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【発明の名称】 ウォーム減速機
【発明者】 【氏名】片岡 登志之

【要約】 【課題】ウォーム減速機を運転または停止するときに、ウォームホイール側からの外力により押し戻される場合の押し戻しを防止することができるウォーム減速機を提供する。

【解決手段】ウォーム減速機10のハウジング12に摺動溝28を設け、ベアリング24を摺動溝28内部に摺動自在に配すると共に、ウォーム16をウォームホイール18に押圧するようにバネ36によって摺動溝28内部でベアリング24を付勢するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧する手段を設けたことを特徴とするウォーム減速機。
【請求項2】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォーム減速機のハウジングに摺動溝を設け、前記ウォームを回転支持するベアリングを前記摺動溝内部に摺動自在に配すると共に、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するようにバネ等の弾性体によって前記摺動溝内部で前記ベアリングを付勢することを特徴とするウォーム減速機。
【請求項3】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを回転支持するベアリングをブロック部材で覆い、前記ウォーム減速機のハウジングに摺動溝を設け、前記ブロック部材を前記摺動溝内部に摺動自在に配すると共に、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するようにバネ等の弾性体によって前記摺動溝内部で前記ブロック部材を付勢することを特徴とするウォーム減速機。
【請求項4】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するように、バネ等の弾性体によって前記ウォームの回転軸を付勢することを特徴とするウォーム減速機。
【請求項5】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォーム減速機のハウジングと前記ウォームとの間に空間を設け、前記空間は、軸方向に第1空間と、第2空間、第1空間と第2空間とを繋ぐ通路とに分かれ、前記空間内部には、ブレーキ部材を収納し、前記ブレーキ部材が前記通路を通過するときに前記ウォームを押圧してブレーキをかけることを特徴とするウォーム減速機。
【請求項6】モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記モータを収納したモータハウジングと、前記ウォームと前記ウォームホイールを収納したホイールハウジングとよりなり、前記モータハウジングに対して前記ホイールハウジングを回転自在に取付け、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するように、前記モータハウジングに対して前記ホイールハウジングを付勢する弾性体を設けたことを特徴とするウォーム減速機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マッサージ機、アクチュエータ、その他機械装置に使用されるウォーム減速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ウォーム減速機は、モータの回転軸にウォームを取付け、このウォームとウォームホイールを螺合させて、モータを回転させると、ウォームとウォームホイールの歯数の違いにより、モータの回転数が減速されるものである。
【0003】このウォーム減速機において、モータを運転または停止すると、ウォームホイール側からの外力によりウォームホイールが押し戻される。そのため、その押し戻しを防止するため電磁ブレーキや摩擦ブレーキを用いている。
【0004】しかしながら、電磁ブレーキを使用した場合にはそのコストがかかり、また、摩擦ブレーキを用いた場合にはブレーキ用としてディスクなどの部品の追加が必要でありやはりコストが上がるという問題点があった。
【0005】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ウォーム減速機を運転または停止するときに、ウォームホイール側からの外力により押し戻される場合の押し戻しを防止することができるウォーム減速機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧する手段を設けたものである。
【0007】請求項2のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォーム減速機のハウジングに摺動溝を設け、前記ウォームを回転支持するベアリングを前記摺動溝内部に摺動自在に配すると共に、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するようにバネ等の弾性体によって前記摺動溝内部で前記ベアリングを付勢するものである。
