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【発明の名称】 密閉型ロータリー圧縮機
【発明者】 【氏名】堀畑 秀幸

【氏名】椎崎 啓

【氏名】村松 繁

【氏名】福岡 弘嗣

【要約】 【課題】従来の密閉型ロータリー圧縮機では、シリンダブロックの作成には鋳鉄から機械加工により多数の穴やタップをあけたり、面を加工することが必要で、多くの工数がかかり、コスト高となっていた。

【解決手段】密閉型ロータリー圧縮機において、シリンダブロック7を燒結鉄にて作成し、圧縮機構部3をシリンダ以外で密閉容器1と溶接固定したもので、2つのシリンダブロック7a,bを焼結により型成型すると共に素材形状31を同一形状にすることにより加工工数の低減と素材部品の共用化をはかり、コストの安い圧縮機を実現するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素を中板を挟んで2つ配置し、この2つの圧縮要素と、前記ピストンを180度位相を異ならせて駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記シリンダブロック以外で前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項2】 前記2つのシリンダブロックを同一形状の燒結成形素材から作成した請求項1の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項3】 前記シリンダブロック燒結成形素材が少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形されている請求項2の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項4】 前記シリンダブロック燒結成形素材に取りつけ穴が成形されている請求項3の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項5】 前記シリンダブロック燒結成形素材に吸入通路が成形されている請求項3の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項6】 前記シリンダブロック燒結成形素材の吸入通路の形状を、シリンダ孔の軸方向に平行に貫通する孔とこの貫通孔につながりシリンダ孔へ開口する連絡通路と、開口幅が貫通孔の径より狭く、貫通孔の中心よりベーン溝よりに開口した開口部からなる形状とした請求項5の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項7】 密閉容器外部からの吸入孔を主軸受けまたは中板または副軸受けに配した請求項1から6いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項8】 前記2つのシリンダブロックの形状を同一とした請求項7の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項9】 密閉容器外部からの吸入孔をいずれか一方のシリンダブロックに配した請求項1から6いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項10】 シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、吸入口とした請求項9の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項11】 シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側から請求項6の吸入通路の貫通孔につながり、シリンダ孔にはつながらない孔を機械加工で開け、吸入口とした請求項9の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項12】 圧縮冷媒のシリンダ#からの吐出口を主軸受けと副軸受けにそれぞれ設け、前記吐出口を軸方向から見てシリンダ孔の内側と外側にかかるように配し、前記吐出口の外側にかかる部分に相当するシリンダブロック部を機械加工にて傾斜して切り欠いた請求項1から10いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項13】 密閉容器への圧縮機構部の溶接固定部分を主軸受けまたは中板または副軸受けとした請求項1から11いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項14】 吸入孔を一方のシリンダブロックに設け、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、この吸入孔と交わる軸方向の貫通孔を設け、この貫通孔と連絡する連絡孔を中板に設け、他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きを形成した請求項1から5いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項15】 前記他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ#の軸方向の長さの1/3から2/3とした請求項14の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項16】 前記他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ孔との交線が75から90度とした請求項15の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項17】 シリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素と、前記ピストンを駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの軸方向端面に、主軸受けまたは副軸受けに設けた吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を主軸受けまたは副軸受け端面との間に形成するように設けた密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項18】 燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を形成した請求項17の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項19】 燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成した請求項17の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項20】 燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、シリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成した請求項17から19いずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項21】 燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端をシリンダ孔の手前で止めた請求項20の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項22】 燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を機械加工で形成するシリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と連絡した請求項21の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項23】 燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を主軸受けまたは副軸受けに形成された吐出口に連絡した請求項22の密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項24】 燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡した請求項21から23のいずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項25】 燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡した請求項1、2、8のいずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項26】 ほぼ中央にシリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素と、前記ピストンを駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの燒結成形素材において少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形し、前記シリンダ孔および前記ベーン溝のシリンダブロック端面との交線部をわずかにへこむ平坦部これに続く斜面からなるランド形状とし、その後前記シリンダ孔と前記ベーン溝、および端面を切削または研削加工することにより前記ランドが除去される寸法とした密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項27】 使用される冷媒がHFCで、使用する冷凍機油がHFCと相溶性が少ない請求項1から26のいずれかの密閉型ロータリー圧縮機。
【請求項28】 使用する冷凍機油がハードアルキルベンゼンを主体とした合成油である請求項27の密閉型ロータリー圧縮機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉容器内に圧縮機構部とこれを駆動する電動機とを収容する密閉型ロータリー圧縮機に関するもので、特にそのシリンダーブロックの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の密閉型ロータリー圧縮機である。この密閉型ロータリー圧縮機は、密閉容器101内に収容されるロータリー型圧縮機構102をシリンダー103と、このシリンダ内で偏心回転するピストン104と、このピストン104に先端を接しながら往復運動を行い前記シリンダを高圧室と低圧室に区切るベーンと、前記ピストン104を駆動する回転軸105と、前記シリンダ103の軸方向両端を挟持して前記回転軸105を回転自在に支承する電動機106側の主軸受け107及び反電動機側の副軸受け108から構成ししている。本従来例では、圧縮機構は上下に2つ中板109を挟んで配置されており、シリンダブロック103は鋳鉄で構成され、圧縮機構部は上部のシリンダブロックにて密閉容器に点溶接で固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の密閉型ロータリー圧縮機では、シリンダブロックの作成には鋳鉄から機械加工により多数の穴やタップをあけたり、面を加工することが必要で、多くの工数がかかり、コスト高となっていた。特に、2気筒のロータリー圧縮機においてはシリンダブロックが2つ必要になると共に、シリンダブロックも、上下で形状が異なるためシリンダブロックの加工がコストの上で最も課題であった。
【0004】そこで本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、加工の工数が少なくコストの安い圧縮機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、シリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素を中板を挟んで2つ配置し、この2つの圧縮要素と、前記ピストンを180度位相を異ならせて駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記シリンダ以外で前記密閉容器と溶接固定したもので、2つのシリンダブロックを焼結により型成型すると共に素材形状を同一形状にすることにより加工工数の低減と素材部品の共用化をはかり、コストの安い圧縮機を実現するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するために請求項1の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機において、シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部をシリンダブロック以外で前記密閉容器と溶接固定したもので、圧縮機構部の密閉容器への固定部をシリンダブロック以外とすることにより、シリンダブロックを溶接困難な焼結鉄を選択でき、シリンダの加工工数が減る。
