| 【発明の名称】 |
電磁石式磁気粘性流体流動型制振装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤谷 秀雄
【氏名】砂子田 勝昭
【氏名】袖山 博
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| 【要約】 |
【課題】比較的簡単な構成でコストの低廉化及び信頼性の向上を図ると共に、極めて緩慢な変位を許容し、他の振動に対して適切な減衰効果を得る磁気粘性流体流動型制振装置を提供すること。
【解決手段】制振装置を、シリンダ1、ピストンロッド2、ピストン3、連通管4、リザーバ5で構成する。シリンダ1及び連通管4には磁気粘性流体を充填し、リザーバ5には磁気粘性流体を収容する。ピストン3の極めて緩慢な変位による磁気粘性流体の流通は、ポペット弁10の開閉動作によりリザーバ5側で行い、配管等の熱変位を許容する。それ以外のピストン3の変位による磁気粘性流体の流通は、オリフィス11を介した連通管4側で行い、電磁石15によるオリフィス11での磁界で流体の粘度を高めて流動抵抗を増し、風や地震などによる振動を減衰させる。オリフィス11は、間隔を変更可能に設けた相対向する一対の磁性体12,12によって形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体又は被支持体の一方に連結され、内部に磁気粘性流体を充填したシリンダと、他方に連結され、前記シリンダに出入り自在に挿入されたピストンロッドと、このピストンロッドに固定され、前記シリンダ内を第1及び第2の隔室に区画し、シリンダ内を軸線方向に移動可能なピストンと、前記シリンダの第1及び第2の隔室に、ピストンの緩慢な相対変位による磁気粘性流体の流通を許容するポペット弁を介して連通し、磁気粘性流体を収容したリザーバと、内部に磁気粘性流体を充填して第1及び第2の隔室に連通し、オリフィスを途上に備えて磁気粘性流体を流通させる連通管と、この連通管に固定されてオリフィスに磁界を形成する電磁石とを具備し、前記ピストンの極めて遅い相対変位を許容するが、他の速度の相対変位に抵抗を付与して振動を減衰することを特徴とする電磁石式磁気粘性流体流動型制振装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁界がかかると粘度が増して流動抵抗が高まる特性を有する磁気粘性流体を用いて、振動に伴うピストンの移動により磁気粘性流体を電磁石による磁界中に流通させてその流動抵抗により振動を減衰させる磁気粘性流体流動型制振装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、支持体又は被支持体の一方にシリンダが連結され、他方にはシリンダに出入り自在に挿入したピストンロッドが連結され、このピストンロッドに、シリンダ内を第1及び第2の隔室に区画するピストンが固定され、シリンダの内部に磁気粘性流体が充填される。ピストンには電磁石が固定され、シリンダとの隙間を通じて隔室間を磁気粘性流体が流通するようになっている。そして、振動に伴うピストンの往復動により磁気粘性流体が流動するが、電磁石の磁界により流動抵抗が増して、振動が減衰する。この場合、電磁石により磁界の強さを変化させることにより制振対象の振動に応じて減衰特性を変えることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の制振装置においては、シリンダ内に電磁石を設けるので、外部から可動部に電力を供給しなければならないし、振動の程度に応じて磁界を調整するための制御部も必要となり、装置の構成が複雑になり、コストや信頼性の面で難がある。 【0004】これに対して、電磁石に代えて永久磁石を用いることとすれば、低速域の振動に対しても定格に近い減衰荷重が働いてしまい、例えば制振対象として発電所の配管等に適用すると、熱変化による極めて緩やかな変位をも阻止して配管等の破損を招いてしまう。また、設置状況に応じて減衰特性を変えることができない。 【0005】さらに、電磁石の通電による発熱でシリンダ内に熱がこもり易く、磁気粘性流体の特性劣化をもたらす。しかも、磁気粘性流体が劣化すると、基油と鉄粉に分離し、液面付近に基油が上澄みとなって現れる現象が生じて、装置の性能に悪影響を及ぼす。 【0006】そこで、本発明は、比較的簡単な構成でコストの低廉化及び信頼性の向上を図ると共に、配管の熱変位のような極めて緩慢な変位を許容するが、風や地震などの振動を適切に減衰し、また設置状況に応じた減衰特性を簡単に調整でき、さらに磁気粘性流体の劣化を防止する一方、劣化の影響を少なく抑える電磁石式磁気粘性流体流動型制振装置を提供することを課題としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明においては、上記課題を解決するため、支持体又は被支持体の一方にシリンダ1を連結して、その内部に磁気粘性流体を充填し、他方にピストンロッド2を連結してシリンダ1に出入り自在に挿入し、このピストンロッド2にシリンダ1内を軸線方向に移動可能なピストン3を固定してシリンダ1内を第1及び第2の隔室8,9に区画し、また第1及び第2の隔室8,9に連通管4を連通させて内部に磁気粘性流体を充填し、この連通管4の途上にオリフィス11を設け、連通管4に電磁石15を固定してオリフィス11に磁界を形成して磁気粘性流体に流動抵抗を与え、またシリンダ1の第1及び第2の隔室8,9に、ピストン3の極めて緩慢な変位による磁気粘性流体の流通を許容するポペット弁10を介して磁気粘性流体を収容したリザーバ5を連通させ、ピストン3の極めて緩慢な相対変位をリザーバ5側への磁気粘性流体の流通により許容するが、他の速度の相対変位に対して連通管4側への磁気粘性流体の流通により抵抗を付与して振動を減衰するように電磁石式磁気粘性流体流動型制振装置を構成した。