| 【発明の名称】 |
オイル動圧軸受装置およびオイル動圧軸受装置へのオイル注油方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中杉 幹夫
【氏名】中島 伸夫
【氏名】浅見 政義
【氏名】西田 秀之
【氏名】前川 一郎
【氏名】滝沢 正一
【氏名】増田 博雅
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸と該軸を回転可能に嵌合するスリーブとを有し、軸またはスリーブの少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発生用の溝が設けられ、軸とスリーブの隙間部にオイルが充填されるオイル動圧軸受装置において、前記スリーブ内に充填されるオイルが、先に低粘度な揮発性オイルが注入され、次に不揮発性オイルが注入された2種類の構成からなることを特徴とするオイル動圧軸受装置。 【請求項2】 軸と該軸を回転可能に嵌合するスリーブとを有し、軸またはスリーブの少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発生用の溝が設けられ、軸とスリーブの隙間部にオイルが充填されるオイル動圧軸受装置へのオイル注油方法において、先に低粘度な揮発性オイルを注入し、次に不揮発性オイルを注入することを特徴とするオイル動圧軸受装置へのオイル注油方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、オイル動圧軸受装置に関し、例えばLBP、FAX等に使用される偏向ミラーの駆動モータの軸受として適用される。本発明は、また、オイル動圧軸受装置へのオイル注油方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のオイル動圧軸受装置としては、図3、図4に示すように軸が嵌合するスリーブの内径面に、軸方向に間隔をおいて2ヵ所の軸受面A、Bを設けている。2ヵ所の軸受面にはヘリングボーン状の動圧発生用の溝が設けられ、軸とスリーブとの隙間には潤滑用のオイル20が充填されている。充填されるオイルは、耐久性を向上させる目的から不揮発性のものであり、オイル注入量は図3に示すようにスリーブの下端部11から軸受面Aの端面12までの高さに相当する部分の体積と同じ量である。軸とスリーブのいずれか一方が回転すると動圧発生用の溝と軸との間に圧力が発生して流体動圧潤滑がなされる。また2ヵ所の軸受面の間と、スリーブ開口部の近くには軸受面の隙間よりも大きな隙間のリセス部C、D、Eがそれぞれ設けられている。なお、図1はオイル動圧軸受装置を適用したブラシレスモータを示している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のオイル動圧軸受装置においては、スリーブにオイルが注入される組み立て時、スリーブ隅部に空気が混入して軸受内に気泡として存在する場合がある。その状態で軸が高速回転をすると、軸とオイルの粘性抵抗による摩擦が発生することにより気泡が膨張し、軸受面あるいはリセス部に存在するオイルを押し出すように作用する。押し出されたオイルはスリーブ開口部近くのリセス部に溜まるが、リセス部の体積が充分な容積を持たない場合には、リセス部内のオイルが更に押し出されスリーブのとば口(開口部)に達する。とば口(開口部)に付着したオイルは、高速回転による遠心力の作用によりさらにスリーブの外部へと押し出されオイルの漏れ出し現象が発生する。漏れ出し現象が長時間に及ぶと軸受装置内のオイルが減少し、軸受装置としての精度の劣化、あるいは耐久性の低下等の問題があった。 【0004】したがって、本発明の目的は、スリーブ隅部に気泡が混入し、動作時にオイルが漏れ出すことを防止することができるオイル動圧軸受装置およびオイル動圧軸受装置へのオイル注油方法を提供することにある。 【0005】 【課題と解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明においてはスリーブにオイルを注入する際に、先に低粘度で流性の良い揮発性オイルを注入してスリーブ内の隅部をオイルで満たした状態にして、次に潤滑剤としての不揮発性オイルを注入することで、軸受内に空気が混入することなく組み立てられて、オイルの漏れ出し現象が発生することを防止することができる。 【0006】 【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1はオイル動圧軸受装置を適用したブラシレスモータの実施例である。図2は本発明のオイル動圧軸受装置の実施例である。図3は従来のオイル動圧軸受装置の実施例である。図4は従来のオイル動圧軸受装置の断面図である。図5、図6、図7は従来のオイル動圧軸受装置の説明図である。図8は本発明のオイル動圧軸受装置の説明図である。 【0007】図1に示すように、回転軸2は、永久磁石6が固定されたヨーク5と取付け部材4とで一体化されロータ部を構成する。スリーブ1は、ステータコア7が固定された回路基板8と一体化されステータ部を構成する。軸2はスリーブ1に対して回転可能に嵌合されている。多極に磁化された永久磁石6の回転位置により順次通電が切り替えられ、永久磁石6とステータコア7との間に回転力が発生する。駆動コイル9が巻回されたステータコア7は駆動回路を構成する回路部品とともに回路基板に固定されている。さらに回路基板8はスリーブ1と一体化されているロータ部とステータ部がそれぞれ形成された後、モータとしての組み立てが行われる。 