| 【発明の名称】 |
サイレントチェーンのロッカーピン用線材およびロッカーピン |
| 【発明者】 |
【氏名】松野 和正
【氏名】福田 茂一
【氏名】船本 隆幸
【氏名】岩▲さき▼ 良紀
【氏名】堀江 博史
【氏名】丸山 正夫
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| 【要約】 |
【課題】厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を目視で簡単に識別できるロッカーピンまたはその素材である線材を提供する。
【解決手段】ロッカーピン11の背面11Bまたは側面11Cに凹状の溝11Aを設ける。この凹状の溝11Aによって、厚さまたは転動面11Dの形状が異なる複数種のロッカーピンを識別する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロッカーピンまたはその素材である線材であって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を識別することができる識別手段を具備したことを特徴とするロッカーピンまたはその素材である線材。 【請求項2】前記識別手段として、ロッカーピンまたはその素材である線材の外周面に凹状の溝または凸状の突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載のロッカーピンまたはその素材である線材。 【請求項3】前記識別手段として、ロッカーピンまたはその素材である線材の外周面に色彩を施したことを特徴とする請求項1に記載のロッカーピンまたはその素材である線材。 【請求項4】前記識別手段として、ロッカーピンの両切断面を長さ方向と直角以外の切断面形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のロッカーピン。 【請求項5】前記識別手段として、ロッカーピンの転動面と側面とで構成する稜線部分を一部切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載のロッカーピン。 【請求項6】前記識別手段として、ロッカーピンの表面の光沢を異ならしめたことを特徴とする請求項1に記載のロッカーピン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を目視で簡単に識別できるロッカーピンまたはその素材である線材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の動力伝動用チェーンのリンクプレートを連結するロッカージョイントには、図4に示すように、長ピン1と短ピン2の一対のロッカーピンが使用される。図5は、従来のロッカーピンの端面形状を示すものである。図5において、Tはロッカーピンの厚さを示している。 【0003】ところで、本出願人は、先に、異なるピッチで各リンクを無端状に連結したロッカージョイント型サイレントチェーンを出願している(特願平11−177377号)。この出願の発明においては、異なるピッチで各リンクを無端状に連結するために、厚さの異なるロッカーピンを組み合わせて使用している。このためには、数種類の厚さのロッカーピンあるいはその素材である線材を製作して保管・管理する必要がある。また、ロッカージョイント型サイレントチェーンにおいては、転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを組み合わせて使用する場合もある。このような場合にも転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンあるいはその素材である線材を製作して保管・管理する必要がある。 【0004】しかしながら、従来のロッカーピンあるいはその素材である線材には、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を識別する手段が設けられていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そのために、従来のロッカーピンまたはその素材である線材には、次のような問題点があった。 【0006】(1)厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材は、形状が似ているため外観上目視による識別が困難であり、その管理に手間がかかる。(2)厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを誤って混合した時、その選別が非常に困難である。すなわち、その選別は1本1本測定して行うことになるが、量産しているチェーンでは一度に扱うロッカーピンの量は数万本の単位であり、1本1本測定して選別することは事実上不可能に近い。したがって、全部を廃棄するしかない。(3)ロッカーピンによって構成されるチェーン用ロッカージョイントは、ロッカーピンの長ピンと短ピンとを組み合わせて使用するものであるが、長ピンと短ピンの組み合わせを間違えると、リンクプレートの孔と組み合わせたロッカーピンとのクリアランスが過小あるいは過大となり、チェーンが所定の機能を果たさなくなる。また、リンクプレートの孔径よりも組み合わせたロッカーピンの外径が大きいと、組み合わせたロッカーピンがリンクプレートの孔に入らず、組み立てのための機械を破損することになる。 【0007】そこで、本発明は、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を目視で簡単に識別できるロッカーピンまたはその素材である線材を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロッカーピンまたはその素材である線材であって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を識別することができる識別手段を具備したものである。 