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【発明の名称】 回転機械用の駆動装置及びこの駆動装置を備えた生ごみ処理機
【発明者】 【氏名】峯嶋 靖

【氏名】重見 貴夫

【要約】 【課題】回転機械用の駆動装置において、現在汎用されている駆動装置との互換性を維持しつつ、出力軸方向寸法を短縮するとともに、この駆動装置を生ごみ処理機に適用して、同処理機を小型化する。

【解決手段】モータ42と、このモータ42のモータ軸42Aの回転を出力軸52に伝達する変速機44と、この変速機44を収容可能な歯車箱46と、を組み合わせてなる回転機械用の駆動装置40において、モータ軸42Aを、出力軸52と垂直に配設し、出力軸52方向の寸法の短縮化を図る。更に、自らを相手機械に取り付けるためのボルト孔54を、出力軸52と垂直な平面上における仮想正方形56の頂点位置において、出力軸52と平行に歯車箱46に形成すると共に、出力軸52の軸心が仮想正方形56の中心からずれた位置であって、且つ隣り合う一対の頂点から等距離の位置になるように、この出力軸52を配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】モータと、該モータのモータ軸の回転を出力軸に伝達する変速機と、該変速機を収容可能な歯車箱と、を組み合わせてなる回転機械用の駆動装置において、前記モータ軸を、前記出力軸と垂直に配設し、前記駆動装置を相手機械に取り付けるためのボルト孔を、前記出力軸と垂直な平面上における仮想正方形の頂点位置において、前記出力軸と平行に前記歯車箱に形成すると共に、前記出力軸の軸心が前記仮想正方形の中心からずれた位置であって、且つ隣り合う一対の頂点から等距離の位置になるように、前記出力軸を配設したことを特徴とする回転機械用の駆動装置。
【請求項2】請求項1において、前記歯車箱における、前記出力軸に平行で且つ該出力軸に最も近い面に、該歯車箱の内部空間を拡張可能な突出部を設け、該突出部の内部に、前記出力軸と一体的に回転する出力軸ギヤの一部を収容した、ことを特徴とする回転機械用の駆動装置。
【請求項3】生ごみと発酵促進剤を受容可能な発酵層と、前記発酵層内に配置される回動自在のシャフト部材であって、外周面に撹拌羽根を備えて前記生ごみ及び発酵促進剤を撹拌可能な撹拌シャフトと、前記撹拌シャフトに自身の出力軸が連結される、請求項1又は2のいずれかに記載の回転機械用の駆動装置と、を備えたことを特徴とする生ごみ処理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータと、該モータ軸に連結されると共に、前記モータの動力を伝達する変速機と、該変速機を収容する歯車箱とが一体化されてなる回転機械用の駆動装置、及び、この駆動装置を用いた、一般家庭等から排出される生ごみを発酵させて分解処理する生ごみ処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平7−290032号公報及び特開平10−5729号公報には、一般家庭等から排出される生ごみを発酵促進剤の働きを利用して発酵させ、分解処理する生ごみ処理機が共に開示されている。
【0003】これらの生ごみ処理機は、一般的には、生ごみと発酵促進剤(有機物分解菌、水等)を受容可能な発酵槽と、この発酵槽内に設けられ、外周面に半径方向外側に向かって取付けた撹拌羽根によって前記生ごみ及び発酵促進剤を撹拌可能な回転自在の撹拌シャフトと、この撹拌シャフトを回転駆動する駆動装置とを備える。
【0004】この生ごみ処理機は、発酵槽に生ごみ、発酵促進剤、水等を投入し、所定の加熱や換気等を行いながら前記撹拌羽根によって生ごみ等を撹拌し、この生ごみの発酵を促進させて最終的に堆肥化するものである。
【0005】特開平7−290032号公報にて開示される生ごみ処理機の駆動装置は、発酵槽の外周面に固定されたモータの回転力を、このモータのモータ軸に設けられたピニオン、前記発酵槽の外周面に設けられた中間ギヤ及び前記撹拌シャフトの軸端に固定されたギヤ等からなる減速ギヤ列によって伝達する。
【0006】又、特開平10−5729号公報にて示される生ごみ処理機の駆動装置は、発酵槽の外側に別途の固定手段によってモータを設置し、このモータの回転力を、スプロケット及びチェーンを介して撹拌シャフトに伝達する。
