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【発明の名称】 エアダンパー
【発明者】 【氏名】中林 功

【氏名】澤谷 誠司

【要約】 【課題】紐の引出量を長くできるエアダンパーの提供。

【解決手段】筒状のシリンダー1と、該シリンダー1内を移動するピストン2と、シリンダー1内でピストン2をシリンダー1の一端部方向へ弾発付勢する圧縮コイルぱね7と、ピストン2の移動に伴うダンパー作用を可動体に伝達する紐状体8とを備えるエアダンパーにおいて、上記紐状体8は、シリンダー1の軸方向へ折り返された状態でピストン2に移動可能に架け渡されることにより、小型のエアダンパーにあっても、シリンダー1からの紐状体8の引出量を遥かに長くできるので、必要なダンパーストロークを提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状のシリンダーと、該シリンダー内を移動するピストンと、シリンダー内でピストンをシリンダーの一端部方向へ弾発付勢する圧縮コイルぱねと、ピストンの移動に伴うダンパー作用を可動体に伝達する紐状体とを備えるエアダンパーにおいて、上記紐状体は、シリンダーの軸方向へ折り返された状態でピストンに移動可能に架け渡されていることを特徴とするエアダンパー。
【請求項2】 紐状体は、その一端部をエアダンパー本体に対して可動の部位に固定し、他端部をエアダンパー本体又はエアダンパー本体に対して不動の部位に固定していることを特徴とする請求項1記載のエアダンパー。
【請求項3】 紐状体の出入口となるエアダンパー本体内の他端部側に、折り返された紐状体の間に介在する仕切板を設けたことを特徴とする請求項1記載のエアダンパー。
【請求項4】 ピストンは、折り返された紐状体を架け渡す閉環状のフック壁を形成したフック体を有して、当該フック体を回転可能に支持していることを特徴とする請求項1記載のエアダンパー。
【請求項5】 シリンダーには、その固定部位に固定される取付片を設け、紐状体の他端部には、当該取付片に係合して取付片と一緒に固定部位に固定されるクリップを設けたことを特徴とする請求項1記載のエアダンパー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車のグローブボックス等で使用されるシリンダー型のエアダンパーの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種エアダンパーとして、実用新案登録第2557064号公報に示すものが存する。該従来のエアダンパーは、具体的には図示しないが、両端部が開口した筒状のシリンダーと、紐状体の一端部が連結されてシリンダー内を移動するピストンと、シリンダーの一端部側に取り付けられて空気の通過量を制御する弁装置と、シリンダーの他端部に取り付けられて上記紐状体を案内するガイドキャップと、シリンダー内においてガイドキャップとピストン間に介装される圧縮コイルばねとを備える構成となっている。
【0003】依って、このエアダンパーを自動車のグローブボックスで使用する場合には、インストルメントパネル側にシリンダーを固定し、シリンダーのガイドキャップから外方に伸びる紐状体の他端部をグローブボックス側に連結して、グローブボックスを開方向へ移動させると、紐状体がシリンダー内から徐々に引き出されて、ピストンがシリンダー内を圧縮コイルばねのばね圧に抗して同方向へ移動するので、空気は上記弁装置を介してシリンダー内に流入して、これにより、ダンパー効果を得て、グローブボックスがゆっくりと開放状態に移動することが保障される。
【0004】又、グローブボックスを閉方向へ移動させると、今度は、ピストンが紐状体を伴って圧縮コイルばねのばね圧でシリンダー内に強制的に押し戻されて、シリンダー内に蓄積された空気を弁装置を介して外部に逃がすので、ピストンがシリンダー内を速やかに移動して、グローブボックスの閉動作を助長することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来のエアダンパーの下では、グローブボックスの開閉動作を円滑に保障できる利点を有するが、反面、紐状体のシリンダーからの引出量は、シリンダー内でのピストンの移動量に相当することとなるので、シリンダー長を長く取れない設置場所においては、必要なダンパーストロークが得られない不都合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、斯かる従来のエアダンパーが抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、筒状のシリンダーと、該シリンダー内を移動するピストンと、シリンダー内でピストンをシリンダーの一端部方向へ弾発付勢する圧縮コイルぱねと、ピストンの移動に伴うダンパー作用を可動体に伝達する紐状体とを備えるエアダンパーにおいて、上記紐状体は、シリンダーの軸方向へ折り返された状態でピストンに移動可能に架け渡されている構成を採用した。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、紐状体は、その一端部をエアダンパー本体に対して可動の部位に固定し、他端部をエアダンパー本体又はエアダンパー本体に対して不動の部位に固定している構成を採用した。