| 【発明の名称】 |
自動変速機の変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 薫
【氏名】藤田 憲次郎
【氏名】渡部 晋治
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車速を表す車速パラメータとエンジン負荷を表すエンジン負荷パラメータとに応じて予め設定されたシフトパターンと、勾配を検出する勾配検出手段と、上記車速パラメータを勾配に基づいて補正する車速補正手段とを備え、上記車速補正手段は、上記シフトパターンのアップシフト線に基づいてアップシフトしたときに、車速維持可能な最高車速よりも低速側になるよう、上記車速パラメータを補正することを特徴とする、自動変速機の変速制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、自動変速機は、スロットル開度と車速とに応じて予め設定しておいたシフトパターンに基づいて車両走行中に検出されるスロットル開度および車速から変速段を決定し、変速シフトを自動的に実行するようになっている。このシフトパターンには、低速段から高速段へのアップシフト動作のための一群のアップシフト線と、高速段から低速段へのダウンシフト動作のための一群のダウンシフト線とが、スロットル開度と車速の関数として設定されている。従って、自動変速機による変速制御を一つのシフトパターンに従って実行すると、スロットル開度と車速とによって表される動作点がアップシフト線またはダウンシフト線を横切る度にアップシフトまたはダウンシフトが画一的に行われることになり、このため、登坂路走行に適した変速動作を行えないことがある。 【0003】そこで、平坦路用シフトパターンとアップシフトを行われにくくした登坂路用シフトパターンとを予め設定すると共に、車速や勾配などの車両走行状態を表す数種の変数が特定の条件を満たしたときに登坂路走行と判定して登坂路用シフトパターンを選択し、これにより不要なアップシフトを防止して登坂路走行に適合した変速動作を行うようにした変速制御装置が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提案に係る変速制御装置によれば、急な登坂路と緩やかな登坂路とで同一の登坂路用シフトパターンが用いられるので、勾配や車速によっては駆動力が十分あるのにアップシフトしない場合や、駆動力が不足しているのにアップシフトしてシフトハンチングを生じる場合がある。 【0005】そこで、本発明は、走行路の勾配に適合した変速動作を行える、自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の自動変速機の変速制御装置は、車速を表す車速パラメータとエンジン負荷を表すエンジン負荷パラメータとに応じて予め設定されたシフトパターンと、勾配を検出する勾配検出手段と、車速パラメータを勾配に基づいて補正する車速補正手段とを備え、車速補正手段は、シフトパターンのアップシフト線に基づいてアップシフトしたときに、車速維持可能な最高車速よりも低速側になるよう、車速パラメータを補正することを特徴とする。 【0007】 【作用】シフトパターンのアップシフト線を規定する車速パラメータは、勾配検出手段によって検出された勾配に応動する車速補正手段により補正される。この補正により、アップシフト線に基づいてアップシフトした場合の車速は車速維持可能な最高車速よりも低速になる。このため、駆動力不足状態でのアップシフトに伴うシフトハンチングの発生が防止され、また、駆動力過剰状態でのアップシフト遅れによるエンジンブレーキ感の発生が防止される。 【0008】 【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例による変速制御装置を説明する。 全体構成図1に示すように、車両のエンジン1と駆動輪(図示略)との間に介在する自動変速機2は、エンジン1の出力軸に連結されたトルクコンバータ3と、複数組の変速ギヤを有して複数たとえば4つの変速段のうちの任意の一つを確立するための歯車機構4と、同機構4を駆動して変速段を切り換えるための変速段切換機構5とを備えている。 【0009】詳細な図示を省略するが、変速段切換機構5は、例えば、クラッチから夫々なる複数の係合要素と、各係合要素の係合状態を切り換えるための油圧式駆動機構とを含んでいる。この駆動機構は、各係合要素を付勢するリターンスプリングと、そのスプリング力の作用方向と反対方向に各係合要素を押圧するための油圧ピストンとを有し、各油圧ピストンに対応する圧力室へ供給される作動油圧を油圧制御装置6により制御するようにしている。 【0010】車両には、油圧制御装置6の電磁切換弁(図示略)の作動状態を電気的に制御して、所要の変速段が確立されるように変速段切換機構5の駆動機構を作動させるための変速制御装置10が搭載されている。この変速制御装置10は、車両の走行状態を検出するための各種センサと、図2に示す各種機能ブロックの機能を奏する電子制御ユニット11とを有し、同制御ユニット11は、各種センサ出力に応じて油圧制御装置6の電磁切換弁を駆動するようになっている。 【0011】電子制御ユニット11には、エンジン回転速度(NE)センサ21、エンジン吸入空気量(A/N)センサ22、T/M(変速機)出力回転速度(NO)センサ23、スロットル開度(Th)センサ24、ストップランプスイッチ25、ハンドル角センサ26、自動変速機2のレンジ切換用のセレクトレバー(図示略)の切換位置を検出するためのインヒビタスイッチ27、自動変速機2で現在確立されている変速段を検出するための変速段スイッチ28等が接続されている。なお、制御ユニット11とセンサ21,22との間には、制御ユニット11との間で信号授受自在のエンジン制御用の電子制御ユニット(図示略)が介在している。 【0012】図2を参照すると、電子制御ユニット11は、機能的には、各種センサ出力に基づいて制御ユニット各部での演算に用いられる入力変数および入力スイッチを算出するための入力パラメータ演算部111と、スポーティ運転の度合いを判定するためのスポーティ度判定部112と、エンジンブレーキの必要度合を検出するためのエンジンブレーキ必要度検出部113と、所要のシフトパターンを選択して指令シフト段を決定するためのシフトパターン選択部114と、同選択部114でのダウンシフト要否判定に用いられる判定基準値を学習補正するための学習補正部115と、シフトパターン選択部114で決定した指令シフト段と変速段スイッチ28で検出した現在の変速段とに基づいて変速シフトの要否を判定して、変速段切換指令を油圧制御装置6へ出力するためのシフト指令部116とを備えている。 【0013】シフトパターン選択部114は、車速およびエンジン負荷(スロットル開度)の関数で夫々表される2つの標準シフトパターン(マイルドパターンおよびスポーティパターン)を格納したシフトパターン記憶部114aを有している。スポーティパターンは、エンジン1を高出力域で運転させるべく、マイルドパターンに比べて、シフトアップタイミングが遅くかつシフトダウンタイミングが早くなるように設定されている(図20及び図21参照)。 【0014】なお、マイルドパターンとスポーティパターンとを別の観点から比較すると、マイルドパターンは平坦路用パターンとしての使用に適する一方、スポーティパターンは登坂路用パターンとしての使用に適するもので、以下の説明、特にアップシフト線変更に関連する説明において、用語「マイルドパターン」および「スポーティパターン」により平坦路用パターンおよび登坂路用パターンを表すことがある。 【0015】シフトパターン選択部114は、スポーティ度および後述の勾配度(シフト移動係数)に適合するシフトパターンを2つの標準シフトパターンを補間することによって設定するためのシフトパターン設定部114bを有している。同設定部114bは、スポーティ度および勾配度に応じてシフトパターンを移動するためのシフトパターン移動補正部114cを含み、同補正部114cは、スポーティ度および勾配度に応じてシフトパターンのアップシフト線を連続的に変更するためのシフト線変更部114dを有している。そして、同変更部114dは、入力パラメータ演算部111において後述のように求められる重量・勾配抵抗RSに基づいて勾配度を判定するための勾配度判定部114eを含んでいる。 【0016】又、シフトパターン選択部114は、入力パラメータおよびエンジンブレーキ必要度検出部113の出力に適合する走行モードを判定すると共にシフトパターン設定部114bで設定されたシフトパターンと入力パラメータとに応じて指令シフト段を決定するためのモード判定・処理部114fを更に有している。