| 【発明の名称】 |
ディスクブレーキ |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 春美
【氏名】児玉 秀文
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| 【要約】 |
【課題】ブレーキの引きずり現象を抑えて異音発生を防止する。
【解決手段】一方のパッド押圧面37と他方のパッド押圧面38とが鈍角を形成するよう開いて形成されている。したがって、パッドスプリングによって両パッド4、4を案内部側へ押圧するときに、押圧力Faの分力Fcがパッド4をディスク3から引き離すように働く。このため、引きずり現象が生じるのを抑制できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディスクを挟んで配される一対のパッドをディスク軸線方向に沿って摺動案内する案内部を有するキャリアと、一方の前記パッドのディスクに対し反対側に対向配置されるとともにピストンが摺動自在に嵌入されるシリンダ部、他方の前記パッドのディスクに対し反対側に対向配置される爪部、および前記シリンダ部と前記爪部とをディスクの外方側の端面を跨いで連結させるブリッジ部を有し、前記キャリアに摺動自在に支持されるキャリパと、前記ブリッジ部のディスク側に前記ブリッジ部のディスク側面と隙間を有して設けられて前記一対のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧するバネ板部、および該バネ板部に連設しディスクに対し反対側に延出して設けられ、前記ブリッジ部にディスク周方向側から係止されて前記バネ板部のディスク周方向の移動を弾性的に規制する係止部を有し、前記一対のパッドを付勢して前記案内部に押圧接触させるパッドスプリングとを具備するディスクブレーキにおいて、前記パッドスプリングの前記バネ板部の前記一方のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧する一方のパッド押圧面と前記他方のパッドのディスク径方向外方端の端面を押圧する他方のパッド押圧面とが、互いに鈍角をもって交差するように形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 【請求項2】 前記パッドスプリングの一方のパッド押圧面は前記バネ板部のディスク周方向の略中央部に設けられた凸部本体の裏面に設けられ、前記他方のパッド押圧面は前記凸部本体の端部から所定角度で傾斜しながらディスク軸線方向へ延在する舌片の裏面に設けられていること特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の制動用に用いられるディスクブレーキに関する。 【0002】 【従来の技術】車両等の制動用に用いられるディスクブレーキには、図7および図8に示すものがある。このディスクブレーキ1は車両の非回転部に固定されるキャリア2と、このキャリア2にディスク3を挾むよう配設された一対のパッド4と、二カ所の摺動案内部5によってディスク軸線方向(図8における左右方向)に摺動自在となるようキャリア2に支持されたキャリパ6とから主に構成されている。両パッド4は、プレート7と該プレート7の片面に固着されたライニング材8とを有しており、プレート7には、ディスク周方向(図7における左右方向)における両端部に外側に突出する突出部9が設けられ、また両突出部9の中間の、ディスク径方向外方側(図7における上側)には、ディスク径方向外方側に突出する突出部10が設けられていて、さらにライニング材8に対して反対側にはシム7aが設けられている。そして、キャリア2の両摺動案内部5の内側位置には、それぞれ案内部11が設けられている。これら案内部11は、上記突出部9のディスク周方向の位置規制とディスク径方向内方側(図7における下側)への位置規制を行って、パッド4をディスク3の軸線方向に沿って摺動案内するものである。 【0003】キャリパ6は、一方のパッド4のディスク3に対し反対側に対向配置される、ディスク軸線方向に沿うシリンダ部12と、他方のパッド4のディスク3に対し反対側に対向配置される爪部(反作用部)13と、ディスク3の径方向外側に位置してこれらシリンダ部12と爪部13とを連結させるブリッジ部14とを有している。シリンダ部12内には、ピストン15が摺動自在に嵌入されている。このピストン15は、ブレーキペダル16の踏込みによりマスタシリンダ17から発生されシリンダ部12内に導入されるブレーキ液の液圧によって爪部13方向に突出し、これにより爪部13とで両パッド4を挾持してこれらをディスク3方向に押圧するようになっている。ピストン15は、爪部13から離間する方向の移動限界位置(図8に示す位置)にあるとき、その爪部13側の先端部をシリンダ部12から若干突出させており、該突出側の端部とシリンダ部12の開口部との間には、ピストン15とシリンダ部12との摺動部分を保護する伸縮自在の弾性材料からなるブーツ18が設けられている。