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る磁気粘性流体流動型制振装置の縦断面図、図2は図1のII−II断面図である。図1及び図2において、制振装置は、シリンダ1と、このシリンダ1に軸線方向へ出入り自在に挿入されたピストンロッド2と、ピストンロッド2上に固定されたピストン3と、シリンダ1の下部に設けられた連通管4と、シリンダ1の上部に設けられたリザーバ5とを備えている。シリンダ1は図示しない構築物のような支持体又は配管のような被支持体の一方に引手6を介して連結され、ピストンロッド2は他方に引手7を介して連結される。シリンダ1の内部はピストン3によって隔室8,9に仕切られる。シリンダ1及び連通管4の内部には磁気粘性流体が充填されている。 【0009】リザーバ5は、ポペット弁10を介してシリンダ1の隔室8,9に夫々連通しており、その内部に磁気粘性流体が収容されている。ポペット弁10は、ピストン3の極めて緩慢な相対変位による磁気粘性流体の流通のみを許容するように開閉動作を行う。即ち、ポペット弁10は、側部に流通孔を有する弁体がばねによって弁座から離れる方向に押されて構成されており、常時は開放状態が維持されて僅かな流れを許容するが、ばね力より高い圧力で弁を閉じる。 【0010】連通管4の両端は、シリンダ1の隔室8,9に連通している。連通管4はシリンダ1の下方に位置し、略矩形の非磁性体で構成され、長手方向に断面円形の流通路が貫通する。連通管4はその長手方向のほぼ中央にオリフィス11を備えている。オリフィス11は、連通管4に横方向から挿入された対向する一対の磁性体12,12によって形成されている。磁性体12は、シリンダ1に固定された取付片14へのナットの締め込みによるボルト13の固定位置によってオリフィス11の間隔を調整できる。取付片14は磁性体で構成されている。 【0011】連通管4には、取付片14を介してオリフィス11に磁界を形成する電磁石15が固定されている。電磁石15は、磁性体12,12及び取付片14と共に磁路を形成する鉄心15aと、この鉄心15aの周囲に巻き回される環状のコイル15bとを備えている。コイル15bは図示しない外部電源に接続される。 【0012】この制振装置は、例えば発電設備の配管の支持に適用される。配管に熱変位が生じると、ピストン3がシリンダ1に対して極めて緩慢に相対移動する。ピストン3が移動すると隔室8,9の容積が変化するから、その内部の磁気粘性流体がシリンダ1を出入りする。図1においてピストン3が左行(又は右行)すると、ポペット弁10を通じて磁気粘性流体がピストン3で隔室8(又は9)からリザーバ5側に押し出されると共に、不足分がリザーバ5側から隔室9(又は8)に流れ込む。従って、ピストン3の極めて緩慢な移動は妨げられず、減衰力を働かせることなく制振対象の変位が許容される。 【0013】一方、風や地震などにより制振対象に振動が加わると、先の例より速い移動速度でピストン3が左行(又は右行)し、磁気粘性流体がピストン3で隔室8(又は9)から押し出される。このとき、ポペット弁10が閉じるので、磁気粘性流体はリザーバ5側への出入りがなく、連通管4内を流通する。この磁気粘性流体はオリフィス11で流れが絞られると共に、電磁石15の磁界により粘度が増すので流動抵抗が高まり、自由な流れが妨げられる。従って、ピストン3の移動に抵抗が生じて振動を減衰させる。磁気粘性流体の流動抵抗は、オリフィス11の間隔や、オリフィス11における磁界強度によって変化するので、減衰荷重は磁性体12,12の固定位置を調整したり、コイル15bに流れる電流を変更することによって調整することが可能である。特に、オリフィス11の間隔は、ナットの締め込みによるボルト13の固定位置によって自由に変更することができるので、隙間を微調整するような部材の精密な仕上げ加工や組込み作業を必要としない。なお、電磁石15は外部に露出しており、磁気粘性流体と接触していないので、通電による発熱によって磁気粘性流体が劣化することはない。また、磁気粘性流体が劣化して基油と鉄粉とが分離し、基油が上澄み液の状態になったとしても、オリフィス11は下方位置にある正常な磁気粘性流体中に没しているので、装置の性能に影響がない。 【0014】 【発明の効果】以上のように、本発明においては、ピストンと電磁石とを別体にしてシリンダ外に磁気粘性流体を流通させるので、比較的簡単な構成により、全体的にコストの低廉化を図ることができる。また電磁石をシリンダの外部に設けたので、電力供給が容易になるし、磁界を変化させるための制御部が不要となり、装置の構成が簡易化し、さらにコストの低減化、信頼性の向上を図ることができる。例えば配管等の熱変化によるピストンの極めて緩慢な相対変位を無理なく許容して機器の破損を防止するが、風や地震などによる振動を確実に減衰させることができ、性能、信頼性の向上を図ることができる。また、電磁石が発熱しても磁気粘性流体の特性を劣化させることがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394017251 【氏名又は名称】建設省建築研究所長 【識別番号】000001890 【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月28日(2000.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078950 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 忠
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| 【公開番号】 |
特開2001−241486(P2001−241486A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−51173(P2000−51173) |
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