| 【発明の名称】 |
あと施工アンカー |
| 【発明者】 |
【氏名】成井 信
【氏名】金藤 ▲しと▼記
【氏名】三木 甫
【氏名】佐藤 勝幸
【氏名】小林 毅
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| 【要約】 |
【課題】RC構造の橋脚にあけたアンカー下孔が斜めであっても、アンカーを鋼板表面に対して垂直に施工できると共にコンクリートにダメージを与えないあと施工アンカーを提供すること。
【解決手段】先端部にテーパ面11と複数のスリット12を設けた拡開スリーブ10と、軸心部に雌ねじ21を設け外側面に2つの傾斜面22,23を連続して形成したコーンナット20を具備し、橋脚に巻き付けた鋼板にあけたボルト孔並びに橋脚にあけたアンカー下孔に拡開スリーブ10をコーンナット20と共に挿入し、皿ボルト30を挿入して雄ねじ31をコーンナット20に結合する。皿ボルト30を回転してコーンナット20を基端部に引き寄せてスリーブ先端部を拡開する。皿型頭部32を鋼板にあけたボルト孔のテーパ部に嵌合させる際にコーンナット20を2つの傾斜面の稜線を中心に回動して皿ボルト30を鋼板表面に対して垂直に修正する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒状に形成され先端部に開口端部に向って薄肉となるテーパ面(11)を形成し、該テーパ面(11)を形成した先端縁部から軸方向に平行する複数のスリット(12)を設けた拡開スリーブ(10)と、軸心部に雌ねじ(21)を設け、外側面に2つの傾斜面(22,23)を連続して形成したコーンナット(20)と、軸部を雄ねじ(31)とし、基端部に皿型頭部(32)を設けた皿ボルト(30)とからなり、RC構造の橋脚(40)の表面に巻き付けた鋼板(50)にあけたボルト孔並びに当該橋脚(40)にあけたアンカー下孔にコーンナット(20)を先端部に結合した拡開スリーブ(10)をコーンナット(20)を下孔奥部に向けて挿入すると共に、皿ボルト(30)を挿入して雄ねじ(31)をコーンナット(20)の雌ねじ(21)にねじ結合した後、皿ボルト(30)を回転してコーンナット(20)をスリーブ基端部に引き寄せて拡開スリーブ(10)の先端部を拡開し、皿型頭部(32)を鋼板(50)にあけたボルト孔のテーパ部に嵌合させる際に皿ボルト(30)とねじ結合されているコーンナット(20)を2つの傾斜面(22,23)の稜線を中心に回動して当該皿ボルト(30)を鋼板表面に対して垂直に修正することを特徴とするあと施工アンカー。 【請求項2】 コーンナット(20)は、外側面に形成した傾斜面が緩傾斜面(22)と急傾斜面(23)とからなることを特徴とする請求項1に記載のあと施工アンカー。 【請求項3】 拡開スリーブ(10)は先端部に軸心に向って折り曲げた係合部(13)を形成し、コーンナット(20)は緩傾斜面(22)に円周方向の環状溝(24)を設け、拡開スリーブ(10)の先端部にコーンナット(20)を緩傾斜面(22)から挿入し、係合部(13)を環状溝(24)に係合して両者を結合したことを特徴とする請求項2に記載のあと施工アンカー。 【請求項4】 拡開スリーブ(10)は、皿ボルトの挿入口となる基端部にスリーブ内径よりも大径に形成した段部(15)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のあと施工アンカー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、あと施工アンカーに関しており、さらに詳しくはRC構造橋脚の耐震補強工事に適するあと施工アンカーに関している。 【0002】 【従来の技術】既設のRC構造橋脚の耐震性能を向上するための1つの方法として、図3に示すように橋脚1の全面に鋼板2を特定の隙間をもって巻き付け、鋼板2と橋脚1の隙間にエポキシ樹脂又は無収縮モルタルを注入して当該鋼板2と橋脚1を一体化する補強工事があり、この補強工事において、鋼板2を固定する手段としてあと施工アンカー3が使用されている。あと施工アンカーの役割は、鋼板を巻き付けて継ぎ目を溶接するまでの仮固定と鋼板と橋脚の隙間にエポキシ樹脂又は無収縮モルタルを注入する際、鋼板がエポキシ樹脂又は無収縮モルタルの圧力で膨らむのを防止するためである。 【0003】なお、本明細書において、「あと施工アンカー」の他に単に「アンカー」と記載することがあるが、この場合も「あと施工アンカー」のことである。 【0004】あと施工アンカーのうち金属拡張アンカーに属するものに内部コーン打込み式やコーンナット式があるが、前者はコンクリート表面に器材を取り付けたりする場合に適しているが、予めコンクリート表面に器材が設置されている場合は後者の方が都合がよい。すなわち、内部コーン打込み式では、コンクリート表面にあけられた下孔にアンカーを挿入し専用打込み棒を使用して打ち込むのであるが、通常は打込み棒に目印がありこの目印まで打ち込むことで施工完了を確認している。しかしながら橋脚表面に鋼板を巻き付ける補強工事においては、アンカー施工時にコンクリート表面に鋼板が設置されているので、打込み棒を使用して施工するタイプのアンカーは施工管理が十分できないといった問題がある。 