【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロッカーピンまたはその素材である線材において、識別手段として、ロッカーピンまたはその素材である線材の外周面に凹状の溝または凸状の突起を設けたものである。 【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロッカーピンまたはその素材である線材において、識別手段として、ロッカーピンまたはその素材である線材の外周面に色彩を施したものである。 【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のロッカーピンにおいて、識別手段として、ロッカーピンの両切断面を長さ方向と直角以外の切断面形状に形成したものである。 【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のロッカーピンにおいて、識別手段として、ロッカーピンの転動面と側面とで構成する稜線部分を一部切り欠いたものである。 【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のロッカーピンにおいて、識別手段として、ロッカーピンの表面の光沢を異ならしめたものである。 【0014】 【作用】厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を識別手段により目視で簡単に識別できる。したがってロッカーピンまたはその素材である線材の管理が簡単になる。 【0015】厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別手段により目視で簡単に識別できる。したがってロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1であるロッカーピンを示すもので、このロッカーピンの一部斜視図である。本発明の実施例1であるロッカーピン11は、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別することができる識別手段として、ロッカーピン11の外周面に凹状の溝11Aを設けたものである。すなわち、(A)は、ロッカーピン11の背面11Bに1個の凹状の溝11Aを設けたものを示し、(B)は、ロッカーピン11の背面11Bに2個の凹状の溝11A,11Aを設けたものを示し、(C)は、ロッカーピン11の背面11Bに3個の凹状の溝11A,11A,11Aを設けたものを示し、(D)は、ロッカーピン11の側面11Cにそれぞれ1個の凹状の溝11Aを設けたものを示し、(E)は、ロッカーピン11の一方の側面11Cに2個の凹状の溝11A,11Aを設けたものを示している。 【0017】凹状の溝11Aは、ロッカーピン11の長手方向全長にわたって設ける。また凹状の溝11Aは、ロッカーピン11の背面11Bまたは側面11Cに設け、ロッカーピンの転動面11Dには設けない。図示はされていないが、背面11Bと側面11Cの両方に設けることもできる。凹状の溝11Aの幅は、0.1mm以下、深さは0.1mm以下とすることが好ましい。 【0018】ロッカーピン11の素材である線材は、ロッカーピン11とほぼ同一断面の線材を引き抜き加工で製作する。したがって、ロッカーピン11の素材である線材を製作する引き抜き加工段階で素材である線材に凹状の溝11Aを設ければ、特に凹状の溝11Aを設けるための加工は特に必要としない。 【0019】前記実施例1によれば、凹状の溝11Aの数を目視で簡単に確認することができる。したがって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを凹状の溝11Aの数により目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる。 【0020】ロッカーピン11と対向する部分との間に隙間のある部分においては、凹状の溝11Aに代えて凸状の突起(図示しない)を設けてもよい。 【0021】また、前記実施例1においては、ロッカーピン11に凹状の溝11Aを設けたものであるが、ロッカーピンの素材である線材にも凹状の溝を設けることもできる。ロッカーピンの素材である線材に凹状の溝を設けることにより、凹状の溝の数を目視で簡単に確認することができる。したがって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンの素材である線材を凹状の溝の数により目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの素材である線材の管理が簡単になる。なお、ロッカーピンの素材である線材に凹状の溝を設ける代わりに凸状の突起を設けてもよい。 【0022】図2は、本発明の実施例2であるロッカーピン12を示すもので、このロッカーピン12を転動面12D側から見た正面図である。本発明の実施例2であるロッカーピン12は、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別することができる識別手段として、ロッカーピン12の両切断面12F,12Fを長さ方向と直角以外の切断面形状に形成したものである。すなわち、(A)は、その両切断面12F,12Fが円弧状に切断されたものを示し、(B)は、その両切断面12F,12Fが山形に切断されたものを示している。また図2の(A)に示す円弧状部の高さL及び図2の(B)に示す山形部の高さLは、リンクプレートの孔と接しない無効長さとなるため、識別可能な範囲で小さくする必要がある。 【0023】前記実施例2によれば、ロッカーピン12の両切断面12F,12Fが円弧状に切断されたものであるか、山形に切断されたものであるかを目視で簡単に確認することができる。