| 【発明の名称】 |
無段変速装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】今中 敏夫
【氏名】常陸 純一
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| 【要約】 |
【課題】ベルト式無段変速機構を備えた無段変速装置において、中立状態から、前進最大速度及び後進最大速度まで、広い変速範囲で無段変速が行なえ、かつ、変速ショックが生じないようにすることである。
【解決手段】第1、第2のベルト式無段変速機構21,22と、差動ギヤ機構10を備えている。各ベルト式無段変速機構21,22の駆動側プーリ24,31を直接あるいは間接に入力軸1に連結し、差動ギヤ機構10のサンギヤ12に第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25を連結し、キャリヤ15に第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32を連結し、インターナルギヤ16に出力軸2を連結している。各ベルト式無段変速機構21,22で変速することにより、正転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転運転において中立から最大回転速度まで無段変速する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1、第2のベルト式無段変速機構21,22と、差動ギヤ機構10を備え、各ベルト式無段変速機構21,22の駆動側プーリ24,31を直接あるいは間接に入力軸1に連結し、差動ギヤ機構10のサンギヤ12、キャリヤ15又はインターナルギヤ16のうち、1つに第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25を連結し、別の1つに第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32を連結し、残りの1つに出力軸2の出力ギヤ37を連結し、各ベルト式無段変速機構21,22により差動ギヤ機構10に入力する回転速度を変更することにより、正転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転運転において中立から最大回転速度まで無段変速するようにしていることを特徴とする無段変速装置。 【請求項2】 請求項1の無段変速装置において、第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25をサンギヤ12に連結し、第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32をキャリヤ15に連結したことを特徴とする無段変速装置。 【請求項3】 変速用の差動ギヤ機構110と、正逆回転切換用の逆転機構109と、ベルト式無段変速機構121とを備え、差動ギヤ機構110のサンギヤ112、キャリヤ115又はインターナルギヤ116のうち、1つに中間の回転軸104及び上記逆転機構109を介して正逆回転切換自在に入力軸101を連結し、別の1つにベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125を連結し、残りの1つに出力軸102の出力ギヤ137を連結し、ベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124は上記中間の回転軸104に連結し、ベルト式無段変速機構121から差動ギヤ機構110に入力する回転速度を変更することにより、出力軸102への回転速度を無段変速するようにしていることを特徴とする無段変速装置。 【請求項4】 請求項3記載の無段変速装置において、ベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125から差動ギヤ機構110への入力回転部に、該回転部の回転を固定するロック用嵌脱クラッチ141を設けていることを特徴とする無段変速装置。 【請求項5】 請求項4記載の無段変速装置において、中間の回転軸104とベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124との間の動力伝達経路に嵌脱クラッチ130を介在させていることを特徴とする無段変速装置。 【請求項6】 請求項3〜5記載の無段変速装置において、逆転機構109として遊星ギヤ機構を備え、入力軸101を逆転機構109のサンギヤ132に、中間の回転軸104を逆転機構109のキャリヤ135に連結し、キャリヤ135及びインターナルギヤ136にそれぞれブレーキ138,139を備えていることを特徴とする無段変速装置。 【請求項7】 差動ギヤ機構210と、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221と、後進(逆転)用無段変速機構222とを備え、差動ギヤ機構210のサンギヤ212、キャリヤ215又はインターナルギヤ216のうち、1つに入力軸201を連結し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの1つに出力軸202の出力ギヤ237を連結し、入力軸201には、後進(逆転)用嵌脱クラッチ230を介して前進軸204を断続自在に連結すると共に、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を介して後進軸205を断続自在に連結し、前進軸204と変速軸206とを前進(正転)用ベルト式無段変速機構221により変速自在に連結し、後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222により変速自在に連結していることを特徴とする無段変速装置。 