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【発明の名称】 連結ボルト
【発明者】 【氏名】ヤン ババーク

【要約】 【課題】永久変形度合に関する信頼できる表示を可能にするようにボルトにマークする直接且つ明確なシステムに関する方法を提供する。

【解決手段】降伏点を超えて繰り返し締め付けるための連結ボルトであって、この連結ボルトはヘッドとシャンクとを具備し、該シャンクにはネジが設けられ、連結ボルトのヘッドには少なくとも一つの表示マークが設けられ、この表示マークは少なくとも一つの表示サインに対して相互に関係した所定の角度位置に固定され、この表示サインは前記連結ボルトの回転軸線(q−q)に関してシャンクの自由端に設けられる。マークシステムは、ボルトの損傷を正確に決定し、そして、破壊してしまう危険性または締結部における品質低下の危険性なくこのボルトを更に使用できる能力について決定することができるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 降伏点を超えて繰り返し締め付けるための連結ボルトであって、ヘッドとシャンクとを具備し、該シャンクにネジ山を設けた連結ボルトにおいて、当該連結ボルト(1)のヘッド(2)に少なくとも一つの表示マーク(9)を設け、該表示マーク(9)が少なくとも一つの表示サイン(10)に対して相互に関係した所定の角度位置に固定され、該表示サイン(10)を連結ボルト(1)の回転軸線(q−q)に関して前記シャンク(5)の自由端に設けたことを特徴とする連結ボルト。
【請求項2】 前記表示マーク(9)および前記表示サイン(10)は一体的なまたは分断された三次元的な少なくとも一つの溝または突出部として形成され、該溝または突出部は対称軸線(a−aまたはc−c)の方向に連結ボルト(1)の材料で形成され、該対称軸線(a−aまたはc−c)はネジ(6)の外部において連結ボルト(1)の回転軸線(q−q)に対して垂直な平面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の連結ボルト。
【請求項3】 案内先端(12)を備え、前記シャンク(5)の自由端の表示サイン(10)が連結ボルト(1)の回転軸線(q−q)に対して径方向に形成された該案内先端(12)に形成された平坦部分(13)または凹形溝として形成されることを特徴とする請求項1に記載の連結ボルト。
【請求項4】 短い筒状または錐状の案内先端(14)を備え、前記表示サイン(10)が前記シャンク(5)の自由端の表面上に配置され、且つ全長に亘るまたは分断された溝または突出部として形成されることを特徴とする請求項1に記載の連結ボルト。
【請求項5】 視覚化および計測を可能にすることで、前記連結ボルト(1)のシャンク(5)の永久ねじれの角度(ΔθH )を決定する前記表示マーク(9)および前記表示サイン(10)は、ボルト(1)の製造時から形成され、さらに前記表示マーク(9)および前記表示サイン(10)は前記連結ボルト(1)の別の部分として少なくとも一体的な効果的な層により表面が保護されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかひとつに記載の連結ボルト。
【請求項6】 前記少なくとも一つの表示マーク(9)が、前記回転軸線(q−q)に関して連結ボルト(1)のヘッド(2)の把持手段(7)の少なくとも一つの側面(8)に対して固定されて所定の角度位置にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかひとつに記載の連結ボルト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は降伏点を超えて繰返し締め付けられる連結ボルトであって、当該連結ボルトを再使用することができるか否かの判定基準となる永久変形損傷度合を把握することができるようにする手段を備えた連結ボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、損傷の危険性を最小限にすべく連結ボルトを降伏点の閾値まで注意深く締め付けるようにしており、このことは傾斜法を用いた電子機器を使用した高価な方法で行われる。その後、連結ボルトがまだ使用可能であっても通常、こうした電子機器は初期の組立中において製造メーカーの施設内でしか利用することができないので最初の締付け時のみにしか完全な確実性を得ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、連結ボルトをその降伏点まで締め付けるためのより有用な方法がある。この方法は回転角度による制御、すなわち締付けスピンドルの衝撃回数による制御を利用するが、結果がばらつき、殆どの連結ボルトがその降伏点を超えて過度に締め付けられ、永久変形によりボルト材料が部分的に損傷してしまうという任意の危険性もある。
