| 【発明の名称】 |
液体封入式筒型防振装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 浩一
【氏名】堀 浩晃
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| 【要約】 |
【課題】部品点数を削減し、コストの低廉化が可能な液体封入式筒型防振装置を提供する。
【解決手段】ゴム弾性体4の各凹部43、44内に一部が嵌合され、凹部43との間に主液室61を形成するとともにダイヤフラム5との間に副液室62を形成し、両主副液室61、62を互いに連通する第1及び第2オリフィス通路67、68を形成するオリフィス形成部材6と、第1及び第2オリフィス通路67、68の一方のみが主液室61と副液室62とを連通する状態に切換えるオリフィス通路切換手段7とを備え、オリフィス形成部材6は、第2オリフィス通路68の経路途中でゴム弾性体4の側壁部41に埋設された拘束部材3と中間筒金具2の間部分と対向する部位に設けられた開放口69aを有し、ゴム弾性体4の側壁部41の開放口69aと対向する部分は、第2オリフィス通路68を流動する液体Lの高周波振動を吸収する可動膜45として構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主軸金具と、該主軸金具の外側に略同軸状に配置され、少なくとも軸方向に距離を隔てて配置された一対のリング部を有する中間筒部材と、前記主軸金具と前記中間筒部材の間に介装されて両者を一体的に連結し、その外周面の両前記リング部の間部分に開口し径方向に対向する複数の凹部を有するゴム弾性体と、該ゴム弾性体の径方向一方側の前記凹部内に配置されたダイヤフラムと、前記ゴム弾性体の各前記凹部内に一部が嵌合されて前記ゴム弾性体の外側に配置され、前記ゴム弾性体の径方向他方側の前記凹部との間に液体が封入された主液室を形成するとともに前記ダイヤフラムが配置された前記凹部との間に液体が封入された副液室を形成し、かつ前記主液室と前記副液室とを互いに連通する第1オリフィス通路及び第2オリフィス通路を形成するオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材に取付けられ、前記第1オリフィス通路及び前記第2オリフィス通路の一方のみが前記主液室と前記副液室とを連通する状態に切換えるオリフィス通路切換手段と、前記中間筒部材の外側に同軸状に配置され、前記主液室及び前記副液室を封止する外筒金具と、前記ゴム弾性体の前記主液室を画成する軸方向両側の側壁部の略中央部に配設され、前記側壁部の弾性変形を拘束する拘束部材と、を備え、前記オリフィス形成部材は、前記第2オリフィス通路の経路途中で前記ゴム弾性体の前記側壁部の前記拘束部材と前記中間筒部材の間部分と対向する部位に設けられた開放口を有し、前記ゴム弾性体の前記側壁部の前記開放口と対向する部分は、前記第2オリフィス通路を流動する液体の高周波振動を吸収する可動膜として構成されていることを特徴とする液体封入式筒型防振装置。 【請求項2】 前記可動膜は、前記ダイヤフラムよりも高いばね剛性を有することを特徴とする請求項1記載の液体封入式筒型防振装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のエンジンマウントやキャブマウント等として好適に使用される液体封入式筒型防振装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、振動発生源となるエンジンを搭載する車両においては、エンジンを車体フレームに取付ける際に、エンジンを防振支持するようにエンジンマウントが用いられる。このようなエンジンマウントとして、例えば図5及び図6に示すような液体封入式筒型防振装置が知られている。 