【0008】請求項3のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを回転支持するベアリングをブロック部材で覆い、前記ウォーム減速機のハウジングに摺動溝を設け、前記ブロック部材を前記摺動溝内部に摺動自在に配すると共に、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するようにバネ等の弾性体によって前記摺動溝内部で前記ブロック部材を付勢するものである。
【0009】請求項4のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するように、バネ等の弾性体によって前記ウォームの回転軸を付勢するものである。
【0010】請求項5のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記ウォーム減速機のハウジングと前記ウォームとの間に空間を設け、前記空間は、軸方向に第1空間と、第2空間、第1空間と第2空間とを繋ぐ通路とに分かれ、前記空間内部には、ブレーキ部材を収納し、前記ブレーキ部材が前記通路を通過するときに前記ウォームを押圧してブレーキをかけるものである。
【0011】請求項6のウォーム減速機は、モータで回転するウォームにウォームホイールを螺合させて減速を行うウォーム減速機において、前記モータを収納したモータハウジングと、前記ウォームと前記ウォームホイールを収納したホイールハウジングとよりなり、前記モータハウジングに対して前記ホイールハウジングを回転自在に取付け、前記ウォームを前記ウォームホイールに押圧するように、前記モータハウジングに対して前記ホイールハウジングを付勢する弾性体を設けたものである。
【0012】
【作 用】上記発明のウォーム減速機であると、ウォームをウォームホイールに押圧することによって、運転または停止の状態でもウォームからウォームホイールに対する歯面に押しつける力が発生し、ウォームとウォームホイールの相対滑りに抗する摩擦力が発生し、外力によりウォームホイールが回されにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施例を順番に説明する。
【0014】(第1の実施例)本発明の第1の実施例を図1及び図2に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明のウォーム減速機10の縦断面図であり、図2は図1におけるA−A線断面図である。
【0016】ウォーム減速機10は、そのハウジング12内部にモータ14、ウォーム16、ウォームホイール18を収納している。
【0017】モータ14の回転軸とウォーム16のウォーム軸20とは、連結器22によって連結されている。また、ウォーム軸20は、一対のボールベアリング24,24によって回動自在に支持されている。そして、ウォーム16にウォームホイール18が回動自在に螺合している。
【0018】一対のボールベアリング24,24はハウジング12内部に収納されているが、ボールベアリング24が、図1において、ウォーム軸26の軸方向(以下、単に軸方向という)と直行するX方向に摺動自在になるように、ハウジング12の内部には、図2に示すように長円形の摺動溝28が設けられている。そして、この摺動溝28の下方には凹部30が設けられ、この凹部30とボールベアリング24との間には、バネ32が設けられている。このバネ32は、図1及び図2共に、ボールベアリング24を上方に押圧するようにするために伸びバネとなっている。すなわち、この一対のバネ32,32によってボールベアリング24,24が上方に付勢されることによって、ウォーム16全体がウォームホイール18に押圧するようになっている。
【0019】このウォーム減速機10であると、モータ14が回転している通常の運転時においては、ウォーム16とウォームホイール18の噛み合う反力によりウォーム16は正規の位置において回転している。すなわち、ボールベアリング24,24はバネ32,32の付勢力に反して摺動溝28,28の下端部に位置している。
【0020】一方、ウォームギア10の運転または停止のときには、バネ32,32の力によりウォーム16がウォームホイール18に押しつけられる構造となる。そのため、ウォーム16とウォームホイール18の相対滑りに抗する摩擦が発生し、外力によりウォーム16が回りにくくなる。そのため、従来のような電磁ブレーキや摩擦ブレーキを用いることなく、ウォーム16の回転を制動させることができ、かつ、停止位置を保持する力を発生させる。
【0021】(第2の実施例)以下、本発明の第2の実施例を図3及び図4に基づいて説明する。
【0022】図3は、第2の実施例のウォーム減速機10の縦断面図であり、図4は図3におけるB−B線断面図である。
【0023】本実施例と第1の実施例の異なる点は、ボールベアリング24の外周に矩形のブロック部材34が被せられている点にある。そして、このブロック部材34が摺動溝28をX方向に摺動自在となっている。
【0024】このようにブロック部材34をボールベアリング24に被せることにより、ボールベアリング24が摺動溝28を摺動する際にがたつき、更には磨耗を防ぐことができ、より確実にウォーム16がウォームホイール18を押圧することができる。
【0025】(第3の実施例)本発明の第3の実施例を図5に基づいて説明する。
【0026】図5は、第3の実施例のウォーム減速機10の縦断面図である。