【0007】しかしながら、上記の駆動装置は、減速ギヤ列やチェーン等のために広い取付スペースが必要となる結果、生ごみ処理機の小型化が困難であった。又、チェーンや減速ギヤ列が直接露出する構造であったため安全上好ましいものではなく、これを回避するには別途カバーを取り付ける必要があった。
【0008】これらの問題を解決するものとして、図13に示される、特開平7−136620号公報に開示されている生ごみ処理機1が存在する。
【0009】この生ごみ処理機1は、その本体(被駆動装置:駆動装置から見れば相手機械)として、前述した処理機と同様に、生ごみと発酵促進剤(図示省略)を受容可能な発酵槽2と、前記発酵槽2内に配置される回動自在のシャフト部材であって、外周面に略放射状に設けられる撹拌ばね4によって前記生ごみ及び発酵促進剤を撹拌可能な撹拌シャフト6と、を備える。
【0010】この撹拌シャフト6に同軸的に連結される駆動装置8は、図14及び図15に示されるように、モータ10と、該モータ10のモータ軸10Aに連結されて該モータ軸10Aの回転を第1及び第2中間軸18、20を介して出力軸16に伝達可能な変速機12(一部図示省略)と、を一体的に組み合わせた構成とされている。
【0011】前記変速機12の歯車箱14には、この駆動装置を相手機械に取り付けるためのボルト孔34が、前記出力軸16と垂直な平面14Aにおける仮想正方形14Bの頂点位置において該歯車箱14を貫通して形成されている。又、前記モータ10のモータ軸10Aと出力軸16とは平行になっている。
【0012】前記出力軸16の軸心は、前記仮想正方形14Bの中心からずれた状態で配置されており、更に具体的には、隣り合う一組のボルト孔34(仮想正方形14Bの隣り合う一組の頂点)から等距離となる位置に配置されている。
【0013】一方、前記発酵槽2には、前記ボルト孔34に対応するボルト孔2Bと、前記出力軸16と同位置にて前記撹拌シャフト6が貫通可能な撹拌シャフト貫通孔2Aとが形成されている。
【0014】前記変速機12は、図15に示されるように、前記出力軸16と平行になるように前記第1中間軸18及び第2中間軸20を備える3段減速構造であり、更に、前記モータ軸10Aに一体的に形成されるヘリカルピニオン22と、前記第1中間軸18に固定されて前記ヘリカルピニオン22と噛合可能な第1ヘリカルギヤ24と、前記第1中間軸に固定された第1ピニオン26と、前記第2中間軸20に固定され前記第1ピニオン26と噛合可能な第2ギヤ28と、前記第2中間軸20に固定される第2ピニオン30と、前記出力軸16に固定されて前記第2ピニオン30と噛合可能な出力軸ギヤ32と、を備え、可能な限りコンパクトになるように構成されている。なお、図15では3段変速構造を示したが、一般的には、2段から6段減速構造のものが知られている。
【0015】前記駆動装置8は、上記のような構成とされていることから以下のようなメリットがある。
【0016】A)駆動装置8を相手機械に取り付けるためのボルト孔34が、仮想正方形14Bの頂点位置において形成されているため、このボルト孔34に対応させて相手機械側の取付ボルト孔2Bも(いたってシンプルな)仮想正方形の頂点位置に形成すればよく、長方形や正五角形、正六角形等の各頂点位置に形成する場合と比較して、4つのボルト孔2B相互の配置ミスが防止される。
【0017】B)相手機械側の被駆動軸(例えば撹拌シャフト6等)の設置位置が、上記の相手機械側の4つのボルト孔2Bのうちの隣り合う1組のボルト孔から等距離となる位置に設定すればよいため、被駆動軸の位置に対する4つのボルト孔2Bの相対位置がずれてしまうミスが低減される。即ち、駆動装置8の歯車箱14においては、ボルト孔34と出力軸16の配置が、仮想正方形14Bの隣り合う1組の頂点に対する垂直二等分線を基準として線対称になっているため、上記被駆動軸を含めた相手機械側の取付ボルト孔2Bの寸法取りが容易となる。
【0018】このA)、B)のメリットは、相対機械側に駆動装置8を後から取り付けるために、該相手機械側のボルト孔2Bを現場で加工する際に特に有効なメリットとなる。