【0003】この液体封入式筒型防振装置は、主軸金具101と、主軸金具101の外側に略同軸状に配置され、径方向に対向する2個の窓部123、124を有する中間筒部材102と、主軸金具101と中間筒部材102の間に介装され、中間筒部材102の各窓部123、124に開口する2個の凹部143、144を有するゴム弾性体104と、ゴム弾性体104の一方の凹部144の周囲に外周部を保持されて凹部144内に配置されたダイヤフラム105と、ゴム弾性体104の外側に同軸状に配置されて、ゴム弾性体104の他方の凹部143との間に液体Lが封入された主液室161を形成するとともにダイヤフラム105との間に液体Lが封入された副液室162を形成し、かつ主液室161と副液室162とを互いに連通する第1オリフィス通路167及び第2オリフィス通路168を形成するオリフィス形成部材106と、オリフィス形成部材106に取付けられたロータリバルブ173を有し、ロータリバルブ173を駆動させて第1オリフィス通路167及び第2オリフィス通路168の一方のみが主液室161と副液室162とを連通する状態に切換えるオリフィス通路切換手段107と、中間筒部材102の外側に同軸状に配置され、主液室161及び副液室162を封止する外筒金具108と、ゴム弾性体104の主液室161を画成する軸方向両側の側壁部141、141の略中央部に配設され、側壁部141、141の弾性変形を拘束する拘束部材103、103と、外筒金具108の第2オリフィス通路168と対向する部位に設けられた連通窓181に取付けられ、第2オリフィス通路168を流動する液体Lの高周波振動を吸収する可動膜109と、を主要素として構成されている。 【0004】この液体封入式筒型防振装置は、車両の走行状況によって要求される振動低減特性が異なることから、オリフィス通路切換手段107により、第1オリフィス通路167及び第2オリフィス通路168の一方のみが主液室161と副液室162とを連通する状態に切換えることによって、車両の走行状況に適した振動低減特性が得られるように構成されている。例えば、アイドリング時には、第1オリフィス通路167のみが主液室161と副液室162とを連通し、車両の走行時には、第2オリフィス通路168のみが主液室161と副液室162とを連通する状態となるように、選択的に切換えて使用される。 【0005】そして、エンジン振動により、主軸金具101と外筒金具108との間に軸直角方向の振動が入力すると、ゴム弾性体104の弾性変形に伴って主液室161の圧力及び容積が変化し、第1オリフィス通路167又は第2オリフィス通路168を介して主液室161と副液室162との間を液体Lが流動する。これにより、アイドリング時には、第1オリフィス通路167を流動する液体Lの液柱共振作用に基づいて、25Hz付近のアイドリング振動が効果的に低減される。また、車両の走行時には、第2オリフィス通路168を流動する液体Lの液柱共振作用に基づいて、10Hz付近のエンジンシェイク振動が効果的に低減されるとともに、第2オリフィス通路168に対向配置された可動膜109により120〜140Hzのこもり音が効果的に低減される。 【0006】なお、ゴム弾性体104の両側壁部141、141に配設された拘束部材103、103は、エンジン振動によりゴム弾性体104が弾性変形する際に、主液室161内の液圧により側壁部141、141が膨出変形することによって、第1又は第2オリフィス通路167、168へ流動する液体Lの量が減少するのを防止し、第1及び第2オリフィス通路167、168を液体Lが効率良く流動できるようにするために設けられている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の液体封入式筒型防振装置は、車両の走行状況に応じて、複数の異なる振動低減特性を選択的に発揮させることができるように構成されていることから、オリフィス通路切換手段107など多くの部品が必要となる。そのため、部品点数が非常に多くなって著しいコストの上昇を招き、その構造も複雑化してしまうという難点がある。例えば、外筒金具108の連通窓181に取付けられる可動膜109は、ゴム弾性体104の凹部144の周囲に保持されるダイヤフラム105のように、ゴム弾性体104と一体に形成することができず、別体で形成されることとなるため、部品点数の増大を招く一因となる。 