【0027】第1の実施例においてはボールベアリング24をバネ32によって押圧していたが、本実施例では、ボールベアリング24は摺動溝28において摺動自在としているが、ウォーム16をウォームホイール18に押圧する手段として、図5に示すようにウォーム軸20の右端部をバネ36によって上方に引き上げるように付勢している。
【0028】このバネ36は縮みバネであり、常にウォーム軸20を上方に引き上げているため、ウォーム16はウォームホイール18に押圧される状態となる。
【0029】(第4の実施例)本発明の第4の実施例のウォーム減速機10について図6及び図7に基づいて、説明する。
【0030】図6(a)は第4の実施例のウォーム減速機10の縦断面図であり、図7は図6におけるC−C線断面図である。
【0031】本実施例の特徴は、第1〜第3の実施例のウォーム減速機10とは異なり、ボールベアリング24は所定の位置に固定されている。その代わりに、ウォームホイール18とは相対向するハウジング12とウォーム16との間に、空間38を設けている。この空間38は、第1空間40と第2空間46と、第1空間40及び第2空間46をつなぐ通路とよりなる。
【0032】空間38の内部には、図6(b)に示すように直方体のゴムなどよりなる弾性体のブレーキ部材46が収納されている。
【0033】以下、このウォーム減速機10においてウォーム16がウォームホイール18を押圧する構造について説明する。
【0034】まず、モータ14が回転している通常の運転においては、ブレーキ部材46は第1空間40から通路42を通って第2空間44に至って停止している。この場合に、通路42は第1空間40や第2空間44よりも狭くなっているため、ブレーキ部材46は通路42を通過するときにウォーム16を押圧するようにして、かつ、弾性体であるため凹んで通過する。しかし、モータ14が回転しているためウォーム16はその力に反して回転して、ウォーム16が停止することはない。
【0035】一方、モータ14が停止した場合には、ウォーム16は外力により逆転しようとするため、第2空間44から通路42を通って第1空間40へブレーキ部材46が移動しようとする。狭い通路42を通過する場合にウォーム16をブレーキ部材46が押圧する。
【0036】モータ14が回転しているときとは違い、モータ14は停止しているため,ウォーム16はブレーキ部材46の押圧力に反して回転する力がなく、ウォーム16はブレーキ部材46が通路42において挟まった状態の時に停止する。
【0037】そして、ブレーキ部材46が通路42に詰まった状態で再びモータ14を回転させると、ブレーキ部材46の押圧力に反してウォーム16が回転し、通常の動作を行うことが可能となる。
【0038】図8は、第4の実施例の変形例であり、異なる点は第4の実施例ではブレーキ部材46は図6(b)に示すように直方体であったが、図8(a)においては、図8(b)に示すように円柱形になっている点である。
【0039】(第5の実施例)第5の実施例のウォーム減速機10について図9に基づいて説明する。
【0040】本実施例のウォーム減速機10のハウジング12は、モータ14を収納するモータハウジング48とウォーム16とウォームホイール18を収納するホイールハウジング50とより構成されている。
【0041】ホイールハウジング50とモータハウジング48とは、支点52を中心に回動自在に取付けられている。この支点52は、軸方向とは直交した位置に設けられており、さらに作用線Yの延長線上に設けられている。
【0042】すなわち、図9に示すように、ウォーム16の歯面に沿ったZ線と直交する方向にウォーム16はウォームホイール18に対して力を及ぼす。このため、モータハウジング48とホイールハウジング50をつなぐ支点52は、ウォーム16の歯面の直交する方向である作用線Y上に設けることにより、ホイールハウジング50はウォーム16からの力により支点52を中心に回転することがない。
【0043】また、モータハウジング48とホイールハウジング50の上部には縮みバネ54が設けられ、または、モータハウジング48とホイールハウジング50の下方には伸びバネ56が設けてもよく、常に、ホイールハウジング50がモータハウジング48に対し時計回りに力がかかるようになっている。これによって、ウォーム16がウォームホイール18を押圧する構造となっている。
【0044】この第5の実施例のウォーム減速機10においても、モータ14の運転または停止時の状態でウォーム16の波面に押しつける力が発生し、ウォーム16が回りにくくなる。
【0045】
【発明の効果】以上により本発明のウォーム減速機であると、ウォームが常にウォームホイールを押しつけるようにして、運転または停止の状態でもウォームの歯面に押し付け力が発生し、ウォームとウォームホイールの相対滑りに抗する摩擦力が発生し外力によりウォームが回りにくくなる。そして、この効果を奏するための部品も少なくてすみ、コストが上がらない。
【出願人】 【識別番号】398061810
【氏名又は名称】芝浦電産株式会社
【出願日】 平成11年7月7日(1999.7.7)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外3名)
【公開番号】 特開2001−21008(P2001−21008A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−193264