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1を前提として、紐状体の出入口となるエアダンパー本体内の他端部側に、折り返された紐状体の間に介在する仕切板を設ける構成を採用した。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1を前提として、ピストンは、折り返された紐状体を架け渡す閉環状のフック壁を形成したフック体を有して、当該フック体を回転可能に支持している構成を採用した。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1を前提として、シリンダーには、その固定部位に固定される取付片を設け、紐状体の他端部には、当該取付片に係合して取付片と一緒に固定部位に固定されるクリップを設ける構成を採用した。
【0011】依って、請求項1記載の発明にあっては、ピストンに紐状体を折り返し状態をもって移動可能に架け渡しているので、従来のものと比較すると、小型のエアダンパーにあっても、シリンダーからの紐状体の引出量を遥かに長くできるので、必要なダンパーストロークを提供できる。請求項2記載の発明にあっても、紐状体の一端部がエアダンパー本体に対する可動部位に固定され、同他端部がエアダンパー本体又はエアダンパー本体に対する不動部位に固定されているので、従来のものと比較すると、やはり、小型のエアダンパーにあっても、シリンダーからの紐状体の引出量を遥かに長くできるので、必要なダンパーストロークを提供できる。
【0012】請求項3記載の発明にあっては、紐状体の出入口となるエアダンパー本体内の他端部側に仕切板を設けたので、エアダンパー本体外での紐状体の捩じれがエアダンパー本体内に伝わることを防止できると共に、エアダンパー本体内での紐状体の捩じれは紐状体を引くことで修正できる。請求項4記載の発明にあっては、紐状体をフック体の閉環状のフック壁に架け渡すので、紐状体がフック体から抜け外れることがなくなると共に、フック体がピストンに対して回転することにより、シリンダー内での紐状体の捩じれをより効果的に修正できる。請求項5記載の発明にあっては、紐状体の他端部にクリップを設けたので、紐状体の他端部をシリンダー側の取付片に簡単に連結できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する好適な実施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係るエアダンパーは、図1に示す如く、両端部が開口する筒状のシリンダー1と、該シリンダー1内を移動するピストン2と、シリンダー1の一端部に開設された連通孔3を開閉するバルブ4付のエンドキャップ5と、シリンダー1の他端部で後述する紐状体8の移動を案内するガイドキャップ6と、シリンダー1内においてガイドキャップ6とピストン2間に介装されてピストン2をシリンダー1の一端部方向に弾発付勢する圧縮コイルばね7と、ピストン2の移動に伴うバンパー作用をグローブボックス等の可動体に伝達する紐状体8とを備えて、これらの部品でエアダンパー本体を構成するものである。
【0014】そして、シリンダー1は、図示する如く、その一端部寄りと他端部寄りの外面にネジ孔9aを有する取付片9を一体に延設して、特に、他端部側の2連に亘る取付片9に対しては、後述する紐状体8の他端部8b側に設けられる第二クリップ18を係合して、当該第二クリップ18と一緒にシリンダー1の固定部位に固定される構成となっている。
【0015】ピストン2は、その周面にOリング10を嵌合してなるものであるが、図2・図3にも示す如く、圧縮コイルばね7の取付座を兼用する側に連結筒部11を一体に延設すると共に、該連結筒部11の対向する側壁に一対の弾性ロック爪12をスリット13を介して形成して、当該連結筒部11に上記弾性ロック爪12の係止状態を得て下記のフック体14を回転可能に支持する構成となっている。
【0016】このフック体14は、図示する如く、内部中空の円筒状に成形されて、中央部に上記弾性ロック爪12を係止する環状肩部15を形成すると共に、後端部側に紐状体8の折り返し部分を移動可能に架け渡す閉環状のフック壁16を形成する構成となっている。
【0017】紐状体8は、シリンダー1の軸方向へ折り返された状態で上記フック体14のフック壁16に移動可能に架け渡されて、その一端部8a側に対しては、自動車のグローブボックスの側面に固定される第一クリップ17を設け、他端部8b側に対しては、シリンダー1の取付片9側に係合する第二クリップ18を設ける構成となっているが、特に、第二クリップ18に関しては、既述したシリンダー1側の取付片9にワンタッチで係合されて、取付片9のネジ孔9aと一致するネジ孔18aを有する構成となっている。
【0018】ガイドキャップ6は、シリンダー1の他端部に嵌着されて、図4にも示す如く、紐状体8を案内する円弧状のガイド面6aを有するものであるが、シリンダー1の他端部の内側に位置する個所に、折り返された紐状体8の間に介在する仕切板19を一体に設ける構成となっている。
