| 【発明の名称】 |
ブーツ |
| 【発明者】 |
【氏名】山西 雅己
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】相互に揺動可能な第1部材と第2部材とで形成された継手に設けられて、前記第1部材及び前記第2部材に対する取付部を持ち、少なくとも一つの山部を持つ可撓性のブーツにおいて、前記第1部材側の取付部の最近の山部から前記第1部材側の取付部までの間、あるいは前記第2部材側の取付部の最近の山部から前記第2部材側の取付部までの間の少なくとも一方に、前記第1部材の前記第2部材に対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅で他の部位より肉厚が厚い厚肉部を設けることを特徴とするブーツ。 【請求項2】前記ブーツは、前記第1部材の前記第2部材に対する揺動方向によって揺動角度が異なる継手に設けられていることを特徴とする請求項1記載のブーツ。 【請求項3】前記所定の揺動方向は、前記第2部材に対する前記第1部材の揺動角度が最も大きくなる方向であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のブーツ。 【請求項4】前記継手は、ボール部とスタッド部が一体的に形成されたボールスタッドと、前記ボールスタッドを保持するソケットとで構成され、前記ボールスタッドの前記ソケットに対する揺動方向によって揺動角度が異なるボールジョイント、あるいは、前記ボールスタッドの前記ソケットに対して所定の方向にのみ揺動するボールジョイントであり、前記第1部材への取付部は前記スタッド部に、前記第2部材への取付部は前記ソケット部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のブーツ。 【請求項5】前記継手は、ステアリングナックルあるいはタイロッドエンドに設けられており、前記ブーツの前記厚肉部はステアリングの操舵角が略最大の場合にスタッド部が揺動する方向に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のブーツ。 【請求項6】アクスルシャフトを構成する第1シャフトと第2シャフトがボールジョイントを介して連結されているとともに、アクスルハウジングを構成し前記第1シャフトが挿通する第1ハウジングと前記第2シャフトが挿通する第2ハウジングとが前記第1ハウジングの外端側に設けられて球面状の外周を有するボールジョイントハウジングと前記第2ハウジングの内端側に設けられて前記ボールジョイントハウジングの外端側外周を覆うナックルハウジングの間で揺動可能に連結されたフロントアクスルに対して、前記ナックルハウジングの内端側開口部と前記第1ハウジングの外周部に対する取付部を持ち、少なくとも一つの山部を持つ可撓性のブーツにおいて、前記第1ハウジング側の取付部に最近の山部から前記第1ハウジング側の取付部までの間あるいは前記ナックルハウジングの前記内端側開口部に最近の山部から前記ナックルハウジングの前記内端側開口部までの間の少なくとも一方に、前記ナックルハウジングの前記第1ハウジングに対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅で他の部位より肉厚が厚い厚肉部を設けることを特徴とするブーツ。 【請求項7】前記ブーツの前記取付部から前記最近の山部までの肉厚は、前記厚肉部の円周方向の端部から肉厚が徐変するように形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のブーツ。 【請求項8】前記ブーツの前記厚肉部を径方向に延びるリブとしたことを特徴とする請求項1乃至6のブーツ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、継手に設けられたブーツの構造に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、継手に設けられた可撓性のブーツは、継手を形成する少なくとも2つの部材の相互の揺動により伸び縮みするように蛇腹状に構成されている。 【0003】この種のブーツとして、例えば、特開平6−87775号公報に記載されるものがある。