本実施例では、平坦路・登坂路走行モードAと緩降坂路走行モードCと急降坂路走行モードDとを予定している。 作動概要上記構成の電子制御ユニット11は、図2に示す制御ユニット各部111〜116の機能を奏すべく、図3に示すメインルーチンを所定周期で実行する。 【0017】電子制御ユニット11は、例えばエンジン1のイグニッションキーがオンされたとき、制御ユニット各部を初期化して初期設定を行った後(ステップS1)、入力パラメータ演算部111としての制御ユニット11は、上述の各種センサ22〜27からの出力を読み取って入力変数を後で詳述するように算出する(ステップS2)。この入力変数算出では、センサ出力またはセンサ出力から導出されるパラメータが無次元化処理され、これにより、本変速制御装置を種々の仕様の車両、エンジンに適用可能にしている。 【0018】次に、入力パラメータ演算部111としての制御ユニット11は、同制御ユニット各部での演算に用いられるフラグ情報としての入力スイッチを入力変数から後で詳述するように算出する(ステップS3)。入力スイッチには、ブレーキ減速スイッチBGSP、ブレーキ減速大スイッチBGSB、勾配抵抗非負スイッチFSRSP、3つのスロットル開度中スイッチFSTh45、FSTh34、FSTh23、モードC成立スイッチMSWCなどがある。 【0019】入力スイッチの算出が完了すると、スポーティ度判定部112としての制御ユニット11によりスポーティ度が後で詳述するように判定され(ステップS4)、又、勾配度判定部114eとしての制御ユニット11により勾配度(シフト線移動係数)が後で詳述するように算出される(ステップS5)。次に、モード判定・処理部114fとしての制御ユニット11は、モード外であるか否かを判定する(ステップS6)。詳しくは、油温が所定温度以下であるか、シフトパターン制御においてスタンダードパターン以外(ホールドパターン、あるいは「P」,「R」,「N」又は「L」レンジ)であるか、故障診断においてスロットル開度センサ24の断線などの特定の故障が検出されるか、或いは、ストップランプスイッチ25の異常が検出されると、モード外であると判定される。 【0020】モード外判定がなされず、従って、ステップS6での判別結果が否定であれば、モード判定・処理部114fは、モードA上のシフト段SHIFT1を算出し(ステップS7)、次に、車速Vが所定車速以下であるか、或いは故障診断においてスロットル開度センサ24の調整不良などの特定の故障が検出されるというモード移行禁止条件が成立しているか否かを判別する(ステップS8)。 【0021】モード移行禁止条件が不成立であってステップS8での判別結果が否定であれば、エンジンブレーキ必要度検出部113は、後で詳述するように、勾配、ブレーキ力、ハンドル角および車速の夫々に関連する4つの入力変数X1〜X4を算出し、これをニューラルネットワークへ入力してエンジンブレーキ適合度NNを求める(ステップS9)。 【0022】次に、モード判定・処理部114fにより、後述のファジィルールの成立チェックが行われ(ステップS10)、又、学習補正部115により後述のエンジンブレーキ学習処理が行われる(ステップS11)。そして、モード判定・処理部114fにより後述のモード処理が行われて現モード上シフト段SHIFTFが算出され、次いで、指令シフト段SHIFT0が算出され(ステップS12,S13)、ステップS2に戻る。 【0023】上記ステップS6においてモード外判定がなされると、モード判定・処理部114fにより、モード外条件に応じた指令シフト段SHIFT0が算出される(ステップS14)。このシフト段算出には、シフトパターン記憶部114aに格納されたマイルドパターンが用いられる。また、ステップS8においてモード移行禁止条件が成立していると判別されると、ステップS7で算出されたモードA上のシフト段SHIFT1が現モード上シフト段SHIFTFとして設定される(ステップS15)。ステップS14,S15の各々でのシフト段算出が終了すると、ステップS2に戻る。 【0024】上述の全体構成説明および作動概要説明で示唆すると共に、以下に詳述するように、本実施例の変速制御装置は、通常のシフトパターン制御機能に加えて、車両の降坂路走行中に適度なエンジンブレーキを作動させるための機能と、降坂路走行中でのダウンシフトがドライバの好みに適合して行われるようにダウンシフト作動条件を学習するための機能と、シフトパターンがドライバの運転のしかた(スポーティ度)に適合するようにシフトパターンを連続的に切り換えるための機能と、車両の登坂路走行中にリフトフットによる不要なアップシフトを防止して車両の運動性能(駆動力)を確保するための機能と、スポーティ度およびブレーキ減速度が大きい場合でのダウンシフトが容易に行われるようにして車両の加速運転を再開するときの車両の運動性能を向上させる機能とを奏するようになっている。 【0025】以下、電子制御ユニット各部について詳細に説明する。 入力パラメータ演算部入力パラメータ演算部111としての制御ユニット11は、入力変数算出において、エンジン回転速度センサ21、エンジン吸入空気量センサ22、T/M出力回転速度センサ23、スロットル開度センサ24、ストップランプスイッチ25およびハンドル角センサ26の出力を処理して、エンジン回転速度NE、吸入空気量A/N、T/M出力回転速度NO、スロットル開度Th、ブレーキスイッチBS、ハンドル角絶対値ST等を求める。ここで、ブレーキスイッチBSは、ストップランプスイッチ25がオフのときに例えば値「0」をとり、オンのときに例えば値「1」をとる。 【0026】また、入力変数算出において、入力変数としての、車速V、前後加速度GX、横加速度GY、ブレーキ減速度GBG、エンジントルクTE、最大エンジントルクTEMAX、トルクコンバータ速度比e、トルクコンバータトルク比t、現速度比iT、エンジン駆動力FE、加速抵抗RA、重量・勾配抵抗RS、加速余裕度KACC、加速トルクTEACC、ニューラルネットワーク入力X1〜X4などが、夫々の算出式に従って算出される。 【0027】車速Vは、T/M出力回転速度NO、タイヤ径r及び終減速比iFを変数とする算出式V=(NO・2π・r・60)/iF・1000に従って算出される。前後加速度GXは、T/M出力回転速度の変化量(NOnO−NOn-1)、タイヤ径r、終減速比iFを変数とする算出式GX0={2π・r・(NOnO−NOn-1)}/(0.024・iF・60・9.8)に従って算出された値GX0にフィルタ処理を施すことにより求められる。このフィルタ処理は、式Xf=Kf・X+(1−Kf)・Xf-1に従って行われる。ここで、Xf,X及びXf-1は、フィルタ出力、フィルタ入力及び前回演算時のフィルタ出力を夫々表し、また、Kfは、演算周期と遮断周波数との関数で表されるフィルタ定数である。 【0028】横加速度GYは、T/M出力回転速度NO、ハンドル角絶対値ST、ステアリングギヤ比iS、ホイールベースl、スタビリティファクタA、タイヤ径r及び終減速比iFを変数とする算出式GY0=(ST・π)/[180・iS・l・{A+1/(NO・2π・r/(iF・60)1/2}・9.8]に従って算出された値GY0にフィルタ処理を施すことにより求められる。 【0029】ブレーキ減速度GBGは、前後加速度GXとブレーキスイッチBSの値とから求められ、BS=0またはGX≧0のときは値「0」をとり、BS=1かつGX<0のときは値「−GX」をとる。エンジントルクTEは、エンジン回転速度NEと吸入空気量A/Nとから求めた値にフィルタ処理を施すことにより求められる。最大エンジントルクTEMAXは、エンジン回転速度NEと所定の吸入空気量A/N(例えば96%)とから求められる。 【0030】トルクコンバータ速度比eは、指令シフト段の変速比である現変速比iTとT/M出力回転速度NOとエンジン回転速度NEとを変数とする算出式e=iT・NO/NEに従って算出される。そして、このトルクコンバータ速度比eに基づいて図示しないe・tマップからトルクコンバータトルク比tが求められる。更に、エンジントルクTE、トルクコンバータトルク比t、現変速比iT、終減速比iF、変速機の伝達効率η及びタイヤ径rを変数とする算出式FE=TE・t・iT・iF・η/rに従って、エンジン駆動力FEが求められる。 【0031】また、加速抵抗RAは下記の算出式に従って算出される。 RA={W+WO・(KMT+KME・iT・iF)}・GXここでW,WO,KMT及びKMEは、車両重量、空車重量、タイヤ回転部分相当重量比率およびエンジン回転部分相当重量比率を夫々表す。重量・勾配抵抗RSは、エンジン駆動力FE、加速抵抗RA、空気抵抗RL、転がり抵抗RRを変数とする算出式RS0=FE−RA−RL−RRに従って算出される値RS0にフィルタ処理を施すことにより求められる。