【0019】C)歯車箱14における出力軸16が突出する前記平面14A(取付面)において、この駆動装置8を本体(相手機械)に直接且つ簡易に固定することが可能となる。
【0020】D)駆動装置8において、変速機12が前記歯車箱14によって覆われているので、前記特開平7−290032号、特開平10−5729号公報にて開示されたもの(露出構造であるもの)と比較して、安全面に優れる。
【0021】生ごみ処理機においては、前記撹拌シャフト6が生ごみ等を十分に撹拌するためには相当の回転トルクを必要とし、又、家庭用の生ごみ処理機等においては安全面に重点が置かれることもあり、上記メリットより前記駆動装置8が広く用いられるようになっている。
【0022】又、上記のような取付用の平面14Aを備えた駆動装置8は大変多くのメリットがあることから、現在では生ごみ処理機以外の分野でも広く用いられるようになり、複数のメーカーからこの駆動装置8と同一の取合い寸法(取付用のボルト孔34と出力軸16の位置及び大きさが同一)のものが結果として数多く販売される状況となり、事実上のスタンダードの1つとなっている。
【0023】そのため、本体(相手機械側)も予めこれに合わせた取合い寸法とされていることが多い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記駆動装置8は出力軸16とモータ軸10Aが同方向(同軸)に配置されることから、図13に示されるように、駆動装置8を含めた撹拌シャフト6の軸方向寸法が大きくなるという問題があった。従って、発酵槽2の大きさに比べ生ごみ処理機1全体が大きくなってしまい、家庭用生ごみ処理機等における省スペース化の要請に反するものであった。
【0025】又、取付面(平面14A)から片持ち状態で駆動装置全体が大きく突出するため、(使用者が加重をかけたときなどに)取付部に過負荷が生じ易く、その分取付部の剛性を高めておく必要があった。
【0026】一方、上記のように駆動装置8が事実上のスタンダードの1つになっていることから、既に前記撹拌シャフト貫通孔2Aや前記ボルト孔2Bが形成されている発酵槽2や、撹拌シャフト6について、何等設計変更することなく、そのまま用いたいという要請があり、又、これはごみ処理機の分野に限らず、多くの産業分野においても同様なニーズがある。
【0027】特に、近年あらゆる産業分野においてモジュール化(部品メーカが、各部品をある程度完成させた状態でアセンブリ業者に納入する状況)が趨勢となっている。このような状況においては、被駆動装置(相手機械)側の各モジュール(例えば、生ゴミ処理機1における発酵槽2及び撹拌シャフト6が既に組み立てられているもの)の製造業者は、事実上のスタンダードとなっている取合い寸法を予め準備するのが通常である。従って、このモジュールを購入してアセンブリを行う業者は、上記の従来の駆動装置8を用いる以外に選択肢がない状況であった。
【0028】結果として、この駆動装置8を用いる多くの産業分野において、この駆動装置8を含む回転機械が大型化してしまい、製造コスト等の経済的損失は多大なものと考えられる。
【0029】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多くの産業分野において広く汎用されている回転機械用の駆動装置との完全なる互換性を維持しつつ、出力軸方向の大きさが短縮化された回転機械用の駆動装置を提供することで、事実上のスタンダードの1つとなっている被駆動装置(相手機械)の取合い寸法に対して適用可能な駆動装置の選択肢を増やし、この駆動装置を含む回転機械全体のコンパクト化及び低コスト化を図ることを目的とする。
【0030】又、生ゴミ処理機の分野においても、この駆動装置を用いることで、生ゴミ処理機のコンパクト化及び低コスト化を図ることを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、モータと、該モータのモータ軸の回転を出力軸に伝達する変速機と、該変速機を収容可能な歯車箱と、を組み合わせてなる回転機械用の駆動装置において、前記モータ軸を、前記出力軸と垂直に配設し、前記駆動装置を相手機械に取り付けるためのボルト孔を、前記出力軸と垂直な平面上における仮想正方形の頂点位置において、前記出力軸と平行に前記歯車箱に形成すると共に、前記出力軸の軸心が前記仮想正方形の中心からずれた位置であって、且つ隣り合う一対の頂点から等距離の位置になるように、前記出力軸を配設したことを特徴とする回転機械用の駆動装置により、上記目的を達成したものである。
