| 【発明の名称】 |
免震装置及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】太田 雅巳
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| 【要約】 |
【課題】硬質板の位置ずれが無い免震装置を容易に且つ短い加硫時間で製造することを可能とする。
【解決手段】孔のあいた硬質板1と未加硫の内層ゴム2とを積層すると共に、この積層体の上下に未加硫の内層ゴム2を介して孔のあいたフランジ3,3を重ね合わせる。硬質板1と内層ゴム2との積層体5の外周をモールド6で取り囲み、加熱加硫する。加硫後、上側の熱板7を引き上げ且つモールド6を離型させ、加硫済の積層体5の外周に型9を配置し、型9と積層体5Aとの間に液状ゴム材料4’を供給し、加硫する。貫通孔10にゴムブロック11を填め、必要に応じキャップ12を取り付ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硬質板と未加硫ゴム層との積層体を加硫して免震装置本体を製造する本体製造工程と、この本体製造工程の後、該免震装置本体の外周に被覆層を形成する被覆層形成工程とを有する免震装置の製造方法において、前記積層体に積層方向に貫通孔を設けたことを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項2】 請求項1において、積層体の加硫後に該貫通孔に軟質ゴムブロックを挿填することを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項3】 請求項2において、該ゴムブロックの外周面を該貫通孔の内周面に密着させることを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項において、積層体の加硫後に該貫通孔をキャップで閉鎖することを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記硬質板の外周は前記免震装置本体の外周面に露出しており、硬質板の内周は前記貫通孔の内周面に露出していることを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項6】 請求項5において、前記免震装置本体のゴム層を加硫するに際し、該免震装置本体の外周をモールドに接触させておくことを特徴とする免震装置の製造方法。 【請求項7】 硬質板とゴム層とが交互に積層され且つ加硫接着された免震装置本体と、該免震装置本体の外周に形成された被覆層とを有する免震装置において、該免震装置本体に、積層方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする免震装置。 【請求項8】 請求項7において、該貫通孔に軟質ゴムブロックが挿填されていることを特徴とする免震装置。 【請求項9】 請求項8において、該ゴムブロックの外周面が該貫通孔の内周面に密着していることを特徴とする免震装置。 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれか1項において、該貫通孔の入口部分がキャップで閉鎖されていることを特徴とする免震装置。 【請求項11】 請求項10において、免震装置本体の両端面にフランジが設けられ、前記キャップは該フランジに固定されていることを特徴とする免震装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は免震装置及びその製造方法に係り、特に免震装置本体の外周に内部の保護性能や外観に優れた被覆層を有する免震装置及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、鋼板等の硬質板とゴム層(以下「内層ゴム」と称す。)とを交互に積層した積層構造を有する免震ゴムが、地震時に要求される防振性、吸振性等を満たす支承部材として実用に供されるようになってきている。 【0003】このような免震ゴムでは、耐熱性や耐候性、難燃性等を付与する目的で、その外周に被覆層を形成することが行われている。 【0004】従来、この被覆層の形成方法としては次の方法が公知である。 (a) 内層ゴムと被覆ゴムとを同時に加硫接着する方法(特許第2891174号)。 (b) 硬質板とゴム層との積層体を加硫した後、型内に配置し、型の内周面と積層体の外周面との間のスペースに液状ゴムを注入して硬化させる方法(特許第2844078号)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(a)の方法では内部に熱が伝わりにくく、加硫時間が長くなる。また、加硫工程等において硬質板がずれるおそれもある。硬質板が大幅にずれた場合には、免震装置の特性が所期のものとならない。 【0006】(b)の製造方法においても、免震装置本体の加硫時に内部に熱が伝わりにくく、加硫時間が長い。 【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、免震装置本体の外周に被覆層を備えた免震装置を容易かつ効率的に形成することを可能とすることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の免震装置の製造方法は、硬質板と未加硫ゴム層との積層体を加硫して免震装置本体を製造する本体製造工程と、この本体製造工程の後、該免震装置本体の外周に被覆層を形成する被覆層形成工程とを有する免震装置の製造方法において、前記積層体に積層方向に貫通孔を設けたことを特徴とするものである。 【0009】また、本発明の免震装置は、硬質板とゴム層とが交互に積層され且つ加硫接着された免震装置本体と、該免震装置本体の外周に形成された被覆層とを有する免震装置において、該免震装置本体に、積層方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とするものである。 【0010】かかる本発明によって提供される免震装置は、免震装置本体に貫通孔があいているので、加硫時に免震装置本体の中心部にも十分に熱が伝わり、短時間で加硫を行うことができる。 