| 【発明の名称】 |
スクロール型圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】東山 彰良
【氏名】飯塚 二郎
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| 【要約】 |
【課題】ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成されたスクロール型圧縮機であって、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われるスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に前記通路に連通する貫通孔が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 【請求項2】 ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の軸線方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から中心角で180度を僅かに超えて始端側ヘ隔たった部位の径方向外側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 【請求項3】 ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 【請求項4】 ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の軸線方向に支持され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から中心角で180度を僅かに超えて始端側ヘ隔たった部位の径方向外側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 【請求項5】 可動スクロールの端板の他方の面に、前記貫通孔の開口部の周囲に凹部が形成され、当該凹部を介して可動スクロールの端板に形成された貫通孔とハウジングに形成された通路とが常時連通していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のスクロール型圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型圧縮機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成されたスクロール型圧縮機が知られている。上記スクロール型圧縮機においては、冷媒ガスは吸入ポートを通ってうず巻き体の径方向外方へ吸引され、直ちにポケットに取り込まれるので、圧力損失が少なく高い圧縮性能が得られる。上記スクロール型圧縮機においては、うず巻き体の径方向外方へ吸引された冷媒ガスの一部が、可動スクロールの公転運動に伴って可動スクロールとハウジングとの間に間欠的に形成される冷媒通路を通ってクランク機構側へ流れ、冷媒ガスに含まれる潤滑オイルのミストにより、ベアリングや軸シールが潤滑される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成された従来のスクロール型圧縮機には、可動スクロールの公転運動に伴って可動スクロールとハウジングとの間に間欠的に形成される冷媒通路だけでは十分な量の冷媒ガスがクランク機構側へ流れないので、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われないという問題があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成されたスクロール型圧縮機であって、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。本発明に係るスクロール型圧縮機においては、可動スクロールのうず巻き体の径方向内側に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスが、可動スクロールの端板に形成された貫通孔と、当該貫通孔に連通するハウジングに形成された通路とを通って、ハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流れるので、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われる。 【0005】本発明においては、ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の軸線方向に支持され、ハウジングのうず巻き体に対峙する部位に吸入ポートが形成され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から中心角で180度を僅かに超えて始端側ヘ隔たった部位の径方向外側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。本発明に係るスクロール型圧縮機においては、可動スクロールのうず巻き体の径方向外側に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスが、可動スクロールの端板に形成された貫通孔と、当該貫通孔に連通するハウジングに形成された通路とを通って、ハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流れるので、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われる。 【0006】本発明においては、ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。吸入ポートの形成部位の如何に関わらず、可動スクロールのうず巻き体の径方向内側に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスを、可動スクロールの端板に形成された貫通孔と、当該貫通孔に連通するハウジングに形成された通路とを介して、ハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流すことにより、ベアリングや軸シールへの冷媒ガスの供給を従来よりも増加させ、該部の潤滑を従来よりも十分に行うことができる。 