このブーツ18は、ピストン15の突出側の外周部に形成された環状の溝部19に一端側が自身の弾性力で嵌着されており、他端側は、シリンダ部12の開口部内周に形成された環状の溝部20に嵌合され、内周側に嵌合されるピストン15により径方向内方への移動が規制されて装着されている。 【0004】ブリッジ部14は、ディスク周方向における両端面21がほぼ平行をなしており、ディスク周方向における両端部のディスク3側の所定位置には、端面21と鋭角をなし、ディスク3の中心からの距離がほぼ一定となるよう円弧状をなして傾斜する傾斜面部22が設けられている。加えて、ブリッジ部14の両端面21には、傾斜面部22側の端部を除いて一段凹んだ係止溝23が形成されている。なお、キャリパ6には、図示せぬサイドブレーキへの入力によって機械的にピストン15を爪部13方向に突出させてパッド4をディスク3に押圧接触させるための、アジャスタ機構付き作動機構24が設けられている。 【0005】前記ブリッジ部14のディスク3側にはパッドスプリング25が設けられている。このパッドスプリング25は、図7〜図10に示すように、ブリッジ部14のディスク3側に、パッド4の突出部10を押圧するよう設けられたバネ板部26と、該バネ板部26のディスク周方向における両端部からディスク3に対し反対側に延出して設けられブリッジ部14のディスク周方向における両端面21の係止溝23に弾性的に係止する係止部27とを有している。バネ板部26には、ディスク3に対し反対側に突出しディスク軸線方向に沿って延在するとともに、ブリッジ部14の傾斜面部22に当接する当接部26aが形成されている。上記パッドスプリング25は、図7に示すように、両係止部27を、弾性変形させた状態でブリッジ部14を両端面21側から挟むようにキャリパ6の係止溝23に係止させることにより、ブリッジ部14のディスク3側に装着される。そして、この状態でキャリパ6をキャリア2に装着すると、バネ板部26は、撓みつつパッド4の突出部10に当接係合する。これにより、パッド4は突出部10から入力される付勢力で案内部11のディスク径方向内方側の端面11aに押し付けられてがたつきが防止されることになる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のディスクブレーキ1にあっては、ブレーキから異音が発生する場合がある。これは、ピストン15によってパッド4をディスク3に押し付けない場合に、パッド4がディスク3にわずかに接触してトルクが発生し、このいわゆる引きずりトルクによって車両や足まわりの一部が共振し、音を発生してしまうのが原因であると考えられる。このような引きずり現象に伴う異音発生に関する問題は、ディスクブレーキの課題として以前からあったが、特に、車両から発せられるノイズレベルが小さくなりつつある近年では、従来聞こえなかったノイズまで聞こえるようになってきており、より一層のノイズ低減が要求されている。なお、従来のディスクブレーキには、パッドをガイドする部分にパッドの戻し機構を設け、これによって引きずり現象を抑えることを企図したものもあるが、構造が複雑で、しかも組付時にシリンダとの干渉を防ぐために戻し機構の付勢力に抗してパッドをディスク側に押し付けておく必要があることから組付が面倒となる欠点があった。 【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレーキの引きずり現象を抑えて異音発生を防止し、構造が簡単で組付性にも難点がないディスクブレーキを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のディスクブレーキは、ディスクを挟んで配される一対のパッドをディスク軸線方向に沿って摺動案内する案内部を有するキャリアと、一方の前記パッドのディスクに対し反対側に対向配置されるとともにピストンが摺動自在に嵌入されるシリンダ部、他方の前記パッドのディスクに対し反対側に対向配置される爪部、および前記シリンダ部と前記爪部とをディスクの外方側の端面を跨いで連結させるブリッジ部を有し、前記キャリアに摺動自在に支持されるキャリパと、前記ブリッジ部のディスク側に前記ブリッジ部のディスク側面と隙間を有して設けられて前記一対のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧するバネ板部、および該バネ板部に連設しディスクに対し反対側に延出して設けられ、前記ブリッジ部にディスク周方向側から係止されて前記バネ板部のディスク周方向の移動を弾性的に規制する係止部を有し、前記一対のパッドを付勢して前記案内部に押圧接触させるパッドスプリングとを具備するディスクブレーキにおいて、前記パッドスプリングの前記バネ板部の前記一方のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧する一方のパッド押圧面と前記他方のパッドのディスク径方向外方端の端面を押圧する他方のパッド押圧面とが、互いに鈍角をもって交差するように形成されていることを特徴とする。 