但し、このパラメータRS0は、「D」,「3」及び「2」レンジ以外の場合および車速Vが所定車速以下の場合には値「0」をとる。又、パラメータRS0は、変速中またはその直後あるいはブレーキスイッチBSが値「1」であるか値「1」から値「0」へ変化した直後には、前回値をとる。空気抵抗RL及び転がり抵抗RRの算出式は以下のとおりである。 【0032】RL=(1/2)・ρ・S・CD・(NO・2πr/iF・60)2RR=μR・W+{(WF/2・GY)2/CPF}・2+{(WR/2・GY)2/CPR}・2ここで、ρ、SおよびCDは、空気密度、前面投影面積および空気抵抗係数を表し、μR、WF、WR、CPFおよびCPRは、ころがり抵抗係数、前輪車両重量、後輪車両重量、前輪コーナリングパワー及び後輪コーナリングパワーを表す。 【0033】又、加速トルクTEACCおよび加速余裕度KACCが下記の算出式に従って算出される(図4参照)。 TEACC=RA・r/(iT・iF・η・t) KACC=(TEMAX−TE+TEACC)/TEMAXニューラルネットワーク入力X1〜X4は、式X1={RS・r/(iTD・iF・η)}/KN1、X2=GXBG/KN2、X3=ST/KN3及びX4=NO・iTD/KN4に従って夫々算出される。上式中、iTDはモード移行後(ダウンシフト後)の変速比であって、走行モードと後述の指令シフト段SHIFT0との組み合わせに応じて定まる。 【0034】車両が平坦路または登坂路を走行しているモードAと、車両が緩降坂路を走行しているモードCと、急降坂路を走行しているモードDとを予定している本実施例では、モード移行後の変速比iTDは、モードAと指令シフト段「2」との組み合わせ、モードCと指令シフト段「3」との組み合わせ、及び、モードDと指令シフト段「2」との組み合わせに対しては、第2変速段の変速比iT2に設定され、又、モードAと指令シフト段「3」または「4」との組み合わせに対しては第3変速段の変速比iT3に設定される。 【0035】又、入力パラメータ演算部111は、制御ユニット11各部での演算に用いられるフラグ情報である入力スイッチとして、ブレーキ減速スイッチBGSP、ブレーキ減速大スイッチBGSB、勾配抵抗非負スイッチFSRSP、3つのスロットル開度中スイッチFSTh45、FSTh34、FSTh23、モードB成立スイッチMSWB、モードC成立スイッチMSWCなどを算出する。 【0036】スイッチBGSPは、ブレーキスイッチBSがオンでかつ前後加速度GXが負であるときに値「1」をとり、それ以外の場合には値「0」をとる。スイッチBGSBは、ブレーキスイッチBSがオンでかつ前後加速度GXが所定の負の値よりも小さい場合に値「1」をとり、それ以外の場合に値「0」をとる。また、スイッチFSRSPは、重量・勾配抵抗RSが所定の負の値よりも大きい状態が所定期間にわたって継続したときに値「1」をとり、それ以外の場合に値「0」をとる。 【0037】スイッチFSTh45、FSTh34及びFSTh23は、スロットル開度センサ出力が第1、第2及び第3の所定値よりも大きい状態が所定期間にわたって継続したときに値「1」をとり、それ以外の場合に値「0」をとる。ここで、第2の所定値は第1の所定値よりも小さく、第3の所定値は第2の所定値よりも小さい。スイッチMSWBまたはMSWCは、モードBまたはCとなった時点から所定期間が経過したときに値「0」から値「1」にシフトする一方、モードがBまたはCでなくなったときに値「1」から値「0」にシフトする。 スポーティ度判定部スポーティ度判定部112は、運転者がいわゆるスポーティな運転を行っている度合(スポーティ度)を検出するもので、このスポーティ度が高いほど、エンジンが高出力域で運転されると共にタイヤが限界領域側で使用されることになる。そこで、スポーティ度判定部112は、図5に示すように、エンジン1に加わる負荷の度合および図示しないタイヤに加わる負荷の度合を夫々計算するためのエンジン負荷度計算部112aと、タイヤ負荷度計算部112bとを有している。 【0038】エンジン負荷度計算部112aは、パラメータ演算部111において算出されたエンジントルクTE、最大エンジントルクTEMAXおよび加速トルクTEACCを用いて、かつ式SPTE=TEACC/(TEMAX−TE+TEACC)に従ってエンジン負荷度SPTEを求める。但し、SPTEは、計算値が「0」以下であれば値「0」に設定され、「1」以上であれば値「1」に設定される。この様にして求められるエンジン負荷度SPTEは、現在使用されている走行トルクの、エンジンの能力上使用可能な最大トルクに対する比率であって、この比率は、運転者がエンジン性能をどの程度使用しているかを、すなわち、どの程度のスポーティ走行を行っているのかを表す。 【0039】タイヤ負荷度計算部112bは、パラメータ演算部111において算出された前後加速度GX及び横加速度GYを用い、かつ式SPG=(GX2+GY2)1/2/GMAXに従ってタイヤ負荷度SPGを計算する。同式中、記号GMAXは、タイヤのグリップ限界加速度を表す。タイヤ負荷度SPGは、タイヤに作用する水平力の、タイヤの最大グリップ力に対する比率であって、この比率は、運転者がタイヤのグリップ性能をどの程度使用しているか、すなわち、どの程度のスポーティ走行を行っているのかを表す。 【0040】スポーティ度判定部112は、エンジン負荷度SPTEとタイヤ負荷度SPGとのうちの大きい方SPC(=MAX{SPTE(i),SPG(i)})を選択するための最大値演算部112cと、同演算部112cの出力SPCを式SPF=SPF(i-1)+KFS・{SPC−SPF(i-1)}に従ってフィルタリングするためのフィルタリング部112dとを更に含んでいる。同式中、記号SPF(i-1)及びKFSは、1周期前のフィルタリング部出力およびスポーティ度フィルタ定数を夫々表す。 【0041】フィルタリング部112dの出力SPFを入力する補正部112eは、フィルタリング部出力SPFが補正係数SPFA以下の場合には式KSP=SPA・SPF/SPFAに従ってスポーティ度KSPを求め、出力SPFが補正係数SPFAを上回る場合には式KSP=SPA+{(1−SPA)・(SPF−SPFA)/(SPFB−SPFA)に従ってスポーティ度KSPを求める(図6参照)。ここで、SPFBは補正係数である。 【0042】より詳しくは、スポーティ度判定部112としての電子制御ユニット11は、図4に示すメインフローのステップS4において、図7に示すスポーティ度算出サブルーチンを実行する。同サブルーチンにおいて、制御ユニット11は、エンジン負荷度SPTEおよびタイヤ負荷度SPGを上述のように算出し(ステップS41)、次に、両算出値のうちの大きい方を選択し(ステップS42)、その結果得た出力SPCのフィルタリングを行う(ステップS43)。 【0043】このフィルタリング処理は、図8に示すように、フィルタ係数を設定する処理(ステップS43a)と、フィルタリング部112d出力としての負荷度フィルタSPFを演算する処理(ステップS43b)とからなる。フィルタ係数設定処理において、電子制御ユニット11は、図4のメインルーチンのステップS3で算出したスロットル操作急スイッチTSWSの値が「1」であるか否かを判別して急なスロットル操作が行われたか否かを判別し(ステップS431)、この判別結果が肯定であれば、メインルーチンのステップS3で算出したスロットル踏込スイッチTSWFの値が「1」であるか否かを判別することによりスロットル(アクセルペダル)が踏み込まれたか否かを更に判別する(ステップS432)。そして、この判別結果が肯定であれば、図7のステップS42で得た出力SPCが1周期前のフィルタリング部出力SPF(i-1)を上回るか否かを判別することによりスポーティ度が増加したか否かを判別し(ステップS433)、この判別結果が肯定であれば、スポーティ度フィルタ定数KFSを所定値KFSIに設定し(ステップS434)、フィルタ係数設定サブルーチンを終了する。 【0044】一方、ステップS431、S432及びS433のいずれか一つでの判別結果が否定であれば、スロットル操作急スイッチTSWSの値が「0」であるか否かを判別することにより緩やかなスロットル操作が行われたか否かを判別し(ステップS435)、この判別結果が肯定であれば、スロットル踏込スイッチTSWFの値が「0」であるか否かを判別することによりスロットルが解放されたか否かを更に判別する(ステップS436)。