【0007】請求項2の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを同一形状の燒結成形素材から作成したもので、金型を2種類起こす必要がなく、成型素材が共通となり、コストが低減される。
【0008】請求項3の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材が少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形されているもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0009】請求項4の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材に、2つのシリンダに共通の取りつけ穴を焼結型で成形したもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。。
【0010】請求項5の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材に、2つのシリンダに共通の吸入通路を成形したもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0011】請求項6の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材の吸入通路の形状を、シリンダ孔の軸方向に平行に貫通する孔とこの貫通孔につながりシリンダ孔へ開口する連絡通路と、開口幅が貫通孔の径より狭く、貫通孔の中心よりベーン溝よりに開口した開口部からなる形状としたもので、このような吸入通路の形状にすることにより、焼結型で成型でき、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0012】請求項7の発明は、密閉容器外部からの吸入孔を主軸受けまたは中板または副軸受けに配したもので、これにより、吸入通路の形状を請求項6のような形状をとることがでる。
【0013】請求項8の発明は、前記2つのシリンダブロックの形状を同一としたもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0014】請求項9の発明は、密閉容器外部からの吸入孔をいずれか一方のシリンダブロックに配したもので、吸入口を後加工することにより、成型素材が共通となる。
【0015】請求項10の発明は、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、吸入口としたもので、成型素材が共通となる。
【0016】請求項11の発明は、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からもので、請求項6の吸入通路の貫通孔につながり、シリンダ孔にはつながらない孔を機械加工で開け、吸入口としたもので、焼結型で成型でき、成型素材が共通となり、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0017】請求項12の発明は、圧縮冷媒のシリンダ#からの吐出口を主軸受けと副軸受けにそれぞれ設け、前記吐出口を軸方向から見てシリンダ孔の内側と外側にかかるように配し、前記吐出孔の外側にかかる部分に相当するシリンダブロック部を機械加工にて傾斜して切り欠いたもので、上下のシリンダで吐出方向が異なるが、この部分を機械加工とすることで成型素材が共通となり、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0018】請求項13の発明は、密閉容器への圧縮機構部の溶接固定部分を主軸受けまたは中板または副軸受けとしたもので、シリンダブロックを焼結鉄とすることができる。
【0019】請求項14の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを燒結成形素材から作成したものの吸入ガスの2つのシリンダへの分岐方法に関するもので、吸入孔を一方のシリンダブロックに設け、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、この吸入孔と交わる軸方向の貫通孔を設け、この貫通孔と連絡する連絡孔を中板に設け、他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きを形成したもので、一方のシリンダから他方のシリンダへの通路を軸方向の貫通孔にしたことにより、焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0020】請求項15の発明は、請求項14の吸入経路において、前記他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ#の軸方向の長さの1/3から2/3としたもので、適切な吸入通路面積を確保でき、効率の高い圧縮機を実現できる。
【0021】請求項16の発明は、前記他方のシリンダブロックの吸入部の形状に関わり、前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ孔との交線が75から90度としたもので、粉末成型プレス時の押さえ部が確保でき、切り欠き形状を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0022】請求項17の発明は、シリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素と、前記ピストンを駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの軸方向端面に、主軸受けまたは副軸受けに設けた吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を主軸受けまたは副軸受け端面との間に形成するように設けたもので、小さな部屋と通路による共鳴効果により、シリンダ内に生じる圧力脈動を低減し、騒音の低い圧縮機を実現することができる。
