| 【発明の名称】 |
水ポンプ軸受 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 剛
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| 【要約】 |
【課題】加工が容易で、かつエッジロードの影響を軽減でき長寿命で安価な水ポンプ軸受を提供することである。
【解決手段】負荷が大きいFt側にはころ10aが使用され、負荷が小さいRr側には玉10bが使用されている形式の水ポンプ軸受において、前記ころ10aの転動面となる外輪の転動面9にテーパ4加工を施してころ有効接触長さを長くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪との間に複数の転動面を有し、負荷が大きい側の列の転動体にはころが使用され、負荷が小さい側の転動体には玉が使用されている形式の水ポンプ軸受において、前記ころの転動面となる外輪または内輪のどちらか一方の転動面にテーパを付けたことを特徴とする水ポンプ軸受。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用水ポンプ軸受に関する。なお、本明細書では、外輪との間に直接転動体を組み込む回転軸、あるいは回転軸に例えばしまりばめで取付けられ、外輪との間に転動体を組み込む軌道輪の双方を総して内輪という。 【0002】 【従来の技術】従来の水ポンプ軸受はそのほとんどが複列であり、転動体形状で大別すると玉と玉の組み合わせ形式と、ころと玉の組み合わせ形式のものになる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に上記形式の使い分けは、次の通りである。図6や図7に示すように、水ポンプ軸受の軸先端部にファンカップリングが装着されることで荷重が大きくなるものや、ベルト荷重が大きいものなどには、ころ100と玉101の組み合わせ形式の軸受が使用されており、ファンカップリングの装着されないものや、ベルト荷重が比較的小さいものには、玉101と玉101の組み合わせ形式の軸受が使用されている(図示省略)。なお、図6・図7中、200は外輪、300は軸、400はころ列保持器、401は玉列保持器、500はFtシール、501はRrシールを示す。 【0004】上記のように負荷の大きいものに、ころ100と玉101の組み合わせ形式の軸受が用いられているが、この形式の水ポンプ軸受の場合、負荷位置が転動体(ころ)100の位置よりもFt側にオーバーハングしているものが多いため、Ft列に用いられているころ100にはエッジロードが発生しやすく、早期剥離(フレーキング)に至る場合がある。 【0005】エッジロードの影響をやわらげるために通常、ころ100にクラウニングが施してあるが、通常のクラウニング量では軸の傾きによるエッジロードを防ぎ切れないため、クラウニング量を大きくした仕様になっている。このため、ころ100の加工が難しく、かつ加工時間が長くなるため結果としてコスト高のころになっている。 【0006】また、図8に示すように、現行軸受は負荷が軽いときにころ100の有効接触長さ(L)が長くなり、負荷が大きくなるにつれて有効接触長さ(L)が短くなってくる(負荷容量が低下してくる)という矛盾を抱えている(オーバーハング荷重の場合)。図8中、(a)は軽荷重、(b)は中荷重、(c)は重荷重時の状態を示し、L11,L12,L13はころ接触長さ、h2は面圧を示す。 【0007】本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、加工が容易で、かつエッジロードの影響を軽減でき長寿命で安価な水ポンプ軸受を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪との間に複数の転動面を有し、負荷が大きい側の列の転動体にはころが使用され、負荷が小さい側の転動体には玉が使用されている形式の水ポンプ軸受において、前記ころの転動面となる外輪または内輪のどちらか一方の転動面にテーパを付けたことである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明する。 【0010】図面は、本発明水ポンプ軸受の一実施形態で、本実施形態では、内周面2に外輪軌道3を有する外輪1と、先端にファンカップリング(図示省略)が装着され外周面6に内輪軌道7を有する内輪(回転軸)5との間に複数の転動面9…を有し、各転動面9…には夫々転動自在に複数の転動体10…が組み込まれ、外輪1と内輪5との間の両端には各々密封シール11(Ft側),12(Rr側)を備えた水ポンプ軸受とする。 【0011】転動体10としては、内輪(回転軸)5の先端にファンカップリング(図示省略)が装着されてFt側の荷重が大きくなるため、その負荷が大きい側(Ft側)の列にはころ10a…が使用され、負荷が小さい側(Rr側)には玉10b…が使用されている。 【0012】また、上記ころ10aは、周知構造で良く特にその外観構造に限定されないがクラウニングが施されており、そのクラウニング量は、本発明の構成によれば通常施されている程度でエッジロードの影響を和らげることが可能である。 