【0032】又、前記歯車箱における、前記出力軸に平行で且つ該出力軸に最も近い面に、該歯車箱の内部空間を拡張可能な突出部を設け、該突出部の内部に、前記出力軸と一体的に回転する出力軸ギヤの一部を収容するようにしても良い(請求項2)。
【0033】請求項3に記載される発明は、生ごみと発酵促進剤を受容可能な発酵層と、前記発酵層内に配置される回動自在のシャフト部材であって、外周面に撹拌羽根を備えて前記生ごみ及び発酵促進剤を撹拌可能な撹拌シャフトと、前記撹拌シャフトに自身の出力軸が連結される、請求項1又は2のいずれかに記載の回転機械用の駆動装置と、を備えたことを特徴とする生ごみ処理機により、上記目的を達成するものである。
【0034】請求項1に記載の発明によれば、前記モータのモータ軸を出力軸と垂直に配設するようにしたため、一般にモータの軸方向に長くなる駆動装置を相手機械の外壁に沿うようにして組み付けることができるようになり、相手機械を含めた装置の全体形状をそれだけコンパクト化することができる。
【0035】また、この構成により、取り付け面から片持ち状態で突出する駆動装置の当該突出寸法を短縮できるため、例えば駆動装置に人による外力が加わったような場合でも取り付け部に過負荷が発生するのを防止できる。
【0036】ところで出力軸方向の寸法を短縮する目的で出力軸とモータ軸とを直交させるようにした駆動装置は、これ自体としては従来公知である(後述)と考えられる。
【0037】しかしながら、本発明は単に出力軸とモータ軸を直交させるものではない。即ち、本発明者は日頃の努力により、広く汎用されスタンダードの1つとなっている回転機械用の駆動装置が、出力軸方向に大きいサイズのものであることを知得し、一方、この事実上のスタンダード化に伴い上記駆動装置を使用しなければならない(他に選択肢がない)製造業者、アセンブリ業者等は、この駆動装置を採用して回転機械全体を大形化せざるを得ない状況にあることに着目した。
【0038】本発明は、これらの点を考慮し、このスタンダード化による一種の弊害を打開するものとして、広く汎用化されている従来の駆動装置の取合い寸法を維持しつつ、出力軸とモータ軸とを直交させるように配置したものである。
【0039】この結果、本体(相手機械)側については全く設計変更を施すことなく、しかも、何らのアダプタをも必要とすることなく、そのまま従来の平行軸駆動装置を本発明に係る直交駆動装置に置き替えることが可能となる。この事実上のスタンダードの1つとなっている取合い寸法を維持しつつ、新たな駆動装置を提供することは、多くの産業分野において多大なる経済的メリットを提供するものと考えられる。
【0040】なお、ここでいう「アダプタ」とは、この種の駆動装置を取り付けるための相手機械側の取り付けボルト孔及び出力軸の位置と駆動装置側のそれらとが一致しない場合に、「新たに用意する別部材」を指す。即ち製造上の理由により相手機械側において取付面強度を高くするため等の理由で元々取り付けられている部材については、たとえ部品として当初別部材であってもここでの「アダプタ」の概念には含まれない。
【0041】又、請求項2に記載の発明のように、歯車箱に設けられた突出部の内部に、出力軸と一体回転する出力軸ギヤの一部を収容するようにすれば、更に大きなピッチ円直径となる出力軸ギヤを採用することが可能となり、大きな減速比に対応することができる。
【0042】ところで、本発明においては変速機の減速態様(1段減速、2段減速等)は特に限定しない。これは相手機械側の減速比の要求に応じて、適宜選択してよい。
【0043】しかし、従来汎用されている駆動装置との「取付互換性」を維持しながら、例えば2段減速態様以上を実現するのは必ずしも容易ではない。これについては本発明者等は、2段減速態様以上の場合、出力軸と平行な中間軸を用い、モータ軸を含み出力軸と平行な平面が出力軸とこの中間軸との間に位置するように、前記モータ軸を配置するようにすれば、歯車箱の内部空間を有効に活用することができ、上記の取付互換性を維持しつつ、更に高い減速比の要求にも柔軟に対応可能となることを確認している。