【0005】又、補修や補強を必要とする場合はコンクリートが劣化していることが多いので、補修または補強作業に際しコンクリートに対してできるだけダメージを与えないようにすべきである。この点、打込み式アンカーを使用したときは施工時の衝撃により大きなダメージを与える虞れがあるが、ねじ締付け式アンカーであれば拡開スリーブがゆっくり拡開するためコンクリートへ与えるダメージを極力回避できることになる。 【0006】一方、アンカーを施工するとき、橋脚内の鉄筋等によりアンカー下孔が鋼板に対して垂直にあけられないとアンカー下孔は斜状にあけられ、従ってアンカーも斜状に施工されてしまう。又、アンカー3は施工されたときに鋼板2の表面から突出しない皿ボルト4が使用されているが、アンカー3が斜状に施工されると皿ボルト4の頭部5が鋼板表面から傾斜状態で突出する。この場合、鋼板2の表面に傾斜した皿ボルト頭部が露出するのは好しくないので、突出部分は研削機を使用して削り加工を行い鋼板表面を平坦に仕上げている。 【0007】但し、アンカーの斜状施工の角度が大きい場合は、皿ボルト頭部の突出量が多くなるので削り量も多くなり、このため鋼板を支持するボルト頭部の面積が小さくなる。従って、アンカーの斜め施工はエポキシ樹脂又は無収縮モルタルの注入時における鋼板の押え力が弱くなり、アンカーによる鋼板の固定機能が低下するという問題が生じる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、RC構造の橋脚に巻き付けた鋼板にあけたボルト孔に合わせて当該橋脚にあけたアンカー下孔が斜めにあけられた場合であっても、アンカーを鋼板表面に対して垂直に施工できると共に劣化したコンクリートにダメージを与えないようにしたあと施工アンカーを提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状に形成され先端部に開口端部に向って薄肉となるテーパ面を形成し、該テーパ面を形成した先端縁部から軸方向に平行する複数のスリットを設けた拡開スリーブと、軸心部に雌ねじを設け、外側面に2つの傾斜面を連続して形成したコーンナットと、軸部を雄ねじとし、基端部に皿型頭部を設けた皿ボルトとからなり、RC構造の橋脚の表面に巻き付けた鋼板にあけたボルト孔並びに当該橋脚にあけたアンカー下孔にコーンナットを先端部に結合した拡開スリーブをコーンナットを下孔奥部に向けて挿入すると共に、皿ボルトを挿入して雄ねじをコーンナットの雌ねじにねじ結合した後、皿ボルトを回転してコーンナットをスリーブ基端部に引き寄せて拡開スリーブの先端部を拡開し、皿型頭部を鋼板にあけたボルト孔のテーパ部に嵌合させる際に皿ボルトとねじ結合されているコーンナットを2つの傾斜面の稜線を中心に回動して当該皿ボルトを鋼板表面に対して垂直に修正することを特徴とするものである。 【0010】本発明は、コーンナットが外側面に形成した傾斜面が緩傾斜面と急傾斜面とからなることを特徴とする。 【0011】本発明は、拡開スリーブが先端部に軸心に向って折り曲げた係合部を形成し、コーンナットは緩傾斜面に円周方向の環状溝を設け、拡開スリーブの先端部にコーンナットを緩傾斜面から挿入し、拡開スリーブの係合部をコーンナットの環状溝に係合して両者を結合したことを特徴とする。 【0012】さらに本発明は、拡開スリーブが皿ボルトの挿入口となる基端部にスリーブ内径よりも大径に形成した段部を設けたことを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明のあと施工アンカーは、図1に示すように拡開スリーブ10、コーンナット20、皿ボルト30とからなっている。 【0014】拡開スリーブ10は、円筒状に形成されたものであって、コーンナット20を係止する先端部内側に開口端部に向って薄肉となるテーパ面11を形成し、該テーパ面11を形成した先端縁部から軸方向に平行する複数のスリット12を設けたものである。又、テーパ面11の先端部は軸中心部に向けて折り曲げた係止部13が形成されている。なお、テーパ面11を形成したスリーブの外側面にはローレット14が形成されている。 【0015】この他、拡開スリーブ10には、皿ボルト30の挿入口となる基端部にスリーブ内径よりも大径に形成した段部15が設けられると共に、基端部近傍の外側面に複数の回止め突起16が形成されている。 【0016】実施例において、拡開スリーブ10は長さ60mm、外径21.7mm、厚み2.6mmである。又、スリット12の数は4本であり、長さはスリーブ全体の長さの約2分の1としている。さらに又、回止め突起16の数は2個である。 【0017】コーンナット20は、軸心部に雌ねじ21を設けたのであって、外側面に緩傾斜面22と急傾斜面23を連続して形成したものである。緩傾斜面22は拡開スリーブ10の先端開口部に係合して当該スリーブの先端部を拡開するためのものであり、又、急傾斜面23は拡開スリーブ10の中で皿ボルト30の取付角度を調整するためのものである。又、緩傾斜面22には、拡開スリーブ10の先端部に形成した係止部13を係合するための円周方向の環状溝24を設けている。 【0018】実施例において、コーンナット20の緩傾斜面22はナット全体の長さの約3分の2とし、急傾斜面23は残りの3分の1としている。 