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【発明の名称】 ロードセンシング制御回路
【発明者】 【氏名】三田村 正

【要約】 【課題】定吐出ポンプを用いて、ロードセンシング制御をおこなうことによって、制御回路全体のコストダウンを図る。

【解決手段】定吐出ポンプPと、ポンプを回転させる原動機と、この原動機の回転数を制御する制御機構とを備え、制御機構を構成するシリンダ16で吐出圧と負荷圧の圧力差を検出し、このシリンダ16の伸縮動作でエンジンEの回転数を調節し、その結果定吐出ポンプPの吐出圧を調節するロードセンシング制御回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 定吐出ポンプと、ポンプを回転させる原動機と、この原動機の回転数を制御する制御機構とを備え、制御機構は、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも、設定圧分だけ常に高圧に保たれるように制御する構成にしたロードセンシング制御回路。
【請求項2】 エンジンを原動機とし、シリンダとスロットルとで制御機構を構成し、上記シリンダのいずれか一方の室にスプリングを設けるとともに、スプリングを設けた一方の室に負荷圧を導き、他方の室のポンプ吐出圧を導き、シリンダはポンプ吐出圧が、負荷圧よりも、上記スプリングのバネ力分だけ高い圧力に保たれる構成にした請求項1記載のロードセンシング制御回路。
【請求項3】 原動機としてエンジンを用い、制御機構として吐出圧を検出する吐出圧センサーと、負荷圧を検出する負荷圧センサーと、それぞれの圧力を電子信号として受け取るコントローラーと、さらにコントローラーから送信された制御信号を受け取る電子制御式ガバナーとを備え、電子制御式ガバナーでエンジンの回転数を制御する構成するとともに、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも設定圧分だけ常に高く保たれる構成にした請求項1記載のロードセンシング制御回路。
【請求項4】 原動機としてモーターを用い、制御機構として吐出圧を検出する吐出圧センサーと、負荷圧を検出する負荷圧センサーと、それぞれの圧力を電子信号として受け取るコントローラーと、さらにコントローラーから受信された制御信号によって、モーターの回転数を制御するとともに、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも設定圧分だけ常に高く保たれる構成にした請求項1記載のロードセンシング制御回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧制御回路のロードセンシング制御に関する。
【0002】
【従来の技術】ロードセンシング制御回路とは、ポンプの吐出圧を、負荷圧よりも設定圧分だけ常に高くたもつようにするもので、従来は、そのために可変吐出ポンプとレギュレーターとを用いていた。つまり、レギュレータにはアクチュエータの負荷圧を導くとともに、この負荷圧に応じてレギュレータが作動して、可変吐出ポンプの吐出圧を制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、従来のロードセンシング制御回路では、可変吐出ポンプを使用しなければならなかった。ところが、この可変吐出ポンプは高価なために、それを用いることによって、装置全体のコストが大幅にアップするという問題があった。また、可変吐出ポンプの調節のために設置するレギュレーターは、非常に場所をとるので、これも装置全体を大型化する要因になっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、定吐出ポンプと、ポンプを回転させる原動機と、この原動機の回転数を制御する制御機構とを備え、制御機構は、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも、設定圧分だけ常に高圧に保たれるように制御する構成にした点に特徴を有する。
【0005】第2の発明は、エンジンを原動機とし、シリンダとスロットルとで制御機構を構成し、上記シリンダのいずれか一方の室にスプリングを設けるとともに、スプリングを設けた一方の室に負荷圧を導き、他方の室のポンプ吐出圧を導き、シリンダはポンプ吐出圧が、負荷圧よりも、上記スプリングのバネ力分だけ高い圧力に保たれる構成にした点に特徴を有する。