これは等速ジョイントの防塵ブーツにおいて、蛇腹部の各山部が夫々折れ曲がりやすくなるようにブーツの山部付近に薄肉部を形成したものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種のブーツでは、図11で示すように、相互に揺動可能な2つの部材で形成されている継手50の一方の第1部材51が他方の第2部材52に対してSの方向に揺動する場合に、ブーツ53の第1部材51への取付部54は、第1部材51の移動とともに、揺動方向Sに移動する。これにより、ブーツ53が、第2部材52に対して揺動方向Sに移動する。この場合に、ブーツ53の揺動方向Sと反対方向に位置する部分は、第1部材51の揺動により弾性変形して、元の位置に戻ろうとする力F1が働いている。この時、移動量が第2部材52に対して最も大きいブーツ53の第1部材51への取付部54と、その取付部54から最近の山部55との間の面には、元の位置に戻ろうとする力F1に基づく揺動方向Sと反対方向に移動しようとする強い力F2が発生している。このため、最近の山部55の揺動方向Sに位置する部分には、揺動方向Sと反対方向に付勢する力F2が働いている。しかし、ブーツ53の揺動方向Sに位置する部分には、第1部材51により揺動方向Sに付勢される力F3が働いている。最近の山部55は、屈曲部を形成しているため、面を形成している部位より剛性が高くなっている。このため、揺動方向Sに位置する最近の山部55に働く力F2と、第1部材51に付勢されている力F3とが衝突するにより、弱部であるブーツ53の取付部54から最近の山部55までの間でブーツ53の折れ曲り56が発生する。この折れ曲り56が繰り返されることにより、折れ曲る部分が疲労し、耐久性が低下する可能性があった。 【0005】同様の問題が、ブーツ53の第2部材52への取付部から最近の山部までの間に発生する。つまり、ブーツ53の第2部材52への取付部から最近の山部の間で、第2部材の第1部材に対する揺動方向には、折れ曲りが発生し、これにより、耐久性が低下する可能性があった。 【0006】また、この問題を解決するために、第1部材51の取付部54から最近の山部55までの間、あるいは、第2部材52の取付部から最近の山部までの間の全体の肉厚を厚くすることも可能だが、第1部材51の取付部54から最近の山部55までの間、あるいは、第2部材52の取付部から最近の山部までの間に発生した引張り力を吸収することができず、第1部材51および第2部材52の相互の揺動を妨げることになる。 【0007】本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、継手を形成する2つの部材の一方の部材が他方の部材に対して揺動する時、ブーツの取付部から最近の山部までの間でブーツの折れ曲りが発生するのを防止するために、ブーツの取付部から最近の山部までの少なくとも一方に、一方の部材が他方の部材に対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅で他の部位より肉厚が厚い肉厚部を設ける、あるいは、径方向に延びるリブを設けることによりブーツを折れ曲がりにくくしてブーツの耐久性を向上させることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような課題を達成するために、請求項1の発明では、相互に揺動可能な第1部材と第2部材とで形成された継手に設けられて、前記第1部材及び前記第2部材に対する取付部を持ち、少なくとも一つの山部を持つ可撓性のブーツにおいて、前記第1部材側の取付部の最近の山部から前記第1部材側の取付部までの間、あるいは前記第2部材側の取付部の最近の山部から前記第2部材側の取付部までの間の少なくとも一方に、前記第1部材の前記第2部材に対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅で他の部位より肉厚が厚い厚肉部を設けることを特徴とする。 【0009】請求項2の発明は、前記ブーツが、前記第1部材の前記第2部材に対する揺動方向によって揺動角度が異なる継手に設けられていることを特徴とする。 【0010】請求項3の発明は、前記所定の揺動方向が前記第2部材に対する前記第1部材の揺動角度が最も大きくなる方向であることを特徴とする。 