【0008】また、主液室161や副液室162を液密的に封止するために外筒金具108の内周面に固着されるシールゴム層182を有する場合には、可動膜109をシールゴム層182と一体に形成することも可能であるが、そのように形成する場合には、円筒状の外筒金具108の湾曲面に連通窓181を形成したり、その湾曲して形成された連通窓181に可動膜109を取付けなければならないので、製造が煩雑となり、やはりコストの上昇を招くこととなる。 【0009】本発明は上記実状に鑑み案出されたものであり、部品点数を削減し、コストの低廉化が可能な液体封入式筒型防振装置を提供することを解決すべき課題とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1記載の発明に係る液体封入式筒型防振装置は、主軸金具と、該主軸金具の外側に略同軸状に配置され、少なくとも軸方向に距離を隔てて配置された一対のリング部を有する中間筒部材と、前記主軸金具と前記中間筒部材の間に介装されて両者を一体的に連結し、その外周面の両前記リング部の間部分に開口し径方向に対向する複数の凹部を有するゴム弾性体と、該ゴム弾性体の径方向一方側の前記凹部内に配置されたダイヤフラムと、前記ゴム弾性体の各前記凹部内に一部が嵌合されて前記ゴム弾性体の外側に配置され、前記ゴム弾性体の径方向他方側の前記凹部との間に液体が封入された主液室を形成するとともに前記ダイヤフラムが配置された前記凹部との間に液体が封入された副液室を形成し、かつ前記主液室と前記副液室とを互いに連通する第1オリフィス通路及び第2オリフィス通路を形成するオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材に取付けられ、前記第1オリフィス通路及び前記第2オリフィス通路の一方のみが前記主液室と前記副液室とを連通する状態に切換えるオリフィス通路切換手段と、前記中間筒部材の外側に同軸状に配置され、前記主液室及び前記副液室を封止する外筒金具と、前記ゴム弾性体の前記主液室を画成する軸方向両側の側壁部の略中央部に配設され、前記側壁部の弾性変形を拘束する拘束部材と、を備え、前記オリフィス形成部材は、前記第2オリフィス通路の経路途中で前記ゴム弾性体の前記側壁部の前記拘束部材と前記中間筒部材の間部分と対向する部位に設けられた開放口を有し、前記ゴム弾性体の前記側壁部の前記開放口と対向する部分は、前記第2オリフィス通路を流動する液体の高周波振動を吸収する可動膜として構成されているという手段を採用している。 【0011】本発明の液体封入式筒型防振装置においては、オリフィス形成部材の第2オリフィス通路の経路途中でゴム弾性体の側壁部の拘束部材と中間筒部材の間部分と対向する部位に開放口が設けられ、ゴム弾性体の側壁部の開放口と対向する部分が可動膜として構成されている。この可動膜は、ゴム弾性体の側壁部の一部分を利用してゴム弾性体と一体に形成されるため、従来のように一つの独立した部品として形成する必要がない。よって、部品点数を削減することができる。 【0012】また、この可動膜は、ゴム弾性体を加硫成形する成形型を僅かに変更するのみで容易に形成することができるので、製造が容易になり、コストの大幅な低廉化が可能となる。 【0013】なお、この可動膜は、ゴム弾性体のばね特性や耐久性に全く影響しない部分を利用して形成されていることから、高周波振動を吸収する可動膜としての機能を良好に発揮することができる。 【0014】したがって、本発明の液体封入式筒型防振装置によれば、部品点数を削減し、コストの大幅な低廉化を図ることができる。 【0015】そして、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記可動膜は、前記ダイヤフラムよりも高いばね剛性を有するという手段を採用している。 【0016】この手段によれば、第2オリフィス通路を流動する液体の流動量の低下を回避し、良好な振動低減効果を確保することができる。また、可動膜とダイヤフラムとのばね剛性の差をより大きくすれば、第2オリフィス通路を流動する液体の共振周波数と、可動膜により吸収する高周波振動の周波数との差を出し易くなるため、それぞれの低減を目的とする周波数のチューニングが容易になる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。 