【0023】請求項18の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を形成したもので、共鳴室(小さな部屋)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0024】請求項19の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0025】請求項20の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、シリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成した特許もので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0026】請求項21の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端をシリンダ孔の手前で止めたもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0027】請求項22の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を機械加工で形成するシリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と連絡したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0028】請求項23の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を主軸受けまたは副軸受けに形成された吐出口に連絡したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0029】請求項24の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡したもので、共通のシリンダで、上方に吐出するタイプと下方に吐出するタイプの両方に対応できるので、部品の共用化が図れ、コストが低減される。
【0030】請求項25の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを燒結成形素材から作成したものにおいて、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡したもので、上方と下方の2つのシリンダブロックを共通の焼結成型素材を用いることができ、部品の共用化が図れ、コストが低減される。
【0031】請求項26の発明は、シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの燒結成形素材において少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形し、前記シリンダ孔および前記ベーン溝のシリンダブロック端面との交線部をわずかにへこむ平坦部これに続く斜面からなるランド形状とし、その後前記シリンダ孔と前記ベーン溝、および端面を切削または研削加工することにより前記ランドが除去される寸法としたもので、圧縮室を形成するコーナー部分にランドが残らないので、漏れ量が少なく、効率の高い圧縮機が実現できる。
【0032】請求項27の発明は、使用される冷媒がHFCで、使用する冷凍機油を極性の小さい分子構造のものとしたので、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても極性の小さい分子構造の冷凍機油は加工油と溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない。
【0033】請求項28の発明は、使用する冷凍機油がハードアルキルベンゼンを主体とした合成油であり、極性の小さい分子構造をもつので、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても、冷凍機油と加工油が溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない。
【0034】
【実施例】(実施例の全体構成)以下、本発明の第1の実施例について図面を参照して説明する。
【0035】図1は本発明の一実施例である2気筒の密閉型ロータリー圧縮機の縦断面図である。図2は図1の2気筒密閉型ロータリー圧縮機のシリンダ付近横断面図である。まず、これらの図を使って、本発明の一実施例である2気筒の密閉型ロータリー圧縮機の基本的な構造と動作について説明する。
【0036】図1において、密閉容器1内には電動機部2と圧縮機構部3がそれぞれ設けられている。電動機部2は、密閉容器1の内側に固着されたステータ4と、ステータ4に電流が流れることで回転するロータ5とからなり、ロータ5は回転軸6に固着されている。
【0037】圧縮機構部3は、上部に配した第1の圧縮機構部3aと下部に配した第2の圧縮機構部3bからなり、こららの圧縮機構部3は図2の横断面図に示すように、シリンダブロック7、シリンダブロック7のシリンダ孔8に偏心して配されたピストン9,シリンダブロック7のベーン溝10内に挿入され、ピストンに接して往復運動するベーン11からなる。
【0038】第1の圧縮機構部3aと第2の圧縮機構部3bは、中板12によって仕切られ、それぞれ独立している。回転軸5は、それぞれの圧縮機構部を貫通し、第1,第2のシリンダブロック7a,bに対応する部分に、互いに180度位相をずらせた偏心軸部13a,bが設けられている。偏心軸部13a,bには、第1,第2のシリンダ孔8a,b内に配置された第1のピストン9a,と第2のピストン9bが嵌合し、各ピストン9a,bは、各偏心軸部13a,bの回転により180度位相がずれた偏心回転が与えられるようになる。
【0039】回転軸6は、電動機部2側の主軸受け14とその反対側の副軸受け15とにより回転自在に両端支持されており、主軸受け14は上部に配した第1の圧縮機構部3aのシリンダ孔8aの端面を塞いでいる。同様に副軸受け15は下部に配した第2の圧縮機構部3bのシリンダ孔8bの端面を塞いでいる。