【0044】なお、出力軸と平行に中間軸を位置決めするとよいのは、この部分については従来の構成部品をそのまま流用して、駆動装置の製造コストの上昇を抑えることができるためである。
【0045】また、本発明に係る駆動装置の用途は生ゴミ処理機の用途に限定されない。
【0046】なお、出力軸方向の寸法を短縮する目的のみでモーター軸と出力軸とを直交させるようにした駆動装置には、図16に示すようなものが提案されている。この駆動装置36はモータ10のモータ軸10Aの回転を第1、第2中間軸18、20を介して出力軸16に伝達するものであって、基本的な減速構造としては本発明にかかる駆動装置と類似している。しかしながら、本発明の課題とは別の次元で開発されたものであるため、該駆動装置36を相手機械に取り付けるためのボルト孔34に対して、構造上その出力軸16を特殊な位置に配置しており、このままでは互換性の維持という本発明の目的を達成することはできない。
【0047】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0048】図1、図2及び図3に、本発明の第1実施形態に係る回転機械用の駆動装置40を示す。
【0049】この駆動装置40は、モータ42と、該モータ42のモータ軸42Aの回転を、第1、第2中間軸48、50を介して出力軸52に伝達する変速機44と(図1においては図示省略)が一体的に組み合わされて構成されている。
【0050】前記変速機44は、図2及び図3に示されるように、前記第1中間軸48、第2中間軸50及び出力軸52が歯車箱46の内部に回転自在に支持・収容されている。
【0051】前記モータ42のモータ軸42Aは出力軸52と垂直となるように配置されており、又、前記第1中間軸48及び第2中間軸50は、前記出力軸52と平行になるように配置されている。
【0052】前記歯車箱46を相手機械(図示省略:例えば後述する生ごみ処理機80)に取り付けるための、前記出力軸52と同方向の4つのボルト孔54が、該出力軸52と垂直となる平面(取付面)46Bにおける仮想正方形56の4つの頂点に位置するように歯車箱46を貫通して該歯車箱46の外周付近に形成されている。又、出力軸52の軸心は、前記仮想正方形56の中心からずれた位置、且つ隣り合う一組の頂点から等距離L1の位置に配置されている。
【0053】この仮想正方形56は従来の仮想正方形14Bと同一の大きさであり、出力軸52の仮想正方形56の中心からのずれも従来のそれと同一である。更にボルト孔54の径、出力軸52の径も従来のそれと同一とされ、相手機械との取合い寸法に関し、完全互換性を維持している。
【0054】この構造を実現するために、この実施形態では、前記モータ軸42Aを含む平面(図示の例では前記モータ軸42Aの軸線方向Lを含む水平面)に対してその一方側(図示の例では上側)に前記出力軸52を配置し、且つ、反対側(同下側)に前記第1中間軸48及び第2中間軸50の双方を配置するようにしている。
【0055】なお、前記第1中間軸及び第2中間軸の各軸心は前記出力軸52に対して等距離となる位置に設定され、更に、第1中間軸48と第2中間軸50の各軸心を結んだ直線は、前記モータ軸42Aの軸線方向Lと平行とされている。
【0056】前記変速機44の減速構成を具体的に説明すると、この変速機44は、モータ軸42Aに一体的に形成されるハイポイドピニオン60と、第1中間軸48に固定されてハイポイドピニオン60と噛合可能なハイポイドギヤ62と、第1中間軸に固定される第1ピニオン64と、第2中間軸50に固定されて第1ピニオン64と噛合可能な第2ギヤ66と、第2中間軸50に固定される第2ピニオン68と、出力軸52に固定されて第2ピニオン68に噛合可能な出力軸ギヤ70と、を備える。なお、前記ハイポイドギヤ62と前記第2ギヤ66の外径は略同一とすることが好ましい。
【0057】歯車箱46は、変速機44を内部に収容すると共に、出力軸52の軸端側には開口46Aを有しており、該出力軸52が開口46Aを貫通して外側に突出可能とされている。又、この開口46Aが形成される歯車箱46の凹部46Dは、該出力軸52がホローシャフト型(後述)である場合に相手機械の凸部と係合させたり、又、カバーを取付けたりする際に用いられる。この凹部46Dの底面と平行になる前記歯車箱46の平面は、相手機械(被駆動装置)にこの駆動装置40を固定する取付面46Bを提供することになる。