【0006】第3の発明は、原動機としてエンジンを用い、制御機構として吐出圧を検出する吐出圧センサーと、負荷圧を検出する負荷圧センサーと、それぞれの圧力を電子信号として受け取るコントローラーと、さらにコントローラーから送信された制御信号を受け取る電子制御式ガバナーとを備え、電子制御式ガバナーでエンジンの回転数を制御する構成するとともに、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも設定圧分だけ常に高く保たれる構成にした点に特徴を有する。
【0007】第4の発明は、原動機としてモーターを用い、制御機構として吐出圧を検出する吐出圧センサーと、負荷圧を検出する負荷圧センサーと、それぞれの圧力を電子信号として受け取るコントローラーと、さらにコントローラーから受信された制御信号によって、モーターの回転数を制御するとともに、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも設定圧分だけ常に高く保たれる構成にした点に特徴を有する【0008】
【発明の実施の形態】図1に示した第1実施例は、定吐出ポンプPを用いるとともに、この定吐出ポンプPをエンジンEに連繋している。このようにした定吐出ポンプPの吐出量は、エンジンEの回転数に依存するが、このエンジンEの回転数を制御するのがスロットル19である。この第1実施例において、エンジンEを駆動源とする定吐出ポンプPは、供給ライン1を介して切換弁2,3を接続している。そして、この切換弁2,3は供給ライン1に対してパラレルに接続している。
【0009】切換弁2,3には、逆止め弁4,5を介して、定吐出ポンプPから吐出された圧油が供給される。切換弁2,3には、圧油をタンクTに戻すためのタンクライン10,11が接続されている。また、切換弁2,3は負荷圧ライン12,13を介して、シャトル弁14と接続している。したがって、各アクチュエータの負荷圧は、シャトル弁14で高圧選択されて、最高負荷圧ライン15へと導かれる。この最高負荷圧ライン15はシリンダ16に接続している。
【0010】上記シリンダ16は、そのピストンによって、スプリング室16aとボトム室16bとに区画するとともに、そのピストンロッドを前記スロットル19に連繋している。そして、上記スプリング室16aにはスプリング17を設けるとともに、このスプリング室16aを上記最高負荷圧ライン15に連通させている。また、ボトム室16bは、上記供給ライン1に連通している。上記のようにしたシリンダ16は、その伸縮位置に応じて、スロットル19の角度を制御するとともに、その角度に応じて、エンジンEの回転数を制御する。そして、このときのエンジンEの回転数は、定吐出ポンプPの吐出圧が、上記最高負荷圧よりもスプリング17のバネ力分だけ高くなるように制御される。なお、供給ライン1には、リリーフ弁20を設けている。
【0011】次に、第1実施例の作用を説明する。今、切換弁2,3が図示の中立位置にあるとき、定吐出ポンプPと図示していないアクチュエーターとの連通は遮断され、負荷圧ライン12,13はタンクライン10,11と連通するので、スプリング室16a内の圧力はタンク圧となるが、ボトム室16bの圧力が、定吐出ポンプPの吐出圧となる。したがって、シリンダ16はスプリング17に抗して伸長して、エンジンEの回転数を抑え、定吐出ポンプPの吐出量を減少させる。
【0012】上記の状態からオペレーターがレバー6,7を操作して切換弁2,3を切り換えると、定吐出ポンプPと図示しないアクチュエーターとが連通する。また、このように切換弁2,3が切換位置に切り換わると、切換弁2,3の負荷圧が負荷圧ライン12,13に導かれる。
【0013】切換弁2,3に接続したアクチュエータの負荷圧は、シャトル弁14によって高圧選択され、最高負荷圧ライン15によって、シリンダ16のスプリング室16aに導かれる。一方、シリンダ16のボトム室16bには、吐出圧ライン18を介して、定吐出ポンプPからの吐出圧が導かれる。したがって、シリンダ16は、スプリング室16aの「負荷圧+スプリング17のバネ力」による作用力と、ボトム室16bの「ポンプ吐出圧」による作用力とがバランスした位置で停止する。このようにシリンダ16がバランスした位置においてスロットル19の回動位置も特定されるが、このときのエンジンEの回転数は、定吐出ポンプPの吐出圧が、上記最高負荷圧よりもスプリング17のバネ力分だけ高くなるように制御される。
【0014】もし、このときに負荷圧が高くなれば、それだけスプリング室16a側の圧力がボトム室16bの圧力よりも相対的に高くなるので、シリンダ16が収縮する。シリンダ16が収縮すれば、スロットル19の回動角が大きくなるので、エンジンEの回転数が上昇する。このエンジンEの回転数の上昇にともなって、定吐出ポンプPの回転数も上昇するので、その分定吐出ポンプPの吐出圧も上昇する。また、上記とは反対に負荷圧が低くなれば、今度は、シリンダ16が伸長し、スロットル19の回動角を小さくするとともに、エンジンEの回転数を低くする。したがって、定吐出ポンプPの回転数も低くなり、その分、定吐出ポンプPの吐出圧も低くなる。いずれにしても、負荷圧に比べて吐出圧の方が、スプリング17のバネ力に相当する設定圧分だけ常に高く維持される。