【0009】この場合、一方のパッド押圧面と他方のパッド押圧面とが鈍角を形成するようにV字状に開いて形成されているので、該パッドスプリングによって両パッドを案内部側へ押圧するときに、該パッドスプリングの押圧力の分力がパッドどうしを互いに離間するように作用する。したがって、ブレーキ操作解除時、つまりピストンによってパッドをディスクに押し付けない場合に、前記パッドスプリングによるパッドへの押圧分力によってパッドは互いに離間する方向へ移動される。つまり、パッドがディスクから離れる方向へ移動することとなって引きずり現象が生じるのを抑制される。 【0010】また、前記パッドスプリングの一方のパッド押圧面を前記バネ板部のディスク周方向の略中央部に設けられた凸部本体の裏面に設け、前記他方のパッド押圧面を前記凸部本体の端部から所定角度で傾斜しながらディスク軸線方向へ延在する舌片の裏面に設けてもよい。 【0011】この場合、舌片自体は比較的剛性が低く状況に応じて凸部本体に対する傾斜角が変わり得るので、設計誤差等によって他方のパッド押圧面が他方のパッドに対し所望の角度で接触しない場合、セット時の荷重によって舌片の傾斜角度が適宜変化して設計誤差等を吸収することなり、したがって、他方のパッド押圧面が他方のパッドに対して所望角度に近い角度をもって押圧し得る。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のディスクブレーキを図1〜図6を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態のディスクブレーキは、パッドスプリングが従来と相違しているため、この相違部分を中心に説明し、パッドスプリングを除く従来と同様の部分には同一の符号を付してその説明を略す。 【0013】図1および図2に示すパッドスプリング30は、従来と同様、パッド4の突出部10を押圧するバネ板部31を有しており、該バネ板部31は、ディスク周方向(図1および図2における左右方向)における略中央部に、ディスク3に対し反対側(図2における上側)に一段突出した凸部32が、ディスク軸線方向(図1における上下方向)に沿って延在形成されている。凸部32のディスク軸線方向のシリンダ12側の端部には凸部32の他の部分から直交するようにディスク3に対し反対側に向かって立ち上がる起立部32Aが設けられている。また該凸部32のディスク周方向の両側には、若干の角度をもってディスク3とは反対側(図2における上側)に傾斜するとともに凸部32から離れるほどディスク軸線方向における幅が小さくなる傾斜板部33が設けられ、さらに、両傾斜板部33のディスク周方向の端部には、傾斜板部33と同角度をなしてディスク軸線方向に沿ってその板面が延在する延在板部34が形成されている。 【0014】延在部34の前記凸部32の起立部32Aが設けられた側と同じ側、すなわち延在部34のシリンダ部12側に延びる部分34Aは、その軸線方向に関して反対側すなわち爪部13側に延びる部分34A′に対して、図4に示すように若干下方に曲げられている。本実施の形態では、延在部34の前記両部分34A,34A′の境界部分、すなわち、ディスク軸線方向に関して、傾斜板部33のシリンダ部12側縁部が接続される延在部34部分よりもシリンダ部12側寄りの位置が、屈曲部位34Cとなっており、その屈曲角度θeは、約4°に形成されている。これにより、延在部34は、この屈曲部位34Cを中心として、シリンダ部12側に延びる部分34Aと、爪部13側に延びる部分34A′とが、ディスク3に面する側に屈曲されている。 【0015】また、傾斜板部33の爪部13側縁部が接続される延在部34部分よりも爪部13側の位置の延在部34には、ディスク3に面する側と反対側、すなわちブリッジ部14側に突出するように湾曲形成されてなる湾曲部34Bが設けられている。前記形状の延在部34は、図6に示すように、キャリパ6のブリッジ部14のディスク3に面する側の面、すなわちブリッジ部14の内周面に、屈曲部位34Cおよび湾曲部34Bが当接して支持されるようになっており、また、その両端部は、ブリッジ部14に面するシリンダ部12、爪部13側のキャリパ6の端面に当接して、バネ板部31のディスク軸線方向の位置決めをしている。 【0016】バネ板部31のディスク周方向における両端部には、キャリパ6の傾斜面部22とディスク軸線方向の位置を合わせて、ディスク3に対し反対側に延出する係止部36が設けられている。この係止部36は、その中間部分が、延出量が大きくなる位置ほど相互に近づくようになっており、延出側の端部が相互に離間するよう屈曲されている。 