【0004】上述した両連結ボルト締付方法によれば、連結ボルトの締付け中に100%に達するまでその強度を使用し、小さいばらつき範囲内で最大限可能な予引張力に達することができるという利点が保証され、したがってこれら方法が現在の技術において最先端の方法であるにもかかわらず、これら方法には本質的なコスト面での欠点がある。このコスト面での欠点は降伏点を超えて締め付けることに関連して連結ボルトの部分損傷に関する情報を蓄積する過程において元来生ずべき不確実性があるので、質的な要求を満たすためには取外し後毎にこれら連結ボルトを交換しなければならないことにある。こうした理由で連結ボルトを一度しか使用できないという矛盾がある。このためこのことが実質的にオーバーホール、修理、解体された製品の組立およびサービスメンテナンスのコストを上昇させる。連結ボルトを交換することなく繰り返し組み立てることを選択することができないので、上述した現在先端の締付方法を頻繁に使用することが妨げられている。
【0005】従来の技術として連結ボルトの損傷を評価する方法がある。この評価方法では、連結ボルトの永久延伸が連結ボルトの塑性変形に対する基準として使用される。しかしながら、この評価方法には、この表示器が連結ボルトの延伸を十分に明示せず、さらに各連結ボルトの初期の長さに関する記録を保存する必要があり、よってこの方法を産業的に実施することができないという問題がある。したがって、この方法は目で見て判るほどに臨界断面が収縮するまで明らかに延伸した連結ボルトを一般的に視覚により選び出す場合にのみ有効である。ボルトシャンクのネジ部分の長さの延伸のみを評価するという現在使用されている他の方法にも同様な欠点、或いはそれ以上の欠点がある。
【0006】上述した不確実性を考慮すると、現在の日々の製造過程において最高品質を最優先事項としている場合には取り外された連結ボルトは非常に有用であっても降伏点を超えた疑いがあれば常に廃棄されてしまう。しかしながらこうした連結ボルトの殆どが未だ十分に使用可能である。このため技術的観点からは理論上、財務的にかなりの損失を必要としないにも係わらず、こうした財務上の損失が生じてしまう。こうした問題に鑑み、本発明の目的は永久変形度合を信頼高く表示することができるように連結ボルトにマークを設ける適切で明確なシステムに関する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来技術の上述した欠点は降伏点を超えて繰り返し締め付けられる本発明の連結ボルトにより解決される。この連結ボルトはヘッドとネジ部が設けられたシャンクとを具備する。ヘッドには少なくとも一つの表示マークが設けられ、この表示マークは少なくとも一つの表示サインと相互に関係する所定の角度位置に固定され、表示サインは連結ボルトの回転軸線に対してシャンクの自由端に設けられる。表示マークおよび表示サインは一体的なまたは分断された三次元的な少なくとも一つの溝または突出部として形成され、この溝または突出部は連結ボルトの材料で形成される。表示マークまたは表示サインの中心から延びる連結ボルトの回転軸線q−qに対する垂直線は各表示システムの基準線a−aまたはc−cを形成する。これら基準線は連結ボルトの回転軸線q−qと共に、ヘッドの基準面αとボルトシャンクの自由端の基準面χとの間の実際の相対角度位置を定義する。表示マークおよび表示サインが特定の対称形状であって、これらの中心がまさに連結ボルトの回転軸線q−q上にある場合、好ましくは、連結ボルトの回転軸線q−qに垂直な平面に配置された表示マークまたは表示サインのシステムの別の対称軸線の一つは基準線として選択される。連結ボルトが案内先端を備えた実施例の場合、シャンクの自由端の表示サインは、連結ボルトの回転軸線q−qに関して径方向に案内先端上に形成された少なくとも一つの平坦面または凹面として形成される。短い筒状案内先端または錐状案内先端を備えた実施例の場合、表示サインはシャンクの自由端の端面に配置され、全長に亘るまたは分断された溝または突出部が形成される。連結ボルトの製造時にすでに設けられている表示マークおよび表示サインは、相対角度位置が変わることによって連結ボルトのシャンクの永久ねじれ角度ΔθH を決定し、ここで相対角度とは降伏点を超えて連結ボルトを締めた後の基準面αと基準面χとの間の角度θH を意味する。表示マークと表示サインとは永久ねじれ角度ΔθH を視認できるようにし且つ計測できるようにする。またこれら表示マークおよび表示サインの表面は連結ボルトの他の部分のように等しく有効な保護層により保護される。