そして、この判別結果が肯定であれば、ステップS42で得た出力SPCが1周期前のフィルタリング部出力SPF(i-1)を下回るか否かを判別することによりスポーティ度が減少したか否かを判別し(ステップS437)、この判別結果が肯定であれば、スポーティ度フィルタ定数KFSを所定値KFSDに設定し(ステップS438)、フィルタ定数設定サブルーチンを終了する。 【0045】また、ステップS435,S436及びS437のいずれか一つでの判別結果が否定であれば、スポーティ度フィルタ定数KFSを所定値KFSSに設定し(ステップS439)、フィルタ定数設定サブルーチンを終了する。スポーティ度フィルタ定数の所定値KFSD,KFSIおよびKFSSは、KFSD>KFSI>KFSSという関係が成立するように予め設定されている。フィルタ定数KFSは、通常は比較的小さい値KFSSをとるが、スロットルが速く踏み込まれたとき、スポーティ度増大側フィルタ定数としてのフィルタ定数KFSは、ステップS434において値KFSSよりも大きい値KFSIに切換えられ、これにより、スポーティ運転時にはフィルタリング部出力SPFが速く増大することになる。一方、スロットルが緩やかに解放されたときには、スポーティ度減少側フィルタ定数としてのフィルタ定数KFSは、値KFSSよりも大きい値KFSDに切換えられ、これにより、マイルド運転時にはフィルタリング部出力SPFが速く減少することになる。 【0046】以上の様にスロットル操作に応じてフィルタ定数を可変設定する理由は、フィルタ定数に固定値を用いた場合、フィルタリング度合の設定が困難になることにある。即ち、フィルタリング度合が弱すぎると、運転の仕方が一定であってもスポーティ度が変動し、その一方で、フィルタリング度合が強すぎると、スポーティ運転とマイルド運転間での運転の仕方の変化に対するスポーティ度の変化が遅れるからである。そして、フィルタ定数を可変設定する本実施例では、急激なエンジン負荷の変動が検出されたときは、スポーティ度に応じて行われる後述のシフトパターン移動により、シフトパターンの高速側への移動が、増大した移動速度で行われ、また、緩やかなエンジン負荷の変動が検出されたときにはシフトパターンの低速側への移動が、高速側への移動速度よりも早い移動速度で行われることになる。この結果、変速シフト上の応答性が向上する。また、通常の加減速度合での車両走行中は、無用なシフトパターン移動が防止される。 エンジンブレーキ必要度検出部図10に示すように、エンジンブレーキ必要度検出部113は、階層型ニューラルネットワークからなる。すなわち、ニューラルネットワークは、パラメータ演算部111からのニューラルネットワーク入力X1〜X4が夫々印加される4つのセルと入力「1」を入力するバイアス用セルとを有した入力層(第1層)と、適宜数たとえば4つのセルとバイアス用セルとを有した中間層(第2層)と、エンジンブレーキ適合度NNを出力する1つのセルを有した出力層(第3層)とからなる。 【0047】以下の説明において、記号OPij、IPij及びIPSijは、第i層j番目のセル出力、第i層j番目のセル入力総和および第i層j番目のセル入力総和シグモイド入力を夫々表し、また、記号Wij0及びWijkは、第i層j番目のセル入力のしきい値および第i層j番目のセルと第(iー1)層k番目のセルとの結合強さを夫々表す(図11参照)。結合強さは、従来公知のバックプロパゲーションによる学習により予め設定されている。 【0048】ニューラルネットワークでは、ニューラルネットワーク入力Xj(j=1〜4)を第1層の各セル出力OPijとして設定した状態で、次層の各セル入力総和IPijをk=1ないし第(i−1)層のセル数n(i-1)について式IPij=Wij0+Σ(Wijk・OP(i-1)k)に従って算出し、次に、セル入力操作IPijに等しいシグモイド入力IPSij(=IPij)をシグモイド関数fで変換することにより各セル出力OPijを得る。そして、この手順を出力層のセルまで順次実行して、出力層のセル出力OP31を求め、これをエンジンブレーキ適合度NN(=OP31)として設定する。 【0049】以上のように、エンジンブレーキの必要度合を表すエンジンブレーキ適合度NNが、車両の走行状態を表す変数としての、勾配、ブレーキ減速度、ハンドル角および車速の夫々に関連する4つの入力X1〜X4から、ニューラルネットワークにより総合的に求められる。そして、このエンジンブレーキ適合度NNに応じて行われる後述のシフトパターン選択により、種々の車両走行状態においてシフトパターン選択が適正に行われ、降坂路走行時に適度なエンジンブレーキを作動させるためにダウンシフトする機能が奏されることになる。 【0050】又、現時点でのニューラルネットワーク入力に基づいてエンジンブレーキ作動の要否判定がなされるので、現時点以前での走行状態履歴に基づいて判定を行う場合に比べて、走行状態に対する応答性および判定精度が向上する。 シフトパターン選択部シフトパターン選択部114のモード判定・処理部114fは、第1〜第4ルールと第6ルールとからなる5つのファジィルールの成立の有無を判定する。各ルールについての3つまたは4つの判定条件の全てを満足したときに当該ルールの成立が判定される。換言すれば、ファジィルール成立のチェックにクリスプ関数を用いている。 【0051】[第1ルール]FSRSP=0、NN≧EB43、VTH≦VTHS、かつV≦VB43であれば、モードCに突入。 [第2ルール]FSRSP=0、NN≧EB32、VTH≦VTHS、かつV≦VB32であれば、モードDに突入。 [第3ルール]SHIFT1>2、FSTh23=1、VTH<VTHB、かつGY≦GYSであれば、モードDを解除。 【0052】[第4ルール]SHIFT1>3、FSTh34=1、VTH<VTHB、かつGY≦GYSであれば、モードCを解除。 [第6ルール]FSRSP=1、VTH>VTHS、かつGY≦GYSであれば、モードC、Dを解除。 上記ルール中、EB43及びEB32はエンジンブレーキ適合度しきい値を表し、VTHS及びVTHBはスロットル開度しきい値を表し、VB43及びVB32は車速しきい値を表し、GYSは横加速度しきい値を表す。 【0053】モード判定・処理部114fとしての電子制御ユニット11は、モードおよび現モード上のシフト段SHIFTFを決定すべく、上述のように、図3のメインルーチンのステップS12においてモード処理を実行する。詳しくは、現在のモードがモードAである場合、電子制御ユニット11は、図12に示すサブルーチンを実行する。同サブルーチンにおいて、現在の指令シフト段SHIFT0が第4変速段であるか否かが判別され(ステップS121a)、この判別結果が肯定であれば、上述の第1ルールが成立するか否かが更に判別される(ステップS121b)。そして、この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードCが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第3変速段が設定される(ステップS121c)。一方、ステップS121bでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを終了する。 【0054】ステップS121aでの判別結果が否定であると、指令シフト段SHIFT0が第3変速段であるか否かが判別され(ステップS121d)、この判別結果が肯定であれば、第1ルールが成立するか否かが更に判別される(ステップS121e)。この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードCが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第3変速段が設定される(ステップS121f)。一方、ステップS121bでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを終了する。 【0055】又、ステップS121dでの判別結果が否定であれば、指令シフト段SHIFT0が第2変速段であるか否かが判別される(ステップS121g)。そして、この判別結果が肯定であれば、第2ルールが成立するか否かが更に判別される(ステップS121h)。この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードDが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第2変速段が設定される(ステップS121i)。一方、ステップS121hでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを終了する。 【0056】現在のモードがモードCである場合には、図13に示すサブルーチンが実行される。