【請求項8】 請求項7記載の無段変速装置において、変速軸206をサンギヤ212に連結し、該サンギヤ212の回転を固定可能な最高速用嵌脱クラッチ219を設けていることを特徴とする無段変速装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、ベルト式無段変速機構を備えた無段変速装置、特に、農業用あるいは建設用の車輌等に適した無段変速装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来この種無段変速装置は、1組の差動ギヤ機構(遊星ギヤ機構)と、前後進切換クラッチを備え、上記1組の差動ギヤ機構で無段変速を行ない、前後進切換クラッチにより、前進、後進及び中立の切換を行い、中立運転時に前後進切換クラッチを切断する構造が基本となっている。また、中立状態(速度0)から無段変速で増速できるように、滑りクラッチを利用したり、コストの高い流体継手を利用する場合が多い。なお先行技術文献としては、特開昭63−135642号公報等がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】1組の差動ギヤ機構により無段変速を行ない、前後進切換クラッチで前後及び中立の切換を行なう構成では、変速範囲が狭く、中立から前、後進の最大速度までの広い範囲で、変速ショックのないスムーズな無段変速を行なうことはできない。また、低速時において高出力トルクを得るためには、たとえば流体継手等を設けなければならず、コストが高くなる。 【0004】 【発明の目的】本願発明の目的は、中立状態から、前進最大速度及び後進最大速度まで、広い変速範囲で無段変速が行なえ、かつ、変速ショックが生じない無段変速装置を提供することである。また、発進時あるいは低速時において、流体継手を用いることなく、高出力トルクを発生させることができるようにすることも目的の1つである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明は、第1、第2のベルト式無段変速機構21,22と、差動ギヤ機構10を備え、各ベルト式無段変速機構21,22の駆動側プーリ24,31を直接あるいは間接に入力軸1に連結し、差動ギヤ機構10のサンギヤ12、キャリヤ15又はインターナルギヤ16のうち、1つに第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25を連結し、別の1つに第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32を連結し、残りの1つに出力軸2の出力ギヤ37を連結し、各ベルト式無段変速機構21,22により差動ギヤ機構10に入力する回転速度を変更することにより、正転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転運転において中立から最大回転速度まで無段変速するようにしていることを特徴とする無段変速装置である。 【0006】請求項2記載の発明は、請求項1の無段変速装置において、第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25をサンギヤ12に連結し、第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32をキャリヤ15に連結したことを特徴とする無段変速装置である。 【0007】請求項3記載の発明は、変速用の差動ギヤ機構110と、正逆回転切換用の逆転機構109と、ベルト式無段変速機構121とを備え、差動ギヤ機構110のサンギヤ112、キャリヤ115又はインターナルギヤ116のうち、1つに中間の回転軸104及び上記逆転機構109を介して正逆回転切換自在に入力軸101を連結し、別の1つにベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125を連結し、残りの1つに出力軸102の出力ギヤ137を連結し、ベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124は上記中間の回転軸104に連結し、ベルト式無段変速機構121から差動ギヤ機構110に入力する回転速度を変更することにより、出力軸102への回転速度を無段変速するようにしていることを特徴とする無段変速装置である。 【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の無段変速装置において、ベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125から差動ギヤ機構110への入力回転部に、該回転部の回転を固定するロック用嵌脱クラッチ141を設けていることを特徴とする無段変速装置である。 【0009】請求項5記載の発明は、請求項4記載の無段変速装置において、中間の回転軸104とベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124との間の動力伝達経路に嵌脱クラッチ130を介在させていることを特徴とする無段変速装置である。 【0010】請求項6記載の発明は、請求項3〜5記載の無段変速装置において、逆転機構109として遊星ギヤ機構を備え、入力軸101を逆転機構109のサンギヤ132に、中間の回転軸104を逆転機構109のキャリヤ135に連結し、キャリヤ135及びインターナルギヤ136にそれぞれブレーキ138,139を備えていることを特徴とする無段変速装置である。 