【0011】請求項4の発明は、前記継手が、ボール部とスタッド部が一体的に形成されたボールスタッドと、前記ボールスタッドを保持するソケットとで構成され、前記ボールスタッドの前記ソケットに対する揺動方向によって揺動角度が異なるボールジョイント、あるいは、前記ボールスタッドの前記ソケットに対して所定の方向にのみ揺動するボールジョイントであり、前記第1部材への取付部は前記スタッド部に、前記第2部材への取付部は前記ソケット部に設けられていることを特徴とする。 【0012】請求項5の発明は、前記継手が、ステアリングナックルあるいはタイロッドエンドに設けられており、前記ブーツの前記厚肉部はステアリングの操舵角が略最大の場合にスタッド部が揺動する方向に形成したことを特徴とする。 【0013】請求項6の発明は、アクスルシャフトを構成する第1シャフトと第2シャフトがボールジョイントを介して連結されているとともに、アクスルハウジングを構成し前記第1シャフトが挿通する第1ハウジングと前記第2シャフトが挿通する第2ハウジングとが前記第1ハウジングの外端側に設けられて球面状の外周を有するボールジョイントハウジングと前記第2ハウジングの内端側に設けられて前記ボールジョイントハウジングの外端側外周を覆うナックルハウジングの間で揺動可能に連結されたフロントアクスルに対して、前記ナックルハウジングの内端側開口部と前記第1ハウジングの外周部に対する取付部を持ち、少なくとも一つの山部を持つ可撓性のブーツにおいて、前記第1ハウジング側の取付部に最近の山部から前記第1ハウジング側の取付部までの間あるいは前記ナックルハウジングの前記内端側開口部に最近の山部から前記ナックルハウジングの前記内端側開口部までの間の少なくとも一方に、前記ナックルハウジングの前記第1ハウジングに対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅で他の部位より肉厚が厚い厚肉部を設けることを特徴とする。 【0014】請求項7の発明は、前記ブーツの前記取付部から前記最近の山部までの肉厚は、前記厚肉部の円周方向の端部から肉厚が徐変するように形成したことを特徴とする。 【0015】請求項8の発明は、前記ブーツの前記厚肉部を径方向に延びるリブとしたことを特徴とする。 【0016】 【発明の作用と効果】(1)請求項1記載の発明のブーツは、第1部材側の取付部の最近の山部から第1部材側の取付部までの間、あるいは第2部材側の取付部の最近の山部から第2部材側の取付部までの間の少なくとも一方で、第1部材の第2部材に対する所定の揺動方向を含む円周方向の所定幅を他の部位より肉厚が厚い厚肉部を設けた。これにより、第1部材と第2部材とが相互に所定の方向に揺動した場合に、第1部材側の取付部の最近の山部から第1部材側の取付部までの間、あるいは第2部材側の取付部の最近の山部から第2部材側の取付部までの間の少なくとも一方に設けたブーツの厚肉部は、折れ曲ることなく第1部材あるいは第2部材にブーツの外周方向に押出される。そして、ブーツの厚肉部の移動によりブーツの円周方向に発生した引張り力により厚肉部に隣接する部分が弾性変形する。したがって、第1部材と第2部材とが相互に所定の方向に揺動した場合に、ブーツを折れ曲がりにくくすることができる。 (2)請求項2記載の発明のブーツは、第1部材の第2部材に対する揺動方向によって揺動角度が異なる継手に設けられている。その揺動可能な角度の大きさに応じて、ブーツを折り曲げようとする力の大きさは異なる。したがって、ブーツを折り曲げようとする力の大きさに応じて厚肉部を配設する位置を決定することにより、ブーツの耐久性を向上させることが可能となる。 (3)請求項3記載の発明は、揺動角が最も大きくなる揺動方向を含む円周方向に所定幅のブーツの肉厚を厚くしたため、第1部材が第2部材に対して揺動角度が最も大きくなる方向に揺動する場合に、その揺動方向を含む円周方向に所定幅で設けたブーツの厚肉部は折れ曲がることなく第1部材にブーツ外周方向に押出される。そして、ブーツの厚肉部の移動によりブーツの円周方向には、引張り力が発生し、その引張り力により厚肉部に隣接する肉部が弾性変形する。これにより、第1部材の第2部材に対する揺動角度が大きくなる場合のブーツを折れ曲がりにくくし、厚肉部が折れ曲がらないことにより円周方向に発生した引張り力を厚肉部以外の部分の弾性変形で吸収することができ、ブーツの耐久性を向上させることが可能となる。 (4)請求項4記載の発明は、ボールスタッドがソケットに対して揺動角度が最も大きくなる方向に揺動すると、スタッド部は、その揺動方向を含む円周方向に所定幅の厚肉部を押圧してブーツ外周方向に押出す。そして、ブーツの厚肉部の移動によりブーツには、円周方向の引張り力が発生して、その引張り力により厚肉部に隣接する肉部が弾性変形する。これにより、ボールジョインとに設けられたブーツを折れ曲りにくくすることができ、ブーツの耐久性を向上させることが可能となる。 (5)請求項5記載の発明は、ステアリングナックルあるいはタイロッドエンドに設けられたボールジョイントに設けられており、ステアリングを最大の操舵角に操舵すると、ソケットに対してスタッド部が最も大きく揺動する。この時、ブーツの厚肉部はスタッド部に押圧されて外周方向に押出される。このブーツの厚肉部の移動により円周方向には、引張り力が発生し、この引張り力を厚肉部に隣接する肉部が弾性変形する。これにより、ステアリングナックルあるいはタイロッドエンドに設けられたボールジョイントのブーツを折れ曲りにくくすることができ、ブーツの耐久性を向上させることが可能となる。 (6)請求項6記載の発明は、ステアリングの操舵角が略最大に操舵すると、第1ハウジングが揺動して、ナックルハウジングに対する揺動角度が最も大きくなる。第1ハウジングの揺動に伴いブーツの厚肉部は、第1ハウジングに押圧により折れ曲ることなく形状を保持して外周方向に押出される。この厚肉部の移動により円周方向に発生した引張り力は、厚肉部に隣接する肉部が弾性変形することで吸収する。これにより、ブーツの折れ曲がりを補強部材を追加することなく抑制することができる。 (7)請求項7記載の発明のブーツは、厚肉部の円周方向の端部と他の部分との肉厚変化が厚肉部の円周方向の端部から徐変するように形成したため、厚肉部の円周方向の端部での損傷を低減できる。 (8)請求項8記載の発明のブーツは、第1部材の揺動方向にリブを設けたため、第1部材が第2部材との接続部を支点として揺動して第1部材の第2部材に対する揺動角度が大きくなった場合に、リブを設けた部位は、折れ曲がることなく第1部材にブーツ外周方向に押出される。そして、このリブを設けた部位の移動によりブーツの円周方向に発生した引張り力は、リブを設けた部位に隣接する肉部が弾性変形することで吸収される。したがって、第1部材が第2部材に対して揺動し、第1部材の第2部材に対する揺動角度が大きくなった場合のブーツを折れ曲りにくくすることができる。また、リブを設けた部位が折れ曲がらないことにより円周方向に発生した引張り力をリブを設けた部位以外の部分の弾性変形で吸収することができ、ブーツの耐久性を向上させることが可能となる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について詳しく説明する。 【0018】(第1の実施の形態)第1の実施の形態を図面を用いて説明する。 【0019】図1には、本発明の一実施例に係るフロントアクスルの連結部が示されている。 【0020】このフロントアクスルは、図2で概略的に示されているように、フロントディファレンシャルのキャリヤと一体的なアクスルハウジング10を備えている。 【0021】アクスルハウジング10は、中間部の長尺な第1ハウジング11と、その左右両側端の第2ハウジング12とからなっている。 【0022】第2ハウジング12は、ステアリングシャフト及びステアリングギアボックス等を介してステアリングに連結されており、ステアリングを左右に操舵すると、第2ハウジング12は、第1ハウジング11に対して所定の方向に揺動する。ステアリングの右あるいは左の操舵角が最大になる場合には、第2ハウジング12の第1ハウジング11に対する揺動角度が最大になる。 【0023】アクスルハウジング10内には、左右一対のアクスルシャフト20が挿通されている。各アクスルシャフト20は第1シャフトであるインナーシャフト21と第2シャフトであるドライブシャフト22をボールジョイント23を介して連結してなるもので、インナーシャフト21の長さを除き同様の構成となっている。 【0024】アクスルシャフト20において、インナーシャフト21はその内端にてフロントディファレンシャルの一方のサイドギアにトルク伝達可能に連結され、かつドライブシャフト22はその外端で車輪ハブにトルク伝達可能に連結されているとともに、両シャフト21、22の外端及び内端がボールジョイント23にて連結されている。 