| 【発明の名称】 |
内燃機関の回転軸構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】成田 識
【氏名】大久保 健司
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軸上を2つ以上のベアリングで支持され、かつ軸上に設けられた入力用歯車からの入力を受けて回転する内燃機関の回転軸において、前記入力用歯車を前記回転軸支持用ベアリングのうち軸上で最も外側に配置されたベアリングのさらに外側に設けられたことを特徴とする内燃機関の軸構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の回転軸構造に係り、伝動機構の出力軸等における軸受け部と入力用歯車取付部との配置構造に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平8−25979号には、クランク軸を車体の前後方向へ向けて配設したエンジン(以下、縦置きという)を搭載して前後輪各2輪をシャフト駆動する4輪バギー車が示されている。この動力伝達構造はパワーユニットケースの下部に前後に貫通する出力軸を設け、その前端をパワーユニット外前方で前輪側プロペラ軸へ連結して前輪を駆動し、後端をパワーユニット外後方で後輪側プロペラ軸へ連結して後輪を駆動するようになっている。 【0003】図9はこのような出力軸の一例を示す図であり、出力軸aは、ベアリングb,cの2点で軸受部を支持され、ベアリングcの軸受部は大径部dをなし、その周囲に形成されたスプライン溝により、ベアリングcの内側(最外側ベアリングであるb、c間の空間側をいう)にファイナル駆動歯車eが一対回転するように取付けられ、このベアリングcが変速機を構成する変速歯車列fのファイナル被動歯車gと噛み合っている。このファイナル駆動歯車eとファイナル被動歯車gは、所定の減速比が得られるように互いの歯数を設定されている。またファイナル被動歯車gも変速軸を支持する一対の最外側ベアリングh,iのうち、一方のiの内側に配置されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記図9のように、ファイナル駆動歯車eをベアリングcの内側へ配置すると、ファイナル駆動歯車eを取付ける部分の軸径はスプライン溝を形成する必要上ベアリングc部分のジャーナル径より小さくできない。一方、ファイナル駆動歯車e、ファイナル被動歯車gは、内径側にスプライン結合する必要肉厚を確保した上で、外径側に歯車の歯を設定しなければならないため、最低歯数には自ずから制約がある。 【0005】特に小さい方のファイナル被動歯車gはそれほど最低歯数を少なくできないので、所定の減速比を得るためには、相手側であるファイナル駆動歯車eの歯数を多くしなければならない。その結果、ファイナル駆動歯車eは大径化し、出力軸aと変速機側の軸との軸間距離を大きくしなければならなくなり、パワーユニットをコンパクト化したいというこの種車両の内燃機関に潜在する基本的な要請を達成しにくくなる。そこで本願発明は、所定の減速比を得つつも、歯車を小型化して軸間距離を短縮することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本願発明に係る内燃機関の回転軸構造は、軸上を2つ以上のベアリングで支持され、かつ軸上に設けられた入力用歯車からの入力を受けて回転する内燃機関の回転軸において、前記入力用歯車を前記回転軸支持用ベアリングのうち軸上で最も外側に配置されたベアリングのさらに外側に配置したことを特徴とする【0007】 【発明の効果】入力用歯車の出力軸上における配置を軸上で最も外側となるベアリングのさらに外側としたので、この歯車取付部の軸径を前記最外側のベアリングのジャーナル径よりも小さくできる。このため、歯車を小型化して最低歯数をより小さくしても所定の減速比を維持でき、その結果、隣り合う他の軸との軸間距離を短縮してパワーユニットをコンパクト化できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面にに基づいて、不整地走行車両である4輪バギー車に適用された一実施例を説明する。図1は出力軸近傍付近の支持構造を示す断面図、図2は車体要部の側面図、図3はパワーユニットの伝動機構部分を示す縦断面図、図4は出力軸全体の構造を示す断面図である。 【0009】まず図2において、この4輪バギー車は車体フレーム1の前後へそれぞれ左右一対づつの前輪2及び後輪3を備え、車体フレーム1の中央部にエンジンと変速機を備えたパワーユニット4が支持されている。このパワーユニット4はクランク軸5を車体の前後方向へ向けて配置する縦置き形式である。 