【0007】本発明においては、ハウジングと、ベアリングを介して回転自在にハウジングに支承された駆動軸と、中心部に吐出孔が形成された端板と端板の一方の面に形成されたうず巻き体とを有しハウジング内に配設された固定スクロールと、端板と端板の一方の面に形成され固定スクロールのうず巻き体に対して角度をずらしてかみ合い固定スクロールのうず巻き体との間にポケットを形成するうず巻き体とを有しハウジング内に配設された可動スクロールと、駆動軸の回転によって可動スクロールを公転させるクランク機構と、可動スクロールの自転を阻止する自転防止機構とを備え、可動スクロールの端板の他方の面がハウジングに摺接して可動スクロールがハウジングにより駆動軸の延在方向に支持され、ハウジングには可動スクロールとの摺接面からベアリング近傍部或いは軸シール近傍部まで延在する通路が形成され、可動スクロールの端板には、うず巻き体の終端から中心角で180度を僅かに超えて始端側ヘ隔たった部位の径方向外側に前記通路に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。吸入ポートの形成部位の如何に関わらず、可動スクロールのうず巻き体の径方向外側に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスを、可動スクロールの端板に形成された貫通孔と、当該貫通孔に連通するハウジングに形成された通路とを介して、ハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流すことにより、ベアリングや軸シールへの冷媒ガスの供給を従来よりも増加させ、該部の潤滑を従来よりも十分に行うことができる。 【0008】本発明の好ましい態様においては、可動スクロールの端板の他方の面に、前記貫通孔の開口部の周囲に凹部が形成され、当該凹部を介して可動スクロールの端板に形成された貫通孔とハウジングに形成された通路とが常時連通している。可動スクロールの端板の他方の面に形成された凹部を介して可動スクロールの端板に形成された貫通孔とハウジングに形成された通路とを常時連通させることにより、前記貫通孔と通路とを通ってハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流れる冷媒ガスの量が増加し、ベアリングや軸シールの潤滑が更に十分に行われる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を説明する。図1において、10はスクロール型圧縮機のハウジングである。ハウジング10は、皿状のリアケーシング10a1 と、リアケーシング10a1 に固定された円筒状のセンターケーシング10a2 とを有するリアハウジング10aと、大径円筒部10b1 と小径円筒部10b2 とを有しリアハウジング10aに固定されたフロントハウジング10bとを備えている。リアハウジング10aとフロントハウジング10bとは同心状に配設されている。ハウジング10の中心軸線X上に配設されたシャフト11が、フロントハウジングの小径円筒部10b2 を通って、ハウジング10内に延びている。シャフト11は、フロントハウジングの小径円筒部10b2 に包囲された小径部11aと、フロントハウジングの大径円筒部10b1 に包囲された大径部11bとを備えている。大径部11bの端面には、軸線Xに平行に延びるクランクピン12が、軸心から偏心して固定されている。シャフト11の大径部11bは、ボールベアリング13を介してフロントハウジングの大径円筒部10b1 により回転自在に支承されている。シャフト11の小径部11aを包囲してリップシール14が配設されている。 【0010】フロントハウジングの小径円筒部10b2 を包囲して電磁クラッチ15が配設されている。電磁クラッチ15は、フロントハウジングの小径円筒部10b2 に回転自在に外嵌すると共に、図示しないVベルトを介して図示しない外部駆動源に接続されたプーリ15aと、フロントハウジング10bに固定された電磁石15bと、シャフト11の小径部11aの端部にセレーション結合されたクラッチアーマチュア15cとを備えている。電磁クラッチ15を介して、図示しない外部駆動源によりシャフト11が回転駆動される。 【0011】リアハウジング10a内には、固定スクロール16が配設されている。固定スクロール16は、センターケーシング10a2 と一体形成された円板状の端板16aと、端板16aの一方の側面に形成されたうず巻き体16bとを備えている。端板16aの中心部には吐出穴16a1 が形成されている。固定スクロールの端板16aにより、リアハウジング10aの内部空間は吸入室17と吐出室18とに仕切られている。センターケーシング10a2 の側壁に、うず巻き体16bに対峙して吸入ポート19が形成されている。吸入ポート19は吸入室17に連通している。センターケーシング10a2 の側壁に吐出ポート20が形成されている。吐出ポート20は吐出室18に連通している。 【0012】リアハウジング10a内に、固定スクロール16に隣接して可動スクロール21が配設されている。可動スクロール21は、円板状の端板21aと、端板21aの一方の側面に形成されたうず巻き体21bと、端板21aの他方の側面に形成された環状のボス21cとを備えている。端板21aの他方の側面の周縁部が、スラスト受けリング22を介して、フロントハウジング10bに摺接し、フロントハウジング10bにより、軸線X方向に支持されている。可動スクロール21のうず巻き体21bと、固定スクロール16のうず巻き体16bとは、図2に示すように、180°の角度のずれをもってかみ合っている。 【0013】互いにかみ合う可動スクロールのうず巻き体21bと固定スクロールのうず巻き体16bとの間に一対の空間、すなわちポケット23a、23bが形成されている。ポケット23aはうず巻き体21bの径方向内側に形成され、ポケット23bはうず巻き体21bの径方向外側に形成されている。ポケット23a、23bは、後述するように可動スクロール21が固定スクロール16に対して公転するのに伴って、うず巻きの外縁部すなわち終端部からうず巻きの中心部すなわち始端部へ向かって移動し、当該移動に伴って体積が減少し、ポケット内の冷媒ガスが圧縮される。 【0014】図1に示すように、ボス21cには、厚肉円板状のブッシュ24が、ニードルベアリング25を介して回転自在に内嵌している。ブッシュ24には、軸線Xに平行に延びる貫通穴26が形成されている。貫通穴26は、シヤフト11の大径部11bに固定されたクランクピン12を収容している。クランクピン12とブッシュ24とニードルベアリング25とボス21cとにより構成されるクランク機構により、シャフト11が回転すると可動スクロール21は軸線Xの回りに公転する。 【0015】フロントハウジング10bと可動スクロール21との間には、可動スクロール自転防止用のカップリング機構27が配設されている。 【0016】図1に示すように、スラスト受けリング22とフロントハウジング10bとに、可動スクロール21との摺接面からベアリング13の近傍部或いはリップシール14の近傍部まで延在する通路28が形成されている。図1、2に示すように、可動スクロール21の端板21aには、うず巻き体21bの終端から始端側ヘ僅かに隔たった部位の径方向内側に貫通孔29が形成されており、他方の側面に貫通孔29の開口部の周囲に凹部30が形成されている。凹部30を介して貫通孔29と通路28とが、可動スクロール21の公転運動中、常時連通している。 【0017】上記構成を有する本実施例に係るスクロール型圧縮機の作動を説明する。