このサブルーチンでは、モードA上のシフト段SHIFT1が第3変速段よりも低速段であるか否かが判別され(ステップS122a)、この判別結果が否定であれば、第6ルールが成立するか否かが判別される(ステップS122b)。そして、この判別結果またはステップS122aでの判別結果のいずれかが肯定であれば、モードとしてモードAが設定されると共にモードA上シフト段SHIFT1が現モード上シフト段SHIFTFとして設定される(ステップS122c)。 【0057】一方、ステップS122bでの判別結果が否定であれば、第4ルールが成立するか否かが判別され(ステップS122d)、この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードAが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第4変速段が設定される(ステップS122e)。又、ステップS122dでの判別結果が否定であれば、第2ルールが成立するか否かが判別され(ステップS122f)、この判別結果が肯定であれば、メインルーチンのステップS3で求めたモードB成立スイッチMSWBの値が「1」であるか否かが更に判別される(ステップS122g)。そして、この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードDが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第2変速段が設定される(ステップS122h)。一方、ステップS122fまたはS122gの何れかでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを終了する。 【0058】現在のモードがモードDである場合、図14に示すサブルーチンが実行される。このサブルーチンにおいて、モードA上のシフト段SHIFT1が第2変速段よりも低速段であるか否かが判別され(ステップS123a)、この判別結果が否定であれば、第6ルールが成立するか否かが判別される(ステップS123b)。そして、この判別結果またはステップS123aでの判別結果のいずれかが肯定であれば、モードとしてモードAが設定されると共にモードA上シフト段SHIFT1が現モード上シフト段SHIFTFとして設定される(ステップS123c)。 【0059】一方、ステップS123bでの判別結果が否定であれば、第3ルールが成立するか否かが判別され(ステップS123d)、この判別結果が肯定であれば、モードとしてモードCが設定されると共に現モード上シフト段SHIFTFとして第3変速段が設定される(ステップS123e)。又、ステップS123dでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを終了する。 【0060】指令シフト段SHIFT0を決定すべく、モード判定・処理部114fとしての電子制御ユニット11は、図15に示すサブルーチンを実行する。このサブルーチンにおいて、図示しないトラクションコントロール用コントローラからシフト禁止指令が送出されているか否かを判別することにより変速シフトが禁止されているか否かを先ず判別し(ステップS131)、この判別結果が肯定であれば本サブルーチンを終了する。この場合、指令シフト段SHIFT0は前回のものに保持される。 【0061】一方、ステップS131での判別結果が否定であれば、セレクトレバー切換位置を表すインヒビタスイッチ27の出力に基づいてセレクトレバーが「2」レンジにあるか否かが判別され(ステップS132)、この判別結果が肯定であれば、メインルーチンのステップS7で求められたモードA上シフト段SHIFT1が第2速よりも高速段であるか否かが更に判別される(ステップS133)。そして、この判別結果が肯定であれば指令シフト段SHIFT0として第2変速段が設定される(ステップS134)。 【0062】ステップS132での判別結果が否定であれば、セレクトレバーが「3」レンジにあるか否かが判別され(ステップS135)、この判別結果が肯定であれば、モードA上シフト段SHIFT1が第3速よりも高速段であるか否かが更に判別される(ステップS136)。そして、この判別結果が肯定であれば指令シフト段SHIFT0として第3変速段が設定される(ステップS137)。 【0063】ステップS135またはS137のいずれかでの判別結果が否定であれば、メインルーチンのステップS12で求められた現モード上シフト段SHIFTFが指令シフト段SHIFT0として設定される(ステップS138)。図12〜図15に示すモード処理が上述のように行われる結果、図16に示す種々のモード移行が行われる。 【0064】詳しくは、車両がモードA第4速で走行中に緩降坂路となって図12のステップS121bで上述の第1ルールの成立が判別されると、ステップS121cでモード移行C43が行われ、この結果、モードがAからCに移行すると共に変速段が第4速から第3速に切り替わる。また、モードA第3速での走行中に緩降坂路となってステップS121eで第1ルールの成立が判別されると、第3速を保持しつつモードをAからCへ移行するモード移行AC3が行われる(ステップS121f)。更に、モードA第2速での走行中に急降坂路となってステップS121hで第2ルールの成立が判別されると、第2速を保持しつつモードをAからDへ移行するモード移行AD2が行われる(ステップS121i)。 【0065】一方、モードC第3速での走行中に急加速しようとして、図13のステップS122aでモードA上指令シフト段SHIFT1が第3速よりも低速段であると判別され、或いは、モードC第3速での走行中に平坦路となってステップS122bで第6ルールの成立が判別されると、モードCからAへの移行と第3速からモードA上の指令シフト段SHIFT1への切換えとを伴うモード移行CA3が行われる(ステップS122c)。又、モードC第3速での走行中に緩加速しようとして、ステップS122dで第4ルールの成立が判別されると、モードCからAへの移行と第3速から第4速への切換えとを伴うモード移行C34が行われる(ステップS122e)。そして、モードC第3速での走行中に急降坂路となってステップS122fで第2ルールの成立が判別されると、モードCからDへの移行および第3速から第2速への切換えを伴うモード移行D32が行われる(ステップS122h)。 【0066】更に、モードD第2速での走行中に急加速しようとして、図14のステップS123aでモードA上指令シフト段SHIFT1が第2速よりも低速段であると判別され、或いは、モードD第2速での走行中に平坦路となってステップS123bで第6ルールの成立が判別されると、モードDからAへの移行と第2速からモードA上指令シフト段SHIFT1への切換えとを共なるモード移行DA2が行われる(ステップS123c)。又、モードD第2速での走行中に緩加速しようとして、ステップS123dで第3ルールの成立が判別されると、モードDからCへの移行と第2速から第3速への切換えとを伴うモード移行D23が行われる。 【0067】上述の説明から明らかなように、モード移行D32及びC43を行わせる場合、モード判定・処理部114fは、ダウンシフトの要否判定するためのダウンシフト要否判定手段としての機能を奏する。そして、上述のようにしてシフトパターン選択部114で決定された指令シフト段を表す制御出力は、シフト指令部11(図2)へ出力される。同シフト指令部11は、この指令シフト段と変速段スイッチ28で検出した現在の変速段とに基づいて変速シフトの要否を判定して、変速段切換指令を油圧制御装置6へ出力する。 シフトパターン設定部シフトパターン選択部114のモード判定・処理部114fによる上述のモード判定およびモード処理に際して参照されるシフトパターンは、同選択部114のシフトパターン設定部114bにより設定される。 【0068】同設定部114bは、i速(i=1,2又は3)から(i+1)速へのアップシフトが行われた場合にもi変速段での走行中の駆動力を確保可能とする限界アップシフト車速(図17参照)の決定に用いられるシフト線移動係数としての勾配度KRSiを算出するための勾配度判定部114eを有している。勾配度判定部114eは、図18に示すように、平坦路または降坂路での重量勾配抵抗をカットするための負勾配カット部114gを有し、同カット部114gは、パラメータ演算部111から入力した重量勾配抵抗RSが重量勾配抵抗しきい値RSS以下であって、重量勾配抵抗が小である場合に値「0」の出力RSCを出力する一方、重量勾配抵抗RSがしきい値RSを上回り、従って、重量勾配抵抗が小でない場合には値「RS」の出力RSCを出力する。 