【0058】なお、出力軸52には、軸方向にキー溝52Aが形成され、平行キー等を挿入可能とされている。
【0059】駆動装置40は、前記取付面46Bによって直接被駆動装置(相手機械)に固定される。従って、この取付面46Bに生じる反力回転モーメントを利用することで、モータ42の動力を、各ギヤを介して前記第1中間軸48、第2中間軸50、出力軸52の順に伝達し、この出力軸52に連結される回転体(例えば後述する撹拌シャフト84)を回転させることができる。
【0060】この駆動装置40によれば、モータ42を、そのモータ軸42Aと出力軸52とが直交するように配置するため、駆動装置40全体の前記出力軸52方向寸法を小さくする事が可能となる。
【0061】又、前記モータ軸42Aの軸線方向Lを含み出力軸及び中間軸と平行な平面に対して、前記第1中間軸48及び前記第2中間軸50は同一側にずれて配置され、且つ、前記出力軸52は反対側にずれて配置されているため、前記歯車箱44内部において、前記出力軸52の設置空間を広くすることが可能となる。即ち、出力軸52の設置位置の決定に当って前記第1中間軸48及び前記第2中間軸50が邪魔にならない。
【0062】これは、結果として前記歯車箱44のコンパクト化につながり、直交変速機でありながら従来と同一のボルト孔位置を維持して、従来の駆動装置に対する完全な互換性を達成することを可能としている。この完全な互換性が達成される結果、従来の駆動装置を用いていた多くの産業分野において被駆動装置側(相手機械側)について何等設計変更を行うことなく、この駆動装置40を用いることができ、この駆動装置40を含む回転機械全体のコンパクト化が図られ、あらゆる面(製造コスト、商品性、輸送費等)における経済的メリットを得ることが出来る。
【0063】又、本第1実施形態のように、中間軸を2本配置する3段減速態様の場合には、第1中間軸48と第2中間軸50との丁度中間に前記出力軸52を配置する事ができ、少ないスペースを有効に利用して前記変速機44が構成される。特に、ハイポイドギヤ62と第2ギヤ66を出力軸方向から見た場合の、これらのギヤが重なり合って形成される凹状空間72に出力軸52を配置する事で、歯車箱46のモータ軸42Aの直交方向サイズ(図2では上下方向サイズ)を大幅に小さくする事が可能となる。この結果、従来の出力軸16とモータ軸10Aが平行に配置される前記駆動装置8における歯車箱14と同様に、この駆動装置40も、前記モータ軸42A方向に隣り合う一対の前記ボルト孔54から等距離となる位置に前記出力軸52を配置することが出来る。
【0064】なお、中間軸が1本配置される2段減速態様においても、上記と同様にモータ軸を含み出力軸及び中間軸と平行な平面に対して、一方側に出力軸を配置し他方(反対側)に中間軸を配置すれば、歯車箱の内部空間を有効利用されるので、所望の減速比を維持しつつ従来の駆動装置に対する完全な取付互換性を達成することが出来る。
【0065】なお、本第1実施形態に係る駆動装置40においては、第1中間軸48を介して(第2中間軸50を経ずに)モータ軸42Aの回転を直接出力軸52に伝達するようにしても構わない。更に、モータ軸42Aが、中間軸を介さずに直接出力軸を駆動するようにしてもよい。
【0066】なお、歯車箱46の前記モータ軸42Aを含む水平面と平行となる平面(図2では上側面)には、前記出力軸52の軸心を基準とした円弧状の突出部46Cが設けられている。この突出部46Cは、出力軸ギヤ70のピッチ円直径を可能な限り大きくすることができるように、この出力軸ギヤ70の収容空間を広げるためのものである。即ち、「円弧状」の突起としたのは、歯車箱46の内部空間を円弧状に拡張することに意味があり、実際の外部から見た形状は問題とならない。
【0067】これにより、出力軸ギヤ70は、前記ボルト孔54に干渉しない範囲の限界まで大きなピッチ円直径のものを採用することができるため、大きな減速比が要求される場合にも中間軸を増やすことなく対応が可能となり、更に、中間軸を用いない1段減速態様であっても、高い減速比を達成することが可能となる。