【0025】ボールジョイント23は等速ボールジョイントであり、第1ハウジング11の外端側に固着したボールジョイントケース13と第2ハウジング12の内端側に組付けられたナックルボデー14とで外周を覆われている。 【0026】ジョイントケース13は第1ハウジング11の外周より大径の中空球形に形成しており、外端にはボールジョイントの23を挿通可能な開口部を備えている。また、ナックルボデー14は内端側が開口する中空になっており、ジョイントケース13の外端側外周を覆っている。このナックルボデー14には上下一対のキングピン15a、15bが固着されている。各キングピン15a、15bはナックルアーム16を支持していて、ジョイントケース13に回動可能に支持されている。ナックルボデー14の内端側開口部14aの縁部と第1ハウジング11の外端側外周部には可撓性のブーツ17の端部が組付けられていて、これら両者11、14間がシールされている。 【0027】ブーツ17は山部と谷部を持つ蛇腹形状をした弾性体で作られている。弾性体は、樹脂、天然ゴム及び合成ゴム等の弾性変形可能なものであれば何れでもよく、用途に応じて適宜変更可能である。 【0028】ブーツ17の外端側17aはナックルボデー14の開口部14aの縁部に対応する大径に形成され、かつその内端側17bには第1ハウジング11の外径に対応する小径に形成されている。 【0029】ブーツ17の蛇腹はステアリング操舵による第2ハウジング12が第1ハウジング11に対して左右に揺動することに追従して伸び縮みするように形成されている。 【0030】図3はブーツ17の内端側17b方向からの平面図であり、図4は図3のA−A'の部分で切断した断面図である。また、図5は図3のB−B'の部分で切断した断面図である。 【0031】ブーツ17の内端側17bから最近の山部18aの間のブーツ内端部19は、肉厚の厚い厚肉部19aと厚肉部19aより肉厚の薄い薄肉部19bを有している。 【0032】厚肉部19aは、ステアリングの右あるいは左の操舵角が略最大になる場合、第2ハウジング12に接続されたナックルボデー14の開口方向に対して第1ハウジング11の揺動する方向X、Y、即ち、第1ハウジング11がナックルボデー14の開口方向に対して最も大きい揺動角度を持つ方向X、Y、(以下最大揺動方向と呼ぶ)の2個所に位置し、その最大揺動方向X、Yを中心に円周方向に所定の幅を持って形成されている。 【0033】薄肉部19bは厚肉部19aに隣接しており、図5に示すように厚肉部19aの端部から肉厚が徐変するように形成されている。 【0034】厚肉部19a及び薄肉部19bの肉厚は予め実験で求められた最適な値となるように形成されており、厚肉部19aは薄肉部19bより厚く形成さている。また、最大揺動方向X、Yとブーツの厚肉部19aの位置が一致するようにブーツには、図示しない位置決め用の穴が設けられている。 【0035】例えばステアリングを操舵角が最大になるよう右に操舵した場合、第1ハウジング11が最大揺動方向Xに揺動する。厚肉部19aは第1ハウジング11が最大揺動方向Xに揺動することにより外周側に押される。この時、ブーツ17の第1ハウジング11の最大揺動方向Xと反対方向に位置する部分は、弾性変形するため、元の位置に戻ろうとする力が発生している。この力により、ブーツ17の内端側17bから最近の山部18aには、第1ハウジング11の揺動している方向と反対方向に引張る力が働いているが、厚肉部19aは、肉厚が厚く形成されているため、引張る力に抗して折れ曲がることなく外周側に移動する。薄肉部19bは厚肉部19aに引張られるが、薄肉部19bは厚肉部19aに比べ肉厚が薄く弾性係数が小さいため、変形をすることにより薄肉部に発生した力を吸収する。即ち、ブーツの機能上骨格としたい部位を肉厚の厚い厚肉部19aとし、機能上可動もしくは変形させたい部位を厚肉部19aより肉厚の薄い薄肉部19bとしている。また、ステアリングを左に切った時は第1ハウジングの11が最大倒れ各方向Yに揺動するが、この場合も、ステアリングを右に切った時と同様に、厚肉部19aは折れ曲がることなく外周側への移動し、薄肉部19bの変形で第1ハウジング11の揺動方向と反対方向の引張り力を弾性変形により吸収する。 【0036】これにより、ブーツ内端部19のブーツ17の折れ曲がりを補強部材を追加することなく防止することができる。 