【0018】図1は本実施形態に係る液体封入式筒型防振装置の軸方向に沿う断面図であって図3のI−I線矢視断面図であり、図2は図1のII−II線矢視断面図であり、図3は図1の矢印A方向から見た正面図である。 【0019】本実施形態の液体封入式筒型防振装置は、図1及び図2に示すように、主軸金具1と、主軸金具1の外側に略同軸状に配置され、径方向に対向する一対の窓部23、24を有する中間筒部材2と、中間筒部材2の所定部位に取付けられた一対の拘束部材3、3と、主軸金具1と中間筒部材2の間に介装されて両者を一体的に連結し、中間筒部材2の窓部23、24に開口する一対の凹部33、34と一方の凹部33を画成する一方の側壁部41に設けられた可動膜45とを有するゴム弾性体4と、ゴム弾性体4の凹部44の周囲に外周部を保持されて凹部44内に配置されたダイヤフラム5と、ゴム弾性体4の外側に同軸状に配置されて、ゴム弾性体4の凹部43との間に液体Lが封入された主液室61を形成するとともにダイヤフラム5との間に液体Lが封入された副液室62を形成し、かつ主液室61と副液室62とを互いに連通する第1及び第2オリフィス通路67、68を形成するオリフィス形成部材6と、第1及び第2オリフィス通路67、68の一方のみが主液室61と副液室62とを連通する状態に切換えるオリフィス通路切換手段7と、中間筒部材2の外側に同軸状に配置され、主液室61及び副液室62を封止する外筒金具8と、を主要素として構成されている。 【0020】主軸金具1は、金属によりパイプ状に形成されている。 【0021】中間筒部材2は、軸方向の両端に位置する一対のリング部21、21と、両リング部21、21間を架橋し両リング部21、21とともに周方向の開口幅が略同等の大きさとされる2個の窓部23、24を画成する周方向に配列された2個の架橋部25、26とからなり、全体が金属により形成されている。各架橋部25、26は、軸方向両側に段差部が形成されていることにより、中央部分が両端部よりも径方向内側に位置している。この中間筒部材2は、主軸金具1の外側に距離を隔てて僅かに偏心した状態に配置されており、中間筒部材2と主軸金具1との偏心距離が大となる側及び小となる側には各窓部23、24が中央に位置している。 【0022】拘束部材3、3は、ベルト状の金属板を略コの字形状に屈曲させて形成されたものである。この拘束部材3、3は、中間筒部材2の各リング部21、21の内周面の所定位置にその両端部が溶接により取付けられている。即ち、この拘束部材3、3は、後述するゴム弾性体4の主液室61を画成する両側壁部41、41の略中央部に埋設され、その側壁部41、41の弾性変形を拘束する。 【0023】ゴム弾性体4は、主軸金具1と中間筒部材2との間に一体加硫成形により形成され両者を一体的に連結している。このゴム弾性体4は、中間筒部材2のリング部21、21と対応して軸方向両端に形成された一対の側壁部41、41と、両架橋部25、26と主軸金具1とを連結して軸方向に延設され側壁部41、41の間を二分割する一対の腕状隔壁部42、42とを有する。これによりゴム弾性体4の外周面には、両側壁部41、41及び両腕状隔壁部42、42により区画されて各窓部23、24に開口する2個の凹部43、44が形成されている。 【0024】そして、このゴム弾性体4の一方の凹部43を画成する両側壁部41、41の略中央部には、中間筒部材2の両リング部21、21に取付けられた拘束部材3、3がそれぞれ埋設されており、一方の側壁部41の拘束部材3と中間筒部材2のリング部21との間部分は、他の部分よりも薄肉に形成されて可動膜45として構成されている。この可動膜45は、車両走行時に発生する120〜140Hzのこもり音の低減を目的として設けられるものであって、後述するダイヤフラム5よりも高いばね剛性を有するように形成されている。また、他方の凹部44の底部側には、両腕状隔壁部42、42に沿って軸方向に貫通する貫通空所46が設けられており、この貫通空所46によって凹部44の底部側の軸方向両端が開口する状態になっている。 