【0008】モータの組み立ては、図5に示すように、最初にスリーブ1の内面にオイル注入装置(注油ノズルだけを示す)により規定の量のオイルが注油された後、スリーブ1の内径に回転可能に嵌合されるように回転軸2が挿入されてモータが完成する。 【0009】次に、図4により図1のブラシレスモータの実施例に適用されたオイル動圧軸受装置について説明する。図4に示すように貫通孔を有する円筒形状をしたスリーブ1の内面に軸方向に間隔をおいて2ヵ所の軸受面A、Bと、軸受面A、Bの内径寸法を有するオイル溜り部(リセス部)C、D、Eを設ける。前記軸受面A、Bの表面にはヘリングボーン状の深さ寸法が数ミクロンの溝がそれぞれ複数本加工されている。さらにスリーブ1の下端部開口部を塞ぐための円板10が固定され、前記円板10には軸2を受けるためのスラスト板3が配置されている。 【0010】図3はスリーブ1の内面にオイルを注入後、軸2が挿入された状態を示している。軸2とスリーブ1の内径との隙間を充填するようにオイル20が注入されている。注入量は軸の端面から軸受面Aの上端部までの高さに相当する隙間を充填するように規定されている。 【0011】次に、オイル動圧軸受装置の動作について説明する。モータが停止している状態では軸2とスリーブ1の内面部は接触しているが、軸2が回転を始めると軸受面A、Bの表面に設けられたヘリングボーン状の溝と軸との間に動圧力が発生することにより軸2をスリーブ1と接触することなしに支持する状態となる。しかしながら従来のオイル動圧軸受装置においては、長時間に渡る駆動を行うとオイル漏れ出しという問題点があった。 【0012】次に、このオイル漏れ出し問題について説明する。図3にはスリーブ1の内面にオイルを注入後、軸2が挿入された状態を示していると前述したが、実際の組み込み状態は、図5に示すようにオイルをスリーブ1に注入する際、スリーブ1の下端隅部に空気21が混入して、オイル中に気泡として存在している。この状態で軸2が高速回転を始めると、オイルの粘性抵抗による摩擦力でオイル及び気泡が発熱状態となる。発熱した気泡は膨張して体積がさらに大きくなりオイルを外部へ押し出すように作用する。押し出されたオイルはリセス部Cに保持されるが、リセス部Cの体積が十分な大きさでない場合には、図6に示すようにオイルはスリーブの開口部まで押し出されて軸と開口部に付着した状態となる。 【0013】この状態で軸が高速回転を続けると軸に付着したオイルは遠心力により図7に示すように開口部の端面からさらに押し出されてスリーブの側面まで達してオイル漏れ出しの状態となる。長時間に渡る駆動を行うと図7の状態が維持され、オイル漏れが進行して、ついにはオイル量が減少してオイル動圧軸受装置としての精度を維持することが不可能になると共に耐久性の低下という問題が生じる。 【0014】本発明ではオイル注入の際、空気が混入しないように、先ず低粘度で流動性の良い揮発性オイルでスリーブ下端隅部を満たしておき、その後本来の潤滑剤としての不揮発性オイルを注入することで、オイル中の気泡を無くし、オイル漏れ出しを防止するものである。 【0015】図2、図8により本発明のオイル動圧軸受装置について説明する。本発明においてはモータ組み立て時のオイル注入の際に、先ず低粘度で流動性の良い揮発性オイル22が注入される(特に、図8の注油(1)参照)。このオイル22は、その流動性の良さから空気が混入し易いとされるスリーブ下端隅部と充填するように流れ込む。その後、本来の不揮発性潤滑オイル20が注入されるので(特に、図8の注油(2)参照)、従来、オイル漏れの原因とされていた空気の混入が防止される。 【0016】先に注入される揮発性オイル22の注油量は、スリーブ下端隅部を満たす程度で良く、その後に不揮発性オイル20が、図3で説明した注油規定量だけ注入されるため、図2に示すように初期の全体の注油量としては、従来の注入量よりも多くなるが、軸が回転した時にオイルの熱膨張等でスリーブのとば口(開口部)にオイルが付着しないように、オイル上面と、とば口(開口部)の距離は充分保たれており、また揮発性オイルを採用しているため耐久時間初期の段階で、この揮発性オイルは全て揮発してしまい(図2に右図参照)、その後不揮発性潤滑オイルのみが残り、尚且つオイル中には気泡が存在しない状態となる。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、初期にスリーブ下端隅部へ低粘度な揮発性オイルを流し込むことで、オイル中に気泡が存在しない軸受装置を達成することができ、これにより長時間の高速回転を続ける場合においてもオイル漏れ出しという問題はなく、軸受として精度や耐久性の劣化もなく、信頼性の高いオイル動圧軸受装置を提供するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000104630 【氏名又は名称】キヤノン精機株式会社 【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月6日(1999.10.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087583 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 増顕 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−107966(P2001−107966A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−285248 |
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