【0011】本発明にあっては、硬質板を免震装置本体の外周面と内周面の双方に露出させておくことにより、硬質板を介して免震装置本体の内部にまで十分に且つ速やかに熱を伝達させ、加硫時間をさらに短くすることができる。 【0012】また、硬質板の外周面を免震装置本体の外周面に露出させ、この硬質板をモールドで拘束することにより、加硫時における硬質板の位置ずれも防止される。この場合、モールドから熱が硬質板に直接的に伝わるので、加硫時間をさらに短縮することも可能である。 【0013】本発明では、貫通孔にゴムブロックを填め、硬質板の内周側からの腐食を防止するのが好ましい。このゴムブロックの外周面を貫通孔の内周面に密着させることにより、硬質板の内周面側からの腐食を防止することができる。 【0014】また、貫通孔の入口をキャップで閉鎖することにより、この腐食を確実に防止することができる。免震装置が両端面にフランジを有するものである場合、このフランジにキャップを固定することが好ましい。 【0015】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。 【0016】図1(a),(b)は実施の形態に係る免震装置の製造方法を示す断面図であり、図1(c)は免震装置の完成前の断面図、図2は免震装置の断面図である。 【0017】図1(c)及び図2の通り、この免震装置は、金属板(例えば鉄板)、合成樹脂板などよりなる硬質板1と、内層ゴム2とが交互に複数枚積層され、上下の端面にフランジ3,3が設けられている。この硬質板1と内層ゴム2との積層体よりなる本体の外周に被覆層4が設けられている。また、上下のフランジ3を含めて貫通孔10が設けられ、この貫通孔10に軟質ゴムブロック11が挿填されている。 【0018】この免震装置を製造するには、図1(a)の通り、硬質板1と未加硫の内層ゴム2とを積層すると共に、この積層体の上下に未加硫の内層ゴム2を介してフランジ3,3を重ね合わせる。そして、硬質板1と内層ゴム2との積層体5の外周をモールド6で取り囲む。 【0019】この際、モールド6の内周面に対し硬質板1の外周を当接させるのが好ましい。これは、硬質板1をモールド6で保持して位置ずれを防止すると共に、モールド6からの熱を硬質板1に伝熱させ、積層体5の奥まで熱を速やかに伝熱させるためである。このモールド6は複数の割型により構成されている。モールド6には電気ヒータ(図示略)が設けられている。このヒータに通電してモールド6を加熱すると共に、この積層体5を上下から熱板7,8で挟み、フランジ3,3をモールド6の上下の端面に密着させる。 【0020】熱板7,8の熱をフランジ3を介して未加硫内層ゴムに伝えると共に、モールド6の熱を直接に又は硬質板1を介して内層ゴム2に伝達させ、内層ゴム2を加熱加硫する。この際、熱板7,8の熱が貫通孔10を介して内層ゴム2に伝わるので、内層ゴム2は全体としてきわめて速やかに加硫される。これにより、免震装置本体が得られる。 【0021】この加硫後、上側の熱板7を引き上げ且つモールド6を離型させ、図1(b)の通り、加硫済の積層体5Aの外周に型9を配置する。この型9はモールド6よりも若干大径のものであり、型9の内面と積層体5Aとの間には所定の間隙があいている。この型9は複数(例えば3〜4個)の割型よりなる。この型9には電気ヒータ(図示略)が設けられている。 【0022】この型9と積層体5Aとの間のスペースに液状ゴム材料4’を供給する。この液状ゴム材料4’を該スペースに供給するには、流し込んでもよく、射出注入してもよい。 【0023】上側の熱板7を上側のフランジ3に重ね、フランジ3,3と型9とを密着させ、型9内の液状ゴム材料4’を熱板7,8及び型9の熱によって加硫する。 【0024】この液状ゴム材料4’を加硫させて被覆層4を形成した後、熱板7,8を離反させると共に、型9を脱型して図1(c)の構造体を得る。なお、液状ゴム4’の代わりに未加硫ゴムシートを巻き付けて加硫することにより被覆層4を形成してもよい。 【0025】この構造体の貫通孔10にゴムブロック11を挿填することにより、図2の通りの免震装置が製造される。 【0026】このゴムブロック11は硬質板1の腐食防止を目的とするものであり、貫通孔10の内周面全面に密着することが好ましい。このゴムブロック11は、免震装置の減衰特性に影響を与えないようにするために可能な限り軟らかいものが好ましい。 【0027】このゴムブロック11は、免震装置を建物等の支承に用いた場合、外気には直接的には触れないので、該ゴムブロック11のオゾン劣化等は実質的には殆ど生じない。ただし、必要に応じ図3のようにキャップ12を貫通孔10の上下両入口部に装着しても良い。図3では、フランジ3の貫通孔周縁部に段部13を設け、この段部13にプレート状のキャップ12を嵌合し、ボルト14にてキャップ12をフランジ3に固定しており、キャップ12の固定がきわめて堅固であるが、固定方式はこれ以外であってもよい。 【0028】なお、ゴムブロック11を填めることなくキャップ12のみを設けてもよい。 【0029】図4,5は被覆層の端部の構造を改めた実施の形態に係る免震装置を示す断面図である。図4では、フランジ3Aが段部20を有し、この段部20の立面に被覆層4が被さっている。 【0030】図5も同様であるが、図4よりも段部20がフランジ3Bの外周縁側に位置しており、被覆層4とフランジ3Bとの交叉隅部付近に円弧状に凹に湾曲した湾曲部22が設けられている。この湾曲部22を設けることにより、この湾曲部22付近への応力集中が緩和される。 【0031】 【発明の効果】以上の通り、本発明によると硬質板の位置ずれが無い免震装置を容易に且つ短い加硫時間で製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086911 【弁理士】 【氏名又は名称】重野 剛
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| 【公開番号】 |
特開2001−182778(P2001−182778A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−365268 |
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