【0011】請求項7記載の発明は、差動ギヤ機構210と、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221と、後進(逆転)用無段変速機構222とを備え、差動ギヤ機構210のサンギヤ212、キャリヤ215又はインターナルギヤ216のうち、1つに入力軸201を連結し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの1つに出力軸202の出力ギヤ237を連結し、入力軸201には、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を介して前進軸204を断続自在に連結すると共に、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を介して後進軸205を断続自在に連結し、前進軸204と変速軸206とを前進(正転)用ベルト式無段変速機構221により変速自在に連結し、後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222により変速自在に連結していることを特徴とする無段変速装置である。 【0012】請求項8記載の発明は、請求項7記載の無段変速装置において、変速軸206をサンギヤ212に連結し、該サンギヤ212の回転を固定可能な最高速用嵌脱クラッチ219を設けていることを特徴とする無段変速装置である。 【0013】 【発明の実施の形態1】図1〜図4は本願請求項1及び2記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝達経路のスケルトン図を示す図1において、変速ケース内に入力軸1と出力軸2を互いに平行に備えると共に、両軸1,2間の伝達経路内に、中間の第1,第2,第3,第4の回転軸4,5,6,7を入、出力軸1,2と平行に配置し、入力軸1はエンジン等動力源に連結し、出力軸2は車輌用駆動輪等に連結している。 【0014】第1の回転軸4と第3の回転軸6とを同一軸芯上に配置し、両軸4,6間に差動ギヤ機構(遊星ギヤ機構)10を介装し、入力軸1と第1の回転軸4との間に第1のベルト式無段変速機構21を介装し、第2の回転軸5と第3の回転軸6の間に第2のベルト式無段変速機構22を介装している。 【0015】第1のベルト式無段変速機構21は、入力軸1に設けた駆動側プーリ24と、第1の回転軸4に設けた従動側プーリ25と、両プーリ24,25間に巻き掛けたV型の変速ベルト26により構成し、第2のベルト式無段変速機構22は、第2の回転軸5に設けた駆動側プーリ31と、第3の回転軸6に設けた従動側プーリ32と、両プーリ31,32間に巻き掛けたV型の変速ベルト33により構成してある。 【0016】差動ギヤ機構10は、サンギヤ12と、2段式の遊星ギヤ13,14を有するキャリヤ15と、インターナルギヤ16を備えており、サンギヤ12は第1の回転軸4に連結し、キャリヤ15は第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32に連結し、インターナルギヤ16には外周側に出力用リングギヤ17が一体に形成してある。 【0017】入力軸1と第2の回転軸5とは1対の反転用ギア28,29を介して連結しており、これにより、第2の回転軸5及び第3の回転軸6は、入力軸1と反対方向に回転するようになっている。 【0018】第4の回転軸7には前記リングギヤ17に噛合う大径ギヤ35と、終減速用の小径ヤ36が固着され、該小径ギヤ36は出力軸2の終減速用大ギヤ37に噛み合っている。 【0019】図2は図1のII-II断面に略相当する図であり、軸配列を明確に示している。第1,第3の回転軸4,6の上方に入力軸1を配置すると共に下方に出力軸2を配置し、入力軸1の側下方に第2の回転軸5を配置し、第1,第3の回転軸4,6と出力軸2間の側方に第4の回転軸7を配置している。差動ギヤ機構10の遊星ギヤ13,14は、互いに噛み合うと共に、一方の遊星ギア13はインターナルギヤ16に噛み合い、他方の遊星ギヤ14はサンギヤ12に噛み合っている。 【0020】図3は図2のIII-III断面図であり、出力軸2は左右1対備えており、両出力軸2はべベルギヤを用いた差動機構47を介して減速大ギヤ37に連結し、左右の出力軸2が差動可能となっている。 【0021】第1のベルト式無段変速機構21の駆動側プーリ24は、入力軸1に一体に形成された固定シーブ40と、同軸1に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ41からなり、可動シーブ41を移動するための作動油室42は入力軸1内の油路43及び変速ケース8の油入口44等を介して油圧コントローラ45に接続し、油圧コントローラ45は、切換弁等を有すると共に図示しない油圧経路を介して、入力軸1上の作動油ポンプ46及び油溜等に接続している。従動側プーリ25は、第1の回転軸4に一体に形成された固定シーブ48と、同軸4に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ49からなり、可動シーブ49は背面に作動油室51を備えると共にばね50により固定シーブ48側へと付勢してある。差動油室51は第1の回転軸4内の油路52及び変速ケース8の油入口53等を介して油圧コントローラ45に接続している。従動側の固定シーブ48と可動シーブ49は、前記駆動側プーリ24とは、固定側と可動側が軸方向の逆位置に配置してある。かかるベルト式無段変速機構21では、駆動側及び従動側の各作動油室42,51内の油圧をコントロールすることにより、各可動シーブ41、49を軸方向に移動し、各プーリ24、25の有効巻掛半径を変更し、それにより無段変速する。 【0022】第2のベルト式無段変速機構22の構成も第1の無段変速機構21と同様である。すなわち、第3の回転軸6上の従動側プーリ32は、同軸6に一体形成された固定シーブ55、軸方向移動可能な可動シーブ56、作動油室57及びばね60を備え、作動油室57は第3の回転軸6内の油路58及び変速ケース8の油入口59等を介して油圧コントローラ45に接続している。上記固定シーブ55は、差動ギヤ機構10のキャリヤ15と一体に形成されている。図4において、第2の回転軸5上の駆動側プーリ31は、同軸5と一体成形された固定シーブ63、軸方向移動可能な可動シーブ64及び作動油室65を備え、作動油室65は第2の回転軸5内の油路66及び変速ケース8の油入口67等を介して油圧コントローラ45に接続している。