機構5を介して反転しギヤ伝動機構11を介して伝達される差動回転によって右後輪とポンプ/モ−タ13が低速回転側になり、これより高速回転するデフケ−ス3側のポンプ/モ−タ15がポンプになる。そのポンプ圧を受けて車軸51のポンプ/モ−タ13がモ−タになり、内輪側の右後輪が加速されて回頭運動が収束し、直進性が高く保たれる。 【0082】このように、車体が蛇行する路面状態や操舵条件では、蛇行と反対方向のヨ−モ−メントが車体に与られるから、蛇行が迅速に収束し、安定性と直進性とが向上する。 【0083】また、悪路などで、右後輪が空転すると、この高速回転側のポンプ/モ−タ13がポンプになり、このポンプ仕事が差動制限力になって右後輪の空転が制限されると共に、低速回転するデフケ−ス3側のポンプ/モ−タ15がモ−タになってデフケ−ス3が加速され、その駆動トルクが差動機構5を介して左右の後輪に伝達され、走行性が高く保たれる。 【0084】一方、左後輪が空転した場合は、差動機構5で反転しギヤ伝動機構11を介して伝達される差動回転によって右後輪側のポンプ/モ−タ13が低速回転側になり、これより高速回転するデフケ−ス3側のポンプ/モ−タ15がポンプになる。このポンプ仕事が差動制限力になって左後輪の空転が制限されると共に、そのポンプ圧を受けてポンプ/モ−タ13がモ−タになり、グリップ側の右後輪が加速され、走行性が高く保たれる。 【0085】こうして、悪路脱出性や走破性が大きく向上する。 【0086】さらに、ポンプ/モ−タ15の容量を調整して両ポンプ/モ−タ13,15に容量差を与えると、上記のように高速回転側の後輪から低速回転側の後輪にではなく、低速回転側の後輪から高速回転側の後輪に駆動力を移動させることができる。 【0087】そこで、旋回走行するときは、外輪側のトルクが大きくなるように、ポンプ/モ−タ13,15の容量を調整し、車体に旋回を促すヨ−モ−メントを与えれば、車両の旋回性が大きく向上する。 【0088】こうして、リヤデフ1が構成されている。 【0089】上記のように、リヤデフ1は、ギヤ伝動機構11のギヤ67をポンプ/モ−タ13のシリンダブロック71に一体形成したから、それだけ軸方向にコンパクトになり、軽量化される。 【0090】このコンパクト化と軽量化により、周辺部材との干渉が防止されると共に、デフキャリヤ17もコンパクトで軽量になり、車載性が向上し、エンジンの燃費が向上する。 【0091】例えば、後部のトランクル−ムの下方にスペアタイヤハウスが配置されている場合、リヤデフ1は、このスペアタイヤハウスの右方に設けられた空間に配置され、その左方にはマフラ−が配置されるが、コンパクトに構成されたリヤデフ1はこれらのスペアタイヤハウス及びマフラ−との干渉を余裕をもって避けることができる。 【0092】しかも、ポンプ/モ−タ15をカウンタ−シャフト7を介してギヤ伝動機構9に連結したことにより、両方のポンプ/モ−タ13,15を近接して配置することが可能になっており、ポンプ/モ−タ13,15の近接配置によって周辺部材との干渉防止効果が更に向上している。 【0093】更に、両ポンプ/モ−タ13,15を近接配置したことにより、これらを接続する油路119が短くなり、引回しが容易になる。 【0094】その上、油路119を短くしたことにより、流路抵抗によるロスが大きく軽減され、ヨ−モ−メント制御機能とエンジンの燃費が向上する。 【0095】図3は、第2実施形態のリヤデフ151(デファレンシャル装置)を示している。 【0096】リヤデフ151は、リヤデフ1において、ギヤ67の位置を変えたものであり、ギヤ67はポンプ/モ−タ13のシリンダブロック71の右側面に一体形成されている。 【0097】このように、ギヤ伝動機構11のギヤ67をポンプ/モ−タ13のシリンダブロック71に一体形成したことによって、リヤデフ151は、リヤデフ1と同等の効果を得ている。 【0098】なお、本発明において、伝動機構は、ギヤ伝動機構に限らず、ベルト伝動機構やチェ−ン伝動機構などでもよい。 【0099】また、伝動機構の連通部材は、ポンプ/モ−タの回転部材と一体に形成する他に、別体の連通部材と回転部材とを一体に連結し、固定してもよい。 【0100】しかも、差動機構は、ベベルギヤ式の差動機構に限らず、例えば、プラネタリ−ギヤ式の差動機構、デフケ−スの収容孔に支承されたピニオンギヤを介してサイドギヤを連結した差動機構、ウォ−ムギヤを用いた差動機構などでもよい。 【0101】 【発明の効果】本発明のデファレンシャル装置は、伝動機構の連結部材をポンプ/モ−タの回転部材と一体にしたから、それだけ軸方向にコンパクトになり、軽量化されている。 【0102】このコンパクト化と軽量化により、周辺部材との干渉が防止されると共に、このデファレンシャル装置を収容するケ−シングもコンパクトで軽量になり、車載性が向上し、エンジンの燃費が向上する。 【0103】請求項2の発明は、請求項1と同等の効果を得ると共に、ポンプ/モ−タの回転部材の外周に伝動機構の連結部材を配置した構成は、コンパクト化効果と軽量化効果が最も大きい。 【0104】請求項3の発明は、請求項1,2と同等の効果を得ると共に、近接配置された両ポンプ/モ−タを接続する油路が短くなり、引回しが容易になる。 【0105】しかも、油路を短くしたことにより、流路抵抗によるロスが軽減され、ヨ−モ−メント制御機能とエンジンの燃費が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000225050 【氏名又は名称】栃木富士産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月6日(1999.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−74125(P2001−74125A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−251888 |
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