| 【発明の名称】 |
構造物制振装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中川 啓三
【氏名】中川 斉
【氏名】村田 保
【氏名】中川 正光
【氏名】小藤田 豊
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| 【要約】 |
【課題】強風発生時等に、隣接する構造物としてのビル相互間で構造物の揺れを効果的に低減させ、大地震発生時に、構造物の大変位を許容させる。
【解決手段】隣接する構造物としてのビル同士を連結する伸縮ケーシング2の上下位置の外側筒体2aと内側筒体2bの間に、電動モータ5とボールねじ機構7とロック機構10を有する動吸振機3を設けて、伸縮ケーシング2内にメンテナンススペースを確保させるようにする。各ビルに設置された変位検出器で検出した値を基に制御器から電動モータ5に制御指令を与えて制振させるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体の間に、電動モータと該電動モータに一端を連結したボールねじ機構と該ボールねじ機構の他端に連結したロック機構とからなる動吸振機を設け、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成を有することを特徴とする構造物制振装置。 【請求項2】 制御器に、ロック機構へロック解除指令を送る機能を持たせた請求項1記載の構造物制振装置。 【請求項3】 隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体に、電動モータと該電動モータの駆動で回転するピニオンと該ピニオンを噛合させたラックとからなる動吸振機を、上記電動モータが外側筒体又は内側筒体のいずれか一方に、又、上記ラックが外側筒体又は内側筒体のいずれか他方にそれぞれ固定されるように備え、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成を有することを特徴とする構造物制振装置。 【請求項4】 ピニオンの軸にクラッチを取り付け、該クラッチの入り切りを制御器からの指令により行うようにした請求項3記載の構造物制振装置。 【請求項5】 伸縮ケーシングの外表面部所要個所にヒータを組み付けた請求項1、2、3又は4記載の構造物制振装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は地上あるいは水上にある構造物相互の主として強風による揺れを抑えるようにするための構造物制振装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】オフィス街等のビルの密集地では、防災対策の一つとして、火災発生時に隣接するビルへ避難できるようにするために、隣接するビル間に連絡橋を架設するようにしている場合がある。 【0003】又、上記連絡橋を利用して、強風発生時等のビルの振動を抑える工夫が行われているものもある。その一例を示すと、図9(イ)(ロ)に示す如く、隣接する一方のビルaから他方のビルbへ向けて連絡橋cを張り出させるように架け、且つビルb側に固定されて連絡橋cを移動可能に支持するようにした支持台dと、連絡橋cの張り出し端部との間にオイルダンパeを介在させ、振動発生時にビルa,bの振動エネルギーをオイルダンパeで吸収することができるようにしてある(実開昭63−45810号公報)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記図9(イ)(ロ)に示すものの場合、上記オイルダンパeではビルa,b間の大きな相互変位を瞬時に吸収することはできないので、大地震時に発生するビルa,b間の大きな相互変位を許容することができず、そのため、オイルダンパe自体やビルa,bが損傷を受ける可能性がある。 【0005】そこで、本発明は、強風発生時や比較的小さな地震発生時には制振機能を最大限に発揮させることができると共に、大地震発生時には構造物の大きな相互変位を許容することができるようにし、加えて、メンテナンスを容易に行うことができるようにしようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体の間に、電動モータと該電動モータに一端を連結したボールねじ機構と該ボールねじ機構の他端に連結したロック機構とからなる動吸振機を設け、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成とする。 【0007】強風や比較的小さな地震が発生すると、構造物の揺れが揺れ検知センサーで検知され、その値を基に制御器から動吸振機のモータへ制御指令が送られることにより、ボールねじ機構の作動を介し伸縮ケーシングが伸縮されるため、構造物同士が所要のタイミングで押し引きされる結果、構造物の揺れが効果的に抑えられる。