固定シーブ63には前記反転用のギヤ28が一体に形成されている。 【0023】作動を説明する。 (1)図1において、エンジン等の動力源から入力軸1に入力された動力は、第1のベルト式無段変速機構21と、反転用ギヤ28,29を介して第2のベルト式無段変速機構22とに分割される。 【0024】(2)第1のベルト式無段変速機構21により変速された動力は、差動ギヤ機構10のサンギヤ12に伝達され、一方第2のベルト式無段変速機構22により変速された動力は、キャリヤ15を介して遊星ギヤ13,14に伝達される。 【0025】(3)差動ギヤ機構10では、上記両動力が結合、変速されてインターナルギヤ16に伝達され、リングギヤ17から、ギヤ35、終減速ギヤ36,27及び差動機構47(図3)を介して左右の出力軸2へと伝達され、出力される。 【0026】(4)前記差動ギヤ機構10において、キャリヤ15の回転方向は、前記反転用ギヤ28,29によりサンギヤ12とは反対方向となっており、油圧コントローラ45により各ベルト式無段変速機構21,22の変速比を調節することにより、サンギヤ12とキャリヤ15の回転速度をそれぞれ調節する。これにより、出力軸2の回転を、矢印Fで示す前進(正転)、中立及び矢印Rで示す後進(逆転)に任意に切り換えると共に、走行速度0(中立)から、前進全速及び後進全速の全体速度範囲において、切換ショックが生じることなく、スムーズに無段変速することができる。 【0027】 【発明の実施の形態2】図5〜図8は本願請求項3〜6記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝達経路のスケルトン図を示す図5において、入力軸101と出力軸102を平行に配置し、両軸101,102の動力伝達経路中に、中間の第1,第2,第3の回転軸104,105,106を入,出力軸101,102と平行に配置し、入力軸101はエンジン等動力源に連結し、出力軸102は車輌用駆動輪等に連結している。 【0028】入力軸101と、中間の第1の回転軸104と、第3の回転軸106とを同一軸芯上に並べて配置し、入力軸101と第1の回転軸104の間に、正転、逆転及び中立に切換自在な逆転機構109を介装し、第1の回転軸104と第3の回転軸106との間には、差動ギヤ機構(遊星ギヤ機構)110を介装し、第2の回転軸105と第3の回転軸106の間にはベルト式無段変速機構121が介装してある。 【0029】前記逆転機構109は、ブレーキ138,139を備えた遊星ギヤ機構を用いており、入力軸101に一体に設けたサンギヤ132と、第1の回転軸104に一体に設けたキャリヤ135と、インターナルギヤ136とを備えており、キャリヤ135は2段式の遊星ギヤ133,134(図6)を備えている。一方の第1のブレーキ138は、キャリヤ135とインターナルギヤ136との間をロックし、第2のブレーキ139はインターナルギヤ136を変速ケース108等の静止壁にロックする機能を有している。 【0030】すなわち、第1のブレーキ138をオンにし、第2のブレーキ139をオフにすることにより、第1の回転軸104を入力軸101と同方向に回転(正転)させ、第1のブレーキ138をオフにし、第2のブレーキ139をオンにすることにより、第1の回転軸104を入力軸101と反対方向に回転(逆転)させる。また、両ブレーキ138,139を共にオフにすることにより、中立とするようになっている。 【0031】差動ギヤ機構110のサンギヤ112は第3の回転軸106と一体に形成し、キャリヤ115は第1の回転軸104と一体に形成してあり、インターナルギヤ116の外周側には出力用のリングギヤ117を一体に形成してある。キャリヤ115は図7に示すように2段式の遊星ギヤ113,114を有している。 【0032】図5に戻り、第1の回転軸104と第2の回転軸105は、1対の反転用ギヤ128,129及び嵌脱クラッチ130を介して、断続自在に連結している。 【0033】ベルト式無段変速機構121は、第2の回転軸105に設けた駆動側プーリ124と、第3の回転軸106に設けた従動側プーリ125と、両プーリ124,125間に巻き掛けたV型のベルト126から構成してある。 【0034】第3の回転軸106の端部には、サンギヤ固定用の多板式嵌脱クラッチ141を設けている。出力軸102には前記リングギヤ117に噛み合う終減速用の大ギヤ137を固着している。 【0035】図8は図5のスケルトン図と同じ切断面による縦断面図である。逆転機構109の第1,第2のブレーキ138,139は、インターナルギヤ136に形成した共通のブレーキディスク144を有しており、該ブレーキディスク144に対し、第1,第2の各ブレーキ用ピストン145,146が軸方向移動可能に配置してある。第1のブレーキ用ピストン145の背面に形成された作動油室148は、第1の回転軸104内の油路149及び変速ケース108の油入口165等を介して油圧コントローラ151に接続し、油圧コントローラ151は、切換弁等を有すると共に図示しない油圧経路を介して、入力軸1上の作動油ポンプ153及び油溜等に接続している。第2のブレーキ用ピストン146の背面に形成された作動油室155は、変速ケース108の油入口156等を介して、油圧コントローラ151に接続している。すなわち、各作動油室148,155に作動油を圧入することにより、それぞれ対向壁との間でブレーキディスク144を挟持するようになっている。 【0036】第1,第2の回転軸104,105の間に配置する嵌脱クラッチ130は、多数の回転摩擦板を有する摩擦クラッチであり、変速ケース108に回転自在に支持されたクラッチケース159内に軸方向移動可能に押圧ピストン160を備え、押圧ピストン160の背面に形成された作動油室162は、クラッチケース159内の油路164及び変速ケース108の油入口165を介して油圧コントローラ151に連通している。