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【発明の名称】 差動装置
【発明者】 【氏名】関 文三

【氏名】半田 秋男

【氏名】東 保寛

【氏名】千田 明生

【氏名】井上 和城

【氏名】野口 悟

【要約】 【課題】

【解決手段】入力側ブロック77,78を複数種類で構成し、これらの入力側ブロック77,78に種類に応じて上部幅L1,L2を異ならせた凸部77a,78aを設け、これらの凸部77a,78aに嵌合する軸方向溝73a,73bをケース本体73側に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源に連結したデフケースの回転に伴って円周方向に移動する複数の入力側ブロックと、これらの入力側ブロックを相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロックとの摩擦力で独立して回転することで出力側の差動を発生させる2つの出力側カムとを備えた差動装置において、前記入力側ブロックを複数種類で構成し、これらの入力側ブロックに種類に応じて幅を異ならせた凸部を設け、これらの凸部に嵌合する凹部を前記デフケース側に設けたことを特徴とする差動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誤組付を防止するのに好適な差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪車等の車輪間の回転数差を吸収するとともに各車輪へ駆動トルクを配分する差動装置としては、例えば、特表平8−500659号公報「差動機構」が知られている。
【0003】上記技術には、同公報の図5に示される通り、駆動力側となる入力ハウジング11と、この入力ハウジング11の内周面に設けた複数の溝39と、入力ハウジング11の内周側に配置した複数の二種類のカム従動子28と、これらのカム従動子28に一体に成形するとともに上記溝39に嵌合する駆動ドッグ36と、これらの駆動ドッグ36のうちの一方の種類のカム従動子28の駆動ドッグ36に、他方の種類と識別するために設けた溝36aとが記載されている。入力ハウジング11内にカム従動子28を組付ける場合には、駆動ドッグ36に溝36aがあるものとないものとを2つずつ交互に周方向に並べる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、入力ハウジング11内にカム従動子28を組付ける場合及び組付の確認を行う場合には、溝36aの有無を目視でチェックするが、見誤りや見落しが発生して、誤組付することが考えられる。この対策として、差動機構が完成した後に、全数の作動テストを行って誤組付を確認することも可能であるが、作業工数が増えて、生産性の低下を招くという不都合がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、誤組付をより確実に防止することができる差動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、駆動源に連結したデフケースの回転に伴って円周方向に移動する複数の入力側ブロックと、これらの入力側ブロックを相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロックとの摩擦力で独立して回転することで出力側の差動を発生させる2つの出力側カムとを備えた差動装置において、前記入力側ブロックを複数種類で構成し、これらの入力側ブロックに種類に応じて幅を異ならせた凸部を設け、これらの凸部に嵌合する凹部をデフケース側に設けたことを特徴とする。
【0007】デフケース側に設けた凹部に合致した幅の凸部を有する入力側ブロックはデフケース側に結合させることができる。デフケース側に設けた凹部に合致しない幅の凸部を有する入力側ブロックはデフケース側に結合させることができない。従って、デフケース側への入力側ブロックの誤組付を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。図1は本発明に係る差動装置の分解斜視図であり、作動装置としてのデファレンシャルケース組立体50は、デファレンシャルケース71と、このデファレンシャルケース71内に収納する収納部品72とからなる。
【0009】デファレンシャルケース71は、筒状のデフケースとしてのケース本体73と、このケース本体73の一方の開口部に取付けるキャップ部(後述する。)にリングギヤ75aを一体成形したリングギヤ付きキャップ75とからなる。
【0010】収納部品72は、デファレンシャルケース71と結合して一体的に回転する二種類の入力側ブロック77・・・・・・は複数個を示す。以下同様。),78・・と、これらの入力側ブロック77・・・,78・・・を相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロックとの摩擦力で独立して回転することができる出力側カムとしての左・右出力側カム81,82と、これらの左・右出力側カム81に隣接させたスラストベアリング83,83と、スラストワッシャ84,84と、皿ばね85とからなる。なお、スラストベアリング83,83は省いてもよい。
【0011】図2は本発明に係る差動装置の組立た状態での断面図である。デファレンシャルケース組立体50は、ケース本体73に、順にスラストワッシャ84、スラストベアリング83、右出力側カム82、円周方向に並べた入力側ブロック77・・・,78・・・、左出力側カム81、スラストベアリング83、スラストワッシャ84、皿ばね85を重ねて収納し、リングギヤ付きキャップ75をケース本体73にボルト87・・・(1個のみ示す。)で取付けた装置である。