【0008】また支持マークおよび支持サインはヘッドの領域の支持マークシステムと、ボルトシャンクの自由端の支持サインシステムとの実際の位置を読み込むための装置用の接触点として直接使用されるか、またはヘッドの把持面または案内端部の平坦面と組み合わせて、所望の範囲内において平面αと平面χとの間に確定される角度θH を正確に読み込むことができるようにするための光学的な方位マークとして使用される。0°〜360°に亘る理論上可能な全角度θH を使用することが必要であれば、例えば、支持マークおよび支持サインの形状を意図的に非対称形状にすることでこの要求を満たすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照して本発明をさらに説明する。
【0010】本発明の特定の好適な実施例の連結ボルト1はその降伏点を超えて繰り返し締結するのに使用でき、把持手段7と接触面4を備える一体的なカラー3とを備えるヘッド2と、ネジ部分6を備えるシャンク5とを具備する。
【0011】ヘッド2の接触面4の上方であって把持手段7の負荷がかからない部分、すなわち負荷がかからない六角柱形の外側部分であるヘッド2の側壁面8、或いは頂壁面と、一体的なカラー3とに三次元的な少なくとも一つの凸形表示マークまたは凹形表示マーク9が形成される。また好ましくはネジ部分6の外部に位置するように連結ボルト1の鈍い案内先端部11の位置においてシャンク5の端面には少なくとも一つの三次元的な表示サイン10が形成される。本実施例の表示サイン10はヘッド2または一体的なカラー3の表示マーク9と同様にシャンク5の端部に位置するように一体的なまたは分断された対称的な溝または突出部として形成される。好ましくは、連結ボルト1の回転軸線q−qに対して垂直であって両表示マーク9の中心から延びる垂線が表示マークシステム9の基準線a−aを表す一本の線と点Xで一致するように、対の表示マーク9が配置される。また、一体的な表示サイン10の中心は連結ボルト1の回転軸線q−q上に直接配置され、点Yと一致する。表示サインの一般的な形態では、点Yは各垂線の基部としてのみ得られる。本実施例では、連結ボルトの回転軸線q−qに垂直な平面に配置された表示サインシステム10の対称軸線を好ましくは表示サインシステム10の基準線、例えば線c−cとして選択している。なお表示サインまたは表示マークの中心という用語は主要ボルト本体上に材料を加えた凸部、または主要ボルト本体から材料を取り除いた凹部の対称の中心を意味する。最大角度である360°の範囲全体に亘ってシャンク5の永久ねじれ角度ΔθH を適切に読み取ることができるように表示システムを非対称的に配置してもよい。
【0012】連結ボルト1がそのシャンク5の自由端に案内先端部分12を備えている場合、すなわち表示サインとして角度付けされた平坦部分13が使用される場合、平坦部分13はネジ部分6の外部に形成される。連結ボルト1の表示マーク9と表示サイン10とは、ヘッド2の接触面4とシャンク5の自由端の平面との間における連結ボルトの回転軸線q−q周りの相対角度位置を確定する基準面αと基準面χとの間の実際の角度θH を表示するのに使用される。連結ボルト1の回転軸線q−qにおいて真直ぐに交わる基準面αと基準面χとの間の角度θH は点Xにて同一点に集合する線a−aと線c' −c' との間の角度として、または点Yにて同一点に集合する線a' −a' と線c−cとの間の角度として公知の方法により幾何学的に確定される。なお補助線a' −a' およびc' −c' はそれぞれその反対側の表示システムの基準線と平行な線である。
【0013】各角度θH は添付の書類、例えば取扱説明書に二度明示されなければならない。θH に関して、まず技術的に実行可能であれば最適には零度である初期角度θH0が明示され、次に各締結部(joint )において許容される最大角度θH MAX が明示される。この最大角度θH MAX を越えることは、連結ボルトを新しいものと交換する合図である。上述した構成の連結ボルトは各取扱説明書に従って締結される。連結ボルトの取外し後にその連結ボルトを再使用することができるか否かが検査される。なお再使用の基準は実際に測定された表示システムの角度θH の大きさであって、永久ねじれ変形角度ΔθH =θH −θH0である。仮に連結ボルトのシャンクの永久ねじれ変形角度が取扱説明書に明示された最大許容角度に達していなければ、規則に従って締め付けの最初の状態で連結ボルトを再使用することができる。
