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【発明の名称】 駆動ユニットのギヤ抜け止め構造
【発明者】 【氏名】鈴木 一喜

【要約】 【課題】複写機等の画像形成装置に用いるのに適し、安価でリサイクル性に優れた駆動ユニットのギヤ抜け止め構造を提供する。

【解決手段】樹脂製の板状のハウジング1に複数の固定軸2を立設し、トルクリミッタ機能を持たせるためにスプリング6を取り付ける固定軸2の近傍に、固定軸2と同軸方向へ立ち上がる垂直壁部10と、その先端でハウジング1の内側へ水平に曲がる水平片部11とを設ける。スプリング6を取り付ける固定軸2に装着するギヤ12は、つば13を備え、つば13に水平片部11が通過可能な切り欠き14を形成する。ギヤ12を固定軸2に装着しようとするときは、切り欠き14を水平片部11が通過するようにしてスプリング6ごとギヤ12を押さえ付け、その後、水平片部11がつば13上に位置するように戻してギヤ12の抜け落ちに対するストッパとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状部材に立設した固定軸に、駆動力を伝達するためのギヤを回転自在に装着し、該装着したギヤを上記固定軸から抜け止めする駆動ユニットのギヤ抜け止め構造において、上記板状部材に、上記固定軸と同軸方向に伸びる垂直部位と、該部位の先端側で上記板状部材と平行あるいは略平行に伸びる水平部位とを設け、上記ギヤが有するつばに上記水平部位を係止可能としてなり、かつ上記ギヤのつばに、上記垂直部位が通過可能な切り欠きを設けてなることを特徴とする駆動ユニットのギヤ抜け止め構造。
【請求項2】 上記固定軸に、ギヤを上記固定軸の先端側へ押し出し付勢するスプリングを取り付けてなることを特徴とする請求項1の駆動ユニットのギヤ抜け止め構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機等の画像形成装置に用いるのに適する駆動ユニットのギヤ抜け止め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の駆動ユニットでは、板状部材(以後、側板と言う。)に立設した固定軸に回転自在に装着した複数のギヤで構成されるギヤ列を設け、固定軸にEリング等の止め輪を取り付けるか、または別の側板を用意して二つの側板の間にギヤ列を挟み込むようにして固定していた。後者の例としては、特開平8−248717号公報に開示のものがあり、リサイクル性(分解しやすさ)を向上させるためにEリング等の止め輪を無くしたり、コストダウンのために駆動ユニットの一方の側板が機械本体の構造体をなし、かつ固定軸の一端を支持する機能を持たせたりしている。
【0003】図1、図2は、上述した特開平8−248717号公報に開示の駆動ユニットと類似の構成を示し、樹脂製の側板であるハウジング1に一体にして複数の固定軸2・・・を設け、各固定軸2にギヤ列を構成する複数のギヤ3・・・をそれぞれ装着し、その状態で機械本体4に取り付けている。機械本体4側には固定軸2の先端を没入させるための複数のボス5・・・が設けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような駆動ユニットでは、上述のようにEリング等の止め輪を無くしてあるために、ギヤ3を取り付けたハウジング1を機械本体4に組み付ける際に固定軸2を水平にすると、ギヤ3が固定軸2から抜け落ちることがある。これを防止するには、ギヤ3が抜け落ちないように押さえながら組み付け作業をしなければならないので、非常に作業性が悪い。
【0005】特に図3に示すように、排紙装置のトルクリミッタ機能を持たせるためにハウジング1とギヤ3の間にスプリング6を入れている駆動ユニット(例えば特開平7−315659号公報参照)では、ギヤ3が固定軸2から飛び出さないように押さえながら組み付けなければならない。なお、図3のような樹脂製で固定軸2と側板であるハウジング1を一体型で成形したものでは、ギヤの飛び出し防止のために固定軸2部にスナップフィット用の溝を成形することは、型構造を複雑にしてコストアップにつながるし、また固定軸部の加工精度にも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0006】そこで本発明はこれら従来の不具合を解消し、安価でリサイクル性に優れた駆動ユニットのギヤ抜け止め構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の駆動ユニットのギヤ抜け止め構造のうち請求項1に係るものは、上記目的を達成するために、板状部材に立設した固定軸に、駆動力を伝達するためのギヤを回転自在に装着し、該装着したギヤを上記固定軸から抜け止めする駆動ユニットのギヤ抜け止め構造において、上記板状部材に、上記固定軸と同軸方向に伸びる垂直部位と、該部位の先端側で上記板状部材と平行あるいは略平行に伸びる水平部位とを設け、上記ギヤが有するつばに上記水平部位を係止可能としてなり、かつ上記ギヤのつばに、上記垂直部位が通過可能な切り欠きを設けてなることを特徴とする。
【0008】同請求項2に係るものは、上記固定軸に、ギヤを上記固定軸の先端側へ押し出し付勢するスプリングを取り付けてなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分には共通する符号を付して説明する。
【0010】図4は本発明に係る駆動ユニットのギヤ抜け止め構造の一実施形態を示す断面図(A)と平面図(B)である。なお図4では、機械本体側の図示を省略してある。ハウジング1は、複数の固定軸2・・・のうちスプリング6を取り付ける固定軸2に近い側の端部に、垂直に固定軸2と同軸方向へ立ち上がる垂直壁部10と、その先端でハウジング1の内側へ水平に曲がる水平片部11とが設けてある。水平片部11は、爪状の外観を呈する部位としてある。なお垂直壁部10と水平片部11は、ハウジング1と一体構造のものでも別体構造のものでもいずれでもよい。また本明細書において、垂直とは文字通りの垂直を意味するのではなく、本実施形態ではハウジング1の面から水平片部11を離して設けるために許容される垂直壁部10の斜めの立ち上がり角度をも含み、また水平も文字通りの水平を意味するのではなく、ハウジング1の面と平行あるいは水平と適当な角度をなす範囲までを含む。
【0011】一方、スプリング6を取り付ける固定軸2に装着するギヤ12は、つば13を備え、つば13に、水平片部11が通過可能な切り欠き14を形成してある。このため図4(B)からわかるように、つば13の切り欠き14と爪状の水平片部11とを位置を合わせるようにギヤ12を固定軸2に装着し、その後にギヤ12を回転させ、水平片部11がギヤ12のつば13を上から押さえるようにする。このようにすれば、スプリング6の付勢力によってギヤ12が固定軸2の先端側へ付勢されても抜け止めできる。なお、ギヤ12とつば13は樹脂の一体成形等で形成すればよい。
【0012】すなわち、スプリング6によって付勢してあってもギヤ12が飛び出さないので、ギヤ12を手で抑えたりせずに機械本体4側に組み付けることができる。
【0013】
【発明の効果】請求項1に係る駆動ユニットのギヤ抜け止め構造は、以上説明してきたようなものなので、板状部材に立設した固定軸にギヤを装着した後に板状部材を傾けたりしてもギヤが固定軸から抜け落ちることがなく、機械、装置への取り付け次の操作が楽に行えるようになり、しかも複雑な形状、構造の要素部品を必要とすることもないので、安価でリサイクル性に優れた構造を実現できるという効果がある。
【0014】請求項2に係る駆動ユニットのギヤ抜け止め構造は、以上説明してきたようなものなので、トルクリミッタ機能を持たせるためにギヤを固定軸から抜け出る方向へスプリングで付勢していても、上記請求項1との共通の効果に加え、ギヤに設けたつばを利用して、スプリングごとギヤを押さえ付けて固定軸へ取り付け、かつ抜け止めができるようになるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成11年7月7日(1999.7.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−21023(P2001−21023A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−192582