【0040】第1,第2のシリンダブロック7a,bは、焼結鉄で形成され、中板12を挟んで主軸受け14側と副軸受け15側から貫通した取付ボルト16により一体にボルト止めされている。一体となった圧縮機構部3は、密閉容器内周まで張り出された主軸受け14の外周部において、密閉容器1の内壁面に点溶接で固着されている。従来の圧縮機の多くはシリンダブロック7で密閉容器1に点溶接で固定されているが、本実施例においてはシリンダブロック7は焼結合金製であり、焼結合金には多くの場合、オイルが含浸されており、このオイルが溶接を阻害するため、主軸受け14にて固定する形態をとっている。このため、主軸受け14の材料は鋳鉄で作成されている。
【0041】上部に配した第1のシリンダブロック7aには、シリンダ側面からシリンダ孔に向かって径方向に貫通する孔があけられ吸入口17を形成している。吸入口には吸入ライナー18、及び吸入管19によって、密閉容器1の外と連通し、圧縮機の吸入ガスの取り入れ口となっている。
【0042】吸入口17から入った吸入ガスの一部はそのまま、上部のシリンダ孔8aに吸い込まれ、圧縮される一方、シリンダブロック7aには吸入口に交差して、軸方向の貫通孔(連絡孔)20aがあけられ、中板12の同じ位置にあけられた穴20cから下の第2のシリンダブロック7bにあけた、シリンダ孔8bとつながる斜めの切り欠き部20bと連絡し、吸入通路を構成している。(本発明においては吸入通路に関連していくつかの実施例があるので、吸入通路の詳しい作用効果はそこでまとめて説明する。)前記切り欠き20bは、下部の第2のシリンダブロック7bの中央部まで切り欠かれ、ここより、シリンダ孔8bに吸入ガスが入り、圧縮される。
【0043】シリンダ孔8a,bで圧縮された冷媒ガスは吸入口17とはベーン11を挟んで反対側の吐出切り欠き21を通って、主軸受け14及び副軸受け15の吐出口22a,bから吐出バルブ23a,b、を通って、吐出マフラー24a,bに放出される。ここで、第1の圧縮機構部3aで圧縮されたガスは上方に、第2の圧縮機構部3bで圧縮されたガスは下方に吐出されるため、シリンダブロック7に設けられる吐出切り欠き21は、第1と第2のシリンダブロック7a,bでそれぞれ逆方向になる。
【0044】吐出口22a,bはシリンダ孔8a,bの約半分にかかるような位置に配置され、吐出切り欠き21a,bは、この吐出口22にかかるシリンダブロック7が斜めに切り欠かれるのが、一般的である。吐出口22の位置、及び冷媒の循環量により吐出切り欠き21をつけない場合もある。
【0045】更に、シリンダブロック7の端面には、小さな部屋25と細い通路26からなる共鳴室が焼結型で型成型されており、細い通路25は吐出切り欠き21に連通している。シリンダブロック7の端面の小さな部屋25は主軸受け14または副軸受け15で蓋され、一定の容積を持つ部屋となる。この部屋はシリンダ容積の約0.3から5%の容積を持ち、シリンダ内部に発生する圧力脈動を低減する作用をし、騒音の低い圧縮機を実現する効果を発する。吐出切り欠き21がない場合は細い通路26の一端が吐出口に開口する。
【0046】下部の吐出マフラー24bに吐き出された冷媒ガスはシリンダブロックにあけられた吐出連通孔27を経由し、上部の吐出マフラー24a内で上シリンダで圧縮された冷媒ガスと合流した後、密閉容器内に吐き出される。このガスは電動機2を冷却し、密閉容器1上部の吐出管28から吐き出される。
(第1の実施例)以上のような構成のもと、本発明の中心であるシリンダブロックについて詳しく述べる。
【0047】図3は本実施例のシリンダブロックの焼結成型素材31aである。シリンダブロック焼結成型素材31aにはほぼ中央にシリンダ孔8があけられ、このシリンダ孔8につながる径方向のベーン溝10があけられている。更に、ベーン溝とは逆方向に加工基準孔32があけられている。材質は鉄系焼結材で、鉄系の合金粉末を図3の形状の金型に入れ、軸方向(紙面直角)にプレスした後、焼き固める。
【0048】粉末をしっかりとプレスするため、外周には図4に示すようなランド33と称する小さな段部が設けられている。ランドの最外周は端面34に対してわずかにへこむ平坦部35となっており、平坦部と端面とは斜面で結ばれている。ランド形状はシリンダブロック7の外周では比較的大きくとられているが、シリンダ孔8、及びベーン溝部10においては小さいランド形状となっている。
【0049】焼成後、気密を確保するためスチーム処理がされる。本実施例の場合はその後機械加工により、シリンダ孔8内径、ベーン溝10及び端面34が仕上げ加工される。
【0050】焼結成型素材31aは0.2mm程度の寸法精度で仕上がるので、鋳鉄材に比べ、粗加工の必要がなく取り代も少なく機械加工コストが低減される。また、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機は先に述べたように2つのシリンダブロック7は形状が異なるが、基本となるベーン溝10とシリンダ孔8を持つ焼結成型素材31aとすれば、金型が共用化され生産性が上がる。
【0051】シリンダ孔8およびベーン溝部10の取り代の大きさは図4の2点差線で示すようにランドがなくなるぎりぎりの大きさがよい。この部分はコーナー部が高圧と低圧のシール部になるためランドは残さない方がよいが、そのため取り代を大きくすると材料費、加工コストが上がる。従って、外側のランドを大きくし、内側(シリンダ孔、ベーン溝)のランドを小さくし、金型寿命のバランスをとったうえで内側のランド形状を最小にする選択をすべきである。
(第2の実施例)図5は本発明の他の実施例の、シリンダブロック7の焼結成型素材31bである。図3の実施例に対して、取りつけ穴及び吐出連通孔27が焼結成型素材において成形されている。2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の上下の取りつけ穴を共通にするには、取り付けボルト16を2つのシリンダブロックを貫通させ、主軸受けまたは副軸受けにタップを切るのが最も簡単であり、コストメリットが大きい。しかしながら、長いボルトは組立性が悪いので、タップ下穴を焼結成型素材31bにおいては成型し、シリンダブロックにタップを切るのが組み立て性も含めてよい選択である。