【0010】車体フレーム1は上下に略平行するアッパーパイプ6とロアーパイプ7の間をフロントパイプ8及びリヤパイプ9並びに補強パイプ10で連結し、さらに数種の補助パイプ11,12,13等で補強したものである。また、図中の符号14はハンドル軸、15はハンドル、16は燃料タンク、17は鞍乗り型シート、18はオイルクーラーである。 【0011】この4輪バギー車は4輪駆動式であり、パワーユニット4の下部にクランク軸5と平行に設けられている出力軸20の前端は、前輪プロペラ軸21の後端へ接続し、前輪歯車ケース22を介して前輪車軸23を駆動する。 【0012】一方、出力軸20の後端は、後輪プロペラ軸24の前端へ接続し、後輪歯車ケース25を介して後輪車軸26を駆動する。後輪プロペラ軸24はリヤスイングアーム27内に収容されており、リヤスイングアーム27は後端を後輪歯車ケース25へ連結し、前端をリヤパイプ9に設けられたピボットプレート28へピボット軸29により揺動自在に支持されている。 【0013】図3はパワーユニット4の伝動機構部分につき、その構成各軸を結んで平行に切断した縦断面を概略表示するものであり、パワーユニット4を構成するクランクケース30の前側は前ケースカバー31で覆われ、後部側は後ケースカバー32で覆われ、これらでパワーユニットケースを構成している。 【0014】また、クランクケース30の上部にはシリンダブロック33、シリンダヘッド34及びシリンダヘッドカバー35が取付けられ、シリンダヘッド34の吸気口へは気化器36が接続され、さらにこの気化器36にはエアクリーナー37が接続されている。シリンダヘッド34の排気口には排気管38が接続されている。 【0015】クランクケース30は前後へ2分割された前ケース30aと後ケース30bからなり、これら前ケース30aと後ケース30bの間にクランク軸5が支持されている。図中の符号40はクランク軸5の一端に設けられた公知の遠心クラッチ機構からなる発進クラッチ、41は他端側に設けられたACG、42はコンロッド、43はピストンである。 【0016】変速機44は公知の常時噛み合い式変速機であり、クランク軸5と平行に配設されるメイン軸45とカウンタ軸46を備え、メイン軸45の一端に変速クラッチ47を設けてクランク軸5からの駆動力伝達をメイン軸45へ断続させるとともに、メイン軸45とカウンタ軸46の間に常時噛み合う多数の変速歯車列48を設け、その変速出力をカウンタ軸46の一端に設けられたファイナル駆動歯車49から出力軸20上のファイナル被動歯車50へ出力するようになっている。 【0017】出力軸20は、変速機44の変速出力を前輪2及び後輪3へ伝達するための軸部材であり、後輪側軸部に相当する本体部51と、前輪側軸部に相当する前輪接続部52とに前後へ2分割されている。本体部51は本願発明における回転軸に相当するものであり、図4に示すように、前後2ヶ所の軸受部を有し、それぞれでボールベアリング53及びニードルベアリング54によりクランクケース30側へ回転自在に支持されている。 【0018】本体部51の軸方向両端部のうち前側は、前方側がボールベアリング53の軸受穴を貫通して前方へ突出する前端部55をなし、その外周には雄スプラインが形成されている。後側は、後方のニードルベアリング54の軸受穴から後方へ突出して外周に雄スプライン56が形成された歯車取付部57をなし、ここでファイナル被動歯車50が一体回転するようにスプライン結合で取付けられている。 【0019】本体部51の後端部は、後ケースカバー32に設けられた筒状に後方へ突出する出口58を貫通し、さらにこの出口58から後方へ突出しており、その突出する後端59の外周には雄スプラインが形成され、これと結合する雌スプラインが内周に形成された後輪プロペラ軸24側のジョイントと一体回転可能に連結している。 【0020】一方、前輪接続部52はその後端61が大径部をなし、ボールベアリング53より前方に形成された筒状のハウジング空間60内において、本体部51の前端55とスプライン結合することにより本体部51と連結している。 【0021】前輪接続部52の前方部分は、リヤカバー31の前面に前方へ突出形成された出口62を貫通して前方へ突出するとともに、この部分で、ニードルベアリング63により軸受けされ、出口62を貫通して前方へ突出する前端64は、その外周に雄スプラインが形成されており、前輪プロペラ軸21のジョイントとスプライン結合で一体回転可能に連結する。 【0022】ファイナル被動歯車50の取付構造を図1に拡大して示すように、歯車取付部57はニードルベアリング54の軸受け部65と面一であり、雄スプライン56の谷底部分におけの軸径R1は軸受け部65のジャーナル径R2よりも小さくなっている。このファイナル被動歯車50が取付けられる歯車取付部57は、ニードルベアリング54の外側に位置している。