すなわち、作動油室162に作動油を圧入することにより、クラッチケース159側にスプライン嵌合する摩擦板と第2の回転軸105にスプライン嵌合する摩擦板とを、ピストン160とクラッチケース159の端壁との間で挟圧し、クラッチを接続するようになっている。 【0037】ベルト式無段変速機構121は、前記図1及び図3で説明したベルト式無段変速機構21と同様の構造であり、図8に示す駆動側プーリ124は、第2の回転軸105に一体に形成された固定シーブ166と、同軸105に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ167からなり、可動シーブ167の背面に形成された作動油室168は第2の回転軸105内の油路169及び変速ケース108の油入口170等を介して油圧コントローラ151に接続している。従動側プーリ125は、第3の回転軸106に一体に形成された固定シーブ172と、同軸106に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ173からなり、可動シーブ173の背面に形成された作動油室174は、第3の回転軸106の軸芯孔内に軸方向摺動自在に嵌合したスリーブ178の油路179に連通し、該油路179は変速ケース108内の油入口180を介して油圧コントローラ151に接続している。 【0038】作動油室174とスリーブ178の油路179とは、スリーブ178を軸方向に移動することにより、可動口金177を介して開閉するように構成してある。すなわち、可動口金177はパイプ181を介してスリーブ178に固定され、第3の回転軸106に形成された軸方向の摺動用溝内に軸方向移動可能に嵌合すると共に可動シーブ173のボス部の内周面に摺接しており、油路179を閉じた状態(図8の状態)からスリーブ178矢印E方向に移動することにより、油路179と作動油室174とを連通するように構成してある。スリーブ178の端部は変速ケース108内に軸方向移動可能に嵌合するラック184に連結しており、該ラック184の歯部185にはギア軸186が噛み合い、該ギヤ軸186は変速ケース108に回転自在に支持されると共に変速ケース108外に延び出し、変速レバー187を固定してある。すなわち、変速レバー187を実線で示す中立位置から仮想線で示す作動位置へ回動することにより、スリーブ178を矢印E方向に移動し、作動油室174を開くように構成してある。 【0039】サンギヤ固定用の嵌脱クラッチ141は、複数の回転摩擦板等を有する摩擦クラッチであり、変速ケース108に軸方向移動自在にスプライン嵌合した制止摩擦板と、第3の回転軸106に一体的に固定されたハブ190に軸方向移動自在にスプライン嵌合した回転摩擦板と、変速ケース108に形成された環状凹部に軸方向移動可能に嵌合する押圧ピストン191を備えており、該ピストン191の背面に形成された作動油室192は、変速ケース108内の油路193等を介して油圧コントローラ151に連通している。 【0040】作動を説明する。図5において、エンジン等の動力源から入力軸101に入る動力は、第1、第2のブレーキ138,139をオン、オフ操作することにより、正転、逆転を切り換えて第1の回転軸104に伝達され、あるいは中立により動力が遮断される。 【0041】[通常の正転運転] (1)第1ブレーキ138をオンとし、第2ブレーキ139をオフとし、嵌脱クラッチ130を接続状態、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を切断状態(非固定状態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と同じ方向に回転(正転)し、その動力は、遊星ギヤ機構110のキャリヤ115に伝達されると共に、反転用ギヤ128、129及び嵌脱クラッチ130を介して第2の回転軸105に伝達され、さらにベルト式無段変速機構121により変速され、第3の回転軸106を介して遊星ギヤ機構110のサンギヤ112にも伝達される。 【0042】(2)遊星ギヤ機構110内においては、キャリヤ115とサンギヤ112からそれぞれ入力された動力が結合し、インターナルギヤ116から外周のリングギヤ117を介して出力ギヤ137に伝達される。キャリヤ115は正転でかつ固定回転数の回転であり、一方サンギヤ112は、反転用ギヤ128,129によりキャリヤ115とは反対方向に回転すると共に、ベルト式無段変速機構121により任意の回転数に無段変速されており、これにより、出力軸102は、矢印Fで示す前進方向(正転方向)に回転し、かつ、速度0から前進最大回転速度まで、無段変速される。 【0043】[最高速の正転運転] (1)第1ブレーキ138をオンとし、第2ブレーキ139をオフとし、嵌脱クラッチ130を非接続状態、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を接続状態(固定状態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と同一方向に回転(正転)し、その動力は、遊星ギヤ機構110のキャリヤ115に伝達される。一方、嵌脱クラッチ130が非接続状態であり、かつ、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141が固定状態であることにより、サンギヤ112は固定され、回転していない。また、ベルト式無段変速機構121は遊んだ状態となっている。したがって、差動ギヤ機構110内においては、回転ロック状態のサンギヤ112に対し、キャリヤ115が正転方向に回転し、その回転は遊星ギヤ113,114により、増速してインターナルギヤ116に伝達される。すなわち、出力軸102の回転は前記通常の前進運転時の最大回転よりも高速の最高速回転となる。この時、ベルト式無段変速機構121は空転し、ベルト126にはテンションがかかっていない状態となっている。また、嵌脱クラッチ130は、第2の回転軸105側にスプライン嵌合する回転摩擦板とギヤ129側のクラッチハウジングにスプライン嵌合する摩擦板(スチールプレート)とが同方向に回転するため、引き摺り損失が発生しない。 