【0068】この駆動装置40は、特に、出力軸52が略水平方向となるように被駆動装置(相手機械:例えばごみ処理機の発酵槽)に取付ける場合に有利である。
【0069】この理由としては、この駆動装置40は、出力軸52方向寸法が短縮されているため、特に重量の大きいモータ42が相手機械に密着した状態で被駆動装置に設置される。従って、従来のように相手機械に対してモータが外側に大きく突出する駆動装置と比較して、相手機械の取付部に生じる加重負荷、即ち、この駆動装置40の自重により生じるモーメント作用による負荷が大幅に低減するからである。
【0070】従って、相手機械の取付部も従来のように高強度にする必要がなく、相手機械を含めた全体としてコストダウンを図ることができる。
【0071】次に、図4から図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る回転機械用の駆動装置74について説明する。
【0072】この駆動装置74は、前記第2実施形態に係る駆動装置40において示した中実の出力軸52に代えて、中空状のホローシャフト型軸部材によって出力軸76を構成したものであり、更に、歯車箱78の出力軸76方向に対向する両側壁には、この出力軸76の両端が貫通可能な開口78Aがそれぞれ形成されている。
【0073】なお、この駆動装置74のその他の構成及び作用については、既に述べた駆動装置40と略同様であるため、同一部分には前記駆動装置40と同一符号を付する事で詳細な説明は省略する。
【0074】この駆動装置74によれば、前記第1実施形態で示した駆動装置40が有する効果に加え、出力軸76の両端に2つの被駆動装置の回転体(例えば撹拌シャフト)を連結したり、又、両端側で何らかの回転作業を行なうシャフト型の回転体(例えば両端に車輪が付いたもの)の中間を回転自在に支持する事が可能であるため、モータ42の回転動力が有効に活用されることになる。
【0075】なお、歯車箱44の両側面を貫通する出力軸76は、ホローシャフト型に限定されるものではなく、中実型の出力軸の両端を歯車箱44から突出させるようにしても良い。
【0076】次に、図7、図8に示す本発明の第3実施形態に係る回転機械用の駆動装置79について説明する。
【0077】この駆動装置79は、第2中間軸を用いずに第1中間軸48のみを用いた2段減速態様であり、第1ピニオン64と出力軸ギヤ70とが噛合することで出力軸77を直接駆動するように構成されている。
【0078】より具体的には、モータ軸42Aは出力軸77と垂直となるように配設されており、このモータ軸42Aを含み出力軸77と平行な平面が、該出力軸77と第1中間軸48との間に位置するように、モータ軸42Aが配置されている。
【0079】なお、第2中間軸を用いないという点を除いては、既に第1実施形態で示した駆動装置40とほぼ同様であるため、同一又は類似する部位にはこの駆動装置40と同一符号を付することで詳細な説明は省略する。
【0080】この駆動装置79は、相手機械に取り付けるためのボルト孔54が、出力軸77と垂直な平面上における仮想正方形56の頂点位置において、出力軸77と平行に歯車箱46に形成され、更に、出力軸77の軸心が仮想正方形56の中心56Aからずれた位置、且つ隣り合う一対の頂点(一対のボルト孔54)から等距離L1の位置になるように、前記出力軸77が配設されている。
【0081】これは、上述したようにモータ軸42Aを含む前記平面を境にして出力軸77を一方側、第1中間軸48を他方側に配置して、歯車箱46の内部空間を最も効率良く活用したことにより、達成されたものである。
【0082】従って、この駆動装置78においても、事実上のスタンダードとなっている従来の駆動装置との取付互換性を達成すると共に、出力軸方向の寸法を短縮化することが可能となる。
【0083】なお、上記の互換性及び出力軸方向寸法の短縮化という面においては、第1中間軸48を用いることなくモータ軸42Aが直接出力軸ギヤ70を駆動することも好ましい。即ち、出力軸ギヤ70をハイポイドギヤにし、このハイポイドギヤを、モータ軸42Aに一体的に形成されるハイポイドピニオン60と噛合させて、モータ軸42Aの回転を出力軸77に直接伝達するようにしても構わない。このようにすると、中間軸が配置されない分だけ歯車箱46を小さくすることが出来るという点で、最もコンパクトな駆動装置を提供することが可能となる。