ニードルベアリング54は、出力軸20の本体部51を支持する一対のベアリングの一方であり、ニードルベアリング54及びボールベアリング53(図4)はそれぞれ本体部51の軸上で最も外側に位置する。 【0023】一方、ファイナル駆動歯車49が設けられたカウンタ軸46は、出力軸20と平行しており、かつニードルベアリング54と同様位置でボールベアリング66に支持されている。このボールベアリング66はボールベアリング67(図3)と一対でカウンタ軸46の両端部を支持するものであり、この場合もボールベアリング66及び67の双方がカウンタ軸46の軸上最外側に位置するベアリングとなる。ファイナル駆動歯車49は、そのうちの一方のボールベアリング66のさらに外側となる軸端部68において、その上に形成された雄スプライン69によりファイナル被動歯車50と同様に取付けられている。 【0024】軸端部68における雄スプライン69の谷底部の軸径もボールベアリング66の軸受部70におけるジャーナル径よりも小さくなっている。また、ファイナル駆動歯車49はファイナル被動歯車50よりも歯数が少なく、ファイナル被動歯車50よりも小さいギヤであるが、それぞれは所定の減速比が得られるよう歯数を設定されている。 【0025】なお、ファイナル被動歯車50のスラスト方向における位置決めは後ケース30b及び後ケースカバー32の各受け部により行われる。すなわち、後ケース30bの後面側一部を示す図5及びその6−6線断面に相当する図6に示すように、ニードルベアリング54に対する後ケース30bのジャーナル壁71のうち、ファイナル被動歯車50と対面する端面72には、ファイナル被動歯車50の対向側面と接触する位置に、ジャーナル壁71の開口部が形成する円と同心円弧状をなし、ファイナル被動歯車50側へ突出して当接する受け部73が形成されている。 【0026】また、出口58部分を車体前方から示す図7及びその8−8線断面である図8に示すように、ファイナル被動歯車50の反対側側面にも、後ケースカバー32のファイナル被動歯車50と対向する壁面で、出口58の貫通穴74の一端が開口する部分のリング状縁部75の外周に沿って、ほぼ対称位置にリング状縁部75と同心円弧状をなす大小の受け部76,77が一体に突出形成され、ファイナル被動歯車50の対向側面へ当接するようになっている。 【0027】なお、ファイナル駆動歯車49はボールベアリング66側をカウンタ軸46の段部78へ押し当てることにより位置決めし、反対側は後ケースカバー32に形成されたカウンタ軸46の支持部79の側面を受け部としている。 【0028】次に、本実施例の作用を説明する。上述のように、ファイナル被動歯車50をニードルベアリング54の外側に設けたので、歯車取付部57における雄スプライン56の谷底部分の軸径R1を軸受け部65のジャーナル径R2よりも小さくでき、それだけファイナル被動歯車50を小径にして小型化可能となる。同様にファイナル駆動歯車49も小型化可能になる。 【0029】特に、ファイナル駆動歯車49はボールベアリング66側をカウンタ軸46の段部76へ押し当てることにより位置決めし、反対側は後ケースカバー32に形成されたカウンタ軸46の支持部へ当接するようになっている。 【0030】また、後ケース30bのジャーナル壁71に出力軸20の本体部51における後端59側を前方から挿入して後方へ突出させ、歯車取付部57にファイナル被動歯車50へスプライン結合で取付け、さらに後端59が出口58の貫通穴74を貫通するようにして後ケースカバー32を後ケース30bの後面へ取付ける。 【0031】これにより、ファイナル被動歯車50はスラスト方向を後ケース30bにおけるジャーナル壁71の受け部73及び後ケースカバー32におけるリング状縁部75の受け部76,77により位置決めされて本体部51上へ固定される。したがって、後ケース30b及び後ケースカバー32を利用して簡単かつ確実にスラスト方向の位置決めが可能となる。ファイナル駆動歯車49側も同様に後ケースカバー32を利用してすらすと方向の規制が可能である。 【0032】なお、本願発明は上記実施例に限定されず、種々に応用や変形が可能であり、例えば、歯車取付け部57の外周部は軸受部65と面一であったが、これをファイナル駆動歯車49の軸端部68のようにより小径にすることも可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月5日(1999.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089509 【弁理士】 【氏名又は名称】小松 清光
|
| 【公開番号】 |
特開2001−74026(P2001−74026A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−291414 |
|