【0037】また、本実施例では、ブーツ17の内端側17bから最近の山部18aの間のブーツ内端部19を肉厚の厚い厚肉部19aとしたが、ブーツ内端部19の内、径方向に所定幅で折れ曲り易い部分のみ、適宜、肉厚の厚い厚肉部19aを設けることもできる。 【0038】これにより、ブーツ内端部19のブーツ17の折れ曲がりを低減することができ、ブーツ17の耐久性を向上させることができる。 【0039】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を説明する。 【0040】本発明は第1の実施の形態におけるブーツ17において、ブーツ17の外端側17aから最近の山部の間のブーツ外端部に第1の実施の形態と同様の厚肉部と薄肉部を設けたものである。 【0041】ブーツ外端部は、肉厚の厚い厚肉部と厚肉部より肉厚の薄い薄肉部を有している。 【0042】厚肉部は、ステアリングの右あるいは左の操舵角が略最大になる場合、第2ハウジング12に接続されたナックルボデー14の開口方向に対して第1ハウジング11の揺動する方向X、Y、即ち、第1ハウジング11がナックルボデー14の開口方向に対して最も大きい揺動角度を持つ方向X、Y、(以下最大揺動方向と呼ぶ)の2個所に位置し、その最大揺動方向X、Yを中心に円周方向に所定の幅を持って形成されている。 【0043】薄肉部は厚肉部に隣接しており、厚肉部の端部から肉厚が徐変するように形成されている。 【0044】厚肉部及び薄肉部の肉厚は予め実験で求められた最適な値となるように形成されており、厚肉部は薄肉部より厚く形成さている。また、最大揺動方向X、Yとブーツ17の厚肉部の位置が一致するようにブーツ17には、図示しない位置決め用の穴が設けられている。 【0045】例えばステアリングを操舵角が最大になるよう右に操舵した場合、第1ハウジング11が最大揺動方向Xに揺動する。厚肉部は第1ハウジング11が最大揺動方向Xに揺動することにより外周側に押される。この時、ブーツ17の第1ハウジング11の最大揺動方向Xと反対方向に位置する部分は、弾性変形するため、元の位置に戻ろうとする力が発生している。この力により、ブーツ17の外端側17aから最近の山部には、第1ハウジング11の揺動している方向と反対方向に引張る力が働いている。厚肉部は、肉厚が厚く形成されているため、引張る力に抗して折れ曲がることなく外周側に移動する。薄肉部は厚肉部に引張られるが、薄肉部は厚肉部に比べ肉厚が薄く弾性係数が小さいため、変形をすることにより薄肉部に発生した力を吸収する。即ち、ブーツ17の機能上骨格としたい部位を肉厚の厚い厚肉部とし、機能上可動もしくは変形させたい部位を厚肉部より肉厚の薄い薄肉部としている。また、ステアリングを左に切った時は第1ハウジングの11が最大倒れ各方向Yに揺動するが、この場合も、ステアリングを右に切った時と同様に、厚肉部は折れ曲ることなく外周側への移動し、薄肉部の変形で第1ハウジング11の揺動方向とは反対方向の引張り力を吸収する。 【0046】これにより、ブーツ外端部のブーツ17の折れ曲がりを補強部材を追加することなく防止することができる。 【0047】(第3の実施の形態)第3の実施の形態を図面を用いて説明する。 【0048】図6には、本発明の一実施例に係るステアリングのタイロッドエンド部に設けられたボールジョイント30の断面図が示されている。 【0049】ボールジョイント30は、被連結部材32に固定されるボールスタッド34とボールスタッド34を保持するソケット36とボールスタッド34及びソケット36に塵が進入することを防止するブーツ38を備えている。 【0050】ボールスタッド34は金属製の剛性部材であり、球体のボール部34aと軸となるスタッド部34bとを備えている。スタッド部34bの端部にはネジが形成されており、そのスタッド部34bは、被連結部材32に形成された貫通孔32aに挿通されてナット33で締結されている。ボール部34aはソケット36の開口部36aから挿入されて外周を保持されている。このボールスタッド34のスタッド部34bは、被連結部材32及びステアリングギアボックス、ステアリングシャフトを介してステアリングに連結されており、ステアリングを操舵した場合、スタッド部34bはソケット36の開口方向に対して所定の方向に揺動する。また、ステアリングの右あるいは左の操舵角が略最大になる場合には、スタッド部34bのソケット36の開口方向に対する揺動角度が最も大きくなる方向(以下最大揺動方向と呼ぶ)に揺動する。 