【0084】又、図9、図10に示される駆動装置79Aのように、出力軸77をホローシャフト型にすることも好ましく、相手機械側の被駆動軸をこの出力軸77に貫通させて、被駆動軸の中央部近傍を支持して回転駆動することが可能となる。なお、この駆動装置79Aにおける他の構成については、前述の駆動装置79とほぼ同様である為、同一又は類似する部位には同一符号を付することで詳細な説明は省略する。
【0085】次に、図11に示す本発明の第4実施形態に係る生ごみ処理機80について説明する。
【0086】この生ごみ処理機80は、生ごみと発酵促進剤とを受容可能な発酵漕82と、この発酵漕82内部に配置され回動自在のシャフト部材であって、外周面84に撹拌羽根86を略放射状に有する、生ごみ等を撹拌可能な撹拌シャフト84と、この撹拌シャフト84に同軸的に連結される第1実施形態で示した駆動装置40と、を備える。
【0087】駆動装置40は、歯車箱46の取付面46Bにおいて、発酵漕82の外周壁に一体的に設けられる肉厚部88に直接固定されている。又、特に図示はしないものの、出力軸52は撹拌シャフト84の内部に同軸的に収容され、平行キーを介して相互に回転方向に係合されおり、出力軸52と撹拌シャフト84が一体となって回転する。この肉厚部88は、発酵漕82に一体形成される場合や、板状部材をボルト固定する場合等が考えられる。なおこの肉厚部88は取合い寸法を一致させるための「アダプタ」を構成しているものではない。
【0088】前記生ごみ処理機80は、既に第1実施形態で詳細に説明した駆動装置40を備えているので、従来と同等の回転動力を維持しながら、駆動装置40を含めた撹拌シャフト84の軸方向寸法を小さく抑えることが可能となり、生ごみ処理機80の小型化が達成される。
【0089】しかも、駆動装置40は、現在汎用化されて事実上のスタンダードの1つとなっている駆動装置と完全な互換性があることから、前記駆動装置40を新たに採用する際においても、前記肉厚部88や撹拌シャフト84の設計変更が不要で、そのまま用いることが出来るため、新たなコストの上昇を生じさせることがない。
【0090】次に、図12に示す第5実施形態に係る生ごみ処理機90について説明する。
【0091】この生ごみ処理機90は、前記発酵漕82を2つ並べて備えた大容量の生ごみ処理機である。
【0092】前記2つの発酵漕82を同時に撹拌可能な1本の前記撹拌シャフト84が、これらの発酵漕82間を架け渡すようにして配置されており、その中心(2つの発酵漕82の間)において第2実施形態に係る回転機械用の駆動装置74により回動自在に支持されている。即ち、駆動装置74は、前記撹拌シャフト84が、ホローシャフト型の前記出力軸76の内部を貫通するようにして配置されている。
【0093】従って、1つの駆動装置74の回転動力により、2つの発酵漕82にそれぞれ収容される生ごみ等を同時に撹拌することが可能となり、前記モータ42の回転動力の有効活用が図られる。
【0094】又、軸方向に長い撹拌シャフト84が、その中間部において駆動装置74により回動自在に支持されているため、軸端部を支持されるのと比較して撹拌シャフト84に作用するねじれを抑制することが可能となる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、従来の汎用化された駆動装置における、互換性を含めた性能を維持しつつ、出力軸方向寸法が短縮された回転機械用の駆動装置、及び、この駆動装置を用いることで小型化された生ごみ処理機を提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成11年9月2日(1999.9.2)
【代理人】 【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博 (外2名)
【公開番号】 特開2001−74110(P2001−74110A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−249026