【0069】勾配度判定部114eは、式RSF=RSF(i-1)+KFR・{RSC−RSF(i-1)}に従って負勾配カット部出力RSCをフィルタリングするためのフィルタリング部114hと、式KRSi=(RSF−RS0i)/(RS1i−RS0i)に従って勾配度KRSi(図19参照)を算出するための勾配度計算部114iとを更に有している。上式中、RSF(i-1)及びKFRは、1周期前のフィルタリング部出力および勾配度フィルタ定数を夫々表し、又、RS0i及びRS1iは、i→(i+1)シフト勾配度基準値0及びi→(i+1)シフト勾配度基準値1を示す。図19中、斜線を施した領域では、限界アップシフト車速で(i+1)速にアップシフトした場合に車速を維持できなくなる。 【0070】シフトパターン移動補正部114cのシフト線変更部114dは、スポーティ度判定部112及び勾配度判定部114eの夫々で求められたスポーティ度KSP及びi→(i+1)速シフト線の勾配度KRSiとの和をi→(i+1)速シフト線の移動係数KMiとして算出する。更に、同変更部114dは、スポーツパターン上でのスロットル開度Thに対するアップシフト車速NOUSからマイルドパターン上でのスロットル開度Thに対するアップシフト車速NOUMを減じて得た値にシフト線移動係数KMiを乗じることにより、アップシフト線変更量としてのアップシフト車速変更量KMi・(NOUS−NOUM)を求める(図20参照)。 【0071】又、シフトパターン移動補正部114cは、スロットル開度Thが所定スロットル開度(キックダウンする最低スロットル開度)Thv以上である場合には、スポーツパターン上でのスロットル開度Thに対するダウンシフト車速NODSからマイルドパターン上でのスロットル開度Thに対するダウンシフト車速NODMを減じて得た値にスポーティ度KSPを乗じることにより、ダウンシフト車速変更量KSP・(NODS−NODM)を求める(図21参照)。 【0072】一方、スロットル開度Thが所定スロットル開度Thv未満である場合、シフトパターン移動補正部114cは、この場合でのダウンシフト車速変更量の算出に用いるブレーキダウン係数KBGを入力パラメータ演算部111で求められたブレーキ減速大スイッチBGSBの値に応じて決定する。ブレーキダウン係数KBGは、スイッチBGSBの値が「0」であってブレーキ減速が非大であるか、或いは車速Vが車速しきい値VSBG以下であれば値「0」をとる一方、スイッチBGSBの値が「1」であってブレーキ減速が大であればスポーティ度KSPに等しい値に設定される。次に、シフトパターン移動補正部114cは、ブレーキダウンシフトする最高車速NOBSからブレーキダウンシフトする最低車速NOBMを減じて得た値にブレーキダウン係数KBGを乗じることによりダウンシフト線変更量KBG・(NOBS−NOBM)を決定する。 【0073】シフトパターン設定部114bは、同設定部のシフトパターン移動補正部114cにおいて上述のようにして求めたアップシフト車速変更量およびダウンシフト車速変更量に基づいて、アップシフト車速NOUおよび所定スロットル開度Thv以上でのダウンシフト車速NODまたは所定スロットル開度Thv未満でのダウンシフト車速NOBを下記の算出式に従って決定する。 【0074】 NOU=NOUM+KMi・(NOUS−NOUM) NOD=NODM+KSP・(NODS−NODM) NOB=NOBM+KBG・(NOBS−NOBM) すなわち、シフトパターン設定部114bは、マイルドパターンでのシフトアップ車速又はシフトダウン車速とスポーティパターンでのそれとをスポーティ度KSP及び勾配度KRSに応じて補間して得られるシフトアップ車速またはシフトダウン車速を有するようなシフトパターンを設定する。従って、スポーティ度及び勾配度の変化に伴って、設定シフトパターンは、マイルドパターンとスポーティパターンとの間で変化することになる。換言すれば、シフトパターン設定部114bは、シフトパターンを連続的に移動可能なシフトパターン移動手段として機能する。なお、現車速がアップシフト車速よりも大きくなるとアップシフト指令が出力され、ダウンシフト車速よりも小さくなるとダウンシフト指令が出力される。 【0075】上記シフトパターン設定によれば、シフトパターンがドライバの運転のしかた(スポーティ度)に適合するようにシフトパターンが連続的に切り換えられる。しかも、通常の加減速度合に対してはシフトパターンが不意に移動することがない一方で、運転のしかたがマイルド度重視からスポーティ度重視へ或いはスポーティ度重視からマイルド度重視へ変化するとシフトパターン移動が行われ、従って、変速シフト上の応答性が向上する。 【0076】また、上記シフトパターン設定の結果、駆動力を確保する上で必要最小限だけアップシフト線を勾配度に応じて無段階に移動させるので、駆動力が不足しているのにアップシフトが行われることに起因したシフトハンチングが生じることがなく、又、駆動力が十分にあるのにアップシフトが行われないことがない。従って、車両の登坂路走行中でのリフトフットによる不要なアップシフトを防止しつつ車両の運動性能(駆動力)を確保できる。 【0077】更に、上記シフトパターン設定によれば、スポーティ度およびブレーキ減速度が大きい場合でのダウンシフトが容易に行われるようになり、従って、車両の加速運転を再開するときの車両の運動性能が向上する。以上のように、ドライバの運転の仕方(スポーティ度)および勾配度に応じてシフトパターン移動が無段階調整されて個々のドライバの好みおよび車両運転状況に適合する最適シフトパターンが自動設定されるので、運転フィーリングが向上する。しかも、多数の標準シフトパターンが不要であるので、変速制御装置を比較的低コストかつ比較的容易に構築できる。 学習補正部学習補正部115は、走行条件とドライバの操作とからエンジンブレーキの過不足を判定し、この過不足判定の度に、モード移行ファジィルールの成立に影響を及ぼすエンジンブレーキ適合度のしきい値EB43,EB32を微少量EPだけ学習補正するようになっている。詳しくは、モードCまたはDへの突入に関連するファジィルールが成立に伴うダウンシフトの直後にスロットルが踏み込まれた場合、あるいは、モードCまたはDの解除によるアップシフトの直後にモードCまたはDへの突入に関連するファジィルールが再度成立した場合に、エンジンブレーキが過剰であると判定される。一方、降坂路走行中にモードCまたはDへの突入に関連するファジィルールが不成立であると共にブレーキの時間割合が大きい場合には、エンジンブレーキが不足であると判定される。 【0078】このため、図22に示すように、学習補正部115は学習時期判定部115aを含み、同判定部115aは、モードCまたはDへの突入(モード移行C43またはD32)に伴うダウンシフトの完了時点から所定時間たとえば4秒間が経過するまでの間、モードCまたはDが継続したとき、或いは、同ダウンシフトの完了時点から第1所定時間たとえば1秒間が経過してから第2所定時間たとえば4秒間が経過するまでの間に、第4または第3ファジィルールのうちの対応する一方が成立したときに、ダウンシフト後のエンジンブレーキ過剰学習のための学習時期が到来したと判別するようになっている。 【0079】又、学習時期判定部115aは、モードCまたはDの解除(モード移行C34またはD23)に伴うアップシフト完了時点から所定時間たとえば3秒間が経過するまでに第1または第2ファジィルールのうちの対応する一方が成立したときに、アップシフト後のエンジンブレーキ過剰学習のための学習時期が到来したと判別し、更に、現シフト段が第4速または第3速でかつ後述の学習タイマTGによる計時時間が所定時間たとえば6秒間になったときに、ダウンシフト前のエンジンブレーキ不足学習のための学習時期が到来したと判別するようになっている。 【0080】そして、学習補正部115は、モードCまたはDへの突入に伴うダウンシフトの完了時点から所定時間たとえば1秒間が経過したときから学習時期到来時点までの間におけるブレーキ減速度およびスロットル開度の最大値を夫々計算するための最大ブレーキ減速度計算部115bおよび最大スロットル開度計算部115cと、学習タイマTGの起動時点から所定時間たとえば6秒間が経過するまでの学習判定期間でのブレーキ減速時間比BRを計算するためのブレーキ減速時間比計算部115dとを更に有している。 【0081】また、学習補正部115は、ダウンシフト後、アップシフト後およびダウンシフト前の学習補正の要否を後述のファジィルールに従って判別するための学習補正要否判別部115eと、エンジンブレーキ適合度のしきい値を補正するためのしきい値補正部115fとを更に有している。学習補正部115としての電子制御ユニット11は、メインルーチンのステップS11に対応する図23〜図27に示すエンジンブレーキ学習サブルーチンを実行する。 