【0017】本実施の形態のパッドスプリング30では、前記バネ板部31のディスク周方向の略中央に設けられた凸部32は、ディスク軸線方向に関して、前記傾斜板部33が設けられた凸部本体32Bと、該凸部本体32Bの前記傾斜板部33の設置部位を挟んで前記起立部32Aが設けられた側と反対側から、図3に示すように上方に、所定の屈曲角度θt(本実施の形態では屈曲角度θtは約3°)で傾斜しながらディスク軸線方向に延在する舌片32Cからなっている。前記起立部32Aが設けられた側の凸部本体32Bの裏面(図2,3における下側の面で、ディスク3に面する側の面)は、一方のパッド4、すなわちディスク3を挟んでシリンダ部12側のパッド4のディスク径方向外周側の端面を押圧する一方のパッド押圧面37とされ、また舌片部の裏面は、他方のパッド4、すなわちディスク3を挟んで爪部13側のパッド4のディスク径方向外周側の端面を押圧する他方のパッド押圧面38とされている。 【0018】そして、これら両パット押圧面37、38は、互いに鈍角を形成するようにV字状に開いて形成されており、パッド押圧面37は、パッド押圧面38よりも押圧面の長さが長く形成されている(図3参照)。前記一方のパッド押圧面37は、左右両側に前記傾斜板部33が形成された凸部本体32Bの裏面に設けられ、また前記他方のパッド押圧面38は前記凸部本体32Bから所定角度をもって爪部13側に傾斜して延びる舌片32Cの裏面に設けられている。両パッド押圧面37、38がなす角度θは181度〜190度の範囲で設定するのが好ましい。 【0019】上記パッドスプリング30は、従来例で説明したのと同様に、図6に示すように、両係止部36を、相互の先端側を離間させる方向に弾性変形させた状態でブリッジ部14を挟むようにキャリパ6の係止溝23に係止させることにより、ブリッジ部14のディスク3側に装着される。このとき、パッドスプリング30は、図6に示すように、両延在部のそれぞれ屈曲部位34C、湾曲部34Bが、ブリッジ部14の内周面に当接された状態となっており、傾斜面部22間でまだパッド4の突出部10が当接していない自由状態にある凸部32は、同図に示すように、ブリッジ部14の取付面に対し、舌片32Cによる押圧面側よりも凸部本体32Bによる押圧面側の方が傾斜した状態にある。 【0020】そして、この状態でパッド4が案内部11に載置されたキャリア2に上記キャリパ6を装着すると、バネ板部31は、パッド4の突出部10が当接し押圧されることによって、図6に示されている状態から、舌片32Cによる押圧面側はブリッジ部14の取付面に対する傾斜(すなわちディスク軸線方向、パッド摺動方向に対する傾斜)を増し、凸部本体32Bによる押圧面側はブリッジ部14の取付面に対する傾斜を減少させるように回動する。そして、パッドスプリング30の凸部32の凸部本体32B側の押圧面と、舌片32C側の押圧面とが、互いに鈍角をもって交差するようになり、ブリッジ部14の取付面に対する傾斜は、パッドスプリング30の凸部32の凸部本体32B側の押圧面と、舌片32C側の押圧面とで、ほぼ同じようになってくる。 【0021】これにより、本実施の形態においては、パッド4には、従来のパッドスプリングと同様に、ディスク径方向(図5の紙面上下方向)に抑え力が作用し、この抑え力をパッド4に伝達する凸部32の凸部本体32B側の押圧面、および舌片32C側の押圧面は、前述したように傾斜していることにより、それぞれパッド4の摺動戻し方向にも作用するようになる。さらに、本実施の形態においては、図6に示されている状態から、舌片32Cによる押圧面側はブリッジ部14の取付面に対する傾斜(すなわちディスク軸方向、パッド摺動方向に対する傾斜)を増し、凸部本体32Bによる押圧面側はブリッジ部14の取付面に対する傾斜を減少させるように回動させて、パッド4が取付けられているため、前記従来のパッドスプリングにおける抑え力のパッド4の摺動戻し方向に作用する分に加え、この回動力の反力もそれぞれパッド4の摺動戻し方向にも作用するようになっている。 【0022】このような構成の本実施の形態のディスクブレーキによれば、パッドスプリング30において、一方のパッド押圧面37と他方のパッド押圧面38とが鈍角を形成するよう開いて形成されているため、パッドスプリング30によって両パッド4を案内部11側へ押圧するときに、該押圧力Faの分力がパッドどうしを離間する方向へ移動させるように作用する。つまり、図5に示すように、パッドスプリング30が他方のパッド押圧面38によって他方のパッドの突出部10を押圧するときに、該パッド押圧面38は他方のパッド4を真上からではなく、舌片32Cの傾斜角度分だけ斜め側方にずれた角度をもって斜め上方位置から押圧することとなる。したがって、他方のパッド押圧面38からの押圧力Faは、案内部11(前記凸部本体32Bと平行に配されている)と直交する押圧力Fbと案内部11に平行な押圧力Fcとに分かれ、後者の案内部11に平行な押圧力Fcが他方のパッド4を前記一方のパッド4から離間する方向へ移動させるように作用する。 