この際、駆動モータ、ボールねじ機構を用いているので、コンパクト化が図れ、更に、伸縮ケーシングの上下又は左右に分けて動吸振機を備えているので、内部に広いスペースが確保できる。 【0008】又、制御器に、ロック機構へロック解除指令を送る機能を持たせた構成とすることにより、大地震が発生して構造物間に大きな相対変位が発生したときに、制御器からの指令でロック機構のロックが解除されるため、伸縮ケーシングは自由に伸縮できることになり、上記相対変位を許容することができる。 【0009】一方、隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体に、電動モータと該電動モータの駆動で回転するピニオンと該ピニオンを噛合させたラックとからなる動吸振機を、上記電動モータが外側筒体又は内側筒体のいずれか一方に、又、上記ラックが外側筒体又は内側筒体のいずれか他方にそれぞれ固定されるように備え、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成とすると、強風や比較的小さな地震が発生したときには、動吸振機のラック・ピニオン機構の作動を介し伸縮ケーシングが伸縮制御され、大地震が発生したときには、モータの回転がフリーにされることにより、伸縮ケーシングの伸縮制御が解除されることになる。 【0010】又、ピニオンの軸にクラッチを取り付け、該クラッチの入り切りを制御器からの指令により行うようにした構成としても、同様な制御を行うことができる。 【0011】更に、伸縮ケーシングの外表面部所要個所にヒータを組み付けた構成とすることにより、伸縮ケーシングから雪の塊や氷柱が落下してくるようなことがなくなる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0013】図1(イ)(ロ)(ハ)、図2(イ)(ロ)、図3、図4、図5は本発明の実施の一形態を示すもので、構造物としての3つのビル11 ,12 ,13 が3角形の配置に並んでいる場合について示す。斜め左右方向に隣接するビル11 と12、12 と13 の相対向するコーナー部同士を、2組の動吸振機3を内蔵させた伸縮ケーシング2にて連結し、且つ上記動吸振機3の制御装置を設け、ビル相互の揺れを伸縮ケーシング2で低減し、又、大地震時には伸縮ケーシング2の伸縮をフリーとするようにする。 【0014】上記伸縮ケーシング2は、図2(イ)(ロ)に詳細を示す如く、それぞれ四角筒形状とした外側筒体2aに内側筒体2bを挿入してテレスコープ状に組み立ててなり、長手方向の両端となる外側筒体2aの基端と内側筒体2bの先端とを、それぞれ自在継手4を介してビル11 ,12 ,13 の外壁部の所要高さ位置に水平に取り付けるようにしてある。 【0015】上記動吸振機3は、図2乃至図4に詳細を示す如く、伸縮ケーシング2内において、上下の位置に対称的に装備され、電動モータ5と、動力伝達軸6と、減速機12と、ナット部7a及びロッド部7bからなるボールねじ機構7と、中間支持台8と、連結ロッド9と、ロック機構10とを長手方向となる前後方向に順に並べて連結してなり、上記電動モータ5を内側筒体2bに、又、上記ロック機構10を外側筒体2a側にそれぞれ固定した構成としてある。 【0016】上記中間支持台8は、図3及び図4に示す如く、前面にボールねじ機構7のロッド部7bを固定し且つ後面に張り出させた水平ブラケット11に連結ロッド9の一端を垂直ピン21により連結させるようにしてある支持フレーム13に、左右方向に貫通するように支軸14を設けて、該支軸14の両端部に、軸受15を介してリニアガイドブロック16を取り付け、該リニアガイドブロック16を、内側筒体2bにレール台を介して組み付けた前後方向のリニアガイドレール17に摺動自在に係合させた構成としてある。 【0017】上記ロック機構10として、本実施の形態では油圧式ブレーキを採用しており、図3乃至図5に下側位置の動吸振機3のものについて示す如く、外側筒体2aの内壁下部に前後方向に沿うよう固設したブレーキ板18と、圧油を抜くことにより内蔵されているばねが開いてブレーキ力が解除されるようにしたブレーキシュー19と、上記連結ロッド9の他端に水平ブラケット20を介し垂直ピン21により連結して上記左右の各ブレーキシュー19を保持するようにしたブレーキ本体フレーム22とを有し、制御装置からの指令により圧油が抜かれるようにしてある。又、上記ブレーキ本体フレーム22には、前端部及び後端部に、それぞれ左右方向に貫通するように支軸23を設けて、該各支軸23の両端部に、軸受24を介してリニアガイドブロック25を取り付け、該リニアガイドブロック25を、内側筒体2bにレール台27を介して組み付けた前後方向のリニアガイドレール26に摺動自在に係合させた構成としてある。