【0014】本発明の原理は実際の連結ボルトの応力モードの知識に基づく。連結ボルト1を方向φに締め付ける間、ヘッド2の接触面4の下方の臨界部分と、これと同時にシャンク5のネジ部分よりも上方の臨界部分とは、ネジのくさび効果(wedgeeffect)によって働く軸線方向の予引張力Fにより起こる応力と、締付けモーメントMA からヘッド下の摩擦モーメントMKAを差し引いたモーメントにより生じるねじり応力とに晒される。このため連結ボルトを締め付けるとシャンクの各変形、すなわちシャンクの延伸とねじれとを引き起こす応力とねじり応力とを組み合わせたシャンクの応力が徐々に増加する。こうした変形は降伏点までは弾性的であって元に戻ることができ、したがって連結ボルトの解放後においては連結ボルトは変形していない。しかしながら降伏点を超えると変形の増大は塑性的であって永久的である。連結ボルトの締付け中に材料の降伏点を超えたことは、シャンクの永久延伸および永久ねじれから証明される。このような変化は取り外した連結ボルト上で計測可能であり、質的におよび量的に連結ボルトを降伏点を超えて締め付けたことの客観的な基準として使用可能である。
【0015】本発明のシステムの利点を以下に挙げる。降伏点を超えて連結ボルトを締め付けて連結ボルトに応力を加えられる連結ボルト使用期間全体に亘って連結ボルトを製造してからの連結ボルトの締付履歴に関して客観的で信頼性の高い情報を得ることができる。本発明によれば連結ボルトの永久ねじれ度合を容易に検出することができる本発明の損傷表示器により損傷度合を把握することができる。また実際の連結ボルトの塑性損傷度合が表示され、これを各連結ボルトを再使用可能か否かを決定するために使用することができる。
【0016】また本発明によれば連結ボルトを繰り返し組み立てることができる回数は決まっていない。この回数は残余の潜在強度が完全になくなるまでは特定の締結に対する個々の状態に応じて異なる。このため降伏点を超えて締め付けられた連結ボルトを再使用可能であり、このことはこの分野において品質に害を及ぼすこともなく、または望ましくない妥協をすることもない。連結ボルトの永久損傷度合をチェックすることができるので締結部の質が改善されるであろう。当該表示システムは人的なミスの危険性がなく且つ作業スタッフに作業時間を要求することなく自動的に働き、しかも損傷度合に関する情報が全耐用年数に至るまで自然に蓄積されるので当該表示システムは非常に信頼性が高い。
【0017】また当該マークシステムは連結ボルトを数百パーセントにも使用することができるようにし、このことは実質的なコストの削減につながる。こうしたコストの削減は降伏点を超えて締め付ける毎に限界まで繰り返し使用することができ、連結ボルトの生産ロット毎に個々の締付特性、寸法公差および材料特性にばらつきがあるあらゆる種類の個別の予備品を流通させることができることに起因する。また当該マークシステムは永久的であり、連結ボルトの使用中の間ずっと消し取られることもなく、適切な別個の表面処理を化学的にも機械的にも損傷させることはない。
【0018】連結ボルトの重量が重くなったり価格が高くなったりすることは考えられない。本発明によれば形成装置における製造ユニットの通常の作動中にマークを連結ボルトに設けることができるので、製造工具の定期的に必要な交換にかかるコストや検査にかかるコストだけしか発生せず、そしてこれらコストは大量生産することで最小になる。また例えば本質的に重要な締め付けられた連結ボルトの製造マークと混同することはあり得ない。指定の締付手順において工具や機器を使用した共通かつ必要な作業や製造品質には何ら影響を与えない。
【0019】損傷表示器は環境にやさしい。なぜならば損傷表示器が破壊の危険性なしに連結ボルトを再使用可能とし、これによりこれら連結ボルトは降伏点を超えていたという疑いや永久変形により損傷を受けたという疑いがあることによってのみこれら各連結ボルトが廃棄されるからである。また、本発明の表示システムはこれら表示システムが如何なるエネルギ、塗料または溶剤も必要としないので環境に負担をかけることがない。経済的な製品の設計において新しい可能性が提供される。連結ボルトの表示マークは、予備製造段階や品質管理段階、或いはそれに続く緊急事態や事故時において、これらが誘発関係を迅速に発見するのに貢献する場合には実質的に各連結ボルトの締結状態を容易に検査することができる。
【0020】本発明は連結ボルトが意図的に組立体の隘路(ボトルネック)とされている従来の連結ボルトの締結部全てにおいて使用できる。したがって使用材料の組み合わせに関して言えば例えば木材、金属製シート、熱塑性材料を締結するために使用されるネジである場合、または連結ボルトとナットとの間に不均衡がある場合には使用できない。連結ボルトはその降伏点を超えて締め付けられるようにするのに、ネジを外す長さに関して十分な長さを有することが想定される。
【出願人】 【識別番号】500303386
【氏名又は名称】シュコダ アウト アー.エス.
【出願日】 平成12年6月22日(2000.6.22)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開2001−74017(P2001−74017A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願2000−192704(P2000−192704)