したがって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを、そのロッカーピンの両切断面12F,12Fの形状により目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる。 【0024】図3は、本発明の実施例3であるロッカーピン13を示すもので、このロッカーピン13を切断面すなわち端面13F側から見た図である。本発明の実施例3であるロッカーピン13は、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別することができる識別手段として、ロッカーピン13の転動面13Dと側面13Cとで構成する稜線部分を一部切り欠いたものである。すなわち、図3は、切断面すなわち一方の端面13Fを含む稜線部分を一部切り欠いたものを示している。13Gはこの切り欠き部分を示している。 【0025】前記実施例3によれば、ロッカーピン13の稜線部分の切り欠き部分13Gを目視で簡単に確認することができる。したがって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを、そのロッカーピン13の切り欠き部分13Gにより目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる。 【0026】図示はしていないが、本発明の実施例4のロッカーピンは、識別手段として、ロッカーピンの外周面に色彩を施すことにより、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別するものである。ロッカーピンの外周面に色彩を施すすなわち着色は、ロッカーピンの素材である線材の段階から実施してもよいし、素材である線材の切断後の混入の可能性が大きくなってからでもよい。なお、色彩は識別に必要な工程間にあればよく、チェーンとして組み立て完了後は落色となってもよい。 【0027】前記実施例4によれば、ロッカーピンの外周面に施された色彩を目視で簡単に確認することができる。したがって、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを、そのロッカーピンの外周面に施された色彩により目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる。 【0028】前記実施例4は、ロッカーピンの外周面に色彩を施したものであるが、ロッカーピンの素材である線材の外周面に色彩を施すこともできる。ロッカーピンの素材である線材の外周面に色彩を施すことにより、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンの素材である線材を色彩により目視で簡単に識別でき、その結果ロッカーピンの素材である線材の管理が簡単になる。 【0029】図示はしていないが、本発明の実施例5のロッカーピンは、識別手段として、ロッカーピンの表面の光沢を異ならしめたものであり、このロッカーピンの表面の光沢により、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別するものである。ロッカーピンの表面の光沢を異ならしめる手段は、ロッカーピンの表面仕上げ工程で表面粗さを変える等の方法がある。 【0030】また、前記各実施例1,2,3,4,5は、前記のようにそれぞれ単独でロッカーピンに適用することもできるが、前記各実施例1,2,3,4,5を適宜組み合わせてロッカーピンに適用することも可能である。 【0031】また、前記各実施例1,4は、前記のようにそれぞれ単独でロッカーピンの素材である線材に適用することもできるが、前記各実施例1,4を適宜組み合わせてロッカーピンの素材である線材に適用することも可能である。 【0032】また、本発明のロッカーピンまたはその素材である線材は、サイレントチェーンのロッカーピンまたはその素材である線材に適用できるのはもちろん、CVTに使用するチェーンのロッカーピンまたはその素材である線材にも適用できる。 【0033】 【発明の効果】本発明のロッカーピンまたはその素材である線材によれば、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンまたはその素材である線材を識別手段により目視で簡単に識別でき、したがってロッカーピンまたはその素材である線材の管理が簡単になる、という効果を奏する。 【0034】本発明のロッカーピンによれば、厚さまたは転動面の形状が異なる複数種のロッカーピンを識別手段により目視で簡単に識別でき、したがってロッカーピンの管理が簡単になり、異なる種類のロッカーピンの混入を防止でき、またロッカージョイントを構成する長ピンと短ピンの誤った組み合わせを防止できる、という効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003355 【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
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| 【出願日】 |
平成11年10月12日(1999.10.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111372 【弁理士】 【氏名又は名称】津野 孝 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−108023(P2001−108023A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−289886 |
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