【0025】そして、ゴム弾性体4の架橋部25の外側部分には、周方向に延び両凹部43、44を接続する段状の凹溝47が設けられている。この凹溝47の両端部には、後述の略Cリング状に形成されるオリフィス形成部材7の両端部が嵌着されるように、中央部分よりも深く凹んだ段部が形成されている。また、ゴム弾性体4の架橋部26の外側部分には、周方向に延び両凹部43、44を接続する凹溝48が設けられている。 【0026】ダイヤフラム5は、薄肉で弾性変形が比較的容易に許容される略袋状に形成されたゴム弾性膜よりなり、その外周縁部が中間筒部材2の一方の窓部24の周囲に加硫接着により固着されている。このダイヤフラム5は、その外周縁部がゴム弾性体4の腕状隔壁部42、42と一体に連結されて形成され、ゴム弾性体4の凹部44内で膨縮可能に配置されている。 【0027】オリフィス形成部材6は、全体形状が略Cリング状に形成され、半円弧状に二分割形成された第1部材6a及び第2部材6bからなる。このオリフィス形成部材6は、ゴム弾性体4の凹部43及びダイヤフラム5の内面の軸方向幅と略同等の軸方向長さを有する。このオリフィス形成部材6は、第1及び第2部材6a、6bの周方向両端部がゴム弾性体4の凹溝47、48にそれぞれ嵌着されることにより、ゴム弾性体4の外側に同軸状に配置されている。これにより、第1部材6aは、その周方向中央部がゴム弾性体4の凹部43の外側略半部分に嵌着され、凹部43との間に液体Lが封入される主液室61を形成している。また、第2部材6bは、その周方向中央部がゴム弾性体4の凹部44に配置されたダイヤフラム5の外側略半部分に嵌着され、ダイヤフラム5との間に液体Lが封入される副液室62を形成している。 【0028】そして、第1部材6aの中央部には、主液室61に開口する導通路63と連通し後述のロータリバルブ73が収納配置される収納室64が設けられている。また、図2及び図4に示すように、第2部材6bの周方向における中央部から中間筒部材2の架橋部25側に寄った部位には、副液室62に開口する第1連通孔65及び第2連通孔66が軸方向において並列状に設けられている。第1連通孔65は、第1オリフィス通路67によって収納室64と連通されている。この第1オリフィス通路67は、収納室64から直接的に第1連通孔65に向かって周方向に延びるように形成されている。この第1オリフィス通路67は、その通路断面積と通路長さを適宜設定することにより、25Hz付近のアイドリング振動の低減を目的としてチューニングされている。 【0029】一方、第2連通孔66は、第2オリフィス通路68によって収納室64と連通されている。この第2オリフィス通路68は、収納室64から収納室64の軸方向の一方側に形成された中間作用室69を経由して、第1オリフィス通路67と反対方向に延び、その後Uターンして第2連通孔66に向かって周方向に延びるように形成されている。なお、中間作用室69は、第1部材6aの一端面であってゴム弾性体4の一方の側壁部41に設けられた可動膜45と対向する部分に開放口69aを有する。この第2オリフィス通路68は、その通路断面積と通路長さを適宜設定することにより、10Hz付近のエンジンシェイク振動の低減を目的としてチューニングされている。 【0030】オリフィス通路切換手段7は、オリフィス形成部材6の第1部材6aに固定保持された取付基部71と、取付基部71にベアリング72を介して回転可能に保持されてオリフィス形成部材6の収納室64に収納配置されたロータリバルブ73と、ロータリバルブ73を駆動させて第1オリフィス通路67及び第2オリフィス通路68の一方のみが主液室61と副液室62とを連通する状態に切換える駆動モータ(図示せず)とからなる。 【0031】ここでのロータリバルブ73は、一端が開口する半円筒状の遮断壁73aを有し、その開口部が主液室61に通じる導通路63と対向するとともに、遮断壁73aが第1及び第2オリフィス通路67、68のいずれか一方の通路を遮断するようにして収納室64に収納配置されている。なお、図1、図2及び図4には、第1オリフィス通路67がロータリバルブ73の遮断壁73aにより遮断され、第2オリフィス通路68が導通路63と連通する状態が示されている。