【0013】外輪1若しくは内輪5は、上述の通り大きな負荷を受けるころ列側の外輪軌道3または内輪(回転軸)軌道7のいずれかに、ころ10aのエッジロードを軽減する方向(例えばFt側へ広がる方向)のテーパ4(8)をつける。 【0014】テーパ4(8)の角度(θ)は、例えば10分乃至30分ぐらいが好ましく、負荷の大きさとの関係でその角度を決定するが、特に限定されるものではなく本発明の範囲内で適宜設定される。軌道3(7)におけるテーパ4(8)の占める長さ範囲も限定されず本発明の範囲内で適宜設定される。 【0015】外輪1および内輪5のその他の構造は特に限定されるものではなく一般的な構造でよく、また保持器13にあっても特に限定されるものではなく、夫々本発明の範囲内において任意にその構造を変更可能である。尚、内輪5は、本実施形態では回転軸をもって説明したが、回転軸に例えばしまりばめで取付けられ、外輪との間に転動体を組み込む軌道輪であってもよい。 【0016】また、ころ10a列と玉10b列の外側に備えられる密封シール11(Ft側),12(Rr側)は、夫々グリースを軸受内に保持するための周知シール構造が採用されるが、その構造、例えばシール全体構造、若しくはリップ形状やリップ数等特に限定されるものではなく、内部からのグリース漏れ(例えばオイルシール)や、外部からの水・水蒸気・埃などの浸入防止(例えばダストシール)などを図り得るものであれば任意に選択可能である。さらに、スリンガとの組み合せに係るタイプを用いるものとすることも本発明の範囲内である。 【0017】なお、本実施形態は本発明水ポンプ軸受の一実施形態を説明するために挙げたものにすぎず何等これに限定されるものではなく、ベルト荷重が大きいものなど負荷が大きい側の転動体にころを使用する形式の水ポンプ軸受であれば本発明の範囲内である。 【0018】「第一実施形態」図1乃至図3は本発明の第一実施形態を示す。本実施形態では、内輪(回転軸)5の先端にファンカップリング(図示省略)が装着され、Ft側に大きな負荷が加わるため、Ft側にころ10a…、Rr側に玉10b…が使用され、ころ10aの転動面9となる外輪内周面2の軌道3にテーパ4加工が施してある。 【0019】ころ10a列と玉10b列の外側には、夫々グリースを軸受内に保持するための密封シール11(Ft側),12(Rr側)が装着してある。また、上記Ft列のころ10aは、通常施されている程度のクラウニング量がつけてある。 【0020】図3(a)(b)(c)に、本実施形態の軸受を使用した場合における負荷の増加に伴うころ接触長さ(L)の変化と面圧(h)の変化を示す。図3(a)は軽荷重時、(b)は中荷重時、(c)は重荷重時を夫々示す。 【0021】従って、従来仕様の軸受を用いた場合(図8(a)(b)(c)に示す)と比較すると、従来仕様の軸受では、負荷が増加するに伴いころ接触長さは短くなり(L11>L12>L13)、面圧(h2)は高くなるのに対し、本実施形態によれば負荷が増加するに伴いころ接触長さが長くなる(L1<L2<L3)。また、面圧(h)は、従来仕様品の面圧h2>本実施形態の面圧h1となる。 【0022】「第二実施形態」図4及び図5は本発明の第二実施形態を示す。第一実施形態との相違点は、第一実施形態がころ10aの転動面9となる外輪内周面2の軌道3にテーパ4を施したのに対し、本実施形態では外輪1側の軌道3は従来通り略ストレートのままとし、内輪外周面6の軌道7に、ころ10aのエッジロードを軽減する方向(例えばFt側へ広がる方向)のテーパ8を施したものである。 【0023】上記せるようにころ10aの転動面9となる内輪外周面6の軌道7にテーパ8加工を施した点以外の本実施形態における作用効果および全体構造(例えばころ10aの構造・テーパ8の角度など)は、上述した第一実施形態と同一で、同一箇所に同一符号を付してその説明は省略する。 【0024】 【発明の効果】本発明は、負荷が大きい側に使用されるころ列(Ft)側の転動面にテーパ加工を施すことで、負荷の増加に伴ってころの有効接触長さを長くすることができることから、エッジロード軽減となり水ポンプ軸受の実寿命延長が図れる。 【0025】また上述の通り本発明特有の構成とすることで、ころのクラウニング量を特別大きくしなくてもエッジロードを防げるため、加工の容易化が図れ、結果的にころのコストダウンとなり、安価な水ポンプ軸受が提供できた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月17日(2000.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089381 【弁理士】 【氏名又は名称】岩木 謙二
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| 【公開番号】 |
特開2001−200852(P2001−200852A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7826(P2000−7826) |
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