【0082】このサブルーチンにおいて、制御ユニット11は、第1ルールが成立しているか否かを先ず判別し(図23のステップS111a)、この判別結果が肯定(4−3ダウンシフト時)であれば、第1ルールの成立時にモード判定・処理部114fから送出されると共にモード移行C43に関連するダウンシフト指令に応じて行われるダウンシフトの完了に待機する。そして、ステップS111bにおいてダウンシフト完了を判別すると、制御ユニット11は、タイマTをスタートさせ(ステップS111c)、タイマTによる計時時間が所定時間a1例えば1秒間に達するまで待機する。 【0083】ステップS111dにおいてダウンシフト完了時点から所定時間a1が経過したと判別すると、制御ユニット11は、最大ブレーキ減速度GXBmaxおよび最大スロットル開度TPSmaxを演算し(ステップS111e)、次に、タイマTによる計時時間が所定時間a2たとえば4秒間よりも小さいか否かを判別し(ステップS111f)、この判別結果が肯定であれば第4ファジィルールが成立しているか否かを判別する(ステップS111g)。そして、ステップS111gでの判別結果が否定であれば、上述のステップS111e〜S111gを繰り返し実行する。 【0084】その後、ステップS111fでの判別結果が否定またはステップS111gでの判別結果が肯定になると、学習補正時期が到来したと判断して、制御ユニット11は、ステップS111hでタイマTをリセットした後に下記の第G0ファジィルールが成立するか否かを判別する(ステップS111i)。 [第G0ルール]VTHD>VTHS、VTHD<VTHB、GXBGD≦GXBGS、かつV>VSであれば、エンジンブレーキ過剰。 【0085】上記第G0ルール中、記号VTHSはスロットル開度しきい値を表し、VTHBは、しきい値VTHSよりも大きいスロットル開度しきい値を表す。また、記号GXBGSおよびVSは、ブレーキ減速度しきい値および車速しきい値を夫々表す。そして、第G0ルールの4つの判別条件の全て(最大スロットル開度が小さくも大きくもなく、最大ブレーキ減速度が小さくかつ車速が小さい)が成立し、従って、ステップS111iでの判別結果が肯定であれば、制御ユニット11は、エンジンブレーキ過剰と判別して、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB43に微少量EPを加算して、しきい値EB43を増大補正し(ステップS111j)、これによりエンジンブレーキが作動しにくくなるような学習補正を行う。 【0086】一方、ステップS111iで第G0ファジィルールが不成立であれば、エンジンブレーキ過剰判定は行われず、本サブルーチンを終了する。図29および図30は、上述の4−3ダウンシフト時の学習時期判別手順を時間軸に沿って示す。図23のステップS111aにおいて第1ファジィルールが成立していないと判別すると、制御ユニット11は、第2ファジィルールが成立しているか否かを判別する(図24のステップS112a)。この判別結果が肯定(3−2ダウンシフト時)であれば、図23のステップS111bないしS111eに対応するステップS112bが実行される。すなわち、ダウンシフト完了が判別されたときにスタートするタイマTによる計時時間が所定時間a1に到達すると、最大ブレーキ減速度および最大スロットル開度の演算が開始される。 【0087】そして、最大ブレーキ減速度および最大スロットル開度の演算を終了する度に、図23のステップS111fないしS111jに夫々対応するステップS112cないしS112gの対応するものが順次実行される。この結果、ダウンシフト完了時点から所定時間a1が経過してから所定時間a2が経過するまでに第3ファジィルールが成立したとの判別がステップS112fで行われ、あるいはダウンシフト完了時点から所定時間a2が経過したとの判別がステップS112cで行われたときに、タイマTがリセットされ(ステップS112e)、次いで、第G0ルールが成立するか否かが判別される(ステップS112f)。そして、第G0ルールが成立すると、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB32が微少量EPだけ増大補正される(ステップS112g)。 【0088】図24のステップS112aにおいて第2ファジィルールが成立しないと判別すると、学習補正部115としての制御ユニット11は、第3ファジィルールが成立しているか否かを判別し(図25のステップS113a)、この判別結果が肯定(2−3アップシフト時)であれば、同ルールに関連するアップシフト指令に伴うアップシフトの完了に待機する。 【0089】そして、ステップS113bにおいてアップシフトの完了を判別すると、制御ユニット11は、タイマTをスタートさせ(ステップS113c)、次いで、第2ファジィルールが成立するか否かを判別する(ステップS113d)。この判別結果が否定であれば、タイマTによる計時時間が所定時間a3例えば3秒間以下であるか否かが判別される(ステップS113e)。所定時間a3が経過していなければ、ステップS113dに戻る。 【0090】所定時間a3が経過する前に第2ルールが成立しているとステップS113dで判別すると、制御ユニット11は、ステップS113fでタイマTをリセットした後に、下記の第G1ファジィルールが成立しているか否かを判別する(ステップS113g)。 [第G1ルール]GXBG≦GXBGSかつV>VSであれば、エンジンブレーキ過剰。 【0091】そして、第G1ルールの成立を判別すると、制御ユニット11は、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB32を微少量EPだけ増大補正して(ステップS113h)、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS113eで所定時間a3の経過を判別すると、ステップS113iでタイマTをリセットした後に本サブルーチンを終了し、また、ステップS113gで第G1ルールが成立しないと判別すると直ちに本サブルーチンを終了する。 【0092】図25のステップS113aにおいて第3ルールが成立しないと判別すると、制御ユニット11は、第4ルールが成立するか否かを判別し(図26のステップS114a)、この判別結果が肯定(3−4アップシフト時)であれば、ステップS113b及びS113cに対応するステップS114bを実行した後に、第1ルールが成立するか否かを判別する(ステップS114c)。 【0093】そして、ステップS114cで第1ルールが成立していないと判別すると、制御ユニット11は、ステップS114bでスタートさせたタイマTによる計時時間が所定時間a3たとえば3秒間以内であるか否かを判別し(ステップS114d)、この判別結果が肯定であればステップS114cに戻る。ステップS114cにおいて第1ルールの成立を判別すると、タイマTをリセットした後に、電子制御ユニット11は、第G1ルールが成立するか否かを判別し(ステップS114e,S114f)、この判別結果が肯定であれば、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB43を微少値だけ増大補正し(ステップS114g)、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS114eで第G1ルールの不成立を判別すると、本サブルーチンを直ちに終了する。また、ステップS114dで所定時間a3の経過を判別すると、ステップS114hでタイマTをリセットした後で本サブルーチンを終了する。 【0094】図31は、3−4アップシフト時の学習時期判別手順を時間軸に沿って示す。図26のステップS114aで第4ルールが成立しない(モードA)と判別すると、制御ユニット11は、ブレーキ減速度スイッチが値「1」をとるまで待機する。そして、同スイッチの値が「1」になったことを図27のステップS115aにおいて判別すると、制御ユニット11は、タイマTGをスタートさせ(ステップS115b)、同タイマTGによる計時時間が所定時間a4たとえば6秒間に達したか否かを判別する(ステップS115c)。この判別結果が否定であれば、同ユニット11は、変速シフト中であるか、重量勾配抵抗が非負であるか、スロットル開度が非小であるか、及び、ハンドル角絶対値が大であるか否かを順次判別し(ステップS115d〜S115g)、いずれかの判別結果が肯定であれば、ステップS115hにおいてタイマTGをリセットして、本サブルーチンを終了する。 