そして、このロータリバルブ73は、駆動モータにより正又は逆方向に略180°回転されることによって、第1及び第2オリフィス通路67、68の一方のみが主液室61と副液室62とを連通する状態に切換えるように構成されている。 【0032】なお、このオリフィス通路切換手段7による切換えは、車速センサ(図示せず)等の情報に基づいて駆動モータを駆動させることにより行われ、アイドリング時には、第1オリフィス通路67が主液室61と副液室62とを連通する状態となり、車両の走行時には、第2オリフィス通路68が主液室61と副液室62とを連通する状態となるように設定される。 【0033】外筒金具8は、金属により円筒状に形成されており、所定の部分に、前記ロータリバルブ73に駆動モータを連結するために設けられた矩形状の連通窓81を有する。この外筒金具8の内周面には、連通窓81の部分を除いてシールゴム層82が固着されている。この外筒金具8は、オリフィス形成部材6を装着したゴム弾性体4等に対して外嵌され、絞り加工が施されることにより取付けられている。これにより、主副液室61、62や第1及び第2オリフィス通路67、68の開口部が液密的に封止されている。 【0034】なお、この外筒金具8の中間筒部材2等の外側への装着作業を、主副液室61、62に封入すべき液体L中に浸漬した状態で行うことにより、主副液室61、62や第1及び第2オリフィス通路67、68等に液体Lが封入されている。液体Lとしては、例えば、水やグリコール、シリコーン油等の非圧縮性のものが用いられる。 【0035】以上のように構成された本実施形態の液体封入式筒型防振装置は、車体側及びエンジン側のいずれか一方の取付部に主軸金具1が連結されるとともに、そのいずれか他方の取付部に外筒金具8が連結されて取付けられることにより、エンジンマウントとして使用される。この場合、エンジンからの主振動入力方向となる上方或いは下方に主液室61が位置するように取付けられ、このように取付けられると、エンジンの自重によりゴム弾性体4が弾性変形して主軸金具1と外筒金具8とが略同一軸上に位置する状態となる。 【0036】そして、エンジンが作動し、車速センサ等の情報に基づいてアイドリング時と判断された場合には、オリフィス通路切換手段7により、第1オリフィス通路67が主液室61と副液室62とを連通する状態にされる。この状態で、エンジンのアイドリング振動が液体封入式筒型防振装置に入力すると、ゴム弾性体4の弾性変形に伴って主液室61の圧力及び容積が変化し、第1オリフィス通路67を介して主液室61と副液室62との間を液体Lが流動する。これにより、第1オリフィス通路67を流動する液体Lの液柱共振作用に基づいて、25Hz付近のアイドリング振動が効果的に低減される。 【0037】また、車速センサ等の情報に基づいて車両の走行時と判断された場合には、オリフィス通路切換手段7により、第2オリフィス通路68が主液室61と副液室62とを連通する状態に切換えられる。この状態で、エンジンシェイク等の振動が液体封入式筒型防振装置に入力すると、ゴム弾性体4の弾性変形に伴って主液室61の圧力及び容積が変化し、第2オリフィス通路68を介して主液室61と副液室62との間を液体Lが流動する。これにより、第2オリフィス通路68を流動する液体Lの液柱共振作用に基づいて、10Hz付近のエンジンシェイク振動が効果的に低減されるとともに、第2オリフィス通路68の経路途中に設けられた開放口69aと対向配置された可動膜45により第2オリフィス通路68を流動する液体Lの高周波振動が吸収されることによって、120〜140Hzのこもり音が効果的に低減される。このとき、可動膜45は、副液室62の一部を画成するダイヤフラム5よりも高いばね剛性を有することから、第2オリフィス通路68を流動する液体Lの流動量の低下が回避され、それぞれの良好な振動低減効果が発揮される。 