【0044】[通常の逆転運転] (1)第1ブレーキ138をオフとし、第2ブレーキ139をオンとし、嵌脱クラッチ130を接続状態、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を非接続状態(非固定状態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と逆方向に回転(逆転)し、その動力は、遊星ギヤ機構110のキャリヤ115に伝達されると共に、反転用ギヤ128、129及び嵌脱クラッチ130を介して第2の回転軸105に伝達され、さらにベルト式無段変速機構121により変速され、第3の回転軸106を介して遊星ギヤ機構110のサンギヤ112にも伝達される。 【0045】(2)遊星ギヤ機構110内においては、キャリヤ115とサンギヤ112からそれぞれ入力された動力が結合し、インターナルギヤ116から外周のリングギヤ117を介して出力ギヤ137に伝達される。キャリヤ115は逆転でかつ固定回転であり、一方サンギヤ112は、反転用ギヤ128,129によりキャリヤ115とは反対方向に回転すると共に、ベルト式無段変速機構121により任意の回転数に無段変速されており、これにより、出力軸102は、矢印Rで示す後進方向(逆転方向)に回転し、速度0から後進最大回転速度まで、無段変速される。 【0046】[最高速の逆転運転] (1)第1ブレーキ138をオフとし、第2ブレーキ139をオンとし、嵌脱クラッチ130を非接続状態、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141を接続状態(固定状態)とする。第1の回転軸104は入力軸101と反対方向に回転(逆転)し、その動力は、遊星ギヤ機構110のキャリヤ115に伝達される。一方、嵌脱クラッチ130が非接続状態であり、かつ、サンギヤ固定用嵌脱クラッチ141が固定状態であることにより、サンギヤ112は固定され、回転していない。また、ベルト式無段変速機構126は遊んだ状態となっている。したがって、差動ギヤ機構110内においては、回転ロック状態のサンギヤ112に対し、キャリヤ115が逆転方向に回転し、その回転は遊星ギヤ113,114により、増速してインターナルギヤ116に伝達される。すなわち、出力軸102の回転は前記通常の後進運転時の最大回転よりも高速の最高速回転となる。 【0047】 【発明の実施の形態3】図9〜図13は本願請求項7及び8記載の発明を適用した無段変速装置であり、動力伝達経路のスケルトン図を示す図9において、入力軸201と、出力軸202と、前進軸204と、後進軸205と、変速軸206を互いに平行に配置し、入力軸201は原動機に連結している。 【0048】入力軸201と変速軸206とを同一軸芯上に配置すると共に両軸201,206間に差動ギヤ機構(遊星ギヤ機構)210を介装している。差動ギヤ機構210のサンギヤ212は変速軸206に結合し、遊星ギヤ213,214を有するキャリヤ215は入力軸201に結合し、インターナルギヤ216には外周側に出力用のリングギヤ217を一体に設けている。 【0049】前進軸204は前進(正転)用嵌脱クラッチ230及び前進用ギヤ229を介して、入力軸201の入力ギヤ228に断続自在に連結し、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を接続することにより前進軸204は入力軸201と反対方向に回転するようになっている。 【0050】後進軸205は、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231、後進用ギヤ232、中間アイドル軸235上の1対の増速用アイドルギヤ233,234及び前記前進用ギヤ229を介して入力ギヤ228に断続自在に連結し、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を接続することにより、後進軸205は前進用ギヤ229よりも増速された状態で、入力軸201と反対方向に回転するようになっている。 【0051】前進軸204と変速軸206の間には前進(正転)用ベルト式無段変速機構221を介装しており、該前進(正転)用ベルト式無段変速機構221は、前進軸204に設けた駆動側プーリ224と、変速軸206に設けた従動側プーリ225と、両プーリ224,225間に巻き掛けたV型のベルト226から構成してある。 【0052】後進軸205と変速軸206との間には後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222を介装しており、該後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222は、後進軸205に設けた駆動側プーリ241と、変速軸軸206に設けた従動側プーリ242と、両プーリ241,242間に巻き掛けたV型のベルト243から構成してある。 【0053】変速軸206の端部には、サンギヤ212をロックすることができる最高速用嵌脱クラッチ219を設けている。 【0054】出力軸202には前記差動ギヤ機構210のリングギヤ217に噛合う終減速用の減速大ギヤ237を固着している。 【0055】図10は図9を矢印X方向に見た略図であり、軸配列を明確に示している。入力軸201の上方に中間アイドル軸235を配置し、該中間アイドル軸235の左右側下方に前,後進軸204,205を配置し、入力軸201の下方に出力軸202を配置している。 【0056】図13は、図10のXIII-XIII断面拡大図であり、中間アイドル軸235には、作動油ポンプ260が設けられている。 