【0019】依って、斯かる構成のエアダンパーを組み付ける場合には、まず、紐状体8を折り返してフック体14の閉環状に形成されたフック壁16に架け渡した状態を得て、フック体14をピストン2の連結筒部11に嵌合させてから、当該ピストン2を圧縮コイルばね7と一緒にシリンダー1内に押し込んだ後、折り返された紐状体8の一端部8aと他端部8bとをガイドキャップ6を通して引き出しながら、ガイドキャップ6をシリンダー1の他端部に嵌着して、紐状体8の一端部8aを第一クリップ17に止着し、紐状体8の他端部8bを第二クリップ18に止着して、当該第二クリップ18をシリンダー1の取付片9に係合すれば、図5に示す如く、ワンウエイ方式のエアダンパーが容易に組み付けられることとなる。
【0020】そこで、実際に、自動車のグローブボックスで使用する場合には、具体的には図示しないが、従来と同様に、シリンダー1をその取付片9と第二クリップ18を介してインストルメントパネル側にネジ止めにより固定し、シリンダー1のガイドキャップ6から伸びる紐状体8の一端部8aを引き出しながら、当該一端部8aを第一クリップ17を介してグローブボックス側に連結すれば、グローブボックスの開閉動作を保障できることとなる訳であるが、このグローブボックスに対する連結作業においては、紐状体8が折り返されてフック体14のフック壁16に移動可能に架け渡されている関係で、紐状体8の一端部8a側の引出量はピストン2の移動量の約2倍となる。従って、エアダンパー本体の設置スペースが限られて、しかも、比較的長いストロークが要求されるものに使用する場合にも、シリンダー1が同じ長さの従来のエアダンパーと比較して、約2倍長のダンパーストロークが得られるので、十分に対応することが可能となる訳である。
【0021】そして、グローブボックスを開方向へ移動させると、これに応じて、紐状体8がシリンダー1内から徐々に引き出されて、ピストン2が圧縮コイルばね7のばね圧に抗して同方向へ移動するので、これにより、ピストン2側に開設されているオリフィス2aを通過する空気の流動抵抗で、ダンパー効果を得て、グローブボックスがゆっくりと開放状態に移動することが保障される。
【0022】又、逆に、グローブボックスを閉方向へ移動させると、今度は、ピストン2が紐状体8を伴って圧縮コイルばね7のばね圧でシリンダー1内に強制的に押し戻されて、シリンダー1内に蓄積された空気をバルブ4で開放された連通孔3を経てエンドキャップ5から外部に逃がすので、ピストン2がシリンダー1内を速やかに移動して、グローブボックスの閉動作を助長する。
【0023】又、斯かるグローブボックスの開閉に際しては、紐状体8の出入口となるシリンダー1の他端部側に仕切板19が存在する関係で、シリンダー1外での紐状体8の捩じれがシリンダー1内に伝わることが防止できると共に、シリンダー1内での紐状体8の捩じれは紐状体8を引くことで修正できる。しかも、紐状体8はフック体14の閉環状のフック壁16に架け渡されている関係で、紐状体8がフック体14から抜け外れる心配がなくなると共に、フック体14がピストン2に対して回転することにより、シリンダー1内での紐状体8の捩じれをより効果的に修正できることとなる。
【0024】尚、上記実施の形態にあっては、シリンダー1をインストルメントパネル側に固定し、紐状体8の一端部8aを可動体たるグローブボックス側に連結したものであるが、逆に、シリンダー1をグローブボックス側に固定し、紐状体8の一端部8aをグローブボックスの周辺部位たるインストルメントパネル側に連結することも実施に応じ任意であるし、且つ、紐状体8の他端部8bもシリンダー1の取付片9側に連結せずに、シリンダー1自体を固定する部位に連結することも可能である。但し、実施の形態に示す如く、紐状体8の他端部8bを第二クリップ18を介してシリンダー1に連結すれば、その連結作業が頗る容易となる。又、紐状体8の他端部8bをガイドキャップ6やその仕切板19等に連結することも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、請求項1の下では、ピストンに紐状体を折り返し状態をもって移動可能に架け渡しているので、従来のものと比較すると、小型のエアダンパーにあっても、シリンダーからの紐状体の引出量を遥かに長くできるので、必要なダンパーストロークを提供できる。請求項2の下でも、紐状体の一端部がエアダンパー本体に対する可動部位に固定され、同他端部がエアダンパー本体又はエアダンパー本体に対する不動部位に固定されているので、従来のものと比較すると、やはり、小型のエアダンパーにあっても、シリンダーからの紐状体の引出量を遥かに長くできるので、必要なダンパーストロークを提供できる。
【0026】請求項3の下では、紐状体の出入口となるエアダンパー本体内の他端部側に仕切板を設けたので、エアダンパー本体外での紐状体の捩じれがエアダンパー本体内に伝わることを防止できると共に、エアダンパー本体内での紐状体の捩じれは紐状体を引くことで修正できる。請求項4の下では、紐状体をフック体の閉環状のフック壁に架け渡すので、紐状体がフック体から抜け外れることがなくなると共に、フック体がピストンに対して回転することにより、シリンダー内での紐状体の捩じれをより効果的に修正できる。請求項5の下では、紐状体の他端部にクリップを設けたので、紐状体の他端部をシリンダー側の取付片に簡単に連結できる。
【出願人】 【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100077735
【弁理士】
【氏名又は名称】市橋 俊一郎
【公開番号】 特開2001−108002(P2001−108002A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−287550