【0052】更に、本実施例においては焼結成型素材31bに吸入通路20が成型されている。吸入通路20はシリンダ孔の軸方向に平行に貫通する孔38とこの貫通孔につながりシリンダ孔へ開口する連絡通路39と、開口幅が貫通孔38の径より狭く、貫通孔38の中心よりベーン溝10よりに開口した開口部40からなる形状となっており、いずれも軸方向に貫通する形態であるので、粉末成型が可能となる、とともに、十分な通路面積を確保した状態で、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0053】図6はこのシリンダブロック7を適用して2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の縦断面図である。図5に示すシリンダブロック7の吸入通路20形状は貫通孔38に相当する位置の中板12に穴20cをあけることにより、第1及び第2のシリンダブロックの焼結成型素材31bは共通で使用でき、生産性が上がる。このシリンダブロックの焼結成型素材31bを共通で使用するためには、密閉容器1の外部から冷媒ガスを吸入する吸入口17をシリンダブロック7に設ける場合は前記貫通孔38に向かって、シリンダブロック7外側から孔を機械加工で開け、吸入口17としするのがよい。この吸入口17はシリンダ孔8まで貫通させてもよいが、前記軸方向の貫通孔38で止めれば、体積効率は高く保持される。
(第3の実施例)7図は上で述べたシリンダブロック7を適用した他の実施例の2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の縦断面図である。密閉容器1の外部から冷媒ガスを吸入する吸入口17を図にあるように主軸受けに設け、そこから吸入ガスを分岐すれば、焼結成型素材31bだけでなく、仕上げ加工の終わった加工完成品のシリンダブロック7が共通で使用でき、更に生産性のよい圧縮機と提供することができる。これは主軸受け14だけでなく、副軸受け15、中板12に設けても同じことがいえる。なお、副軸受け15に吸入孔17を設ける場合は、横型圧縮機にするのがよい。
(第4の実施例)図8は他の形式の吸入通路をもつシリンダブロック7の焼結成型素材31cの実施例である。このシリンダブロック7を適用した実施例の2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の縦断面図は図1に示されているのでここでは図5との違いのみを説明する。図8は図1の上部の第1のシリンダブロックであり、焼結成型素材31cにおいては、シリンダ孔8,ベーン溝10、取りつけ穴37、基準穴32,吐出連通孔27があけられており、吸入通路の軸方向貫通孔20及び吸入孔17は後から機械加工であけられる。これは、この吸入通路の構成では図1で説明したように、上シリンダブロック7aと下シリンダブロック7bの吸入通路形状が異なり、共通部分のみを焼結成型素材で成形した方が生産性がよいためである。
【0054】一方、図1で説明したように下シリンダブロック7bの吸入口は斜めの切り欠き20bで形成される。この切り欠き20bはシリンダブロック7bの中央部まで切り欠かれ、ここより、シリンダ孔8bに吸入ガスが入り、圧縮される。この切り欠き20bは適切な開口面積を確保し、しかもベーンよりに位置するのが体積効率の向上につながる。従って、細く縦長がよい。また、上方から流れるガスをスムースにシリンダ孔8内に導いてやることが、流体抵抗の減少、吸入ガスの過熱防止につながり、体積効率の向上に結びつく。これらを総合すると、シリンダ7bの軸方向の長さの1/3から2/3に開口する斜め切り欠きがよいことがわかった。
【0055】また、斜め切り欠き20bは加工ワークの方向を変えかければならず機械加工がしにくい。上下シリンダブロック7a,bの素材の共通性を犠牲にして、この切り欠き20bを焼結成型素材の状態で成形するには切り欠きの底部41であるシリンダ孔8との交線を75度から90度にすることにより可能となる。この形状にすればプレス時に粉末に圧力をかけることができ成型品の密度が下がることがない。
(第5の実施例)図9は本発明の、他の実施例のシリンダブロック7である。ここでは本発明におけるシリンダブロックの吐出口の周辺部について説明する。焼結成型素材31dにおいて他の実施例同様、シリンダ孔8,ベーン溝10、取りつけ穴37、基準穴32,吐出連通孔27があけられている。ベーン溝10の左側の破線の円は主軸受け14または副軸受け15に設けられた吐出口22の位置を示す。この円のシリンダブロック側の半円は、吐出ガスの通路で、シリンダブロック7に斜めに切り欠かれている吐出切り欠き21である。図1の説明で述べたように上下のシリンダブロック7a,bで吐出の方向が異なる。従って、この切り欠き21は焼結成型素材31dで成形するのではなく、後から機械加工するのがよい。
【0056】この切り欠き21の近傍のシリンダブロック7の端面には、小さな部屋25と細い通路26からなる共鳴室が焼結型で比較的浅く型成型されており、細い通路25は吐出切り欠き21に連通している。シリンダブロック7の端面の小さな部屋25は主軸受け14または副軸受け15で蓋され、一定の容積を持つ部屋となる。この部屋はシリンダ容積の約0.3から5%の容積を持ち、シリンダ内部に発生する圧力脈動を低減する作用をし、騒音の低い圧縮機を実現する効果を発する。
【0057】前記の細い通路は機械加工で加工してもよいが、シリンダ孔8の手前で止まるように型成形しておき、機械加工で成形される吐出切り欠き21と連絡するようにすれば、シリンダブロックの両端面に最初から、小さな部屋25と細い通路26からなる共鳴室を焼結型成形しておけば、使用する吐出方向だけ切り欠きを加工し、共鳴室と連通し、他方は軸受けで蓋をされ、密室となるのでで、上方に吐出する場合でも下方に吐出する場合でも共通で、シリンダブロック焼結成型素材31dが使用でき、生産効率のよい圧縮機が提供できる。
【0058】これは、2ピストンの場合の上下のシリンダブロックの共用化につながるだけでなく、1ピストンの圧縮機においても上方に吐出する圧縮機と下方に吐出する圧縮機の部品の共通化が図られる。
(第6の実施例)図9は本発明の、他の実施例のシリンダブロック7である。本実施例は図9の実施例に対して、吐出切り欠きがない場合の例で、図9との違いのみを説明する。図9と同様に破線の円は主軸受け14または副軸受け15に設けられた吐出口22の位置を示す。この吐出口の近傍のシリンダブロック7の端面には、小さな部屋25と細い通路26からなる共鳴室が焼結型で比較的浅く型成型されている。小さな部屋から出る細い通路はシリンダ孔8の手前で止まるように型成形してあり、破線の吐出口と連通する位置関係にある。図9との違いは吐出切り欠き21がないことで、吐出口22を比較的シリンダ孔よりに位置させれば、比較的能力の小さい(流れる冷媒ガス量の少ない)圧縮機においては吐出切り欠きがなくても、大きな抵抗にならない。