なお、上記ブレーキ板18は、ブレーキ力が解除されて外側筒体2aと内側筒体2bの縁が切られることにより、伸縮ケーシング2が伸縮したときに、付近の構造部品と干渉しないようにするために設計上の段差が設けてある。 【0018】更に、図2(ロ)に外側筒体2aの部分について示す如く、上記伸縮ケーシング2の外表面部となる外側筒体2aと内側筒体2bの少なくとも上面側の各コーナー部に、融雪装置としてのヒータ28が組み付けてある。 【0019】制御装置は、図1(ロ)(ハ)に示す如く、各ビル11 ,12 ,13 の伸縮ケーシング2連結レベルと同一レベル付近に設置した揺れ検知センサーとしての変位検出器301 ,302 ,303 と、該変位検出器301 ,302 ,303 で検出した変位を比較して変位の小さい方のビル11 又は12 、12 又は13 を基準に変位の大きい方のビル12 又は11 、13 又は12 を押し引きするように上記電動モータ5へ制御力u1 ,u2 の信号を送る制御器29を備えた構成としてある。又、図示してないが、上記制御器29は、変位検出器301 ,302 ,303 により検出された変位の値が大きい場合に、ロック機構10にロック解除指令を送るようにしてある。 【0020】なお、図2(イ)(ロ)において、31,32はそれぞれ外側筒体2aと内側筒体2bとの間に設けられた伸縮作動用のガイドローラを示す。 【0021】強風が発生した場合や中小規模の地震が発生した場合、各ビル11 ,12 ,13 に設置してある変位検出器301 ,302 ,303 で変位が検出され、隣接するビル11 と12 、12 と13 の変位が制御器29に入れられて比較された後、変位の小さい方のビル11 又は12 、12 又は13 を基準に変位の大きい方のビル12 又は11 、13 又は12 を押し引きするように各動吸振機3の電動モータ5が駆動される。電動モータ5が駆動されると、ボールねじ機構7の先端に中間支持台8及び連結ロッド9を介して連結してあるロック機構10が外側筒体2aにロックされているため、ボールねじ機構7の移動力が外側筒体2aに伝えられる結果、伸縮ケーシング2が伸縮させられ、その力がビル11 ,12 ,13 に与えられる。この場合、ビル11 ,12 ,13 の変位は、それぞれビル11 ,12,13 に作用する外力によって変化するので、一つのビル11 又は12 又は13を基準として見れば、電動モータ5及びボールねじ機構7により引張り力と押し力の二つの状態が発生する。よって、この力により隣接するビル11 と12 、12 と13 相互間の揺れを効果的に低減させることができる。なお、本発明では、予め、ビル11 ,12 ,13 に作用する予想の外力(中小地震まで)によりボールねじ機構7の最大ストロークが設定してある。 【0022】上記において、伸縮ケーシング2のビル11 と12 、12 と13 への連結部には、自在継手4が介在しているため、連結部に作用するあらゆる方向の力を吸収することができる。又、中間支持台8の支持フレーム13は、リニアガイドブロック16とリニアガイドレール17とからなるリニアガイド機構により、又、ロック機構10のブレーキ本体フレーム22は、リニアガイドブロック25とリニアガイドレール26とからなるリニアガイド機構によりそれぞれ支持されているため、伸縮ケーシング2の伸縮時の上下方向のがたを吸収することができる。更に、中間支持台8とロック機構10は2本の垂直ピン21を介して連結ロッド9により連結されているため、伸縮ケーシング2の伸縮時の左右方向のがたを吸収することができる。したがって、伸縮ケーシング2は安定して伸縮することができる。 【0023】上記制御理論を詳述すると、図1(ロ)(ハ)において、各ビル11 ,12 ,13 の変位検出器301 ,302 ,303 で検出した変位信号を基に、制御器29で各伸縮ケーシング2内の電動モータ5への制御力u1 ,u2 が算出される。この制御力u1 ,u2 はLQ制御理論あるいはH∞制御理論を用いることによって算出される。 【0024】一例として、LQ制御理論の場合を(1) 式に示す。なお、x1 〜xn はビル11 〜1n の変位、X1 〜Xn はビル11 〜1n の速度、k11〜knnは定数を示す。 【0025】