【0057】図11は、図10のXI-XI断面拡大図であり、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221の駆動側プーリ224は、前進軸204に一体に形成された固定シーブ250と、同軸204に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ251からなり、可動シーブ251の作動油室252は前進軸204内の油路253及び変速ケース208の油入口254等を介して油圧コントローラ255に接続し、油圧コントローラ255は、切換弁等を有すると共に図示しない油圧経路を介して前記作動油ポンプ260(図13)及び油溜等に接続している。従動側プーリ225は、変速軸206に一体に形成された固定シーブ261と、同軸206に軸方向移動可能に嵌合する可動シーブ262からなり、可動シーブ262の作動油室263は変速軸206内の油路264及び変速ケース8の油入口265等を介して油圧コントローラ255に接続している。従動側の固定シーブ261と可動シーブ262は、前記駆動側プーリ224とは、固定側と可動側が軸方向の逆に配置してある。かかるベルト式無段変速機構221では、駆動側及び従動側の各作動油室252,263内の油圧をコントロールすることにより、各可動シーブ251、262を軸方向に移動し、各プーリ224、225の有効巻掛半径を変更し、それにより無段変速する。 【0058】前進(正転)用嵌脱クラッチ230は多板式の摩擦クラッチであり、押圧ピストン257を軸方向に作動させる作動油室258は、前進軸204内の油路259及び変速ケース208の油入口260等を介して油圧コントローラ255に接続している。 【0059】最高速用嵌脱クラッチ219も多板式の摩擦クラッチであり、押圧ピストン244は変速ケース208内に配置され、作動油室245は変速ケース208内の油路246等を介して油圧コントローラ255に接続している。 【0060】図12は、図10のXII-XII断面拡大図であり、後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222の構成も前進(正転)用無段変速機構221と同様であり、駆動側プーリ241は、固定シーブ273、可動シーブ274及び作動油室275を備え、作動油室275は後進軸205内の油路276及び変速ケース208の油入口277等を介して油圧コントローラ255に接続している。従動側プーリ242は、固定シーブ280、可動シーブ281及び図11に示す作動油室282を備え、作動油室282は変速軸206内の環状油路283及び変速ケース208の油入口284等を介して油圧コントローラ255に接続している。 【0061】後進(逆転)用嵌脱クラッチ231も多板式の摩擦クラッチであり、押圧ピストン266を軸方向に作動させる作動油室267は、後進軸205内の油路268及び変速ケース208の油入口269等を介して油圧コントローラ255に接続している。 【0062】作動を説明する。 [前進(正転)時]図9において、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を接続し、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を切断し、最高速用クラッチ219を切断しておく。動力源から入力軸201に入力された動力の一部は、入力ギヤ228から前進用ギヤ229、前進(正転)用嵌脱クラッチ230及び前進軸204を介して前進(正転)用ベルト式無段変速機構221に伝達され、同機構221により変速されて変速軸206から差動ギヤ機構210のサンギヤ212に伝達される。一方、入力軸201の他の動力は差動ギヤ機構210のキャリヤ215に伝達され、遊星ギヤ214を介して前記サンギヤ212の動力と合流し、遊星ギヤ213、インターナルギヤ216及びリングギヤ217を介して出力軸202へと伝達され、出力軸202を前進回転(正転)F方向へと回転する。 【0063】前進(正転)用ベルト式無段変速機構221でサンギヤ212の回転速度を調節することにより、出力軸202の回転速度を、0(中立)から前進(正転)最大速度まで無段変速する。 【0064】[後進(逆転)時]図9において、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を切断し、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を接続し、最高速用クラッチ219を切断しておく。動力源から入力軸201に入力された動力の一部は、入力ギヤ228から前進用ギヤ229、中間アイドルギヤ234、中間アイドル軸235、中間アイドルギヤ234,後進用ギヤ232、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231及び後進軸205を介して後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222に伝達され、同機構222により変速(増速)されて変速軸206から差動ギヤ機構210のサンギヤ212に伝達される。一方、入力軸201の他の動力は差動ギヤ機構210のキャリヤ215に伝達され、遊星ギヤ214を介して前記サンギヤ212の動力と合流し、遊星ギヤ213、インターナルギヤ216及びリングギヤ237を介して出力軸202へと伝達され、出力軸202を後進回転(逆転)R方向へと回転する。 【0065】後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222でサンギヤ212の回転速度を変速することにより、出力軸202の回転速度を、0(中立)から後進(逆転)最大速度まで無段変速する。 【0066】[最高速前進]図9において、前進(正転)用嵌脱クラッチ230及び後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を共に切断し、最高速用嵌脱クラッチ219を接続し、両ベルト式無段変速機構221,222は遊ばせた状態、すなわちベルト226,243にテンションがかからない状態としておく。動力源から入力軸201に入力された動力は、差動ギヤ機構210のキャリヤ215に伝達される。