【0012】図3(a)〜(c)は本発明に係る差動装置の入力側ブロックを説明する説明図である。(a)は組立てたデファレンシャルケース組立体50からリングギヤ付きキャップ75(図1参照)及び左出力側カム81(図1参照)を外した状態を示す。ケース本体73は、内周面に、デファレンシャルケース組立体50の回転軸(図の表裏方向に延びる軸)に平行に凹部としての軸方向溝73a・・・,73b・・・を2本ずつ交互に形成したものである。入力側ブロック77・・・,78・・・は、それぞれ凸部77a・・・,78a・・・を設け、これらの凸部77a・・・,78a・・・をケース本体73の軸方向溝73a・・・,73b・・・にそれぞれ嵌合させるようにして周方向に2個ずつ交互に並べたものである。
【0013】(b)はケース本体73と、このケース本体73に噛み合う入力側ブロック77とを示す(a)の要部拡大図である。軸方向溝73aは略台形状の溝であり、また、凸部77aは軸方向溝73aの形状に略相似な形状とした部分である。ここで、凸部77aの幅としての上部幅をL1とする。
【0014】(c)はケース本体73と、このケース本体73に噛み合う入力側ブロック78とを示す(a)の要部拡大図である。軸方向溝73bは略台形状の溝であり、また、凸部78aは軸方向溝73bの形状に略相似な形状とした部分である。ここで、凸部78aの幅としての上部幅をL2とすると、この上部幅L2は、(b)で示した上部幅L1とは異なる、即ちL1≠L2である。(b),(c)では、L1>L2であるが、L1<L2でもよい。また、軸方向溝73bは溝底に突起73cを備え、凸部78aは上面に前述の突起73cに対応する窪み78bを備える。
【0015】次に差動装置の入力側ブロックの誤組付について説明する。図4(a),(b)は本発明に係る差動装置の入力側ブロックの誤組付について説明する作用図である。(a)において、本来なら、ケース本体73の軸方向溝73aに入力側ブロック77の凸部77aを嵌合し、ケース本体73の軸方向溝73bに入力側ブロック78の凸部78aを嵌合しなければならないが、誤って(1)軸方向溝73aに入力側ブロック78の凸部78aを嵌合しようとし、また、(2)ケース本体73の軸方向溝73bに入力側ブロック77の凸部77aを嵌合しようとした場合、(b)に示すように、上記(1)の場合には、入力側ブロック77の上部幅L1に対して入力側ブロック78の上部幅L2が小さいため、ケース本体73の軸方向溝73aと入力側ブロック78の凸部78aとの間に大きな隙間が生じ、上記(2)の場合には、(1)の場合とは反対に、ケース本体73の軸方向溝73bに入力側ブロック77の凸部77aを完全に嵌合することができず、上記(1),(2)の両方の場合で容易にしかも確実に誤組付と認識することができる。
【0016】更に、軸方向溝73bの突起73cと凸部78aの窪み78bとが対応しない、即ち対向しないことも明らかに認識することができ、上記した上部幅L1,L2と合せて二重に誤組付の確認をより確実に行うことができる。
【0017】このように、図2(a)〜(c)において、本発明の作動装置としてのデファレンシャルケース組立体50は、駆動源に連結したリングギヤ75(図1参照)の回転に伴って円周方向に移動する複数の入力側ブロック77,78と、これらの入力側ブロック77,78を相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロック77,78との摩擦力で独立して回転することで出力側の差動を発生させる2つの出力側カム81,82(図1参照)とを備えたデファレンシャルケース組立体50において、入力側ブロック77,78を複数種類で構成し、これらの入力側ブロック77,78に種類に応じて上部幅L1,L2を異ならせた凸部77a,78aを設け、これらの凸部77a,78aに嵌合する軸方向溝73a,73bをリングギヤ75側に設けたことを特徴とする。
【0018】上記構成により、リングギヤ75側への入力側ブロック77,78の誤組付をより確実に防止することができる。従って、誤組付による再組付等の無駄な工数が発生せず、生産性を向上させることができる。
【0019】尚、本発明では、図2(b),(c)で説明したように、凸部77a,78aの上部幅L1、L2を、径方向に直角な方向の幅としたが、要は異なる種類の入力側ブロック77,78で、凸部の寸法を異ならせて別なものが結合できない形状にすればよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1の作動装置は、入力側ブロックを複数種類で構成し、これらの入力側ブロックに種類に応じて幅を異ならせた凸部を設け、これらの凸部に嵌合する凹部をデフケース側に設けたので、デフケース側への入力側ブロックの誤組付をより確実に防止することができる。従って、誤組付による再組付等の無駄な工数が発生せず、生産性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【識別番号】000128175
【氏名又は名称】株式会社エフ・シー・シー
【出願日】 平成11年9月2日(1999.9.2)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
【公開番号】 特開2001−74122(P2001−74122A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−249215