【0059】このような圧縮機の場合は、図9でも述べたと同様に、シリンダブロックの両端面に最初から、小さな部屋25と細い通路26からなる共鳴室を焼結型成形しておけば、使用する吐出方向だけ吐出口がきて、共鳴室と連通し、他方は軸受けで蓋をされ、密室となるので、上方に吐出する場合でも下方に吐出する場合でも共通で、同じシリンダブロックが使用でき、生産効率のよい圧縮機が提供できる。
【0060】これは、2ピストンの場合の上下のシリンダブロックの共用化につながるだけでなく、1ピストンの圧縮機においても上方に吐出する圧縮機と下方に吐出する圧縮機の部品の共通化が図られる。
【0061】以上の説明は、使用される冷媒、冷凍機油は特定していないが。使用される冷媒がHFCで、使用する冷凍機油を極性の小さい分子構造のものとすれば、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても極性の小さい分子構造の冷凍機油は加工油と溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない。
【0062】更に、使用する冷凍機油がハードアルキルベンゼンを主体とした合成油であり、極性の小さい分子構造をもつので、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても、冷凍機油と加工油が溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない【0063】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機において、シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部をシリンダブロック以外で前記密閉容器と溶接固定したもので、圧縮機構部の密閉容器への固定部をシリンダブロック以外とすることにより、シリンダブロックを溶接困難な焼結鉄を選択でき、シリンダの加工工数が減る。
【0064】請求項2の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを同一形状の燒結成形素材から作成したもので、金型を2種類起こす必要がなく、成型素材が共通となり、コストが低減される。
【0065】請求項3の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材が少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形されているもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0066】請求項4の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材に、2つのシリンダに共通の取りつけ穴を焼結型で成形したもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。。
【0067】請求項5の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材に、2つのシリンダに共通の吸入通路を成形したもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0068】請求項6の発明は、前記シリンダブロック燒結成形素材の吸入通路の形状を、シリンダ孔の軸方向に平行に貫通する孔とこの貫通孔につながりシリンダ孔へ開口する連絡通路と、開口幅が貫通孔の径より狭く、貫通孔の中心よりベーン溝よりに開口した開口部からなる形状としたもので、このような吸入通路の形状にすることにより、焼結型で成型でき、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0069】請求項7の発明は、密閉容器外部からの吸入孔を主軸受けまたは中板または副軸受けに配したもので、これにより、吸入通路の形状を請求項6のような形状をとることがでる。
【0070】請求項8の発明は、前記2つのシリンダブロックの形状を同一としたもので、成型素材が共通となり、金型を2種類起こす必要がなく、加工部分が減り、コストが低減される。
【0071】請求項9の発明は、密閉容器外部からの吸入孔をいずれか一方のシリンダブロックに配したもので、吸入口を後加工することにより、成型素材が共通となる。
【0072】請求項10の発明は、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、吸入口としたもので、成型素材が共通となる。
【0073】請求項11の発明は、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からもので、請求項6の吸入通路の貫通孔につながり、シリンダ孔にはつながらない孔を機械加工で開け、吸入口としたもので、焼結型で成型でき、成型素材が共通となり、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0074】請求項12の発明は、圧縮冷媒のシリンダ#からの吐出口を主軸受けと副軸受けにそれぞれ設け、前記吐出口を軸方向から見てシリンダ孔の内側と外側にかかるように配し、前記吐出孔の外側にかかる部分に相当するシリンダブロック部を機械加工にて傾斜して切り欠いたもので、上下のシリンダで吐出方向が異なるが、この部分を機械加工とすることで成型素材が共通となり、しかも十分な通路面識が稼げると共に、開口部がベーンよりになり体積効率の向上が図れる。
【0075】請求項13の発明は、密閉容器への圧縮機構部の溶接固定部分を主軸受けまたは中板または副軸受けとしたもので、シリンダブロックを焼結鉄とすることができる。
【0076】請求項14の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを燒結成形素材から作成したものの吸入ガスの2つのシリンダへの分岐方法に関するもので、吸入孔を一方のシリンダブロックに設け、シリンダブロック燒結成形素材にシリンダブロック外側からシリンダ孔に径方向貫通する孔を機械加工で開け、この吸入孔と交わる軸方向の貫通孔を設け、この貫通孔と連絡する連絡孔を中板に設け、他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きを形成したもので、一方のシリンダから他方のシリンダへの通路を軸方向の貫通孔にしたことにより、焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0077】請求項15の発明は、請求項14の吸入経路において、前記他方のシリンダブロックの吸入部に前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ#の軸方向の長さの1/3から2/3としたもので、適切な吸入通路面積を確保でき、効率の高い圧縮機を実現できる。