【0095】一方、ステップS115d〜S115gでの判別結果が全て否定であれば、制御ユニット11は、ブレーキ時間TBRを計算し(ステップS115i)、ステップS115cに戻る。その後、ステップS115cにおいてタイマTGによる計時時間が所定時間a4に到達したと判別すると(図32)、制御ユニット11は、ブレーキ減速時間比BRを計算し(ステップS115j)、次いで、現シフト段SHIFT1が第4速であるか否かを判別する(ステップS115k)。そして、この判別結果が肯定であれば、制御ユニット11は、下記の第G2ルールが成立するか否かを判別する(ステップS115l)。 【0096】[第G2ルール]BR>BRBであれば、エンジンブレーキ不足。そして、ステップS115lで第G2ルールの判別条件の成立を判別すると、制御ユニット11は、エンジンブレーキ不足と判断して、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB43から微少量EPを減じることにより同しきい値EB43を減少補正し(ステップS115m)、次いで、ステップS115nにおいてタイマTGをリセットし、本サブルーチンを終了する。 【0097】一方、ステップS115kにおいて現シフト段が第4速ではないと判別すると、制御ユニット11は、現シフト段が第3速であるか否かを更に判別する(ステップS115o)。そして、この判別結果が肯定であれば、制御ユニット11は、第G2ルールが成立するか否かを更に判別し(ステップS115p)、この判別結果が肯定であれば、エンジンブレーキ適合度のしきい値EB32を微少量EPだけ減少補正し(ステップS115q)、次いで、タイマTGをリセットし(ステップS115r)、本サブルーチンを終了する。 【0098】ステップS115l,S115oまたはステップS115pのいずれかでの判別結果が否定であれば、本サブルーチンを直ちに終了する。以上の学習補正によれば、ドライバの加速要求を表すスロットル操作(アクセル操作)とドライバの減速要求を表すブレーキ操作とから、加速要求があればエンジンブレーキ過剰と判断される一方、エンジンブレーキに加えて更なる減速要求があればエンジンブレーキ不足と判断され、この判断結果に応じてエンジンブレーキ適合度のしきい値が増減補正される。例えば、ダウンシフト実行後でのブレーキ減速度が小さくかつスロットル開度が大きいとき、および、アップシフト実行後にダウンシフトを要すると再度判定されたときには、エンジンブレーキ適合度のしきい値(ダウンシフト要否判定上の判定基準値)をダウンシフトを抑制する側へ学習補正する一方、変速指令がない状態で、ブレーキ減速スイッチがオンとなってから所定時間が経過したときには判定基準値をダウンシフトを促進する側へ学習補正する。この結果、ドライバの好みのダウンシフト条件が学習されて、降坂路走行時のダウンシフト制御にドライバの好みが反映され、降坂路走行時の運転フィーリングが向上することになる。しかも、学習補正を、ダウンシフト直後、アップシフト直後、および変速が行われない場合には一定時間毎に行うので、学習の機会が多く、学習の収束が早くなる。 【0099】本発明は、上記実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、実施例では、4段変速機に本発明を適用した場合について説明したが、実施例を変形して5段変速機に適用可能である。又、実施例では、マスフロー方式で制御されるエンジンに好適な変速制御について説明したが、本発明は、スピードデンシティ方式のエンジンに係る変速制御にも適用可能である。この場合、エンジン吸入空気量に代えてエンジン吸気管負圧を入力パラメータとして用いる。 【0100】更に、本実施例ではハンドル角センサ付き車両を想定したが、上記実施例を変形して同センサを搭載しない車両での変速制御に適用可能である。そして、実施例のセンサ系では、エンジン回転速度センサ21をエンジン制御用制御ユニットを介して変速制御用の電子制御ユニット11に接続し、又、車速VをT/M出力回転速度センサ23の出力NOから求める等したが、これに代えて、センサ21を電子制御ユニット11に直接接続したり車速センサを用いる等、センサ系は種々に変形可能である。 【0101】上記実施例では、図10及び図11に示すニューラルネットワークに勾配、ブレーキ力、ハンドル角および車速の夫々に関連する4つの入力変数X1〜X4を入力してエンジンブレーキの必要度合を表すエンジンブレーキ適合度NNを求めたが、エンジンブレーキ適合度を勾配および車速に関連する入力変数のみに基づいて算出しても良い。又、ハンドル角に関連する入力変数に代えて、横加速度、前後加速度またはブレーキ油圧に関連する入力変数を用いても良い。 【0102】更に、ニューラルネットワークを用いることは必須ではなく、エンジンブレーキの必要度合をファジィ推論によって求めても良い。ファジィ推論には、「MIN−MAX重心法」、「代数積−加算−重心法」、「簡略化法」などの種々の手法があり、エンジンブレーキの必要度合の決定には、いずれの手法のファジィ推論を用いても良い。以下に、エンジンブレーキ必要度合計算用のファジィルールを例示すると共に、入力変数x1〜x4および出力yの各々についてのファジィ部分集合S〜Bを表すメンバシップ関数を図33に例示する。 [第1ルール] X1=B、X2=B、X3=BかつX4=Bであれば、y=MB。 [第2ルール] X1=B、X2=B、X3=BかつX4=Sであれば、y=B。 [第3ルール] X1=B、X2=B、X3=SかつX4=Bであれば、y=M。 [第4ルール] X1=B、X2=B、X3=SかつX4=Sであれば、y=MB。 [第5ルール] X1=B、X2=S、X3=BかつX4=Bであれば、y=M。 [第6ルール] X1=B、X2=S、X3=BかつX4=Sであれば、y=MB。 [第7ルール] X1=B、X2=S、X3=SかつX4=Bであれば、y=MS。 [第8ルール] X1=B、X2=S、X3=SかつX4=Sであれば、y=M。 [第9ルール] X1=S、X2=B、X3=BかつX4=Bであれば、y=M。 [第10ルール]X1=S、X2=B、X3=BかつX4=Sであれば、y=MB。 [第11ルール]X1=S、X2=B、X3=SかつX4=Bであれば、y=MS。 [第12ルール]X1=S、X2=B、X3=SかつX4=Sであれば、y=M。 [第13ルール]X1=S、X2=S、X3=BかつX4=Bであれば、y=MS。 [第14ルール]X1=S、X2=S、X3=BかつX4=Sであれば、y=M。 [第15ルール]X1=S、X2=S、X3=SかつX4=Bであれば、y=S。 [第16ルール]X1=S、X2=S、X3=SかつX4=Sであれば、y=MS。 【0103】或いは、エンジンブレーキの必要度合を、所定の関数から求めても良い。この関数は、エンジンブレーキの要求度を好適に表す出力特性を有するものであれば良く、例えば、下記のものがある。下記において、記号a1〜a4は定数で、yの出力特性がエンジンブレーキの要求に近くなるように予め設定される。 y=1/[1+e-(a0+a1・x1+a2・x2+a3・x3+a4・x4)] 【0104】 【発明の効果】上述のように、本発明の自動変速機の変速制御装置は、車速を表す車速パラメータとエンジン負荷を表すエンジン負荷パラメータとに応じて予め設定されたシフトパターンと、勾配を検出する勾配検出手段と、車速パラメータを勾配に基づいて補正する車速補正手段とを備え、車速補正手段は、シフトパターンのアップシフト線に基づいてアップシフトしたときに、車速維持可能な最高車速よりも低速側になるよう、車速パラメータを補正するので、駆動力不足状態でのアップシフトに伴うシフトハンチングの発生を防止でき、また、駆動力過剰状態でのアップシフト遅れによるエンジンブレーキ感の発生を防止でき、従って、最適な変速段を最適なタイミングで得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社 【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成5年12月16日(1993.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
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| 【公開番号】 |
特開2001−65686(P2001−65686A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−244353(P2000−244353) |
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