図示しない外部駆動源により、電磁クラッチ15を介して、シャフト11が回転駆動される。シャフト11の回転により、クランクピン12に支承された可動スクロール21が軸線Xの回りに公転する。公転に伴う可動スクロール21の自転は、カップリング機構27により阻止される。可動スクロール21の公転に伴って、互いにかみ合う可動スクロールのうず巻き体21bと固定スクロールのうず巻き体16bとの間に形成された一対のポケット23a、23bが、うず巻きの終端部から、うず巻きの始端部へ向かって移動する。吸入ポート19を通って吸入室17へ流入した冷媒ガスが、うず巻き体21bの終端部の径方向内側で形成されつつあるポケット23aと、うず巻き体21bの終端から中心角で180度始端側ヘ隔たった部位の径方向外側で形成されつつあるポケット23b内へ流入する。ポケット23a、23bがうず巻きの終端部から始端部へ向かって移動すると共に、ポケット23a、23bの体積が減少し、ポケット23a、23b内の冷媒ガスは圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、固定スクロールの端板16aに形成された吐出穴16a1 を通って、吐出室18ヘ流出する。吐出室18ヘ流入した冷媒ガスは、吐出ポート20を通って、外部冷媒回路へ流出する。冷媒ガスは吸入ポート19を通ってうず巻き体16b、21bの径方向外方へ吸引され、直ちにポケット23a、23bに取り込まれるので、圧力損失が少なく高い圧縮性能が得られる。 【0018】可動スクロールのうず巻き体21bの径方向内側に形成されるポケット23a内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスが、可動スクロールの端板21aに形成された貫通孔29と、貫通孔29に連通するフロントハウジング10bに形成された通路28とを通って、ベアリング13の近傍部或いはリップシール14の近傍部へ流れる。冷媒ガスは加圧されているので、十分な量の冷媒ガスが流れ、ひいては十分な量の潤滑オイルのミストが流れ、ベアリング13やリップシール14の潤滑が十分に行われる。凹部30を介して貫通孔29と通路28とが可動スクロール21の公転運動中常時連通しているので、凹部30が存在せず貫通孔29と通路28とが可動スクロール21の公転運動に伴って間歇的に連通する場合に比べて、ベアリング13の近傍部或いはリップシール14の近傍部へ流れる冷媒ガスの量が増加し、ベアリング13やリップシール14の潤滑が十分に行われる。 【0019】本発明の第2実施例を説明する。図3に示すように、本実施例に係るスクロール型圧縮機においては、可動スクロールの端板21aには、貫通孔29、凹部30に代えて、うず巻き体21bの終端から中心角で180度を僅かに超えて始端側ヘ隔たった部位の径方向外側に貫通孔29′が形成されており、他方の側面に貫通孔29の開口部の周囲に凹部30′が形成されている。スラスト受けリング22とフロントハウジング10bとに、通路28に代えて、可動スクロール21との摺接面からベアリング13の近傍部或いはリップシール14の近傍部まで延在する図示しない通路が形成されている。当該通路は、可動スクロール21の公転運動中、凹部30′を介して常時貫通孔29′に連通している。上記を除き、本実施例に係るスクロール型圧縮機は第1実施例に係るスクロール型圧縮機と同一の構成を有する。本実施例に係るスクロール型圧縮機においては、可動スクロールのうず巻き体21bの径方向外側に形成されるポケット23b内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスが、可動スクロールの端板21aに形成された貫通孔29′と、貫通孔29′に連通するフロントハウジング10bに形成された図示しない通路とを通って、ベアリング13の近傍部或いはリップシール14の近傍部へ流れるので、ベアリング13やリップシール14の潤滑が十分に行われる。 【0020】以上本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。上記実施例に係るスクロール型圧縮機においては、センターケーシング10a2 の側壁に、うず巻き体16bに対峙して吸入ポート19が形成されていたが、図4に示すように、フロントハウジング10b′のクランク機構やベアリング13′に対峙する部位に吸入ポート19′が形成されたスクロール型圧縮機にも、本発明を適用することができる。図4のスクロール型圧縮機では、吸入ポート19′からフロントハウジング10b′内ヘ流入した冷媒ガスの一部が、構成部材間の隙間を通ってベアリング13′へ供給され、更にベアリング13′のレース間隙間を通ってリップシール14′ヘ供給されて該部を潤滑するが、可動スクロールの端板21a′に形成した貫通孔29″と、貫通孔29″に連通するフロントハウジング10b′に形成した通路28′とを介して、可動スクロールのうず巻き体21b′と固定スクロールのうず巻き体16b′との間に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスを、ベアリング13′の近傍部或いはリップシール14′の近傍部へ流すことにより、ベアリング13′やリップシール14′ヘの冷媒ガスの供給を更に増加させ、該部の潤滑を更に十分に行うことができる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るスクロール型圧縮機にあっては、可動スクロールのうず巻き体の径方向内側に形成されるポケット内の初期圧縮工程にある僅かに加圧された冷媒ガスが、可動スクロールの端板に形成された貫通孔と、当該貫通孔に連通するハウジングに形成された通路とを通って、ハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流れるので、ベアリングや軸シールの潤滑が十分に行われる。可動スクロールの端板の他方の面に形成された凹部を介して可動スクロールの端板に形成された貫通孔とハウジングに形成された通路とを常時連通させることにより、前記貫通孔と通路とを通ってハウジングのベアリング近傍部或いは軸シール近傍部へ流れる冷媒ガスの量が増加し、ベアリングや軸シールの潤滑が更に十分に行われる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月9日(1999.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095245 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 嘉彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−132671(P2001−132671A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−318075 |
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