電動モータ5を駆動する場合、ボールねじ機構7の作動力は力の次元をもつので、右辺のフィードバックゲイン行列は、それぞればね定数、減衰係数となる。したがって、この(1) 式の右辺を最適化し、電動モータ5の制御力u1 ,u2 …un を求めることにより、ビル11 ,12 …1n の揺れを低減させることができる。 【0026】一方、大地震が発生した場合、ビル11 ,12 ,13 は共振すると大きく揺れ、ボールねじ機構7に設定してある最大ストロークよりも大きな変位となってしまうことになる。このような場合は、変位検出器301 ,302 ,303 により検出された値が制御器29にて大変位と判断され、制御器29からロック機構10にロック解除指令が送られることになる。すなわち、伸縮ケーシング2の外側筒体2aと内側筒体2bとの間のロック機構10として設けられている油圧式ブレーキのブレーキシュー19に対する圧油が抜かれることになり、その結果、伸縮ケーシング2の外側筒体2aと内側筒体2bとは互いに縁が切られてフリーな状態となる。そのため、上記隣接するビル11 と12 、12 と13 が互いに離れる方向に大きく変位する場合には、伸縮ケーシング2の内側筒体2bは外側筒体2aより引き出され、逆に、隣接するビル11 と12 、12 と13 が互いに接近する方向に大きく変位する場合は、伸縮ケーシング2の内側筒体2bは外側筒体2a内に押し込まれることになる。したがって、伸縮ケーシング2及びボールねじ機構7は、隣接するビル11 と12 、12 と13 間の大きな相対変位を許容することができ、これにより、伸縮ケーシング2やボールねじ機構7が損傷を受けてしまうことを防ぐことができる。なお、上記ロック機構10としては、メカニカルブレーキや電磁式ブレーキ等を用いることもできる。 【0027】上記においては、動吸振機3をアクティブ型として用いた場合について説明したが、パッシブ型として用いる場合は、電動モータ5の駆動を停止し、ボールねじ機構7をフリーな状態にしておくようにする。この場合、強風や中小規模の地震が発生して、各ビル11 ,12 ,13 間に相対変位が発生すると、伸縮ケーシング2に作用した押し力、引き力がボールねじ機構7のナット部7aとロッド部7bとの間に作用し、ナット部7aがロッド部7bの移動力によって回転させられ、その回転が電動モータ5に伝えられる結果、所謂回生ブレーキ力によってビル11 ,12 ,13 の揺れを抑えることができる。 【0028】上述した本発明の構造物制振装置は、伸縮ケーシング2の上下位置にボールねじ機構7を有する動吸振機3が組み付けてあるため、コンパクト化でき、図2(イ)(ロ)に示す如く、内側筒体2bの中央部に、長手方向に沿って広いスペースを確保することができ、しかも、動吸振機3は電動式であることから、メンテナンスを容易に行うことができる。又、伸縮ケーシング2は、隣接するビル11,12 ,13 間等に設置されるものであるため、冬期等においては、降雪環境に晒されることになるが、本発明では、伸縮ケーシング2の外表面部にヒータ28が取り付けてあるため、伸縮ケーシング2から雪の塊や氷柱が落下するような心配はない。したがって、寒冷地等においても支障なく使用することができる。 【0029】次に、図6(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、上記実施の形態におけるボールねじ機構7を有する動吸振機3に代えて、ラック・ピニオン機構33を有する動吸振機3′を用いたものである。すなわち、内側筒体2bの上下面部に、長手方向となる前後方向に沿わせてラック34を設けると共に、該ラック34にピニオン35を嵌合させてラック・ピニオン機構33を構成し、且つ上記ピニオン35を、外側筒体2aに設置した減速機36の出力軸37に取り付け、該減速機36の入力軸を、外側筒体2aに設置した電動モータ38に、動力伝達軸39を介して連結し、更に、上記減速機36の出力軸37部に、クラッチ40をロック機構として組み付け、制御器29からの指令でクラッチ40が入り切りさせられるようにしたものである。なお、図では、電動モータ38を外側筒体2aの外側部に設置した場合を示しているが、外側筒体2aを大きく構成して内側部に設置するようにしてもよい。その他の構成は図2(イ)(ロ)、図3〜図5の実施の形態で示したものと同じであり、同一部分には同一符号が付してある。 【0030】図6(イ)(ロ)に示すような構成とした場合、微振動による機械損傷を防ぐために、常時はクラッチ40を切った状態にしておき、強風等が発生したときにだけ、図1(ハ)に示す制御器29からの指令でクラッチ40が入り、その直後に電動モータ38が駆動されるようにする。電動モータ38が駆動されると、ピニオン35が回転させられることにより、ラック34と一体に内側筒体2bが移動させられる結果、伸縮ケーシング2が伸縮制御され、その力がビルに与えられて、ビル相互間の揺れが抑えられる。一方、大地震が発生したときには、制御器29からはクラッチ40を入れる指令は出されないため、ピニオン35の回転はフリーであり、外側筒体2aと内側筒体2bとは互いに縁が切られていることから、伸縮ケーシング2は自由に伸縮させられる。 【0031】又、上記において、常時はクラッチ40を入れた状態にして、大地震が発生したときにクラッチ40が切れるようにしてもよい。 