差動ギヤ機構210では、サンギヤ212が最高速用嵌脱クラッチ219によりロックされているため、前記キャリヤ215に伝達された動力は遊星ギヤ214,213、インターナルギヤ216及びリングギヤ217を介して出力軸202へと伝達され、出力軸202を前進回転F方向へと回転する。この場合、前記通常の前進最大速度よりも高い最高回転速度(固定速度)となる。 【0067】 【その他の実施の形態】(1)前述の各実施の形態において、差動ギヤ機構として、サンギヤとインターナルギヤとの間に、1段の遊星ギヤを配置した形式のものを採用することも可能である。 【0068】(2)前述の各差動ギヤ機構は、いずれもキャリヤとサンギヤに入力する形式であるが、サンギヤ、キャリヤ及びインターナルギヤの3つの構成要素のうち、任意の2つを選択して入力することも可能である。 【0069】 【発明の効果】(1)本願請求項1記載の発明は、2組のベルト式無段変速機構21,22と、差動ギヤ機構10を備え、各ベルト式無段変速機構21,22により差動ギヤ機構10に入力する回転速度を変更することにより、正転、逆転及び中立の切換を行なうと共に、正転及び逆転運転において中立から最大回転速度まで無段変速するようにしているので、従来のベルト式無段変速機構を1組備えている無段変速装置に比べ、停止(中立)から正転及び逆転の最大速度まで、切換ショックのないスムーズな無段変速が行なえると共に、変速範囲を広くとることができる。また発進時あるいは低速時に、流体継手を用いることなく高出力トルクを発生させることができ、安価に無段変速装置を提供することができる。 【0070】(2)請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1のベルト式無段変速機構21の従動側プーリ25をサンギヤ12に連結し、第2のベルト式無段変速機構22の従動側プーリ32をキャリヤ15に連結しているので、差動ギヤ機構10を径方向にコンパクトにまとめることができる。 【0071】(3)請求項3記載の発明は、変速用の差動ギヤ機構110と、正逆回転切換用の逆転機構109と、ベルト式無段変速機構121とを備え、逆転機構109により正転又は逆転に切り換えた回転動力を、中間の回転軸104を介して差動ギヤ機構110に入力すると共に、ベルト式無段変速機構121を介して回転速度変更可能に差動ギヤ機構110に入力し、ベルト式無段変速機構121により回転速度を変更することにより、出力軸102への回転速度を無段変速するようにしているので、従来のベルト式無段変速機構を1組備えている無段変速装置に比べ、停止(中立)から正転及び逆転の最大速度まで広い変速範囲で無段変速できると共に、発進時あるいは低速時に、流体継手を用いることなく高出力トルクを発生させることができ、安価に無段変速装置を提供することができる。 【0072】(4)請求項4は、請求項3記載の無段変速装置において、ベルト式無段変速機構121の従動側プーリ125から差動ギヤ機構110への入力回転部、たとえばサンギヤ112に、これの回転を固定するロック用嵌脱クラッチ141を設けているので、より高速域まで変速範囲を広げることができる。 【0073】(5)請求項5記載は、請求項4記載の無段変速装置において、中間の回転軸104とベルト式無段変速機構121の駆動側プーリ124との間の動力伝達経路に嵌脱クラッチ130を介在させているので、上記ロック用嵌脱クラッチ141によりサンギヤ112をロックして最高速で運転している場合に、嵌脱クラッチ141を切断して、ベルト126を滑らせることにより、ベルト126の寿命(耐久性)を延ばすことができる。 【0074】(6)請求項6記載の発明は、請求項3〜5記載の無段変速装置において、逆転機構109として遊星ギヤ機構を備えていると、切換ショックが生じることなく、正転、逆転及び中立に切り換えることができる。 【0075】(7)請求項7記載の発明は、差動ギヤ機構210と、前進(正転)用ベルト式無段変速機構221と、後進(逆転)用無段変速機構222とを備え、差動ギヤ機構210のサンギヤ22、キャリヤ215又はインターナルギヤ216のうち、1つに入力軸201を連結し、別の1つに変速軸206を連結し、残りの1つに出力軸202の出力ギヤ237を連結し、入力軸201には、前進(正転)用嵌脱クラッチ230を介して前進軸204を断続自在に連結すると共に、後進(逆転)用嵌脱クラッチ231を介して後進軸205を断続自在に連結し、前進軸204と変速軸206とを前進(正転)用ベルト式無段変速機構221により変速自在に連結し、後進軸205と変速軸206とを、後進(逆転)用ベルト式無段変速機構222により変速自在に連結しているので、従来のベルト式無段変速機構を1組備えている無段変速装置に比べ、停止(中立)から正転及び逆転の最大速度まで広い変速範囲で無段変速できると共に、発進時あるいは低速時に、流体継手を用いることなく高出力トルクを発生させることができ、安価に無段変速装置を提供することができる。 【0076】(8)請求項8記載の発明は、請求項7記載の無段変速装置において、変速軸206をサンギヤ212に連結し、該サンギヤ212の回転を固定可能な最高速用嵌脱クラッチ219を設けているので、より高速域まで変速範囲を広げることができると共に、最高速で運転している場合に、嵌脱クラッチ230,231切断して、ベルト126を滑らせることにより、ベルト226,243の寿命(耐久性)を延ばすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月3日(1999.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−74113(P2001−74113A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−249870 |
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