【0051】ブーツ38は中央が膨らんだ円筒状の弾性体である。弾性体は、樹脂、天然ゴム及び合成ゴム等の弾性変形可能なものであれば何れでもよく、用途に応じて適宜変更可能である。 【0052】ブーツ38の下端部はソケット36の開口部36aに大径取付部38aを持ち、上端部はスタッド部34bの外周に当接している小径取付部38bを持つ。 【0053】図7はブーツ38の小径取付部38b方向からの平面図であり、図8は図7のB−B'の部分で切断した断面図である。 【0054】ブーツ38の大径取付部38aと小径取付部38bとの間には、外周に突出する山部38cを形成している。この山部38cと小径取付部38bとの間のブーツ小径部39の肉厚は機能上骨格としたい部位を厚肉部39aとし、機能上可動もしくは変形させたい部位を薄肉部39bとして形成している。 【0055】厚肉部39aは、ステアリングの右あるいは左の操舵角が略最大になるようにステアリングを操舵した場合のスタッド部34bの揺動方向である最大揺動方向X、Yに位置し、円周方向に所定の幅を持っている。 【0056】薄肉部39bは厚肉部39aに円周方向で隣接しており、厚肉部39aの端部から肉厚が徐変するように形成されている。 【0057】厚肉部39a及び薄肉部39bの肉厚及び所定幅は予め実験で求められた最適な値となるように形成されてるのが好ましいが少なくとも、厚肉部39aは薄肉部39bより厚く形成さている。また、ブーツ38をソケット36の開口部に取付ける場合にブーツ38の厚肉部39aがスタッド部34bの最大揺動方向X、Yと一致するように、位置決め用の穴が設けられている。 【0058】例えばステアリングを右に操舵角が最大になるように操舵した場合、スタッド部34bは最大揺動方向Xに揺動する。厚肉部39aはスタッド部34bが最大揺動方向Xに揺動することにより外周側に押される。この時、ブーツ38のスタッド部34bの最大揺動方向Xと反対方向に位置する部分は、弾性変形するため、元の位置に戻ろうとする力が発生している。この力により、ブーツ38の小径取付部38aから山部38cの間には、スタッド部34bの揺動している方向と反対方向に引張る力が働いているが、厚肉部39aは、肉厚が厚く形成されているため、引張る力に抗して折れ曲がることなく外周側に移動する。薄肉部39bは厚肉部39aに引張られるが、薄肉部39bは厚肉部39aに比べ肉厚が薄く弾性係数が小さいため、変形をすることにより薄肉部39bに発生した力を吸収する。また、ステアリングを左に切った時はスタッド部34bが最大倒れ各方向Yに揺動するが、この場合も、ステアリングを右に切った時と同様に、厚肉部39aは折れ曲ることなく外周側への移動し、薄肉部39bの変形で揺動方向と反対方向の引張り力を吸収する。 【0059】これにより、ブーツ小径部39のブーツ38の内側方向への折れ曲がりを補強部材を追加することなく防止することができる。 【0060】また、本実施例では、ブーツ38の小径取付部38aから山部38cの間を肉厚の厚い厚肉部39aとしたが、ブーツ38の小径取付部38aから山部38cの間の内、径方向に所定幅で折れ曲り易い部分のみ、適宜、肉厚の厚い厚肉部39aを設けることもできる。 【0061】これにより、ブーツ38の小径取付部38aから山部38cの間のブーツ38の折れ曲がりを低減することができ、ブーツ17の耐久性を向上させることができる。 【0062】(第4の実施の形態)第4の実施の形態を説明する。 【0063】本実施の形態は第1の実施の形態におけるブーツ38において、ブーツの体系取付部から山部の間のブーツ大径部に第3の実施の形態と同様に厚肉部と薄肉部とを設けたものである。 【0064】ブーツ大径部は、肉厚の厚い厚肉部と厚肉部より肉厚の薄い薄肉部を有している。 【0065】厚肉部は、ステアリングの右あるいは左の操舵角が略最大になる場合、ソケット36の開口方向に対してスタッド部34bの揺動する方向X、Y、即ち、スタッド部34bがソケット36の開口方向に対して最も大きい揺動角度を持つ方向X、Y(以下最大揺動方向と呼ぶ)の2個所に位置し、その最大揺動方向X、Yを中心に円周方向に所定の幅をもって形成されている。 【0066】薄肉部は厚肉部に隣接しており、厚肉部の端部から肉厚が徐変するように形成されている。 