【0032】なお、上記実施の形態では、隣接するビル11 ,12 ,13 のコーナー部同士を連結する場合を示したが、ビルの並び方によっては、図7に示す如く、ビル11 〜112が整列している場合に各ビルの側壁部同士を連結するようにしてもよいこと、又、ビル11 と伸縮ケーシング2の連結部について示す図8のように各ビルと伸縮ケーシング2との連結部には、積層ゴム41の如き緩衝部材を介在させるようにしてもよいこと、更に、ビルの揺れ検知センサーとしては変位検出器に代えて、検出した速度を1回積分して変位を求めるようにした速度検出器や、検出した加速度を2回積分して変位を求めるようにした加速度検出器を用いてもよいこと、更に又、ビル以外の構造物についても同様に採用できること、又、上記実施の形態では、動吸振機3や3′を伸縮ケーシング2の上下位置に組み付けた場合を示したが、左右位置であってもよいこと、更に、動吸振機3や3′は、外側筒体2aと内側筒体2bとの間において、実施の形態で示したのとは逆配置で装着してもよいこと、又、図6(イ)(ロ)の実施の形態において、クラッチ40を不要として、大地震が発生したときに電動モータ38をフリーにするようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0033】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明の構造物制振装置によれば、隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体の間に、電動モータと該電動モータに一端を連結したボールねじ機構と該ボールねじ機構の他端に連結したロック機構とからなる動吸振機を設け、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成としてあるので、強風や中小の地震が発生して構造物が揺れた場合に、ボールねじ機構を有する動吸振機の作動で構造物相互の揺れを効果的に低減することができ、各構造物毎に制振装置を単独で設置する場合よりもコストパフォーマンスがよくて、省エネ化を図ることができると共に、動吸振機を伸縮ケーシングの上下又は左右に分けて配置したことから、小さな内外筒のケーシングでも内部に広いメンテナンススペースを確保することができて有利であり、又、制御器に、ロック機構へロック解除指令を送る機能を持たせた構成とすることにより、大地震が発生したような場合は、伸縮ケーシングの伸縮をフリーにすることができるため、構造物の大変位を許容することができて、伸縮ケーシング及び動吸振機の損傷を防ぐことができる。一方、隣接する構造物同士を連結するよう外側筒体に内側筒体を挿入してテレスコープ状に組み立ててなる伸縮ケーシングの上下又は左右位置における外側筒体と内側筒体に、電動モータと該電動モータの駆動で回転するピニオンと該ピニオンを噛合させたラックとからなる動吸振機を、上記電動モータが外側筒体又は内側筒体のいずれか一方に、又、上記ラックが外側筒体又は内側筒体のいずれか他方にそれぞれ固定されるように備え、且つ上記構造物に設置してある揺れ検知センサーからの信号を基に上記電動モータへ制御指令を送る制御器を備えた構成とすると、動吸振機のラック・ピニオン機構の作動で伸縮ケーシングを伸縮制御することができ、電動モータをフリーにすることで伸縮ケーシングの制御を解除することができ、又、ピニオンの軸にクラッチを取り付け、該クラッチの入り切りを制御器からの指令により行うようにした構成としても同様な制御を行うことができ、更に、伸縮ケーシングの外表面部所要個所にヒータを組み付けた構成とすることにより、伸縮ケーシング上に積った雪を溶かすことができて雪の塊を作ることなく水滴にして落下させることができる、等の優れた効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社 【識別番号】592015916 【氏名又は名称】石川島造船化工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月8日(1999.10.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087527 【弁理士】 【氏名又は名称】坂本 光雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−108010(P2001−108010A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−287772 |
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