【0078】請求項16の発明は、前記他方のシリンダブロックの吸入部の形状に関わり、前記連絡孔とつながる斜めの切り欠きをシリンダ孔との交線が75から90度としたもので、粉末成型プレス時の押さえ部が確保でき、切り欠き形状を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0079】請求項17の発明は、シリンダ孔とこのシリンダ孔つながる径方向のベーン溝をもつシリンダブロックと、前記シリンダ孔内で偏心して回転するピストンと、前記ベーン溝内を前記ピストンに接しながら往復運動をするベーンとからなる圧縮要素と、前記ピストンを駆動する偏心部を持つ回転軸と、前記シリンダ孔の端面を塞ぐとともに前記回転軸を支承する主軸受け及び副軸受けからなる圧縮機構部を電動機とともに密閉容器内に収納した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの軸方向端面に、主軸受けまたは副軸受けに設けた吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を主軸受けまたは副軸受け端面との間に形成するように設けたもので、小さな部屋と通路による共鳴効果により、シリンダ内に生じる圧力脈動を低減し、騒音の低い圧縮機を実現することができる。
【0080】請求項18の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋を形成したもので、共鳴室(小さな部屋)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0081】請求項19の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、吐出口近傍と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0082】請求項20の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向端面に、シリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と細い通路で連絡する小さな部屋と前記細い通路の両方を形成した特許もので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0083】請求項21の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端をシリンダ孔の手前で止めたもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0084】請求項22の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を機械加工で形成するシリンダブロックに設けられた吐出切り欠き部と連絡したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0085】請求項23の発明は、燒結成形素材時に形成した前記細い通路を、その一端を小さな部屋に連絡し、他端を主軸受けまたは副軸受けに形成された吐出口に連絡したもので、共鳴室(小さな部屋と通路)を焼結型で成形でき、加工部分が減り、コストが低減される。
【0086】請求項24の発明は、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡したもので、共通のシリンダで、上方に吐出するタイプと下方に吐出するタイプの両方に対応できるので、部品の共用化が図れ、コストが低減される。
【0087】請求項25の発明は、2気筒のローリングピストンロータリー圧縮機の2つのシリンダブロックを燒結成形素材から作成したものにおいて、燒結成形素材時に、前記シリンダブロックの軸方向両端面に、小さな部屋と前記細い通路の両方を形成し、その一方端面に形成された通路と部屋は軸受けにより閉鎖された空間とし、他方端面に形成された部屋は吐出口近傍と細い通路で連絡したもので、上方と下方の2つのシリンダブロックを共通の焼結成型素材を用いることができ、部品の共用化が図れ、コストが低減される。
【0088】請求項26の発明は、シリンダブロックを燒結鉄にて作成し、圧縮機構部を前記主軸受けで前記密閉容器と溶接固定した密閉型ロータリー圧縮機において、前記シリンダブロックの燒結成形素材において少なくとも前記シリンダ孔と前記ベーン溝が成形し、前記シリンダ孔および前記ベーン溝のシリンダブロック端面との交線部をわずかにへこむ平坦部これに続く斜面からなるランド形状とし、その後前記シリンダ孔と前記ベーン溝、および端面を切削または研削加工することにより前記ランドが除去される寸法としたもので、圧縮室を形成するコーナー部分にランドが残らないので、漏れ量が少なく、効率の高い圧縮機が実現できる。
【0089】請求項27の発明は、使用される冷媒がHFCで、使用する冷凍機油を極性の小さい分子構造のものとしたので、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても極性の小さい分子構造の冷凍機油は加工油と溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない。
【0090】請求項28の発明は、使用する冷凍機油がハードアルキルベンゼンを主体とした合成油であり、極性の小さい分子構造をもつので、大きな体積を持つシリンダブロックを焼結で作成して、空孔に加工油などが残っても、冷凍機油と加工油が溶け合い、キャピラリーチューブ等を閉塞することがない。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−132673(P2001−132673A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−313407