【0067】厚肉部及び薄肉部の肉厚は予め実験で求められた最適な値となるように形成されており、厚肉部は薄肉部より厚く形成さている。また、最大揺動方向X、Yとブーツ38の厚肉部の位置が一致するようにブーツ38には、図示しない位置決め用の穴が設けられている。 【0068】例えばステアリングを右に操舵角が最大になるように操舵した場合、スタッド部34bは最大揺動方向Xに揺動する。厚肉部はスタッド部34bが最大揺動方向Xに揺動することにより外周側に押される。この時、ブーツ38のスタッド部34bの最大揺動方向Xと反対方向に位置する部分は、弾性変形するため、元に戻ろうとする力が発生している。この力により、ブーツ38の大径取付部38bから山部38cの間には、スタッド部34bの揺動している方向と反対方向に引張る力が働いているが、厚肉部は、肉厚が厚く形成されているため、折れ曲がることなく外周側に移動する。薄肉部は厚肉部に引張られるが、薄肉部は厚肉部に比べ肉厚が薄く弾性係数が小さいため、変形をすることにより薄肉部に発生した力を吸収する。また、ステアリングを左に切った時はスタッド部が最大倒れ各方向Yに揺動するが、この場合も、ステアリングを右に切った時と同様に、厚肉部は折れ曲ることなく外周側への移動し、薄肉部の変形で揺動方向と反対方向の引張り力を吸収する。 【0069】これにより、ブーツ大径部のブーツ38の折れ曲がりを補強部材を追加することなく防止することができる。 【0070】(第5の実施の形態)第5の実施の形態を図面を説明する。 【0071】図9には、上記第1の実施の形態に記載のフロントアクスルに設けられたボールジョイント30のブーツ17の内端側17bからの平面図である。 【0072】また、図10は、図9のA−A'の部分で切断した断面図である。 【0073】本実施の形態のブーツ17は、ブーツ17の取付部17bから最近の山部18aまでで、第1ハウジング11あるいはスタッド部34bの最大揺動方向X、Yに位置する円周方向の所定幅の厚肉部を設けるのではなく、最大揺動方向X、Yに位置する円周方向の所定幅の間に、ブーツの内面に突出する4本のリブ40を配設した。 【0074】リブ40は、第1のハウジング11側の取付部17bから最近の山部18aに向うように配設されており、円周方向に所定の間隔で配設されている。尚、本実施例では4本のリブ40を配設したが、本数及び大きさは実験で求められた適当値になっている。 【0075】このリブ40を設けることにより、ブーツ17の取付部17bから最近の山部18aまででのブーツ17の内側方向のへの折れ曲りを補強することができることに加え、肉厚を厚くすることによる材料増加を抑え、重量を減少させることが可能となる。 【0076】尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して、次のように実施することもできる。 (1)上記実施の形態において、ボールジョイントのボーススタッドを中実のものを用いて説明したが、円筒状の中空状の物でも可能である。 (2)上記実施の形態において、ステアリングのタイロットエンド部に設けられたボールジョイントとしたが、機能的にソケットの開口方向に対してボールスタッドの倒れ込む角度が一定でないものであれば何れの物でも良い。 (3)上記実施の形態において、厚肉部をステアリングの操舵角が最大となる場合に第1ハウジングあるいはスタッド部の倒れている二個所に設けたが、スタット部あるいはシャフトの最大揺動方向が一方もしくは複数ある場合はその数に応じて適宜に変更することが可能である。 (4)上記実施の形態において、厚肉部以外の部分を薄肉部としたが、厚肉部と薄肉部以外の肉厚を持つ部分を設けてもよい。 (5)上記実施の形態で、ブーツの取付部から最近の山部までで、第1ハウジングあるいはスタッド部の最大揺動方向に位置する所定幅を厚肉部としたが、外周方向の幅はブーツの取付部から最近の山部の間で適切な位置であれば適宜変更することが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年7月6日(1999.7.6) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−20970(P2001−20970A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−192034 |
|