【0015】なお、第1実施例では、スプリング17をシリンダ16のロッド側に設置しているが、このスプリング17は必ずしもロッド側にある必要はない。スプリング17は、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも高くなるようにするためのものなので、例えば、最高負荷圧ライン15をシリンダ16のボトム側に接続し、吐出圧ライン18をシリンダ16のロッド側に接続するようにすれば、スプリング17はボトム側に設けてもよい。
【0016】この第1実施例では、上記のようなロードセンシング制御をおこなうために、従来のような可変吐出ポンプを使用するのではなく、定吐出ポンプPを使用している。したがって、安価な定吐出ポンプPを使用することにより、制御回路全体のコストダウンが可能となった。また、吐出圧と負荷圧の圧力差を、シリンダ16で検出し、このシリンダ16の伸縮動作でエンジンEの回転数を調節するようにしたので、大型のレギュレーターを別に設ける必要がなく、スペースの有効利用が可能となった。
【0017】図2に示した第2実施例は、エンジンEを電子的に制御するようにした点に特徴を有し、その他は、第1実施例と同様である。したがって、第1実施例と同様の構成要素については、同じ符号を用い、その詳細な説明を省略するとともに、以下には、第1実施例との相違点だけを説明する。
【0018】この第2実施例において、エンジンEにはその回転数を制御する電子制御式ガバナー28が接続されている。電子制御式ガバナー28にはコントローラー24が接続され、このコントローラ24からの制御信号27によって、上記ガバナー28が動作し、エンジンEの回転数を制御する。また、上記コントローラー24には、負荷圧センサー22からの負荷圧信号23と、吐出圧センサー25からの吐出圧信号26が送信される。負荷圧センサー22は、最高負荷圧ライン15の最高負荷圧を検出し、吐出圧センサー25は、吐出圧ライン18の吐出圧を検出する。
【0019】そして、上記コントローラ24は、負荷圧信号23と吐出圧信号26とを比較して、ポンプ吐出圧が負荷圧よりも設定圧分だけ常に高く保たれるように、電子制御式ガバナー28を介してエンジンEの回転数を制御する。
【0020】このように、第2実施例では、エンジンEの回転数を制御することによって、定吐出ポンプPの吐出量を制御するとともに、エンジンEの回転数を電子的に制御するようにしたので、第1実施例よりも装置全体をさらに低コスト化および小型化が可能になる。
【0021】図3に示した第3実施例は、定吐出ポンプPの原動機としてモータMを用いるとともに、このモータMの回転数ををコントローラ24で制御するようにしたもので、その他は、第2実施例とまったく同様である。
【0022】上記のように第3実施例は、モータMの回転数を制御することによって、定吐出ポンプPの吐出圧を調節することにしたので、従来のように、高価な可変吐出ポンプを使用しなくてもよく、可変吐出ポンプの吐出圧を調節するレギュレーターも必要がない。したがって、低コストになり、装置も小型化することができる。しかも、原動機として、エンジンではなくモータMを用いたので、よりコストダウンを図ることができる。また、定吐出ポンプPの吐出圧は電子的に制御されるので、かなり微細の制御も可能になる。
【0023】
【発明の効果】第1の発明によれば、従来のように高価な可変吐出ポンプを用いなくてもよくなり、その分、コストを低減できる。第2の発明によれば、エンジンを用いているので、例えば、車両の走行用のエンジンと併用でき、それだけコスト低減に役立つ。第3の発明によれば、エンジンの回転数を電子的に制御するようにしたので、その制御機構を小型化できる。第4の発明によれば、原動機としてモーターを用い、制御機構も電子式としたので、軽量・小型化が可能であるのはもちろん、微細な制御も可能になる。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【出願日】 平成11年9月2日(1999.9.2)
【代理人】 【識別番号】100076163
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋 宣之
【公開番号】 特開2001−74001(P2001−74001A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−248411