【0038】以上のように、本実施形態の液体封入式筒型防振装置は、オリフィス形成部材6の第2オリフィス通路68の経路途中でゴム弾性体4の側壁部41の拘束部材3と中間筒部材2の間部分と対向する部位に開放口69aが設けられ、ゴム弾性体4の側壁部41の開放口69aと対向する部分が可動膜45として構成されており、可動膜45がゴム弾性体4の側壁部41の一部分を利用してゴム弾性体4と一体に形成されているため、部品点数を削減することができる。 【0039】また、本実施形態の可動膜45は、ゴム弾性体4を加硫成形する成形型を僅かに変更するのみで容易に形成することができるので、製造が容易になり、コストの大幅な低廉化を図ることができる。 【0040】また、本実施形態の可動膜45は、ダイヤフラム5よりも高いばね剛性を有するように形成されていることから、第2オリフィス通路68を流動する液体Lの流動量の低下を回避し、良好な振動低減効果を確保することができるとともに、第2オリフィス通路68を流動する液体Lの共振周波数と、可動膜45により吸収する高周波振動の周波数との差を出し易くなるため、それぞれの周波数のチューニングを容易に行うことができる。 【0041】さらに、本実施形態の可動膜45は、ゴム弾性体4のばね特性や耐久性に全く影響しない、側壁部41の拘束部材3と中間筒部材2の間部分を利用して形成されていることから、高周波振動を吸収する可動膜としての機能を良好に発揮することができる。 【0042】なお、上記実施形態における中間筒部材2は、周方向に配列された2個の窓部23、24を有するものであるが、例えば主液室61や副液室62の変更に伴って他の構成部材の形状や構造が変更される場合には、窓部を1個にしたり或いは3個以上形成したものを採用することができる。また、場合によっては、架橋部25、26を消去することにより周方向の全域にわたって開口部が形成されるもの、即ち、一対のリング部21、21のみで構成される中間筒部材も採用することもできる。このような中間筒部材2は、金属に限らず、例えば樹脂などの剛性材料で形成することができる。なお、中間筒部材2に取付けられる拘束部材3、3も、中間筒部材2と同様に、金属に限らず樹脂などの剛性材料で形成することができる。 【0043】また、上記実施形態におけるダイヤフラム5は、その外周縁部が中間筒部材2の窓部24の周囲に加硫接着により固着されて、ゴム弾性体4と一体に連結されて形成されているが、場合によっては、ダイヤフラム5をゴム弾性体4と別体で形成し、オリフィス形成部材6にその外周縁部を固着するようにしてもよい。なお、このダイヤフラム5は、オリフィス形成部材6と共に副液室62を形成するようにしてゴム弾性体4の凹部44内に配置されているが、例えば中間筒部材2やオリフィス形成部材6などの形状や構造が変更される場合には、中間筒部材2や外筒金具8が副液室62の壁部の一部を形成するように構成してもよい。 【0044】また、上記実施形態におけるオリフィス通路切換手段7は、駆動モータを駆動源として構成される電気制御式のものを採用しているが、その他に、例えば負圧を動力源として構成される負圧式のものを採用することができる。 【0045】なお、上記実施形態の液体封入式筒型防振装置は、主液室61及び副液室62が一つづつ設けられ、主副液室61、62の間を二つの第1及び第2オリフィス通路67、68で連通するように構成されたものであるが、例えば第2のダイヤフラムを追加して副液室62、62を二つ設け、第1及び第2オリフィス通路67、68がそれぞれ別々の副液室62、62に単独で連通するように構成された液体封入式筒型防振装置に対しても本発明を適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000219602 【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月5日(1999.10.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2001−108007(P2001−108007A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−284718 |
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