【0019】コーンナット20は、緩傾斜面22を拡開スリーブ10の先端部となるテーパ面11に挿入し、該テーパ面11の自由端に形成した係止部13を環状溝24に係合して両者を結合している。 【0020】皿ボルト30は、軸部をコーンナット20の雌ねじ21とねじ結合する雄ねじ31とし、基端部に皿型頭部32を設けたものである。33は皿型頭部32の中心部に形成した工具差込口である。 【0021】実施例において、コーンナット20の雌ねじ21のねじ径は「M12ネジ」のボルトがねじ結合できる大きさであり、従って、皿ボルト30の雄ねじ31も同径としている。 【0022】次に、RC構造の橋脚40及びこれに巻き付ける鋼板50を説明する。実施例において、橋脚40の表面に巻き付ける鋼板50は厚さ6mm、9mm、12mm等であり、橋脚40と鋼板50の隙間は、注入材がエポキシ樹脂の場合は4〜6mm、無収縮モルタルの場合は25〜30mmとする。又、アンカー下孔41は内径を22mmとしている。又、鋼板50にあけるボルト孔51は垂直部が23mm、テーパ部は垂直部に対して90度傾斜させており、開口部の最大径が33mmである。なお、鋼板50には予めボルト孔51をあけた状態で橋脚40に巻き付ける。 【0023】鋼板50は橋脚40の外側面に巻き付け継ぎ目を溶接する。そして、橋脚40と鋼板50との間に一定の隙間が形成されるようにする。そして、鋼板50にあけられたボルト孔51から橋脚40に対してアンカー下孔41をあける。 【0024】拡開スリーブ10とコーンナット20は、コーンナット20を緩傾斜面22から拡開スリーブ10のテーパ面11の先端部に押し込んで係止部13と環状溝24を係合して両者を仮止めしておく。そして拡開スリーブ10をコーンナット20を先端に向けてアンカー下孔41内に挿入する(図2A)。 【0025】次に、皿ボルト30をアンカー下孔41内に装着されている拡開スリーブ10内に挿入し、雄ねじ31をコーンナット20の雌ねじ21とねじ結合する。皿ボルト30を皿型頭部32の工具差込口33に回転工具を差し込んで回転すると、コーンナット20はスリーブ基端部に引き寄せられこれにより拡開スリーブ10の先端部が拡開してコンクリート壁に喰い込む。実施例のように、アンカー下孔41が鋼板表面に対して垂直にあけられていないと拡開スリーブ10は傾斜して装着されてしまうが、皿ボルト30の皿型頭部32がボルト孔51に嵌合する際、皿ボルト30のボルト軸部は垂直状態に修正される。 【0026】すなわち、ボルト孔51は鋼板表面に対して垂直にあけられているので、皿ボルト30の皿型頭部32がボルト孔51に嵌合するときに、皿型頭部32が垂直状態になろうとするため、コーンナット20が緩・急傾斜面22,23の稜線を中心に回動して皿ボルト30の装着角度を垂直状態に修正する。従って、仮りにアンカー下孔41が傾斜していた場合であっても、鋼板50の表面に皿ボルト30の皿型頭部32が傾斜した状態で突出することがない(図2B)。 【0027】なお、拡開スリーブ10の基端部に形成した段部15は、皿ボルト30の姿勢範囲を拡大することができるので修正作業が容易となるものである。 【0028】 【発明の効果】本発明は、皿ボルトが拡開スリーブ内で傾斜できる程度にその軸部直径を選択したものであるから、拡開スリーブがRC構造橋脚の表面に巻き付けた鋼板の表面に対して傾斜した状態で装着された場合であっても、拡開スリーブの先端に設けたコーンナットにより皿ボルトの装着姿勢を修正することができ、鋼板の表面から皿ボルトの頭部を傾斜状態で突出させることを防止できるものである。 【0029】本発明は、鋼板を固定する皿ボルトの支持力低下を防ぎ、橋脚と鋼板との隙間にエポキシ樹脂又は無収縮モルタルを注入するに際し、鋼板の押え力を高めることが可能となると共に、傾斜して突出した皿ボルト頭部の削り作業が不要となるものである。 【0030】又、本発明は、スリーブの拡開は皿ボルトにねじ結合したコーンナットを皿ボルトの回転によってゆっくり行うものであるから、アンカーの施工管理を皿ボルトのトルク値によって行えるのでコンクリート表面が目視でなくても施工することができ、さらに劣化したコンクリートにダメージを与えないで補強できる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596178589 【氏名又は名称】エヌエスエンジニアリング株式会社 【識別番号】390022389 【氏名又は名称】サンコーテクノ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月3日(1999.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067770 【弁理士】 【氏名又は名称】中山 清
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| 【公開番号】 |
特開2001−74014(P2001−74014A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−249436 |
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