【0023】このため、ブレーキ操作解除時、すなわちピストン15によってパッド4をディスク3に押し付けない場合に、前記パッドスプリング30によるパッド4への押圧分力Fcによって他方のパッド4は一方のパッド4から離間する方向へ移動され、結局、他方のパッド4がディスク3から離れる方向へ移動することとなって、引きずり現象が生じるのを抑制できる。 【0024】ここで、他方のパッド押圧面38は、前記バネ板部31の凸部本体32Bの端部から所定角度で傾斜しながら延在する舌片32Cの裏面に設けており、舌片32C自体は比較的剛性が低く状況に応じて凸部本体32Bに対する傾斜角が代わり得るので、設計誤差等によって他方のパッド押圧面38が他方のパッド4に対し所望の角度で接触しない場合、セット時の荷重によって舌片32Cの傾斜角度が適宜変化して設計誤差等を吸収することなり、したがって、他方のパッド押圧面38が他方のパッド4に対して所望角度に近い角度をもって押圧する。 【0025】なお、本実施形態の場合は、前述したように、従来のパッドスプリングにおける抑え力のパッド4の摺動戻し方向に作用する分に加え、この回動力の反力も作用させているため、次のようなより一層のパッド4の引き摺り防止作用も達成する。すなわち、パッド4に作用する摺動戻し方向の力は、例えば、パッド4が非作動位置(ディスク3に対する非押圧位置)にある場合よりも、作動位置(ディスク3に対する押圧位置)にある場合の方が、凸部32の凸部本体32B側および舌片32C側のそれぞれ押圧面の傾斜を増す分だけ通常大きくなる。 【0026】本実施形態の場合は、図6に示すように、両延在部のそれぞれ屈曲部位34C、湾曲部34Bが、ブリッジ部14の内周面に当接された状態から凸部32を回動させながら、凸部32の凸部本体32B側および舌片32C側のそれぞれ押圧面の傾斜を形成しているので、従来のパッドスプリングにおける抑え力のパッド4の摺動戻し方向に作用する分だけを単に作用させただけでは、パッド4が非作動位置から作動位置になっても、凸部32の凸部本体32B側および舌片32C側のそれぞれ押圧面の傾斜が増すことなく、そのままの傾斜でパッド4の凸部32全体がディスク径方向に平行移動してしまい、パッド4に作用する摺動戻し方向の力はパッド4の作動、非作動の位置に応じて変化しなくなる恐があるのに対し、このような恐はない。 【0027】なお、本実施の形態は、以上説明したとおりのものであるが、本発明のディスクブレーキに係るパッドスプリングの形状は本実施の形態に限ることなく、パッドをディスク径方向に付勢してパッドのディスク径方向のがたつきを抑え、案内部にしっかり支持させるパッドスプリングに関し、一方のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧する一方のパッド押圧面と、他方のパッドのディスク径方向外方側の端面を押圧する他方のパッド押圧面とを互いに鈍角をもって交差するように形成され、パッドスプリングからのパッドをディスク径方向に付勢する付勢力がパッドの摺動戻し方向にも作用するようになっているならば、上記実施形態に限るものではない。 【0028】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明のディスクブレーキによれば、一方のパッド押圧面と他方のパッド押圧面とが鈍角を形成するよう開いて形成されているので、パッドスプリングによって両パッドを案内部側へ押圧するときに、該押圧力の分力がパッドどうしを離間する方向へ移動させるように作用する。したがって、ブレーキ操作解除時には、パッドスプリングによるパッドへの押圧分力によってパッドは互いに離間する方向へ移動される。つまり、パッドがディスクから離れる方向へ移動することとなり、引きずり現象の発生を抑制することができる。また、パッドガイド部分にパッドの戻し機構を設けることで引きずり現象を抑える従来のディスクブレーキに比べ、パッドスプリングを特異な形状にするというごく簡単な構成によって引きずり現象を抑えることができ、加えて、組付の際にも戻し機構の付勢力に抗してパッドをディスク側に押し付けるといった面倒作業を行う必要がなく、組付性の面でもなんら問題は生じない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003056 【氏名又は名称】トキコ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月2日(1999.7.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−20982(P2001−20982A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−189753 |
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